所蔵目録からアクセスツールへ
RDA(Resource Description and Access)が拓
く新しい情報の世界
From library catalogue to access tools
New horizon of resource discovery by RDA (Resource Description and Access)
蟹瀬 智弘
1 KANISE Tomohiro11 NPO法人大学図書館支援機構(〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-19-12 コルティス大塚 6F)TEL : 03-5961-3401 E-mail : [email protected]
1 Institute for Assistance of Academic Libraries (CORTIS Otsuka 6F 1-19-12 Kitaotsuka Toshima-ku, Tokyo 170-0004)
原稿受理(2013-03-05)
情報管理 56(2), 084-092, doi: 10.1241/johokanri.56.84 (http://dx.doi.org/10.1241/johokanri.56.84)
著者抄録
欧米をはじめとして世界中の図書館で広く使用されているAACR2は,2010年に改訂されてRDAとなった。名称が変更 になったのは,図書館の所蔵目録を作成する規則から,資源にアクセスするためのツールを作成する規則へとその役 割が変わったためである。内容としては昨今の資料種別の多様化に対応するため,従来の資料種別ごとの章立てから, FRBRの各実体を中心に据えた構成へと大きく変貌を遂げた。さらにその規定の対象は記録するデータそのものに限定 され,データの格納や表示の仕方はそれぞれのシステムに委ねることにより,多様なシステムに対応するようになった。キーワード
目録規則,記述目録法,RDA,資源の記述とアクセス,AACR2,英米目録規則1.
はじめに
図書館で目録を作成する際の指針となるのが目録 規則である。1978年からは英語圏をはじめとして広 くAACR2(Anglo-American Cataloguing Rules. 2nd ed.)が使用されてきたが,2010年にRDA(Resource Description and Access)という名称になり大幅に改 訂された。 これを受けてLibrary of Congress(米国議会図書館) が2013年3月31日に本格的にRDAに切り替えたほか, 中国語,フランス語,ドイツ語,スペイン語への翻 訳が進められるなど,世界的にRDAへの対応が始まっ ている。わが国においても日本図書館協会が『日本 目録規則』を,RDAを強く意識したものへと改訂す る作業を進めており,国立国会図書館も2013年4月1 日から洋図書についてRDAの適用を開始した。また 大学図書館を中心に多くの図書館が参加している書 誌ユーティリティーであるNACSIS-CATも,RDAへの筆者が所属するNPO法人大学図書館支援機構(IAAL) では,このNACSIS-CATのRDA対応に関する調査に協 力するとともに,RDAに関する情報を広く提供する ため2012年12月よりRDA講習会を実施している。 講習会では,日ごろ目録を扱っている図書館員を 対象としてRDAの概要を解説している注1)が,本稿で は目録規則とそれを取り巻く環境の変化の中にRDA を位置づけてその存在意義を確認してみたい。
2.
目録規則とは何か
図書館における目録は,ある図書館における蔵書 を列挙したものであり,蔵書目録もしくは収蔵資料 目録などと呼ばれている。当初は財産管理のための 台帳であったが,求める書物にたどり着くための検 索ツールとしての機能も持つようになり,そのため の配列や索引などが工夫されてノウハウが蓄積され ていった。そのノウハウをまとめた作業マニュアル が目録規則の原型である。しかしながら単一の図書 館での作業マニュアルはそのままではまだ目録規則 とは言えない。それらのマニュアルが多くの図書館 で合意され標準化されることにより,初めて近代的 な意味での目録規則と呼べるようになるのである。 この標準化は,図書館内での標準化(作業マニュア ル)から国レベルでの標準化を経て,国際的な標準 化というようにその範囲を拡大してきた(もちろん その拡大の仕方は単純ではなく,国レベルで完全に 統一されてから国際化されたのではなく,国際化さ れることで国レベルでの標準化が進むという側面も ある)。3.
