「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡
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(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第47号(平成27年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.47(2015):11-28. 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 倉賀野 志 郎 北海道教育大学教育学部釧路校:授業開発研究室. Response Trace for “Experimental School”of Hokkaido Jiyugaoka Gakuen ,Yubari/Tukisamu KURAGANO Shiro Department of School Education,Kushiro Campus,Hokkaido University of Education. はじめに 鈴木秀一氏は、 「子どもたちを強迫的にそこに追い込んで・・・過渡に競争的な教育の仕組みから生み出されて来ている」 ことに対して1)「人間が蓄積してきた文化が、どれほど人間の現実の問題解決に貢献してきたか、そのことは子どもたち に現実とどう係わっているのか納得的に理解し得るような授業や活動をつくることに努力する」、2)「子どもたちの問題 意識、不満、希望をとらえ、それの根拠を深く探り、文化探究とどう係わるのかを明らかに示してやることで、子どもた ちが永続的で堅固な生活・学習の目的を持つように援助する。」このために「新しい地平を切り開くためにいろいろな実 験的な試みを行う実験学校が創られて来たが、私たちの夕張校(当時)が、そのような実験学校としての役割を果たし得 ることを願って」北海道自由が丘学園・夕張校、その後、月寒校として開校している。また、その後の展開でも「新しい 試みを追及して来ており・・・実験学校といった性格の場」となっており、「日本においては珍しい【実験学校】たろう として努力してきたスクールの記録」ともなっている。 北海道教育大学釧路校:地域学校教育専攻:授業開発研究室は、夕張スクールの創設時期からかかっている。鈴木秀一先 生の【実験学校】に継続的に応えようとしてきた記録を、そのまま資料として提示するのではなく、北海道教育大学の学 生の学ぶ場としての意味を釧路校の釧路論集として整理したのが本稿である。. 序章:鈴木秀一【実験学校】の誕生と、その提起に応えて. また、その後の展開でも、それは「私たちスクールのス タッフも新しい試みを追及して来ており、このことも実験. 鈴木秀一氏は、 「子どもたちを強迫的にそこに追い込ん. 学校といった性格の場」となっており、「日本においては. でいる社会通念で、それは過渡に競争的な教育の仕組みか. 珍しい【実験学校】たろうとして努力してきたスクールの. ら生み出されて来ている」ところの「せま勉」(狭義の知. 記録」ともなっている。(2). 識偏重・指導手順偏重教育等)に対して. 北海道教育大学釧路校:地域学校教育専攻:授業開発研究. 1)「人間が蓄積してきた文化が、どれほど人間の現実の問. 室(以前は教育内容・方法研究室)は、夕張スクールの創設. 題解決に貢献してきたか、そのことは子どもたちに現実と. 時期からかかっている。1998年5月から始まり、. どう係わっているのか納得的に理解し得るような授業や活. 24回目の訪問と、5度目の卒業式の2003年3月(前掲). 動をつくることに努力する。 」. と、34回目の訪問直後の2004年10月(後掲)が上記の文書. 2)「子どもたちの問題意識、不満、希望をとらえ、それの. である。(授業開発や教育内容・方法研究室としての表記. 根拠を深く探り、文化探究とどう係わるのかを明らかに示. は、大学のカリキュラム改変等の結果としての名称変更で. してやることで、子どもたちが永続的で堅固な生活・学習. あり、研究室そのものの実態の変化はない。). の目的を持つように援助する。 」. 鈴木秀一先生の【実験学校】に継続的に応えようとして. 「かつて、新しい地平を切り開くためにいろいろな実験. きた記録を、そのまま資料として提示するのではなく、北. 的な試みを行う実験学校が創られて来たが、私たちの夕張. 海道教育大学の学生の学ぶ場としての意味と、授業の構成. 校(当時)が、そのような実験学校としての役割を果たし. 視点としての教育内容という二つの視点から考察したいと. 得ることを願って」北海道自由が丘学園・夕張校、 その後、. 考えている。. 月寒校として開校している(1)。. 前者を釧路校の釧路論集として整理したのが本稿であ る。. - 11 -.
(3) 倉賀野 志 郎 Ⅰ章 【実験学校】に応える試み. 教育大学での授業・教育内容・教材検討の【実験学校】 での授業実践. 夕張スクールの創設時期の1998年5月から【実験学校】. ③企画立案実行としての【実験学校】での試みと学び . は始まる。卒業式も含めて、ほぼ年4+1回(6月・9月・12月・. 運動会・クリスマス会・雪中運動会・食育等を含めて. 2月・卒業式)に訪問させていただいている。2003年10月に. ④事前段階からの準備を踏まえて実施に持ち込んでいる。. は夕張から月寒へ移転している。. ⑤複数の異なる学年のかかわりの中で. 現在は2014年の卒業式の訪問を含めて90回になっている. ⑥学生同士の宿泊・生活まで含めての集団での活動. (2014年3月現在) 。1998年9月からの企画等を持ち込み実. ⑦4年間のカリキュラム構成の中に位置づけて. 践してきてからは73回、授業に関しても8回目の2000年6月. などの特徴点をあげることが出来る。. から現在までで66回の、各々の回で複数の授業プランの持 ち込みと授業実践と検討を行ってきた。. (2)【実験学校】での試みと、主免の教育実習との相違点 ①単学年の教育実習とは異なる。 ・いくつかの要素に関しては異学年で連携。. 後掲[別紙資料リスト1]. ②基礎実習・教育実習・へき地実習に加えて通学合宿支援・ 1998年5月がNo1で、No29:2003年10月は移転式、No30:. 地域での学習支援/サイエンスフェアを実施している((). 2003年12月からは月寒で、2003年10月のNo28は修学旅行. ・それらの内容の質的な要素をすべて内包している. となっている。. ・個々の要素に対応する実習等とは異なる学びを持つ機会. 以下、授業・行事はNoで紹介する。数字が学生参加人. となっている。. 数である。6月は幅6人から14(前半隊7+後半7)人、9月は幅. また生活を含めて全体で役割分担して計画・立案・実行・. 5人から20(前半隊10+後半10)人、12月は幅5人から16人、2. 総括の機会を有している。そこでは同様に準備するなどの. 月は幅7人から18(前半隊8+後半10)人、卒業式は幅2人から. 予備も含めている。(4). 20人となっている。 「子どもたちに現実とどう係わっているのか納得的に理. (3)更なる転用として、国際的なアラスカ・モンゴル・フィ. 解し得るような授業や活動をつくること」や「子どもたち. ンランドでも基本的に【実験学校】での試みの拡張として. の問題意識、不満、希望をとらえ、それの根拠を深く探り、. 実施している。アラスカでの国際的な学校訪問等の活動を. 文化探究とどう係わるのかを明らかに示してやることで、. 担った学生の中心メンバーは、この実験学校での初年度の. 子どもたちが永続的で堅固な生活・学習の目的を持つよう. 学生と重なる。(5). に援助する」ところの【実験学校】にどこまで応えること が出来たのかは、いまだ不十分だが、継続し持続してきた. [2]4年間の大学のカリキュラムに位置づけて. 記録の一つの整理は意味のあることだと考えている。 北海道教育大学・釧路校:授業開発研究室/教育内容・. 北海道自由が丘学園月寒校での年4回ほどの教育実習に. 方法研究室として応え続けてきた軌跡ということになる。. は、異学年との連携を含めた上記のすべての要素が盛り込. 【実験学校】に適したかかわりを持てたのかという課題は. まれていて授業のみならず各種行事等も実施している。. あるが、実験行為の意味は①継続的に問い続け挑戦し働き. この同学年のみならず異学年の学生と共に何かを創り上. かけ続けてきたこと、②学年としては移り変わっていって. げきた体験は、子どもとのかかわりの中でも活きている。. も研究室としては働きかけの組織が継続してきたこと。. 学生たちからは「子ども達が学生と交流する中で勉強する. この意味で「実験学校」の実験的要素を含む試みとなっ. ことへの意欲が少しずつ上がり、楽しく活動することがで. ていると考える。(3). き、また純粋な気持ちで遊ぶことができる」というように なっていく子どもの成長を、学生自らの学びの深まりと重. [1] 北海道教育大学釧路校:授業開発研究室としての働きか けの特徴点. ねて感想が出されている。 北海道教育大学釧路校・地域学校教育専攻・授業開発分 野(教育内容方法研究室)では、4年間のカリキュラム構造の 中に位置づけて活動している。(6). (1)いくつかの特徴点 授業のみならず、企画や行事の実践でも挑戦的な試みと して続けてきたことが学生の学びの場としてとらえると次. (1)初年度ではまずは互いに連携しての企画を創り地域で. の特徴点がある。. の影絵等の実演してもらっている。また地域での運動会・. ①子どもとのかかわりを1年の早い段階から、 (現在は大学. サイエンスフェア等も実施している。その成果は初年度段. (4) としては「フィールド研究」と位置付けて実施している). 階からチームワークをもって異なる学年と連携していくこ. ②授業・教育内容・教材検討. との重要性を体感することともなる。後期では高校までの. - 12 -.
