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通所リハビリテーション利用高齢者の趣味に関する実態調査

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原 著

通所リハビリテーション利用高齢者の趣味に関する実態調査

A Survey on the Hobbies of the Elderly Using Outpatient Rehabilitation

吉本 よ し も と 和樹 か ず き 1) 清水 し み ず 昌 ま さ 美 み 2) 井内 い う ち 律子 り つ こ 3) と 澤 ざ わ 惠子 け い こ 4) 1) 四天王寺大学看護学部看護学科 2) 千里金蘭大学看護学部看護学科 3) 大津市議会議員 4) 神奈川工科大学看護学部看護学科 (連絡先) 〒583-8501 大阪府羽曳野市学園前 3 丁目 2-1 四天王寺大学看護学部看護学科 吉本和樹 Key words : 通所リハビリテーション、デイケア、高齢者、趣味、実態調査 抄録 背景・目的 認知症予防は高齢者にとって関心が高く、認知症予防の目的で趣味を 持つようにしている高齢者も多くいるのではないだろうか。今回、通所リハビリテーショ ン(デイケア)に通う要介護高齢者の趣味の実態とその関連要因について明らかに することを目的に研究を行った。 方法 近畿地方の同一府県内に立地する4 か所の介護老人保健施設に併設され たデイケアに通う高齢者408 人に対し研究協力の依頼を行った。そして協力が得ら れた高齢者に質問票について回答をしてもらった。分析方法として各変数について は単変量解析、趣味の有無と各変数との関連についてはχ2検定を行った。 結果 研究協力が得られた要介護高齢者106 人に対する質問票を集計し解析した 結果、趣味がある人は趣味がない人よりも運動習慣がある人の割合が高かった。ま た、運動習慣がある人のうち、教育歴が長い人及び独居の人ほど趣味がある人の割 合が高かった。一方、運動習慣がない人については、同居者がいる人ほど趣味があ る人の割合が高かった。 考察 本研究によりデイケアに通う要介護高齢者に関して、趣味があることと運動習 慣があることの間に関連があることが明らかになった。要介護高齢者に対して趣味の 継続支援をすることが身体機能維持につながる可能性についての示唆が得られた のではないかと考える。