AACR2はどのようなものか
3.1 歴史 近代的な意味での最初の英語の目録規則は,1839 年に大英博物館のAntonio Panizziが著した “Rules for米国ではCharles C. Jewettが1853年にPanizziの規則 を一部改良して “On the construction of catalogues of libraries” を著した。
その後Charles A. Cutterにより “Rules for a dictionary catalogue(1876)” が著され,米国のみならず世界的 に影響を与えたことにより,これ以後目録規則の国際 的標準化は米国図書館が中心となって進められる(当 初は冊子体目録のための規則であったが,2版以降は 当時米国で普及し始めていたカード目録を意識してい る)。 英国,米国それぞれの国内における目録規則の標 準化が進められるとともに,Deweyなどの呼びかけ により英米共通の目録規則の制定に向けて両国が動 き出した。そうして1908年に発行されたのが英米標 準目録規則となる “Catalog Rules: Author and Title Entries-American Edition” と “Catalog Rules: Author and Title Entries-English Edition” である。
1961年にはパリで開催された国際目録原則会議に おいて,いわゆるパリ原則が採択された。これによ り国際的な標準化が図られ,書誌データの交換が容 易になった。このパリ原則に基づいて,1967年には “Anglo-American Cataloguing Rules : North American Text” と “Anglo-American Cataloguing Rules : British Text” が刊行された。これがAACRであり,現在使用 されているAACR2の初版である。
1971年には “International Standard Bibliographic Description(ISBD)”(「国際標準書誌記述」)が制定 された。これは書誌記述において,書誌データの機 械処理を行うためにその望ましい記述の順序や必要 な区切り記号を定めたものであり,これが採択され たことにより世界的レベルで共通の土台を持つこと ができた。このISBDの制定を受けてAACRも部分的 に改訂されたが,1978年には全面的に改訂され,さ らにこれまで別のものとして刊行されてきた英米の 規則が一本化されて “Anglo-American Cataloguing Rules. Second Edition(AACR2)” が刊行された。そ
ている。 3.2 構成 AACR2(2002 revision)の目次を表1に示した。 このように,AACR2は2つの部分からなる。パート 1は記述であり,総則と,その後に図書,地図,楽譜 などの資料種別ごとにそれぞれの章が設けられてい る。機械可読データ(現在の2002rev.では「電子資料」) や三次元資料(いわゆる博物資料)の章も追加され た。また,これらの資料種別を表わすために,タイ トルの後ろにGMD(General Material Designation) を付記することとした。 各章の中はさらに,情報源や各フィールドの区切 り記号を規定する総則の後に,タイトルと責任表示, 版表示,出版事項……のように目録カードに記入す るエリアの順に規定されている。 パート2は標目で,アクセス・ポイント,個人標目, 地名など,目録カードを配列する際の見出しになる 部分について規定されており,よりパリ原則に裏付 けられたものとなっている。
4.