(4) 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 “知の学び”を問い直すことを実施しており、歴史や生物. ③運営等の全体視野に基づいたテーマ設定等. が単なる暗記でしかなかったことを問い直す機会となって. の展開となっている。. いる。 「暗記ではない歴史」等を学ぶことの面白さも感じ て、1年後期には発表もしている。. (4)これらを踏まえた上で公的な観察を中心とする基礎実. こ の1年 段 階 に お い て の 北 海 道 地 自 由 が 丘 学 園 で の. 習(2年)、小学校の教育実習(3年夏)・中学校の教科実習(4年). フィールドは、. を迎えている。このような4年間の学びの履歴を踏まえた. ①初めての児童生徒とのかかわり. 上で卒業論文・教職実践演習(4年後期)、そして採用試験を. ②上位学年と合同しての試み. 受けての教職への道へと繋がっていくことになる。. ③モノづくり・授業までは展開しない企画行事づくりな. 次の活動は、4年次段階においては自由が丘学園の【実. どとなる。. 験学校】で行う場合もある。 ①卒業論文に基づく授業の実践・検討. (2)2年次からは、将来、へき地小規模学校に赴任する可能. 場合によっては、他の小学校等での実践と合わせて. 性があることから、北海道の東に限定してではあるが地域. ②クリスマス等の企画立案の中心的テーマ設定とリーダ. の産業(林業・農業・酪農・漁業)を学び、その学ぶ過程で. シップ. 地域と人とのつながりが出来て、その産業の特性の一端を. ③4年次としての後輩育成. 学び発表する機会を有したこともある。例えば漁業ではカ. となる。. ニ漁に参加している(7)。その後、通学合宿支援(10数人の 小学校の子どもが対象、本別と標津で)や、学習支援を、. Ⅱ章 ケーススタディの事例を中心に. 事前に地域の教育委員会等の実行委員会に参加し、準備し 学習する機会を有して実施している(小学校・中学校の40. それぞれの授業だけでなく、企画行事モノづくり等にお. から50人の子ども・生徒が対象、標津と羅臼で)。3年の公. いても準備段階も含めての実践となっている。. 的な教育実習は単学年での実習となっているが、異なる学. 14年間にわたる実践であり、その一つ一つを紹介する形. 年ともに連携して企画・立案・実行・評価を実施すること. 態をとらず、一つのケーススタディとしての事例を紹介し. は、教育実習の事前学習としても成果となっている. (8). て、それ以外の個々の部分はタイトルなど簡単なコメント. 。. 2年次段階では、. 紹介としておく。 . ①総合的な連携しての授業実践. 個々の授業に即しての教育内容論としての授業の位置づ. ②ものづくり・食育・運動会等の企画立案実行. け等については別の機会に譲ることとする。. ③企画行事等の全体のチームの運営等の研究室のまとめ. 準備段階としては、一つの企画等においても、次のよう. 役となっている。. な事前・事後のセクションが存在している。その過程を大. . 切にすることも、この実習の特徴となっている。. (3)2年の後期や3年からは授業の背景にある教育内容や教. 計画から実践までを次のようなステップとして表してお. 材検討がすすめられ、授業プランの作成や模擬授業の実. く。. 施、そして月寒校等において実践し検討する機会を有して. A:構想段階. いる。. B:準備・修正段階. 作成教材は、地域での教材(例えばビートが糖を持つ意. C:予備実験・授業段階. 味を問う教材、北海道と沖縄とを繋ぐコンブ教材など)を. D:前日の準備. 具体的に現地に赴き作成している。また基礎学力に対応す. E当日の実践. る基礎基本に関する教材(例えば分数はいつどこでだれが. F:授業についての検討会と課題. 何のために、の背景を問う教材や、国名の歴史的背景から. (以降、ケーススタイティの部分はABCDEについてはイタ. 問い学ぶ教材)も作成している。これらは授業プランに結. リックで表記). 実させて、授業実践を行い検討することを行っている。地 域教材等の総合的な学習と教科等の基礎基本とを両輪とし. [1]授業. て位置づけて検討している。 作成教材は多くの領域にまたがっており、その一部を自. (1)シリーズとしての授業展開. 由が丘学園の【実験学校】で授業実施している。(9). 授業としてはNo8から卒論も含めてのシリーズとして総. 3年次段階においては. 合的な学習として展開したテーマは下記のようなものであ. ①教育実習前後としての授業実践. る。☆は卒論。個々に記載されていない部分は単独で行っ. ②児童生徒の成長過程に位置づけた内容の検討(2年次. たものである。. 段階から引き続き). ①教育内容構成論に関しては別に論ずることになるが、こ. - 13 -.
