中学校国語教科書『竹取物語』の挿絵をめぐる問題点と可能性 : 『竹取物語絵巻』昇天図の解釈と分類
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(2) 島. 和. 歌. 子. の挿絵をめぐる問題点と可能牲. 中. 取物語絵巻﹄ のカラー写真を掲概している。また、かつては志. 開始時期は異なるが闇、現行の教科評では、五社全てが本締に﹃竹. − ﹃竹取物語絵巻﹄ 昇天図の解釈と分類−. 中学校国語教科書﹃竹取物語﹄. はじめに. 田幸一氏蔵本に偏っていたが、後掲の表にも示したように、平 なった。. 成十八年度版では出版社ごとに異なる絵巻が掲載されるように. 中学校国語科の教科書は、現行の平成十八 ︵二〇〇六︶ 年度 三省堂が、他教科と同様にA5判からB5判に変えた ︵以下、. 版から、学校図書を除く教育出版二乗京書籍・光村回苦出版・. の当否については改めて検討する必要があろうが、現に掲載さ. このような教科書の視覚表象重視 ︵ビジュアル化︶ や大型化. れている以上、その活用法も更に考えていく必要がある。F竹. 順に︻学図︼ ︻放出︼ ︻東告︼ ︻光村︼ ︻三省堂︼と記す︶。大判. ている⋮。しかし、本編の古典文学の本文については、特に増. になった四社は、程度の差はあるものの、発麒・資料が充実し. 取物語絵巻﹄についても、補助教材の資料集ではなく教科書に、. 取物語﹄の挿絵︵後指図4︶の問題を起点として、八月十五夜、. 本稿では、本文解釈との関係で特に気になった︻教出︼の﹃竹. 代の雰囲気を知るという以上の意義を見出すべきだろう。. しかも大きく鮮明に掲載されるようになったからには、王朝時. えたわけではない。 本編に関してより充実したのは、カラーの挿絵や写其の類で、 より見やすくなった。全体的な傾向として、以前は口絵のみに. 平成十四年既版からの傾向だが、大判になって更に最も増え、 あったカラー写真が、二色刷の挿絵に代わって数多く掲載され. 月からの迎えが到来し、かぐや姫が帰って行く場面を措いた絵. げたい。その間題点や活用法を考える前提として、他の ﹁竹取. ︵以下﹁昇天図﹂と呼ぶ︶ の教科語での扱い方について取り上. るようになってきている。一年生の古典入門教材の¶竹取物語ト に関しても、江戸時代の¶竹取物語絵巻﹄や近代日本画のカラー 写真が、口絵から本編の挿絵として掲戟されるようになった。. 25.
(3) 物語絵巻㌧ や奈良絵本二じ本画等を含めた昇天図の解釈と分類 見ている。. けさ二し. たれがみ. せている。飛天 ︵天女︶ の飛翔にもやや似ているが、それ以上. かぐや姫は裳を付けており、その引腰を長い垂撃と共に靡か. 昇天図については、久保木寿子氏が絵本での最範繋場面とし. に ﹃佐竹本三十六歌仙給し一の小野小町の後姿などを想起させる. も行う。. て図像を分析し、それらの成立の北‖景を考察されている伽。絵. からザぬ. 右肩に返襟の一部が見えるので、おそらく唐衣を着ているの だろ う。手には栴扇も持っている。つまり、平安中期以降の女. かえしえり. 構図である。一番上の衣の着丈が普通の長さに描かれているが、. 房装束 ︵俗称十二単︶ で、かぐや姫は月世弊に帰ってゆくので. のがあり、天馬が登場するものもあるという。﹁王とおぼしき人﹂. 本には、童子は描かれず、近世には無かった﹁飛天しを措くも. の視点と重なる部分については、通Ⅱ紹介させていただく。. ほらよう. かれているので、網代縛のうちの八葉矩ということになる。. 九∵.り. また、﹁飛ぶ車﹂ の側面の黄色地には金色の八草の文様が措. ある。. や﹁音楽﹂を描く例は、近世にも若干見られる ︵後述︶。本稿 こ・いこ、. なお、久保木氏は天人の迎えを全て﹁来迎﹂と呼ばれ、近世 の昇天囲を﹁雲上天女来迎図﹂と﹁角繁華子来迎図﹂に〓分さ れているが、仏教色には差があるので、本稿でほ単に﹁到来﹂. 平成十八年度版では挿絵部分のサイズはやや小さめだが、全. ひれてんね. く同じ絵が、十四年度版では頁の巾いっぱいに掲載されていた。. まろえり. と呼び、﹁来迎﹂ の語は限定的に用いる。また、領巾︵天衣︶. 深井氏の挿絵の使用は、更に五年度版まで遡る。次に、︻教出︼. みすら. を纏った成人女性の天人を﹁天女﹂、角髪を結い盤鞘の衣を新. 回あらすじ解説文 ︵略︶. *日本文・冒頭﹁今は昔∼いとうつくしうてゐたり。け﹂. *監修・著作者は前と同じ。﹁保日[と袴垂﹂を﹁竹取物語﹂に。. 丹平成二年度∼同四年度用﹃新仙 中学同語 1﹄﹀. 集︶﹂﹁中閏の故事﹂。﹃竹取物語﹄は他学年にも掲載されず。. から ︵笑い話・川柳︰﹂とわざ︶﹂﹁保昌と袴垂 ︵今昔物語. *一年生用の古典入門教材﹁苗此ハのとびら﹂は、﹁民衆の中. *木下順二・松村明・柴田武監修、著作者は監修者ほか28名。. ︿昭和六十二年度∼平成元年皮用﹃新訂 中学国語 1k︸. の ﹃竹取物語﹄ の掲載方法の変遷を簡単に見ておく。. た少年の天人を﹁素子﹂と呼ぶことにする。. ﹁ 教育出版の ﹃竹取物語﹄ の変遷 ︻教出︼ の最初の頁では、竹林の写異の左上に挿絵 ︵図4︶. が車ねられている。﹃竹取物語.▼.について以前と同様に現代画. ・止カい︵に. 家の挿絵を掲載しているのは、硯行数科筈では ︻放出︼だけに なった。. 挿絵は深井国民 ︵昭和十年生まれ︶ によるもので、かぐや姫 が﹁飛ぶ車﹂ の前に座り、﹁申r の間を飛び、翁・姫のもとか ら去っていく姿が措かれている。残された二人はかぐや姫を見 上げ、かぐや姫もまた名残惜しそうに∴人のほうを振り返って. 26.
(4) 周本文・天人到来﹁かかる程にーまもり合へりノ. *回導入の伯説文、口辺は前と同じ。. *監修者名無し。著作者は木下順二・加藤周一ほか36名。. 且二かかる程に∼あひ戦はむ心もなかりけり。﹂. 瓦あらすじ解説文 ︵傍線は全て筆者による、以下同様︶. 回﹁ほんヤりとしたまま、人々は対刃丹引を見守っていま. ﹁天人たちの空飛ぶ車の中に、月の郁の王らしい人がい ました。︵中略︶かぐや姫は、泣きふす翁たちに﹁斗矧. した。笥矧粛剰の中に、﹂︵以下、前と同じ︶. イ竹林の写真。/′イ翁が姫を持ち帰り蝿に見せようとする。. *挿絵等はカラー。挿絵は深井氏。絵巻も掲載された︵ノイ︶。. 着物をわたしの形見と思ってください。わたしも悲しく て、空から落ちてしまいそうです。﹂と泣く泣く手紙を. *挿絵等は大きさ・位置の違いのみ。その他は全て前と同じ。. ︽平成十人年度∼同l一十一年度用﹃中学同語 伝え合う言柴 1k︾. ハ昇天。裳有り。八薬餌。1図4. 書きました。そして、不死の薬を少しなめ、その残りを 入れた壷を帝に献上すると、大の羽衣をまとい、空飛ぶ. このように、平成十四年度版以降、洒ず人の解説文︵回︶ が加. 車に乗り、天人たちを従えて空に昇っていきました。翁 と嘔は、悲しみのあまり病にふしてしまいました。帝も. えられたことと、天人到来の場面の本文 ︵瓦︶ ﹁からうじて思. ひどく落腿されました。︵後略︶﹂. いぐちふんし仲つ *挿絵は白黒。井口文秀氏 ︵明治四十二年∼平成E年︶。. の尿初に付け加えられたこと以外は、﹃竹取物語﹄ が掲載され. ひ起こして﹂以下が削られ、それを要約した一文が解説文︵耳︶. 一方、≡年間しか掲職されなかった井口氏の絵は、かぐや姫. 町である。. いう点では一貫している。平成五年度版の後姿は、正に小野小. 三通りに変わったが、かぐや姫が女房装束で翁と脂を見返ると. 平成五年度版 ︵図2︶、九年度版︵図3︶、十四度版︵図4︶ の. 移った。深井氏になってからも、昇天の場面︵ハ︶については、. 文秀氏によると推測されるが、平成五年度以降は深井国民に. られた挿絵担当の十五名の方々のうち、画風や経歴から故井口. 但し挿絵については、平成二年度版 ︵図−︶ は、奥付に挙げ. 始めた平成二年度版から、本文も解説文も変わっていない。. イ筒が光る竹を翁が見つける。/ハ昇大。1図1 *木下順二・松村明・加藤川一監修、著作者は上記ほか27名。. ︽平成五年度∼同八年度用﹃新版 中学同語 1﹄︾ *B∼耳は前と全く同じ。. イ竹林で翁が﹂り=ち止まる。/ロ貴公子が端近の姫に言い寄. *挿絵は白黒。この版から深井氏による。 る。/ハ昇天。後姿で装無し。車輪有り。1図2 *監修は前と同じで著作者が32名に。は∼回は前と全く同じ。. ︽平成九年度∼同十三年度用﹃中学国語 1﹄﹀. 口前と全く同じ。/ハ昇天。墓石り。円は車輪か。←図3. *挿絵は白黒。深井氏。. ︽平成十四年度∼同十七年度用﹃中学国語 伝え合う言葉 1﹄︾. 27.
