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『熱力学』演習問題解答_修正版(989.1KB・)

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(1)演習問題の解答 (210601 版). 〈第 1 章〉. 1.1 次の量を示量状態量と示強状態量に分類せよ. (a) 温度. (b) 圧力. (f) 物質量. (c) 内部エネルギー. (d) 比熱. (e) 体積. (g) 質量. 解) 示量状態量 (c), (e), (f), (g) 示強状態量 (a), (b), (d),. 1.2 圧力 0.15 MPa のまま風船に入った気体が 1 m3 から 5 m3 まで膨張した.このとき,風船の外側 は 0.1 MPa であった.この気体のした仕事はいくらか.また,取り出せた仕事はいくらか. 解) まず,気体のした仕事を求める.最初の体積をV1 = 1 m3 ,最後の体積をV2 = 5 m3 とする.圧 力は一定なのでこれを P1 = 0.15 MPa = 0.15 106 Pa (定数)とすれば,. (. ). Wc =  P1dV = P1 (V2 − V1 ) = 0.15 106 ( 5 − 1) = 0.6 106 J = 600 kJ V2. V1. 次に,取り出せた仕事を求める.最初の体積をV1 = 1 m ,最後の体積をV2 = 5 m とする.外部 3. 3. の圧力は一定なのでこれを P2 = 0.1 MPa = 0.1106 Pa (定数)とすれば,. (. ). We =  P2dV = P2 (V2 − V1 ) = 0.1106 ( 5 − 1) = 0.4 106 J = 400 kJ V2. V1. 1.3 鍋に水 1 kg を入れて加熱したら,20 ℃だった水が 60 ℃になった.このときの加熱量はい くらか.水の内部エネルギーはどれだけ増加したか.. 解) 加えられた熱量は比熱と質量と温度変化の積で求められる.. (. ). Q12 = cm (T2 − T1 ) = 4.186  103 (1)( 60 − 20 ) = 1.67  103 J = 1.67 kJ. 内部エネルギーの変化は最初の状態を 1,最後の状態を 2 とした時に,. dQ12 = dU + dW12 の両辺を状態 1 から 2 まで積分すれば 1.

(2) Q12 = U + W12. であり,仕事は 0 なので, U = Q12. となるので,1.67 kJ.. 1.4 圧力 P. [Pa] の気体の体積が微小量 dV [m3 ] だけ増加したときに気体がする仕事はいくらか.. P = k V ( k は定数)の関係がある時, この気体が体積V1 [m3 ] から体積V2 [m3 ] まで膨張した時にする. 仕事はいくらか.. 解) 微小量の体積変化に伴う仕事は圧力がその間一定と考えて良いので, PdV [J] となる.また, 所定の体制変化に伴う仕事はこれを積分すれば良い. V2. V2. V1. V1. Wc =  PdV = . V k dV = k ln 2 [J] V V1. 1.5 圧力 P [Pa] の液体の体積が微少量 dV [m3 ] だけ増加したときに液体がする仕事はいくらか. P = k (V0 − V ) ( k は定数)の関係がある時,この液体が体積V1 [m3 ] から体積V2 [m3 ] まで膨張した時. にする仕事はいくらか.. 解) 微小量の体積変化に伴う仕事は圧力がその間一定と考えて良いので, P dV た,所定の体制変化にともなう仕事はこれを積分すれば良い. V2 V2  V 2 − V12  Wc =  PdV =  k (V0 − V ) dV = k V0 (V2 − V1 ) − 2  [J] V1 V1 2  . 2. [J] となる.ま.

(3) 〈第 2 章〉. 2.1 モーターに電池をつなぎ,20 kJ の力学的な仕事をさせたところ,3 kJ の熱が周囲に放出さ れ,最終的に,静止したモーターも電池も室温に戻った.モーター,電池,各々の内部エネルギー の変化はどれだけか?. 解) モーターについては,初期の状態に戻ったので,状態量である内部エネルギーの変化量は 0 である.したがって,モーターの初期の内部エネルギーをU M1 ,変化後の内部エネルギーをU M2 と すると,U M2 = U M1  U M2 − U M1 = 0 である.また,モーターと電池の全体を着目系と見なし,そ の初期の内部エネルギーをU1 ,変化後の内部エネルギーをU 2 とすると,式(2.1)より,. U 2 − U1 = ( −3) − 20 = −23 kJ である.ここで,電池の初期の内部エネルギーをU B1 ,変化後の内部 エネルギーをU B2 とすると,U1 = U M1 + U B1, U 2 = U M2 + U B2 とみなせるから,U 2 − U1 = −23 kJ お よびU M2 − U M1 = 0 より,U B2 − U B1 = −23 kJ となる. 2.2 気体がピストン付きシリンダーに封入されている.気体が加熱されて 20 kJ のエネルギーを 受け取り, 同時にピストンのみに仕事をし, 最終的に気体の内部エネルギーが5 kJ増加したとする. 気体が外界(ピストン)に行った仕事を求めよ.また,過程が準静的であり,気体の圧力が一定(0.1 MPa)の場合,膨張した体積を求めよ. 解) 式(2.1)にU 2 − U1 = 5 kJ , Q = 20 kJ を代入すると,Wc = 15 kJ となる.これが,気体が外 界(ピストン)に行った仕事である.また,過程が準静的である場合,式(2.5)よりWc = と書け,圧力が一定ならば,さらにWc = P. . V2. V1. . V2. P dV. V1. dV = P (V2 − V1 ) と書ける.したがって,. P = 0.1 MPa = 1 105 Pa ならば,膨張した体積はV2 − V1 =. 15  103 3 m = 0.15 m3 となる. 1  105. 2.3 温度 400 K の気体を堅い容器に封入し,その後,この気体に 3600 kJ の熱を加えた.気体の 内部エネルギーの変化 dU と温度の変化 dT には dU = CV dT , CV = 1.0 kJ K の関係があるとし,加 熱後の気体の温度を求めよ. 解) 定容過程なので,式(2.6)より,気体の内部エネルギーの増分 U は U = 3600 kJ である. したがって,温度の増分 T は T =. U = 3600 K であり,加熱後の気体の温度は CV 3.

(4) 400 + 3600 = 4000 K である. 2.4 ピストン付きシリンダーに気体が封入され,その温度は 400 K である.この気体を,圧力を 一定に保ちながら加熱し,気体に 3600 kJ の熱を加えた.気体のエンタルピーの変化 dH と温度の 変化 dT には dH = CPdT , CP = 1.2 kJ K の関係があるとし,加熱後の気体の温度を求めよ. 解) 定圧過程なので,式(2.9)より,気体のエンタルピーの増分 H は H = 3600 kJ である. したがって,温度の増分 T は T =. H 3600 = K = 3000 K であり,加熱後の気体の温度は CP 1.2. 400 + 3000 = 3400 K である.. 2.5 タービンを考え,その入口から流入する気体の比エンタルピー(単位質量当たりのエンタル ピー)が 5 MJ/kg,出口から流出する気体の比エンタルピーが 3 MJ/kg,出口での気体の流速が 600 m/s であるとする.タービンを流れる気体の質量流量が 5 kg/s であるとき,気体がタービンに行う 仕事率を求めよ.ただし,入口での気体の流速および気体とタービンの熱交換は無視できるほど小 さいとする. 解) 1 秒当たりに,タービンに流入するエネルギーは 5  5 = 25 MW であり,タービンから流出す 1 1 るエネルギーは 3  5 +  5  6002  6 = 15.9 MW である.気体とタービンの熱交換は無視できる 2 10. ほど小さいので,気体がタービンに行う仕事率は上記の差に等しく, 25 − 15.9 = 9.1 MW である.. 4.

(5) 〈第 3 章〉 3.1 温度TH の高温熱源と温度 TL (  TH ) の低温熱源との間で働くカルノーサイクルを考える.図 3.2 における状態 A を PA ,VA で表し,作業物質の状態変化が全過程を通じて PV T = constant (右辺 の定数は全過程を通じて同じ値) に従うとし, 作業物質の内部エネルギーは温度のみの関数とする. 状態Bの体積をVB とし, 過程A→Bにおいて作業物質が行う仕事WA→B と作業物質が受け取る熱 QH を 計算せよ. 次に,準静的断熱過程では作業物質の状態変化が PV  = constant (  は1    5 3 を満たす定数 で全過程を通じて同じ値;右辺の定数は準静的断熱過程が連続している間に限り同じ値)に従うと し,過程 B→C において作業物質が行う仕事WB→C を計算せよ. 次に,過程 C→D において作業物質が行う仕事WC→D と作業物質が捨てる熱 QL* を計算せよ. 次に,過程 D→A において作業物質が行う仕事WD→A を計算せよ. 最後に,熱効率 = (WA→B + WB→C + WC→D + WD→A ) QH を計算せよ.. 解) まず,状態 A の温度はTH であるから,. PV PAVA PV と = = constant より,全過程を通じて T T TH. 書ける.そして,過程 A→B は温度TH の準静的等温過程であるから,過程 A→B を通じて P =. PAVA V. と書ける.いまの場合,等温過程では作業物質の内部エネルギーが変化しないので,式(2.5)より VB. VB. VA. VA. QH = WA→B =  pdV = PAVA . dV V = PAVA ln B と書ける. V VA. 次に,状態 B における圧力は PB =. P=. PAVA と書け,また,過程 B→C を通じて,PV  = constant より VB. PBVB と書ける.したがって,状態 C における体積をVC とすると, V VC. WB→C =  PdV = PBVB VB. . . VC. VB.  −1 dV PAVA   VB   1 −    と書ける.また,状態 C の温度は TL であるから, = V   − 1   VC    .  −1. PC =. V  PV PV PV PBVB , C C = A A および PB = A A より,  B   VC TL TH VB  VC . =. PV  T TL と書け,WB→C = A A 1 − L  − 1  TH TH.  と . 書ける. 次に,過程 C→D は温度 TL の準静的等温過程であるから,過程 C→D を通じて P =. TL PAVA と書け TH V. る.等温過程では作業物質の内部エネルギーが不変なので,状態 D の体積をVD とすると,式(2.5). 5.

