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中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態 ―上海市の実践を通して―

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(1)21世紀東アジア社会学 第10号. 中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態 ―上海市の実践を通して― The Support for the Elderly with Dementia and Family Caregivers in Urban Area of China: Through the Practices of Shanghai   馮 怡. 内容提要  1 中国人口老龄化程度最深的上海市面临着严峻的痴呆老人 问题。据上海老龄科学研究所 的推算显示,截止 2016 年上海市痴呆老人总数已经占到全市老年人总数的 7%。 现阶段,中国的现实国情决定了家庭是痴呆老人照护的首选和重要场所。虽然上海市早在 2008 年就开始试行了一系列针对痴呆老人的政策,并且尝试开展面向痴呆老人的社会养老服 务,但是现阶段有能力接收痴呆老人的日间照料中心和养老机构十分有限,大部分痴呆老人仍 然主动或被动地选择了居家养老。同时,随着人口老龄化的加剧,老年人群的痴呆发生率持续 上升,家庭照顾者将面临沉重而且形式多样的照顾压力。 通过上海市的实地调查发现,围绕痴呆老人及其家庭照顾者开展的支援活动存在着针对 性政策缺位、社区支援乏力、NGO 组织发展困难、痴呆老人家庭照顾者支援政策和支援活动空 白、痴呆老人问题社会关注度低等问题。 关键词:痴呆老人;家庭照顾者;支援;上海 キーワード:認知症高齢者;家族介護者;支援;上海. 1.はじめに 世界的に高齢化問題が大きな課題となってきている。そのなかでも認知症高齢者に関わ る課題は国境を越えた普遍性をもって、その深刻さが徐々に増している。こうしたような社 会発展の流れに沿っている中国では、認知症高齢者の問題が顕在化してきている。 中国国家統計局が公表した最新の統計データによると、2017 年 12 月 31 日現在、中国に おける 65 歳以上の人は 1 億 5831 万人であり、総人口の 11.4%を占めているという。その うち、認知症高齢者の数に関する確実な統計データはまだ発表されていないが、『ランセッ ト』誌に掲載された研究論文によると、2010 年現在中国のアルツハイマー患者数(以下、 「AD 患者」とする)はすでに 569 万人を超えたという状況である(表-1)。また、2015 年 8 月に発 表された『世界アルツハイマー報告書 2015』により、中国の AD 患者が世界一であること が明らかになった(図-1)。. - 104 -.

(2) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. 表-1. 中国における AD 患者数の推移 単位:万人. 年. AD 患者数. 1990. 193. 2000. 371. 2010. 569. 出所:Chan KY, Wang W, Wu JJ, Liu L, Theodoratou E, Car J, Middleton L, Russ TC, Deary IJ, Campbell H,  Wang W, Rudan I; Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG), 2013より筆者作成 . 1000 900 800 950 700 600 500 400 300 200 100 0. 740 410. 310. 160. 160 130 120. 120 120. 出所:『世界アルツハイマー報告書 2015』、世界アルツハイマー病協会より筆者作成. 図-1. 諸国の AD 患者(単位:万人). 2. 上海市における認知症高齢者問題の現状 (1)認知症高齢者数の膨大さ 深刻な高齢化が進む中国において、上海市の高齢化問題は最も顕著である。国の水準より 21 年も早く、1979 年に高齢社会に入った上海市は、2015 年 12 月 31 日現在 60 歳以上の高 齢者が 435.95 万人に達し、当市の総人口 1442.97 万人の 30%超の「超高齢」超大都市 2 であ る(「上海市老年人口統計データ」、2016)。また、上海市老齢科学研究センターの推算(2016) により、認知症高齢者数が当市総人口数、総高齢者数それぞれの 7%、21%を占めているこ とが明らかになっている。さらに、『上海藍皮書:上海発展報告』(2017)によると、上海市 戸籍のある高齢者のなかで、認知症高齢者が 17 万人もいる。. - 105 -.