目録作成をめぐる状況の変化
AACR2の主な記述対象である図書資料は,印刷技 術の発達や読書人口の増加とともに発行部数が増加 していき,同じ図書が大量に市中に出回るようになっ た。このため複数の図書館で同じ資料を所蔵するこ とも多くなった。同じ図書であれば目録に記録すべ き書誌情報も同じものになるので,それぞれの所蔵 館で同じ書誌情報を別々に記録するのは無駄である と考えられるようになった。1つの図書館で目録カー ドを作成し,それを印刷して配布すれば,他の図書 館では配架場所などのローカル情報を付け加えるだ けで済む。これを実践したのが1901年末から頒布さ れた米国議会図書館の印刷目録カードである。各図 書館はこの印刷目録カードを購入し,各館のローカ ル情報を追加するだけでカード目録を作成・利用す ることができるようになった。 目録作成の重複を省く方法としては,他にもグルー プの参加館で分担して目録を作成する共同分担目録 方式もある。米国のOCLCや日本のNACSIS-CATがこれ に該当するが,この場合はさらに目録規則の共通化・ 標準化が要求される。 また,コンピューターの普及にともない,1965年 には米国議会図書館によりMARC計画が実施され,目 録の電算化が行われるようになった。しかしながら AACR2は目録カードに記入するための規則であり, これに基づいた書誌データをデータベースに入力す るためには,コンピューターのレコードとしてどの ように格納するかということを別途決めなければな らない。AACR2ではISBDを適用してそれぞれのフィー ルドの区切り記号としてきたため,これらの区切り 記号を利用してフィールドに分けて記録媒体に情報 を格納するようになった。英米を中心にMARC21とい うフォーマットが広く使用されている。 パート1:記述 記述総則 図書,パンフレットおよび印刷した一枚もの 地図資料 手稿(手稿集を含む) 楽譜 録音物 映画およびビデオ録画 静止画像資料 電子資料 三次元工芸品・実物 マイクロ資料 継続資料 分出 パート2:標目,統一タイトル,参照 アクセス・ポイントの選定 個人標目 地名 団体名の標目 統一タイトル 参照 (以下付録省略)5.1 資料の特性 AACR2では各種の資料種別に対応する章が個別に 設けられている。しかしながら近年の資料形態の多 様化に対し,1つ1つ個別に対応していたのでは後手 に回ってしまい,新たな形態の資料の目録を採る必 要に応えることができない。また,特にコンピュー ターファイルの発達により,形式と内容が単純に対 応しなくなってきている。例えば,従来は映画とい えばフィルムであったものが,磁気テープであるビ デオカセットが普及し,さらに現在ではDVDやBlu-rayなどのさまざまな媒体に格納されたり,オンライ ンでもアクセスできるようになってきている。その ため,映像資料の目録を採る場合はこうする,と一 括りに規則を定めることは難しくなってきている。 5.2 図書館を取り巻く環境の変化 1つの図書館だけのデータベースを構築するのであ れば,データのフォーマットや格納の仕方はそのつ どその図書館で決めればよい。しかし,システムは 変更することがあるのでこれに対応しやすくしたり, さらに他の図書館とデータをやり取りするためには, 標準的なフォーマットである必要がある。特にネッ トワーク環境では特定のデータ形式に固定するので はなく,さまざまなフォーマットに対応できるよう な柔軟なレコードであることが求められる。
6.
RDAはどのような特徴を持つか
6.1 目標 RDAはその序文の中で,「資源(resource)の発見 を支援するデータを形成するためのガイドラインで あり指針を提供する」と明言しており,以下の(1) ~(4)の目標を掲げている。 (1)利用者の要求に応える データはユーザーに対して以下のことを可能にす ①発見 ・ユーザーが検索しようとした資料に一致するもの を発見する。 ・特定の著作や表現形を具体化したすべての資源を 発見する。 ・特定の個人・家族・団体に関係するすべての資源 を発見する。 ・ある主題に関するすべての資源を発見する。 ・利用者が検索した結果に関連する著作,表現形, 体現形,個別資料を発見する。 ・利用者が検索しようとしたものに一致する個人・ 家族・団体を発見する。 ・利用者の検索結果である個人・家族・団体に関連 する個人・家族・団体を発見する。 ②同定 ・記述された資源を同定する(すなわち,探してい る資料と記述されている資料とが一致することを 確認する,もしくは似たような複数の資料につい てそれらを区別する)。 ・データにより示された個人・家族・団体を同定す る(すなわち,探している実体と記述された実体 とが一致することを確認する,もしくは同じか似 たような名前の複数の実体を区別する)。 ③選択 ・資料が収められている媒体であるキャリアの物理 的な形態的特徴や,フォーマットやエンコードに ついて,利用者の要求に合致する資源を選択する。 ・形態や視聴対象者,言語などについて,利用者の 要求に合致する資源を選択する。 ④入手 ・資源を入手する(すなわち,購入する,借りる等 の方法により資源を得る,もしくはオンライン資 源にアクセスする)。 ⑤理解 ・複数の実体の間の関連を理解する。 ・記述されている実体と一般に知られている名称とど)。 ・なぜその名称やタイトルが選定名や実体のタイト ルとして選ばれたのかを理解する。 (2)費用対効果 情報は,利用者のタスクに対して,費用対効果に 見合う機能要件を満たすものでなければならない。 (3)柔軟性 データは,格納したり他の機関とやり取りするた めのフォーマット,メディア,システムから独立し て機能しなければならない。 (4)継続性 データは,既存のデータベース(特にAACR2やそ の他の標準を用いて展開してきたもの)と統合的に 扱えなければならない。 6.2 特徴 (1)利用者のタスクに応える 目録は資料にたどり着くためのツールである。そ のため,目録を検索する機能は資料を検索する利用 者のニーズに応えるものでなければならない。その ためRDAでは6.1で見たようにまず利用者がどのよう なタスクを実行するかを考え,そのタスクの実現に 必要な情報を提供することを規定している。 これらの利用者タスクに基づいて,各セクション の最初に目的を挙げている。規定の目的を明確にす ることで, 実際に目録を採るにあたって規則を適用す る際の判断の指針となるよう配慮されている。 (2)コア・エレメントの設定 レコードの記録に際して,あれば必ず記録しなけ ればならないコア・エレメントを設定し,他のレコー ドとの識別,同定が確実に行えるように配慮されて いる。 (3)非デジタルにも対応 RDAはデジタルフォーマットに対応することを想 定しているが,従来の非デジタルフォーマットにも 対応できるように考えられている。 リレーショナル・データベースやオブジェクト指 向データベースといった,新しいデータベース技術 を使用することで効果が上がるように考えられてい るが,多くのシステムでまだ使用されている旧来の 技術にも互換性を持たせている。 (5)データの記録と表示の分離 データの格納と表示の柔軟性を最大限に確保する ため,データの記録とデータの表示を明確に分離し た。これにより,現時点で使用されているさまざま な現行システムへの対応を確保すると同時に,今後 に向けての柔軟性をも担保している。 (6)フィールドの分割の明確化 AACR2では,ISBDの区切り記号を採用して各フィー ルドの意味を明確にしようとしていたが,それでも なお曖昧なデータが存在していた。例えば記述対象 資料が博士論文であることを示すために,AACR2で は注記事項を記録するフィールドであるNOTEエリア に “Thesis (Ph.D.)-University of Toronto, 1974” などと 記録するよう定められていたが,RDAではそれぞれ の項目を独立したエレメントとして扱い,学位,学 位授与機関,学位授与年をそれぞれ記録するよう定 めている。また出版者についても,AACR2では出版者, 発売者,製作者などの複数の役割を同じ出版,頒布 などのエリアに記録することになっていたが,RDA ではそれぞれ別のエレメントとして記録するように なった。このように記録するデータの内容を明確に することで,データを表示したり利用したりする際 の曖昧さを排除している。 (7)FRBRとFRADの概念モデルを採用 さまざまな資料について統一的な書誌情報を記 録するために,FRBR(Functional Requirements for Bibliographic Records,書誌レコードの機能要件)や FRAD(Functional Requirements for Authority Data, 典拠データの機能要件)の概念モデルを採用した。 すなわち記述対象資料の世界を「資源」,「個人・家族・ 団体」,「概念・物・出来事・場所」の3つのグループ
