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望まない妊娠を予防するための意志決定に関する研究 -情意、認識形成過程の視点から-

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Academic year: 2021

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(1)Title. 望まない妊娠を予防するための意志決定に関する研究 −情意、認識形 成過程の視点から−. Author(s). 前上里, 直; 山田, 浩平; 大津, 一義. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 59(2): 89-94. Issue Date. 2009-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/952. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第59巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.59,No.2. 平成21年2月 February,2009. 望まない妊娠を予防するための意志決定に関する研究 一情意,認識形成過程の視点から−. 前上里 直・山田 浩平*・大津 一義*. 北海道教育大学札幌枚健康教育学教室 *順天堂大学スポーツ健康科学部. AStudyonDecisionMakingforthePreventionofUnexpectedPregnancy. −FromthePerspectiveoftheFormationProcessesoftheAfEectiveandCognitiveDomains− MAEUEZATONaoshi,YAMADAKohei拳andOHTSUKazuyoshi拳. DepartmentofHealthEducation,SapporoCampus, HokkaidoUniversityofEducationOO2−8502 DepartmentofHealthandSportsScience,JuntendoUniversityInbanuma276−1695. 概 要 本研究は,大学生を対象に望まない妊娠を予防するための意志決定の講義を行い,講義前後における意識 および意志決定の変化について検討し,望まない妊娠を予防するための適切な意志決定の形成過程を明らか にすることを目的とした。結果は,望まない妊娠を予防するための意志決定においては,講義において「教 示」→「模倣」→「練習」→「フィードバック」→「定着化」といったライフスキルの基本学習過程を通し て認識形成および情意形成を図ることにより,意志決定時の自信を高め,ストレスを低減することに有用で あることが明らかとなった。. Ⅰ.はじめに 近年,若者の性に対する意識は婚前性交に対す. 得および情意(態度)形成を図ることが肝要であ. る。しかし,C・ドナは保健行動において情報や 知識は必要であるが積極的に健康行動を変容させ. る意識の軟化1),初交年齢の早期化1)2)といった. る動機づけには不十分である3)とし,未成年者の. 背景から望まない妊娠が健康問題として挙げられ. 危機的状況(望まない妊娠,喫煙,飲酒,薬物乱. ている。. 用など)を未然に防ぐためにライフスキル教育の. この間題の解決にあたっては,健康教育におい て望まない妊娠を予防するための正しい知識の習. 導入が図られてきている4)。ライフスキルとは 「人々が日常生活の要求や課題に対して効果的に. 89.

(3) 前上里 直・山田 浩平・大津 一義. 対処できるように適応し,積極的に行動するため. の能力」5)と定義されている。このライフスキル. 健行動をよく行っていることを報告している6)。. そこで本研究では大学生を対象に「望まない妊. の主要領域には,意志決定スキル,コミュニケー. 娠を予防するための意志決定」の講義を行い,授. ションスキル,ストレス対処スキルなど5組10種. 業前後における学生の意識および意志決定の変化. 類が挙げられている。これらの中でも本研究では,. 検討し,望まない妊娠を予防するための適切な意. 望まない妊娠を予防するための行動を実施に移す. 志決定の形成過程を明らかにする。. 直前の意識過程である意志決定に着目することに した。. 意志決定を行う時には大きく3つの局面が関わ る。第一は的確な意志決定ができるか否かと言う. Ⅱ.研究方法 平成17年7月に北海道内のⅠ大学1年生男女学. 個人の自己評価のあり方であり,良好な意志決定. 生187名を対象に体育の時間を使用して,「望まな. を目指し,それを実行していくためには,意志決. い妊娠を予防するための意志決定」に関する講義. 定者自身が自分を高く評価していることが重要で. を行った。また,講義前1週間および講義後に望. あるとされている。第二は現実の意志決定に伴う. まない妊娠の予防に対する意識の質問4項目,意. ストレスの度合いであり,意志決定をしなければ. 志決定に関する質問40項目から成るアンケートを. ならない場面において起こってくる不安やストレ. 実施した。. スの程度である。これは自己評価とかかわってお り,自己評価が高い者は意志決定時のストレスが 低く,良好な意志決定につながることが報告され ている6)。第三は当事者が意志決定をする時にと. 1.望まない妊娠の予防に対する意識および意志 決定のアンケート内容. 1)望まない妊娠の予防に対する意識の変化一木. る決定のスタイルである。意志決定時の決定スタ. 村らが避妊行動をしない者の特徴として指摘し. イルとは意志決定の方法を指し,Radfordら7)は. ている①自己中心性,②意志の弱さ,③非科学. 「自己満足」「防衛的回避」「短慮」「熟慮」の4. つの反応様式を挙げている。「自己満足」とは新. 的根拠,④性交に対する無自覚傾向10)の4要 因を参考にして作成した4項目および講義の. しい出来事や意志決定の局面に立っているにもか. 『はじめ』『なか』『おわり』における気持ちの. かわらず,それを無視し,それ以前と同じ行動を. 変化を自由記述してもらい,情意形成について. とることに固執してしまう反応である。「防衛的. 記入してもらった。. 回避」は意志決定の責任を誰かに転嫁したり,或. 2)Radfordらの意志決定時に関わる3要因,. いはそうした場面を回避しようとする反応であ. すなわち,a:自信要因6項目,b:ストレ. る。「短慮」とは他の代替選択の可能性を考えず. ス要因10項目,C:意志決定スタイル24項目か. にせっかちに誤って判断して決定してしまうと言. ら成る各項目について,「はい」∼「いいえ」. う反応であり,「熟慮」とは解決方法が得られる. の4段階で回答してもらい,「はい」を3点,「い. と確信し,自己の選択を行う前に考えられる選択. いえ」を0点とした。a,bについては各要因. 肢を十分に検討し,各選択肢に伴う損得について. ごとに,Cについては「自己満足」「防衛的回避」. の情報を偏見なく吸収し,いくつかの選択肢の叫. 「短慮」「熟慮」ごとに得点化7)した。. 能性を考慮した末に意志決定する反応8)である。 これらの中でも「熟慮」は最も望ましい意志決定. 2.「望まない妊娠を予防するための意志決定」. スタイル9)とされ,久保田らは予防的保健行動と. の講義概要. 意志決定時のスタイルとのかかわりをみたとこ. 講義の目標は①望まない妊娠を予防するための. ろ,「熟慮」の意志決定スタイルの者は予防的保. 90. 具体的な意志決定の方法の習得,②望まない妊娠.