(6)  −1. V  より,  B   VC . =. TL を使って, TH. Q = −WC→D = −  * L. VD. VC. T PdV = − PAVA L TH. . VD. VC. 1   dV TL VD TL VD  TL  −1  = − PAVA ln = − PAVA ln   V TH VC TH  VB  TH    . 1. と書ける.ここで, PDVD. QL* = −WC→D = PAVA. .  T   −1 PV PV = PAVA および D D = A A よりVD = VA  H  と書けるから, TL TH  TL  . TL VB ln と書ける. TH VA. 次に,過程 D→A を通じて, PV  = constant より P =. PAVA と書けるから, V 1. VA. WD→A =  PdV = PAVA VD. WD→A = −. PAVA  TL 1 −  − 1  TH PAVA ln. 最後に, =. . . VA. VD.  −1  T   −1 dV PAVA   VA    =− 1 −    と書ける.さらに,VD = VA  H  を使って,  V  − 1   VD    TL   .   と書ける.  VB PAVA  TL + 1 − VA  − 1  TH.  TL VB PAVA  TL  ln −  − PAVA 1 −  T VA  − 1  TH  T H  = 1 − L となる. VB TH PAVA ln VA. 3.2 クラウジウスの原理「低温熱源から高温熱源に正の熱を移す際に,他に何の結果も残さない ようにすることはできない」は,ケルビンの原理とは異なる熱力学第 2 法則の表現である.ケルビ ンの原理とクラウジウスの原理が等価であることを示せ.. 解) 「ケルビンの原理が真ならばクラウジウスの原理が真」という命題と「クラウジウスの原理 が真ならばケルビンの原理が真」という命題の両者を示せばよい.ここで, 「A が真ならば B が真」 という命題と「B が偽ならば A が偽」という命題は等価なので, 「クラウジウスの原理が偽ならばケ ルビンの原理が偽」という命題と「ケルビンの原理が偽ならばクラウジウスの原理が偽」という命 題の両者を示すことにする.そのために,高温熱源 H と低温熱源 L という 2 つの熱源を考え,さら に,これら 2 つの熱源の間で働く可逆熱機関を考える.この可逆熱機関は「ある系に熱力学的な可 逆サイクル(例えばカルノーサイクル)を行わせ,その間に,高温熱源 H から熱 QH (  0 ) をもらい,. 6.

(7) 低温熱源 L に熱 QL* (  0) を捨て,外界に対して仕事W = QH − QL* (  0) をなす」可逆熱機関である. まず, 「クラウジウスの原理が偽ならばケルビンの原理が偽」という命題を示す.もしクラウジウ スの原理が偽ならば, 「上記の熱機関が低温熱源 L に捨てる熱 QL* (  0) を全て,他に何の結果も残さ ずに,高温熱源 H に移すことができる」ので,そのような過程(この過程は「熱源間の熱移動以外 に何の結果も残さない」ので必ずサイクルである)と上記の可逆熱機関の正方向サイクルとの複合 サイクルを考えるならば,結果として, 「高温熱源 H から熱 QH − QL* (  0) をもらい,外界に対して 仕事W = QH − QL* (  0) をなす」ことになる.これは,ケルビンの原理が偽であることを意味してい る. 次に, 「ケルビンの原理が偽ならばクラウジウスの原理が偽」という命題を示す.ケルビンの原理 が偽ならば, 「上記の熱機関(の正方向サイクル)が 2 つの熱源から正味にもらう熱 QH − QL* (  0) を 高温熱源Hだけからもらい, その全てを仕事W = QH − QL* (  0) に変換し, 他に何の結果も残さない」 ようにすることができるので,そのような過程(この過程は「熱移動と仕事以外に何の結果も残さ ない」ので必ずサイクルである)と上記の可逆熱機関の逆方向サイクル(外界から仕事. W = QH − QL* (  0) をもらい,低温熱源 L から熱 QL (  0) をもらい,高温熱源 H に熱 QH (  0 ) を捨て *. るサイクル)との複合サイクルを考えるならば,外界とやり取りする正味の仕事が 0 になり,結果 として, 「低温熱源 L から熱 QL* (  0) を高温熱源 H に移すだけで,他に何の結果も残さない」ことに なる.これは,クラウジウスの原理が偽であることを意味している.. 3.3 1000 K の高温熱源と 300 K の低温熱源の間で働く可逆熱機関が,高温熱源から毎秒 400 kJ の 熱を受け取っている.この熱機関の熱効率および仕事率を求めよ.. 解) 熱効率は,式(3.4) (3.22)より, = 1 −. TL 300 =1− = 0.7 となる.また,式(3.3)より TH 1000. W = QH  W = QH (文字の上のドットは単位時間あたりの量であることを意味する)であり,. QH = 400 kW であるから,仕事率はW = 0.7  400 = 280 kW となる.. 7.

(8) 〈第 4 章〉. 4.1 演習問題 3.1 における過程 A→B および過程 C→D での作業物質のエントロピー変化. S ( B) − S ( A ) および S ( D ) − S ( C ) を計算せよ. 解) 過程 A→B は準静的等温過程であるから,式(4.19)より, Q PV V V  B dQ  S ( B) − S ( A ) =   = H = A A ln B = MR ln B A T  TH VA VA  QEP TH. と書ける.ここで,演習問題 3.1 における. の右辺の定数を MR と書くことにし,. PV = constant (右辺の定数は全過程を通じて同じ値) T. PV = MR とした. T. 同様に,過程 C→D は準静的等温過程であるから,式(4.19)より, −QL* PV V V  D dQ  S ( D) − S (C) =   = = − A A ln B = − MR ln B と書ける.  C T T T V V  QEP L H A A. 4.2 演習問題 3.1 において,1 サイクルにおける外界のエントロピー変化 S ( e) を計算せよ.. 解) 過程 A→B における外界のエントロピー変化 S. T(. e). ( e). A→B. は,式(4.19)で温度を外界の温度. ( = TH ) とし,受け取る熱の符号を逆にして,演習問題 4.1 の結果を使い, S (. e). A →B. Q V  B −dQ  =  = − H = − MR ln B (e)  A T V T  QEP H A. と書ける. 過程 C→D における外界のエントロピー変化 S. ( e). C→D. は,式(4.19)で温度を外界の温度 T (. とし,受け取る熱の符号を逆にして,演習問題 4.1 の結果を使い, S (. e). C→ D. Q* V  D −dQ  = = L = MR ln B  e ( ) C T V T QEP  L A. と書ける. したがって, S ( ) = S ( e. e). A→B. + S (. e). C→D. = −MR ln. 8. VB V + MR ln B = 0 となる. VA VA. e). ( = TL ).

(9) 4.3 温度TH の高温熱源から熱 QH (  0 ) をもらい,温度 TL の低温熱源に熱 QL* (  0) を捨てる,2 つ の熱源間で働く任意の不可逆熱機関を考え,1 サイクルにおける外界のエントロピー変化 S ( e) が正 になることを示せ. 解) 高温熱源のエントロピー変化は,式(4.19)で温度を熱源の温度TH とし,受け取る熱の符号 を逆にして, −. QH と書ける.また,低温熱源のエントロピー変化は,式(4.19)で温度を熱源の TH. 温度 TL とし,受け取る熱の符号を逆にして, は S ( e) =. QL* と書ける.したがって,外界のエントロピー変化 TL. T QL* QH THQL* − TLQH Q* と書ける.ここで,式(3.5) (3.22)より, L  L であるから − = TH QH TL TH THTL. 0  THQL* − TLQH であり, S ( e) =. THQL* − TLQH  0 となる. THTL. 4.4 質量 1 kg の気体があり,はじめ温度 300 K,圧力 500 kPa であった.この気体の状態を変化 させ,温度 900 K,圧力 250 kPa とした.気体の状態変化が常に PV T = MR = 0.286 kJ K に従い, また気体のエンタルピーの変化 dH と温度の変化 dT には dH = CPdT , CP = 1.0 kJ K の関係がある とし,状態変化による気体のエントロピー変化を計算せよ. 解) 状態 A を TA = 300 K, PA = 500 kPa とし,状態 B を TB = 900 K, PB = 250 kPa とする.また, 式(2.8) (4.24)より H = U + PV  dH = dU + PdV + VdP = TdS + VdP であるから, dS =. 1 V dT dP と書ける.したがって,エントロピー変化  S は,次のように dH − dP = CP − MR T T T P. なる.. S = CP . TB. TA. PB dP dT T P 900 250 − MR  = CP ln B − MR ln B = 1.0ln − 0.286ln = 1.3 kJ K P A T P TA PA 300 500. 4.5 質量 1 kg の気体があり,はじめ温度 300 K,質量密度 1 kg/m3 であった.この気体の状態を変 化させ,温度 600 K,質量密度 0.5 kg/m3 とした.気体の状態変化が常に PV T = MR = 0.286 kJ K に従い,また気体の内部エネルギーの変化 dU と温度の変化 dT には dU = CV dT , CV = 0.724 kJ K の関係があるとし,状態変化による気体のエントロピー変化を計算せよ. 解) 状態 A を TA = 300 K, VA = 1 1 = 1 m3 とし,状態 B を TB = 600 K, VB = 1 0.5 = 2 m3 とする.. 9.

(10) また,式(4.24)より dS =. 1 P dT dV と書ける.したがって,エントロピー dU + dV = CV + MR T T T V. 変化  S は,次のようになる.. S = CV . TB. TA. VB dV dT T V 600 2 + MR  = CV ln B + MR ln B = 0.724ln + 0.286ln = 0.700 kJ K V A T V TA VA 300 1. 10.

(11) 〈第 5 章〉 5.1 ある物質の熱的状態方程式が P = RT( R は考えている物質に固有の定数) と書かれるとき, その物質の定容比熱 c および定圧比熱 cP は温度のみの関数となることを示せ.また,この物質につ いて cP − c を計算せよ(得られる結果はマイヤーの関係式(Mayer's relation)と呼ばれている) ..  2P  解) 熱的状態方程式が P = RT( R は考えている物質に固有の定数) と書かれるとき, 2  = 0  T    2   c   c  および  2  = 0 であるから,式(5.68) (5.69)より,   = 0 および  P  = 0 となり,定  T    P T  T  P 容比熱および定圧比熱は温度のみの関数であることがわかる. 2.      P  また, P = RT および式(5.70)より, cP − c = −T      = R となる.関係式  T  P    T cP − c = R はマイヤーの関係式(Mayer's relation)と呼ばれている.. 5.2 ある物質の熱的状態方程式が P = RT( R は考えている物質に固有の定数) と書かれるとき, その物質の比内部エネルギーおよび比エンタルピーは温度のみの関数であることを示せ. 解) 熱的状態方程式が P = RT ( R は考えている物質に固有の定数)と書かれるとき,式(5.73).    P     R  (5.74)の右辺を計算すると, T 2     = T 2     = 0 および  T T      T    .         R  −T 2     = −T 2     = 0 となる.つまり,比内部エネルギーおよび比エンタルピーは  T  T   P  T  P   P 温度のみの関数である.. 5.3 ある物質の熱的状態方程式が P = RT( R は考えている物質に固有の定数) と書かれるとき, その物質の定容比熱は温度のみの関数で du = c (T ) dT と書ける.このような物質からなる閉鎖系 の準静的無限小過程の場合,du = dq − Pd (熱力学第 1 法則)であるから,dq = c (T ) dT + Pd と書ける.このとき,微小量 dq が完全微分でないことを示せ.また,微小量 dq T は完全微分で あることを示せ. 解) 関係式 dq = c (T ) dT + Pd について式(5.36)の成立性を調べてみると,. 11.

