東北大学遺伝生態研究センター通信 No. 12
著者
東北大学遺伝生態研究センター
発行年
1991-03
遺伝生瀬研究センター通信 h12
泉丸丸苧
摩ilfFiF;_盟__._i_qi
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1991. 3 Na12FAOとIBPGR主催の国際植物遺伝子銀行の
設立準備会議に出席して(上)
東北大学・教養部 江 刺 洋 司 昨年秋,突然,私の手元に国連食糧農業機関 (FÅo)と国際植物遺伝資源理事会(IBPGR)の 両者連名の手糸肘i舞い込んだoそれは,両機関 による調査結果に基づいて作った国際植物遺伝 子銀行設立の素案が出来たが,この案について 検討するための専門家会議を開きたいので,コ ンサルタントとして出席して欲しいと云うもの であった。どんな理由でこれらの機関に何の関 わりもなかった私が指名されたのか知る由もな かったが,事が私の専門に関わることであった 上に,その設立の理念が現代に生きる人類の一 員として子孫に果たすべき当然の務めでもある と判断し,要請に応ずることにした。そこで, 出席するからには,コンサルタントとしての務 FAOとIBPGR主催の国際植物遺伝子銀行の 設立準備会議に出席して(上) トコンドリアワールド めを果たすことが出来るように,出発迄まだ一 カ月半程の期間が残されていたので,私がかね がね懸念していた問題についての実験計画を急 速繰り上げて実施し,中途半端ではあるにせよ 討議に必要なデータを持ってRomeへ出かけ ることにした。また, FÅo ・IBPGR主催の会 議なので,国益に関わることもあろうかと考え, これに関して日本が従来とってきた姿勢を調べ るために,筑波にある日本の農林水産省ジーン バンクに連絡をとり,その他に直接農水省の担 当者とも連絡をとることにしたo驚いたことに, IBPGRへの日本の出資金がアメリカを超えて 世界一で125万ドルに達しているのは良いとし て,日本はFAOには加盟していながら, FÅo 吹 東北大学・教養部 熊本工業大学・工学部 1 7 司 敏 洋 美 刺 田 江 竹 平成3年度ワークショップ開催について ワークショップ「紫外線増加などの未来環境下で植物の成育と 微生物の生活はどう変わるか」 -・=--一・日=一一一一一東北大学・遺伝生態研究センター 菅 洋10 ワーク・ショップ「微生物の環境適応をめぐ る遺伝子群の解明」一一一一一一一日-=一・一-・一一・一一一日・一日---・・-・・東北大学・遺伝生態研究センター 服部 勉11 -ll遺伝生態研究センター通庸 Nh12 中に設けられている植物遺伝子保全に関わる専 門委員会にはアメリカと共に正式には加盟せず に(1990年において127カ国加盟),この5年 ほどは単にオブザーバーとし傍聴していたに過 ぎなかったのである。そこで,私は電話ででは あったが,日本政府が正式加盟について真剣に 考慮するように要請せざるを得なかった。 国際遺伝子銀行創設の背景:周知のように, 現在種々の理由から野生種・栽培種に関わらず, 多くの植物種が絶誠の危機に瀕していると云わ れている。 IBPGRはそれらの背景を予測可能・ 不可能なもの或は短期的・長期的なものに整理 し,計12項目の要因に区分しているが,予測 可能なものの主な原因としては何かを目的とし た地域開発(農放牧地拡大・都市化・森林伐採 等),不可能なものの主なものとしては農業体 制の変革(新技術の展開・種子更新等)が挙げ られている。そこで, FAOが中心となって19 60年初頭から,絶滅の危機に瀕している植物 種の中でも特に人類の未来にとって重要と思わ れるものを,有用植物遺伝子資源として国際協 力の下に探査・収集・保存・評価しようとする 動きが始まり, IBPGRはその先頭に立ってこ の運動を世界的規模で実行してきた訳である。 一方,このような行動は先進国に対してだけで なく,多くの発展途上国に対してもそれぞれの 国内に独自の植物遺伝子銀行を創設させる気運 を盛り上げ,日本を始めとする先進国からの資 金援助や世界銀行からの借款に基づき, 1990 年時点において世界中に計106の植物遺伝子銀 行を建設させるに至っている。