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事業関連Bプランと公私協働 : 開始手続をめぐって

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(1)事業関連Bプランと公私協働    一開始手続をめぐって一. 田部井 彩. 1 はじめに  近年のわが国行政法学においては公私協働(以下,単に「協働」という)と. 称される議論が盛んである1)。本稿で取り上げる事業関連Bプラン (vorhabenbezogener Bebauungsplan,建設法典12条)2)は,ドイツの都市計画. であり都市建設法における行政と私人の協働(Kooperation)として従来から ドイツ学説上で注目を集めてきた制度であるが,これをめぐってはわが国の協. 働論にも関連する次のような議論が見られる。まず第1に,この制度による協 働が協働の相手方私人にとってビジネスチャンスの拡大という意義を有してお り,公的領域が専ら私益(当該私人の私的な利益)追求のための場と化すこと や,その結果としてかかる私益のみが不当な拡大を遂げることが危惧されると いうことである3)。この点は,事業関連Bプランをめぐる学説の中では従来か らつとに認識されてきており,かかるリスクの抑制のため協働にあたる行政と 私人とがそれぞれ「独自性を保持しつづける」こと4),とりわけ当該領域にお ける行政独自の権限や責任を(協働を正当化事由として私人に委ねることなく). 確実に行政の側に残すことの重要性が説かれてきた。しかし近年では,ある判                                  27.

(2) 横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). 例をきっかけに,これとは別の問題に学説の関心が集まってきつつある。すなわ. ち第2に,協働する私人が協働にあたりいかなる権利利益を有しているか,そ してこれにどのような法的保護を与えるべきかという問題である。当該私人へ の手続保障や出訴権の承認の必要性はわが国協働論でも認識されている5)。し. かし従来の事業関連Bプラン制度に関する学説の中でこの点について議論され ることはほとんどなかったと言ってよく,またこれまでの第1の論点をめぐる 議論の論調からすれば,こうした問題に関心が芽生えたこと自体が大きな変化 であるようにも思われる。.  本稿の目的は,事業関連Bプランの第2の問題をめぐる議論をそのきっかけ を与えた判例を中心に概観し,そこで何が主たる関心とされているのか,従来. 第1の論点をめぐって論じられてきた内容と比べどのような変化が見られるの かを考察することにより,この制度を通じてなされる協働論の特徴を導出する. ことである。以下ではまず事業関連Bプランの概要を説明し,第1の点に関す る議論をごく簡単に見た上で(2),第2の問題に係る議論を紹介していくこ ととする(3以下)。. 2 事業関連Bプラン  (1)都市建設法制上の位置づけ  ドイツの都市計画は建設管理計画(Bauleitplan,以下BLプランという) と称され,ゲマインデ(ドイツの基礎自治体でありわが国の市町村に該当. する)全域を対象とし将来の土地利用の大綱を表示する土地利用計画 (Flachennutzungsplan,以下Fプランという)と,ゲマインデ内部の個々の地. 区を対象に建築物等についての詳細な指定を行う地区詳細計画 (Bebauungsplan,以下Bプランという)との2種類から構成されている(建設 法典6>〔以下,特に断りがない場合は同法典の条項とする〕1条2項)。ゲマイ ンデは,「都市建設上の発展と秩序にとって必要な場合は直ちに,またその限 28.

(3)                         事業関連Bプランと公私協働. りで⊥BLプランを策定しなければならず(1条3項1文),計画高権 (Planungshoheit)7)と称される広範な権限に基づき, BLプランを「固有の責. 任において」策定する(2条1項)。計画高権は基本法8>28条2項から導出され る極めて強い権限として知られており,ゲマインデには広範な計画裁量が認め. られる。ただし,BLプラン策定にあたり「公益および私益を相互に衡量しな ければならない」という衡量原則(1条7項)はその重要な制約として機能し,. 策定手続においては市民および公益主体の周到な参加手続が実施され(3条・ 4条),Bプランはゲマインデの議会により条例として決定される(10条1項)。.  Bプランは法的拘束力を有する指定をその内容とし(8条1項1文),Fプラ ンの表示を基礎として作成される(同条2項1文)。Bプランはさらに狭義のB プランおよび事業関連Bプラン(12条)から構成されるが,この両者はとりわ け次の点で異質なものである。狭義のBプランはドイツの都市建設法制の中心 的な役割を担う極めて本来的な意味での都市計画であって,例えば建築の種類. や程度(9条1項)などを指定することにより将来の都市像を目標として提示 するものである9)。それゆえそこで提示された都市像がいつどのように実現さ. れるかということは関心の対象外であって,計画策定(Planung)と計画実現 (Planumsetzung)が乖離している10)。これに対し事業関連Bプランとは,具体. 的な事業11)の実施とそれに伴い必要となる地区施設12)の整備に関する計画 (Vorhaben−und Erschlieβungsplan,以下「VEP」という)がまずは作成され,. このVEPの実現を可能にするために策定される都市計画である。しかも策定 の時点でVEPの実現が期限も含め担保されるため,計画策定と計画実現が結 合している13)。このため狭義のBプランはゲマインデが,また事業関連Bプラ ンにおけるVEPはその実現にあたる民間事業者(「事業主(Vorhabentrager)」 と呼ばれる)が,それぞれイニシアティヴを取って作成することになる。なお,. VEPの作成と実現に関する費用の全部または一部は事業主において負担しなけ ればならない。. 29.