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Ⅰ.緒言 通所リハビリテーション(デイケア)では利用者に 対して、「心身の機能の維持回復を図り、日常生活 の自立を助けるために行われる理学療法、作業療 法その他必要なリハビリテーション 1)」を実施すると 定義されており、その他に健康管理や食事、入浴 サービスやレクリエーションの提供が行われてい る。地域で生活する高齢者は、「認知症になりたく ない」という思いを持って生活している 2-4) ことか ら、デイケアを利用する高齢者の中には、認知症 予防の目的で利用している人も多くいるのではな いだろうか。日本では認知症患者が今後増え続け る 5) と報告されており、認知症予防に対する国民 の関心も高くなることが予想されることから、認知症 予防に積極的に取り組むデイケアは今後も増加す ると思われる。 認知症予防に関連する研究のうち、余暇活動及 び趣 味 と認 知 機 能維 持 との関 連 についての研 究 6-12) は多い。ただし、それらの先行研究に対し て、行う趣味は同じであっても性別の違いにより認 知機能維持に違いが出ると報告する研究 13) や、 余暇活動と認知機能との関連の研究には客観的 な身体的データが必要だと報告する研究 14) があ る。さらに余暇活動の認知機能の研究にはコント ロール群をおく必要があると述べる研究15) や趣味 を行うことが認知症予防に効果があるのかについ て十分なエビデンスがないと指摘する研究 16), 17) もあることから、趣味と認知機能の関連についての 研究は、検証と議論の余地が多く残されていると 思われる。 高齢者の趣味に関連する研究として、趣味を持 つことは高齢者の生きがいにつながることを報告 する研究18) や趣味は高齢者にとって楽しみと生き がいになるものであり楽しみと生きがいがあるほう が長生きすると報告する研究 19) もあり、高齢者の 趣味に関連する研究は多岐にわたっている。また 高齢者の趣味の実態に関していうと、斎藤ら 20) 1 万人以上の高齢者を対象とした調査では、散 歩・ジョギング、旅行、パソコン、園芸・庭いじり、読 書が実際に多くの高齢者の行っている趣味として 報告されている。なお山下ら 7) の高齢者の趣味と 認知機能との関連について研究した調査結果や 原田ら 18) の高齢者の余暇活動と生きがい感との 関連についての研究においても趣味の実態につ いては、先述の斎藤らの調査結果とほぼ同様で あった。ただし、先行研究における趣味の調査結 果はどれも65 歳以上の要介護状態にない人を対 象とした研究であるため、要介護状態になった高 齢者の趣味とは異なっている可能性が考えられ る。しかし、要介護状態の高齢者がどのような趣味 を持っているのかについての調査や趣味を持つ要 介護状態の高齢者の特徴などについて明らかにし ている研究は見当たらない。そこで今回、デイケア に通う要介護高齢者の趣味の実態とその関連要 因を明らかにすることを目的に研究を行った。 用語の操作的定義 本研究における運動習慣とは、実際の運動量に 関わらず、対象となっている高齢者が1 週間のうち 1 日以上、意識して身体を動かしていることを意味 するものとする。 Ⅱ.研究方法 1.研究デザイン 質問票調査による横断研究。 2.研究対象者 2018 年 7~9 月に近畿地方の同一府県内に立 地する 4 か所の介護老人保健施設に併設された デイケアに通う高齢者408 人に対して研究協力の 依頼を行った。高齢者へ研究について説明する 際、高齢者の状態をよく知る施設のスタッフから、 研究の説明内容について理解可能な高齢者を紹 介してもらった。高齢者に対して研究の説明後、研 究参加の意思が確認できた人に対して、質問票に よる調査を実施した。調査の際、目が見えにくい、 あるいはペンがもちにくいという訴えがある人につ