(5) 平成18年度版中学校国語教科書の『竹取物語』の挿絵(国の番号以外の太字は教科書にあり). 教. 単元名と扱い方 羽衣・飛帝などの描写 昇 天 図 他の場面の絵 鑑借物語の味わい 竹取 *「大の羽衣をまとい、 図4 深井国氏挿絵 「竹取物語絵巻⊥. 物語 古典の恍界を味わ 空飛ぶ車に乗り、天人 人苓車と女房装束の より. おう 出. たちを従えて」(解説 かぐや葬臣が見返る 吉田幸一氏蔵 連れ帰った場面. 固凹圧旧版(本文は大系) 回). 古典に親しもう 古典に *「雲に乗った天人たち」 図6⑰「竹取物語」 「竹取物語絵巻」 興味を持ち、古典に親し *「大の羽衣を着ると、 (昇天)(小林古径筆) 家に連れ帰った lむ。 竹取物語 翁をかわいそうに思っ 空を飛ぶ女房装束の 場面と籠に入れ ていた気持ちもうせて 姫と多くの天女(単 て華う均痢(図 ▲概要解説文 東. しまいました。天の羽 元の表紙). ●H頭本よ(新大系). ▲あらすじ解説文 昂 ●月に帰ると告げる. 苦 給. 7、異時同国法〕. 衣を煮ると、人閃の感 図8⑥廃京大学歳 /節を吹くなど 情もなくなってしまう 六角形天先付き唐風 貴公子達の求婚. 言ふ−と言ひていみじ た衣。天人がこれを着 が厘り見返る、周り 嵐に遭う場面/‘ て、大㌍を飛ぶと考え に天女5人、緑の1人 満月の下で別れ られていた。」) が【P将に手紙と責を の時を思いかぐ ▲あらすじ解説文 *「空を飛ぶ車に乗って、. 光. 村. 百人ほどの天人を従え が泣く場面 」 古典との出会い 蓬莱の玉 ※【光村】のみ、「天の 図9(か国会同債館繚 大切に育てられ の枝−「竹取物語」から− 羽衣」「飛ぶ車」にふ 天に昇るかぐや姫 るかぐや姫/蓬 れず。 門角形の犀根付き葱 莱の玉の根を持 ▲解説文 「かぐや姫は、翁には苛 花常に今までと同じ 参したく らもち ●冒頭本文(全喚). ●蓬莱の玉の枝「これや ていた衣を、常には天 小社葦のかぐや姫が の皇子/月を見. 阿 わが求むる山ならむ〝 人の持参した不死の葵 埋り翁らを見返る、 て嘆き悲しむか この花を祈りてまうで を、それぞれ手紙をそ 周りに天女6人 う ぐや姫/かぐや 告 来たるなり」 えて残し、人々の悲し ち1人が中将に手紙 姫の手紙と不死 ▲あらすじ鮨説文 みをあとに天に昇って と壷を渡そうとする の薬が帝に贈ら ●「例文、不死の薬」以下 いってしまった。」. れる. わたしたちと古典−かぐ *「天の羽衣」(訳/ノ解 図11①吉田幸一氏蔵 「竹取物語絵巻」 や唯の物語 説文/注「烏の羽でつ 「竹取物語絵巻」下 (江戸時代の作 ▲導入文 くられたという、うす 一天の羽衣を着たか 晶)竹取の翁は. ●目頭本文(新編全備) くて軽い天人の着物。 ぐや姫は天に昇って かぐや姫を見い ▲あらすじなどの解説文 これを着ると空を飛ぶ いく。 だし、家へ連れ ●「天人の中に、持たせ ことができるといわれ 婁に立つ天女6人 帰る。/「竹取 たる杓あり。一文書く」 ている。」) 図12②「竹取物語絵 物語絵巻」上− 省. ●「中将取りつれば、ふ 百人ほどの天人を引き した不死の薬の入っ まいと兵士が寺 と大の羽衣うち茄せ→ 捲れて」(訳) た壷を、帝はかぐや りを固める中、 発 て惑へど、かひなし」 ▲解説文. で焼くように命じ る。天女は3人. 時をこえて一姫の物語? *「大空より、人、雲に 図13⑳国華院大草図 煎初の頁は現代 の絵本から(竹 翁の物語?一什取物語 釆牒て降りきて」(本 書館所蔵 ▲絵本と導入文 四角形の尾根付き葱 林/根元の光る ●冒頭本文(大系) *「茶菓の清らなること、 花邦でみずらを結っ 竹を見つけた翁 学 物にも似ず。飛ぷ車− ▲あらすじ解説文 た巧子の天人10人が /筒の中に座る 文). 校. ●「宵うち過ぎ山さしたり」 つ具したり、羅儲さし 迎えに架た、票の下 女の子) たり」(本文) には武士達がいる. ●「ふと天の羽衣着せた *「天の羽衣」(本文/ (単元の表紙の見開. 岡. 替. 人具して昇りぬ。」. 天人の心にもどり、人 宅内にいる女房装束. ●「靖・賂、血の涙を一御 問罪の記憶はなくな のかぐや姫と娼・侍. 遊びなどもなかりけり」 る山). 女). ▲比較的長い解説文 *「単に乗りて、百人ば かり天人具して」(本 文). −28一.
(6) そこへ ﹁子の時ばかり﹂ に、強烈な﹁光﹂ の中、﹁天人﹂が. 到来した。それを見て﹁内外なる人﹂ の心身が萎えてしまった. 人. る. ど. は. も. 大空より人、雲に乗りて下り来て、土より五尺ばかり上り. の装束は不明瞭だが、周りを飛ぶ四人の天女は、髪型も二つに そうけい 束ねて輪を作った双督であり、裳をはき領巾を練う中国風の装. する。. 二、昇天に関わる本文と教育出版の挿絵の問題点 まず、﹃竹取物語h の本文を確認しておく。かぐや姫を守る 大勢の人々の場所や数については、次のように帯かれている。. なくして開きぬ。. たのである。これに次の文帝が続く。かぐや姫と翁とのやり取. 女招きてゐたるかぐや姫、外に出でぬ。え止むまじければ、. りは略した。. 家の人々はいと多かりけるに合はせて、空ける際もなく守. りて、かぐや姫言ふ、︵中略︶うち泣きて苦く一声葉は、﹁此. たゞさし仰ぎて泣きをり。竹取心惑ひて泣き伏せる所に市. 同にむまれぬるとならば、なげかせたてまつらぬほどまで. らす。この守る人々も弓矢を帯して、矧矧叫矧には、対日. に遺す。家にまかりて、築地の上に千人、屋の上に千人、. ﹁屍の上Lに寄せられた。最接近した時には、家屋の上まで釆. 一の具体的な描写である。その車が、天人と翁のやり取りの後、. しかけてある﹂ ︵﹃新大系﹄︶という意味で、﹁飛車﹂に関する唯. た。﹁羅蓋さしたりLとは、﹁その車には薄絹を張った天意が差. 雲の上に﹂≠った天人達の装束は、比類軽い﹁括ら﹂な物であっ. 、. 部分と、天人と翁のやり取りは略す。. て. ふ人をさして、六衝の司あはせて二千人の人を、竹取が家. かの十五日、司々に仰せて、勅使少将高野のおほくにとい. 束. 装. 束であった。前の二人は柄の長い中国風の団扇を持っているよ きまし そうかれん 擬宜珠のような物があるので、葱花葦であろう。それが﹁雲﹂. 立. うである。かぐや姫が座っているのは、車輪が無く、頂に の上に帯かれている。彼女達は地上を見返ることなく、満月に このように井口氏と深井氏の絵は、天人の有無、装束や車の. 向かって飛んでいく。. 唐風と和風、かぐや姫が見返らないと見返るなど、種々対照的. 略). なくて、尾の上に飛車を寄せて、﹁いざ、かぐや姫。械き. 。(中. なのだが、後の深井氏のほうが全てよいと言えるのだろうか。. り. ろの戸、すなはち、たゞ開きに開きぬ。格子どもゝ、人は. ね た. 所にいかでか久しくおはせん﹂と言ふ。立て篭めたるとこ. 立ち 列. るので、取り上げる際には注意が必要である。具体的には後述. る. 結論から言うと、深井氏の絵は生徒に誤解を与える可能性があ. 程 に、. 引を番にをりて守らす。女、塗篭の内に、かぐや姫を抱へ てをり。翁、塗篭の戸をさして、戸口にをり。. 29. た る.