(5) 倉賀野 志 郎 の総合的な学習のテーマに関してもその内容構成の視点が. B:①1時間目:『虹は何色(なんしょく)?①』. 現れている。. 月の模様に何を見るか、虹は何色(なんしょく)か、星をどう結. 卒業論文ではないが、テーマとして継続してきたものもあ. んで星座をつくるか・・・これらの問題は「人がどう見るか」という、. る。. 「人の視点」が世界を切り分けている例となる(人が月の模様をう. ・植物戦略論No8. さぎと見ようが、カニと見ようが、月の模様自体は変わらない)。そ. 植物の戦略論としての位置づけ(1). してその見方は「生活や身近なもの」に依拠している(例えば、船. ・チョコレートNo17. 乗りがつくる星座には、新しい大陸で発見した生物が反映されてい. ・節分No47. るなど)。. 旧正月の位置づけ・ものづくり. E:この1時間は、上記の3つのテーマを取り上げ、それぞれ、1世界. ・音楽No84. 中の事例を知る、2それらが何に依拠して生まれた見方なのかを考え. 音楽をテーマとしてのオムニバス. る、3実際に「自分」は「どう見るか」を、みんなに紹介するといっ. ・ローマNo86. た一連の活動を行った。. 風呂・水道・食をシリーズとして. B:「言葉」を正面から取り上げる授業に入る前にこの授業を行った 理由として、一つに、対象児童生徒の中には低学年も多く、いきな. ②卒業論文☆としてのシリーズには、次のようなものがあ. り「言葉」を取り上げるには抽象的すぎるということ、一つに、 「言葉」. る。. を相対化して捉える前にはまずワンクッション必要なのではと考え. ・微積分No9☆(2). たことが挙げられる。「言葉」は、世界中で一様ではなく、翻訳こそ (2). ・植物等の生き様の戦略論シリーズNo27:☆. できても、必ずしもイコールにはならない。また、「右」「左」に相. ・野菜の科学No83. 当する語句が存在しない言語がある、など、自分たちの言語とは違. 野菜に焦点を当てての植物戦略論(10). う言語を捉える(相対化する)ことは難しい。その難しさを踏まえ、. ・言語多様性論No88/89☆. 「自分と他を相対化するため」、「抽象的な『言語』という分野を取 り上げるため」のワンクッションが必要だと考えた。よって、「目に. ③自然科学的背景・社会科学的背景・モノづくりの3つを. 見えるもの」で、「人々の生活について考えられる」題材を選び、こ. セットにしての展開もある。. の授業を行うこととなった。. ・金属・青銅器No19 歴史的背景・青銅器づくり. B:②次には、2時間目として星座の話の中で「アイヌの星座」を取 (1). り上げた。そのことを想起させ、アイヌの人達の生活にもう少し迫っ. ・ヌードルNo25. てみようということを課題とする。その手がかりとして、北海道に. ・炭No26(10). あるアイヌ語の地名探しから、アイヌの人々の生活を探る。活動は. ・環・世界論No45/46☆. 以下の通りである。 ・「豊平」「月寒」の語源を考える. この言語多様性に関係する実践をケーススタディとして. ・北海道地図の中から、アイヌ語地名の中で一番多い「ベツ」「ナイ」. 紹介していく。 卒業論文に関係しての検討・授業実践など、. という音を探す. 同様のことが各々の機会において行ってきた、その一例を. ・ 「ベツ」と「ナイ」はどんな場所にあるかという視点から、「ベツ」. 扱うこととなる。担当者はイニシャル。少し長いが、この. と「ナイ」にはどのような意味があるのか考える. ような教育内容検討が背景にあり、教材化・授業化、そし. 「ベツ」「ナイ」が「川」を意味することを確認し、アイヌの人達. て検討が行われており、他のテーマに関しては同じような. が何故川に着目したのか考える. ことが実施されている。. ・言葉と生活が密接に関わっていることについて確認。 1時間目では、「人々の生活や考え方が反映されている“目に見える. 言葉の授業: No88/89U.M.. 事象”」を取り扱ったことを踏まえ、2時間目では「人々の生活や考. A:卒業論文の授業実践として、3時間の授業。卒業論文では、 「言葉」. え方が反映されている“言葉”」を取り扱うこととなる。. が多様であること、また、世界を「言葉」でどう切り取るかにはそ. ③3時間目:『めんそーれ月寒!北と南の言葉交流会』. の人達の生活が関わっていることなどを含んだ、授業の開発に取り. 1、2時間目を踏まえ、「言語の多様性に面白さを感じる」といった. 組んでいた。. 部分に不十分さを感じたため、琉球大学からの留学生・中国からの. 3時間を通した授業のねらいは、主に. 留学生も交えて、「北と南の言葉交流会をしよう」という授業を行っ. 「言葉」から「人々の生活を考える」という、言葉に対する一つの. た。活動は以下の通りである。. 視点を養うことと、言葉の多様性に面白さを感じ、言語の消滅につ. ・世界の挨拶(+アイヌの挨拶、沖縄の挨拶)と、その意味を知る. いて考えることができる、の2点である。. ・沖縄からのビデオレターを見る. これらのねらいを達成するため、3時間の授業を構成した。. ・琉球大学からの留学生と、児童生徒・学生で、 「うちなーぐち」と「北. それぞれの授業の内容・ねらいは以下の通りである。. 海道弁」を予想し合うゲームを行う. - 14 -.
(6) 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 ・岩手県出身の学生、中国からの留学生とも同じようにゲームを行う. 授業2 管楽器の仕組み(管の長さで音の高さが決まるという仮説を. ・「こんな言葉、あるかないか?」クイズに参加する. もとに、チューブの長さで管楽器をつくる。ものづくりとしてスラ. ・言語の消滅について知る. イドホイッスルも扱う(長さを変えることで音がかわる楽器)。. 3時間を通して初めての「“言葉”を正面から扱った授業」である。. 授業3 音楽家の髪型に着目して作曲した曲風、時代を読みとく。. F: 3時間の授業を行ったが、どれも「気づく」授業となり、なかな か「深く踏み入る」ことができなかった。理由として、内容を欲張. 講義・演習の一環として教育内容を検討して授業を行っ. りすぎ、あれもこれも詰め込んだ結果、それぞれの内容が広く浅く、. たこともある。次の「100円ショップと日本」がその授. 知識を得るだけの「雑学的な授業」となってしまったことが考えら. 業で、卒業論文ともつながっていくこととなる。また、 「ロー. れる。そのため、「言葉と生活が密接に結びついている」という点に. マと食育は、ローマの風呂・水を運ぶ建築物(水道橋)」に. おいて、児童生徒が理解し、視点を養えたかどうかは疑問が残った。. 加えて、食から見るローマを扱ったものである。. 一つの内容をしっかりと取り上げ、児童生徒が納得・実感できるよ. 「100円ショップと日本」:No34:K.T. うに構成するべきだった。 しかし一方で、様々なものを広く取り扱ったことで「多様性」を. A:構想段階. 感じ、また、相対化することができたのではないかという意見もあっ. 大学2年生の春休みに、ベトナムとカンボジアの旅に出かけた時. た。. に受けた衝撃が大きく、日本と世界のつながりについての授業を展. 3時間目では、児童生徒が「言葉は面白い」と感じてくれ、また、. 開したいと考えた。そこで、身近な100円ショップに焦点を当て、. 「『ぼっこ』は、『ぼっこ』だよ。」といった、「自分達の言葉でしか. 身近な100円ショップの商品に、行ったこともない世界が広がっ. 上手く伝えられない」、「翻訳はできてもイコールにはならない」と. ていること、その裏側にある世界の現実について伝えたいと思った。. いった感覚を持った子もいて、これはねらいを達成できたと感じた。. BからD:準備・修正段階. このように、「自分達の言語」を誰かに伝えようとしたとき、言語を. ・「徹底解剖100円ショップ」(日常化するグローバリゼーション . 相対化し、 「言葉」のもつ面白さに気づくことができるのだと考えた。. アジア太平洋資料センター編 コモンズ)を参考にすると共に、. 大きな課題としては、授業者自身が多様な言語に実際には触れて. 100円ショップの商品を購入する。(衣類、有田焼の茶碗、タイで. いないことで、「授業内での話が抽象的」になっているといったこと. すかれた和紙等). が挙げられる。実際に話者と出会い、関わり、生活を見るといった. 学習内容は次のようなものである。. ことが、言語を知る上ではとても大切なのだと感じた。. ・100円ショップの商品を探し、身近に感じさせる. 「言葉」を「言葉」で説明することに限界を感じた。それは重要な. ・どこで作られているか考える. 感覚ではあるが、どうすれば授業の中で、他の言語を理解できるよ. ・100円均一ショップクイズ. うに説明すれば良いのか、今後考えていく必要があると感じた。. 商品の数、作られている場所、働いている人。儲かっているのか、. 子ども達も学生も、「自分達とは違う見方がある」ことには驚いて. グローバリエーションの意味. いた。自己を相対化して考えるという点をねらえば、「気づく授業」. E:当日の2004年9月8日に小学生~高校生を対象:約9名(男子. としては良かった。道具としてだけではない『言葉』の授業の可能. 7名、女子2名)に「100円ショップから日本とアジアをみる」. 性を感じ、また、課題も明確にすることができ、学びのある3時間. を実践。. の授業実践となった。. F:授業についての検討会と課題. めずらしくテーマを音楽にした週もある。. 考える必要があるとの指摘もあり、「低賃金労働」という言葉の正し. 鈴木秀一先生より「ものをつくる」 「商品価値とは何か」について、. 4年生と2年次の学生が参加しての実践となっている。楽. い理解が必要で、賃金が日本と比較すると低いが、単純に比較でき. 器のみならず、音楽の歴史に音楽家の髪型を介して扱う総. るものではなく、それぞれの国の生活水準や物価に大きく関係して. 合的なテーマともなっている。. いることを配慮する必要があることと、また、児童へ外国の印象を. テーマを音楽にした週:No79Y.M. 点については、後に私の卒業論文のテーマとなる。. 正しく伝えていかなければならないことなどの課題が残った。この AからD:構想段階 ・メンバー7人全員がピアノ・ギター・管楽器などの音楽経験者であっ. 「食から見るローマ史」No86,S.M.. たことと、最後の学生週(学生が実習でくる週間の名称)になる子ども. A:構想段階. の一人が音楽に興味をもっていたということもあり、2月月寒学生週. まず、授業開発研究室が社会科の授業プラン、とりわけ歴史の授. は1週間を音楽という一つの統一テーマでつくっていくことにした。. 業プラン作成において課題としてきた「歴史を大枠でとらえる」、. E:授業者は2年生4人で上手く繫げることよりも、個人テーマで全体. 「人々の生活に依拠した歴史」という事が構想の根幹にあった。. として音楽を取り扱う授業を行うことを選んだ。. 「歴史を大枠でとらえる」、「人々の生活に依拠した歴史」という. 授業1 ボディーパーカッション(体という楽器で・歌や楽器が出来な. 事を意識し、なぜ、どのようにしてローマ帝国は繁栄したのか、ま. くても楽しめる音楽). た、なぜ大帝国を築いたローマ帝国がやがては衰退していくのか、. - 15 -.
