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発達障害研修講座(1)

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Academic year: 2021

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発達障害研修講座(1)

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発達障害とは?

• 認知(物事を考えること)、言語(ことば)、

運動、社会的スキル(生活能力)の獲得に

問題が生じる

• 発達の遅れ、質的なゆがみがある

• 症状が発達期に現れ、成人期まで持続す

精神遅滞(知的障害)(MR) 学習障害(LD) 発達性協調運動障害(DCD) 広汎性発達障害(PDD) 注意欠陥多動性障害(ADHD) 目に見えない発達上のゆがみや遅れを発達障害という

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発達障害の気づき

• 表情? • ことばの遅れ、異常? • 人とのかかわりかた? • 動き(緩慢、多動)? • 身辺自立? • 全体的な遅れ? • 健診で問題を指摘され た? 他の子どもと比べ、 どこか違っている・・・ 先入観にとらわれず、子どもをよく見ることが大切

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気になる状態と考えられる発達障害

• 落ち着きがなく衝動的である • 人とかかわれず自己中心的 である • こだわりがありコミュニケー ションがとれない • 全体的に発達が遅れている • 学習につまずいている • ことばだけが遅れている • 発音がおかしい ADHD アスペルガー障害、 高機能自閉症 自閉症 知的障害 LD 言語発達遅滞 言語障害 子どもをよく観察し、主となる問題や困難を特定する

(5)

注意欠陥多動性障害(ADHD)とは

• 不注意 – 不注意、注意の持続の困難 – 聞いていない、物事をやり遂げられない – 順序立てられない、物をなくす、忘れる • 多動 – もじもじする、座っていられない、高いところに上がる – 静かに活動できない、しゃべりすぎる • 衝動 – すぐ答える、順番を待てない – 他人を妨害する ADHDとは自分の行動が抑制できない障害

(6)

ADHDによく見られる特徴

• ぼんやり、注意散漫タイプ

• キレやすく衝動的なタイプ

• 混合タイプ

声をかけられても気がつかない、話を聞いていない(他のことに注意が むく)、自分の作業より他人のことが気になる、遊びが持続しない、食事 に集中せずに遅い、おもちゃを置き忘れる おしゃべり好きで話に割り込む、集団活動で順番が守れない、おもちゃ の貸し借りが苦手、食べながらもおしゃべり、一定の場所にじっとして いない、すぐに飛び出す、すぐに乱暴する、乱暴なことばづかい ぱっと行動しすぐに別の動きが出る、座っていても指遊び手遊び、 興味が次々に移る、常に動き回りちょっかいを出す、いただきますが待 てない、好きなことには集中する ADHDは一様ではなく、さまざまなタイプがある

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ADHD見極めのチェックリスト

• 今後の特別支援教育の在り方について(最

終報告)より、判断基準(試案)

– http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/ shotou/018/toushin/030301j.htm

• ADHD評価スケール

– DuPaul, et al(1998) 明石書店 日常生活における行動観察が重要

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広汎性発達障害(PDD)とは

1. 社会性の障害

– 視線が合わない、友達が作れない、喜びを分 かち合えない、他人の気持ちが理解できない

2. 行動の特異性(想像力の障害)

– 儀式的行動、常同的な反復行動、こだわり

3. コミュニケーションの特異性

– 一方的に話す、独り言、場にそぐわない発言 アスペルガー障害、高機能自閉症(HFA)とは 知的能力が高いPDD 自閉症とは、知的障害のあるPDD

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アスペルガー、HFAのある子どもの特徴

• 場の空気が読めない(嫌がっているのに気がつかない) • 暗黙のルールがわからない(順番に話す、など) • 思ったことをすぐ口にする(「どうしてハゲてるの?」) • 話が一方的である(自分の興味のある話だけ) • 昆虫の名前、国旗など抜群に記憶力がいい • ひとりで遊んでいることが多い(一人遊び、マニアックな 遊び?) • 変化を嫌う(ものや行為へのこだわりがある) • 急に予定が変更になるとパニックを起こす 能力の著しい偏りから、対人関係、情緒の問題を引き起こす

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自閉症の子どもの特徴

• 視線が合わない、合わせようとしない

• コマーシャルなど、場に合わない独り言を言う

• ことばがなく、奇声をあげる

• 特定のもの(水、鍵、食べ物など)にこだわる

• 回るもの、光るものに強く関心をもつ

• 人に対する関心が乏しい

• 意味のない空虚な笑いが見られる

• 同じ動きを繰り返す(くるくる回るなど)

知的な遅れや能力の著しい偏りから、社会適応が困難になる

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PDD見極めのチェックリスト

• 今後の特別支援教育の在り方について(最

終報告)より、判断基準(試案)

– http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/ shotou/018/toushin/030301j.htm

• 自閉症幼児チェックリスト(資料)

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知的障害(精神遅滞;MR) とは

• 発達や知的能力が全体的に遅れている状態

– 同年齢の子どもに比べて著しく幼い – 同年齢の子どもに比べて著しく手がかかる

• 知能指数(IQ)70未満がひとつの目安

• 早生まれや劣悪な養育状態で起こるもので

はない

– 早生まれ、養育の悪さでも遅れはあるが、適切な 環境で追いつくことができる 知的障害 とは発達の全体的遅れ

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満2歳の子どもは、 この赤で囲まれた ことができる そこで、発達の プロフィールは 平らになる 発達検査をしてみると・・・ 遠城寺式 発達検査

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知的障害の子ども は、全体的に発達 が遅れている そこで、発達の プロフィールは 全体的に標準よ り下に位置する