(7) 侍らで過ぎ別れぬる串、返々本意なくこそおぼえ侍れ。脱. 中将とりつれば、ふと天の羽衣うち着せたてまつ. かぐや姫は、﹁天の羽衣﹂を着る前に、帝への﹁文﹂を書き、. りつれば. ぎをく衣を形見と見給へ。月の出でたらむ夜は、見おこせ. 翁をいとおしく、かなしと思しっる革も失せぬ。此衣荊つ る人は、物思ひなく成りにければ、平に乗りて、百人ばか り天人具して昇りぬ。. ﹁文﹂と﹁缶の薬﹂を、﹁頭中将﹂ ︵ここが初発場、前には﹁勅. 給へ。見捨てたてまつりてまかる空よりも、措ちぬべき心 地する﹂と書きをく。天人の中に持たせたる箱あり。天の め給ひ て、すこし矧見hて、脱ぎをく衣に包まんとす町圃、. ら貴け取った後、﹁天の羽衣﹂を薪せられ、﹁物思ひ﹂が無くなっ. 使少将﹂とあり︶ に、﹁天人Lを介して託した。中将が天人か. 羽衣入れり。又あるは不死の英人れり。︵中略︶ わづか嘗 ある天人包ませず。御衣をとり出でて着せんとす。 かぐや姫は﹁外に出﹂ てしまい、嘔は﹁さし仰﹂ぐのみだっ. の後に語られる﹁中将﹂の複命の城南を引いておく。. て、﹁車に乗り﹂大勢の天人を引き連れて昇天してしまった。 この後、翁と姫が血涙を流して杜き惑ったことが語られる。そ. たとあるが、市後に﹁泣き伏Lす翁に﹁寄﹂って話しかけ、﹁文﹂ かぐや姫はまだ地上にいる。そして、今まで希ていた﹁衣﹂を. 止めず成りぬる弔、こまごまと奏す。薬の売に御文そへ、. 中将、人々引き具して帰りまいりて、かぐや姫を、え戟ひ. を普き置いているので、あくまでも塗維の外に出たのであり、 ﹁脱ぎをく﹂ので﹁形見﹂にしてほしいと宵き得いた︵以下﹁形. まいらす。ひろげて御覧じて、いといたくあはれがらせ給. ひて、物もきこしめさず。御遊びなどもなかりけり。大臣. て﹂ の下の読点は不要である。それをいつ脱いだのかは明記さ. 上述を召して、﹁いづれの山か天に近き﹂と問はせ給ふに、. 見の衣﹂と呼ぶ︶。彼の﹁形比とて、脱ぎをく衣﹂も同様で、﹁と. 邦分にあり︶、﹁不死の薬﹂を嘗めた直後と考えられる,天人は、. ある人賀す﹁駿河の同にあるなる山なん ︵中略︶﹂ ︵後略︶. れていないが、手紙を習いた直後か、天人に促され ︵後の中略 かぐや姫が薬の残りを脱いだ形見の衣で包もうとするのを制止. 公卿が召されたのは、波線部の冊の絶食ヤ耽推計曲の禁止か. ら、数日後と考えられる。あるいは波線邦を甚後の帝の梯子と. ないことはないが、その場合でも、かぐや姫の一行は既に昇天. 考えて、中将の複命の日 ︵八月十六日︶ のうちの出来事と解せ. の羽衣﹂を着せようとした。. し︵但し常への献上は認める︶、同じく﹁紺﹂に入っていた﹁天 その時に、かぐや姫﹁しばし待て﹂と言ふ。1衣着せつる. ぐや姫が座り、翁と鯖を見返る深井氏の絵は、本文や解説文︵前. さて、︻放出︼ の挿絵に戻ると、網代小の前に女房装束のか. している。. 八は、心異になるなりといふ。物一こと言ひをくべき事あ りけり﹂と言ひて、文普く。︵中略︶ 今はとて天の羽衣き るおりぞ君をあはれと思ひいでけるとて、責の薬そへて、. 頭中将呼びよせてたてまつらす。中将に天人とりて伝ふり. 30.
(8) 挿絵のほうがよかった。深井氏の挿絵は、その点では生徒に誤. このように本文内容の絵画化という点では、むしろ井口氏の. 月に向かい、地上への未練は窺えない点でも本文に合っている。. のである。そして、天人に﹁天の羽衣Lを着せられた途端、翁. 囲気を伝えるという点では、女房装束と網代申の絵は意味があ. 解を与える可能性がある。但し、物語が作られた平安時代の雰. かぐや姫は﹁此M﹂で着ていた﹁衣Lを自らの意志で脱いだ. 節の且︶ と、いくつか食い違うことがわかる。. の褒失は﹁此衣着つる人﹂という呼称でも表わされていた。彼. で月に帰る絵が見られる。晩学院大草附属図書館蔵の江戸前期. また、近世の ﹃竹取物語絵巻﹄ の中にも、和風装束と網代車. るのだろう。. を思う気持ちを失い、ためらうことなく昇天してしまう。感情. である。しかし残された側は、もちろん感情も記憶もそのまま. 女は﹁かぐや姫﹂という﹁此国﹂で与えられた名前も失ったの であり、激しい喪失感を抱かぎるをえない ︵人間どうしの死別. 唐衣は付けない︶ のかぐや姫が、地上の翁らには背を向けて、. の二種類の ﹃竹取物語絵巻㌔のうち、小型本の昇天図 ︵次節の こう仁一・ゴ ⑲、図5︶ では、珂両左上の雲の上で、垂婁で小社巻二衰・. の﹁衣Lであり、大人が﹁月の郁﹂から持ってきた物ではない。. でも、深井氏の挿絵とよく似ている。但し見返らない。よって、. 網代巾に乗り込もうとしている。天人が全く措かれていない点. 女房装束は、脱ぎ置かれた﹁かぐや姫﹂としての ﹁此国﹂ で. と全く同じである用︶。. 説文と合わないだけではなく、天上と地上世界との断絶や、翁. これと比べても、深井氏の挿絵はかぐや姫の未練が強く乗現さ. 姫君の姿のままで昇天するように措いた場合は、単に本文や解 らの喪失感を想像しにくくなるだろう。そこが特に聞題だと思. 取物語絵巻﹂⑲⑲も、参考までに挙げた。のー⑤と⑮⑲の成立. 八月十五夜を描かず、昇天図の無い⑲藷陣部本や、近代の﹁竹. については、基本的に省略した。. の装束と申を中心に見ていく。地上の様子や、絵巻の本文など. 次に挙げる江戸時代の昇天図について、かぐや姫の姿や天人. 三、﹃竹取物語絵巻﹄ 昇天図の解釈と系譜. かった。次節で且ハ体的に見ておきたい。. しかし、実は遡ると見返るかぐや姫の婆を描く例のほうが多. れた絵と言える。. 同様に、翁らを見返ってはいけないのである。かぐや姫との. われる。 別れ自体辛いものだが、別れ際、彼女のほうには悲しみの感情 網代車も、女一屏装束と同様に、地上他界との断絶が無い。網. が全く無いことが、一層彼らを悲しませ、戒心わせたはずである。. の中であり、そこは帝の力の及ぶ範囲である。. 代車は﹁此同﹂の乗り物である。網代牢で行けるのは﹁此国﹂. 一方、井口氏の挿絵︵図1︶ は、﹁天人﹂も措かれ、﹁羅蓋﹂. の装束とは厳然と区別されているのである。また、貪っ砥ぐ満. は団扇に変えられているが、全体的に中国風であった。﹁此回﹂. 31.
(9) 年代や名称等及び③④⑮の絵の確認は、徳田進氏の若井によるm。 最後の括弧内は本稿での略称である。. か近世初期、縦三二ニーCm ︵吉田本︶ 1 ︻≡省党︼ 図‖. ①岩田中一氏蔵﹃竹取物語絵巻﹄ 三巻再∴ 土佐派か、中世末 ②同右の次の絵1︻三省堂︼図12 ③宮本長則氏蔵﹃奈良絵本竹取物語L三冊、室町時代末から 江戸初期 ︵①の後、⑥の前︶. 語﹄ 三巻、正保以前 ︵九大本︶. ④細川家旧蹟・九州大学同文学研究串歳云絵入巻子本竹取物. ①正保版通行本﹃竹取物語.コ、初版は正保三︵一六四六︶年︵絵 人版本︶ 1図14か. ㊥東京大学文学部国文学研究室蔵、﹃竹取物語絵巻﹄ ≡巻、. 慶安二 ︵一六四九︶ 年両 ︵東大本︶ 1 ︻東葦︼ 図8. 住吉如慶︵=土佐広適︶・住吉旦恵〓=土佐広澄︶父子画、 ⑦龍谷大学同省餅講二竹取物語 ︵奈良絵本︶﹄ 三冊、寵文・ 延宕頃 ︵〓ハ六一∼一六八一︶、縦.一四CmW ︵龍谷大学本︶. ㊥国立同会閲習純廠二竹取物語絵巻﹄三替り︵同会図吾誠意︶ 1︻光村︼ 図9. 六七三∼一六八一︶、土佐派、縦二三・四Cm皿. ⑨中野幸一氏成﹃たけとり物語︵奈良絵本︶﹄三冊、延宝頃︵一. ⑲高畠藩主諏訪家伝来・長野県評訪市博物錯歳﹃竹取物語絵 巻h 三番、江戸前期、掟三一二Cm冊 ︵諏訪本︶. ⑪九曜文庫歳三竹取物語絵巻﹄ 三巻、土佐派、寛廿∵延宝頃 ︵一六六一∼一六八一︶、縦三二・五Cm爪. ⑲武田箱書氏旧蔵・国学院大挙附属図書館蔵﹃竹取物語絵巻﹄. 三巻偶、江戸前期、縦三三・〇Cml︻学図︼図13 ︵右︶. 三番、江戸前期、縦三三・二Cm. ⑲ハイド氏旧蔵・閥撃院大草附属臣l批=館蔵﹃竹取物語絵巻﹄. 縦一七・二Cm ︵国学院本︶ 1図5. ⑯摘草院大草附属国許餌蔵﹃竹取物語絵巻﹄三巻、江戸前期、. 狩野派か、江戸中期ないし中描以後、縦三三Cm. ⑮小学館蔵 ﹃竹取物語﹄折本同帖一帖 ︵本文は別に三巻︶、. ⑲宮内庁再陵部蔵﹃竹取物語絵巻﹄ 〓巻、江戸中期ないし中. 期以後、土佐派、縦二八・五Cm、詞書無し昭 ︵吾陵郡本︶. 取物語図﹂、ウィーン国立工芸美術館蔵ド. ひろつら ⑲住吉弘貫 ︵=内記・弘定、一七九三∼一八六三︶ 画、﹁竹. 大正三 ︵一九一四︶ 年、縦三五・九Cm、個人疏冊. ⑲前田育郁 ︵一八八五∼一九七七︶ 画、﹁竹取物語﹂三巻、. 天﹂、大正六 ︵一九一七︶ 年、縦四五Cm、京都田立近代美. ⑲小林古律︵一八八三∼一九五七︶両、﹁竹取物語﹂第五段﹁昇. 術館麓﹂1︻寓語︼図6. これらは次のように分類できる︵天人の下の括弧内は持ち物、. ※は帝への手紙と燕煎を持つ、二重線は左上方からの送迎︶。﹁飛. 軒﹂ のはずだが、知られるように、車輪の無い葦 ︵輿︶ を措く. 例が少なくない。その場合は担ぐ必要があるので、基本的に天 ほん 女ではなく売子が描かれている。久保木氏も、幡を持つ ﹁持幡. 童子﹂など、童子が奉仕役であることを指摘されている。また. ﹁羅志さしたり﹂ については、柄の長い団扇を﹁飛車﹂にかざ. 32.