その結果が種子 戦争と云われるような解決困難な今日の状況を 一層厳しいものにしてきた。そこで, FAOは 1981年メキシコでの第21期会議において,各 国遺伝子銀行間の相互扶助を促すために国際遺 伝子銀行を設立することの必要性を勧告するこ とになった。つまり, FAOは国連の精神であ る国際協調と云う視点から,人類の生存のため の環境保全と予測される人口増大に対応する食 糧の確保とのためには,現代に生きる人達は植 物遺伝資源を絶滅から守るために立ち上がらね ばならない時期に来ていると,注意を喚起した のである。にも拘らず,残念なことではあるが, 先進国側では育種家の権利保護の思惑を先行さ せ,他方,発展途上国においては歴史の苦い経 験から資源ナショナリズムを優先させることに なってしまい,銀行と称される機関の固有の機 能である遺伝子預託者間での遺伝子交換が自由 に行われるといった状況は今もって生まれてい ない。日本やアメリカがFAO内の専門委員会 に加盟してこなかった理由の一つもここにあっ たようである。 ところで,この対立こそが, FAOによる最初の繰言があってから凡そ20有 余年に及ぶ長い期間が経過しているのに,例え ば1972年の国連人間環境会議での「かけがえ のない地球」のための勧告を始め, UNESCO (国連教育科学文化機関)やUNEP (国連環境 プログラム)等の多くの国際機関の協力があっ たにも関わらず,地球レベルで人類社会全体の 未来に貢献するための,植物遺伝資蘇保全に関 わる国際的相互扶助機関の創設を妨げることに なってしまったのである。 この種の銀行の創設を妨げたのはこれだけの 理由ではないように思われる。もう一つの原因 には, FAOと,その後にCGIAR(国際農業研 究協議グループ)を補佐するものとして1974年 /に設立され, FAOから独立することになった 先のIBPGRとの確執があるように思われる。 提言したのは国連加盟の全ての国家が参加して いるFAOであったものの,先行して実際に行 動し実績を挙げてきたのがIBPGRであったこ とが,結果として,植物遺伝資源保全のための 国際機関創設とその後の運営に関わる業務分担
遺伝生態研究センター通庸 仙12 についての両者間協議に長時間を掛けることに なってしまっている。また,私だけの憶測かも 知れないが, IBPGRがCGIARを基礎に創設 されたことから,その活動が有用植物の遺伝資 源の探査・収集・保管に限られて来たことが, IBPGRの業績を植物全体の地球規模での絶滅 に対する危機感に応えるものと見なし得なかっ たことにも,国際遺伝子銀行設立の遅延の原因 があるように思えてならない。何故なら, FA OやIBPGRの委員も参加はしているものの, 1988年になってしびれを切らしたのか, FÅo 内の植物遺伝資源委員会に加盟していなかった アメリカが中心となって, FAOやIBPGRの 計画とは別個に, Colorad州のKeystoneにお いて,より広範な植物遺伝資源の保全を目的と した国際会議を開催し,昨年早春にはインドの Madrasで二回目の会議を26ヶ国の参加の下 に開き,そこでの結論を「Final Consensus Report of the KEYSTONE Intornational Dialogue Series on Plant Genetic Resources J
として纏めている。この国際会議のための基金 は先のUNEP等の国際機関からだけでなく, 多くのアメリカ企業から提供され,この会議に は植物生態学者や植物園関係者のEZ]体代表も加 わっておるが,残念なことにソ連からさえ参加 しているのに日本からは誰一人参加していない のである.第3回のKeystone会議は今年,引 き続き開催されることになっているが,今回は 日本からもどなたかに参加して欲しいものであ る。このような先進国主導の植物遺伝子保全の ための行動の場合にも,最大の障壁は資源ナショ ナリズムと言われる"Farmer's Right"とPlant Breeder'sRight"との相克にあることは云うま でもない。しかし,このような新たな潮流が, 昨年9月のFAOとIBPGRとの間での植物遺 伝資源の収集・管理・交換等の計画に関する議 定書への調印に漕ぎ着けさせたと推定されるの である。