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いては、研究者が対面にて質問票の質問項目を 読み上げ、さらに得られた回答を質問票用紙に記 入した。対面での調査の際は、回答したくない、あ るいは回答しにくいという内容の発言や態度がみ られた場合は、繰り返し同内容の質問をしないよう にした。 3.調査項目 調査項目は、年齢、性別、学歴、要介護度、今 日の体調、同居者、週1日以上の運動習慣の有 無、趣味の有無および内容、趣味は認知症予防 に役立つと思っているかどうか、デイケアでの友達 の有無、婚姻状況、転倒歴、入院歴、睡眠時間、 食事時間等であった。 4.分析方法 質問票調査の結果をもとに、各変数について単 変量解析を行った。そして趣味の有無と各変数と の関連についてはχ2 検定を行った。さらに追加 解析として、趣味の有無と関連があった変数を二 群に分け、各群における趣味の有無と各変数との 関連についてχ2 検定を行った。なお、統計解析 ソフトにはJMP Pro11.2 を用い、統計学的有意水 準を5%とした。 5.倫理的配慮 倫理的配慮については、研究対象者に対して 調査時に本研究の目的と主旨、研究参加の任意 性、匿名性、個人情報保護について口頭及び書 面にて説明を行った。その際、協力について強制 力がかからない配慮として、不参加及び参加後の 途中辞退についても不利益にならないこと、質問 票への回答後も後日同意撤回書の提出で質問票 の回答結果破棄を保証することについて説明し た。なお、本研究は千里金蘭大学疫学研究倫理 審査委員会の承認(K18-007)を得て実施した。 Ⅲ.結果 1.デイケアに通う高齢者の概要 研究参加に同意が得られた 126 人のうち、5 人 は本人の希望により質問票に自記をしてもらった。 そして、101 人は目が見えにくい、ペンがもちにく い、時間がない、読むのが疲れるなどの理由によ り、研究者が対面で質問票の質問項目を読み上 げ、得られた回答を用紙に記入した。なお、8 人に 対しては自身の要介護度について不明あるいは 不確かであったため研究対象者から除外し、さら に別の8 人については質問票の項目のいくつかに ついて回答拒否があったため研究対象者から除 外した。そして65 歳未満の 4 人を除外したため、 最終的な研究対象者は106 人となった。 研究対象者106 人のうち、女性 65 人(61.3%)、 男性41 人(38.7%)で、平均年齢 82.3 歳、中央値 が 83.5 歳であった。一週間のうちで何らかの運動 する習慣がある人は 78 人(73.6%)で、趣味は認 知症予防に効果があると思っている人は 65 人 (61.3%)であった。要介護度については、要介護 2 の人が最も多くて 39 人(36.8%)、続いて要介護 1 の人が 29 人(27.4%)、要支援の人が 21 人 (19.8%)であった。なお、要介護 2 以上の人は全 体で 56 人(52.8%)であった。同居の内訳につい ては、独居の人が27 人(25.5%)で、配偶者と二人 暮らしの人は34 人(32.0%)であった。男性の 5 歳 階級別年齢は85-89 歳が 15 人(36.6%)で最も 多 く 、次 に 多 か った の が 80-84 歳の 11 人 (26.8%)であった。また女性の 5 歳階級別年齢で 最も多かったのが85-89 歳の 16 人(24.6%)で、 次が90-94 歳の 11 人(16.9%)で、95 歳以上が 5 人(7.7%)であった(表 1)。 2.デイケアに通う高齢者が行っている趣味 高齢者106 人のうち、63 人が趣味があると回 答していた。ただし、趣味はどのようなものなのか について研究者が対面にて尋ねたところ、「人に 教えるほどのことではないから」「趣味というほどの ものではないから」等のような発言や返答に言葉が 詰まるといった答えたくないという態度がみられる 高齢者がいた。そのようなことから、趣味があると回 答した63 人の高齢者うち 20 人からは趣味の種 類についての回答が得られなかった。

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なお、趣味の種類について回答のあった 43 人 のうち、多かったのがテレビをみることで、他は絵 画や歌を歌う、クロスワードなどのパズルゲームで あった。また、テレビをみることが趣味と回答した 19 人について、時代劇やドラマを楽しみにしてい る人が12 人、野球観戦が 5 人、ニュースが 2 人で あった(表2)。 3.趣味の活動時間と運動頻度 趣味の活動時間については、回答が得られた 50 人のうち、趣味を毎日 2~3 時間行っている人 は 11 人(22.0%)、趣味を毎日 1 時間行っている 人が 10 人(20.0%)、趣味を毎日 10~30 分行っ ている人が9 人(18.0%)、趣味を毎日 5~6 時間 行っている人が3 人(6.0%)であった(表 3)。 趣味の活動頻度については、回答が得られた 66 人のうち、毎日何らかの趣味を行っている人は 33 人(50%)で、次に多かったのが週に 3 日で 13 人(20%)、週に 1 日が 8 人(12%)であった。その 他、趣味としての活動が年に 1 日から 2 日の人も いた。 趣味の種類 人 テレビ 19 絵画 4 歌を歌う 4 クロスワード(パズルゲーム) 4 読書 3 編み物 2 手芸 2 散歩 2 茶道 1 新聞切り抜き 1 新聞を読む 1 将棋 1 書道 1 刺繍 1 音楽鑑賞 1 映画鑑賞 1 囲碁 1 ものづくり 1 パソコン 1 デイケア内の活動 1 未回答 20 表2.趣味の内訳  (複数回答あり) 人(%) 65(61.3) 41(38.7) 78(73.6) 56(52.8) 68(64.2) 79(74.5) 78(73.6) 63(59.4) 65(61.3) 79(74.5) 50(47.2) 78(73.6) 93(87.7) 77(72.6) 90(84.9) 外出状況(デイケア日含めない) 28(26.4) 44(41.5) 34(32.1) 要介護度 12(11.3) 9(8.5) 29(27.4) 39(36.8) 10(9.4) 5(4.7) 2(1.9) 同居の内訳 27(25.5) 34(32.0) 19(17.9) 15(14.2) 6(5.7) 3(2.8) 2(1.9) 65-74 75-84 85-94 95-表1.対象者の概要    N = 106 女性 男性 高卒以上 要介護2以上 デイケアに友達がいる 非婚姻者(死別含む) 転倒したことがある 入院歴がある 睡眠時間は7時間以上 体調普通以下 同居あり 運動習慣あり 継続する趣味あり 趣味は認知症予防に役立つと思う 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 食事時間は決まっている 外出なし 週に2日以下の外出あり 週に3日以上の外出あり 要支援1 配偶者と子ども その他 配偶者と子ども夫婦 年齢層 要介護5 独居 配偶者(二人暮らし) 子ども 子ども夫婦 男性 n = 41 女性 n = 65 8(19.5) 16(39.0) 17(41.5) 0 11(16.9) 22(33.8) 27(41.5) 5(7.7)