(12) R  c   c   P   P  微小量 dq が完全微分でないこと,  =  0 であるから   であり,   = 0,     T     T   T  T . すなわち状態量の微分でないことがわかる. また,関係式    c    T  . dq c (T ) P = dT + d について式(5.36)の成立性を調べてみると, T T T.    c    P     = 0,     = 0 であるから    T  T  T      T. dq    P   が完全微   =     となり,微小量 T  T  T  T  . 分であること,すなわち,ある状態量の微分であることがわかる.式(4.20)より,微小量 比エントロピーの微分 ds =. dq が T. dq であったことを想起すれば納得のいく話である. T. 5.4 ある物質の熱的状態方程式が P = RT ( R は考えている物質に固有の定数)であり,その物 質の定容比熱および定圧比熱が一定である場合,比エントロピー s (T , ) と s (T , P ) と s ( P, ) ,比 ヘルムホルツ自由エネルギー f (T , ) ,比ギブズ自由エネルギー g (T , P ) の具体的表式を,基準状 態を添え字 0 で表して,求めよ..  u  解) 式(5.73)より,熱的状態方程式が P = RT と書かれる物質については   = 0 である.   T  u   u  したがって,式(5.13)より du =   dT +   d = c dT と書け,これと P = RT および式  T    T. (5.63)より, ds = c る.ここで,  =. T  dT d と書ける.これを積分し, s (T , ) = c ln + R ln + s0 と書け +R T  T0 0. cP R とすると,演習問題 5.2 より cP − c = R であるから c = と書け,  −1 c.  −1  1−1   T   P  T  P  = RT とも書ける. また, であるから, s s (T , ) = R ln T , P = R ln + +s s ( )    1  0  0  T  −1 P   T  −1  0  0   0  0. および s ( P, ) =.  P   R ln   + s とも書ける.  − 1  P00  0. 比ヘルムホルツ自由エネルギー f (T , ) に関しては, du = c dT を積分して u = c (T − T0 ) + u0 と 12.

(13)  1−1  T  書けば, f (T , ) = u (T , ) − Ts (T , ) より, f (T , ) = − RT ln  1  + ( c − s0 )(T − T0 ) + f 0    T  −1  0   0. ( f0 = u0 − T0 s0 )と書ける.. ( f T ) c u0 − cT0 あるいは,式(5.75)と u = c (T − T0 ) + u0 より,  と書き,これを  =− −  T T T2   1. 積分して f (T , ) = − RT ln. T  −1 1. T0. + T ( ) + ( c − s0 )(T − T0 ) + f 0 とし,さらに式(5.51)より.  −1.  d d P R  f  P = −  = − = − であるから,これを積分して = − R ln + 0 とし,  = −T d d T  0   T  1−1  T  f (T , ) = − RT ln  1  + ( c − s0 )(T − T0 ) + 0T + f 0 と書き,さらに式(5.53)と求めた s (T , )    T  −1  0   0  1−1   1−1  T    f   T   より R ln + s = −  = R ln  1  + s0 − 0  0 = 0 であるから,  1  0  T   T  −1   T  −1  0  0   0  0  1−1  T  f (T , ) = − RT ln  1  + ( c − s0 )(T − T0 ) + f 0    T  −1  0   0 として,同じ結果を得ることもできる. 比ギブズ自由エネルギー g (T , P ) に関しては, g (T , P ) = f (T , P ) + P (T , P ) だから,求めた. f (T , ) と P = RT および cP − c = R を使って,  −1  T P  g (T , P ) = − RT ln    + ( cP − s0 )(T − T0 ) + g0 ( g0 = f0 + P00 )  T  −1 P  0   0 と書ける.  h  あるいは,式(5.74)より熱的状態方程式が P = RT と書かれる物質については   = 0 であ  P T  h   h  り,これと式(5.14)より dh =   dT +   dP = cP dT であるから,これを積分して  T  P  P T. (g T ) cP h0 − cPT0 h = cP (T − T0 ) + h0 とし,これと式(5.76)より  と書けるから,これ  =− −  T T T2  P 13.

(14) . を積分して cP = c + R =.   −1. R を使い g (T , P ) = − RT ln. T  −1 T0.   −1. + T ( P ) + ( cP − s0 )(T − T0 ) + g0 とし,. d d  R  g  さらに式(5.52)より =   = T  = = であるから,これを積分して dP dP T P  P T.  −1  T P P + c − s T − T0 ) +  0T + g 0 と書き,さらに式  = R ln +  0 とし, g (T , P ) = − RT ln    ( P 0 )( P0  T  −1 P  0   0  −1   −1  T P P  g   T (5.53)と求めた s (T , P ) より R ln + s = − + s − 0   0 = 0 で  = R ln      0  0  T  P  T  −1 P   T  −1 P  0  0   0  0  −1  T P  あるから, g (T , P ) = − RT ln + c − s T − T0 ) + g0 として,同じ結果を得ることもでき    ( P 0 )(  T  −1 P  0   0 る.. 14.

(15) 〈第 6 章〉. 6.1 摂氏 60 ℃を,ケルビン温度,華氏温度,ランキン温度で表すと,それぞれいくらになるか. 単位をつけて書け.. 解) 60 ℃+273=333 K. 9 tF =  60 + 32 = 140 F 5 TR = 140 + 459.7 = 599.7 R. 6.2 圧力 0.5 MPa を,単位 kgf/cm2,mmHg,bar,atm,psi で表すと,それぞれいくらになるか.. 解) 0.5 × 106 × 1.01972 × 10−5 = 5.0986 kgf/cm2 0.5 × 106 × 7.50062 × 10−3 = 3.75031 × 103 mmHg 0.5 × 106 × 1 × 10−5 = 5 bar 0.5 × 106 × 9.86923 × 10−6 = 4.934615 atm 0.5 × 106 × 1.45 × 10−4 = 7.25 × 10 psi. 6.3 d𝑉 = (𝑅 ⁄𝑝)d𝑇 − (𝑅𝑇/𝑝2 )d𝑝は,完全微分か否か,調べよ.完全微分なら 𝑣 の式の形を求め よ.. 𝜕𝑇. 𝜕𝑇. 𝜕𝑝 𝑣. 𝜕𝑣 𝑝. 𝑑𝑇 = ( ) d𝑝 + ( ) d𝑣. 解) 𝜕𝑇. 𝑣. 𝜕. 𝜕𝑇. 1. 𝜕𝑝 𝑣. 𝑅. 𝜕𝑣 𝜕𝑝 𝑣 𝑝. 𝑅. ( ) = ,{ 𝜕𝑇. 𝑝. 𝜕𝑣 𝑝. 𝑅. ( ) = ,{. 𝜕. ( ) } = 𝜕𝑇. 1. 𝜕𝑝 𝜕𝑣 𝑝 𝑣. 𝑅. ( ) } =. 偏微分の順番を変えても変わらないので,𝑑𝑇は完全微分である. 𝜕𝑇. 𝑣. 𝜕𝑝 𝑣. 𝑅. ( ) =. →. 𝑇=. 𝑝𝑣 𝑅. + 𝑓1 (𝑣). 15.

(16) 𝜕𝑇. p. 𝜕𝑣 𝑝. 𝑅. ( ) =. →. 𝑇=. 𝑝𝑣 𝑅. + 𝑓2 (𝑝). 上の二式の比較から. 𝑇=. 𝑝𝑣 𝑅. +𝐶. 6.4 入口より 50 m の高所に流速 20 m/s,吐き出し圧力 10.5 atg で,0.4 m3/min の水を吐き出す ポンプがある.入口では,流速 10 m/s,吸い込み圧力-0.7 atg であるとき,ポンプの効率を 80 % として駆動動力を求めよ.ただし,水の内部エネルギーの変化は無視してよい.. 解) 式(6.14)のエネルギー式から, 1. 𝑤t = (ℎ1 − ℎ2 ) + g(𝑧1 − 𝑧2 ) + (𝐶12 − 𝐶22 ) + 𝑞 2. 内部エネルギーを無視するので,ポンプの出入口のエンタルピー差は ℎ1 − ℎ2 = 𝑝1 𝑣1 − 𝑝2 𝑣2 = (−0.7 atg − 10.5 atg) × (98066.5. Pa atm. )×(. 1. m3. 1000 kg. ) = −1098 J/kg. 位置エネルギーは,g(𝑧1 − 𝑧2 ) = 9.8 m/s 2 × (−50 m) = −490 J/kg 1 1 運動エネルギーは, (𝐶12 − 𝐶22 ) = (102 −202 ) = −150 J/kg 2 2 仕事は,𝑤t = −1098 − 490 − 150 = −1738 J/kg 質量流量は,𝐺 = 1000. kg 0.4 m3 × = 6.666 kg/s m3 60 s. 駆動馬力は, 𝐿𝐺 0.8. =. −1738×6.666 0.8. W = 14482 W = 14.5 kW (= 19.7 PS). 6.5 低温,高温熱源の温度が,それぞれ一定温度 10 ℃,200 ℃である.この熱源を用いた熱機関 のとり得る最高熱効率,冷凍機とヒートポンプの成績係数を求めなさい.. 解) 𝑇𝐻 = 273 + 200 = 473[K] 𝑇𝐿 = 273 + 10 = 283[K] 𝜂 =1− 𝜀R =. 283 473. = 0.40. 283 (473−283). = 1.5 16.