(4)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月).  (2)概 要  ところで1998年に成立した;事業関連Bプラン制度の原型は,1990年の東西. ドイツ統一直前に旧東ドイツで創設されたVEP条例制度(建築計画及び許可 令14>55条)に求められる。このVEP条例制度とは上述のVEPがVEP条例15)と して制定されていた故の呼称にすぎず,その基本的特徴や構造は今日の事業関. 連Bプランとほとんど変わりない。当時,旧記ドイツの建設分野では投資を活. 発化することが喫緊の課題であったにもかかわらず,狭義のBプランの絶対 数・ゲマインデの財政力は共に不十分であり,かかる状況を打開するための新 たな法制度として創設されたのがVEP条例制度であった16)。私人(事業主)に. 計画作成も事業実施も委ねてしまうというVEP条例制度は,こうした状況下 での「極めて単純な解決策」であったとはいえ17),実際には「異常」とも評さ れるほど多数の適用例を見18y,一定の成果をあげたことが評価され,東西ドイ. ツ統一後も加入地域において引き続き適用されることとなり(建設法典246a 条1項1文6号),1993年には5年間という期限付きで全ドイツに導入され(建 設法典措置法19)〔以下,「93年措置法」という〕7条),1998年には事業関連B プランとして建設法典(以下,「98年法」という)12条で一般法化された20)。.  98年法12条による事業関連Bプランを策定に至るまでの時系列に沿って概 観すれば次のようになる21)。まずゴ①一般には事業主が実施したいと考える事. 業案ないしVEP案を作成してゲマインデに提出し,②ゲマインデとの協議に. より正式なVEPを作成する(1項1文)。こうしてVEPが作成されると③事 業主が事業関連Bプランの策定手続を開始することをゲマインデに申請し. (2項1文),④かかる申請に基づきゲマインデが「義務に託った裁量 (p且ichtgemassen Ermessen)」により策定手続の開始を決定し(2項1文),⑤. それ以降は狭義のBプランと全く同様の策定手続がとられ,市民および公益主. 体の参加(3条・4条)等を経て,ゲマインデ議会により条例として決定され る(10条1項)。VEPは事業関連Bプランの「構成要素」であり(3項1文), VEPの全部または本質的に重要な部分が事業関連Bプランに受け継がれなけれ 30.

(5)                         事業関連Bプランと公私協働. ばならない22)。また⑤の条例決定までに事業主とゲマインデの間で実施契約が. 締結されなければならなヒ・(1項1文)。この実施契約では,事業主のVEP実施. 義務とその期限,およびVEPの作成と実施にかかる費用の全部または一部を 事業主が負担することが規定される(1項1文)。実施契約で決められた期間内. にVEPが実施されない場合,ゲマインデは事業関連Bプランを廃止しなければ ならない(6項1文)23)。.  現在の事業関連Bプランの適用件数は築紫ドイツ地域を含め全体的に落ち着 いてきているようであるが24),長引く不況で財政事情が悪化の一方を辿るゲマ. インデにとっては,計画作成と実現に係る費用負担を少なくとも一部は逃れら れるという点でその魅力をなお失っていないようである25)。他方,事業主にと. っては言うまでもなく自らのイニシアティヴでVEPを作成することにより事 業実施のチャンスを拡大できるという意義を有している。.  (3)’協働論との関係.  狭義のBプランやゲマインデの計画集権等,ドイツの都市建設法制を特徴付 ける諸要素と対比すれば以上の事業関連Bプランは非常に特殊な制度であり, それだけに様々な論点を包含するものであるが,事業主とゲマインデの協働と. いう観点で従来から注目されてきたのは,VEP作成にあたっての協議(1項1 文)および実施契約(同項同文)である。前者は計画作成段階における協働, 後者は計画決定後の事業実施段階における協働として理解することができ26>,. このうち前者をめぐっては冒頭で掲げた第1の点と深く関わる次のような議論 がなされてきた。.  この協議(1項1文)によりVEPが事業主とゲマインデとの協働で作成され ることになるが,その際には両者が「独自性を保持」することが大変重要であ る。すなわち事業主が計画実現主体としての立場を,またゲマインデが計画策定. 主体としての立場を維持し,前者はVEPを将来実現可能なものとするという 役割を27),後者はVEPに狭義のBプランと変らない質を確保するという役割28>.                                  31.

(6)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). を果たすことで協働を達成すべきなのである。しかしながら実務ではしばしば, 強大な財政力を有する29)抜け目のない30)事業主に対し,ゲマインデが本来の. 立場を保持できず,実質的な計画作成権限がほとんど事業主に移されてしまう ようである31)。その結果,旧東ドイツ地域では過度に大規模な商業施設の建設. が相次いだとも言われる32)。学説はこのような事態を重く受け止め,VEPが事. 業主のイニシアティヴにより作成されるとしてもゲマインデが計画高権と衡量 原則を維持することの重要性を指摘し続けてきた33)。しかし計画高権の維持に ついてはその困難さも同時に強く認識されてきており34),(行政法学で通常な. される行政から私人の権利利益を保護するための議論とは対照的に)事業主か らゲマインデを保護するための議論が必要とすら言われてきた35)。.  ところで近時の学説では,(2)で見た③④(以下,これらをまとめて〔策 定手続を開始するための手続という意味で〕「開始手続」という)に関する議. 論が芽生えており,以下ではその紹介に焦点を当てることとしたい。この開始. 手続は狭義のBプランなど他のBLプラン策定時には求められない事業関連B プランに固有の手続であるが,協働論のみならずその他の観点からも従来ほと んど議論されることはなかった。しかしこれが近年注目を集めるに至った背景. には,実務での次のような状況がある。すなわち今日の事業関連Bプランの用 いられ方として,(事業主ではなく)ゲマインデの方がある具体的な事業を事. 業関連Bプランにより実施したいと考え,当該事業の性質に適した複数の候補 地を掲げた上で,公募などの手法により積極的に事業主を募ることが珍しくな. いようである。この丁丁候補地に1人ずつ民間事業者が名乗りを上げてきたと しても,ゲマインデにとって実施したい事業は1つだけであり必要な事業主も 1人だけである。そこで,複数の事業者の③の申請に対しゲマインデは④の策 定手続の開始をいかなる基準で決定すればよいのか,「義務に適つた裁量」を. 行使するにあたり留意すべきことは何かといった極めて新しい問題が,この競 合に敗れた事業者にどのような法的救済が与えられるのかという関心に基づき. 浮上している。こうした中,バーゲン・ヴュルテンベルク州上級行政裁判所 32.