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運動頻度については、対象者 106 人から回答 が得られ、毎日意識して運動するようにしている時 間を 10 分から 20 分ほどとっている人は 27 人 (25.5%)であった。なお、5 割以上の人が何かしら の運動を毎日していた。一方で 28 人(26.4%)の 人 が日 々何 も運 動 をしていないと回 答 していた (表4)。 4.要介護度の違いによる運動習慣の状況 要介護度の違いによる運動習慣の有無の状況 について、運動習慣がある人のうち、要介護度 1 以下の人で 37 人(74%)、要介護度 2 以上の人 は 41 人(73.2%)であり、要介護度別にみた運動 習慣がある人の割合はほぼ同じであった(表5)。 5.変数間の関連について (1)趣味の有無と各変数との関連 デイケアに通う要介護高齢者の趣味の有無と各 変数との関連については、趣味がある人は趣味が ない人よりも運動習慣がある人の割合が高いことと の関連がみられた(P=0.037)。なお中学卒業以下 の人のうち、趣味がある人は13 人(46.4%)、趣味 がない人が 15 人(53.6%)、そして高校卒業以上 の人のうち趣味がある人が 50 人(64.1%)、趣味 がない人は28 人(35.9%)であった。趣味と学歴と の間について有意な関連はみられなかったのでは あるが、高校卒業以上の学歴の人は中学卒業以 活動時間 人(%) テレビ、読書、新聞読む、クロスワード、パソコン 毎日2~3時間 11(22.0) テレビ、読書、クロスワード、新聞切り抜き、物を作る 毎日1時間 10(20.0) 刺繍、編み物、散歩、テレビ 毎日10~30分 9(18.0) テレビ 毎日5~6時間 3(6.0) 読書、テレビ 2~3時間/週3日 3(6.0) 絵画、デイケア参加 10~30分/週3日 3(6.0) 音楽鑑賞、絵画 40~60分/週1日 3(6.0) 未回答 30~60分/週2日 2(4.0) 茶道 5~10分/週1日 2(2.0) テレビ 3時間/週5日 1(2.0) 映画鑑賞 2時間/週2日 1(2.0) 未回答 2時間/月2日 1(2.0) 未回答 5時間/月1日 1(2.0) 左から人数が多い順、ただし未回答含む 表3.趣味の活動時間    n = 50 人(%) 10~20分/日 27(25.5) 30~40分/日 11(10.4) 60分/日 15(14.2) 80~120分/日 4(3.8) 週1日 3(2.8) 週2日 6(5.7) 週3日 8(7.5) 週4日 3(2.8) 月に2,3日 1(0.9) 運動しない 28(26.4) 表4.運動頻度    N = 106 要介護1以下 37(74.0) 13(26.0) 要介護2以上 41(73.2) 15(26.8) 運動習慣あり 人(%) 運動習慣なし 人(%) χ2検定 *P<0.05 0.927 P値* 表5.要介護度と運動習慣の状況    N = 106

