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小信号用トランジスタ PNP,NPN コンプリ用 hfe 測定回路 作成レポート 2017 年 9 月 15 日

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小信号用トランジスタ

PNP,NPN コンプリ用 h

FE

測定回路

作成レポート

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目次

1. はじめに ... 3 2. 検討 ... 4 2.1.従来方式 ... 4 2.2.同時測定 ... 4 2.3.方針変更 ... 6 3. 測定ボックスの作成 ... 7 3.1.主要部品の入手 ... 7 3.2.ボックスの作成 ... 8 3.3.底板の取付 ... 9 3.4.定電流回路基板 ... 9 3.5.ロータリースイッチの配線 ... 9 3.6.線材色... 10 4. 結果と測定時の注意点 ... 11 5. 今後の予定 ... 12

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1. はじめに

縦型 FET の IDSS 測定は結構測定しやすいのだが、小信号用のトランジスタの hFE測定は、気温に敏感 に左右されるので測定が難しい。ペアを揃えるのも難しいが、特にコンプリ揃えるのが至難の業だ。何し ろ、エアコンや扇風機の風が当たっただけでもググッと測定値が動く。室温が 0.1℃変化すると hFEがお おきく変化する。測定ケーブルの配置によっては手をトランジスタに近づけただけでも hFEが変化してし まう。従って、同じトランジスタでも 3 分後に測定した値は殆ど合わない。さらに、PNP と NPN のコンプ リメンタリーのペアマッチングともなると、回路を変える為に時間を要し、より一層困難度は増してし まう。そこで、少しでも精度を上げるには同時に測定するしかないと考えた。 2017 年 8 月 9 日

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2. 検討

2.1. 従来方式 従来の小信号トランジスタの測定は、PNP、NPN それぞれ用に都度、回路を組んで測定を行っていた。 2.2. 同時測定 同時測定を行うには、測定器が複数必要になる。従来方式だと、同時に測定するためには PNP と NPN そ れぞれに計4台のテスターが必要になってしまう。仕事じゃあるまいし、趣味でこんなには買えない。 測定時のテスターを減らしたい。そこで、ベース側を定電流源にする事で、一度、設定してしまえば、 テスターを2台に減らすことができるだろうと考えた。ただ、定電流源だって温度で変動するだろう。 PNP,NPN それぞれに定電流源を用意しても相関なく変動してしまう。そこで、1 つの定電流源で PNP と NPN のトランジスタを同時測定する仕組みを作ることにした。 トランジスタは hFE=500 の素子だとベース電流が 10μA でも Ic がその 500 倍の 5mA もの電流が流れる。 言い換えれば、ベース電流を 10μA 程度に抑えないと電源強化の必要性が出てくる。従って、このベース 電流用の 10μA の定電流源の実現は必須だ。実現方法としてオペアンプで定電流を作る方法もあるが、 あまり複雑にしたくない。そこで、アンプ作りにはあまり使えない IDSS が 1.7mA の 2SK117-Y が手持ち であるので、この素子を使って ID=10μA が実現できるか確認した。その結果、ソース抵抗 Rs が 30KΩで ID=10μA が得られることが確認できた。 ところで、1つの定電流源から PNP トラン ジスタのベース用の吸い込み電流、NPN トラ ンジスタ用の吐き出し電流を得るにはどう したらよいだろうか。そう考えた時、カレン トミラーの利用を思いついた。早速、右図の 回路で、実験してみたが、上手く動作しない。 NPN、PNP の何れかでは動作するのだが、両 方同時だと安定しない。電流確認でミラー側 のトランジスタのコレクターを設置すると、 このトランジスタがミラーとならず、通常の トランジスタとして増幅してしまう。 なかなか上手く行かないので、カレントミ ラー回路の採用は断念した。

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次に、定電流の流れる量を増やし、電流を分流 するようにしたらベース電流が安定するのでは ないかと考え、上部左の回路を考えた。 この基本回路を元に、テスター2台で手間な く測定ができるように4回路 3 接点のロータリ ースイッチを2個使った回路としたのが、右の 回路図である。 ただ、結局、PNP、NPN トランジスタのベース 電流を調整しなければならないので、従来の都 度回路を組むのと大して変わらない。 この回路では、1 つのテスターを切り替えて NPN,PNP のベース電流を測るようにしている。こ れは、2台のテスター間で測定のずれがあったためで、一方で測ると 10.0µA だがもう一方で測ると 10.3µA になることから1台で切り替えて測定することにした。また、ベース電流を測り終えたら、テスターの測 定レンジを切り替える操作を前提に、Ic の測定もベース電流で測定したテスターをスイッチで切り替え て測定できるようにした。 この回路も、ベース電流を測った後、ロータリースイッチを切替てテスターのレンジを切り替えるのが 煩わしく、使い勝手が良くなかった。 また、同時に測定すると、単独で測定したときと hFEが大幅に違ってきてしまう。どうも同時測定はう まく行かない。発想を切り替えた方が良さそうだ。