(7)                         事業関連Bプランと公私協働. 2000年3月22日決定36)(以下,「本決定」という)は④のゲマインデの決定の. 法的性質について判例上初の明確な判断を示し,以上の問題に対する一定の解 答を与えたと共に,開始手続についての学説の関心を集める契機となった37)。.  上のような競合状態を想定しなくとも,③の事業主の申請に対し④でゲマイ ンデが(例えば当初の計画構想を変更したなどとして)策定手続を開始しない という決定をした場合に,当該事業主はこの決定を取消訴訟ないし義務付け訴. 訟により争うことができるかなど,開始手続からは冒頭で掲げた第2の問題と 関連する論点が多数派生し得るように思われる。こうした諸論点の認識と解明 は未だ今後の学説の発展に委ねられているものの,ゲマインデの計画高権ない. しは「都市建設上の発展と秩序」(1条3項1文)を脅かしかねない存在として ある種危険視されてきた事業主が,開始手続との関連で権利利益の保護iの対象 (すなわち行政法学における本来の「私人」)として認識されつつあるという動. 向は注目に値する。以下では開始手続の目的等をみた後(3・4),本決定と これに関連する学説の議論を紹介することとする(5)。. 3 開始手続の目的と機能 “12条2項1文によれば,「ゲマインデは,事業主の申請に基づき策定手続の 開始を義務に適つた裁量により決定しなければならない」。かかる開始手続は. 1990年建築利用令では存在しなかったものであり,93年措置法7条3項1文で 初めて規定され,ほぼそのままの文言で98年法12条2項1文へと受け継がれた。. 93年措置法の立法理由書は,開始手続を規定した理由を次のように説明して いる。.  「(7条)3項1文により,事業主は,ゲマインデがその申請を義務に適つた 裁量に従い決定することについての請求権を有するべきである。策定手続の開 始と条例の施行に対する請求権は,これによって根拠付けられるべきではない。 しかし事業主は大抵,計画実現のための広範な準備作業を行ってきているので,.                                  33.

(8)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). (ゲマインデの策定手続を開始するかどうかの)決定を合法的に通知されて然 るべきである。」38).  すなわち,既述のように事業関連Bプランが策定されると事業主は実施契約 によりVEPの実現を義務付けられるが39), VEPは大規模・複雑な事業を対象と. していることが多いため,事業主はゲマインデとの協議(1項1文)の段階か ら既にその実施のための準備を進めていることが少なくない。従ってもし開始 手続が存在しないとなると,協議の後にゲマインデが策定手続を開始しないと. しても事業主はVEP実現のための準備を場合によっては多額の支出を伴いな がら継続してしまい,甚大な被害を受けることになり得る。そこで立法者は開 始手続を規定することで,事業主にゲマインデのその後の行動(=策定手続を. 開始するか否か)を知らしめ,当該VEPのためにさらなる金銭と労力を注ぐ ことが妥当かどうかの判断基準を与えようとしたのである。.  以上の開始手続は実務ではほとんど意義を有していないと指摘されたことも あるが,学説は事業主を保護する機能を認めている40)。内容として,ゲマイン. デが策定手続を開始するかどうかを事業主が前もって考慮できるということの 他に41),ゲマインデの不当な圧力行使から事業主を保護できることも指摘され ている42)。あるいは事業主の申請がなければゲマインデは策定手続を開始する. ことができないという点に着目し,開始手続はすなわち事業主のイニシアティ ヴを促進する機能を担っているとするものもある43)。. 4 事業主の申請の要件  開始手続の発端となる事業主の申請はいつどのような形で行えばよいかとい うことについて,・建設法典は何ら定めを置いていない。ただ,時期としてはゲ. マインデとの協議(1項1文)の後,形式としては当該協議により作成された VEPおよび実施契約の案を提出するというのが学説の一般的な考え方のようで ある⑳。このVEPと実施契約案は,ゲマインデが策定手続開始を判断できるよ 34.

(9)                        事業関連Bプランと公私協働. うな,内容的に成熟したものでなければならない45)。ところで,こうして VEP・実施契約案が完成しているということと,それらの内容に対するゲマイ ンデ・事業主の意見が合致しているということは必ずしも同義ではない。また,. ここでの実施契約案とは具体的にはどの部分がどの程度まで完成しているもの を指すのかも明らかではない。申請の時点におけるゲマインデと事業主との合 意の程度,および実施契約案の完成の度合いは個々の事例に応じ様々なケース が想定されることになる46)。. 5 ゲマインデの決定の法的性質  以下では本決定が示した判断枠組みを前提に,標記の論点をめぐる議論を紹 介していく。なお,紙幅の関係により以下に登場する無蝦疵裁量行使請求権や これに深く関係する保護規範説についての一般論に立ち入ることはできない。 ここでは前者に関する必要最低限の叙述および文献の引用に留めることとした い。.  (1)若干の前提    ・  本件は3(3)で述べたような経緯で競合状態となった事例であり,結果的 に競合勝者となった事業主の申請へのゲマインデの策定手続開始の決定につい て,競合敗者がゲマインデに対し異議申立てを行った上で,この決定に後続す る策定手続の進行により自らの不利益が拡大しないよう,裁判所に対し仮の権 利保護(主位的には行政裁判所法47>80条5項に基づくゲマインデの決定の執行. 停止,予備的には同法123条1項に基づく策定手続の継続の一時的な禁止を内 容とする仮命令の発令)を申立てたというものである。本決定はこれらの申立 てをいずれも退けたが,主たる争点となったのは主位的申立てに関連し,ゲマ インデの決定が執行停止の対象となる行政行為かということであった。周知の ように,行政行為とは「行政庁が公法領域において個別の事例を規律するため.                                 35.