(7) 倉賀野 志 郎 そして、やがてはヨーロッパで中世時代が開かれていくという歴史. (2)二週連続して. を「食」から紐解いていくような授業プランを考案した。. フィールドへの参加が多いため、二週にわたって分けて. B:準備・修正段階. の実践を行った週もある。前半と後半との真ん中の土曜日. 本来は食からローマ史を取り上げる予定だったが、小学生も授業. に引き継ぎ交流を行っている。一回だけ部分的に継続した. の対象となったため、世界史の内容へ深入りすることはできないと. 担当者もいる。参加希望者が多かったためで、当初から予. 考え、ローマ史全体を取り上げず、ローマ帝国が繁栄していたとい. 定していたわけではない。. う事に限定して授業を行う事にした。ローマ帝国の繁栄は地中海圏. ・No13/14(各々のテーマに即して)、 ・No20/21(卒論2週間:. のすべての食材が集まるローマだからこそ生まれる、料理の華やか. 花/鳥/クジラ/数字ゼロ/昆布/発酵)、 ・No25/26(前半はヌー. さを取り上げた。. ドルをテーマに、後半は炭を)、・No39/40(モンゴル/江戸. また小学生にとってなぜ世界史(ローマ史)を学ぶのかという視点か. 時代(旅と経済)/性)、・No45(作用・反作用と札幌で)、 ・. ら、地中海圏のものがすべて集まるため生産をしなくてもいいロー. No46 (透明/雑煮/英語の単語/微生物/金魚鉢から/反. マの都市と、もの・人が集まる札幌市とを比較し、だから私たちは. 射の科学)、・No78/79(国名・4コママンガ/津波/魚の血合. ものを生産しなくても生きていけるという事を取り上げた。. いから/楽器作り/旧正月の意味を色で)を授業として実施. C:予備実験・授業プレ段階. してきている。. 実践では授業と食育の2本立てで行った。 予備準備ではローマ帝国時代の華やかな料理を再現した。. (3)他の国とのかかわりで. できる限り厳密に再現する事を意識しながら、レシピを現代版にア. 夕張・月寒でのかかわりから、外国でも展開している。. レンジして作ったのだが、子どもたちが食べられるようなものにす. そもそもは本稿での実践を外国等の学校訪問においても適. るまでに試作を何回も行った。. 用可能でいないかとの考えからの国際交流である。現在は. D:前日の準備. 研究室としてのアラスカ訪問は10回になっている。エジプ. 授業内で料理の試食をする場面を設定していた。またその試食し. ト・アラスカが最初であったが、その後で授業として組ん. たものを食育で作るという事もあり、作りたくなるように、暖かく、. だのは次の4つである。. おいしいものを出すことを意識していたため、授業で並行して料理. 【モンゴル】☆No39. を作る人を決めておいた。. 【フィンランド・模様作りから】、 【ラップランド地方のサー. 食育の前日準備は食材の確認、学生の配置、机の配置など打ち合. ミ―人の生活を探る】No82. わせを行った。. 【エトロフ島訪問記】No71. E:授業当日. 【自分の生き方】(4年間で8ケ国を訪問しててきた経緯を. ローマの多彩な料理を知ったり、ローマの貴族のテーブルマナー. 説明)No’77. で試食をしたり、試食しながらローマで使われた調味料を当てたり. フィンランドに係わっては、模様の意味を考える授業と. など、華やかなローマ帝国の食文化を体験する授業となった。また. して行っている。No82. その料理の華やかさはローマの周辺から、ものや人が集まることで 生まれており、ローマではものを生産していないことを取り上げた。. フィンランドでの授業「模様」づくり:No82E.M.. また食育では分担して前菜・メインディッシュ・デザートを作成。. A:構想段階. 食材の再現は難しかったため、現代風になったが、調味料は当時を. フィンランドへ行くにあたって、フィンランドのサーミについて. 意識し、魚醤を取り寄せるなどして味付けを行った。調理した後は. 調べ、その中で、なぜ模様が発生したのか、またサーミの模様とア. ローマの都市部と札幌を比較して、ローマも同じように食材や物、. イヌの模様が比較的似ていることに気づき、双方の模様の接点を考. 人が集まってくるため、私たちは物を生産しなくても、ご飯を食べ. 察した。その際に、模様によって作り方が違うのではないかという. ることができるということを取り上げるこことなった。. ことから、これを授業化しようと考えた。. F:授業検討と課題. B:準備・修正段階. ローマ帝国の繁栄を料理から伝えたが、華やかな料理はあくまで. フィンランドへ行ってサーミ、そしてその模様について学び帰国. 貴族の食事であり、庶民の食ではない。 「人々の生活に依拠した歴史」. 後、授業化を図った。主に、授業内容としては模様を作る材料とな. という点ではやはり、歴史は庶民の生活によってつくられ、貴族は. る皮の硬さによって、模様が変わるのではないか、という私の考察. ごく一部の人という事を考えると、やはり庶民の生活を取り上げる. に基づいて行った。. べきだったという反省がでた。. C:予備実験・授業段階. また、なぜローマが繁栄し、また衰退していくのか、そしてその. 実際に模様づくりを行う際に皮を使用させるかということを考え. 後のヨーロッパの中世が開かれるという授業ではなく、ローマが繁. たが、小学校低学年が多かったために折り紙で代用することにした。. 栄した事実を取り上げるに留まってしまった。今回の授業はローマ. また、様々な皮の固さを感じてもらうために、画用紙なども用意した。. 帝国の繁栄というローマ史の一部分の授業であり、ローマの「歴史. D:前日の準備. を大枠でとらえる」授業プランの作成を考案したい。. 前日には授業のプレを行い、子供の状況を考慮して指導案を改良。. - 16 -.
