第 11 号をお届けします。今号の特集は,少々具体的に,病いということを選びました。前号までは, 心理学に限らない意図からか,特集テーマが抽象的に表されてきたのですが,今号も,特集以外の様々 なコーナーを含めれば,たくさんの学問が広く含まれたものになりました。これを書いている副委員長も 教育学者です。この学会は,「質的研究学会」と称した方が伝わるかな,とも思ってきた者の一人です。 『質的心理学フォーラム』は,『質的心理学研究』もある中で,それとは異なる何をめざすのか。編集 委員会の会議でも話題となってきた点です。私見では,心理学の方法論や論文フォーマットには即さぬ 原稿も,学術論文とはいえない挑戦的な原稿であれ前向きに掲載し,その種の原稿を集めた企画さえ練 ることでしょうか。他方で依頼原稿も,査読を通っていただく点は心苦しく,今回掲載に至らなかった 例も複数あったところでした。 とはいえ,意見論文(リ・コロン)ほか,コメント的な短文を募集するコーナーもありますから,ぜひ とも今後,チャレンジングなテーマと方法も含めて,ご投稿くださることを期待しています。 さらにいえば,編集委員会もじつに多彩な学問のコラボとなっています。業務上のメール交換の他に, 対面会議ということで年 2 回ほど集まりますが,そこでの論議には学問的な気づきもあり,思いがけな いアイデアが浮かぶ瞬間が,共有されるし,委員各人それぞれにあるようです。その気づきやアイデア は,方法の違い,または関心の違いに基づくことでしょう。関心というか研究テーマや方法がかなり異 なる委員たちですが,共通した関心はたぶん,マイノリティーや弱者,またはごく普通にもみえる生活 者たちの声をつかむことと,そうした人たちのエンパワーメントなのだろうな,と実感させられたりする 場です。それ自体が質的心理学というか,個別性やかけがえのなさ重視の「質的研究」の特色とも思え ます。この学問を選択する学生・院生・現場人の特徴というかサガなのだろうと思ったりします。今号 でいえば,病いへの注目がまさにそれで,質的研究の特色を意味ということに見出した前号特集および 今号の意見論文も,この共通関心に連なるものです。ぜひご賞味あれ。 こうした編集委員会にも,自薦または他薦でも,加わってみてほしいです。お仕事以上に,互いの交 流と個人的な広い視野や情報,深い関心がゲットできること,確実です。 こういっているうちに,前の前の・・号も見てみたくなった新入会員の方がいるでしょう。今号に, バックナンバーが明治学院大学大会で入手できることをお知らせしました。ぜひご活用くださいませ。 (K. K.)
編集後記
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