(10)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). に行い,外部への直接の法効果に向けられる処分・決定・その他の高権的措置」 であり(行政手続法48)35条1文),ここにいう「規律する」とば,「権利義務の. 両方またはいずれか一方を根拠付け,変更し,廃止し,または拘束的に確定す る」ことを意味する49>。そこで,開始手続において事業主がゲマインデに対し どのような権利を有しているかが本決定での議論の中心となった。.  従来の学説でも事業主は無毅疵裁量行使請求権を有することが認められてき たが50),具体的にはゲマインデが蝦疵なく(イ)策定手続を開始するかどうか. を決定することに対する請求権なのか,(ロ)策定手続を開始することを決定. することに対する請求権なのか,さらには(ハ)事業関連Bプランを策定する ことを決定することに対する請求権なのかが問題となる。仮に(ロ)(ハ)で あるとすれば,ゲマインデの決定は事業主の権利(請求権)を「規律」するも のであり行政行為としての性格が認められる一方,(イ)に留まるとすれば, ,ゲマインデの決定はこれを「規律」するものと言うことはできずいわゆる公法 上の意思表示にすぎないということになる51)。なお,この点を考察するにあた. っては旧2条3項・4項(現1条3項2文)との関係が問題となる。すなわち旧 2条3項(現1条3項2文前段)は,「何人もBLプランの策定,変更,補完,廃 止に関する請求権を有しない」とし,旧同条4項(現1条3項2文後段)は「前 項の(この一現行法)請求権は契約によっても根拠付けられることができない」. と定める。93年措置法7条3項1文では,開始手続を定める前段に続き「建設 法典2条3項が準用される」という規定が後段に存在した。この規定は98年法 では削除されたが,同法ではBプランの1類型という法的性格が明らかにされ たため,旧2条3項はもはや当然に適用されるというのがその趣旨であると考 えられている52)。.  (2)従来の学説  事業主の無蝦疵裁量行使請求権の内容について,従来判例は存在せず,学説. でも極めて断片的に論じられてきたにすぎないが,その中では(1)で見た 36.

(11)                         事業関連Bプランと公私協働. (イ)の請求権であるという見解が多勢を占めていた。理由として,③開始手 続の規定の文言から(ハ)はあり得ず,またゲマインデの決定には裁量が認め られることから(ロ)も除外され,残る(イ)のみが認められるとするもの53>,. ⑤「まずは手続法上のもの」でありゲマインデに対する応答請求権であるとす るもの54>,◎旧2条3項が直接適用されるため(ロ)(ハ〉は認められないと述 べるに留めるもの55),@◎の上でゲマインデのその後の行動を知らせてもらう という利益を正当なものとするもの56),⑥その他特に理由を論じないものがあ る57)。これに対する少数説として,事業主の(ロ)の請求権,ないしは申請を. 拒否された場合の取消訴訟・義務付け訴訟の提起が認められるという主張も見 られるが,後述のKrautzberger以外は理由を明らかにしていない58)。.  ところで,一般に無理疵裁量行使請求権は裁量に理疵のない決定をせよとい う請求権であるが,裁量がゼロ収縮する場合にはある特定の決定をせよという 請求権に変容するため59),仮に事業主には(イ)の請求権しかないとしても,. ゲマインデの「義務に適つた裁量」がゼロ収縮する場合は(ロ)の請求権にま. で高められることになる。この開始手続の前の協議(1項1文)においてゲマ インデと事業主の意見が充分に一致し,客観的に見てゲマインデが事業主の申 請を拒否することは考えられない場合などにはゲマインデの裁量がゼロ収縮す ると考えることもできる。しかしこの点についても,旧2条3項を理由に60), あるいはゲマインデの計画高権(に関する支配的見解)に鑑み61),裁量ゼロ収 縮は生じないとする見解が目立っていた62)。.  (3)本決定  さて,判例上この問題に初めて取り組んだ本決定は,「12条2項1文は,ゲ マインデと協議して計画を作成し,そのためのさまざまな準備をし,費用支出 に関する判断をしなければならない事業主の利益に資するものであ」り,これ によって事業主には「ゲマインデが策定手続を開始するかどうかを決定するこ とに対する権利」が与えられているとして(イ)の請求権を認めた上で,これ.                                  37.

(12)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). が裁量ゼロ収縮により(ロ)の請求権にまで高められるかを次のように判断し た。.  開始手続において「事業主が求める決定の内容,および義務に回った裁量の. 要件については(旧一筆者)2条3項および4項との関連で考えなければなら ない」。判例上,旧同条両項からは「既に開始されている手続を継続せよとい う請求権も認められない」という原則が確立している63)。なぜなら,「ゲマイ. ンデが既に進行している手続を打ち切るということは,ゲマインデの計画構想 が変更したことを意味するのであ」り,「一定の利益を有する者が(ゲマイン デに一筆者)手続の継続を強制す」ることは,「ゲマインデの計画高権に対す. る侵害」となるからである。こうした旧2条3項・4項からは,「立法者の一般 的な意図を読み取ることができる」ので,この原則は「12条2項の枠内でもあ てはまる」。したがって,ゲマインデに「策定手続の開始を義務付けるという 結果を伴う裁量ゼロ収縮」は,「以上の原則と矛盾し,同原則が無に帰する」 ことになるため生じ得ない。「ゲマインデはいかなる実体法上の拘束も受け」. ることなく12条2項1文の決定を行うのであり,事業主はゲマインデに対し 「特定内容の決定をすることに対しての請求権を有していない」。そうすると,. ゲマインデの決定は事業主の権利を「規律」するものでないから「行政行為と してのメルクマールを欠くものである」劔)。.  (4)近時の学説  以上の本決定は一部の学説で反響を呼んでいるが,まずは従来からゲマイン デの決定が行政行為であることを主張していたKrautzbergerの見解から見てい. こう65)。彼は本決定以降最新のコメンタールでも,12条2項1文の文言から (ハ)の請求権は認められないとするが,「策定手続開始決定に対する請求権」. すなわち(ロ)の請求権を認めている。なぜなら事業主の申請は「単なる要望 や提案といったものとは明らかに異な」り,事業主は「ゲマインデと意見調整 をしながら行ってきた準備作業」という「法的保護に値する利益」を有してい 38.