「個別資料」の4つに分類して,それぞれの実体の属 性と実体間の関連を記録することで資源へのアクセ スを支援しようとしている(図1)。 (8)多様な資料種別への対応 AACR2ではさまざまな資料種別に対応するため に,それぞれに章を設けて記録の方法や内容を規定 していた。しかしこれでは新しい媒体や記録方式が 出てきたときに迅速に対応することができない。そ のためRDAでは資料種別ごとに規定するのではなく, 資料について記録するに先だって,どのような情報 が必要であるかをまず考え,次にそれらの情報を記 録すべき方法や内容を規定し,個別に規定する必要 がある資料については最後に言及するという構成を 採っている。そのため,今後新たなメディアが開発 されても,それに対応することが可能となっている。 (9)国際的な使用 AACR2は,25言語に翻訳され,45か国で使用され ている1)とはいえ,英米をはじめとする英語圏での 標準となることを目指したものであった。序文の中 で,英語圏以外で使用する場合には英語の用語を適 宜置き換えるよう言及しており,必ずしも英語圏の みで使用するためだけの規則ではないが,そもそも ため,使用する文字や年号の表わし方などについて, 英米中心の記述であったことは否めない。それに対 してRDAでは初めから国際的に標準化された規則と なることを目指しており,規則の本文の中で,使用 する言語や文字,年号の表わし方などを目録作成機 関が適宜選択するよう指示している。 (10)略語の不使用 AACR2までは,記述に略語を多く使用してきた。 例えば,資料中に “second edition” と表示があっても, 書誌情報として記録する際は “2nd ed.” と記録して きた。またページ数を記録する場合はその単位とし て “p.” を使用してきたが,RDAでは記述部分につい てはこれらの略語を使用せず,資料中に表示されて いるままに “second edition” と記述したり,あるい は略語を使用せずに “pages” と記録するようになっ た。 (11)表示のままに記録する AACR2では,著者や出版者について,4者以上があ る場合には1つだけを記録してその他は省略する,と いう規則であった。これはAACR2で想定している目 録カードのスペースを効率的に使用する意図があっ たと考えられるが,RDAではこれらの省略は選択事 主題として持つ 所有する 出版する 翻訳する 創造する 著作(形や言語を持たない) 主な属性:タイトル,著者など 表現形(言語や版により特定される) 主な属性:翻訳者,改訂者など 体現形(形を持つ) 主な属性:出版社,大きさなど 個別資料(個々の資料) 主な属性:資料番号,所在場所など 個人 家族 団体 所属する 抽 象 的 目 に 見 え る 概念・物・出来事・場所 主題として持つ 資 源 図1 FRBRおよびFRADの主な概念図
また単なる略語とは別に,目録記述用の略語とし て,ラテン語の略語を使用してきたが,これらは使 用しなくなった。例えば,出版者不明を表わす語と して,“s.n.” と記録してきた。これは名前がないこと を表わすラテン語の “sine nomine” の略語であるが, 一般の利用者にとって理解しやすい語であるとは言 い難い。そのため,RDAでは “s.n.” ではなく “publisher not identified” と記録するようになった。 資料中に表示されている文字列として,例えばフ ランス語のアクサンなどは,AACR2ではそれが省略 されている場合は補って記録することになっていた が,RDAでは資料中に表示されているとおりに,あ ればあるまま,ない場合はないまま転記するように なった(大文字・小文字を適宜変換して記録する点 は従来と変わらない)。 6.3 構成 RDAの全体の構成は表2のとおりである。AACR2と はまったく異なっており,記述する対象は資料種別 ごとではなく,体現形,個別資料,個人,概念など, FRBRで提言された実体を中心に据え,後半ではそれ らの関連を記述するよう規定している。
たすことが期待されるか
(1)国際的な目録規則の標準化 目録規則は1館の目録作成作業マニュアルから国レ ベルでの標準化,英米そして英語圏での標準化の途 をたどってきた。RDAではさらに国際的に標準的な 規則となることを目的としている。書誌の記述が標 準化されることにより,一般の利用者や図書館関係 者をはじめとする書誌データの利用者が,データを 利用したり交換したりしやすくなることが期待され る。 (2)所蔵目録からアクセスツールへ 1館の蔵書目録ではなく,資源にアクセスするため のツールとして書誌レコードを作成するようになっ てきている。このレコードはレコードを作成した館 のみならず,その資源を提供するすべての図書館が 利用できるものであり,さらには出版社,書店といっ た,資料に関わるさまざまな機関で利用することが 可能である。そのため,ある図書館の所蔵を調べる ための目録から,図書館や書店といった垣根を越え て,求める資料がどこにあるのか,どのような資料 があるのかを検索し入手するためのツールとなるこ とが期待される。 セクション1-4:実体の属性を扱う セクション1:体現形と個別資料の属性 セクション2:著作と表現形の属性 セクション3:個人・家族・団体の属性 セクション4:概念・物・出来事・場所の属性 セクション5-10:実体間の関連を扱う セクション5:著作,表現型,体現形,個別資料の主要な関連 セクション6:特定の個人・家族・団体と関係する著作,表現形,体現形,個別資料を発見するための関連 セクション7:特定の主題についての著作を発見するための関連 セクション8:関連する著作,関連する表現形,関連する体現形,関連する個別資料を発見するための関連 セクション9:関連する個人,関連する家族,関連する団体を発見するための関連 セクション10:関連する概念・物・出来事・場所を発見するための関連 (以下付録省略) 表2 RDAの全体の構成本文の注
