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中学校におけるスクールワイドで取り組むソーシャルスキル教育~生徒指導に特別支援教育の視点を取り入れた支援とその効果の検証~

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Academic year: 2021

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(1)中学校におけるスクールワイドで取り組むソーシャルスキル教育 一生徒指導に特別支援教育の視点を取り入れた支援とその効果の検証一                                 特別支援教育学専攻                                    特別支援教育.                              コーディネーターコース.                                M08120H田中淳司. 実践や生徒指導に特別支援教育の視点を取り入れ. I問題と目的  学校不適応の1つである不登校については、2. た支援が有効であるかどうかを検証することを目. 009年度の文部科学省の報告によると小学校で. 的とする。. は、314人に1人の割合であるのに対し、中学. 皿方法. 校になると35人にユ人の割合へと急増している。 不登校のきっかけと考えられる状況については、. (1)対象. 学校1川西市立X中学校(288人). rいじめを除く友人関係をめぐる問題」が一番多.    学級数各学年3クラス、計9クラス. く、中学生の学校不適応において、友人関係が大.    特別支援学級1クラス(4名在籍). きく関係している。また、特別支援学校の新学習. (2)研究の手続き. 指導要領では、自立活動の内容にr人間関係の形. ①本研究の理解促進のための研修会の実施. 成」という区分が新しく設けられ、対人関係を円. ②筆者による指導案骨子の提案・模擬授業の実施. 滑にする等の観点での支援が示されている。この. ③各学年で生徒の実態に合わせた指導案作りのた. ように特別支援教育において、ソーシャルスキル.  めの話し合いが持たれ、工夫が加えられる。. 教育の果たす役割は重要である。. ④スクールワイドでソーシャルスキル教育の研究授.  また、教科担任制の中学校で、効果的にソーシ.  業を実施する。. ャルスキ〉レ教育を実施するためには、スクールワ. ⑤ソーシャルスキル教育の授業実施後に全教職. イドで取り組む必要がある。さらに筆者は、授業.  員は、全教育活動において、生徒指導に特別. の標的スキルを全校で統一することにより、全教.  支援教育の視点を取り入れた支援を行う。. 師が共通の手立てで全教育活動を通じて支援する. ⑥生徒たちによる、スキルの定着のための取り組. ことが可能になると考えた。そこで、教師がスキ.  みを実施する。(生徒会活動と連携した朝のあ. ルの定着を図るために、生徒に行う取り組みを生.  いさつ運動。体育大会の練習場面を活用し、標. 徒指導に特別支援教育の視点を取り入れた支援と.  的スキルを取り入れた呼びかけをする等。). (3)効果の検証. 位置付けた。.  本研究では、ソーシャルスキル教育の授業をス. 手立て 1:実施された研究授業ごとに、研究授業. クールワイドで実施する。授業実施後に全教職員. 実施2日後と2週間後に全校生徒対象に標的スキルに. は、生徒指導に特別支援教育の視点を取り入れた. 関するアンケートを実施する。. 支援を行う。これらの手立てにより、全校生徒及. 手立て2:学級担任は、対象生徒へのアンケートと、. ぴ対象生徒たちにソーシャルスキル教育の授業の. スキル定着についての経過を観察し、記録をする。. 一238一.

(2) 回全校ソーシャルスキル教育研究授業「あたたかい. 皿結果  本研究の効果検証の手立て1において(時期と学. 言葉かけ」について標的スキルの活用頻度が5項目. 年の2要因による繰り返しのある分散分析を実. のうち4項目において、それぞれ2日後より2週問. 施。). 後の方が各尺度別合計の値が上っていることが確.  第1回全校ソーシャルスキル教育「心地よいあい. 認できた。. さつ」について.  時期においては、PreとPost2,Post2と Fo11ow−Upの間、Post1とFo11ow−Upの間に5%水. ‘櫃業2日後 ’授業,週間後. 準で有意な差がみられ、いずれも後の時期の得点が. 高かった。学年については、1年生と2・3年生の. 間に5%水準で有意な差がみられ、1年生の方が 図1.担任による観察経過による評価尺度の比較。授業名「心地よいあいさっ」. 2・3年生よりも得点は,高かった。. 〔全対象生徒の各尺度別合計値を2日後と2週間後で比較〕.  第2回全校ソーシャルスキル教育「上手な聴き 方」について.  時期においては、PreとPost1・Post2の間に5% 水準で有意な差がみられ、PreよりもPost1・Post 2の方が得点は高かった。学年においては、1年生. と2・3年生の間に5%水準で有意な差がみられ、 1年生の方が2・3年生よりも得点は,高かった。 第3回全校ソーシャルスキル教育「あたたかい言葉. 1V考察  2つの効果検証の分析結果から、いずれにおいて も、効果が検証された。その背景には、全校の教師 が共通理解のもと本研究に取り組んだこと、またス クールワイドで行ったこと、学校行事の練習場面の. 活用や生徒会活動との連携といった様々な手立て. かけ」について.  時期においては、PreよりもFo11ow−Upの方が 5%水準で有意に得点が高かった。学年においては. 1年生のほうが2・3年生よりも5%水準で有意に. が効果的に標的スキルの定着に作用したのではな いかと考えられる。また、定期的に担任が行った、 対象生徒の経過観察は常に生活場面において、スキ ルについて意識することになる。このことは、個別. 得点が高かった。. の支援にとどまらず、全体への生徒指導へとっなが.  本研究の効果検証の手立て2において  比較の仕方については、特別な配慮を必要とする. 生徒全員(11名)の各尺度別合計値を各研究授業. 実施2日後と2週間後で比較するという方法で打. ったのではないかと考察する。.  したがって、教師による全校生徒へのソーシャル. スキル教育の研究授業後の標的スキルの定着を促 すための生徒指導に特別支援教育の視点を取り入. つだ。.  第1回全校ソーシャルスキル教育研究授業r心地 よいあいさつ」について標的スキルの活用頻度が5. 項目のうち3項目(図1参照)、第2回全校ソーシ ャルスキル教育研究授業「上手な聴き方」について. 標的スキルの活用頻度が5項目のうち3項目、第3. れた支援と、特別な配慮を必要とする生徒に対する 担任教師による支援の相乗効果により、対象生徒と 全校生徒にとって、有効であることを検証できる研 究であったと考察する。.           主任指導教員 柘植 雅義. 一239一.

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参照

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