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学習障害(LD) とは

• 聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する

能力のうち特定のものの習得と使用に著しい

困難を示す様々な状態

– 身体障害、知的障害などの障害がない

• 医学的には、読み障害、書字障害、算数障害

などが知られている

LD とは知的な遅れのない学習困難 教科学習が始まってみないとわからないことが多い

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LDによく見られる特徴

• 靴などの左右をよく間違える

• 一対一で話すと理解できるが、集団の中での

理解が困難

• はさみなどの道具の使い方が未熟

• 不器用で運動がぎこちない

• 遊びのルール、状況の理解ができない

• 整理整頓が苦手

• 語彙が少ない・名前が出てこない・記憶力が

弱い

能力の偏りから、学習や生活への適応の問題を引き起こす

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そこで、発達のプロ フィールは上と下の差 が大きく、波打っている このことを 「発達(認知)の偏り」と いう 発達障害の子どもは、 おおむね標準なのだが、 できない項目があったり、 年齢よりできる項目があったりする 認知の偏り

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特異性言語障害

• 定義:ことばを話すことの遅れ、ことばを話す

ことと聞いて理解することの遅れがあり、コ

ミュニケーションに支障をきたす状態

– 知的障害、自閉症、LDなどの障害ではない

• よく見られる様子

– ことばの遅れ、語彙の少なさ – ことばの一部だけ言う、言い誤りが多い – 質問に答えられない、理解できることばが少ない 特異性言語障害とは、コミュニケーションの困難さ

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言語障害(音声機能の障害)とは

• 音声や構音(発音)、話し方の障害

– 脳性まひや聴覚障害でも起こる

• 音声障害(機能性、器質性、運動障害性)

– 「からす」が「たらす(tarasu)」などの発音の歪み – 全体的に発音が不明瞭

• 吃音(話し方のリズムの障害)

– はじめの音が出なかったり、一定のリズムで話せ ない(「ボ、ボ、ボクネ・・・」のような言い方) 言語障害とは、話し方(スピーチ)の障害

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二次障害

ADHD ODD (反抗挑戦性障害) CD (行為障害) アスペルガー 障害

虐待

二次障害を引き起こす原因

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虐待を受けている子どもの様子(杉山,2007)

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反応性愛着障害とは

• 生後五歳未満までに親やその代理となる人と

愛着関係が持てず、人格形成の基盤におい

て適切な人間関係を作る能力の障害

• 二つの群

– 抑制型:他者に対して無関心。PDDに類似 – 脱抑制型:部分的な愛着関係の状態に取り残さ れ、他者に対して無差別に薄い愛着を示す。 ADHDに類似 資料(表) 予後 自制能力の欠如 人間関係構成能力の障害

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子どもを虐待から守る五か条

1. 「おかしい」と感じたら迷わず連絡(通告)を

2. 「しつけのつもり」は言い訳

3. ひとりで抱え込まない

4. 親の立場より子どもの立場

5. 虐待はあなたの周りでも起こり得る

厚生労働省(2005)

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必要な情報収集

• 知的能力、認知の偏り:知能検査

• 発達の程度:発達検査、生活能力検査

• 問題行動

• 人間関係

WIPPSI,WISC-Ⅲ、K-ABC,K式知能検査、田中ビネー 遠城寺式、津守式発達検査、社会生活能力検査 行動観察 問題行動の内容、実態 他者とのかかわり方、ソーシャルスキル 関係者からの聞き取り 生育歴、行動様式の実態 交友関係、他者理解など 信頼できる必要最小限の客観的なデータ収集

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行動観察

• どんなときに

• どんな問題が(起きて)

• どう対応したか

• その効果は?

場面(場所)、設定、かかわり方、ことば、人、状況 泣く、他害行動、自傷行為、暴言、無関心(無反応) 叱る、無視、反撃する、逃げる、ほめる(?) やめる、エスカレート、違う問題発生、謝る、無視

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行動観察のまとめ

条 件 行 動 結果への対応 ・どんな活動の時間か ・場所、設定 ・誰が、どんな働きかけ をしたのか ・対象の子どもの特徴 ・教師の働きかけ ・気になる行動はどうい う行為かを具体的に ・問題と考えられる行動 のみを書くこと ・その意味(何を訴えた いのか)を考えること ・左の行動に対して、教 師(子ども)はどう対応し たのか(反応したのか) ・そしてその結果はどう だったのか ひとつの問題行動について分析することで、 どのように対応するか、きめることができる

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障害別行動観察のポイント(私見)

• ADHD

• アスペルガー障害

• 知的障害

→ 全体的な遅れ

誰かに動かされているような感じ、本人の気づき、 さまざまな場面で 言語能力の高さ、記憶力の良さ、精神年齢の幼さ 複数の目で、さまざまな場面で観察し、 検査結果もあわせて判断する

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保護者からの聞き取り

• 家庭の様子

• 保護者の育児に対する考え

• 園の方針への意見

• 父親のかかわり

事実を尋ねる。園での様子との比較。事情聴取ではない 保護者の考えを理解する、感情を受け入れる 存在感、夫婦のコミュニケーション、子どもとの遊び方 子どもに関する客観的な情報 親の願いを丁寧に聞き取ること

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相談機関

県教育センター

教育事務所(専門相談員)

市町村教育センター

特別支援教育サポートセンター(新潟市)

特別支援学校

児童相談所

小児医療センター、精神医療センター

発達障害者支援センター

障害者就業・生活支援センター

困ったことは気軽に相談できます

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大切なこと:支援すること

医学的診断 治 療 子どもが抱える困難さの把握 特別な教育的支援 よりも よりも 何の障害? ルールがわからない集中できない、 保育園(幼稚園)、家庭こそが中心 に支援を! 必要な情報収集 子どもの困り感を見つけ支援の早急な提供

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長澤研究室

http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~nagasawa/

参照

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