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2.3. 方針変更 同時測定が上手く行かないので、方針を変更し、同時測定ではなく、PNP と NPN をスイッチで瞬時に切 り替えて測定できるようにする事で同時測定と同じレベルの測定ができるのではないかと考えた。 この考えに基づいて PNP Tr 用、NPN Tr 用の 2 つの定電流回路による回路を用意した。しかし、残念な がらこれでも安定しない。単独で測った時と hFEが大幅に異なる。 そこで、原因を特定するために試行錯誤を繰り返した結果、測定において次の2点に配慮する必要があ ることがわかってきた。  ベース電流系の電源ラインとその他の電源 ラインを一緒にすると正しく測れない。  エミッターへの接続ケーブルをベース、コ レクターへの接続ケーブルに近づけると測 定値が安定しない。極力離す必要がある。 問題があるのは回路ではなく、測定時の線材の 引き回し方法が測定への影響が大きい事がわかっ てきた。 そこで、これらポイントに配慮して回路図を見 直し、測定ボックスを作成した。これにより、安定 して測定ができ、効率的に PNP と NPN のコンプリ が得られるようになった。

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3. 測定ボックスの作成

3.1. 主要部品の入手 今回の作成で特に入手困難な部品はない。強いて言えばもう生産中止になってしまった TO-92 タイプ の縦型 FET ぐらいだろうか。 名称 説明 2SK117-Y 生産終了品。代替としては、現行品ではチップ部品の 2SK209。 生産終了品では、抵抗 Rs を定電流が 10µA になるように測定してボリュ ームと 10µA 時にボリュームの中点に来るように調整するためのシリアル に 接 続 す る 抵 抗 値 を 決 め る 必 要 が あ る が 、 2SK30A,2SK246 な ど 。 2SJ103 でも利用できると思う。 抵抗、ボリューム 測定するトランジスタのベースに 10µA を流すように 2SK117-Y の Rs の 抵抗値を実測したところ、30KΩだった。そこで、50KΩのボリュームを使用 することにし、この時、ボリュームの中点 25KΩの時に 10µA となるように、 5.1KΩの抵抗とボリュームをシリアルに接続した。 4 回路 3 接点ロータリーSW アルプスの M-43 を 2 個調達 つまみ ボリュームにはサトーパーツの K-2195-M を2個購入。昔からあるつまみ で、大きさの割に他のアルミ製等と比較すると安価なので、見てくれより 価格を重視しして購入。 ロータリースイッチのつまみは、サトーパーツの K-37-M を 1 つ保有して いたので、もう一つ追加で購入。このつまみは大きさの割に価格が高い。 また、シャフトを入れる穴の深さが浅いので、ロータリースイッチのシャフ トを極限まで短くカットしたもののそれでもナットが見えてしまう。 アルミボックス、他アルミ材 リードの S-8(W*H*D=180*50*120)を購入。合わせて底板用とボリュー ム、ロータリーSW の回転止め用のアルミ板、さらに底板固定用のアルミ 材が必要。 コードブッシュ 5個必要。アルミケースからケーブルを引き出す穴に使用。 テストピンジャック テスターの棒を差し込む為のジャック。当初、テスター棒を直接差し込め るようにとマル信無線電機製の MK-617-0(赤)、MK-617-1(黒)を購入し て実装したが、テスター棒が戦国時代の軍旗の様に立ち並び、見栄えも 使い勝手も良くなかった。そこで、ターミナルはかつて陸軍ターミナルと呼 ばれていた通常のタイプに交換した。 基板、サポーター 基板は ICB-288G。基板を取り付けるサポーターは 30mm のものを購入。 IC クリップ 緑(E:エミッター)、赤(C:コレクター)、黄(B:ベース)各2個 ちなみに、小信号用のトランジスタのピン配置が左から ECB の場合は、 「えくぼ」と呼んで覚えておくと、測定や実装の時戸惑わないで済む。 ワニ口クリップ(小) 赤、黒を各2個。電源用。