(3) 21世紀東アジア社会学 第10号. (2)伝統的扶養習慣の固着と介護施設の不足 中国において、かつてより西洋文化と異なる家族扶養思想である「親孝行」が社会規範や 法的規定に浸透し、「家族介護」を重視する文化は昔も今も変わらない。そのような伝統的 扶養習慣及び国の社会経済状況のもとで、殆どの認知症高齢者が家族介護を受けながら自 宅で生活している(張、2007)。 また、認知症介護に対応する専門的施設が欠如している。上海市医学会神経内科学会で公 表された統計データによると、公私を問わず、2014 年現在上海市の医療・介護施設で生活 している認知症高齢者は 5215 名であり、高齢者施設で暮らしている認知症高齢者は 4757 名 という。実は、2008 年ごろ、全国初の「認知症介護センター」が上海市第三福利院(別称: 上海民政老年医院)のなかに設立された。それは認知症高齢者に適応した生活環境のもとで、 専門的な研修経験のある介護員の介護を受けながら、認知症症状を緩和することを目指す 施設である。しかしその後、認知症介護の特徴、認知症介護の特異性による認知症高齢者の ニーズと認知症でない高齢者のニーズとの不調和、専門介護員の欠如などの原因で、上海市 において認知症高齢者の専用施設の設立は難航している。 (3)家族介護者の介護負担の重さ 認知症高齢者が自宅で生活していることは、ある意味で家族が介護の主力に位置づけら れたことと考えられる。特に認知症高齢者の介護において、行く末に見えない不安、目を離 せない緊張感、時間的拘束などの要因に加え、周囲から「家族のやるべきこと」という目で 見られてしまうことによって、家族介護者は相当な介護負担を背負っている。 2017 年 12 月に認知症高齢者及び家族介護者への支援を目的とする NGO 組織、「上海尽 美長者服務センター」(以下、「尽美長者」とする)は上海全市で、認知症高齢者の家族介 護者を対象にアンケート調査を行った。その調査によって、外部からの支援サービスを一切 受けずに、家族の力だけで認知症高齢者を介護している家族は 43.33%を占めたということ が分かった。介護負担を軽減するために、認知症高齢者を受け入れる施設の充実、レスパイ トケアや経済的援助の提供など、家族介護者の様々な要望が同調査では挙げられている。 (4)認知症に対する社会的認識の低さ 現実から言うと、上海市では認知症高齢者の介護をめぐる様々な社会問題が徐々に注目 を浴びるようになってきた。2015 年、上海市出身の女性作家である薛舒の小説『遠くに行 く人』(『遠去的人』)によって、認知症高齢者の介護問題が上海市では一時的な話題にのぼ った。その後、認知症の老老介護問題について、作られたドキュメンタリー『あなたしか知 らない』3(『我只認識你』)が 2017 年 11 月 17 日に上海市で初上映されて以来、同様の体験 のある家族介護者の共感を得、テレビニュースでも連続して報道され、さらに社会的反響を 呼んだのである。 つい最近まで、上海市では、認知症に関する新たな啓発活動が連続的に行われてきた。 2018 年 8 月 20 日より、上海市教育テレビ局が作った認知症高齢者に関わるスペシャル番組 『愛に満ちる都市. 記憶を守る』(『大城有愛. 守護記憶』)は 20 回に分けて放送されるこ. とになった。また、上海市民政局は「認知症高齢者に愛情を与えよう」(「関愛認知症老人」) ということを 2018 年の「中華慈善日」のテーマと設定し、9 月 4、5 日に上海全市の 16 区. - 106 -.

(4) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. で認知症に関する講座が行われた。 3. 上海市における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態 (1)公的政策の作成 認知症高齢者の介護問題を円滑に解決するために、上海市では一連の公的政策が作り出 されている。たとえば、2009 年より診断された認知症高齢者に障害者手帳を配るとともに、 障害手当てを支給する経済援助がある。 また、2013 年に開催された第 13 回上海市民政会議によって、5 年以内に各区(県)で認 知症高齢者を主対象者に受け入れる公立施設を 1 ヵ所以上設立することが決定された。そ の後、2016 年に公表された「上海市老齢事業十三五計画」は「失能老人」4 の介護問題を重 点に置くことに言及した。続いて、2017 年 4 月より実施されている「上海市社区養老服務 管理办法」のなかで、介護サービスを行う際には、政府主導と企業や NGO 組織の参与の結 合、介護サービスと医療サービスの結合、専門職による介護と家族介護の結合という「三結 合」をスローガンとし、「失能失智老人」「半失能失智老人」の健康状態に応じた多様なサ ービスの提供を中心とすることが再強調された。その後、上海市の一部の街道、社区では認 知症高齢者専用のデイサービス、家族介護者向けの介護者教室とレスパイトサービスが相 次いで行われてきた。 その一連の動きのなかで、ハイライトになったのは「認知症介護床位設置工作方案」(以 下、「設置工作方案」とする)の公表である。2018 年 4 月に上海市民政局が「設置工作方案」 を発表した。その方案では、2018 年 12 月までに、上海市に合計 1000 床の認知症高齢者を 介護する療養病床が設置されることとなっており、さらに「認知症」に対する用語、認知症 介護のしおり、介護職員の配置基準、洗面所のデザインまで細かく規定されている。当方案 は全国初の認知症高齢者に焦点を当てた政策として高く評価されている。 (2)社区で行われている支援活動 「家族扶養」と「在宅介護」が提唱される今日の中国では、他の高齢者と同じく、殆どの 認知症高齢者も自宅で生活している現状である。そこで、最も基本的な支援の仕組みと見ら れる社区介護サービスに触れてみたい。この節では、静安区の CJD 高齢者デイケアと普陀 区における CS 社区の隣里センター、2 ヵ所の施設の支援実態を紹介する。 1)CJD 高齢者デイケア この施設は 2009 年から運営されており、2016 年 5 月より主に初中期の認知症高齢者を対 象者とするデイケアに転換した。 ① 対象者:主に初・中期の認知症高齢者。現在、約 20 名の認知症高齢者が利用している。 ② 利用料:400-2600 元/月(認知症高齢者の身体状況に応じる)、12 時間のサービスを利 用する場合には 200 元/月を追加;食事代:10 元/食 ③ 人員配置:管理職 1 名、看護師 1 名、リハビリテーション専門職 1 名、介護員 2 名 ④ 特徴:街道、病院(上海第四リハビリ病院)、民間企業(上海頤家老年事業発展センタ ー)の三方が連携し、介護サービスを行うこと。. - 107 -.