その結果,前者は主として管理運営面 杏,後者は主として科学技術面を担当すること になったoこうして,国際遺伝子銀行創立のた めの条件が整い,私宛の専門家会議への出席要 請になったと思われる。 国際遺伝子銀行の枠組:云うまでもなく,我々 の子孫のためにこれから何百年・何千年にも亙っ て植物の遺伝子を保全するのには幾つかの方法 が考えられる。培養細胞とした上で,動物細胞 のようにダリセロール等の溶液に浮遊させた後 に,液体窒素中で保管することカ亨出来るかも知 れない.しかし,一般的には現地(insitu)煤 存と称して,自然であるがままに保存し続けよ うとする(地域の保護区の設定や植物園の機能 はこれに該当)方法と,外地(ex sitzL)保存と 称して,繁殖地から離して特別な施設・設備を 用いて行う方法とが用いられている。後者でも, 根菜や球根類等の栄養繁殖器官でしか系統を維 持し得ないものや,樹木・多年草の場合には, 手間と面積を必要とするが試験場や研究所等の 隙場で類代栽培や管理をし続けることもやむを 得ない(Field collection). それに対して, 種子を作る植物の場合には,特殊な種子を除い て,それらの遺伝子群を種子の状態においては 比較的安定に長期間保ち得るので,手間も面積 もとらずに容易に長期間に亙って保存出来るこ とになり,所謂「遺伝子銀行」なる概念を生む ことになっている。一般に,種子の寿命が水分 含有量と温度が低い時に長いことから,各国の 遺伝子銀行は長期保存のためには乾燥種子を-15℃以下で(Base collectioTl),交換用にはそ れらを冷蔵庫で(Active collection )蓄えるこ とによって運営されている。尚,温度が低いほ ど種子中の遺伝子が安定なことから,アメリカ でのBaso collectionの一部では液体窒素が用 いられている。従って十年単位程度での種子の
-3-遺伝生態研究センター通信 No.12 保管でも,相当のコストが掛かるので, Base collectionのための遺伝子銀行の運営には発展 途上国等では相当の負担を伴うことになる。そ の上,このための施設が何らかの災害・事故に 遭わないとも限らない。そこで,種子の長期貯 蔵に際しては,重複保存が求められるが,その ためにはせめて二カ所に,この種の施設を造り, Ll 運営せねばならないが,これらのことも発展途 上国にとっては経済的に相当の重荷である。 このような事情から, FAOは1985年の Romeでの植物遺伝資源委員会での第一期報告 書の中で,国際相互扶助のためのBase collection施設を,エネルギーコストを全く必 要としない永久凍土に建設することの計画を提 案し,次いで, 1987年の第二期報告書で, FÅo のそれへの法的関わりの程度を4段階, A (国 連の権限大)からD (各国政府の権限大)に区 分し,各国に国際遺伝子銀行のあり方について のアンケート調査を行う方針が示された。この 集計結果は1989年春の第三期報告書で紹介さ れたが, FAOが提起したような国際遺伝子銀 行設立の重要性を認識するものの,多くの国の 意見は依然として自国の権益をより重視するC 案に集中した。この方向が明らかになって後, 1989年の秋には第四期会議が持たれ,ノルウェー 政府から自国の北極圏にあるSvalbard島の永 久凍土を国際遺伝子銀行設立のために開放して も良い,との意向が発表された。それを受けて, IBPGRは直ちにノルウェー側と共に調査グルー プを結成して種々の面からの検討を始め,今回 の専門家会議での討議のための素案を創り上げ た。 ノルウェーの申し出には我々は謙虚に感謝せ ねばならない。 事実, Svalbard島の炭鉱の 坑道を利用することは発掘の経費の節減になる 点で,また,この島が永久凍土地帯にあるだけ に地表から100mの深度での年平均温度は -3.5℃で,年間を通じてほぼ一定である点で, Base collectionのために好都合な場所である。 しかし,ノルウェーがこのような決断をしたの にはそれなりの理由もありそうである。ひとつ には,これまで北欧5カ国が既にスエーデンの Alnarpに-20℃で運転する共同利用の遺伝子 銀行を設置し,運用する経験を積んでいたこと が上げられよう。