(10) 童子二人 ︵団扇無し︶. このうち⑨が独特で、画面左上方からの到来である。また、. で、唐風装束の天人が迎えに釆た。. 担ぎ手の寛子二人しか措かれず、黒い色 ︵漆塗り?︶ の板輿で. 1到来−板輿. いたこし. すように措かれることがほとんどである。. ︵先頭団扇︶. ある。. 葱花葦⊥豊子三人 ︵後尾団扇︶. ⑮のみ、上は葱花葦と同じだが車輪付きの﹁車﹂で ︵⑧と同. ⑬は、朱塗りで青屋根の四方輿以外は、⑪と同じである。. 車﹂を屋根の上まで寄せている ︵後述する④⑤と同じ︶。. 以外に、団扇をかざす童子がいる。特に⑲⑳は、本文通り﹁飛. ⑲⑫⑫は葱花葦で、担ぎ手の敦子 ︵順に二人、八八、九人︶. その他は、全て右上方から到来した︵2昇天も右上方に帰る︶。. 童子九人. ︵後尾団扇︶. ︵後尾団一望. しはう二し ︵団扇無し︶. 童子十人. 姫 ︵?︶ 唐風①. 姫和風⑲. 姫 ︵?︶ 唐風②. 四方輿⊥甲子九人 葱花車−天女七人 2昇天−飛車無−天女六人 天女三人 天女二十五人 ︵楽器、蓮︶. 氏は⑮を﹁白雲と共に上界して行く﹂と見られているが ︵九一. 天女は葦を持たない。帳を下ろしている点も独特である。徳田. じ︶、周りに立つ天女七人が措かれている。前述したように、. ︵後尾団扇︶ −− − 姫唐風@⑤. 逓︶ 姫和風⑲. ︵後尾羅蓋、笛、沸こ と別に一人※. 天女二十五人 ︵楽器無し、. 天女五人. 六角車−天女四人. の場面であろう。. が﹁王とおぼしき八﹂ の前にひれ伏しているので、やはり到来. 貫︶、雲の形は下降を表し、姫や侍女が部屋の内側を向き、翁. ︵羅蓋等︶ と別に一人※姫唐風珊. 姫唐風①. ︵先頭と後尾囲扇︶ − 姫唐風③. る無関心さが﹁素地﹂となって、﹁図柄が簡素な形に変質し、. 子︶系物語・絵との接触﹂ の他、中世における昇天場面に対す. あめわかみ なお、久保木氏は童子の絵の﹁簡素﹂さを強調し、﹁︵天椎御. いると言える。. 天女でも中国風に描かれており、異界からの迎えらしさが出で. これらの﹁飛車Lは地上の物と同じだが、天人達は童子でも. 円形車﹂天人多数. ︵団扇無し︶. ︵先頭団扇、笛、蓮、※︶. 姫和風⑦ 姫和風⑧ 姫和風矧. 葱花輩童子九人 天女六人 葱花車−天女六人. 網代車−天女も章子も無し 以下、順に詳しく見ていく。 1到来︵天人が迎えに来た場面︶⑨⑬⑰⑫⑬⑬. ⑲諏訪本、⑪. しかし③以外の垂子の絵は、天女の場合と比べて必ずしも簡素. 天女菩薩に代わって角髪童子が登場﹂したと考察されている。. この例が少なからずある。⑨中野幸一氏蔵本、. 学館蔵本である。いずれも、﹁雲﹂に乗った尾根が方形の﹁飛車﹂. 九曜文韓蔵本、⑫武田祐富民旧蔵本、⑬ハイド氏旧蔵本、⑮小. 33. ⑲⑫⑬.
(11) 甲=天女の一人 ︵御前を見つめる中央か︶ がかぐや姫。. もある。つまり、次の二通りに解せるのである。. 乙=三人の天女は従者速で、この中にかぐや姫はいない。. とは言えず、また近世における童子から天女への変化も考えら れるので、今は措く。. 早くから教科得に掲載されてきた吉田本には、昇天図がの◎. 尾の天女逆だと考えたい ︵但し甲の可能性もあるように措かれ. 乙を採り、かぐや姫白身はずっと先に進んでいて、これは最後. は前述したように到来場面の飛車の暗示の例もあることから、. 聾者は、三人が全く同じ装束で措かれていること、吉田本に. 2昇天 ︵月に向かう場面︶. の二種類あり、どちらにも﹁飛却﹂が措かれていない。吉田本. 飛車が措かれない−かぐや姫 ︵?︶ 唐風①②. では天人到来の場面でも、右仁方を翁が指差し、武士らが見上. 雲の上下で時間が異なり、一種の﹁異時同同﹂になっている。. ている︶。日根絶尾が、富士山上空まで来たのである。よって⑦は、. 部が図10︶。. げることによって、その存在が画面の外に暗示されていた ︵一. しかし、下段で話題になっているのも骨川士山であり、その宵士. 、いう上下段を越えて連続する構図によって、上下が一 いると. 山が男性達の頭上に措かれ、また、天女の視線の先に男性達が. ①雲の上に立った天女六人。一番後ろの一人は、矧詔日刊司. る。1︻三省堂︼図‖. るのだが、より一体感があるのである。. 屏風などと同様に、異なる時空を自然に繋げる働きを持ってい. 画面として繋がってもいる。間に横たわる軍芸が、他の絵巻や. て袖で涙を抑えながら嘩き悲しむ翁と堰を見下ろしてい ②すやり霞︵金泥による雲形、更に金砂ナと極小の金箔が散 らされている︶ が横に伸び、画面を二分している。下段に は御前に召された公卿達︰上段左側 ︵雲を挟んだ公暁達の. 面左端に富士山の遠景を措き、そこに向って不死の薬の入った. なお富士山は、⑲許陵本にも措かれている。但し、横長の画. 大きな窺を運ぶ一行を手前に比較的大きく措いたもので、昇天. 頭上︶ に矧出血、右側に帝・景の上に立った天女三人。みな下. 界を見下ろす︵中央の一人の視線の先には公卿達し。1︻三. れている﹂ ︵七八頁︶ とされる。中将の復命及び昇天し続ける. かぐや姫自身の昇天と見るのが通説である。しかし、久保木氏. るかぐや姫と天女がいる﹂ ︵徳田氏の七人頁︶ などのように、. さて遡って①については、﹁左方上部には票に乗って昇天す. 図ではない。. 省堂︼図12. 先に⑦を見ておくと、徳田氏は﹁帝に報告する付臣と上方に. かぐや姫と見られたわけである。しかし、男性は複数いて御前. も言われるように、どれがかぐや姫か判然としない。氏は、中. は富士山頂をはるか下に見る雲上のかぐや姫と天女二人が描か. で相談する梯子なので、その後に召された公卿達であろう。ま. 央右側の上半身が環培だけで衣を宕ず、腕がむき出しになって. よ︶■つく. た天女三人については、﹁かぐや姫の従者であろう﹂nという説. 34.