(17) 𝜀H =. 473 (473−283). = 2.5. 17.

(18) 〈第 7 章〉. 7.1 体積 0.1 m3 のシリンダ内に充填されている質量 0.7 kg の気体が圧力 1 MPa から圧力 50 kPa まで等温の下で膨張した.以下の値を求めよ.ただし,この気体のガス定数を 0.2872 kJ/(kg K)と する. (a) 膨張後の体積 V2 (b)初めの温度 T1 (c) 外部にした絶対仕事 Wa (d) 熱量 Q (e) エントロピ ー変化量 ΔS. 解) a) 𝑉2 = b) 𝑇1 =. 𝑃1 𝑉1 𝑃2. 𝑃1 𝑉1. MR. より,V2 = 2 m3. より, T1 = 497 K 𝑉. c) 𝑊a = 𝑃1 𝑉1 ln 2 より,𝑊a = 300 kJ 𝑉1. d) 𝑄 = 𝑊a より,Q = 300 kJ 𝑉. e) Δ𝑆 = 𝑀𝑅 ln 2 より,Δ𝑆 = 602 J/K 𝑉1. 7.2 温度 15 ℃, 圧力 0.3 MPa,体積 0.5 m3 の気体に定圧条件下で 20 kJ の仕事をさせた.気体の 定容比熱および定圧比熱をそれぞれ 0.717 kJ/(kg K),1.005 kJ/(kg K)としたとき,以下の値を求 めよ. (a) 変化後の温度 T2 (b) 熱量 Q (c) エンタルピー変化量 ΔH (d)エントロピー変化量 ΔS. 解) ガス定数は,𝑅 = 𝐶𝑃 − 𝐶𝑉 = 288 J/(kg K)となる. 気体の質量は,M=. 𝑃1 𝑉1 𝑇1 R. = 1.807 kg となる.. a) 𝑊12 = 𝑀𝑅(𝑇2 − 𝑇1 )より, 𝑇2 = 𝑇1 +. 𝑊12 𝑀𝑅. b) 𝑄 = 𝑀𝑐𝑃 (𝑇2 − 𝑇1 )より,𝑄 = 698 kJ c)Δ𝐻 = 𝑀𝑐𝑃 (𝑇2 − 𝑇1 )より,Δ𝐻 = 698 kJ 𝑇. d)Δ𝑆 = 𝑀𝑐𝑃 ln 2 より,Δ𝑆 = 168 J/K 𝑇1. 18. = 327 K.

(19) 7.3 断熱変化における関係式 ( PV  = P1V1 = P2V2 = C(定数) ) を導出せよ. ただし, P:圧力 [Pa],. V:体積 [m3],γ:比熱比 [-]とする. 解) 断熱変化では,系外との熱の授受を行わない状態変化なので,d’Q = 0 である.熱力学第一 法則より, (1). d′𝑄 = d𝑈 + d′𝑊a = 𝐺𝑐𝑉 d𝑇 + 𝑃𝑑𝑉 = 0 理想気体の法則より,. (2). 𝑃𝑉 = 𝑀𝑅𝑇 式を全微分すると,. (3). 𝑃𝑑𝑉 + 𝑉𝑑𝑃 = 𝑀𝑅𝑑𝑇 これより, 1. (4). 𝑀𝑑𝑇 = (𝑃𝑑𝑉 + 𝑉𝑑𝑃 ) 𝑅. となる.式(4)を式(1)に代入すると, 𝑐𝑉 𝑅. 1. (𝑃𝑑𝑉 + 𝑉𝑑𝑃 ) + 𝑃𝑑𝑉 = (𝑐𝑉 + 𝑅 )𝑃𝑑𝑉 + 𝑐𝑉 𝑅 1. 𝑉𝑑𝑃. 𝑅. 𝑅. = 𝑐𝑝 𝑃𝑑𝑉 + 𝑐𝑉. 𝑉𝑑𝑃 𝑅. (5). =0. 両辺に R/(CvPV)をかけると, 𝛾. 𝑑𝑉. +. 𝑉. 𝑑𝑃 𝑃. (6). =0. となる.これより, 𝑉 𝑑𝑉. 𝛾 ∫𝑉 2 1. 𝑉. 𝑃 𝑑𝑃. = − ∫𝑃 2 1. (7). 𝑃. (7)式を積分すると, 𝛾 ln. 𝑉2 𝑉1. = − ln. 𝑃2. (8). 𝑃1. となる.よって, 𝑃𝑉 𝛾 = 𝑃1 𝑉1 𝛾 = 𝑃2 𝑉2 𝛾. 7.4 質量 3 kg の気体が,初期状態(圧力 80 kPa, 温度 20 ℃)から終わりの状態(圧力 0.5 MPa, 温度 150 ℃)まで変化するときのポリトロープ指数はいくらになるか?. 解) ポリトロープ変化では, 𝑃𝑉 𝑛 = 𝑃1 𝑉1 𝑛 = 𝑃2 𝑉2 𝑛 = C(定数). (1). が成立する.ただし,n はポリトロープ指数である.(1)式より, 𝑉. 𝑛. ( 2) = 𝑉1. 𝑃1. (2). 𝑃2. 19.

(20) (2)式の両辺の対数をとると, 𝑉. 𝑃. 𝑉1. 𝑃2. 𝑛 ln ( 2 ) = ln ( 1 ). (3). よって, 𝑛=. 𝑃1 ) 𝑃2 𝑉2 ln( ) 𝑉1. ln(. (4). 理想気体の法則より, MRT. V =. (5). 𝑃. (5)式を用いると, 𝑉2 𝑉1. =. 𝑀𝑅𝑇2 𝑃2 𝑀𝑅𝑇1 𝑃1. =. 𝑃1 𝑇2. (6). 𝑃2 𝑇1. (6)式を(4)式に代入すると, 𝑛=. 𝑃1 ) 𝑃2 𝑃1 𝑇2 ln( ) 𝑃2 𝑇1. ln(. (7). よって,. n = 1.25. 20.

(21) 〈第 8 章〉. 8.1 式(8.5)を導く時,オットーサイクルの出力はエネルギーの保存則より,Wnet = QH − QL* と した.オットーサイクルの出力は図 8.2 の P-V 線図の積分結果でもある.オットーサイクルの P-V 線図に沿って仕事の積分を実行し,得られる仕事がWnet = QH − QL* に等しいことを証明せよ.. 解). . Pdv = P1v1.  −1. ここで,T1v1. 2 −. 1. 4 −. v dv +P3v3. = T2v2.  −1. 3. v dv =.  −1. とT3v3. = T4v4.  −1  −1 RT1   v1   RT3   v3       1 − + 1 −      − 1   v2    − 1   v4      .  −1. ,. R = cV を用いれば  −1.  Pdv = −cV (T2 − T1) + cV (T3 − T4 ) = −QL + QH *. 8.2 空気を作動流体とするディーゼルサイクルの圧縮比が 18.0,締切り比は 2.0,圧縮開始圧力 と温度が 100 kPa,300 Kとする.このサイクルについて ①最高圧力,②最高温度,③理論熱効 率 を求めよ.ただし,作動空気は理想気体とする.. 解). =. v1 = 18 である. v2 . ①最高圧力:. v  P2 = P1 1  = 5.72 MPa  v2 .  v1  ②最高温度: T3 = T1    v2 .  −1.  = 1906.6. K.   −1 = 0.631 ③理論熱効率: th = 1 −  −1   ( − 1). 21.

(22) 8.3 空気を作動ガスとするブレイトンサイクルがある.最高圧力,最低圧,最低温度,最高温度 はそれぞれ 0.6 MPa,0.15 MPa,20 ℃,1200 ℃である.作動空気 1kg 当たりの加熱量,理論熱効 率,仕事量を求めよ.ただし,作動空気は理想気体とし,定圧比熱を c p = 1.005 kJ/(kg K)とする.. 解)  =. P2 = 4.0 P1. P  加熱量: T2 = T1 2   P1 . ( −1). . = 435 .4 K, qH = cP (T3 − T2 ) = 1042 .8 kJ/(kg・K). 1 理論熱効率: th = 1 − ( −1)  = 0.327  仕事量:. wo = qH th = 341 kJ/kg. 8.4 比熱比 κ の,閉じた系にある理想気体1モルが,図 8.16 に示すサイクルを行った.過程 A→B は等温膨張,過程 B→C は等圧変化,過程 C→A は等積変化である.圧力 PB,容積 VB,VC が分かって いるとして次の問に答えよ.(1),(2),(4),(6)の答は,PB,VB,VC,と一般ガス定数 R0,比熱比. κ を用いて記述せよ. (1) 状態 B での温度 TB を求めよ. (2) このサイクルで気体がなした正味の仕事を求めよ. (3) 気体にはどの行程で熱が加えられるか.D→E のように答えよ. (4) 気体に加えられた総熱量を求めよ. (5) 気体から熱が排出されるのはどの行程か.D→E のように答えよ. (6) 気体から排出された総熱量を求めよ.. 22.

(23) 圧 A. 力. P. 等 積 変 化. PB. 等温膨張 B. C. 等圧変化. VC. VB 容積 V. 図 8.16 演習問題 8.4. 解) (1) pBVB = nR0TB , n = 1 mol より, TB = pBVB / R0 . (2) 気体は A-B 間で仕事WAB をなし,B-C 間で仕事WBC をなされる. WAB =. . B. A. pdV = pBVB. V B. A. V  V  dV = pBVB ln  B  = pBVB ln  B  V  A  VC . −1. WBC = pB (VB − VC )  VB   − pB (VB − VC )  VC . よって正味の仕事は,W = WAB − WBC = pBVB ln  (3) C→A と A→B (4) QCA = mcv (TA − TC ) =. R0  pBVB pCVC −  R0.  − 1  R0. V QAB = WAB = pBVB ln  B  VC.  pB (VB − VC )  =  −1 .   . よって加えられた総熱量は, V QAB + QCA = pBVB ln  B  VC.  pB (VB − VC )  +   −1. (5) B→C (6) QBC = mc p (TB − TC ) =.  R0  pBVB pBVC −   − 1  R0 R0.   pB (VB − VC )  =   −1. 8.5 800 ℃の高温熱源と 300 ℃の低温熱源の間で,700 cal/s で熱エネルギーを使って 5 秒間仕 事をさせたところ,2.5 kJ の仕事を取り出せた.この系の,エクセルギー,熱効率,エクセルギー 効率,エクセルギー損失を求めなさい. 23.