(5) 21世紀東アジア社会学 第10号. 表-2 CJD 高齢者デイケアの利用詳細 項目. 過去. 現在. サービス内容. 食事、話し合い、レクリエーショ. 入浴、リハビリ、栄養指導、体. ン. 調管理、医療行為など. 利用時間. 9:00-17:00(8h). 利用制度. 固定制. 9:00-17:00(8h) 7:00-19:00(12h) 穴埋め制. 出所:筆者作成. 2)CS 社区の隣里センター 長寿路街道に所属するこのセンターは現在、上海福苑養老服務センターに委託管理され ており、そのなかに、一般高齢者向けのデイケア、認知症の早期発見・早期予防センターと 長寿健康共同サービス基地 3 ヵ所が設置されている。地域住民に認知症予防に関する知識 の発信地として、ここで認知症早期発見・早期予防センターの取り組みに少し触れたい。長 寿路街道は上海市にある「上海剪愛公益組織」(以下「剪愛公益」とする)という NGO 組織 と手を組みながら、同センターで認知症の早期発見・早期予防プログラムを推進している。 ① 対象者:軽度認知障害(MCI)あるいは認知症初期の高齢者。現在 11 名(ほとんど 85 歳 以上)が利用している。 ② 利用料:30 元/日 ③ 人員配置:管理職 1 名、ソーシャルワーカー1 名、リハビリテーション専門職 1 名、介 護員 2 名 ④ 特徴:多彩な認知症予防・短期リハビリテーションを行うこと。たとえば、園芸療法、 音楽療法、リアリティ・オリエンテーション。 (3)認知症高齢者及び家族介護者を支援する NGO 組織の実態 以上で述べた公的政策の作成と社区で行われている支援活動のみならず、発達した都市 としての上海市は、中国のなかでも NGO 組織の発展が最も進んでいるため、認知症高齢者 及び家族介護者へのインフォーマルサポートも盛んである。すでに触れた「剪愛公益」は認 知症の早期予防・早期発見の領域でかなり活躍している。この節では、認知症高齢者、特に その人たちの家族介護者に目を向ける NGO 組織である「尽美長者」の支援活動の実態と、 上海市赤十字社の「在宅重度認知症高齢者を救助する」プログラムを紹介する。. 1)「尽美長者」の支援活動 「尽美長者」は 2012 年に上海市で設立された認知症高齢者及び家族介護者を支援する NGO 組織である。設立当初は高齢者向けの認知症の早期予防及び家族介護者の支援を目的 としていたが、現在認知症高齢者を抱える家族介護者への支援に主力を置いた一連の活動 を行っている。理事長である張春紅氏は認知症になった母を介護してきた長年の経験を他 人に分かち合うためにその施設を設立し、2017 年 5 月現在スタッフは 8 名であり、会員数. - 108 -.

(6) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. は約 250 名である。 ① 運営状況 運営する所要の資金源が 3 つある。主な資金は政府との共同研究などによって与えられ る補助金である。残りは上海仁徳基金会、上海聨勧公益基金会などの各基金会からの経済支 援と、個人ないし企業からの寄付金であるが、いずれもわずかな金額である。 ② 支援活動 基本的にいえば、行われている活動は一般活動とオンライン活動の 2 種類に分けられる。 以下、それぞれを紹介する(表-3)。. 表-3 「尽美長者」が行っている支援活動 類型. 名称 「家族の集い」. 内容 家族介護者が集まり、相談ごとや悩み、介護経験を共有する集い. 一般. 「テーマサロン」. 家族介護者が関心のあることをテーマとして開かれる講座. 活動. 「認知症カフェ」. 認知症高齢者及び家族介護者に記憶訓練の方法を紹介する活動. 「施設見学設定」. 施設入所を希望している認知症高齢者と家族向けの施設見学. オンライ. ウィーチャットグループでのコミュニケーション. ン活動. ウィーチャット購読アカウントでの情報発信 出所:筆者作成. 一般活動は「家族の集い」、「テーマサロン」、「認知症カフェ」と「施設見学設定」の 4 種類に分けられる。「家族の集い」とは、認知症高齢者を抱える家族介護者らが集まり、 愚痴や悩み、介護経験を共有する集いである。この集いは年間 2、3 回行っている。「テー マサロン」とは、家族介護者が関心のあることをテーマとして開かれる講座である。医療系、 リハビリ系、法律の専門家などを誘い、毎回選定されたテーマで講座を行う。今まで、「認 知症介護」「家族介護者のカウンセリング」「成年後見制度」という内容の講座を開き、家 族介護者間で話題になった。そのほか、尽美長者が主催する「認知症カフェ」と日本の認知 症カフェは少々違う。それは認知症高齢者及び家族介護者に記憶訓練の方法を紹介する活 動であり、現在不定期に行われている。「施設見学設定」は 2017 年 11 月から始まっている 新たな活動である。入所見込みのある認知症高齢者本人と家族介護者は見学要望があれば、 認知症高齢者を受け入れる施設の実際訪問を行う支援活動である。 また、一般活動より、尽美長者のオンライン活動の方がさらに活発である。オンライン活. - 109 -.