(13)                         事業関連Bプランと公私協働. るからである。ゲマインデの決定は事業主のかかる利益に「関わるもの」であ. り,申請を拒否する旨の決定は受け入れる旨の決定と同様「行政手続法35条 にいう行政行為である」。しかしこの主張の前提として,彼は「徹底的な」協. 議(1項1文)の結果ゲマインデと事業主との問に明確な合意が成立している 場合のみを念頭に置いているようである。かかる場合には「ゲマインデは理由 なく(策定一筆者)手続を棚上げにすること」は許されず,「ゲマインデの計. 画構想が変更していない場合は,12条2項1文の(事業主の一筆者)特別な利 益に鑑み,(ゲマインデの一筆者)開始決定に対する請求権を認めるべきであ る」とし,本決定を批判する。.  また本決定を受け開始手続における法原則と権利保護を標題とする論文を発 表したDoldererもゲマインデの決定を行政行為だとする66>。彼もまた,事業主. の申請の際には既にゲマインデとの間に基礎的な合意が成立していることを前 提に,「ゲマインデが恣意的な決定をすることは許されず」,事業主は「ゲマイ. ンデと協議した自らの計画を不適切な理由で拒否されないよう請求できる」権 利を有していると言う。なぜなら「都市建設法分野で私人のイニシアティヴを. 望ましいものとして保徳する」という事業関連Bプラン制度の立法目的,及び 事業主の「正当な手続的利益を法的に保護する」という開始手続の立法目的に. 鑑みれば,ゲマインデの協働のパートナーたる事業主には「より強い手続的地. 位」が与えられて然るべきだからである。彼によれば,開始手続はVEP作成 のための協議(1項1文)すなわち協働の「末端」を形成するものであり,「策. 定手続の一部ではない」。よって,旧2条3項・4項およびこれらの規定から導 き出される法原則は,公益を志向する策定手続には適用されるけれども事業主 の利益を保護するために設けられた「開始手続には一切適用されない」。従っ て,「ゲマインデが計画構想を変更した,あるいは変更を検討中」という理由 以外で申請を拒否された事業主は,義務付け訴訟によりゲマインデに「蝦疵な き裁量の行使」を求めることができる。.  さらに,競合状態にお吟て生ずる論点を網羅的に論じたAntweilerもまた,                                  39.

(14) 横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). 「私人のイニシアティヴを要求する」というこの制度自体の趣旨と,事業主を. 保護するという開始手続規定の趣旨から,事業主の無理疵裁量行使請求権は 「ゲマインデの(策定手続開始一筆者)決定義務に対応するもの」とし,ゲマ インデの決定に「規律」の要素を認め行政行為であるとする67)。なお,協議 (1項1文)の結果の合意の状態については特に言及がない。.  (5)若干のまとめ                .  既に3で見たように,93年措置法の立法者は事業主の(ロ)(ハ)の請求権. を否定していたが,12条2項1文には事業主の権利に関する文言はなく,議論 の余地を見出すことは不可能ではない68)。ただ,以上に見てきた学説と本決定. では,文言等により(ハ)ということはあり得ず,また事業主の無用な支出を 将来に向かって阻止するという実際上の機能に従えば少なくとも(イ)は認め られるという認識がほぼ共通して見られる。そこで問題はこれが(ロ)となり. 得るかであるが,本決定が旧2条3項・4項との関係で否定したのに対し,近 時の学説は揃って肯定的見解を示している。.  旧2条3項・4項が事業関連Bプランをはじめ建設法典上の協働の法制度に まで適用されることについては従来でも疑問を呈するものがあった69)。この点,. 上に見たDoldererの議論は解釈学的な根拠を提示した上で12条2項1文の開始 手続にそれらが適用されないとするものであり注目に値する。ところで,本決 定が依拠した判例70)は確かに旧2条3項・4項から「手続に対する請求権も存 在しない」という原則が導かれるとする。ただ,この判例はゲマインデが手続 の進行を断念する原因として計画構想の変更のみを念頭に置いているようにも. 読める。そうすると本決定はすなわちゲマインデの計画構想が変更された場合. のみを前提に事業主の(ロ)の請求権を否定した可能性があるように思われ る。.  この点,協議(1項1文)の後にもなおゲマインデが計画構想を変更できる こと自体は近時の学説も認めている。むしろKrautzbergerやDoldererの主張 40.

(15)                         事業関連Bプランと公私協働. は,協議の結果明確な合意が成立した上で事業主が申請し,かつゲマインデが 計画構想を変更していない場合のみを前提に事業主に(ロ)の請求権を認めて いるようにすら思われる。両者の見解に従えば,明確な合意が得られた上で申. 請したとしてもゲマインデが計画構想を変更した場合は事業主には(ロ)の請 求権は認められない((イ〉にとどまる)ということになるのであろうか。仮 にそうであるとすれば,両者の主張と本決定とは必ずしも相対立するものでは. ない可能性がある。これに対しAntweilerは合意の程度やゲマインデの計画構 想の変更の有無情には触れることなく,いわば一律的に事業主には(ロ)が認 められるとする。しかレ彼もまたゲマインデの裁量に関する議論の中で,申請 の時点においてゲマインデが既存の計画構想を変更したとしてもそれ自体では 直ちに裁量上の蝦疵にならないと述べている71)。.  こうして,12条2項1文の開始手続は,ゲマインデの計画高権(ないし裁量) と事業主の権利利益が極めて尖鋭に衝突し合う場面であると言える。後者につ いて消極的に解し前者に強力な保護を与えた本決定は,現在のところ学説では 批判的に受け止められている72)。しかし本決定に異論を唱える学説の根底には,. ゲマインデに本決定が示したような強い地位が与えられてしまうと事業主が協. 働のパートナーとして対等な地位を保てずそもそも協働が成り立たないのでは ないかという懸念が多分に存在しているように思われる73)。そして事業主の権. 利の承認とその保護に積極的な姿勢を見せるそれらの学説も,ゲマインデの計 画高権との関連性を全く無視した議論を展開しているわけではない。ここに,. 以上の議論さらには事業関連Bプラン制度における協働論の大きな特徴が見ら. れるのではないだろうか。最後にこの点をまとめて本稿を閉じることとした い。. 6 むすびにかえて 冒頭に掲げた2つの論点に立ち返って考えると,開始手続との関係で近年芽                                 41.