(24) 解) エクセルギー: 700(cal/s)×5(s)×4.19(J/cal)×(1-573/1073)=6833(J) 熱効率: 2.5×103J/(700(cal/s)×5(s)×4.19(J/cal))=0.17 エクセルギー効率: 2.5×103(J)/6833(J)=0.366 エクセルギー損失: 6833(J)- 2.5×103(J)=4333 (J). 8.6 内燃機関の排気弁が開く時,内部の気体の温度は 600 ℃,圧力は 500 kPa であった.この気 体の比エクセルギーを求めよ.ただし,内部の気体は理想気体の空気とし,ガス定数 R=287.13 J/(kg K),定圧比熱 cP=1.005 kJ/(kg K),定容比熱 cV=0.718 kJ/(kg K)とする.また,周囲温度は 25 ℃, 周囲圧力は 1 atm とする.. 解) 閉じた系の気体の比エクセルギーは式(8.56)より下記のように表せる. du = cV dT , ds =. cP R T  dT − dP , dv = Rd   T P P. だから,. R  c T  declosed = −du + Tenvds − Penvdv = −cV dT + Tenv  P dT − dP  − Penv Rd   P  T P. よって,上式を T から T0 まで積分すれば,  T  T   Penv   T  c  Penv   eclosed = cV Tenv  − 1 − P ln    + RTenv     − 1 − ln    Tenv cV  Tenv    P     Tenv   P . ここで,T=873 K, T env =298 K, P=500 kPa,P env =101.3 kPa を上式に代入して計算すると,. eclosed=390.1 kJ/kg となる.. 24.

(25) 〈第 9 章〉. 9.1 ファン・デル・ワールスの式に従う気体について,式(9.9)を確かめよ..  U   P  解) エネルギー方程式   =T  − P (5.73)の右辺を計算してみると,式(9.5)より  V  T  T V  U   P  N N T  − P = a   であるから,   = a   (9.9)となる.  V T  T V V  V  2. 2. 9.2 理想気体のジュール・トムソン係数を計算し,0 となることを確かめよ.. R    解) 熱的状態方程式 P = RT より   = だから,式(9.20)より  T  P P.  1 R 1      T     = T   −   =  T −   = 0 となる.  P c  T c P  h P   P   P . 9.3 ファン・デル・ワールスの式に従う気体の内部エネルギーの表式が式(9.15)で示されたが, 同様にエントロピーの表式を示せ.. 解) エントロピーの微分は,ギブズの関係式(4.24)より dS = ァン・デル・ワールスの式(9.5)から. dU PdV と書ける.また,フ + T T. 2 PdV  NRg aN  = −    dV と書け,式(9.13)から T V − bN T  V  . 2. NRg dT dU dT a  N  + dV と書ける.し = CV (T ) +   dV と書けるから,さらに, dS = CV (T ) T V − bN T T T V  たがって,. . S. S0. dS =  CV (T ) T. T0. NRg V T dT dT V − bN + dV  S (T ,V ) = S0 +  CV (T ) + NRg ln V T 0 V − bN 0 T T V0 − bN. となる.. 9.4 実在気体の状態方程式としては,ファン・デル・ワールスの状態方程式(9.5),(9.6)以外 にも,ベルテローの状態方程式(Berthelot equation of state) 25.

(26) 2. P=. NR0T RT aN a −   = 0 − V − bN T  V  Vm − b TVm 2. (9.14). ( a, b は気体種に依存する定数)やディーテリチの状態方程式(Dieterici equation of state) P=.  a N  NR0T R0T a  exp  − exp  − =  V − bN  R0T V  Vm − b  R0TVm . (9.15). ( a, b は気体種に依存する定数)などが提案されている.ファン・デル・ワールスの状態方程式, ベルテローの状態方程式,ディーテリチの状態方程式の各々について,圧縮因子 Z = PVm / R0T を 計算せよ.. 解) 式(9.1)の P に各々の状態方程式の表式を代入すると,ファン・デル・ワールスの状態方 程式に対しては Z =. 1 1−. Z=. 1 b 1− Vm. −. b Vm. −. a となり,ベルテローの状態方程式に対しては R0TVm.  a 1 a となり, ディーテリチの状態方程式に対しては Z = exp  − b R0T 2Vm  R0TVm 1− Vm.   とな . る.. 9.5 実在気体の状態方程式の 1 つであるビリアル状態方程式は,理想気体からのずれをVm の逆数 (すなわち,1 / Vm = n / V :モル密度[単位体積あたりの物質のモル数] )で級数展開したものであ り(圧力で展開する場合もある) , Z=. PVm B C =1+ + + RgT Vm Vm 2. と書かれる.ここで, B, C ,. (9.16) は第 2 ビリアル係数,第 3 ビリアル係数,…と呼ばれ,気体種に依. 存する温度の関数である.モル密度による級数展開であるから,必要とする密度範囲と精度に応じ て展開次数を選択する.ファン・デル・ワールスの状態方程式を1 Vm で展開してビリアル状態方程 式に書き直し,第 2,第 3 ビリアル係数を求めよ. ファン・デル・ワールスの状態方程式に従う実在気体に対し,ジュール・トムソン係数が 0 とな るような − T 平面上の曲線を求めよ.. 26.

(27) 解) 計算を見やすくするために x =. 1 とすると,ファン・デル・ワールスの状態方程式に対する Vm. 圧縮因子は(前問の結果より)Z ( x ) =. 1 a − x と書ける.これを x = 0 の周りでテーラー展開 1 − bx R0T. すると,次のようになる..    1 a 1 Z ( x) = − x   Z ( x ) = Z ( 0 ) + Z  ( 0 ) x + Z  ( 0 ) x 2 +   1 − bx R0T 2    b a   a  2 2 Z ( x) = − = 1+ b −   x+b x + 2 R T R T 1 − bx ( ) 0  0      2 a b b−   Z  ( x ) = 2 3 R0T b2   (1 − bx ) = 1+ + 2+   Vm Vm  したがって,第 2 ビリアル係数は B = b −. a ,第 3 ビリアル係数は C = b 2 となる. R0T. 9.6 ファン・デル・ワールスの状態方程式に従う実在気体に対し,ジュール・トムソン係数が 0 となるような − T 平面上の曲線を求めよ. 解) 気体のモル質量を M m とすると,比体積は = Vm / M m と書け,気体の種類に固有の気体定数 は R = R0 / M m と書けるから,式(9.6)のファン・デル・ワールスの状態方程式は. P=. RT a 1 − と書ける.ここで,ファン・デル・ワールス定数 a, b は気体の種類に固有の b M m2  2 − Mm. 正の定数であるから, a = らに, P =. a b と書くと,ファン・デル・ワールスの状態方程式は,さ , b = 2 Mm Mm. RT a − 2 と書ける.この式を使って式(9.25)を計算すると,  − b . 1 2a ( − b ) b R 2 となる.したがっ 2 1 2a  ( v − b ) 2. P=. T−. RT a  − b b     T  − 2  =  =−    2 a 2  − b   T  P T − ( − b)  P h cP T − R 3 . 1 2a  ( − b ) (この式が − T 平面上の曲線を表す)のときにジュール・トムソン係数 b R 2 2. て, T =. R 2. 27.

(28) 1 2a  ( − b ) 1 2a  ( − b )  T  はT = のとき   は 0 となる.なお,分母に現れる T −  2 b R R 2  P h 2. 2.  1 1  2a ( − b ) となるが,ファン・デル・ワールスの状態方程式が意味を持つのは  −  R 2 b   2. 1 1  1 1  2a ( − b )  0 である.  − b  0  −  0 のときであるから,  −  R 2 b   b   2. 28.

(29) 〈第 10 章〉. 10.1 水 1 mol から成る系に熱を加えて水蒸気 1 mol から成る系に変化させた. この変化に伴って, 40 kJ の熱が吸収され,2 kJ の仕事が取り出されたとすると,系の内部エネルギーはどれだけ増加 したか.. 解). U = Q − W = 40 − 2 = 38 kJ. 10.2 炭酸カルシウム 1 mol から成る系に熱を加えて酸化カルシウム 1 mol と二酸化炭素 1 mol か ら成る系に変化させた.この変化に伴って,120 kJ の熱が吸収され,2 kJ の仕事が取り出されたと すると,系の内部エネルギーはどれだけ増加したか.. 解) U = Q − W = 120 − 2 = 118 kJ. 10.3 ある温度圧力で,水素 1 mol のエンタルピーは 0 kJ,一酸化炭素 1 mol のエンタルピーは- 111 kJ である.同じ温度圧力で水素 1 mol と一酸化炭素 1 mol から成る混合気体のエンタルピーは いくらと計算できるか.. 解). H = H (H2 ) + H (CO) = 0 − 111 = −111 kJ. 10.4 100 ℃,0.1 MPa の水 1 mol のエンタルピーは,次のそれぞれの場合にいくらとなるか.た だし,水の比熱は 72 J/(mol K),水の蒸発潜熱は 46 kJ/mol,水素と酸素から水ができる反応熱を 286 kJ/mol の発熱とする. (1) 25 ℃,0.1 MPa の水を基準とする場合 (2) 三重点の水を基準とする場合 (3) 標準状態で安定な元素を基準とする場合. 解) (1) 100 ℃,0.1 MPa で安定な水の状態は水蒸気なので,25 ℃,0.1 MPa の水を圧力一定で 100 ℃ まで加熱し,そのまま蒸発させたときの熱量の分だけエンタルピーが増加する.. ( 72 J/(mol K))((100 − 25) K ) + 46,000 J/mol = 51,400 J/mol. 29. = 51.4 kJ/mol.

(30) (2) この基準は蒸気表で用いられる基準であるから,蒸気表の 0.1 MPa, 100 ℃の液相のエンタル ピーを読み取って,2,675.77 kJ/kg.これを 1 mol 当たりに換算する.. ( 2,675.77 kJ/kg )(0.018 kg/mol) = 48.2 kJ/mol (3) 標準状態 0.1 MPa, 298.15 K で水素と酸素を一定圧力で反応させ,得られた 0.1 MPa の液体の 水を 373.15 K (100 ℃)まで一定圧力で加熱し,一定圧力で蒸発させた時の熱量の分だけエンタル ピーは増加する. −286 kJ/mol + ( 72 J/(mol K) )( (100 − 25) K ) + 46,000 J/mol = −234,600 J/mol = −234.6 kJ/mol. 30.