(8) 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 E:当日の実践. (2)クリスマス会関係. ほぼ流れは指導案どおりに行うことができたが、しかし指導案通. 12月の《クリスマス会》では、ケーキづくり、デコレー. りに進ませることに集中してしまい、子どもと共に授業を進めるこ. ション、ケーキ、キャンドル、リース、ミカンランプなど. とができなかった。また、子どもの実態を考えて指導案を変更した. が行われた。クリスマス会に加えて音楽会を開催 したこ. つもりではあったが十分ではなかった。. ともある。. F:授業についての検討会と課題. 次もその一例である。. 仮説についての考察の交流を行った。フィンランドへ行ったが、 私の仮説の裏付けとなるものは得られず、そのことについて課題が. AからC:クリスマスツリー No88U.M.. 残った。. A:12月、クリスマス会の目玉となる「クリスマスツリー」を企画する。. [2]企画行事等について. 画してきた。例えば、スノードームのような雪の舞うツリーを、送. 毎年、主に4年生が、工夫を凝らして「ひと味違ったツリー」を企 風機を利用して作ったり、とにかく大きくしたり、など。この年は、. 授業とは異なる、企画行事等にも力を入れて実践してき. 学園の教室内にある柱を利用して、「ステンドグラスツリー」をつく. ている。. ることが決まった。どんな絵や形にしようと、点灯すればそれぞれ. パターンとしては、9月に秋の運動会、12月にクリスマス. が目立つし、かなり綺麗だろうと想像する。物を作ることが得意な. 会、2月に運動会、 6月はフリー状態での企画となっている。. 子もそうでない子も、ツリーをつくりあげることに参加でき、そし. 年4回のサイクルで、これに卒業式が加わる。. てその個性を生かすことができる。. 6月には2 / 3年が中心で、一部に1年が状況を広める目. B:ステンドグラスといっても、ガラスでつくる訳にはいかない。学. 的で参加している。9月には3年は教育実習の関係で参加せ. 園スタッフに柱の大きさを聞いて計算し、学生で構造を練り、学校. ず、卒論に係わる4年と、2年、新たに加わる1年という構. では実際にミニチュアをつくる作業をした。段ボールで台形をつく. 成となる。12月は自由だが、圧倒的に4年の卒論関係が多. り、中をくりぬいてプラスチックの板をはり、窓のようにする。そ. い。また、クリスマス会の関係でツリーづくりは代々的に. の窓に切り絵を貼ったり、セロファンやおはじきなどで色をつけた. 4年が中心となって担っている。下級生にとっては、やが. りする。色々な材料で作り、学生も工夫を楽しみながら可能性を模. て4年の時には新たなツリーづくりへ挑戦するのだという. 索した。プラスチックは100円均一にあった、曇りガラスのようなも. ものになっている。. のが光をぼんやりと綺麗に反射して最適だとわかった。. また近年では沖縄からの留学生の参加もあり、この期間. C:出発間近、ミニチュアが完成し、メンバー内で点灯式を行った。. に食育で「沖縄の料理」等も扱っている。2月は4年が不在. D:クリスマス会は、一週間のうち木曜の夜。現地で過ごす中でも、. での1 / 2 / 3年が中心となっての雪中運動会と、一つの. 毎日こつこつと段ボールを集め、型をつくり、柱に合わせては調整. テーマ等に基づく授業となっている。. したり計算し直したりして、準備を進めた。前日はメンバーをフル. 講義・演習としては地域学校教育専攻としては「地域文. 動員し、夜遅くまで作業した。・・・ライトの問題もなんとかクリア. 化理解実習」の枠を利用している。複数参加しても単位数. し、当日を迎える。. は加算されないので、それ以降はボランティア状態とな. E:当日、子ども達にミニチュアを見本として見せ、ステンドグラス. る。なおかつ希望者に基づく参加なので、学年の配置・人. をつくってもらう。それぞれ一生懸命に工夫し、個性的なものがで. 数等は変動することとなる。. きた。子ども達同士で交流しながら、お互いの作品を認め合い、良. 2003年9月には月寒と夕張とで移転の途中過程として、. い雰囲気をつくることができた。. 両者のまたがっての活動となっている。. いよいよクリスマス会。子ども達を教室に呼ぶ。並べられたケー キや、クリスマスツリーに、わくわくした様子である。点灯式の説. (1)運動会. 明をし、教室の明かりを消して、カウントダウンをした。真っ暗な中、. 秋の初めての運動会(高嶋幸男参加)No5で、それ以降. 教室にいる全員の目がツリーに注がれているのがわかる。点灯され. は9月には定例化。 《運動会》と《交流会》 (野外パーティ. たツリーに各々が目を奪われた。. も実施:ちゃんちゃん焼き)なとで、夕張では9月の運動会. F:検討会では、スタッフからも好評をいただいた。残しておこうと. の恒例行事として月寒でも最初は実施している。. いう声があがり、一部形を変えて残すことになった。子ども達の交. 運動会には、いわゆる普通の運動会行事とは異なる、特. 流があったこと、完成度が高かったこと、それぞれ楽しんでいたこ. 殊な企画が入り込むものとなっている。. とが良かったこととして挙げられた。一方で、学生が子ども達の作. 《スポーツ・ミニ大会》では例えば、 ・水利用のスライダー. 品を評価する言葉が「上手だね」ばかりで、作品を評価する物差し. (すべり台)・企画内容の一端:リレー、騎馬戦、 ・長縄/ケー. が貧しいということについてご指摘いただいた。どこがどんなふう. キ・キャンドルに加えて百人一首や変装(顔ペイント)、・. に良いのか伝える、また、作品について子ども達と対話する時間を. 巨大熱気球づくりと中でのスライム合戦などが行われてい. 設けるなどすれば、この作業はもっと活きただろうということだっ. る。. た。細かい課題も残ったが、その場にいる全員が感動を共有できた. - 17 -.
(9) 倉賀野 志 郎 ことは大きな成果となった。. ・チームフラッグづくり. 2012年頃からは沖縄からの留学生も参加。12月に希望. これまでスクールに行ったこともある学生からの引き継ぎを基に企. に応じて参加するようになってきている。沖縄組が中心. 画を進めた。企画の一つ目は、レクに先立ち、チームや個人のモチベー. 釧路での準備期間では、これまで関わってきたスクール生の姿と、. となってクリスマス会等を企画することも起きている。. ションを上げるためのチームフラッグ作りである。絵を描くのが得. No77/83/88. 意な子、折り紙が得意な子、作品として全体を構成するのが得意な 子がいることを把握していたので、それらが調和してチームのシン. No83:沖縄の琉球大学教育学部留学生のレクリエ―ショ. ボルができれば、その後に行う雪中運動会に向けて、個人としても、. ン:担当 のN.A・O.A・I.K・G.K より. 集団としてもモチベーションが上がるのではないかと考えた。. レクの内容について. そこで行うゲームは3つ考えた。. AからD. ①協同でできるゲームを…. ・「みんなで作ろう!クリスマスオーナメント」. 一つ目は「ギリギリボブスレー」というゲームである。一人がソ. 2mのクリスマスツリーの本体を段ボールと色画用紙で作り、子. リに乗り、チームメイトの何人かで斜面に向かってソリを押し、遠. どもたちがオーナメントを作成。毛糸をつかって、小さなリースを. くに行くほど点数が上がるが、行き過ぎると0点になるというもので. 作ったり、紙粘土で思い思いの飾り付けを作ったり、自分が得意な. ある。. 折り紙で作ったり、みんなの手作りオーナメントでクリスマスツリー. ②やんちゃ坊主に光を…. を飾り付け行う。子どもが自分たちで作ったものをツリーに飾るこ. 2つ目のゲームは「雪玉PK」である。学生が完全防備でキーパー. とによって、一つのものをみんなで協力してつくり上げるという達. となり、敵チームの人はゴールを狙って雪玉を投げ、ゴール数を競. 成感を味わえるように工夫。. うゲームである。・・・スクール生同士の遊びの中では、そのような. ・「クリスマスケーキ作り」. 子の能力が必ずしも尊重されるわけではない。これをどうにかその. クリスマスケーキは、ホットケーキミックスで作るカップケーキ. 子の良さとして発揮される場を作りたいと思って企画した。. を主に作成。