Japanese association of educational psychology
教心第田回総会 (2
∞
8)
発達
PF1
・
24
短大生の早期教育に関する研究
O
大域りえ・嘉数朝子・柿沼美紀・石橋由美
(沖縄抑スト教短期大学・琉球大学・日本獣医生命科学大学・広島女学院)
1.背景と目的
嘉数・嘗山・石橋・友利 (1998)は、幼児期
の早期教育に関して、その背後に子どもという
存在をどう穏織するか.という f子ども観
J
と、
さまざまな発達課題を就学前後にどの程度達成
してほしいのかという『措遣期待jが関わって
いると推察し、それらの関連を検討するために
女子短大生を対象に研究を行っている。その結
果、女子短大生自身のお稽古事の経験と被らが
持つ発達期待が、将来子どもに経験させたいお
稽古事の数や開始年齢に関連することを明らか
にしている。お稽古事(早期教育)への意識は
発達期待と関連が深いことが示唆され、『早く、
急いで』できるように求められる子どもの姿が
浮き彫りになったと、その自体を憂慮している。
少子化問題研究委員会 (200ω はその報告書
の中で、『子どもたちが社会の中でマイノリティ
ー化し、子ども時代を十分に過ごせないだけで
なく、子ども時代を形成できなくさせられてい
るといっても過言ではないだろうけとし、親は
f少ない子どもにお金左手聞をぎりぎりまでか
けj、f子どもをおけいこ、塾へ行かせJ、f早い
年齢から子どもの生活時間は細切れにされてい
る。
J
と分析している。
少子化社会における子どもの育ちを考えてい
く上で、早期教育(お稽古事や習い事)や発達
期待を研究していくことは意義深いことだと考
えられる。よって、本研究では嘉数ら (1998)
の追研究を行い、現在の短大生自身がどのよう
な早期教育を経験し、それらが将来子どもの早
期教育にどのように関連するのかを検討するこ
とを目的にする。
ll.方法
被験者:沖縄県内の短大保育科学生128名。
調査時期:2006年 10月
調査項目
①お稽古事の数と開始年齢:被験者の経験およ
び、将来子どもに経験させたいお稽古事の種類
と開始年齢を自由記述させた。
②発達期待 (28項目):東・柏木・ヘス (1981)
の『母親の発達期待jを参考に作成。 S段階で
評定させた。
m
.
結果と考察
①お稽古事の数と開始年齢:被験者のお稽古事
と子どもに経験させたいお稽古事(数・開始年
齢)の関連を検討するために、相関係数を算出
した。その結果、被験者自身のお稽古事数と開
始年齢の聞に有意な負の相闘が得られた(r
=
-.447
,
p<.Ol)。また、被験者と子どもの開始
年齢の聞には有意な正の相関が得られた(r
。
=
.242
,
•
p<.05)。このことから、多くのお稽古
事を経験していた被験者ほど年齢が低いうちか
ら始めていたことが分かった。また、早いうち
からお稽古事を始めていた者は、子どもにも早
期からお稽古事を経験させたいと考えているこ
とが分かつた。
また、嘉数ら (1998)との比較を行うために、
t検定を行った結果、被験者のお稽古事の数で有
意な差が得られた(t (114)=2.13. p<.05)o 1997
年の保育科学生に比ペ、今回の保育科学生の経験
したお稽古事の教が多くなったことが分かった。 i
②発達期待:各カテゴリーの達成時期を検討す
るために、平均値を算出した。その結果、 f礼儀j
a は4識になるまでに、『社会的スキJレj、f情緒
的成熟」、『雷語による自己主張
J
、『自立j、f従
順jは
4
・
5
歳ごろに習得してほしいと考え、 f学
校関係スキルJは6歳すぎつまり小学校に入学
してからで良いと考えていることが分かった。
また、嘉数ら (1998) との比較を行ってみる
と、次のことが分かった。嘉数ら (1998)のf学
校関係スキルjと『自立
J
の平均値は1.88と同
値である。それに比べて、本研究では『学校関
係スキルJ2.49、『自立J2.23 となっており有
意な差が得られている。このことから、 1997
年の保育科学生は『学校関係スキルjと f自立j
を同じ時期に習得してほしいと考えていたのに
比べ、今回被験者の保育科学生は f学校関係ス
キル』より『自立』の早期習得を望んでいると
言えよう。約四年間で、発達期待に対しての
考え方の変化が示唆された。
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