(31) 〈第 11 章〉. 11.1 断熱,密閉した箱の中に入れておいた氷が微小量 dn だけ溶ける時のエントロピー変化を求め よ.ただし,氷の化学ポテンシャルを ice ,水の化学ポテンシャルを  liq として,この時の温度を T とする.. 解) 式(10.12)より dU = TdS − PdV + ice ( −dn ) + liqdn. 断熱,密閉しているため,系の内部エネルギー,体積変化はないので 0 = TdS + ice ( −dn ) + liqdn. これを整理して dS =. ice − liq T. dn. 11.2 断熱,密閉した箱の中で,炭酸カルシウムが微小量 dn だけ分解して酸化カルシウムと二酸化 炭素がそれぞれ dn だけ以下の式に従って生成した.この時のエントロピー変化を求めよ.ただし, 炭酸カルシウム,酸化カルシウム,二酸化炭素の化学ポテンシャルを,それぞれ, CaCO3, CaO,  CO2 として,この時の温度を T とする.. CaCO3 → CaO + CO2. 解) 式(10.12)より dU = TdS − PdV + CaCO3 ( −dn ) + CaOdn + CO2 dn. 断熱,密閉しているため,系の内部エネルギー,体積変化はないので 0 = TdS + CaCO3 ( −dn ) + CaOdn + CO2 dn. これを整理して dS =. CaCO3 − CaO − CO2 T. dn. 11.3 20 ℃の水 30 g と 40 ℃の水 60 g を混ぜたところ,温度平衡状態となった.この時,以下 の問いに答えよ.ただし,外部との熱のやりとりはないものとする. (1) 平衡状態で水の温度は何 ℃か. (2) この変化に伴うエントロピー変化はいくらか.. 31.

(32) 解) (1) 混合後の温度を T とすると. ( 20)(30) + ( 40)( 60) = T (30 + 60) T = 33.3 ℃. (2) 可逆的に体積変化しない熱容量が C であるT1 [K]の物体をT2 [K]まで加熱するときのエン トロピー変化は, dS =. dQ CdT = T T. を積分して S = C ln. T2 T1. 今,基準温度を T0 [K]として,可逆的に 20 ℃(293.15 K)の水 30 g を作るときのエントロピー変 化は,水の比熱を 4.2 kJ/(kg K)として. (. )(. ). S1 = 4.2  103 30  10−3 ln. 293.15 T0. 今,基準温度をT0 [K]として,可逆的に 40 ℃(313.15 K)の水 60 g を作るときのエントロピー 変化は,水の比熱を 4.2 kJ/(kg K)として. (. )(. ). S 2 = 4.2  103 60  10−3 ln. 313.15 T0. 今,基準温度を T0 [K]として,可逆的に 33.3 ℃(306.45 K)の水 90 g を作るときのエントロピー 変化は,水の比熱を 4.2 kJ/(kg K)として. (. )(. ). S3 = 4.2  103 90  10−3 ln. 306.45 T0. よって,求めるエントロピー変化は. (. )(. ). S3 − ( S1 + S 2 ) = 4.2  103 90  10−3 ln. (. )(. ). )(. ). )(. ). − 4.2  103 30  10−3 ln. (. = 4.2  103 30  10−3 ln. (. (. )(. ). (. )(. ). (. )(. ). (. )(. ). 293.15 313.15 − 4.2  103 60  10−3 ln T0 T0. 306.45 306.45 + 4.2  103 60  10−3 ln T0 T0. − 4.2  103 30  10−3 ln. = 4.2 103 30 10−3 ln. 306.45 T0. 293.15 313.15 − 4.2  103 60  10−3 ln T0 T0. (. )(. ). 306.45 306.45 + 4.2 103 60 10−3 ln 293.15 313.15. = 0.140 J/kg. 32.

(33) 11.4. 密閉した内容積の変わらないシリンダーの中にピストンがあり,その両側に理想気体が入. っている.一方の理想気体 A は 1 MPa で,その体積は 20 cm3,他方の理想気体 B は 0.2 MPa で,そ の体積は 50 cm3 である.ピストンが自由に動けるようにし,平衡状態を実現した時,以下の問いに 答えよ.ただし,ピストンは摩擦なく動き,その体積は変わらない.また,温度はどこも常に 300 K 一定とする. (1) 平衡状態で理想気体 A, B の体積と圧力はいくらか. (2) この変化に伴う理想気体 A, B のエントロピー変化はいくらか.. 解) (1) 変化の前後で全体の物質量は変化しないので,平衡状態の圧力を P [Pa] ,平衡状態の理想気体 A, B の体積をそれぞれVAe [m3 ] , VBe [m3 ] とすれば,. (1 10 )( 20 10 ) + ( 0.2 10 )(50 10 ) = −6. 6. 6. (8.3145)( 300 ). −6. (8.3145 )(300 ). PVAe. +. PVBe. (8.3145 )(300 ) (8.3145 )(300 ). また,変化の前後でシリンダーの容積は変化しないので,. ( 20  10 ) + (50  10 ) = V −6. −6. Ae. + VBe. これらを連立して解けば,. (3 10 ) = 0.429 MPa 6. P=. 7. また,変化の前後で全体の物質量は変化しないので,. (1 10 )( 20 10 ) = −6. 6. (8.3145)( 300 ). PVAe. (8.3145)( 300 ). より VAe =. (. 140 3  106. ). = 46.7  10−6 m3 = 46.7 cm3. よって. (. ) (. ). VBe = 20  10−6 + 50  10−6 − VAe = ( 20 + 50 − 46.7 )  10 −6. = 23.3  10−6 m3 = 23.3 cm3. (2) 理想気体A, Bの定積モル熱容量が与えられていないので, これらをそれぞれ CmV ,A [J/(mol K)], CmV ,B. [J/(mol K)]とおく.定積モル熱容量が CmV である理想気体 1 mol が圧力 P1 , 体積V1 から圧. 力 P2 , 体積V2 に変化するときのエントロピー変化は,. 33.

(34) S = CmV ln. T2 P21− T1 P11−. である.ただし, は比熱比で =. CmV + R0 CmV. である.気体 A の 1 mol についてのエントロピー変化は. ( 0.429  10 ) ( 300 ) (1  10 ) . SA = CmV ,A ln. ( 300 ). 1− A. 6. . = (1 −  A ) CmV ,A ln ( 0.429 ). 1− A. 6. = (1 −  A ) CmV ,A ( −0.846) = 0.846 ( A − 1) CmV ,A = 0.846R0 = ( 0.846)(8.3145) = 7.04 J/(mol K). 気体 B の 1 mol についてのエントロピー変化は. ( 0.429  10 ) ( 300 ) ( 0.2  10 ) . SB = CmV ,B ln. ( 300 ). 6. . 6. 1− B. = (1 −  B ) CmV ,B ln ( 2.15 ). 1− B. = (1 −  B ) CmV ,B ( 0.765) = −0.765( B − 1) CmV ,B = −0.765R0 = − ( 0.765)(8.3145) = −6.36 J/(mol K). 今,気体 A, B の物質量 nA , nB はそれぞれ nA =. (1 10 )( 20  10 ) = 8.02  10. nB =. ( 0.2  10 )(50  10 ) = 4.01 10. −6. 6. (8.3145)( 300 ) 6. −3. mol. −6. (8.3145)( 300 ). −3. mol. なので,系全体のエントロピー変化は. (8.02  10 ) ( 7.04 ) + ( 4.01 10 ) ( −6.36 ) = 3.10 10 −3. −3. −2. 34. J/K.

(35) 〈第 12 章〉. 12.1 体積比で窒素と酸素がそれぞれ 79 %,21 %の空気について,以下の問に答えよ.気体はいず れも理想気体とする. (a) 窒素と酸素のモル分率をそれぞれ求めよ. (b) 窒素と酸素の質量比をそれぞれ求めよ. (c) 空気の気体定数を求めよ. (d) 空気の定圧比熱と定容比熱を求めよ.. 解) (a) 理想気体の体積比はモル分率と等しいから, 窒素: f N2 = 0.79. 酸素: fO2 = 0.21. (b) M mN2 = 28 10−3 kg/mol, M mO2 = 32 10−3 kg/mol 空気 1 mol 当たりの質量は, M air = f N2M mN2 + fO2M mO2 = (0.79)(28 10−3 ) + (0.21)(32 10−3 ) = 28.8 10−3 kg/mol. 窒素: gN2 = f N2M mN2 / M air = (0.79)(28 10−3 ) / (28.8 10−3 ) = 0.768 酸素: gO2 = fO2M mO2 / M air = 1 − g N2 = 1 − 0.768 = 0.232 (c) R = RN2 g N2 + RO2 gO2 = (8.314)(0.768) / (28 10−3 ) + (8.314)(0.232) / (32 10−3 ) = 288 J/(kg・K) (d) 窒素,酸素ともに 2 原子分子であるから,比熱比  = 1.4 混合気体でもマイヤーの関係が成立するから,定圧比熱および定容比熱は, cV = R / ( − 1) = (288) / (1.4 − 1) = 720 J/(kg・K) cP = R / ( − 1) = (1.4)(288) / (1.4 − 1) = 1008 J/(kg・K). 12.2 燃焼ガス組成が体積比で窒素 75%,二酸化炭素 9%,水蒸気 16%のとき,定圧比熱および定圧 モル比熱を求めよ.. 解). M mN2 = 28 10−3 kg/mol, M mCO2 = 44 10−3 kg/mol, M mw = 18 10−3 kg/mol. 各気体成分の質量比は, M = f N2 M mN2 + f CO2 M mCO2 + f H2O M mw = (0.75)(28  10−3 ) + (0.09)(44  10−3 ) + (0.16)(18  10−3 ) = 27.8kg/mol. g N2 = f N2 M mN2 / M = (0.79)(28 10−3 ) / (27.8 10−3 ) = 0.755 gCO2 = fCO2M mCO2 / M = (0.09)(44 10−3 ) / (27.8 10−3 ) = 0.142 gH2O = f H2O M mw / M = 1 − g N2 − gCO2 = 1 − (0.755) − (0.142) = 0.103. 窒素は2原子分子, 二酸化炭素と水蒸気は3原子分子なので, 前者の比熱比は  = 1.4 , 後者は  = 1.3 . それぞれの定圧比熱は, 35.