(7) 21世紀東アジア社会学 第10号. 動とは、主に尽美長者のスタッフが作り出したウィーチャットグループ 5 のコミュニケーシ ョンである。その SNS ツールによって、認知症高齢者を抱えている家族介護者は互いに愚 痴をこぼしたり、情報・経験をシェアしたりすることが多い。 上記のような認知症高齢者及び家族介護者を直接対象者とする支援活動以外に、一般市 民を対象とした「認知症友だち」と「認知症フレンドリー使者」という 2 つの情報発信活動 もある。「認知症友だち」とは「尽美長者」のウィーチャット購読カウント 6 で、認知症知 識に関連するデジタル冊子を読んだ市民たちに、当組織のマスコットを配布するプログラ ムである。「認知症友だち」になって以降、尽美長者が主催する連続講座に参加し、最後に 筆記試験に合格した参加者には記念バッジを与えられ、 「認知症フレンドリー使者」になる。 学んだ認知症に関する知識によって、身近な認知症高齢者及び家族介護者に何らかの支援 を提供することが「認知症友だち」と「認知症フレンドリー使者」に求められる使命である。 いずれも日本の「認知症サポーター」を養成するプログラムと似ている。 ③ 地域・企業との連携 「認知症フレンドリー社区」を作るために、2017 年 6 月から尽美長者は当組織が所在す る塘橋街道と協働し、2018 年 4 月に当街道で「社区認知症家庭支持センター」(「記憶之 家」)を設置した。このセンターは認知症高齢者への非薬物療法の提供、家族介護者への心 理カウンセリング、認知症高齢者を抱える家庭へのケアプランデザインという 3 本柱をも って支援活動を行っている。当センターの設立によって、「塘橋街道」 → 「浦東新区」 → 「上海市」 というような放射状に広がる支援ネットワークを作ることを目指していると尽 美長者の担当者は述べた。 その他、社区との連携のみならず、企業との連携も目覚しい。CSR7 を重視する企業と手 を組みながら、社会全体が認知症高齢者にやさしい環境を作ることを目指す。たとえば、全 社会の認知症高齢者及び家族介護者への関心を集めるために、大手 IT 企業であるオラクル (ORACLE)と連携し、2014 年から毎年子供のハイキングイベントを行っている。また、2016 年から「認知症フレンドリー機構」というプログラムも普及している。尽美長者は、「認知 症フレンドリー機構」に入りたい企業の内部で認知症講座を開き、多くの従業員が「認知症 友だち」と「認知症フレンドリー使者」になる積極性を引き出し、認知症になった顧客、あ るいは認知症に関わっている顧客に適切に対応できるようになることを目的としている。 2)上海市赤十字社が主催する「在宅重度認知症高齢者を救助する」プログラム 上海市福祉宝くじファンドの補助金により、上海市赤十字社が主催する「在宅重度認知症 高齢者を救助する」というプログラムが 2009 年より全市で行われている。2017 年 10 月現 在、およそ 21 万人の在宅介護を受けている重度認知症高齢者は 3400 万元の援助を受けて いる。 ①. 各サービスの内容 このプログラムは介護用品の提供、介護方法の伝授、ボランティアの養成という 3 つのサ. ービスを提供している。 ―介護用品の提供. - 110 -.