(4) 望まない妊娠を予防するための意志決定に関する研究. を予防するための情意形成の2点を設定した。主 な講義内容は1)若年者の現状として大学生の性. 表1.講義前後の望まない妊娠の予防に対する 意識の変化. 講義前講義後. 交経験率,若者の人工妊娠中絶率,講義1週間前 にとったアンケートの結果(望まない妊娠の予防. ○初めて出会った相手とその場限りの性 男子 65→91 ◆◆. 女子 75→85 ◆. 交はいけないと思う(無自覚傾向り. に対する意識4項目),2)望ましい意志決定の. ○避妊具がない時に異性から性交を誘わ 男子 66→82 ◆. 方法−①意志決定をする際,「自己満足」「防衛的. れたら断る(意志の弱さり. 回避」「短慮」「熟慮」といった意志決定を場面に. ○避妊具を使用しない性交をしても自分 男子 36→29. よって使い分けていることに気づく,②これまで. 科学的根拠り. 自分にとって重要な物事に対してどのようなプロ. ○相手から性交を誘われたら避妊具を必 男子 87−−◆93. セスで決めていたか振り返り,「熟慮」の意志決. ず使用する(自己中心性り. 定プロセスを確認する,③「避妊具がないときに. (%). 女子 87→89. は妊娠したり(妊娠させたり)しない(非. 女子 20→18. 女子 87−−◆92. 注)−は木村らの避妊行動をしない者の特徴 Cochran.Q.test. 相手から性交を誘われた」という場面を設定し,. *:P<0.05,H:P<0.01. (男子:N=57,女子:N=64). 「熟慮」の意志決定のプロセスを学習するための. ワークシート(以下WSとする)を用いて学習. 具がない時に性交を誘われたら断ると回答した者. する。なお,WSはライフスキルトレーニング. も明らかに増えていた。. の中でも意志決定スキル形成において活用されて. 次に講義の『はじめ』『なか』『おわり』におけ. いる意志決定樹11)の作成手順を用いた。これは. る学生の気持ちの変化(表2)をみたところ,講. 「避妊具がないときに相手から性交を誘われた」. 義の『はじめ』では9割以上が「望まない妊娠に. という場面設定下における問題を明確にする→望. ついてしっかり考えよう」「どんな話をするのだ. まない妊娠を予防するための情報を集める(望ま. ろう」など講義に対する積極的な構えや「中・高. ない妊娠を予防に関わって自分が知っている知. 校とほぼ同じ授業内容なのではないか」「講義を. 識,これまでの経験を書き出す),→場面設定下. 受けるのが面倒だ」といった消極的な構えなど前. において可能な選択肢を書き出し,その行動を. 提的段階に関わる記述がみられた。講義の『なか』. とった場合の結果を予測する→上記のプロセスを. では6割以上の者が「中・高の性教育とは異なり. 振り返って最終的な意志決定を行い,自分が記入. 意志決定中心の内容で新しいことがわかり興味を. した意志決定の記述内容に木村ら避妊行動をとら. もった」や「意志決定のプロセスについてわから. ない者の特長として指摘している4項目が含まれ. ないことを聞いてみたい」など講義を聞いてどう. ていないか確認するというプロセスである。. 感じたかに関わる感情的態度の記述であった。次. なお,分析にあたり,分析対象者は講義前後に. いで約3割の者は「自分のこれまでの考えは望ま. 行った両アンケートを碇出し,回答不備がなかっ. ない妊娠の予防からみてあまりよくない考えだっ. た121人とした。. たと反省した」「自分及び相手のためにも望まな い妊娠を予防するために性交時の避妊の大切さを. Ⅱ.結 果 1.講義前後における望まない妊娠の予防に対す. 改めて強く感じた」など,講義を聴いてどう考え たかといった認知的態度に関わる記述であった。. 講義の『おわり』では4割以上の者が「今回の講. る意識の変化. 義で性交場面における意志決定の問題についてシ. 男女別に講義前後の性意識の変化(表1)につ. ミュレーションができたので,今後このような問. いてみたところ,男女とも講義前に比して講義後. 題に直面した時は自分の意志をしっかり持って意. は初めてH会った相手との性交を否定的に捉える. 志決定する」,「今後はその場の雰囲気に流されず,. 者が顕著に増加していた。加えて男子では,避妊. 冷静に意志決定をしていく」「自分に深く関わる. 91.