2度の試作を通して、カップケーキに使うカップの大. ③チームで戦え!. きさや材料の分量調節を行い、本番へ。. 3つ目のゲームは「あっち こっち ガチャリンpick」というゲー. E:本番は、カップケーキにチョコレートやクッキーなどのお菓子や. ムである。フィールド内の雪に埋まったガチャポンのカプセルや、. カラースプレーをつかって子どもたちとデコレーションを実施。み. 雪に刺さっている棒を自陣に集めるゲームである。自分ができるこ. んなで作った大きなクリスマスツリーや、まるでお菓子のお家のよ. と、チームメイトができることを活かす方法を考えることで、お互. うな光景に、子どもたちは大喜びしてくれた。. いを尊重できるのではないかと考えたためである。相手陣地まで走. F:クリスマスレクを通しての課題. る人、近場を探す人、ひたすら隠す人など、それぞれに出来ること. 必要な道具や、材料が、揃っているかどうかの確認を怠ってしまっ. でチームの貢献してほしいという願いが込められている。. たため、当日になり、慌てて準備をする場面がありました。チェッ. ④最後はみんなで…. クリストを作成する必要があった。. 3つ目の企画として、運動後のおやつパーティと表彰式を企画し た。 ・・・表彰式では、手づくりの優勝トロフィーと準優勝トロフィー、. (3)雪中運動会関係. 賞状を準備することにした。優勝トロフィーにはスクール生全員の. 雪中運動会としての初めての2月企画はNo22で、それ以. 名前が彫ってある。. 降は2月もサイクルに位置づくこととなった。当初は12月. D:現地での準備のほとんどは、学園向かいの公園での、ギリギリ. に参加希望者が多く、難しくなったために急きょ、2月に. ボブスレーの坂造りだった。授業を担当している学生、食育を担当. 実施するようになったものである。. している学生、子ども館を担当している学生がいる中でも、その準. No45の秋の運動会を経ての冬季トリノウエオリンピッ. 備が終わり次第全員が協力して行った。・・・夜中に汗を流しながら. クと表しての 《冬の運動会》 も実施している。 《雪像づくり》 、. 雪を運び、スコップで叩き、ソリで滑って固め、近所のことを気に. も実施している。. しながら小声で騒ぎながらの作業となる。 E:いよいよ本番当日. 雪中運動会:No84:F.S. 当日は残念ながら全員出席とはならなかったものの、それぞれが. A:私は木曜日に行われるレクリエーション(雪中運動会)の企画. 有意義な企画となった。チームフラッグづくりでは、個性が爆発し、. を担当。学生週で毎回企画される代表的なものとして、授業、レク. まさに個性的な作品が出来た。一方のチームは、ダイナミックに好. リエーション、食育が挙げられる。その中で、当時はスクール生の. きな絵を描く子、チームメイトの名前を書く子がフラッグ全体を作. 年齢層が小学校低・中学年と中学生に分かれていたため、レクリエー. りあげる形となった。・・・チームフラッグに自分の折り紙が位置づ. ションはスクール生同士が交流し、個性を出し、お互いを尊重し合. けられ、相乗効果とでも言えるような変貌を遂げた時、折り紙を折っ. える場として最適だと考えた。. た子は飛び跳ねて喜こび、チーム全体も温かな盛り上がりをみせた。. BからC:準備期間での企画とプレ. F:成果も課題も多いが、疲れるほど思い切り遊べる環境を提供で. - 18 -.
(10) 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 きたこと、一緒に楽しみながら遊べたことが何よりの成果である。. あった。こちらとしては全員が行きたい、という回答を行い、その後、. (4)お泊り会. 余市へ移動してからどのように企画を行うのかを考えた。. 条件に応じた限りにおいてお泊り会を実施している。金. B:準備・修正段階. 自由が丘で何をするか、また余市へどのように移動するか、そして. 曜日の終了の前日の木曜日に適宜、実施している。. 企画として、授業、キャンプファイヤー、レク(運動会)、食育な. 夕張の場合には、昼はスクールで、夜は寄宿舎でという. どを用意した。自分はレク中の一つ、荒馬という踊りを担当。また、. 両方に係わっての活動となっていた。月寒スクールでは、. この時に行く学生で役割分担をし、毎日集まり、自分の担当分の進. 子どもたちにとってはお泊り会であったが、学生にとって. 行状況などを報告しあった。. は一週間、学生同士で寝食共にすることになるので、朝・. C:予備実験・授業段階. 昼・夜の食事担当を決めて計画的に実行するために、授業・. すべての企画を学校でプレしていった。自分の担当していた荒馬. 企画行事・お泊り会(場合によっては余市へ) 、そしてそ. は、馬をかたどったものを腰回りにつけて踊るため、移動時にはコ. の日一日の子どもの状況等の検討会の日程になっている。. ンパクトになるように工夫しなければならないことがわかった。ま. (5)余市にて. とができないことがわかったために、1年生5人のうち3人が余市. た、その時の学生週の学生すべてを一度に釧路から札幌へと送るこ. 余市の宿泊場所は、 「NPO法人余市教育福祉村」という. へ先発隊として出発した。. 場所で、年間のカリキュラムに位置づけて学園では実践し. D:前日の準備. ている場所である。子どもたちは適宜、訪れている。学生. 前日に子供たちの体形に合わせて馬を作った。また、踊りの説明. との係わりでは、 遠距離であるとのこともあり、 構想はあっ. の際に必要な道具を作った。. たが実現したのは3回である。. E:当日の実践. ①No33. 想定していたよりも、踊る場所が斜面でありまた、凹凸もひどく、. 運動会・夜店・肝試しキャンプファイヤ等. 学生含め子供たちは転びながら踊った。また、踊りの説明がおおざっ. ②No76. ぱすぎたこともあり、伝わらない部分も多々あった。. 炭づくり/ラジオ体操でのキャンプファイヤー/荒馬踊. F:授業についての検討会と課題. り/運動会も。学生3人が事前宿泊している。また食育で. 荒馬という踊りがどうしてできたのか、また、どうしてこのよう. ダンボールでピザと燻製づくりも。. な動きをするのか、ということに関してまったく触れられなかった。. ③No81 花笠音頭/プラレタリウムお泊り会/流しソーメン、星. ②余市での宿泊体験の中での山形の花笠音頭No81M.K.. 座観察など、. AからD授業の構想. No76に関して記しておく。. 花笠音頭を設定したのは、フィンランドに行く計画で学校訪問の 計画があり、それに向けての日本の踊りとして紹介しようというの. (6)表現する・体験する(2). がきっかけとなっている。また、1年生に山形県出身がいたこともあ. 表現活動として、夕張内部での学校の位置の移転に際し. り花笠音頭に設定した。. て、《YOSAKOIそーらん》を実施している。当初では実. この時に、花笠音頭の歌を耳で聴き、歌詞の内容から花笠音頭の. 施に関して躊躇したこともあったが、結果としてみんなで. 背景を知ってほしいとの願いもあった。. 行ない踊りと団結が深まる結果となった。No20/21. E授業本番. 音楽会・表現関係について合唱/バンド形成も含めて『陽. 最初に踊りを見せ、子どもに興味を持たせる。そこから、歌詞か. はまた昇る:北海道自由が丘学園の創りつつある』を参照. らみえる花笠音頭の背景を考えた。その後、実際に余市の宿泊の二. してもらいたい(2)。 《音楽会》と子ども達の劇の舞台装置. 日目に実施している。. の一部作成の手伝いも行っている。No18. F:事前に授業を行っていたが、十分に理解が深まっているわけでは. ボディパーカッション・手作り楽器No35を実施して、. なく、実施そのものも危ぶまれたが生徒も参加してくれることとなっ. No24の卒業式の時には、太鼓も行っている。. ていた。. また表現授業として花笠音頭を実践している。No81 演劇(表現活動)を、一つの表現の演劇手法とグループ分け. (7)卒業式. しての表現活動も実施している。No87/88. 17回の卒業式を訪問しているが、最近では4年次の自ら. ここでは荒馬と花笠音頭を紹介する。. の卒業式を踏まえての訪問なので、合わせて花束をもらう こともある。特徴があるものとしては、次のような卒業式. ①余市での宿泊体験の中での荒馬No76:E.M.. が挙げられる。. A:構想段階. ①音楽は歌詞を変えてNo12. リーダーから、余市で宿泊体験をしたいがどうか、という打診が. ②演劇の手伝いNo18(2). - 19 -.