(16)  横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月). 生えた第2の論点をめぐる議論においては,ゲマインデの計画高権との整合性 をいかに確保するかということが1つの焦点となるように思われる。かかる論 点とゲマインデの計画高権の問題とが切り離せないものであることは以上に見 てきた議論におv・ても認識されているし,結局のところ事業主にどのような権 利を認めどのように保護するかは,ゲマインデの計画高権がどのように維持さ れるかという問題が解決された結果として決まるような印象すら受ける。こう してゲマインデの計画高権の維持ということに関心が示されているという点で. は,従来論じられてきた第1の論点と共通するものがあるように思われる。す. なわち事業関連Bプラン制度を通じて論じられるこの2つの論点は,いずれも 行政の「独自性の保持」を重要な前提とした上で,私人が公的領域に対しどの ようにそしてどこまで介入できるか・すべきかを論じるものであり,議論の構. 造としては限りなく近いものであるように思われるのである。これが事業関連 Bプラン制度における公私協働論の構造そのものを表しているのだとすれば,. 指定確認検査機関による建築確認(建築基準法6条の2)や駐車監視員による. 放置車両確認行為(道路交通法51条の8∼15)など,行政の独自性を限りな く縮減していくかのような立法例が多いわが国にとって,極めて示唆に富む議 論のあり方と言えるのではないだろうか。. 1) 山本隆司「公私協働の法構造」金子宏先生古稀祝賀『公法学の法と政策下』(有斐閣,2000   年)531頁以下。. 2) これに関するわが国での業績として,野田崇「ドイツ都市建設法における行政と私人の協力.   (一)(二・完)」法学論叢145巻6号(1999年)25頁以下,147巻5号(2000年)47頁以下   (以下,それぞれ野田(一)(二)と標記)。協働の具体的現象の一例に挙げるものとして,.   山本,前掲註1),.544頁。都市再生特別措置法37条以下による都市計画提案制度との類似性.   を指摘するもgとして,角松生史「『公私協働』の位相と行政法理論への示唆一都市再生関   連諸法をめぐって一」公法研究65号(2003年)213頁。. 3) わが国協働論でこの点を指摘するものとして,山田洋「参加と協働」自治研究80巻8号   (2004年)35頁。なお,亘理格・磯部力・櫻井敬子・神橋一彦「エンジョイン行政法 第3   回 公益」法学教室311号(2006年)43頁,櫻井発言をも参照。. 4) 山田,前掲註3),36頁。両者が「独立した法的主体であること」(紙野健二「NPMと行政   法学の課題」法律時報78巻9号(2006年)30頁),「法的性格の差異を維持」すること(山 42.

(17) 事業関連Bプランと公私協働    本,前掲註1,535頁)等,このことの重要性はわが国協働二上でもしばしば指摘されてい    るQ. 5) 山本隆司「民間の営利・非.営利組織と行政の協働」行政法の争点(第3版)(2004年)155    頁。. 6) Baugesetzbuch(BauGB)in der Fassung der Bekanntmachung vom 23.9.2004(BGBI. I S..    2414)zuletzt ge互ndert durch Gesetz zur Umbenennung des Bundesgrenzschutzes in    Bundespolizei vom 21.6.2005(BGB1. I S.1818). 7)W.Krebs, in:E. SchmidむA応mann, Besonderes Verwaltungsrecht,12. Aun.,2003, S.381f. 8) Grundgesetz fUr die Bundesrepublik Deutschland(GG)in der Fassung der Bekann㎞achung    vom 23.5.1949(BGBI. S.1),zuletzt ge註ndert durch Gesetz vom 28。8.2006(BGBL I S.    2034).. 9)土地所有者に対して特定の土地利用方法を(義務づけるのではなく)提案するものにすぎな    いことから,しばしば「提案計画」と呼ばれる。 10)このことの重要性については,E. SchmidbA億mann/W. Krebs, Rechtsfragen stadtebaulicher    Vertrage,1992, S.83.. 11)ショッピング・モールやサッカー場など,比較的大規模な事業であることが多いようであ    る。. 12)地区の公共施設を指し,ここでは直近の道路までの接続道などが典型例とされる(M.    Quaas/A. Kukk, in:H. Schr6dter, Baugesetzbuch Kommentar,7. Aufl.,2006,§12 Rn.19)。                       (一),前掲註2),36頁。 13)後述の実施契約による。野田. 14)Verordnung zur Sicherung einer geordneten st註dtebaulichen Entwicklung und der    Inves廿tionen in den Gemeinden(Bauplanungs−und Zulassungsverordnug−BauZVO一)vom    20.6.1990(GBI. DDRIS.950).. 15)法制湯上は今日のようにBプランの1類型ではなかったものの,都市建設上の発展と秩序に    調和しうるものでなければならない等Bプランに課されるのと同様の要件が課されており    (建築計画及び許可令55条2項1文,93年措置法7条2項1文),その法的性質については争い    があった(S.Glombik, Der vorhabenbezogene Bebauungsplan, LKV 1999, S.392f[392])。 16)W.Bielenberg, Neues Baurecht fUr die Deutsche Demokra偵sche Republik, DVBI.1990, S.841五. 17)A。Wirth, Der Bauherr als Baubeh6rdb:Chancen deS Vorhaben−und Erschlie応ungsplanes,    BauR 1999, S.130fl 130],.. 18)W.S6fker, Der Vorhaben−und Erschlie価ngsplan−Eine vergleichende Betrachtung und    Erl註uterung einzelner Regelungsbereiche一,ZfBR 1992, S.149f[149】.. 19)MaBnahmengesetz zum Baugesetzbuch(BauGB−Ma応nahmenG)in der Fassung der    Bekanntmachung vom 28.4.1993(BGBI. I S.622).. 20)こうした「成功物語」の要因は,この間の政策が規制緩和と民間化(Priva廿sierung)そして    公私協働を強く志向していることにあると言われる(H.Fischer, Entsch註digungs−und    SchadensersatzansprUche bei gescheiterten vorhabenbezogenen Bebauungspl註nen, DVBI。    2001,S。258f[258];J.一P. Schneider, Kooperative Verwaltungsverfahren, VerwArch.87 (1996),. 43.