(5) 前上里 直・山田 浩平・大津 一義. 問題場面における意志決定はしっかり考え,熟慮. 「どんな話をするのだろう」など講義に対する姿. して行うべきだ」といった行動への準備に関わる. 勢といった前提的段階に関する記述から『なか』. 行動的態度の記述が最も多かった。講義の『はじ. では「中・高の性教育とは異なり,意志決定中心. め』『なか』『おわり』の気持ちの変化において男. の内容で新しいことがわかり興味を持った」など. 女間に顕著な差は認められなかった。. 感情的態度,「これまでの考えは望まない妊娠の 予防から見てよくない考えだった」といった認知. 的態度の記述が多くなり,『おわり』では「今日. 表2.講義の『はじめ』『なか』『おわり』における 学生の情意形成. の講義で性交場面における意志決定の問題につい. (%). 情意形成. てシュミレーションができたので,今後,このよ. 行動的態度. 前提的段階・感情的態度認知的態度. うな問題に直面したときは自分の意志をしっかり. (講義への構え・ (どう考えたか) (どうすべきか・ 講義の流れ. どう感じたか). A.はじめ. 行動への準備). 100(92). 0(8). 0(0). B.な か. 65(66). 26(26). 9(8). C.おわり. 18(20). 40(30). 42(50). 持って意志決定する」といった行動的態度の記述 が多く,講義が進むにつれて行動的態度に至って. いた。大津はブルームらの教育目標の分類体系12). 男子:N=57,女子:N=64、()内の数値は女子の値. を参考にした情意形成過程の仮想モデル(情意領 域)4)において感情的態度→認知的態度→行動的. 2.講義前後における意志決定時に関わる3要因. 態度といったより高次の階層に至るほど行動変容. の変化(表3). に結びつきやすい13)としている。また,筆者ら. 講義前後における意志決定時に関わる3要因の. は以前,大学生を対象に喫煙防止の講義を行った. 変化について,男女とも意志決定時の自信は講義. ところ,非喫煙者は講義の「はじめ」では学習内. 前に比較して講義後に顕著に高くなっており,加. 容に対する構えがほとんどであり,講義が進むに. えてストレスは明らかに低下していた。意志決定. つれて講義の「なか」では非喫煙行動に対して感. のスタイルについては講義前後で顕著な変化はみ. じたこと,考えたことといった感情的態度および. られなかった。. 認知的態度,講義の「おわり」では将来,喫煙を しないといった行動的態度に関わる記述が多く, 講義が進むに従って高次の情意形成に至っている. Ⅳ.考 察. 者が非喫煙行動につながりやすい ことを報告し. 望まない妊娠の予防に対する意識は男女とも講. た14)。本研究の対象者の記述においてもほぼ同. 義前に比して講義後は初めて出会った相手との性. 様の結果であり,約半数の学生は講義の最後には. 交を否定的に捉え,加えて男子では避妊具がない. 行動的態度に至っており,望まない妊娠を予防す. 時に性交を誘われたら断るといった望まない妊娠. るための行動形成につながる意識が高まったと言. の予防に対する意識が高まっていた。これは講義. えよう。. を受講した学生の情意形成が図られたことが考え. 講義前後の意志決定時に関わる3要因の得点の. られた。すなわち,学生は講義の『はじめ』では. 推移は男女とも講義後において意志決定時の自信. 表3.講義前後の意志決定に関わる3要因の変化. 講義前→講義後の平均得点. 意志決定のスタイル 自 信. ストレス. 男子(N=57) 10.2→11.6* 14.6→12.6** 女子(N=64). 9.2→12.1***. 17.5→14.5***. 自己満足. 防衛的回避. 短 慮. 熟 慮. 6.5→6.4. 7.3→6.8. 7.6→7.6. 10.4→10.5. 7.5→7.2. 9.0→8.5. 9.6→9.2. 9.7→10.1. 対応のあるT検定 *:P<0.05,**:P<0.01,***:P<0.001. 92.