(11) 倉賀野 志 郎 ③音楽会と太鼓No24. あした. ④ムービー・アルバム・歌のプレゼント(各回の卒業式で). 『月寒の詩~未来へ~』 Dに Eに Fに 伝えたい言葉が. ④作詞・作曲はオリジナルでNo74 / No85. ひとつ またひとつ 心の奥から 溢れ出す. 卒業の集いでオリジナルソングをNo74 / No85:FS. 少し また少し 寄りそう心 嬉しかったな. 初めて 逢った日 互いに 戸惑っていたけど. 毎年卒業の集いでは、学生企画として卒業生に歌を贈る。例年. 一人で悩んだ時も ぶつかり合った時もあるけど. J-POPの替え歌で卒業生の名前を入たり、月寒スクールでのエピソー. みんなではしゃいだ日々が かけがえのない宝物. ドを入れたりする。2011年度、2013年度は作詞・作曲完全オリジナ. 恐れずに前へ 溢れ出す パワーと笑顔で. ルソングを作成。きっかけは、2011年度2月学生週を終えた翌朝、当. 今飛び立とう 君たちの 輝ける 未来へ. 時4年生だった先輩と、2年生だった私の間で、今年は曲を作ってみ. Dの 小さな 心づかいで みんな助けられた. あした. ようという話になり、先輩が作詞を、私が作曲をすることになった。. Dの あのうたを 素敵なピアノを 忘れないよ. 作詞と作曲は同時に進行させた。そのため、曲に合わせて文字数. いつも 思い切り Eの雪玉 痛かったけれど. を変えたり、歌詞に合わせてリズムを変えたりと、大変な作業となっ. 今じゃ お兄さん 優しいFが 大好きさ. た。曲は合唱曲のような雰囲気で、1番のAメロでは楽しい思い出を、. スポーツ 大好きな Fは みんなのお姉さん. Bメロでは悩みと向き合いながら過ごした様子を、サビでは応援する. Fの 素直な心 いつまでも なくさないでね. 気持ちを、歌詞とメロディーで表現した。2番では卒業生一人一人へ. これからもずっと 忘れない 輝くみんなを. のメッセージを歌っている。. お別れだけど いつまでも 心は 一緒だよ. 当日は学生週で撮った写真を集めて、スライドと共に歌を贈った。. ずっと ずっと ずっと 願ってる みんなの幸せ 伝えたい想い これからも いつまでも. 『出会えてよかった』. 大好きな 君たちへ 心から. ここで過ごす毎日はキラキラ光る宝物. ありがとう. 雪遊びお泊り会 夜はふとんでしゃべったね. F:卒業の集いの後には、卒業生が「素敵な歌ありがとう。」と言って. たくさん悩んで泣いて つらいこともあったね 笑って過ごした時をずっと忘れない. くれた。今回はたまたま曲を作れる環境にあったということで、今. 小さい石や高い壁 大きな波にぶつかっても. 後も学生週に関わった学生の特色を出しあって、作れるものを作っ. ゆっくりで大丈夫 皆なら越えてゆけるから. ていけたらと思う。. いつでもみんなの見方だよ. [3]挑戦してきたモノづくり等. ここから強く前へ 歩き出そう 責任感が強いAはとても頑張り屋さん 朝早くに来てくれて とてもとても嬉しかったよ. 基本的にモノづくりに関しては、授業に係わっての展開. まっすぐなこころで周りと向き合えるB. での教具・実験等の構成要素としての意味を持っている。. いつもBがいてくれて明るい空気になったよ. そのモノづくりに関してだけを記しても次のようなテーマ. 思いやりあふれるCその素敵な笑顔で. がある。. 周りの皆のことを和ませてくれる. (1) 挑戦してきたモノづくりや授業に係わっての実験等の. 旅立つ君たちとの たくさんの思い出が. ものづくり(一部). あふれ出してくるせいで 別れがつらくなってゆくよ. (社会科関係). 伝えたい言葉はたくさんあるけど. 古代火起こし、炭作り、青銅器づくり、ごみ袋でのクジ. 君たちに出会えてよかった. ラ作成(産業革命用)、ヒツジ毛を洗う(羊毛)、アイヌの 地名探査、漆喰づくり. 2013年度も卒業生に贈る歌をFSが担当し、再び作詞・作曲を行っ. (食育関係). た。歌詞が毎年違うのはもちろんだが、曲も作るとなれば、贈る相. 燻製作り(ダンボール利用で)、カカオからのチョコレー. 手によってイメージは変わると思い、もう一度作ることにした。. ト作り、ソバづくり、ソーセージづくり(小腸を利用して) 、 パン作り、カステラづくり(洋食でもあり和食でも) 、節 分料理、ちらしずし、各種味噌実験、硬水と軟水の比較実 験(だしやカツオブシの特性が)、カレーづくり、雑煮づ くり、すしづくり、発酵食品づくり、ローマの食べもの、 マメの食べもの(帯広の地域教材の一環として)、あんみつ づくり(どうして帯広かを意識して)、. - 20 -.
(12) 「北海道自由が丘学園夕張・月寒校」での「実験学校」への応えの軌跡 (物理・化学実験). C:予備実験・授業段階. 空気と水実験、バランス・トルク、振動・音、ドライア. 作る料理の幅が、スープ、サラダ、主食など、実際の食事内容に. イス。ものと重さ、作用・反作用実験、飛行原理、燃焼実. 偏りがないように選んだ。また、学校内でプレをするときに、でき. 験、コマと回転実験、光の実験、水の中の電球、透明実験、. るだけたくさんの人に来てもらい、自由が丘の子どもに授業をかけ. 金魚鉢から、反射、電気実験、電池回路実験、電磁石と電. たときに不都合がないように行った。. 磁場実験、慣性と場モデル、磁石、雷実験、電池づくり、. D前日の準備. (宇宙地球関係). 実際に作るもののレシピはできていたので、それを提示する際に. 宇宙史を13.8メートルの紙で表現、地形モデル、津波実. 必要になる道具や、旧正月になぜこれらの料理を食べるのか、を説. 験、. 明するためのパワーポイントを改良した。. (生物関係). E:当日の実践. 頭骨・骨盤の紙モデル、三魚の解剖血合いから、イカの. パワーポイントを使った説明をし、その後に実際に食事を作る。. 解剖、しっぽの絵本、性器モデル、. その際、餅を作る必要があり場所が取れなかったので玄関前で行っ. 雑草への挑戦、野菜の科学、野菜の絵本、食虫植物モデル、. た(実施しているときに地域の人が来て、色々と指導してもらうこと. 三半規管モデル土壌微生物観察、. もあった)。. (数学関係). F:授業についての検討会と課題. 微積分に関係する教具、幾何学実験、無限小を考える、. レシピを各テーブルに貼ってはいたものの、料理が得意な子ども. 正多面体づくり、. に多く作業が渡ってしまうこととなってしまった。また、実態とし. (音楽関係). て手や体が汚れることを好まない子もいた状況で、そのような状況. リズム実験、アイヌムックリ、オカリナづくり、楽器作. を回避することができるような支援が十分にはできなかった。. り、リズム遊び、楽器実験、 (ものづくり). (3)月寒子ども館:ものづくり関係. 熱気球作りと実験、しめ縄づくり、巨大シャボン玉づく り、巨大かまくらづくり、巨大飛行機を飛ばそう、. 子ども館は、スクールの生徒とは異なり、学童保育状態. (文化). での児童を対象に少人数ではあるが16時から19時前まで. コマーシャルづくり。. の日程で、我々の訪問の時には週に一回ほどかかわって きた。夕張から月寒に移転した2003年10月以降の数字の. (2)食育のテーマとしては. No30以降で、子ども館で一部を担当。資料は2010年以降. 食育関係のテーマについては、次のようなものを扱って. のリストである。. きた。授業で展開した後に、金曜日に食育として食事作り. 鈴木かおりさんが2010年以降に担当されたので、子ども. として行っている場合が多い。選定したものの一部は次の. 館で行った領域ごとに科学・工作、科学遊び、日本語、総. ようなものである。. 合、音楽、食育等の分類が行われていて、多彩な子ども館. ラーメンづくり(かんすいから) 、うどん作り、アイヌ. での活動の一端が現れている。. 料理、 回転する流しソーメン、 流しそーめん(余市で)、ソー. 2010年度以前では、例えば次のようなことを実施されて. メン流し(3階から1階へ) 、腸詰を行ってのソーセージ. きている。. づくり、肉料理アピキュウスの食べものの部分的再現と食. ・はねくる・ふきあげ・遠心力のおもちゃ、消えるコイン. べもののマナーも再現、鍋料理ジンギスカン、チョコレー. 貯金箱・ぶんぶんコマ・ぶーぶー笛、アイスづくり・万華. トを題材にものづくり、節分にあわせての特別料理、ダン. 鏡・電気パン・紙づくり・豆腐・ペットボトルロケット、. ホール箱でのピザづくり、餅つき、沖縄留学生の食事づく. フェルト玉作り・マーブリング、飛び出すカード、ペット. り、中国からの留学生も交えての食事づくり. ボトルカー、飛行機、トンボ+ブーメラン、錯覚、クリス. 2月に実践する機会を利用して、旧正月と連動させた形 で食育も行っている。. マス会(リースづくり)、スーパーボール利用のロケット、3 原色の色づくり、ニワトリの鳴き声、万華鏡づくり、風圧 での飛ばしものづくり. 旧正月のテーマで食育No79E.M. A構想段階. 北海道自由が丘学園月寒子ども館 鈴木かおり作成:釧路. 旧正月とは何なのか、また、なぜ正月と旧正月に分かれているの. 学生の特別授業実施リスト. か、そして、旧正月でよく食べられている料理を調査している。. 後掲[別紙資料リスト2]. B:準備・修正段階 調べて出てきた色々な国の料理のレシピを見て、その時の子供の. 小学生向けに簡単な実験やものづくり等を行ってきた. 状況を加味し、どの料理ならば実践可能かを構想。. が、和菓子づくりも行っている。以前は1年が担当するこ. - 21 -.