(8) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. 2009 年年末により、当組織が上海市の盧湾、黄浦、普陀、宝山、奉賢の 5 区、11 街鎮に 属する認知症高齢者数を把握し、厳しい状況に陥っていた普陀区の長寿街道などで先駆的 に介護用品を提供し始めた。2010 年後半から上海市の 30 街道に広がり、 2017 年 10 月現在、 161 街道で行い、5000 名以上の重度認知症高齢者がそのサービスを受けている。 ―介護方法の伝授 ほとんどの認知症高齢者が在宅で介護を受けるという社会現状に応じ、もっと適切に介 護できるよう、家族介護者向けの認知症介護コースを定期的に開いている。 ―ボランティアの養成 このプログラムをきっかけに、各区(県)でボランティアチームが整えられた。プログ ラムの展開に伴い、各種の業務を担当している。 ②「在宅重度認知症高齢者を救助する」プログラムの限界 その限界は、まず利用する条件が厳格であることである。上海市戸籍があり、60 歳以 上、失禁かつ自立ができない、収入が上海市平均賃金を超えない、法律上明確な後見人あ りという 5 つの条件を充たさないかぎり、このプログラムの対象者にはならないのであ る。次は、経験のある講師が少ないということである。介護方法の伝授というサービスを 提供するために、講師特に経験のある講師が必要である。しかし、現段階では長期的かつ 豊富な介護経験のある講師が非常に少ない。最後に、ボランティアの養成コースが設けら れていても、定期的にコースに参加するボランティアが確保しにくいという現状がある。 4. 考察 (1)政策対象者の明確化と政策の実効性 上海市の「設置工作方案」が全国初の認知症高齢者に焦点を当てた政策として高く評価さ れているべきと考えられる。それにしても、当方案は以下に述べる課題がまだ残っている。 第一に、確実な認知症の定義と判定基準が欠如していることである。当方案は「老年痴呆」 「老年精神病」 「失智」などの呼び方ではバイアスが生じるため、それらの表現を「認知症」 という用語で代替することになった。しかし、認知症に対する定義、また認知症の判断基準 などは、方案のなかで明確に触れられていない。 実は中国において、現時点には「認知症」についての概念がいまだ安定した域に達してい ない。国でも地方自治体でも、「痴呆老人」「失能老人」「失智老人」「認知症高齢者」と いう、認知症高齢者に関わる 4 種類の呼び方が混乱して使われている現状である。そこで、 その四者の関係はどのような視点で捉えるべきかという問いが湧いてきた。現在、「痴呆老 人」が医療分野において最も使われる言い方であり、その場合「痴呆老人」イコール「認知 症高齢者」と思われる 8。「失智老人」は民政局など行政機関がよく用いている呼び方であ り、それは「認知症高齢者」だけでなく、精神障害になった高齢者も含まれるものである。 続いて、「失能老人」は「認知症高齢者」との関係を検討する。実は中国では、長年にわ たって実施されている高齢者の福祉政策は主に身体的機能に支障のある高齢者、いわゆる 「失能老人」を中心にしているのに対し、認知症高齢者を対象とする固有な政策が非常に少 ない。たとえば、財政部、発展改革委員会、民政部及び全国老齢工作委員会四部門が実施し た「関於作好政府購買養老服務工作的通知」(財社「2014」105 号)のなか、「失能老人」に. - 111 -.

(9) 21世紀東アジア社会学 第10号. 向けのサービスは繰り返し言及されたのに対し、認知症高齢者に関する明確な内容はほと んど触れられなかったのである。一方、中国全土において、2016 年より選ばれた 15 都市部 9. で試行され始めた介護保険制度の内容から見ると、ほぼ「失能老人」に焦点を合わせてい. ることが明らかになっている。 にもかかわらず、現時点では「失能老人」についての明確な公的定義や判断基準がない。 それに対し、科学研究機構や非営利組織等が作り出したものが多い。たとえば、中国老齢科 学研究センターの判断基準によると、食事、着替え、排泄、就寝、起床、入浴、移乗、いわ ば ADL6 項目のうち、1 つでも「できない」と回答すると失能老人と判断される。また、中 国老齢事業発展基金会が行う「慈航公益プログラム」のパンフレットによると、失能老人の 状態が「軽度失能」「中度失能」「重度失能」という 3 段階に分けられている(表-4)。中 国の高齢者福祉政策からみても、失能老人の介護を中心と規定する介護保険制度にも、その 失能についての共通の判断基準が定着されておらず、実施地域によって、失能の判定基準が 異なっている。 表-4. 「慈航公益プログラム」による「失能老人」の判断基準. 項目 . 軽度失能 . 中度失能 . 重度失能 . 起床 . 監視/最小介助 . 中等度介助 . 全介助 . 食事 . 監視/最小介助 . 中等度介助 . 全介助 . 移乗 . 監視/最小介助 . 中等度介助 . 全介助 . 記憶 . 短期記憶に曖昧 . 失った短期記憶が復元可能注  . 短期記憶障害 . 見当識 . 見当識正常 . 見当識に曖昧 . 見当識障害 . 出所:「慈航公益プログラム」のパンフレットにより筆者作成  注:第三者の提示によって、失った短期記憶が思い出せる場面を指す。   . では、すでに述べた「失能老人」と、「認知症高齢者」との関係はどのように捉えるべき なのだろうか。周知のように、種類によって認知症状が異なり、しかもすべての認知症が進 行段階とともに、症状が深刻化していく。特に後期段階に入ると、失禁・失語などの症状が 相次いで現れ、さらに寝たきりに移行するリスクが高い。つまり、後期段階の認知症高齢者 が「失能老人」の予備軍になると言えるであろう。こうした場合は、そのような認知症高齢 者が「失能老人」と認められており、支援政策も自動的に利用できるようになる。問題は初 中期に留まる認知症高齢者で、失能状態に至らない状況が続くと、利用可能な支援がないの である。言い換えれば、その人たちは政策の届かないところに置かれる恐れがある。今後、 「認知症」「認知症高齢者」等政策に緊密に関わる定義を改めて検討する必要があると考え られる。. - 112 -.