(36) cPN2 =  R / ( − 1) = (1.4)(8.314) / (28 10−3 )(1.4 − 1) = 1008 J/(kg K) cPCO2 =  R / ( − 1) = (1.33)(8.314) / (44 10−3 )(1.33 − 1) = 762 J/(kg K) cPw =  R / ( − 1) = (1.33)(8.314) / (18 10−3 )(1.33 − 1) = 1860 J/(kg K). 燃焼ガスの定圧比熱は, cP = cPN2 g N2 + cPCO2 gCO2 + cPw g H2O = (1008)(0.75) + (762)(0.142) + (1860)(0.103) = 1060 J/(kg K). 燃焼ガスのモル分率は,体積比と等しいので, f N2 = 0.75, fCO2 = 0.09, f H2O = 0.16. 各成分の定圧モル比熱は, cm, PN2 =  R / ( − 1) = (1.4)(8.314) / (1.4 − 1) = 29.1 J/(mol K) cm, PCO2 = cm, Pw =  R / ( − 1) = (1.33)(8.314) / (1.33 − 1) = 33.5 J/(mol K). 燃焼ガスの定圧モル比熱は, cm, P = cm,PN2 f N2 + cm,PCO2 f CO2 + cm,Pw f H2O = (29.1)(0.75) + (33.5)(0.09) + (33.5)(0.16) = 30.2 J/(mol K). 12.3 温度 300 K,圧力 101.3 kPa の窒素 0.6 m3 と 320 K,101.3 kPa の酸素 0.4 m3 を断熱的に混 合した時の温度と圧力を求めよ.. 解) 窒素と酸素ともに 2 原子分子なので, 比熱比は  = 1.4 . しっかり議論 12.2 の関係式を用いて,. PV (101.3 103 )(0.6) + (101.3  103 )(0.4) i i   −1 (1.4 − 1) T = N i =1 i = = 307.7K 3 PV (101.3 10 )(0.6) (101.3 103 )(0.4) i i +  (300)(1.4 − 1) (320)(1.4 − 1) i =1 Ti (  i − 1) N. N. P =  Pi i =1. Vi T (0.6) (307.7) (0.4) (307.7) = (101.3 103 ) + (101.3 103 ) = 101.3 103 Pa V Ti (1) (300) (1) (320). 12.4 大気圧の湿り空気がある温度に保持されている.湿り空気の水蒸気分圧が 2.5 kPa で,この 温度での飽和水蒸気圧が 4.8 kPa のとき,関係湿度,絶対湿度,飽和度を求めよ.. 解) 水蒸気分子量 M mw = 18 10. −3. kg/mol ,空気の平均分子量 M mair = 28.8 10−3 kg/mol .. 式(12.33),(12.34),(12.37)を用いて, 36.

(37) 関係湿度: 絶対湿度:. 飽和度:.  = Pw / Psat 100 = (2.5)(100) / (4.8) = 52.1% H = (18 10−3 )(2.5 10−3 ) / (28.8 10−3 )(101.3 10−3 − 2.5 10−3 ) = 0.0158 kg-水蒸気/kg-乾き空気. =.  ( P − Psat ) ( P − Pw ). =. (52.1)(101.3 10−3 − 4.8 10−3 ) = 50.9% (101.3 10−3 − 2.5 10−3 ). 12.5 湿り空気の温度 315 K,関係湿度 30 %のとき,絶対湿度,湿球温度,露点はいくらか.. 解) 湿度図表から,温度 315 K,関係湿度 30 %での絶対湿度は,0.015 kg-水蒸気/kg-乾き空気 となる. 湿球温度は断熱冷却線,露点は水平にたどって,関係湿度 100 %と交差する温度を読むと,それ ぞれ 299 K,293 K となる.. 37.

(38) 〈第 13 章〉. 13.1 一定圧力に保った密閉容器中で飽和水 1 kg に 1 MJ の熱を加えたところ,一部が蒸発した. このときの湿り度と乾き度はいくらか.ただし,水の蒸発潜熱を 2 MJ/kg とする.. 解) 蒸発した水の量は 1 MJ = 0.5 kg 2 MJ/kg (湿り度) =. 0.5 kg = 0.5 kg/kg 1 kg. (乾き度) =1− 0.5 = 0.5 kg/kg. 13.2 大気圧下の水の気液共存線の 100 ℃における傾きはいくらか.ただし,水の蒸発潜熱を 40 kJ/mol とする.. 解) 式(13.18)を用いる.水 1 mol について考え,水蒸気の体積を理想気体として推算,液体の水 の体積をこれに比べて十分に小さいとして無視すれば, VmB − VmA =. (8.3145 J/(mol K) )( 373.15 K ) = 3.06  10−2 m3 /mol 1.013  105 Pa. dP ( H mB − H mA ) (40  103 J/mol) = = = 3.50  103 Pa/K dT Ttr (VmB − VmA ) (373.15 K)(3.06  10−2 m3 /mol). = 3.50 kPa/K. 13.3 二酸化炭素は大気圧で冷却すると固体のドライアイスになるが,常温で圧縮すると液体にな る.三重点の温度は常温より高いか低いか,また,三重点の圧力は大気圧より高いか低いか.. 解) 大気圧で冷却すると気固共存線を横切るので気液共存線が発生するのは大気圧より高い圧力. 気液共存線が発生するのは三重点なので,三重点の圧力は大気圧より高い.常温で圧縮すると液体 になるので,気液共存線が発生するのは常温より低い温度.気液共存線が発生するのは三重点なの で,三重点の温度は常温より低い.. 13.4 水の臨界温度と臨界圧力から,水と臨界点が同じファン・デル・ワールス気体のパラメータ 38.

(39) を求めよ.. 解) 式(13.33), 式(13.34)を用いる.ファン・デル・ワールス気体については Tc =. 8a 27bR0. Pc =. a 27b2. なので, Pc a 27bR0 R0 = = Tc 27b 2 8a 8b. より b=. R0Tc 8 Pc. これを式(13.34)に代入して a a  8Pc Pc = =  27b2 27  R0Tc a=. 27 ( R0Tc ) 64 Pc.   . 2. 2. 今,水の臨界温度と臨界圧力はそれぞれ 647 K, 22.1 MPa なので, a=. 27 ( (8.3145)(647) ) = 0.552 J m3 /(mol)2 64 (22.1  106 ). b=. (8.3145)(647) = 3.20  10−4 m3 /mol (8)(22.1  106 ). 2. 39.

(40) 〈第 14 章〉. 14.1 1.3 MPa, 360 ℃の蒸気に関して比体積,比エンタルピー,比エントロピーを求めよ. 解)付録 5 の表を参考に,圧力に関しては 1.2 MPa, 1.5 MPa の時の値,温度に関しては 350 C, 400 C の値を用いて内挿する. X (1.3,360) = X (1.2,350) +. X P. P + T. X T. T より P. 0.18658 − 0.23454 0.25481 − 0.23454  (1.3 − 1.2 ) +  ( 360 − 350 )  0.2226 m 3 /kg 1.5 − 1.2 400 − 350 3148.03 − 3154.14 3261.19 − 3154.14 h = 3154.14 +  (1.3 − 1.2 ) +  ( 360 − 350 )  3173.51 kJ/kg 1.5 − 1.2 400 − 350 7.1035 − 7.2138 7.3791 − 7.2138 s = 7.2138 +  (1.3 − 1.2 ) +  ( 360 − 350 )  7.2101 J/(kg K) 1.5 − 1.2 400 − 350. v = 0.23454 +. 14.2 1気圧(0.1013 MPa),100 ℃の飽和水蒸気が 0.2 MPa,300 ℃の過熱蒸気になったときの比 エントロピーの増加量を求めよ.また水蒸気を以下の物性値を持つ理想気体として仮定したときの 比エントロピーの増加量を求めよ(ガス定数 0.4616 kJ/(kg K), 定圧比熱 1.861 kJ/(kg K)) .. 解) 実在気体: 表を見るだけ. 7.8940 − 7.35439 = 0.53961. 理想気体: d q d u p dv = + T T T pv = RT  pdv + vdp = RdT. ds =. C p dT. dp p T p s2 − s1 = C p ln 2 − R ln 2 T1 p1. ds =. T. −R. = 0.4847 J/(kg K). 14.3 ランキンサイクルの理論熱効率を求めよ.ただし 5 MPa,700 ℃の過熱蒸気をタービンに送 り,5 kPa まで仕事をした後覆水器に送られるものとする.. 解) 状態 1 は,5 MPa, 700C なので,付録 5 の表より h1 = 3900.45 kJ/kg, s1 = 7.5137 J/(kg K). 状態 2 は 5 kPa の湿り蒸気であるが,この圧力における飽和液,飽和蒸気の物性値はそれぞれ. 40.

(41) s2 = 0.47625 J/(kg K), s2 = 8.39391 J(kg K) h2 = 137.77 kJ/kg, h2 = 2560.77 kJ/kg. また状態 2 は状態 1 からの等エントロピー変化なので, s2 = s1 ,したがって乾き度を x とすると 7.5137 = 0.47625  (1 − x) + 8.39391  x x = 0.8888 h2 = 137.88  (1 − 0.8888) + 2560.77  0.8888 = 2291.3324 kJ/kg. 簡単のため, h3 = h4 とすると th = 1 −. qc ( h1 − h3 ) − ( h2 − h3 )  = 0.42765 qB h1 − h3. 以上により,およそ 42.8%の熱効率となる T. 1. 4 3. 2. s. 14.4 ランキンサイクルにおいて,復水器出口温度を 40 ℃,ボイラーの入口圧力を 1 MPa とする. このときボイラーの入口温度が 300 ℃と 500 ℃の場合で熱効率を比較せよ.. 解) ランキンサイクルの理論熱効率はth = 1 −. qB =. . 1. 4. dq =. . 1. 4. ( du + Pdv ) =  ( du + Pdv + vdP ) =  1. 1. 4. 4. qC で表せるので qB dP = 0 より. dh.  qB = h1 − h4. 同様にすると qC = h2 − h3 . また水を非圧縮と仮定すると h3 = h4 と考えて良い. 付録 5 の表より h3 = 167.54 kJ/kg a) 300 ℃のとき. h1 = 3051.70 s1 = 7.1247. 41.