(6) 望まない妊娠を予防するための意志決定に関する研究. 要因の得点は高くなり,ストレス要因の得点は低. 生徒はスキルの習得度が高く,セルフエステイー. 下していた。講義前に比べて講義後に意志決定に. ムも高まっていた17)ことを報告している。本研. 関わる自信要因が高まったことについて,「熟慮」. 究においてもライフスキルの基本学習過程を踏ん. の意志決定のプロセスを学習したことによる認識. だ中で望まない妊娠を予防するための認識形成,. 形成および情意形成とのかかわりが考えられる。. 情意形成が図られたことにより,意志決定の自信. 筆者は講義を進めるにあたり,学習過程として社. が高まっていた。講義前後におけるストレス要因. 会的(ソーシャル)スキルの一般的な学習指導過. の得点低下は先述した自信要因が高まったことが. 程15)16)に基づいたライフスキルの基本学習過. 関わっていると考えられる。久保田らは意志決定. 程4)である「教示」→「模倣」→「練習」→「フィー. 者の自己評価と意志決定時のストレスとのかかわ. ドバック」→「定着化」といった学習過程に沿っ. りについて負の相関がみられ,意志決定者の自己. て講義を進めた。これはライフスキルの基本学習. 評価が高い者は意志決定時のストレスが低い関係. 過程が認識形成を図る上で有用であると考えたか. にあっが)ことを報告している。本対象者も講義. らである。大津は情意および認知形成過程の仮想. 後において意志決定時の自信が高まったことによ. モデル4)の認知領域の形成過程について,知識. りストレス要因得点の低下につながったと考えら. →理解→応用→分析→総合→評価といった形成過. れる。一方,講義前後で意志決定スタイルは大き. 程を仮定している。講義の学習過程では「熟慮」. な変化がみられず,望ましい意志決定とされる「熟. の意志決定を含めた4つの意志決定について気づ. 慮型」においても顕著な推移はみられなかった。. き,学生自身の体験を例に「熟慮」の意志決定プ. 意志決定のスタイルは個々人がこれまで日常生活. ロセスを教示(知識,理解)し,WSで「避妊. の様々な場面で意志決定を何度も経験してきた中. 具がない時に異性から性交を誘われた」という場. で培われてきており,90分の講義で「熟慮型」の. 面設定の中で「熟慮」の意志決定プロセスを模倣,. 意志決定のプロセスは学習したが,意志決定のス. 練習(応用,分析)し,最終的に自分が考えた意. タイルが「熟慮」となる定着化までは至ることが. 志決定(総合)が望まない妊娠を予防する意志決. 困難であると考えられた。「定着化」は先述した. 定になっているか木村らの列挙している4要. ライフスキルの学習指導過程において学習した. 因10)と照らし合わせてフィードバック(評価). 「熟慮」の意志決定のプロセスを学習後も講義等. する認知形成のプロセスを経ており,より高次の. で定期的に健康行動に関わる葛藤場面を想定して. 知的能力の形成が図られたと考えられる。また,. 学習したり,日常生活で反復して実践することに. このようなプロセスを辿る中で,上述したように. より図られると考えられる。. 学生の情意は前碇的段階,感情的態度→認知的態 度→行動的態度といった高次の情意形成に至って いた。これは認識形成と情意形成が相互に関わり. Ⅴ.まとめと展望. 合いながら形成されることを示していると言えよ. 大学生を対象に「望まない妊娠を予防するため. う。山田らは小学生を対象にアサーティブコミュ. の意志決定」の保健講義を行い,講義前後におけ. ニケーションスキルの形成をねらいとして授業実. る望まない妊娠の予防に対する意識および意志決. 践し,スキル形成に効果的な学習指導過程につい. 定の変化について検討したところ,以卜の点が明. てライフスキルの基本学習過程において単に学習. らかになった。. 過程を経るだけでなく,学習過程の中で認識形成. 1)男女とも講義前に比べ講義後では初めて出. および情意形成を図ることが重要であることを指. 会った相手との性交を否定的に捉え,男子では. 摘している。そしてこのような学習過程を踏んだ. 避妊具がない時に性交を誘われたら断る者が増. アサーティブコミュニケーションの授業を受けた. 加し,望まない妊娠に対する意識が高まってい. 93.