(10) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. 痴呆老人= 認知症高齢 者 . 失智老人            失能老人 . 出所:筆者作成. 図-2 「痴呆老人」「失能老人」「失智老人」「認知症高齢者」の関係図 第二に、療養病床の設置問題である。当方案は認知症高齢者の介護問題に対応するために、 一般の高齢者施設、あるいは長者照護之家 10 のなかに 1000 床の療養ベッドを設置すると明 記している。しかし、その療養病床の設置について、少なくとも以下のような 2 つの問題が ある。1 つはベッド数の問題である。1000 床という目標が掲げられたものの、何十万人の認 知症高齢者のニーズを充たすとは考えられない。さらに、これからも増加するニーズにどの ように対応していくか懸念される。もう 1 つの問題は設置拠点の問題である。一般の高齢者 施設も長者照護之家も、主に精神状態が安定している高齢者を利用者とする施設と思われ る。しかし、認知症という病気は、記憶障害、失認、妄想などの症状の進行とともに、一般 の病気より日常生活に大きな影響を与えられるため、そのような施設のなかに認知症高齢 者用の療養病床を設置すれば、認知症高齢者と認知症でない高齢者のニーズの調和、工夫を しなければならないところと思われる。 第三には、介護職員の専門性の確保である。当方案には、「介護職員やケアマネジャーは もちろん、管理職員も含む認知症介護に関わるすべての職員は、認知症知識に関する専門的 なコースを受けなければならない」と明記している。しかし、その「認知症知識に関する専 門的なコース」はどのような内容であるか、研修・講義の担当者はだれか、ということが具 体的に明確にされていない。 (2)社区の役割の再編 前述したとおり、上海市での一部の街道や社区、とりわけ剪愛公益と尽美長者が所属する 「長寿路街道」と「塘橋街道」において、認知症高齢者対応のデイケアをはじめ、早期発見・ 早期予防、認知症高齢者の家族介護者向けの介護者教室等の支援サービスは多種多様な形 で行われている。しかし、支援サービスの展開過程からみると、社区の主導ではなく、NGO 組織が組織自体の発展、あるいは影響力の拡大などを目指し、非常に積極的に参入している. - 113 -.

(11) 21世紀東アジア社会学 第10号. のである。殆どの社区は活動情報の掲示、活動場所の提供しか行っていない。つまり、中国 の都市部住民にとって、生活基盤としての社区は、高齢者福祉サービスの展開において数多 くの役割を持っているにもかかわらず、認知症高齢者への支援においてはその役割が十分 果たされていないといえる。 今後、認知症施策の推進について、社区がどのように位置づけられているか、そして実際 的にどのような役割が与えられるか、という問題はさらに明確化する必要があると思われ る。高齢者の増加にともない、高齢化の問題が複雑化し、高齢者福祉サービスの提供に必要 となる公的な財源の確保なども課題となってきた。そのため、中国において、想定される社 会サービスシステムの中では、在宅介護が社区に依拠するといったものが大きな役割を担 わなければならない。しかし、認知症高齢者の介護においては、専門的診断と介護サービス が同時に行われることが多いため、社区と保健・医療・福祉分野との連携に注目していく必 要がある。また、認知症への理解を深めるための社会環境づくりや、徘徊防止など社区内の 親類縁者による協力を頼ることが少なくないため、社区を拠点に専門職との連携、また社会 的支援ネットワークの構築を非常に重要な政策目標に位置づけなければならないと考えら れる。 (3)NGO 組織による支援活動の難航 現状から言うと、公共サービスの民間委託において先駆的地方自治体である上海市にお いても、NGO 組織による認知症高齢者への支援活動の展開が難航している。たとえば、尽 美長者の場合は、運営資金の調達、職員の確保など、いろいろな困難に直面している。サー ビス利用者の増加、また組織影響力の拡大のために、尽美長者は創立当初より、会員に会費 を請求していない。その代わりに、運営資金が主に政府との共同研究によって与えられる補 助金、各基金会からの経済的援助と、個人ないし企業からの寄付金によって賄われている。 しかし、その 3 つの資金源はいずれも少額であるため、組織自体の運営と発展が難しい事態 に直面し、サービスの普及とさらなる多様化はなかなか進まず、専門職員の確保も問題にな っている。それだけでなく、本来中国では NGO 組織の拡大には法的制限 11 があり、自治体 ごとのモデル事業を全国に普及することが極めて難しいため、今後 NGO 組織による支援活 動の全国的展開と普及においては、多くの課題を抱えているのである。 (4)家族介護者への支援の欠如 すでに紹介したように、上海市において認知症高齢者を対象にする政策と具体的な支援 サービスが徐々に増えてきている傾向が見られたが、認知症高齢者を抱える家族介護者へ の支援はまだ十分重視されていない。ごく一部の街道ではレスバイトサービスや認知症高 齢者を抱える家族介護者向けの介護講座が設けられているほか、家族介護者への支援は殆 どない現状である。 しかし、認知症高齢者を抱える家族介護者は過重な介護負担を背負っている。認知症の類 型、また症状の進行段階によって、応じる介護方法は違っている。さらに、主体性を尊重し た個別的ケアの難しさや、BPSD に対する対応の困難さ等が、家族介護者にとって大きな負 担になると考えられる(松本、若崎,2010)。認知症の初中期、脳細胞の変性と受けるダメー ジが進行していくと同時に、BPSD が多くなる恐れがある。それは認知症高齢者本人を苦し. - 114 -.