(12) いる天女の可能性を指摘されている。しかし、いくら形見とし. 飛車が描かれない1かぐや姫和風⑯⑲. になるだろう。. 物語絵巻﹂の昇天図である。田口第一氏の解説”︰を引用しておく。. れていない。梶田半古門下の⑲前日青郁と⑲小林古径の﹁竹取. かじたほんこ. 近代絵画では、①とは逆にかぐや姫中心に措き、翁らは措か. て衣を脱いだといっても裸身というのはいかがであろうか。ま たややかがんだ姿勢も今一つである。 他の五人は、色は異なるが全く同じ装束で、②の天女達とも. ⑬かぐや姫は、江戸期諸作例のように車に乗って昇天するの. 同じである。うち一人は翁らを見下ろしているが、かぐや姫が 一番後ろにいるということは無かろう。中央左側の薄い色の衣. ではなく、阿弥陀聖▲飛来迎囲の奏楽苦院の姿を借りた数. ︵少なくとも二十五人︶ の天人に閉まれ、手を執られて、. の天女は、毅然と其っ再ぐに立ち、黄桃を向く。周りの天女に. まばゆい光明を四方に放ちながら空中を浮遊するように. 囲まれているようにも見えるので、これがかぐや姫であろうか。 その場合は、天の羽衣を岩て地上への未練を失った姿が措かれ. 昇っていく、このイメージは、あるいは西洋の聖先日蓋に. の引目鈎希式の描法による可憐な面貌にたたえられた笑み. 新だ。ここでかぐや姫の全身が正面から表わされるが、そ. 措かれたキリストの昇天図に想を得たかと思われるほど斬. 人具して﹂という特別の存在として描かれていないのが不解で. には、あたかも姫を慈しんだ人間界への哀切の想いが込め. しかし、前述の斉田本における﹁飛車﹂の暗示の手法や、﹁天. ていることになる。. 甲=天女の一人 ︵真横を見つめる中央か︶ がかぐや姫。. あることから、①についても乙の可能性が考えられるだろう。. られているようで ︵後略︶. かとみまがうばかりの幻想的光景である。︵中略︶ ちなみ. え取った後、はるか四方極楽路上へと向かう﹁帰り来迎﹂. 組むように飛ぶ様は、まさに阿弥陀愕衆が往生者の魂を迎. ⑲かぐや姫の前後を天人多勢が衣を勢いよく靡かせて編隊を. 乙=六人の天女は従者達で、この中にかぐや姫はいない。 乙の場合は、②と同様に、措かれたのは最後尾の名残の天女 連で、かぐや姫の乗った飛車は、先に逝ってしまっている。 いずれにしても、①は他の絵巻と異なり残された姉羽・堰を両. に天人は阿弥陀二十五菩薩来迎図の苦情と同じ数である。. 面手前に大きく措いている。つまり、地上の人間に屯きを置い ているのが特徴と言える。徳田氏も、①⑦について﹁人間界の. メージと対照的で、なによりも決定的な相違は、古径本昇. 天国のかぐや姫の表情が毅然としていて、すでに天界の人. 天人に中岡六朝風衣裳を着せたのも育耶の天人の仏画的イ. となっているところである。1︻東詔︼図6. これは特殊な遠近法ともいえようが、むしろ焦点的構図といえ よう。﹂ ︵七八頁︶ と述べられているが、もし乙のように、かぐ. 存在者を大きく出して、別離の悲哀を強く出しているのである。. や姫が①にも描かれていないとすれば、一同人間界重視が鮮明. 35.
(13) 両者には、かぐや姫が垂髪で簑・唐衣という共通点もある。 また、迎華は共に描かれているが、楽器は⑬のみで、⑬は画耐 右下の地上を見下ろし、⑲は全く振り返らずに真横に飛んで行. 天に射っていく。. 翁らを見返っている。批と天女逆の乗った雲は、画面右上方の. ④①は、共に車輪が無く、また、本文通り家屋と車が近い。. 久保木氏は、絵本の昇天図に﹁飛天﹂が措かれるようになる. で若い天女であろう︶。④は写真がよく見えないのだが、⑤や. 向く点は異なっている ︵⑤は克子にも見えるが、領巾を纏うの. を車の上にかざす。その天女が、④は見返り、⑤は車のほうを. 中の周りに立つ天女は四人で、後ろ ︵画面左端︶ の一人が団扇. 契機として、﹁新=本所連動の古典回帰﹂ の例である⑲⑲の存. くという違いもある。. 在を指摘されている。氏は⑲のみ﹁二十五菩薩昇天の飛天型﹂ とされるが、⑲も﹁飛天型﹂であると共に﹁来迎型﹂とも言え. 徳田氏は、④⑤は﹁天女の数とポーズ・武士の人数と姿態・. それを写した絵凹によると、左から二番目も柄の短い団扇、三 けばん 番目も華盤を持ち、四番目即ち右端は何も持っていない。. 雲の上昇ぶりは全く合う﹂︵九九頁︶とし、﹁実に相似している﹂. なお古径は、﹁昇天﹂ の前の第四段﹁別離﹂ で、かぐや姫の. よゝつ。. 例として﹁かぐやひめ幼少時代の図﹂﹁子安貝探し失敗の図﹂﹁貴. 絵入り竹取物語は九大蔵竹城り物語絵巻乃至この系統のものの. 姿は措かず嘆き悲しむ翁らのみを、大人が見下ろすような急角. 影響†に成り、且つ九大竹取り物語絵巻は正保以前に成立して. 族の懇望に内意を答えるかぐや姫の図﹂も挙げて、﹁通行本挿. いるとは言えないが、⑲で翁らの姿の無い、かぐや姫だけの昇. い︶。よって、昇天に関わる場而を全てかぐや姫中心に措いて 天回を措いたことは確かである。⑲も人間は描かれていない︵つ. いたのである。少なくとも同系列上に成ったといえよう﹂と結. 度で措いている ︵一方、最後の﹁不一一山﹂は天人も人間もいな. まり、空を舞う飛天と地上の人間とは画面で共存しない︶。し. 根も六角形で、頂には宝珠を付けている。その中に、結髪で盤. つのではなく箪笥を吹き、右端は葺の長い蓮華を持つ。﹁甘楽﹂. 女がいて笈を吹き、次は④①と同じく填い団扇、次は華盤を持. しているので、より本文に合っている。その右横にもう一人天. が④⑤と全く同じ位置と向きに、団扇ではなく﹁羅去Lをかざ. また⑥の車の川りの天女は五人で、後ろ ︵両面左端︶ の一人. 似ているが、庫輪が措かれ、﹁車﹂であることが明示されている。. さて⑥は、徳田氏の指摘 ︵九〇頁︶ のように、かなり④⑤に. 論された。. この点にも注恋しておきたい。. かし、江戸時代の絵画で翁らを措かない昇天凶は未見である。 六角形天蓋付き飛車④⑤⑥ ④九大本、⑤絵入版本︵図14︶、⑥東大本︵︻束帯︼国8︶は、. 領の衣という唐風装束のかぐや姫が座る。既に﹁天の羽衣﹂を. ﹁飛車﹂を日本では用いられない桝風の牢として措く。床も屋. 着た後とわかるが、それにも関わらず、画面左下の宝内で泣く. 36.
(14) が描かれているのである。蓮華と共に、他よりも来迎図に近づ. 姫の周りには天人が十二人いる。その左下方に雪が延び、﹁薫. 端の宝冠を付けない若そうな天女は団扇を持つ。一.人を含め、. がった冠・直衣の﹁中将﹂ に届けようとする天女一人が乗って. の薬﹂ に﹁文﹂を乗せて両手で持ち、翁の隣で一人だけ立ち上. いていると言えよう。. を持った童子がおり、その奥に宝珠の付いた円形の﹁羅詑﹂付. ⑥は更に、雲が左下方の哲子に延び、その上のもう一人の天 女が、右手に手紙、左手に薬壷を持ち、束帯姿で畏まる中将に. きの﹁飛車﹂が置かれ、周りには男性の天人がいる。更に奥に. いる。また、かぐや姫の後方︵右上方︶にも雪が延びている。﹁箱﹂. の羽衣﹂を既に着ている。つまり、⑤には﹁異時同国法﹂が用. 渡そうとしている。これは、﹁中将に天人とりて伝ふ﹂に当たる。 ヽ しかし、かぐや姫は中将が受け取った後に着せられたはずの﹁天. は、大勢の天人達が控えている。. し、これほど本文に忠実に絵画化した絵でも、④⑤⑥と同じく、. ⑮は、⑥に加えて﹁箱Lや﹁百人ばかり﹂なども措く。しか. いられているのである︵釆大本では、翁が両手に入れて連れ帰っ 措かれていた︶。⑥は、単に物を忠実に描くだけでなく、この. のである。. 唐風装束のかぐや姫に、庭で泣き伏す翁達を見つめさせている. た場面 ︵図7︶ にも、室内の娼の前に、籠に入ったかぐや姫が. ぐや姫の、翁だけでなく、棉への思いも措く必要があると判断. 図9︶ は、右上方から葱花葦で迎えにきた1到来と対応する。. ③宮本長則氏蔵本、⑦龍谷大学本、⑧国会国許餌本︵︻光村︼. 葱花肇⑦①・車⑧. 貸子上のやり取りも、柵面に描くべき更新として選択した。か. したわけである。. 時同図法﹂ により中将に手紙・薬責を託す場面を加えたのが⑥. その葱花澤に乗って帰っていくわけである。かぐや姫は座り、. このように、④⑤の団扇を羅蓋に修し、車輪や奏楽を加え、﹁異 である。逆に、⑥のような絵の簡素化が伽や⑤であるとも言え. ⑳の幕末の住吉弘貫の絵は、縦長という点が珍しいが、﹁罪. 柄の長い団扇を持つ ︵翁と堰は①告別本と同じく華子に立って. 同じ数︶ いて、七人で輩を持ち、先頭と後尾の両方の豊子が、. ③は、葱花節の周りにー到来と同じく寛子が九人 ︵特に⑪と. 左下方の翁らを見返る。ここまでは同じだが、違いもある。. 障同図法﹂が用いられるなど、同じ住吉派の⑥東大本に似た点. 泣く︶。かぐや姫は右で見た④⑤⑥⑰と同じく、髪型も衣装も. 円形天蓋付き車⑰. よ、つ。. が多い ︵但し中将が庭に立ち、右上の天女を見上げる点ほ⑧と. 他の場面で発ていたのと全く同じ色と柄で措かれている。つま. 一方⑦⑧のかぐや姫は、共に車髪で小社姿という和風装束で、. 唐風である。. 画面左下方の庭に、泣き伏す翁・梱らがいる。かぐや姫は右. 同じである︶。. 上方の雲の上に唐風装束で立ち、天女が−羅蓋﹂をかざす。左. 37.