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下の学歴の人よりも趣味がある人の割合が高い傾 向がみられていた(表6)。 (2)運動習慣の有無と趣味の有無との関連 趣味の有無と関連がみられた運動習慣につい て、運動習慣あり群と運動習慣なし群の二群に分 け、各群と各変数との関連についてχ2検定を行っ た。運動習慣あり群での趣味の有無と各変数の関 連については、学歴が高校卒業以上の人は中学 卒業以下の人よりも趣味がある人の割合が高いこ ととの関連がみられた(P=0.011)。さらに、独居の 人は同居者がいる人よりも趣味がある割合が高い こととの関連がみられた(P=0.033)。一方で、運動 習慣なし群については、同居者がいる人は独居の 人よりも趣味がある人の割合が高いこととの関連が みられた(P=0.008)(表 7)。 Ⅳ.考察 1.デイケアに通う要介護高齢者の趣味の特徴 高齢者がどのような趣味を持っているのかにつ いて調査した先行研究7), 18), 20) では、高齢者の趣 趣味あり 人(%) 趣味なし 人(%) P値* 女性 38(58.5) 27(41.5) 男性 25(61.0) 16(39.0) 中卒以下 13(46.4) 15(53.6) 高卒以上 50(64.1) 28(35.9) 要介護1以下 31(62.0) 19(38.0) 要介護2以上 32(57.1) 24(42.9) 体調よい 24(63.2) 14(36.8) 体調普通以下 39(57.4) 29(42.6) 同居あり 17(63.0) 10(37.0) 独居 46(58.2) 33(41.8) 運動習慣あり 51(65.4) 27(34.6) 運動習慣なし 12(42.9) 16(57.1) 趣味は認知症予防に役立つと思う 40(61.5) 25(38.5) 趣味は認知症予防に役立たない 23(56.1) 18(43.9) デイケアに友達がいる 51(64.6) 28(35.4) デイケアに友達はいない 15(50.0) 15(50.0) 転倒歴あり 15(53.6) 13(46.4) 転倒歴なし 48(61.5) 30(38.5) 入院歴あり 55(59.1) 38(40.9) 入院歴なし 8(61.5) 5(38.5) 婚姻あり 32(64.0) 18(36.0) 非婚姻(死別含む) 31(55.4) 25(44.6) 1日の睡眠時間7時間未満 18(62.1) 11(37.9) 1日の睡眠時間7時間以上 45(58.4) 32(41.6) 食事時間は決まっている 54(60.0) 36(40.0) 食事時間は特に決まっていない 9(56.25) 7(43.75) χ2検定 *P<0.05 0.7346 0.7783 0.0373* 0.5785 0.0661 0.4614 0.869 0.3656 0.1023 0.6112 0.5594 0.6653 0.7974 表6.趣味の有無と各変数との関連    N = 106