(13) 倉賀野 志 郎 とは多かったが、重視して3年次の学生が主体となって担 当している。. 結果としてあんこや練りきりは全て無くなった。和菓子作りを気 に入った子供たちが家で作れるように持っていった。子どもたちの 和菓子を見た保護者の方々は出来栄えに喜んでいた。. 和菓子づくりNo84Y.M.. F:検討会. A:卒業式も含め7回目の月寒ではリーダーや授業者を終え2度目の子. 和菓子作りの前に小麦粉粘土で練習するという過程が良く、和菓. ども館に挑戦することにした。子ども館の内容としては普段は科学. 子とはかけ離れている子どもたちに和菓子の文化を伝えられた。ま. あそびやものづくりを行った後にそれを使って競う遊びや季節にち. た、食わず嫌いだった餡子や和菓子のイメージが変わった。. なんだ飾り物などを作ってきた。しかし、今回は実習なども終え余. 和菓子のクオリティや準備はよかったが、お茶会の雰囲気作りは. 裕が出来たこともあり、中学時代にやってみたかった和菓子作りを. もう少し検討が必要。. テーマに子ども館を行うことにした。 まず、和菓子は身近なものではなく、和菓子作りについて知識の. (4)特別企画. ある人もいなかったため、まずは近所の和菓子屋さんで和菓子を購. 川遊びNo21や道東での修学旅行として川探検・自然体. 入して実際に食べたり、観察した。また、近所の本屋さんへ行き和. 験学習No28も行っている。またスタッフの結婚祝賀会を、. 菓子の専門書などを購入し調べながら、手探り状態で準備を始め. 夕張での学生の企画として最後として位置づけで実施した. た。 ・・・お菓子専門店へ行き白あんを購入した。電子レンジを駆使し、. こともある。No27 . パソコンや机の立ち並ぶ研究室の中で和菓子作りを行った。ほぼ1週 間毎日和菓子を作り続けた。. ここまでに記載されているケースは、一例の一つにすぎ. B:予備実験. ないが、多くの授業や行事等において、同様な試みが実施. ・和菓子の材料などを集められない中での準備としては、小麦粉と油. して来ており、それらの積み重ねに1998年から2014年に. を使ってつくった小麦粉粘土を使って色を染めることや、そぼろ餡. 至っている。. をつくることなどを行った。. 北海道自由が丘学園で学び教師になり夫婦となって道東. ・初音(鳥の和菓子)のくちばしやグラデーションなどは職人技のよう. で川探検隊の中核として活躍している卒業生もいる。また. なものなので本を見ながらコツをみつけ練習を重ねた。. 道東で残ることを希望して教育委員会(標津)に就職した卒. C:子ども館の流れについて. 業生もいる。この数年では毎年10数人の卒業生の中で数人. ・子ども館の流れは準備を行う中で、和菓子は繊細なものであり、あ. ほどが道東の教職に着いている。. まり食べられる材料を使って長時間触ることは衛生上良くないとい う話になったため、和菓子作りの簡単な技は小麦粉粘土を使って行. 注. うことになった。子どもたちにとって和菓子は遠いものであり、和 菓子を作りたいという気持ちが湧くようなきっかけをどうすればよ. (1)倉賀野、「教員養成大学の4年間のカリキュラム構造と4. いかを考え写真をみせることにした。また、餡を味見するなども取. 年間の授業開発研究実習」:『“卵”教師たちの挑戦:北海道. り入れた。. 自由が丘学園・夕張スクールで子どもたちとかかわった教. 子ども館での実践のために準備も行っている。. 育大生の実践』,2003年,高文堂,114-134頁,鈴木秀一編. D:子ども館で実際に行った流れ. (2)倉賀野,「北教大釧路校教育内容・方法研究室と北海道. ・子どもたちとの交流. 自由が丘学園との研究協力関係」:『陽はまた昇る:北海道. ・挨拶をしてから、季節の和菓子を見せる. 自由が丘学園の創りつつある』,2004年,高文堂,250-270頁,. ・2月(本州の場合の)の梅の花とメジロの写真を見せる。. 鈴木秀一 編. ・初音と香梅の写真を見せる。. (3)「鈴木秀一さんの教育実践、教育論、人生論など:子ど. ・黄身餡を味見する. も達、実践家、学生たちとつながった足跡」:2015年、認. ・本物の材料を触らせる前に小麦粉粘土で練習する。. 定NPO法人北海道自由が丘学園・ともに人間教育をすす. ・ねりきりを食紅で染める、そしてあんを包む. める会」自由が丘教育と協同の研究所・編. ・本物の材料を渡し香梅、初音の順番でつくる。. (4)1年次からの活動についての論文には次のようなものが. ・実際に簡単なお茶会をする。. ある。. E:当日の実践について. ・倉賀野・他,「教育学入門期(1年次)における〔学校. 3人の小学生男子と1年生を含む小学生女子3人の合わせて6人を. 教育等現場訪問〕と〔体験に学ぶ〕とに基づく演習実践と. 対象に実践をおこなった。子ども達ははじめ和菓子が苦手だと言っ. 課題」、1993年(日本教師教育学会(第3回:法政大学) 、. ていたが、普段味わったことのない黄身餡を味見して喜んで和菓子. ・倉賀野,「子ども達との触れ合いを重視した、1年次前期. 作りが行えた。. の学生教育について」、2003年3月北海道教育大学教育実践. 小学1年生の女子も香梅と初音を上手に作れていた。一人ひとり基. 総合センター紀要第4号. 本を忠実に、しかし個性豊かな和菓子がつくれた。. ・倉賀野・他,「高校までを問い直す形での1年次段階・教. - 22 -.
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