注1) RDA講習会の資料はIAALのサイトで公開している。http://www.iaal.jp/rda/index.html, (accessed 2013-03-18).
参考文献
1) Hart, Amy. The RDA primer: A guide for the occasional cataloger. Linworth, 2010, p. 4.
参考資料
a) 渋川雅俊. 目録の歴史. 勁草書房, 1985, 212p.
b) "A Brief History of AACR". Joint Steering Committee for Development of RDA. http://www.rda-jsc.org/ history.html, (accessed 2013-03-18).
c) RDA Toolkit. http://access.rdatoolkit.org/, (accessed 2013-03-18). の対応 書誌レコードは単なる情報の羅列ではなく,構造 化することが可能である。そのため,1つ1つのデー タに意味づけをすることができるので,データベー スへの格納やインターネット環境において構造化さ れた検索や表示に対応することができる。 (4)新しいデータの枠組みへの対応 書誌レコードを使用する枠組みは,今後もますま す発展することが予想される。RDAはデータの中身 とレコードのフォーマットやシステムとの分離を実 現しているので,これらの枠組みが将来的に変更に なってもそのまま対応することが可能である。 インターネットが普及した現在では,情報を得る ための手段は図書を探すことからネットの検索へと 移行してきている。RDAは1館の蔵書目録を作成する ための規則ではなく,インターネット環境も含め, 情報にアクセスする利用者が求める情報にたどり着 くツールを作成するための指針である。そのために どのようなデータを提供することが有効なのか,こ れからは図書館だけの世界にとどまらず,広く情報 を扱う関係者が協同して考えていかなければならな いが,まずは『日本目録規則』がRDAを意識した上 でどのように改訂されるのか,またNACSIS-CATがど のようにRDAに対応していくのか(既存のデータ構 造を維持した上で記述の部分についてのみ対応する のか,あるいはデータベースの構造を根本から変更 するのか),今後の動向が注目される。
"AACR2: Anglo-American Cataloguing Rules. 2nd ed.", which is used in many libraries, has been revised in 2010 to "RDA: Resource Description and Access". Its name is changed because AACR2 was rules for libraries to describe the library's catalogues, but RDA provides a set of instructions and guidelines on formulating data for resource description and discovery. AACR2 has chapters for each material separately but RDA is connected to FRBR. In order to optimize flexibility in the storage and display of the data produced using RDA, a clear line of separation has been established between the guidelines and instructions on recording data and those on the presentation of data.
Key words
cataloguing rules, descriptive cataloging, RDA, Resource Description and Access, AACR2, Anglo-American Cataloguing Rules