(42) s2 = s1 = 7.1247 = 8.25567 x + (1 − x )  0.57243 J/(kg K) ここで x は乾き度. b) x = 0.853 h2 = 0.853  2573.54 + (1 − 0.853)  167.54 = 2219.858 kJ/kg th = 28.8%. c) 500 ℃のとき 同様に計算すると,th = 32.0%. T 300 or 500 C. 40 C. 1. 4. 1 MPa. 2. 3. s. 14.5 2 段再熱サイクルで給水ポンプ入口温度が 40 ℃,高圧,中圧,低圧タービンの入口圧力が それぞれ 20, 5, 1 MPa,タービン入口温度はいずれも 500 ℃の場合の熱効率を計算せよ.. 解) 図に示すように各状態の記号を決める.付録 5 の表より hb = 3434.48 kJ/kg hd = 3479.00 kJ/kg  h1 = 3241.19 kJ/kg      s = 6.1445 J/(kg K) s = 6.9778 J/(kg K)    1  b sd = 7.7640 J/(kg K) T 20 MPa. 500 C. 1. 1 MPa. 5 MPa. b. d. a c. 3, 4. 2. 40 C s. 42.

(43) 状態 a は 5 MPa で比エントロピーが状態 1 と同じである.5 MPa で状態1と同じ比エントロピーと なる温度を概算すると下の表より. 温度. 比エントロピー. 備考. 300 ºC. 6.2109 J/(kg K). 過熱蒸気の表. 264 ºC. 5.6737 J/(kg K). 飽和表. 状態 a の温度は 290 ℃となる.このときの比エンタルピーも同様に内挿して求めると ha = 2888.85 kJ/kg となる.. 同様に,状態 c は 1 MPa で比エントロピーが状態 b と同じ 6.9778 J/(kg K)なので. 温度. 比エントロピー. 備考. 300 ºC. 7.1247 J/(kg K). 過熱蒸気の表. 250 ºC. 6.9266 J/(kg K). 過熱蒸気の表. 内挿して,温度はおよそ 263 ℃, hc = 2971.3 kJ/kg となる. 状態 2 は湿り蒸気なので乾き度を求める必要がある.状態 d からの等エントロピー変化なので 7.7640 = 8.25567 x + (1 − x )  0.57243  x = 0.936 h2 = 0.936  2573.54 + (1 − 0.936 )  167.54 = 2419.6 kJ/kg. 各状態点の比エンタルピーが求まったので qB = ( h1 − h4 ) + ( hb − ha ) + ( hd − hc ) qC = h2 − h3 th = 45.4%. 14.6 問題 14.5 の再熱サイクルで高圧,中圧タービン出口から抽気を行う 2 段再熱 2 段再生サイ クルの抽気量と熱効率を求めよ.. 解) 図のように各状態の記号を定める.問題 14.5 と同様にして ha = 2888.85 kJ/kg, hf = 762.68 kJ/kg, h2 =2419.60 kJ/kg. また,等圧変化なので状態 e と f はそれぞれ 5 MPa と 1 MPa の飽和液となるため he = 1154.50 kJ/kg, hf = 762.68 kJ/kg. 43.

(44) T 20 MPa. 500 C. e. m1. 1. 1 MPa. 5 MPa. b. d. a c. f m2 3, 4. 2. 40 C s. 比エンタルピーの釣り合いから  (1 − m1 − m2 ) h3 + m2 hc = (1 − m1 ) hf   (1 − m1 ) hf + m1ha = he. これを解くと, m1 = 0.184, m2 = 0.173 qc = 2252.06  (1 − m1 − m2 ) = 1448.07 qa →b = 545.63  (1 − m1 ) = 445.23 qc → d = 507.7  (1 − m1 − m2 ) = 326.45 qe →1 = 3241.19 − 1154.50 = 2086.69. th = 1 −. qc 1448.07 =1−  0.493 qb 445.23 + 326.69 + 2086.69. 44.

(45) 〈第 15 章〉. 15.1. R134a を冷媒に用いた冷凍サイクルで冷房運転をしている.蒸発器を 10 ℃,凝縮器を 40 ℃. とする.このときの COP を求めよ. 解) 付録 8 の P−h 線図より読み取ると h1 = 404 kJ/kg, h3 = h4 = 256 kJ/kg. h2 は状態1からの等エントロピー圧縮なので h2 = 423 kJ/kg. W = h2 − h1 = 19 kJ/kg q41 = h1 − h4 = 148 kJ/kg.  R = 148 / 19 = 7.79. 15.2. R134a を冷媒に用いたヒートポンプで暖房運転をしている. 蒸発器を-10 ℃, 凝縮器を 30 ℃. とする.このときの COP を求めよ.. 解)1 と同様の方法で h1 = 393 kJ/kg, h3 = h4 = 242 kJ/kg h2 は状態 1 からの等エントロピー圧縮なので h2 = 420 kJ/kg W = 420 − 393 = 27 q41 = h1 − h4 = 178 kJ/kg.  R = 178 / 27 = 6.59. 15.3 10 kW の冷凍能力が必要である. 蒸発器を-10 ℃, 凝縮器を 30 ℃としたとき冷媒とする R134a の質量流量を求めよ. 解) 付録8の P−h 線図より蒸発器前後でのR134aの比エンタルピーはそれぞれ245 kJ/kg, 391 kJ/kg である. 391-245 = 146 kJ/kg 10/146 = 0.068 kg/s. 15.4 問題 15.1 の冷凍サイクルで蒸発器の温度を 0 C,圧縮比を同じにした場合の COP を求めよ. 解) 問題 15.1 の圧縮機前後の比体積は付録 8 の P−h 線図よりそれぞれ 0.050, 0.021 m3/kg であ 45.

(46) る. したがって圧縮比は 0.05/0.021 = 2.38 0 ℃の飽和蒸気の比体積が 0.07 m3/kg なので,圧縮後は 0.07/2.38 = 0.0294 となる. また 0 ℃のときの比エントロピーが 1.7 であることから,この二つの曲線が交わる点が圧縮後の 状態点となる.したがって圧縮後の比エンタルピーは 411 kJ/kg となる.圧力は 0.7 MPa. 0 ℃の飽和蒸気の比エンタルピーは 400 kJ/kg 0.7 MPa の飽和液の比エンタルピーは 238 kJ/kg であるから 除熱量は 400-238 = 162 kJ/kg 圧縮機の仕事は 411-400 = 11 kJ/kg したがって成績係数は 162/11 = 14.7 となる.. 15.5 図 15.2 のような 2 段圧縮 1 段膨張冷凍サイクルで 10 kW の除熱能力が必要な時,冷媒の質 量流量を求めよ.ただし冷媒の比エンタルピーは図中の通りとし, h1 = 400 kJ/kg, h3 = 415 kJ/kg であ る.. 解). h1 − h8 = 400 − 220 = 180 kJ/kg. したがって低圧側の圧縮機には 10 / 180 kg/s の冷媒が流れれば良い.あとは中間冷却器でのエン タルピーの釣り合いを考えれば良い.5 から 6 の膨張弁を流れる流量を qH ,低圧側を流れる流量 を qL とおくと, 中間冷却器に流入: ( qH + qL )  h5 + qL  h2 中間冷却器から流出: ( qH + qL )  h3 + qL  h7 46.

(47) これらが釣り合うので. ( qH + qL )  h5 + qL  h2 = ( qH + qL )  h3 + qL  h7 ( qH + qL ) ( h5 − h3 ) = qL  ( h7 − h2 ) qH + qL =. h7 − h2 220 − 440 10  qL =  = 0.074 kg/s h5 − h3 250 − 415 180. 47.

(48) 〈第 16 章〉. 16.1 次の反応で反応進行度が 0.1 mol だけ増加した場合,各物質の変化量はいくらか. 2CO + O2 → 2CO2. 解) 反応進行度が 1 mol の時に量論係数分だけ変化する.その 0.1 倍なので,CO の変化量は-0.2 mol,O2 の変化量は-0.1 mol,CO2 の変化量は 0.2 mol.. 16.2 次の反応の平衡定数が 1.5 である時,0.1013 MPa で平衡になったときの各物質の分圧はいく らか.ただし,この時の温度ですべての物質は理想気体とする. CO + 2H2 → CH3OH. 解) 全体の圧力が P0 = 0.1013 MPa なので, PCH3OH + PCO + PH 2 = P0. PCH3OH P0. +. PCO PH2 + =1 P0 P0. 理想気体なので平衡定数は式(16.37)で表され,  PCH3OH     P0  = 1.5 2  PCO   PH2      P0  P0 . よって 1−. PCO PH 2 − P0 P0.  PCO   PH 2      P0  P0 . 1−. 2. = 1.5. P PCO PH2 − = 1.5  CO P0 P0  P0.  P   PH 1.5  CO  2  P0  P0.   PH2   P0.   . 2. 2. PH  PCO =1− 2  + P0 P0 .   P 2  P P 1.5  H2  + 1 CO = 1 − H2     P0   P0 P0  . 48.

(49) 1−. PCO = P0. PH 2 P0 2.  PH  1.5  2  + 1  P0 . よって,水素の分圧が PH 2 の時, 1− PCO =. PH 2 P0 2.  PH  1.5  2  + 1  P0 . P0. PCH3OH = P0 − PCO − PH 2. 特に,初期の濃度が CO:H2 = 1:2 の時,CO が 1 mol 反応すると H2 が 2 mol 消費されるので,常に PCO : PH 2 = 1: 2. であり, PH 2 = 2 PCO. が成立するので, 1− PCO =. 2 PCO P0 2.  2P  1.5  CO  + 1  P0 . P0.   2 P 2  P 1.5  CO  + 1 CO = 1 − 2 PCO   P0   P0 P0  . P 6  CO  P0 0. 3.  PCO −1 = 0  + 3 P0 . PCO  0.333 を踏まえて試行錯誤法でこの方程式を解くと P0 PCO = 0.286 P0 PCO = 0.286P0 = (0.286)(1.013  105 ) = 2.90  104 Pa = 29.0 kPa. PH2 = (2)(2.90  104 ) = 5.80  104 Pa = 58.0 kPa PCH4 = 1.013  105 − 2.90  104 − 5.80  104 = 1.43  104 Pa = 14.3 kPa. 16.3 水蒸気の標準生成ギブズ自由エネルギーは-228.57 kJ/mol である.大気圧で水蒸気を加熱 して分解して水素を得る時,水の 1/3 が分解する温度はいくらか.. 49.

参照

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