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データ解析コンペティション T-wave NG の報告
東海大学理学部 山本義郎
1.はじめに
2017 年度データ解析コンペティション用に参加した,学部 3 年生チームの分析について報告
する。2017 年度データ解析コンペティション用に提供された,2015 年 7 月から 2017 年 6 月にお
ける,約 10 店舗のヘアサロンチェーンの ID 付き POS データ約 17 万会計データの分析を行っ
た。学部 3 年生チームの分析ということで,基本的にはデータの要約から特徴を調べ,「店員の
効率化」,「客単価の向上」,「顧客数アップ」,を目標に設定した。新規顧客として獲得し,継続
して利用する可能性のあるジュニア・キッズに注目した。
2.スタッフの効率的な配置について
スタッフの効率的な配置を検討するために,図1のようなある日のスタッフの担当状況の可視化
を行った。この可視化により,店舗によってスタッフが同時進行で施術を行っている程度を把握
することができた。
図1.A 店舗(左)と I 店舗(右)のスタッフの担当時間
3.新規顧客獲得のための施策
店舗ごとの来店時間,年代・性別,指名・非指名の状況,クーポンの利用状況などを調べ,新
規顧客として継続的に利用することが期待される顧客として,ジュニア・キッズを増やすことを考
えた。現状では,ジュニア・キッズの割合は少ないが全くない訳ではない。図2にこどもの来店数
を示しているが,卒園・卒業式,入学式に向けた 3 月の利用者は多く,2017 年には来店数の増
加も見られる。しかしながら,七五三の 11 月は来店数が多くないので,アプローチにより来店数
の増加も見込める。
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データ解析コンペティション T-wave NG の報告
東海大学理学部 山本義郎
1.はじめに
2017 年度データ解析コンペティション用に参加した,学部 3 年生チームの分析について報告
する。2017 年度データ解析コンペティション用に提供された,2015 年 7 月から 2017 年 6 月にお
ける,約 10 店舗のヘアサロンチェーンの ID 付き POS データ約 17 万会計データの分析を行っ
た。学部 3 年生チームの分析ということで,基本的にはデータの要約から特徴を調べ,「店員の
効率化」,「客単価の向上」,「顧客数アップ」,を目標に設定した。新規顧客として獲得し,継続
して利用する可能性のあるジュニア・キッズに注目した。
2.スタッフの効率的な配置について
スタッフの効率的な配置を検討するために,図1のようなある日のスタッフの担当状況の可視化
を行った。この可視化により,店舗によってスタッフが同時進行で施術を行っている程度を把握
することができた。
図1.A 店舗(左)と I 店舗(右)のスタッフの担当時間
3.新規顧客獲得のための施策
店舗ごとの来店時間,年代・性別,指名・非指名の状況,クーポンの利用状況などを調べ,新
規顧客として継続的に利用することが期待される顧客として,ジュニア・キッズを増やすことを考
えた。現状では,ジュニア・キッズの割合は少ないが全くない訳ではない。図2にこどもの来店数
を示しているが,卒園・卒業式,入学式に向けた 3 月の利用者は多く,2017 年には来店数の増
加も見られる。しかしながら,七五三の 11 月は来店数が多くないので,アプローチにより来店数
の増加も見込める。
図2.月別の子供の来店数
子供の対応は難しいので,キッズを専門に担当しているスタッフがいるのではないかと思い,
会計種担当者別のキッズ担当の割合に注目したが,キッズ担当の割合は多いスタッフで 7%程度
であり,それほど高くはなかった。しかしながら,割合の多いスタッフは数名いたので,子供を引き
付ける店舗を決め,その店にキッズ担当のスタッフを配置するなどことが提案できるのではないか
と考えた。そこで,売り上げと来店人数,利用者の性別・年齢構成から,ママさん世代の 30~40
代の多い店舗で,リニューアルしていない店舗を対象とした。更に,店舗周辺の情報(近くにショ
ッピングモール、駐車場、カフェ、保育園、幼稚園があるか),キッズ専門のヘアサロンが近くにあ
るかどうかも考慮した結果,平日に子供を呼び込む店舗と,休日に子供を呼び込む店舗の候補
が絞ることができた。
4.まとめ
本研究室では,昨年度から 3 年生のゼミ配属前の学生がデータ解析コンペティションに参加
し,実際のデータに触れる機会を作り,4 年次からの洋書購読を通してのデータ分析の理解の際
に,実際のデータ分析のイメージを持つことができるようになった。更に,就職活動においてデー
タ解析コンペティションの経験を有していることがアピールでき,就職活動が順調であったようで
ある。この経験を活かして,今年度 4 年生チームとして参加するので,今年度は統計モデルを適
用した分析などを期待する。