(15) 異なるが、天女二人が、左下の貴子際の室内の翁・姫、そして. しくほない。また、共に童子ではなく天女六人である。位置は. り、﹁天の羽衣﹂は省かれており、かぐや姫が見返ってもおか. ことなく去っていくのであろうが、改めて中将に天女が託す場. うである。⑧は、①や⑲国学院本のように﹁天の羽衣﹂を着る. 館本は他の場面を見ても﹁異時間図法﹂が用いられていないよ. ⑦と異なり、中将がかぐや姫らの正面に描かれているので、⑥. 紙・薬壷を措き込んだという体である。但し、やや脇に寄った. 面を措こうとしたというよりも、天女の持ち物の一つとして手. ⑦は葦だが、周りの天女はやはり担いでいない。天女の持ち. 中将を見返る。 物は無く、翁・姫は座り、﹁中将﹂は華子に、やや退いて立つ。. や⑫と同じく、かぐや姫の帝への思いも重視し、翁らへの思い. と同等に扱ったと一言えるだろう。. ⑧は、⑮小学館蔵本の天女七人の迎えと同様に、上は葱花発 と同じだが車輪が付いており、周りに天女が六人いる。数は⑦. 網代車⑭. 翁・姫の前に立ち、かぐや姫一行を見上げている︶。その右の. 将に渡したそうに振り向く ︵⑦とは異なり、中将は脇ではなく. 属阿詔館狩野文庫蔵の奈良絵本¶竹取物語﹄ 三冊も、﹁雲の上. 風の要素が全く無い。徳田氏によると、近世前期の東北大学附. た江戸時代の昇天凶の中では、これのみ天人が措かれず、中国. 装束のかぐや姫と網代車の組み合わせである。本稿で取り上げ. ⑲国学院本︵図5︶ については前節末で述べた。垂髪で女房. と同じだが、左奥は茎の長い蓮華を持ち、その前の天女は右手. 天女は笹を吹き、次は柄の短い団扇、その右は横笛、その右即. に手紙、左手に薬壷を持ち、草子際の庭に立つ直衣に指貫の中. ち右端の天女は畢簗を吹く。. が画いている。他の奈良絵本のように天女のお供などは画いて. の車に乗っている姫とこれを見上げている翁と倒れ伏す梶だけ. なく、雪が伸びて照子の上にいた天女も車の周りにおり、持ち. ない﹂とのことである ︵七一頁︶。⑭は、翁らに背を向けた点. つまり⑧は、⑥東大本 ︵︻東鶉=︼ 図8︶ の五人の天女だけで. 物は⑥の羅盗ではなく横笛で、管楽器が墜・撃鴇■笛の三つに. 板興の担ぎ手のみ︶。⑥東大本や⑧国会図苦館本も特徴的. 自性が強い。次いで⑨中野幸一氏蔵本 ︵左上方から到来、. 左上方に帰る︶、鋼索陵部本 ︵昇天図が無い︶ が、特に独. 院本 ︵天人を措かない、和風装束で見返らない、網代車、. *①②吉田本 ︵飛車を描かない、昇天図が二画面︶、⑲国学. さて以上のうち、特に注目しておきたいことを挙げておく。. も他に例を見ない。. 仏教の死者1来迎﹄ の図に重なる絵柄﹂﹁帰り来迎の図﹂とさ. 増えているのである。奏楽という点は、久保木氏が﹁明らかに、 れる通りであろう。また⑧は、①とは、⑦+車輪十⑥の全持ち 輪は鋼や⑥にも見える︶。. 物 ︵薬壷・手紙、蓮華、管楽器︶=⑧、という関係にある ︵車 手紙と薬壷を措く点について、既に﹁天の羽衣﹂を着て皐に 座る⑥については﹁異時同園法﹂であると述べたが、国会図晋. 38.
(16) だが、﹁飛車﹂ に乗り天人と共に右上方に去っていく、と. 楽器を吹かせることで、来迎図に近づいている。. *⑥東大本と⑧国会図書館本も、天女達に蓮華を持たせ、管. *六角形 ︵④九大本、⑤絵入版本、⑥︶ や円形 ︵殉︶ の天主. いう大枠は逸脱しない。 *吉田本①が、かぐや姫自身の昇天であれば、見返らない例. は唐風の髪型・装束である。③宮本長則氏蔵の奈良絵本の. 付き唐風車による到来の例は無く、全て昇天で、かぐや姫. み、葱花常に唐風装束の組み合わせと見られる。初期の葱. になる。しかし、かぐや姫は既に飛車で去り、②と同様に 姫を大きく措くことで、残された人間の悲しみに焦点を当. いか ︵逆に︵m⑨は、装束のほうを葱花葦に合わせて和風に. 花環が、唐風装束に合うよう唐風埴に改変されたのではな. 最後尾の天女達を描いたという解釈も成り立つ。①は翁・ てている。②も富士山上空まで来た天女が宮中を見下ろす. かぐや姫の翁・姫だけでなく帝への思いも絵画化したもの. 措くものがある︵⑥東大本、⑧国会国許館本、⑫住士‖弘貰︶。. 付けない小社姿である。なお通常着での昇天は、音楽・蓮. だけでなく江戸時代にも確かにあった。垂肇で某・唐衣を. 本、⑧国会図書館本、⑲同学院本︶、近代日本画 ︵⑲⑲︶. *和風装束で天の羽衣を着ていない姿は稀だが ︵⑦龍谷大学. かぐや姫の装束のずれの問題は無い︶。. 変えたか。もちろん到来を措いた⑨⑲㈲⑫⑲⑮も、飛車と. かのように措き、⑥⑧⑫や⑦とは別の方法で帝との関係を 措いている。. である。唐風装束の場合 ︵⑥⑰︶、既に天の羽衣を着てい. *左右の手に薬持と手紙を持ち、中将に託そうとする天女を. るので、明らかに﹁異時同図法﹂である。⑦龍谷大学本も、. 華や聖衆を描くのとは別の意味で往生人らしくもある。⑯. は近世には無かった。かぐや姫に主人公が絞られていく以. *近代の絵巻 ︵⑲⑲︶ とは異なり、かぐや姫のみを措いた絵. ているはずなのに、全て翁・姫を見返る︵①硯は中将をも︶。. *唐風装束のかぐや姫︵④④⑤⑥⑫︶ は、既に大の羽衣を着. のみ見返らない。. 薬責と手紙は無いが中将を措く。 で超絶した月の世界の風俗が表わされていた。天女は領巾. *天人は、男女・老若・人数に関わらず、唐風の髪塑・衣装 を繕、つ。また天女は飛車の周りにいても触れない。飛車が 車でなく栄で持つ必要がある場合は、角髪を結った売子が 措かれる。. つる人﹂を措くことが慣られてきた点に注目しておきたい。到. 以上の中でも特に、感情を失い翁らに背を向ける﹁この衣着. 前の、かぐや姫に偏らない受容が窺える。. 江戸末期以降にわずかに見られるのみである。これらは聖. 来の場面の例が多いのも、そのことが一因ではないか。措く場. *本文通り大勢の天人が描かれた絵︵⑰と近代の⑲⑲︶ は、. が措かれていた。. 衆来迎図を踏まえている。他は、先頭もしくは最後尾のみ. 39.
(17) は本文に即し、⑥の東大本のような﹁異時同園法﹂も無いので、. 江戸初期から明治時代までの多くの人の目に触れてきた。④⑤. そのうち⑤は絵入版本で、豪華な奈良絵本や絵巻とは異なり、. 合は、地上への思いを持ち続ける﹁かぐや姫﹂としてであった。. 違いに気づかせる、批判的に視せることで、物語の理解を深め. り触れるべきである。そして、本文・解説文などと挿絵のずれ・. 代人と深く関わる所以であろう。﹁天の羽衣﹂ の機能にはやは. である。親子や男女の愛情だけでなく、この点もこの物語が現. るという方法が考えられる。. の車や唐装束の姫は、これらに合っており、わかりやすい。し. に乗って﹂という箇所もある。絵巻 ︵⑥東大本、図8︶ の唐風. て御覧ください﹂ の他、﹁天の羽衣﹂ の機能も述べ、﹁空飛ぶ車. 用いている。解説文には、﹁脱ぎおくこの弟物を私の形見とし. 径の昇天図を載せ ︵⑲、図6︶、F竹取物語﹄ の挿絵には絵巻を. ︻束苦︼は、﹁古典に親しもう﹂という単元の表紙に小林古. 最もわかりやすい絵画化と言えるが、この一点のみ本文と異な. ではないだろうか。. る。このずれは、むしろ享受者の願望として認められてきたの. 四、教科書の挿絵としての問題点と可能性 最後に、前節を踏まえて、各昇天図の教科書の挿絵としての. かし、着物が変わってもなお見返る点については、やはり批判. 的に視せるとよいが、同時にそのように措いた理由も考えるべ. ︻救出︼ の挿絵︵図4︶ は、第二節で述べたように、かぐや. 接い方についての私見を述べておきたい。 姫の装束や車に加ゝえ、天人が描かれないことで唐風の要嘉が軽. ﹁異時同図法﹂に触れざるをえないが、連れ帰った場佃︵図7︶. また貴子の上の薬定と手紙を持った天女を説明する為には、. きだろ、つ。. のようなわかりやすい例も掲載されており、他にも法隆寺の﹁玉. れ、﹁天の羽衣﹂を着たことも記している。生徒も、﹁天の羽衣﹂. く、地上との連続性が強い。しかし解説文では、形見の衣に触. て、着物がそのままではおかしいことに気づくのではないか。. がいわゆる十二単とは別物だということはわかるだろう。そし. 虫の厨子﹂側面のストロボ写真のような﹁捨身飼虎L の例は、. 園法﹂も伝統文化の豊かさの一例なので、触れるよい機会にな. 社会科の﹁歴史﹂の教科育などでも見ているだろう讐﹁異時同. また、かぐや姫が見返る点については、解説文で﹁天の羽衣﹂ の機能には触れず、脚注も触⋮いので矛盾は生じないが、物語に. の別れを惜しむ対象が翁 ︵と姫︶ だけでなかったことも確認で. る。同時に、華子の上の天女と中将に気づくことで、かぐや姫. おける残された者のやり場の無い深い悲しみや喪失感は十分に 理解できないことになる。前述したように、かぐや姫を一方的. 古径の絵 ︵⑲、図6︶ も、﹁空を飛ぶ車に乗って﹂とは矛盾. きる。. に失った喪失感、あの世とこの世との容赦のない断絶は、我々 にとっての親しい人との死別と全く同じである。残された者は ヽヽヽ. 反応の無い相手に向って一方的な追慕の情を不尽に寄せるのみ. 40.