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味の大半がジョギングなどのような屋外で実施する ものであった。一方、本研究結果では主に屋内で 行うと思われる趣味が大半であったことから、65 歳 以上の高齢者は要介護状態になると、体力的な負 担が少ない自宅で行うことができる趣味に移行し ていく傾向があるのではなかと考える。また、先行 研究7), 18), 20) の調査結果では、旅行や園芸などの ように金銭的な負担が伴うと思われる趣味もみられ ていたが、本研究結果では、テレビやパズルゲー ム、読書など金銭的な負担が少ないものが趣味と なっていた。これらのことから 65 歳以上の高齢者 は要介護状態になると、体力面と金銭面の負担が 少なく、さらに誰にも気兼ねすることなく自宅で楽し むことができるものを趣味として選択する傾向があ るのではないかという示唆が得られた。 2.運動習慣の有無と各変数との関連 (1)運動習慣と要介護度との関連について 加齢とともに運動機能が低下すると、運動する 機会が減り、同時に要介護度も高くなるのが一般 的であると思われる。しかし、本研究結果では、要 介護度1 以下の人と要介護度 2 以上の人の運動 習慣の有無の割合はほぼ同じであった。これは運 動習慣が身についている要介護高齢者は要介護 度が高くなっても運動習慣を継続維持している可 能性が考えられる。あるいは要介護状態になる前 から運動習慣を身につけている高齢者は、運動機 女性 31(64.6) 17(35.4) 7(41.2) 10(58.8) 男性 20(66.7) 10(33.3) 5(45.5) 6(54.5) 中卒以下 9(42.9) 12(57.1) 4(57.1) 3(42.9) 高卒以上 42(73.7) 15(26.3) 8(38.1) 13(61.9) 要介護1以下 26(70.3) 11(29.7) 5(38.5) 8(61.5) 要介護2以上 25(61.0) 16(39.0) 7(46.7) 8(53.3) 体調よい 20(74.1) 7(25.9) 4(36.4) 7(63.6) 体調普通以下 31(60.8) 20(39.2) 8(47.1) 9(52.9) 同居あり 34(58.6) 24(41.4) 19(67.9) 9(32.1) 独居 17(85.0) 3(15.0) 0(0) 7(100) 趣味は認知症予防に役立つと思う 7(46.7) 8(53.3) 33(66.0) 17(34.0) 趣味は認知症予防に役立たない 5(38.5) 8(61.5) 18(64.3) 10(35.7) デイケアに友達がいる 43(69.4) 19(30.6) 8(47.1) 9(52.9) デイケアに友達はいない 8(50.0) 8(50.0) 4(36.4) 7(63.6) 転倒歴あり 39(65.0) 21(35.0) 9(50.0) 9(50.0) 転倒歴なし 12(66.7) 6(33.3) 3(30.0) 7(70.0) 入院歴あり 44(64.7) 24(35.3) 11(44.0) 14(56.0) 入院歴なし 7(70.0) 3(30.0) 1(33.0) 2(66.7) 婚姻あり 27(71.1) 11(28.9) 5(41.7) 7(58.3) 非婚姻(死別含む) 24(60.0) 16(40.0) 7(43.8) 9(56.3) 1日の睡眠時間7時間未満 15(71.4) 6(28.6) 3(37.5) 5(62.5) 1日の睡眠時間7時間以上 36(63.2) 21(36.8) 9(45.0) 11(55.0) 食事時間は決まっている 42(63.6) 24(36.4) 12(50.0) 12(50.0) 食事時間は特に決まっていない 9(75.0) 3(25.0) 0(0) 4(100) χ2検定 *P<0.05 0.4466 0.0614 0.7425 0.7243 0.3051 0.9122 運動習慣あり群(n =78) 運動習慣なし群(n =28) 0.1468 0.5765 0.8963 0.3055 0.0325* 0.0082* 0.6617 0.8787 趣味あり n = 51人(%) 趣味なし n = 27人(%) 0.4959 0.7171 0.3889 0.6617 0.2405 0.5765 P値 0.8508 0.8232 0.0111* 0.3778 P値 趣味あり n = 12人(%) 趣味なし n = 16人(%) 表7.趣味の有無と各変数との関連(運動習慣あり/なし群別)    N = 106