(7) 前上里 直・山田 浩平・大津 一義 ある大学の学生を対象として−.実験社会心理学研究.. た。 2)男女とも講義前に比べ講義後では意志決定に 関わる3要因の中でも意志決定時の自信が高ま り,意志決定時のストレスは低くなっていたが, 「熟慮」も含め,意志決定スタイルについては 講義前後で変化がなかった。. 以上より,望まない妊娠を予防するための意志 決定において,意志決定時の自信を高め,ストレ スを低減するためには,「教示」→「模倣」→「練. 習」→「フィードバック」→「定着化」といった ライフスキルの基本学習過程を通して認識形成お. よび情意形成を図ることに留意するとともに,今 後は「熟慮」の意志決定スタイルの定着化に向け て意志決定を題材とした定期的な保健講義を行 い,学習したことを日常生活の場で実践していけ るようにする必要がある。. 28(2).115−122 10)木村正治・久佐賀真里(1996).専門学校生の性の実 態と性教育の実践.熊本大学教育学部紀要(自然科学). 45.63−77.. 11)皆川興栄(2003)ライフスキルワークショップエク ササイズ14.明治図書. 12)B.S.Bloom・J.T.Hastings・G.F.Madaus著.梶 田叡一・渋谷憲一・藤田恵璽訳(1976)教育評価ハン ドブック.第一法規 13)大津一義(1989)情意に着目した保健授業研究.学. 校保健研究.31.258−265 14)前上里直,越山賢一,山田浩平(2005)喫煙防止教 育における情意形成過程に関する研究.北海道教育大 学紀要(教育科学編).55(2).203−209. 15)相川充・津村俊充(1996)対人行動学研究シリーズ 1社会的スキルと対人関係一自己表現を援助する−.誠. 信書房 16)国分康孝(1999)ソーシャルスキル教育で子どもが 代わる小学校楽しく身につく学究生活の基礎・基本.. 図書文化社 17)KoheiYAMADA.KazuyoshiOHTSU.Naoshi 引用・参考文献. 1)木村正治・松尾 洋・久佐賀真里(1997)高校生を 対象にした避妊教育−ライフスキル学習を基盤におい. MAEUEZATO.AStudyontheDevelopmentofthe EfEectiveTeaching−LearningProcessforTraining AssertiveCommunicationSkill.InternationalJournal ofSportandHealthScience.(2008.7.Accepted). た避妊教育の実践−.熊本大学教育学部紀要(自然科. 学).46.53−63 2)木原雅子(2002)低年齢化した若者の性行動とSTD 対策.ペリネイタルケア.21.(6).24−28 3)DonnaCross(1996)SkillBuildinginSchooI HealthEducation.学校保健研究.38.519 4)大津一義編著(1999)実践からはじめるライフスキ ル学習.東洋出版. 5)WHO:DivisionofMentalHealth(1994)LifeSkills EducationinSchooIs.1−55) 6)久保田君枝・佐藤芳恵・福岡欣治(2002).予防的保. 健行動に関わる意志決定に及ぼす要因の研究一意志決 定時の反応様式選択型との関連−.静岡県立大学短期 大学部研究紀要.16.65−72. 7)Radford.M.H.B・Mann.L・YasuyukiOhta・ YoshibumiNakane(1993).DIFFERENCEBE− TWEEN AUSTRALLIAN AND JAPANESE STUDENTIN SELF−ESTEEM,DECISIONAL STRESS,AND COPING STYLES.JOURNAL OF. CROSSCULTURALPSYCHOLOGY.24(3).284−297 8)Radford.M.H.B・Mann.L・中根允文(1991)意 志決定行為:比車交文化的研究.ヒューマンティワイ.27. 9)Radford.M.H.B・Mann.L・太田保之・中根允文 (1989)個人の意志決定行為と人格特性(第1報)−. 94. (前上里 直 札幌校講師) (山田 浩平 順天堂大学助教) (大津 一義 順天堂大学教授).

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参照

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