(12) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. めるだけでなく、その介護に携わる介護者、特に家族介護者には大きな感情的負担をもたら す(松岡,2014)。また、認知症が「不可逆性」のある病気であるため、家族介護者にとって、 認知症介護が先の見えない長期的な問題として、家族は介護という新たな役割を生活に組 み込んでいかなればならない(岡本,2013)。換言すれば、認知症介護は家族介護者が背負う 自分の生活に影響を及ぼす問題でもある。 にもかかわらず、現時点には認知症高齢者を抱える家族介護者への支援政策とサービス はかなり少ないのである。法的扶養義務、高齢者の在宅介護への要望と厳しい現実のもとで、 家族介護者はすでに認知症高齢者を介護したくてもできないというような「家族介護のジ レンマ」に陥っているのである。 (5)認知症の啓発活動の普及難 中国において、認知症の啓発活動が最も盛んでいる上海市でも、認知症への無理解は家族 介護者が精神的負担を背負わせられている主なる原因となっている。言い換えれば、上海に おいても、認知症への認識・理解が社会に全面的浸透していないということである。 認知症への認識・理解を深めるために、尽美長者は社区で認知症講座を開くことが 1 つの 活動として実施しているが、毎回認知症に関わっている人たちしか熱心に参加しておらず、 他の高齢者たちに宣伝しようとしても、 「なんで私が痴呆の講座に参加する必要があるの?」 「私は痴呆じゃないだよ!」と強く断られることは珍しくない。「確かに中国において、社 会の発展とともに、認知症高齢者と家族介護者への理解は徐々に改善していくといえるか もしれないが、全体的にいえば欧米先進国と比べてまだまだですね」と尽美長者のプログラ ムマネジャー李紅は述べた。 要するに、今後の認知症の啓発活動において、さらに拡大することは 1 つの急務となって いるといえる。また、そのような啓発活動が地域間の広がりにのみ注目するだけではなく、 啓発活動が全世代に浸透することにも非常に重要な問題と考えられる。認知症に関わって いる人、またそれとの関わりがありそうな人が、認知症問題に強い関心を持つのは当然であ る。一方、認知症に無関心な人、特に自分と認知症問題を遠く離れていると見なす若者も大 勢いる。たとえば、2018 年 6 月に発表された「上海地区認知症社会認知度現状調査与対策」 12. によると、35 歳以上の被調査者が認知症に触れる機会が多くなっており、50 歳以上の被. 調査者のうち、半数以上は認知症との接触があったが、多数の 35 歳以下の人は認知症に関 心を持っていないという。今後、認知症の啓発活動が推進されていくなか、潜在している世 代間の認識の格差問題をどのように乗り越えるかが、大きな課題の 1 つになっている。 5.おわりに 本論文は、高齢化が進行している中国の都市、上海の認知症高齢者及び家族介護者をめ ぐる公的支援政策、社区のサービス、さらに NGO 組織の支援活動に着目し、その支援実 態を明らかにした。考察の結果、明確でない政策が実施されている社会のなか、社区の役 割の再編、NGO 組織による支援サービスの難航、家族介護者への支援の欠如、認知症の啓 発活動の普及難などの問題点が見えてきたのである。 2018 年 2 月より、中国においては、全国老齢委員会、中央組織部、中央宣伝部などの. - 115 -.

(13) 21世紀東アジア社会学 第10号. 14 の国家機関が共同し、「人口高齢化に関する国勢普及」(「人口老齢化国情教育」)が全 国規模で行われている。その啓発活動は、「高齢化の実態」「高齢者に関わる政策と法 律」「高齢化問題に直面した中国が得た成果」「敬老文化」「積極的な高齢化」の 5 つの 部分に分けて推し進められている。しかし、その内容をみると依然として、認知症高齢者 に関連する明確な内容は非常に少ないことがわかった。つまり、人口高齢化の深刻さが認 識されてきた中国では、認知症高齢者に関わる諸問題はまだ主な政策課題となっていると はいえないのである。 しかし、高齢化がさらに進行することが避けられない。中国において、認知症高齢者の 介護問題をはじめ、認知症から生じるさまざまな問題が近い将来、社会の最も深刻な問題 の 1 つになることは明らかである。中国の認知症施策は、その固有性、体系性、総合性の 欠如のため、さらに膨大な社会的コストがかかることも含め、これからの中国の対応が国 際社会の関心を集めることになるであろう。. 〔注〕 1.中国において、「痴呆老人」「失智老人」「認知症老人」という 3 つの言い方が明確化 されないまま使われることがよくある。医学分野で「痴呆老人」が最も広く使われる。一 方、民政など行政機関は「失智老人」をよく使う。また、NGO の場合は、「認知症老人」 の方が一般的である。そのため、本研究の抄録は理解の便宜上、「痴呆老人」と統一す る。  2.「超大都市」とは、常住民が 1000 万人を越える都市を指す。中国において、7 つの超大 都市は北京、上海、天津、重慶、広州、深圳、武漢である。そのなかに、上海は高齢化率 が最も高いシティであり、次は北京と広州である。それぞれの高齢化率は 31.6%、22.6%、 16.3%である。 3.そのドキュメンタリーは味芳、樹鋒という名の 2 人を中心とし、認知症になった味芳と 介護者である夫の樹鋒の日常生活を描写したドキュメンタリーである。 4.日本において、「要介護高齢者」が高齢者福祉分野でよく使われる専門用語であるが、 中国では「要介護高齢者」ではなく、「失能老人」が最も使われる用語である。現時点に は、「失能老人」について、定義や判断基準がそれぞれであるが、自分 1 人で生活ができ ず、他人の介助が必要になる高齢者という中核となる内容は一致している。その意味で は、中国の「失能老人」は日本の「要介護高齢者」に相当する概念と考えられる。 中国老齢科学研究センターが 2011 年に発表した『全国の都市と農村部における「失能老 人」の状況に関する研究』によると、2010 年に要介護の「失能状態」にある高齢者、いわ ゆる「失能老人」は約 3300 万人に達し、高齢者人口の 19.0%を占めている。 5.ウィーチャット(微信;we chat)とは、中国の大手 IT 企業であるテンセントが作ったイン スタントメッセンジャーアプリである。他のメッセンジャーアプリと同じように、文字、 音声、写真、動画、スタンプなどの機能を有する。その中で、グループチャットは 1 つの コンミュニケーション機能である。 6.ウィーチャット購読アカウント(訂閲号)とは、ユーザー向けに情報発信する公式アカウン トである。企業、個人ともに開設可能。. - 116 -.