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能が低下しても自分の現在の身体状態に合わせ て運動内容を変化させながら運動習慣を継続して いるのではないだろうか。 (2)趣味と学歴との関連について 本研究では参加した要介護高齢者の 6 割以上 が、趣味は認知症予防に効果があると思うと回答 しており、さらに運動習慣あり群で見た場合、学歴 が高校卒業以上の人のほうが中学卒業以下の人 よりも趣味を持っている人の割合が高いこととの関 連がみられていた。20-75 歳の 1000 人を対象とし た海外の横断研究 22) では、オーストラリア人の脳 の健康と認知症のリスク軽減のための行動につい て研究している。その先行研究では 60 歳以上の 人において学歴が大学卒業以上の人は、高校卒 業以下の人よりも脳の活性化に寄与するような身 体活動などを行うということと関連があることを明ら かにしており、本研究においても類似した結果が 得られていると思われる。本研究により教育歴が長 い人ほど運動習慣と趣味を持っている割合が高い 傾向があることの示唆が得られたのではないだろう か。また本研究により、教育歴が長い人ほど自身 が年齢を重ねていくにつれて、精神的にも身体的 にも健康であり続けるために体を動かす習慣と趣 味を持つ傾向があるのではないかという示唆が得 られたと考える。 (3)趣味と同居者の存在について 運動習慣あり群では、独居の人は同居者がいる 人よりも趣味がある人の割合が高いこととの関連が みられていた。独居の人は在宅での生活において 自身で身の回りのことをする必要があるが、そのこ とが身体機能及び体力維持につながり、結果的に 運動習慣へとつながっている可能性が考えられ る。 一方、運動習慣なし群では、同居者がいる人の ほうが独居の人よりも趣味がある人の割合が高いこ ととの関連がみられていた。同居者がいると家事な どの援助が期待でき、さらに趣味の実施に対する サポートなども得やすい環境であると思われる。こ のことから身体機能の低下により運動習慣を持つ ことが出来ない状況でも、同居者のサポートを受け ることが出来る環境が、趣味を持ち続けるための重 要な要素となるのではないかという示唆が得られた と考える。 3.趣味と運動習慣との関連について 角田ら 21) は余暇活動や家庭内での活動量が 多い人は身体機能が高く下肢筋力も強いこととの 関連があったと報告している。本研究も趣味がある 人ほど運動習慣があることと関連しているという点 においては、先行研究と類似した結果が得られて いると思われる。ただし、角田らの研究の対象者は 65 歳から 85 歳の「はつらつ長寿健診」の参加者 であり、研究対象者を要介護高齢者に限定してい たわけではなかった。また趣味の大半が屋外での スポーツを占めており、趣味そのものが運動するこ とと関係していると考えられるものであった。一方、 本研究結果における高齢者の趣味の大半は、運 動することに直接的な関係がないと思われるもの であったにもかかわらず、過半数以上の人が毎日 10 分から 120 分の運動習慣を持っていた。これら のことから、要介護状態になった高齢者は、徐々 に現状の自分のADL に見合った趣味を見出して いき、要介護状態になる前に行っていた趣味は運 動習慣へと移行していくという特徴があるのではな いだろうか。趣味を持つことは高齢者の生きがいに つながる 18) ことから、要介護状態でも実施可能な 趣味を新たに自分で見出すことが生きがいにつな がり、さらに運動習慣を持つという活動意欲にもつ ながっていくのではないだろうか。また、本研究で は運動することと関係がない趣味であるにも関わら ず、趣味があることと運動習慣があることとに関連 がみられていた。このことから、要介護高齢者に対 してどのような趣味であってもその趣味の継続支 援をすることが身体機能維持につながるのではな いかという示唆が得られたのではないかと考える。 4.研究の限界と今後の課題 本研究はデイケアに通う高齢者に対して研究協