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3.2. ボックスの作成 ロータリースイッチやベース電流調整用のボリュームがあるので、回路をアルミボックスに組み上げ ることにした。アルミボックスのサイズは W×H×D=180×50×120mm で、ボリュームやスイッチが操作し やすいようにだいぶ大きめのボックスを選んだ。また、ボリュームのつまみは、大きめで安価なつまみを 選んだ。つまみの直径が大きい方が同じ角度をまわすのでも、円弧の長さが長くなるので微妙な調整が し易くなるからだ。 図面は、DraftSight のフリーソフト版を使い、図面を等倍で PDF に出力。PDF を等倍で印刷するとそ のまま図面にできる。それをアルミボックスに貼り付けて穴あけを行った。 テスターを接続するターミナルの穴は、まず、6.5mmφの穴をあけ、横長手方向に長円形に丸やすり で仕上げる。ボリューム、ロータリースイッチは、ドリルで穴あけし、リーマーで 8mmφ~9mmφまで、 現物合わせしながら穴を大きくして行く。回転止めアルミ板も同様。 回転止め板とアルミケースの間にはワッシャーを何枚か入れてシャフトの高さ調整を行っている。ボ リュームの回転止め板については基板の取付板も兼ねているので、そのねじ頭が入るスペースをワッシ ャーで作っている。基板は、30mm の少し長めのサポーターで取り付けた。コードブッシュも現物合わせ しながら穴を広げてゆく。取り付ける部品は、ボリュームとロータリースイッチ、ターミナルのみ。当 初、テスター棒の取付用に、テスター棒のジャックを使ったが、戦国時代の軍旗が立ち並ぶようにテス ター棒が4本立ち並ぶので、あまり見栄えが良くない。そこで、一般的なターミナルに交換した。

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3.3. 底板の取付 幅10mm、厚さ 2t のアルミ平版を使っ て底板を止める為のタップを立て、アル ミボックスの内側から取り付けた。これ に底板をねじ止めする。ゴム足は底板に 両面テープで取り付けている。 3.4. 定電流回路基板 基板には NPN 用と PNP 用に定電流回 路を2個実装する。基板は、30mm のスペ ーサーを使用して取り付けた。基板の下 には、ボリュームを配置している。 3.5. ロータリースイッチの配線 ロータリースイッチへの配線は、ベース電流とエミッター電流が干渉しないように(線材を近づけた り、交差させないように)配線する。 PNP Base 黄 IC Clip から PNP Base 電流切替 SW へ PNP Base 電流切替 SW より NPN Base 黄 IC Clip へ NPN Base 電流切替 SW より NPN Base 電流切替 SW へ PNP 定電流 ボリューム NPN 定電流 ボリューム NPN 定電流 ボリューム PNP Tr 測定用 定電流回路 2SK117-Y 2SK117-Y 5.1KΩ 5.1KΩ NPN Tr 測定用 定電流回路 0V 9V Base 電流切替 ロータリーSW へ Base 電流切替 ロータリーSW へ ベース電流測定切替 エミッター電流測定切替

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3.6. 線材色 配線ケーブルの色だが、マイルールで次のように決めている。 エミッター:緑、 コレクター:赤(負極の場合は青)、 ベース:黄、 電源+側:赤 or 橙、 電源-側:青、または、緑、 アースライン:黒、 信号系左:黄、 信号系右:透明 or 紫 or 茶色、 AC:白 しかしながら、今回の配線は、余りの線材を利用したのでこのマイルールに従っていない。 線材の引き回しは、写真の様にベース系とエミッター系が接近しないように配慮している。電電へのケ ーブルは、ベース用とコレクター/エミッタ用の2系統引き出している。

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4. 結果と測定時の注意点

当初目標とした同時測定は実現できなかったが、PNP と NPN の hFEをロータリースイッチで容易に切り 替えながら測定できるようになった事で、室温変動の影響が少なくなりコンプリペアの素子をかなり精 度よく抽出することができるようになった。完成に至る過程で、試行錯誤を繰り返し、多くの時間を要し たが、満足のいく出来である。 測定時の注意ポイント3点を習得した。 1点目は、同じ室温の時に素子を測定する事だ。なるべく、 温度変化が無いように室温を管理する事が必要だ。測定時の室 温も、測定データとして 0.1℃の精度で記録しておくことが望 ましい。現在、室温が表示される液晶の据え置き型時計を使用 している。確か千円程度で購入したものだと思う。 2点目は、エミッターへの測定コードとベース、コレクター への測定コードが干渉しないように注意しながら測定する事 だ。干渉すると、素子にや電源回路に手を近づけただけで測定 値が動いてしまう。 3点目は、素子のエミッター、コレクター、ベースがICク リップでショートしないように注意することだ。そこで、 2.54mm ピッチの基板の切れ端を利用して接触しないようにす ることにした。

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5. 今後の予定

今後、折を見て(気が向いたら)下記の様に 1 つの定電流回路で測定できるようにさらに改良を施す予 定である。現状の2つの電流源ではどうしても違いが出る。電流源を1つにすることで、同一ベース電流 で PNP と NPN 測定を行えるようにしたい。でも、現状のままで何もしないかも。

参照

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