(14) 論 文:中国都市部における認知症高齢者及び家族介護者への支援実態. 7.CSR は英語の corporate social responsibility の頭文字の略称である。CSR とは企業の社会 的責任、つまり企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会 に貢献する責任のことである。 8.各 NGO 組織では「認知症高齢者」という言い方が最も用いられる。e.g.「尽美長者」、 「剪愛公益」。 9.介護保険が試行される地域は、河北省承徳市、吉林省長春市、黒龍江省チチハル市、上 海市、江蘇省南通市・蘇州市、浙江省寧波市、安徽省安慶市、江西省上饒市、山東省青島 市、湖北省荊門市、広東省広州市、重慶市、四川省成都市、新疆ウイグル自治区石河子市。  10.「長者照護之家」は、日本の小規模多機能型居宅介護施設と同じようなものを指す。 2014 年に上海市民政局は「長者照護之家試験工作方案」(沪民福発〔2014〕38 号)を公布 し、長者照護之家事業を推し進めた。 11.「民弁非企業単位管理条例」第 13 条は、「民弁非企業単位は支部の設立が禁止されて いる」と明記している。  12.上海市老齢科学研究中心元主任である殷志剛、上海沐恒実業有限会社と艾社康(上海)健 康諮訊有限会社が作った「銀齢指数」という非営利組織によって行われた調査である。 . 参考文献 日本語文献 市野瑛子(2013)「認知症の人と家族を支える地域づくりの可能性」『龍谷大学大学院政策学 研究』(2),19-34.  石崎剛(2014)「自助・互助・共助・公助への取り組みと家族支援の現状と課題」『日本認知 症ケア学会誌』13(3),586-593.  岡本充子(2013)「高齢者の家族に関する事例検討」『老年看護』34(4),516-521.  津止正敏(2011)「家族介護者支援を考える-日本と英、豪、美の比較研究」立命館人間科学 研究所,1-12.  松本啓子・若崎淳子(2010)「在宅認知症高齢者の家族介護者の思い-介護観に着目して-」 『看護・保健科学研究誌』10(1),248‐255.  松岡広子・村井美紀(2014)「認知症高齢者の家族介護者の心情-文献研究が明らかにするそ の経時的様相-」『日本認知症ケア学会誌』12(4),796-803.  張平平・正木治恵(2007)「中国における認知症高齢者看護の現状と課題-文献を通して-」 『千葉大学看護学部紀要』29,67-71. .   中国語文献  黄可(2014)「老年期痴呆患者社区——家庭照顧研究」南昌大学修士論文.  劉腊梅・周蘭姝(2007)「我国家庭照顾者的研究現状分析」『解放軍護理雑誌』24(8A),51‐53. 朱紫青・陳建新・張明園(1998)「痴呆和 Alzheimer 病患病率的 5 年縦向研究」『上海精神医 学』10(増刊),6-8. 鄒健(2014)「痴呆患者家庭照顧者負担現状及影響因素研究」中南大学護理学修士論文.. - 117 -.

(15) 21世紀東アジア社会学 第10号. 鐘雪冰・楼緯群(2011)「老年痴呆症長期照顧モデル的国際研究趋勢」『中華老年学雑誌』 31(10),1937-1939..   英語文献  Alzheimer’s Disease International, 2015, World Alzheimer Report 2015, London: Alzheimer’s Disease International, Chan KY, Wang W, Wu JJ, Liu L, Theodoratou E, Car J, Middleton L, Russ TC, Deary IJ, Campbell H, Wang W, Rudan I; Global Health Epidemiology Reference Group (GHERG), 2013, “Epidemiology of Alzheimer’s disease and other forms of dementia in China,1990-2010:a systematic review and analysis”, THE LANCET, 381 : 2016-2023. ( FENG Yi/チベット民族大学). - 118 -.

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参照

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