(18) するが、奏楽が無く、大勢を従え、振り返らないなど、絵巻よ. 生が改めて読むのであるから、いくら古典入門教材とは言え、. ある。しかし、他と異なり既に絵本などで知っている話を中学. う。この絵については、原文とは異なるが、中将に渡した後に. 概要に留めて重要な素材を省いてしまっては意味が無いだろ. るように﹁大空を飛ぶ﹂為の物であったが、﹃竹取物語﹄ では. のある ︻東苦︼とは同列に扱えない︶。だが教科雷に掲載する. 衣を脱ぐと説明するとよいか ︵他にも明らかな﹁異時同図法﹂. なお﹁天の羽衣﹂は、本来︻東葦︼ や︻三省堂︼ の脚注にあ. り本文に合う点もある。両者を比較対照させるとよいだろう。. みになっている。むLろ異界ヤ霊力が流行る現代の生徒には馴. ︻三省堂︼ は、﹁中将取りつれば、ふと﹂以下の全文を掲覿. には、やや難があるようにも思われる。. 飛ぶ機能は車や雲に譲り、人間界の記憶や感情を無くす機能の 染みのある設定だろう。再往の絵との比較は、これに触れる契. 一切触れない。昇天図では、雲の上に天女六人が立っている︵ふ. している。﹁天の羽衣﹂ については注もあるが、形見の衣には. 吉田本、固‖︶。﹁天の羽衣を着たかぐや姫は天に昇っていく。﹂. ︻光村︼ の絵巻︵⑧国会図書館本、図9︶ は、葱花諦に座っ. 機にもなる。. た和風装束のかぐや姫が見返る。これらは中国的ではないが、. というキャプションは、この中にかぐや姫がいるということだ. ろうが、﹁飛ぶ卓﹂が措かれないことや、どれがかぐや姫か区. の天女が庭の正面に立つ中将に渡すべき薬責と手紙を持つこと. 別がつかないことに、生徒は疑問を持つのではないか。この絵. 周りに天女が措かれているので、境界らしさは伝わる。最後尾. ことができる。. いて、六人の中にはいない可能性もある。疑問をきっかけとし. は、前節で述べたように、﹁飛ぶ車﹂ に乗ったかぐや姫は先に. から、︻東薄︼と同じく帝との別れも惜しんだ点に気づかせる また、他社と異なり本文にも解説文にも﹁飛ぶ車﹂や﹁天の. て、前節で述べたような残された人間中心の描き方にも触れる. 羽衣﹂に触れていないので、振り返っても矛盾は無い。しかし 解説文には、﹁かぐや姫は、瑚刊付図着ていた衣を、新出粗末人. ことができるだろう。. あることは、他の二場面︵前掲表参照︶のかぐや姫の姿からも、. 10︶ に触れるとよいのではないか。いずれにしても﹁飛ぶ車﹂. や、到来の場面の翁や武士の仕草による﹁飛ぶ車﹂ の暗示 ︵図. 併せて、彼の富士山と共に措かれた三人の天女︵②、図ほ︶. の持参した不死の薬を、それぞれ手紙をそえて残し﹂とあり、. はっきり確認できる 香車色のようなオレンジ系の地に、金泥. 出した表現や、残された人間達のクローズアップの技法、すや. 衣を脱いだことには触れている。姫の衣が今までと全く同じで. で唐草のような文様が全面に措かれ、所々に赤と青の菊花のよ ふたえ うな文様が措かれている。二階織物であろう︶。よって、整合. り霞による分断と連続の方法など、絵巻の表現力の豊かさにも. の様子は鑑賞者の想像に委ねられているのである。画面をはみ. 性を考えれば解説文で形見の衣にあえて触れないという方法も. 41.
(19) 触れることができる。本文に即応したわかりやすさは無いが、 種々示唆的である。. また︻学図︼が物語のポイントとして挙げる中に、主人公は. よいだろう。. 挙げている ︵表参照︶。﹃竹取物語﹄自体の挿絵は、最初の貢の. を付け、﹁天の羽衣﹂ の脚注にも人間の感情と記憶を失う点を. もかぐや姫と翁・姫そして中将を対等に措き、かぐや姫のみを. 翁・姫に焦点を絞る ︻三省堂︼ の①吉田本はもちろん、その他. 涯が措かれてはいる。それを考える際にも、昇天囲において、. 蓬生︶ とも﹁竹取の翁﹂ ︵同絵合︶ とも呼ばれ、かぐや姫の生. 誰かというのがある。確かに、﹁かぐや姫の物語L︵﹃源氏物語﹄. 絵本の写真のみだが、﹁時をこえて﹂という単元の表紙の見開. 措いたものが近代絵画まで無かったことが、ヒントの一つにな. ︻学図︼も、﹁ふと﹂以下の本文を載せ、左側に部分的に訳. 物の部分を掲載している。右頁が到来の場面だが、後ろの三人. き二頁︵⑫武田祐吉氏旧蔵本、国13︶ に、二両面のそれぞれ人. るだろう。. 几帳に囲まれ、平安時代の姫君らしい様子で措かれている。彼. 写真や挿絵が活用できる。︻放出︼ の ﹁教師用指噂昔﹄ ︵教育出. 語を深く読む為、また、伝統文化の豊かさを知る為に、絵巻の. このように、各社何らかの手続きが必要だが、それぞれに物. おわりに. は切れて見えない。雲の下には鎧をまとい弓矢を持った幣=郡帰の 武士達が措かれている。左円ハは、かぐや姫、姫、侍女二人のい. 女達は右側の屋外を先にしているが、この絵は元の絵巻では天. 版株式会社編隼局編、平18・3︶ の﹁教材研究編 第1郎﹂に. る室内の絵である。翁はいない。かぐや姫は、当然和風装束で、. 人到来より前にあり、月を見やったものである。それを、この. も、﹁親しみをもたせるためにも、多くの資料や映像を活用し. たい﹂とある ︵一八〇頁︶。もちろん国語の時間に限らず、総. ている。左右の頁が、迎える例の日本的な装束や調度の女性達 のいる室内と、雲に乗り唐風装束で鰐を持ってやってくる若い. してもよいだろ、つ。. 合的な学習の時間などで絵巻を調べる作業などと合わせて追究. ように左側に配置することで、天人を迎える場面のように見せ. 男の天人達と武士連のいる屋外、というふうに対照的になって. 注. いるのである。他社も追求している平安時代のイメージ・雰囲 但し、人物のみ掲げているので絵巻の全体像がわからないと. 気が、最もよく伝わるように思われる。. 心に−L ︵﹃札幌H譜研究﹄ 12、平19・7、本誌︶ には、. 導法について−﹃おくのほそ道﹄と他の詩歌の連環を中. ︵1︶ 拙稿﹁中学校国語教科無]における古典散村の選択と指. たものである。一方︻東詰︼は、詞書も併せて掲載していた。. も言える。石質は、横長の画面の六分の一ほどの帽を切り取っ 絵巻の全体については、図版やウエツプサイトなどで見せると. 42.