(18) 横浜国際経済法学第15巻第3号.(2007年3月)   S.38f[39】)。. 21)2001年・2004年に若干の改正が行われているが,本稿は1998年の制度を考察の対象とする。 22)M.Krautzberger, in:U. Bat廿s/M. Krautzberger/R.一P。 L6hr, Baugesetzbuch,9, Au乱,2005,§.   12Rn.24.. 23)実施契約を遵守しなかった事業主に対するサンクションであると言われる(W.S6fker, Der   Vorhaben−und Erschlie猛ungsplan, in:Planung und Plankontrolle, Festschrift f廿r Otto   Schhchter,1995, S.389f[404D。. 24)B.Thurow, Der vorhabenbezogene Bebauungsplan − ein zukunftsweisendes   PlanungshlstrumentP, UPR 2000, S.16f[17】。. 25)C.Antweiler, Konkurrenz der Vorha1)entrager be圭m vorhabenbezogenen Bebauungsplan, BauR   2002,S.398f[3991.. 26)一般に都市計画分野における協働が計画決定プロセスと事業遂行プロセスとの2つの面で問   題となることは,わが国でも認識されている。見上崇洋「都市計画の計画提案制度一公私協.   働論の視角から一」小林武・見上崇洋・安本典夫編『「民」による行政一新たな公共性の再   構築』(法律文化社,2005年)159頁。 27)0.Reidt, Chancen und Risiken des Vorhaben−und Erschlie億ungspIans, NVwZ 1996, S.1f[3】.. 28)C.He童tsch, Risikobegrenzung bei“Public Private Partnerships” durch Allgemeines und   Besonderes Verwaltllngsrecht一.dargestellt anhand des vorhabenbezogenen   Bebauungsplans一,UPR 2005, S.121f[123】.. 29)H.Jade, Vorhaben−und Erschheβungsplan−Er玉auterungen zur Aufstellung und Anwendung.   der Satzung Uber den Vorhaben−und Erschlie信ungsplan nach§7BauGB−MaBnahmenG一,   1993,Rn.5. 30)Heitsch要a.a.0.(Anm 28),S.127. 31)Rddt, a.a.0。(Anm 27),S.6. 32) Reidt, a.a.0.(Anm 27),S.6;H(ミitsch, a.a.0.(Anm 28),S。127.. 33)特に衡量原則との関係をめぐる議論が多い。野田(一)(二),前掲註2)を参照。. 34)大規模事業を実施できるだけの財政力を有する民間事業者であればゲマインデの計画高権を.   買うことができると見て,この制度はしばしば「計画高権の大売出し(Ausverkauf)」と表   現される。 35)KGelzer/H.・J. Birk, Bauplanungsrecht,5. Aufl.,1991, Rn.1909;Heitsch, a.a.0.(Anm 28),   S.122。. 36)VGH Mannhe㎞, Beschl. vom 22.3.2000, NVwZ 2000, S.1060五. 37)本決定を扱うものとして,M. Dolderer, Die Einleitung des vorhabenbezogenen   Bebauungsplanverfahrens:Rechtsgrunds註tze und Rechtsschutz, UPR 2001, S.41f;Antweiler,   a.a.0.(Anm 25),S.398f;Heitsch, a.a.0.(Anm 28),S.126f. 38)BT−Drucks.12/3944, S.45.. 39)実施契約には,同契約上の義務に違反した事業主に罰金を課す旨の規定を設けることも可能   である(Krautzberger, a.a.0.(Anm 22),§12 Rn.18)。. 44.