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力を依頼したのであるが、研究内容を理解したうえ で同意が得られた高齢者は 3 割弱であり、十分な 研究対象者を確保したとは言い難い。また、同一 府県内で実施しており、地域性の違いについても 考慮できていない。したがって、今後は研究対象 者数を多くし、さらに他府県での調査についても考 慮する必要があると考える。また本研究は横断研 究のため、運動習慣があることと、趣味があることと の因果関係については不明である。今後は縦断 研究を行い、要介護高齢者の運動習慣と趣味が あることについての因果関係を明らかにすることが 課題である。 Ⅴ.結論 デイケアに通う要介護高齢者の趣味は、体力面 と金銭面の負担が少なく、自宅でそして一人で楽 しむことができるものであるという特徴がみられた。 統計解析の結果、趣味がある要介護高齢者は、 趣味がない要介護高齢者よりも運動習慣があるこ ととの関連がみられた。また、運動習慣がある要介 護高齢者に関しては、教育歴が高校卒以上の人 は中学卒業以下の人よりも趣味がある人のる割合 が高いこと、そして同居者がいる人は独居の人より も趣味がある人の割合が高いこととの関連がみら れた。 本研究によりデイケアに通う要介護高齢者に関 して、趣味があることと運動習慣があることの間に 関連があることが明らかになった。要介護高齢者 に対して趣味の継続支援をすることが身体機能維 持につながる可能性についての示唆が得られたの ではないかと考える。 謝辞 ご協力してくださいました高齢者の皆様、ご協力 いただきました施設職員の皆様に深く感謝いたし ます。 なお、本研究において、COI 関係にある企業・ 組織および団体等はない。 文献 1) 厚生労働省:「第141 回社会保障審議会介 護給付費分科会(平成29 年 6 月 21 日);参 考資料4 通所リハビリテーション(参考資料)」 2017.(https//www.mhlw.go.jp/file/05- Shingikai-12601000- Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/00 00168706.pdf).(2020.1.29 アクセス可能) 2) 星野周也,阿部桜子,朴敏延,他:デイサービ ス利用女性後期高齢者の認知症予防観に関 する予備的研究-6ケースの半構造化面接 調査から-,日本健康教育学会誌 2010; Vol.18(4):289-297. 3) 丸尾智実,河野あゆみ:認知症の理解推進プ ログラムに参加した地域住民の認知症および 相互意識への関心の変化,甲南女子大学紀 要 2015;第 10 号:45-51. 4) 佐野望,北川公子,田中敦子,他:高齢期に ある人が認知症の模擬患者を演じる体験を通 して得た認知症への理解と認識,共立女子大 学・共立女子短期大学総合文化研究所紀要 2016;第 22 号:55-64. 5) 厚生労働省:「第74 回社会保障審議会介護 保険部会(平成30 年 7 月 26 日)」;「参考資 料1 介護分野の最近の動向等について」 2018. (https: //www.mhlw.go.jp/content/12601000/000 338521.pdf),(2020.1.29 アクセス可能) 6) 伊藤恵美,八田武志,伊藤保弘,他:レジャー 活動への参加は認知機能に影響を与えるの か,人間環境学研究 2003;vol.1(2):15-20 7) 山下一也,井山ゆり,松本亥智江,他:地域在 住高齢者の趣味の有無と認知機能の関連. 島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研 究紀要 2007;1:25-30.

8) Niti M,Yap KB,Kua EH,et al.: Physical,social and productive leisure activities,cognitive decline and

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interaction with APOE-epsilon 4 genotype in Chinese older adults, International psychogeriatrics 2008;20 (2):237-251.

9) Iwasa H,Yoshida Y,Kai I,et al.:Leisure activities and cognitive function in elderly community-dwelling individuals in Japan:a 5-year prospective cohort study,Journal of psychosomatic research 2012;72 (2):159-164. 10) Iwasa H, Yoshida Y:Actual Conditions

of Leisure Activity Among Older

Community-Dwelling Japanese Adults. Gerontology & Geriatric Medicine. 2018;4:1-11.

11) 岩佐一, 吉田祐子, 石岡良子, 他:地域高 齢者における「現代高齢者版余暇活動尺 度」の開発:認知機能との関連の検討. 日本 公衆衛生雑誌. 2019;66(10) :617-28. 12) Yates LA,Ziser S,Spector A,et al.:

Cognitive leisure activities and future risk of cognitive impairment and dementia:systematic review and meta-analysis,International psychogeriatrics 2016;28(11):1791-1806. 13) 竹田徳則,近藤克則,平井寛:地域在住高 齢者における認知症を伴う要介護認定の心 理社会的危険因子 AGES プロジェクト 3 年間のコホート研究,日本公衆衛生雑誌 2010;57(12):1054-1065.

14) Engeroff T,Ingmann T,Banzer W: Physical Activity Throughout the Adult Life Span and Domain-Specific

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参照

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