(20) 巻末の発展・資料を含め、各社の全学年の古典教材一覧 ︻教出︼は、平成五年度版には無いが、九年度版の口. 表を載せた。. ︻三省堂︼は、平成九年度にも無く、口絵掲載を経ず. 大正時代の吉川霊草の日本画もあったが、十八年度版は. きつかわれいか. に、十四年度の挿絵に絵巻二図が掲載された︵吉田本︶。. り見やすくなった。. 絵巻のみ。求婚の絵は省かれたが、昇天囲は大判化でよ. ︵2︶ 帰る・天人到来・昇天︶ 掲載。十四年度版からは、うち. ︻学図︼は平成九年度に無く、十四年度の口絵に小さ. 絵二貞に吉田本︵略称は第三節参照︶ を三国 ︵家に連れ 〓凶 ︵家に連れ帰る︶ を挿絵一頁に掲載。口絵からは無. 八年度版で口絵の絵巻は無くなり、単元の表紙に武田祐. く絵巻が掲載された ︵諏訪本、昇天囲を含む五同︶。十. しては絵巻を未掲載である。. 書氏旧蔵本が掲戟された。つまり﹃竹取物語﹄ の挿絵と. ︻束帯︼ は、平成二年度版には無いが、五年度版の口. くなる。 絵に折込の三頁分で吉田本の天人到来を掲載。九年度版. ︵3︶ 久保木寿子氏﹁絵本・絵巻と物語表現﹃かぐやひめ﹄. も同株で、十四年度版ではそれを裳見返しの見開き二頁. の背景−﹂ ︵﹃白梅学問短期大学紀要L 40、平16・3︶。. 分に掲載。十人年度版で初めて挿絵に絵巻を用いた ︵東 大本︶。なお、同社の ﹁国語総合賓料集﹄ には、以前か. 年度版はそれらの一部が大きくなり、舞楽凶が増えただ. 編挿絵へ。その他にも単元初めの挿絵が充実した。十八. 皇子の訪問・中納言いそのかみのまろたりの落下︶ は本. 学全集﹄︵新編全集、平6、他は旧版と同じ︶。武藤本は、. 訳、古活字十行甲本︶、︻三省堂︼が﹃新編 日本古典文. 本古典文学全集﹂全集、小学館、昭47、片桐洋一氏校注・. 平9、堀内秀晃氏校注、他は旧版と同じ︶、︻光村︼が﹃日. は武藤本︶、︻東習︼が¶新 日本古典文学大系﹄︵新大系、. ︵大系と略す、岩波書店、昭32、阪倉篤義民校注、底本. 各社の出典は、︻教出︼︻学園︼が¶日本古典文学大系﹄. 四節︶。. ているが、昇天に関わる本文の扱いは異なる ︵表及び第. ︵4︶ 冒頭の文章は、平成十四年皮版と同じく全社が掲載し. ていない。. 以下、氏の論は全てこれによる。⑦④⑪胸†⑰は見られ. ︻光村︼昭和五十九年度版は、口絵の見開き二頁に小. ら東大本を多数掲載。 林古径の﹁昇天﹂を掲載︹早くも六十二年度版で口絵を 二・五・九年度版と続き、十四年度版で口絵見開き二頁. 吉田本一頁二図 ︵共にくらもちの皇子︶ に変えた。平成 に再び古径の≡図﹁竹林之翁・難破・昇天﹂を掲載。吉. けでなく、紙にツヤもあり、より鮮明になった。﹃竹取. 田本五図 ︵かぐや姫を連れ帰る、求婚・昇天・くらもち. 物語﹄ の挿絵は国会凶書館本に変わった。. 43.
(21) 武藤元信氏旧蔵・天秤大学図吾相蔵の天正二十 〓五九. 姫がどんなに喋き悲しんでも、今はどうしようもない。. 店も挙げる版よりは前のものである。﹁茨城多左街門板﹂. 多左街門板﹂ の後刷であり、刊記に辻本尚書堂の東京支. コピーした。注 ︵7︶ 掲載の吉田幸一氏蔵の囲版﹁茨城. ︵9︶ 北海道教育大学附属図謹館械の﹃絵入竹とり物語﹄を. 体化して措いている。﹂ ︵七九頁︶ と解説されている。. 士山と天上界とを、金の霞雲 ︵かすみくも︶を使って﹂. そうな両面である。﹂ ︵七人頁︶、②は﹁︵前略︶内婁と富. 雲に乗って昇天してしまう。仙女の音楽でも聞こえてき. 本稿での引用も大系によるが、漢字を新字体に変え、. 二︶ 年奥書写本で、最古の完本。. 補入・訂正の括弧は省き、踊り字や改行箇所も変えた。 善願文などの亡母・亡妻追慕における﹁朝雲基雨Lの故. ︵5︶ 仙女との別れが死別と束ねられる例に、平安時代の追 事の引用がある。出典は﹃文選﹄巻十九・宋玉﹁高唐賦﹂。 等については、﹃平成十九年度中古文学会春季大会図書. のうち、特に刷りが椅鹿な新潟大学附属同省館佐野文庫. は、国文学研究寮料館蔵のマイクロフィルムの紙焼写頁. ︵6︶ 困撃院所蔵の二種類の絵巻の制作年代・サイズ・伝来. 展示目録L ︵同編隼委貞会、平19・5︶ による。注︵16︶. きrん. 命土佐広通・広澤父子両竹取物語図絵、同席寅 ︵=一六. ︵10︶ 巻末職語に﹁碇安L丑 ︵=一六四九︶如月、埼山老僕. 本︵E9971︶ で確認した。. も参照した。 ︵7︶ 徳田進氏﹃竹取物語絵巻の系譜的研究−橘守部作竹取 説は全て本吉による。以下、本吉の頁数を示す。. 物語絵巻への展開−﹄ ︵桜楓社、昭聖。以下、徳田氏の. 恭敬拝受了﹂ ︵徳田氏三三頁︶ とあり、詞昔が加えられ. 五〇︶ 晩冬、日生珠院宮 ︵=良尚親王︶ 調井完了、令知. 語﹄ ︵集英社、昭53︶、¶日本の古典3 グラフィック版. ︵8︶ 片桐洋一氏他¶図説日本の古典5 竹取物語・伊勢物. た完成年は慶安三 ︵〓ハ五〇︶ 年だが、ここでは措かれ. \\ww声afc.ryukOku.acJp\kichO\tOP.h冒こ に全て掲載さ. ﹁龍谷大学電子図書館貴重乗=画像データベース﹂ ︵http︰. れている。龍谷大学悌教文化研究所編・糸井通浩氏責任. ︵11︶. た同二 ︵一六四九︶ 年を探る。. 竹取物語 伊勢物語﹄ ︵世界文化社、昭57︶ による。. 後者は全図掲載。七九貫の昔日幸一氏の解説では、布 定Lし、﹁吉田本には識語がないが、絵の土佐派風といい、. 編廃 刊鹿谷大学前本責苦22 奈良絵本﹄ ︵思文閻出版、. 陣部本を﹁絵の筆法から、江戸時代中期狩野派の作と推 苦のお家流といい、東大本とほぼ同じころのものと見て. ︵12︶ 樺島忠夫氏F本物の絵巻を現代語でよむ 竹取物語絵. 大過はないと思う﹂と述べられている。昇天図はカラー. 盈到引。翁や. 平14︶ は未見。. の羽衣を着てしまうと、. で大きく、①について﹁かぐや姫も別れを悲しむが、天. 44.
(22) を付している。若干⑲再陵郎本が多い。⑧については、. 巻﹄ ︵勉誠出版、平ほ︶ は、⑧と⑲の絵を抄出し、全訳 ︵19︶. ﹃アサヒグラフ 別冊美術特集 前田青那﹄ ︵朝日新. ﹃アサヒグラフ 別冊美術特集 小林古径﹄ ︵昭58︶。. ︵21︶ 注 ︵柑︶ に同じ。. ︵20︶. 聞社、昭53︶。昇天図は、注 ︵8︶ の両本による。. 国立国会国許鱈︵http∵、\www.コd−.gOJp\︶の﹁電子同古館﹂. ︵23︶ 注 ︵13︶ 所収の ﹁たけとり物語㌔中野氏は解題で、. の作]mをみる﹂ ︵﹃国文学﹄ 38−4、平5・4︶。. ︵22︶ 田口螢一氏﹁近代に蘇った竹取物語絵巻1青那,古径. 中の﹁貴重書画像データベース﹂で全て見ることができ る ︵﹃竹取物語L。. 田大学出版部、昭62︶ による。. ︵13︶ 中野幸一氏編﹃奈良絵本絵巻集1 竹取物語﹄ ︵早稲. 絵の比較から﹁版本の挿画を基に措いたものと推定﹂さ る識語がある。. れている。天明元 ︵一七八一︶ 年六月付けの来歴を伝え. ︵14︶ 諏訪市博物館︵http=\\www.city.s亡Wa.nagaコOJp\scm\︶. 諏訪市博物餌編﹃竹取物語絵巻﹄ ︵平15︶ は未見。. ︻放出︼と日本苗籍新社の教科汚には掲我されている。. ︻学図︼が﹃宇治拾遺物語﹄の後に見開きで掲載する﹃伴 的な例である。. 大納言絵詞﹄ の亜喧嘩の場面も、﹁異時同図法﹂ の代表. 付記=図版掲載を御許可下さった園璧院大澤図書鮎、間数示. ︵望. の館蔵資料紹介による。絵は同じく全画像データによる。 ︵ほ︶ 中野幸一・槙溝博氏編 ﹃九曜文軽蔵 奈良絵本・絵巻. 平19︶ の出版案内。本帯自体は未見。. 集成︻第一期大型絵巻︼1 竹取物語絵巻﹄︵勉誠出版、. ライブラリー︵貿重苦・コレクション︶﹂ ︵ht号\\ww声. ︵川︶ 武凹祐吉氏旧蔵本は、団撃院大粗†図書館の ﹁デジタル. と御取り次ぎの労を賜りました同林利久氏、苫小牧駒沢. 大学林晃平氏に御礼申し上げます。. ︵平成十九年六月二十七日、各サイトの最終閲覧臼も同日︶. kOkugakuin.acJp\iロfO\lib\digita〓ib\︶ に全て掲成。. F竹取翁併かぐや姫絵巻物㌔注︵8︶の両本と注︵12︶. による。後者には杉本まゆ子氏による解説がある。. ︵17︶. 勢物語﹄ ︵河添房江氏縮、朝日新聞社、平12・1︶ 図版. ︵18︶ ﹃週刊朝日百科 世界の文学26 日本Ⅰ 竹取物語・伊 解説による。﹁かぐや姫の昇天は、仏に迎えられる往生 い中で、縦長の画面を生かして天と地との隔たりがみご. 者のごとく荘厳で美しい。構図は、横長の絵巻などが多 とに表現されている﹂。. 45.
(23) −−▼▲■ソり一−、、− ̄㌦. ・−. r. ・−・:・. 、・・、・・、・こ∴: 図1 教育出版. 国4 教育出版. 図5 国学院大草附属図書館蔵1十取物語絵巻』(小型本). 図6 東京書籍 −46−.
(24) 図8 東京言責篭. 囲9 光村図書 −47−.
(25) 図11三省堂. 図12 三省堂. 図14 r絵入竹とり物語』. 図13 学校図書 一48一.
(26)
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