(19) 事業関連Bプランと公私協働 40)S6fker, a.a.o.(Anm 23),S.401;w. Bielenberg, Aufstellung eines vorhaben−und    Erschlie蜘ngsplans(vE−Plans)Hinweise fur die Pra)ds, zfBR 1996, s.6 f[11】;R. Menke, Der    vorhabehbezogene Bebauu耳gsplan, NVwZ 1998, S.577f[579】;Heitsch, a.a.O。(Anm 28),S.126;.    M.Krautzbεrger, in:W. Ernst/W. Zinkahh/W. Bielenberg/M. Krautzberger, Baugesetzbuch,    2006,§12.Rn.102;Quaas/Kukk, a.a.0.(AnIh 12),§12 Rn.41. .41)S6fker, a.a.0.(Anm 23),S.401.. 42)Krautzberger, a.a.0.(Anm 40),§12 Rn.104.ゲマインデが職権で策定手続を開始できるとす.     れば,事業主に圧力をかけてVEPを作成させ事業関連Bプランを策定することで費用負担を     逃れようとすることも考えられるという。なおゲマインデが職権で策定手続を開始できるこ     とを主張するものとして,Jade, a.a.0.(Anm 29),Rn.117.. 43)W.Hoppe/S. Grote免ls,◎娩ndiches Baurecht,1995,§5Rn.180.なお,いわゆる申請の「阻止    機i能」については,E. SchmidむA偲mann, Die Grundgedanken des Verwaltungsverfahrens und     das neue Verwaltungsverfahrensrecht, Jura 1979, S.505f[517].      .  、 44)Krautzl)erger, a.a.O.(Anm 40),§12 Rn.88 und 102;Jade, a.a.0.(Anm 29),Rn.119. 45)Dolderer, a.a.0.(Anm 37),S.44.. 46)H。一J.Birk,. Der“neue”Vorhaben−und ErschlieBungsplanμnd seine rechtlichen    Bindungswirkungen, in:Baurecht−Aktuell, Festschrift fUr Felix Wβyreuther,1993,    S.213f[2281.. 47)Verwaltungsgerichtsordnung(VwGO)in der Fassung der Bekanntmachung vom 19.3.1991     (BGBI. I S.686)zuletzt geandert durch Sechsundzwanzigstes Gesetz zur Anderung des    Angeordnetengesetzes vom 22。8.2005(BGBI. I S.2482).. 48)Verwaltungsverfahrensgesetz(VWVfG)hl der Fassung der Bekanntmachung vom 23.1。2003     (BGBI. I S.102)zuletzt geandert dufch Kostehrechtsmodemisierungsgesetz vom 5.5.2004     (BGBl. I S.718). 49).. aVerwG, Urt. vom 20.5.1987, BVerwGE 77, S.268f[2711;BVerwG, Urt. vom 29.4.1988,.    BVerwGE 79, S.291f[293】;H. Maurer, Allgemeines Verwaltungsrecht,15. Au且.,2004,§9Rn.6.. 50)無三二裁量行使請求権一般については例えばJ.Pietzcker, Der Anspruch aμf     ermessens艶hlerfreie Entscheidung, JuS 1982, S,106fいわゆる保護規範説に.より,裁量を規.     下する法規が公益のみならず関係私人の利益に関わるものである時に認められる.(Maurer,     a.a,0.(Anm 49),§8Rn.15;BVerwG, Urt. vom 7.1.1972, B∀erwGE 39, S.235f)。. 51)Dolderer, a。a.0.(Anm 37),S.42;Krautzberger, a.a.0.(Anm 40),§12 Rn.112.. 52)’0.Reidt, Der “neue” Vorhaben−und Erschlie昆ungsplan/vorhabenbezogene Bebauungsplan    nach dem BauROG, BauR 1998, S.909f[913】. 53)Bielenberg, a.a.0,(Anm 40),S.10−11。 54)Jade, a.a.0.(Anm 29),Rn.123,. 55)M.Quaas, in:H. Schr6dter, Baugesetzbuch Kommentar,6. AufL,1998,§12 Rn.42.. 56)S6fker, a.a.0。(Anm 23),S.401−402.あくまで理論的かつ限定的には(ロ)の請求権が認めら.     れる場合があることも示唆している。                                                                       45.

(20) 横浜国際経済法学第15巻第3号(2007年3月) 57)Menke, a.a.0.(Anm 40),S.579.. 58)M.Maslaton, Privatisierungstendenzen im Baurecht unter besonderer BerUcksichtigung des   Vbrh曲eル皿d Er㏄皿e応u㎎splms,・血:W. Ho血a皿一1也㎞/J’R脱㎞eider,踊会hrenspdvadsie㎜9   im Umweltrecht,1996, S.125f[144】;Re1dt, a.a。0.(Anm 52),S.913.. 59)Maurer, aa.0.(Anm 49),§8Rn.15. 60)Reidt, a.a.0.(Anm 52),S.903;J註de, a.a.0.(Anm 29),Rn.125.. 61)Bielenberg, a.a.0.(Anm 40),S。11.. 62)逆に肯定するものとして,Maslaton, a.a.0.(Anm 58),S.144. Bielenberg, a.a.0.(Anm 40),.   S111も一定の場合には認められ得るという考えを示している。 63)BVerwG, Beschl. vom 9.10.1996, NVwZRR 1997, S.213f. 64)同様の理由により. u仮命令を申立てる請求権を有していない」として予備的申立ても退けら.   れた。なお損害賠償請求権については認められる可能性を示唆している。申請を拒否された  .事業主の損害賠償請求権を検討するものとして,Fischer, a.a.0.(Anm 20),S.259f 65)以下の記述はKrautzberger, a.a.0.(Anm 40),§12 Rn,109−112による。 66)以下の記述はDolderer, a.a,0.(Anm 37),S.43−45による。. 67)Antweiler, a.a.0.(Anm 25),S.401.なお,ゲマインデの決定が行政行為だとすれば競合状態.   の場合にはいわゆる2重効を有する行政行為(行政裁判所法80a条)となる否かかが問題と   なる。この点につきDolderer, a.a。0.(Anm 37),S.43−44は否定し, Antweiler, a.a.0.(Anm   25),S.401−403は肯偏している。 68)Dolderer, a.a.0.(Anm 37),S.43.. 69)H.C. Fickert, Zum novellierten Baugesetzbuch, insbesondere zur Erforderlichkeit der.   Anderung von Grundsatzvorschriften des§1des Baugesetzbuchs aus der S孟cht der   Baule量tplanung, BauR 1997, S.947f【9491.. 70)BVerwG, Beschl。 vom 9.10.1996,(Anm 63),S.213. 71)Antweiler, a,a.0.(Anm 25),S.404.. 72).本決定がゲマインデの決定は「いかなる実体法上の拘束も受けない」と述べたことについて   も批判が集まっている。Krautzberger, a.a.0.(Anm 40),Rn」.12a;Dolderer, a.a.0.(Anm 37),   S,45;Antweiler, a.a.0.(Anm 25),S。403.. 73)とりわけDoldererの議論に顕著である。. 46.

(21)

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