また,実際は,炭鉱が有限の 資源であっていずれ枯渇してしまうので,炭鉱 に依存している島としては新たな経済基盤を模 索せねばならない状況にあり,現に観光にも最 近カを入れていることからして,島に多少とも 人間が出入りするようになることを歓迎してい るのかもしれない。しかしそれはそれとして, Svalbard島には石炭搬出のための港があり, しかもメキシコ暖流のために北極圏にありなが らその港の凍結期間は頻る短く,飛行場の施設 を持つことは種子の搬入・搬出にも便利な場所 である。その上,各国遺伝子銀行間を結ぶため の各種テレコミュニケーションシステムが直ぐ 利用出来る状況にあることも高く評価された。 そこで, IBPGRは各国の遺伝子銀行や関連研 究機関に, Svalbardに国際植物遺伝子銀行(S IS)を設立することの是非,及びそれへの期待 についてアンケート調査を行っている。 このアンケートの結果は,今回の会議の補足 資料の一つとして提出された。解答を寄せた国 の半分はSIS設立の精神とその効用に大きな期 待を寄せているが,期待を寄せない国も同数あっ た。しかし,それらの国でさえもその精神につ いては高い評価を与えており,非協力の理由も, 根菜・球根・果樹・樹木等のinsitu或はField 保存を重視しているからとか,或は-3.5℃で は中途半端でBase QOllectionとしては不適切 なので預託に耐えないと考えられるからとか云 うものであった。それに対して,日本のアンケー ト先からの解答は「我が国では-15℃の長期保
-4-遺伝生態研究センター通借 NB12 存用のものと, -1℃の短期保存用のものが既 に稼動しており,発電機も隔離して設置し,更 にsub-bankを設けて重複貯蔵も行っていて, 何らかの不慮の事態にも対処しているので,日 本以外の場所に遺伝子を預託するつもりはない。 また,荷造りや移送の費用も馬鹿にならない額/ になってしまう」というもので,国連中心主義 を唱える国からのものとは思えず,日本人の一 人として恥ずかしいものであった。少なくとも 何十年と云う単位での貯蔵を考える時に, -20 ℃で十分なのか議論されているのに, -15℃で 満足し,発展途上国以上に移送費を問題にし, 食糧安保論まがいに外国には頼りませんと云う ものであった。人類の一員としての責務・自覚 を感じさせる言葉はどこにも見られない。国連 に関わって仕事する人達の仕事ぶりに接するに つけ,もしこのような態度は日本人が自国の農 業保護を叫んでいるうちに,知らず知らずの間 に我々皆の身に付いた利己的体質から来るとす れば,看過出来ないことで,近い将来に日本を 再び世界の孤児に追いやることは間違いないと 思われる。 SIS設立専門会議での審議過程: この会議は 昨年の12月4日から6日にかけて, Romeに あるIBPGRの本部建物内で13名がテーブル を囲む形で持たれた。議長団席にはFAO代表 のDrJ.T. Esquinas-AIcazar, IBPGR代表の Dr.D.H.Stolen,そしてSISを受け入れたノル ウェー側からDr.A.Woldの3名が着き,初日 は3人の挨拶で始まったが,大部分の審議は Dr.Woldの司会の下に運営された。一方,ア ンケート結果を踏まえた上でのSIS構想の大網 についてはIBPGRのDr.Y.J.Adhamが, Sis 創設の予定場所や洞窟の作り方などについては 地元の炭鉱会社の技術者であるDr.T. Johansen が,また洞窟内に施設する棚の構造・配置,移 送用コンテナと貯蔵用容器の素材・大きさにつ いては同じくIBPGRのDr.R.Smithが,それ ぞれ分担して調査した結果に基づいて作った素 案の説明を行った。 Dr.Esquinas -AIcazarの挨拶の中での特筆 すべき点は,預託遺伝資源のFAOへの所有権 移転による自由な供給体制の確立, SIS類似の 国際銀行の南米の高山とか南極Filへの増設の要 望であった。 Dr.Adhamの報告はここに至る 迄の経過に重点が置かれたが,各国の関連機関 や施設に計756通のアンケートを送付したが, 期限内の解答は144通しかない上に,強い期待 感を伝えてきたのはその半分しかなく,非協力 的な機関が特に先進国側に多いことを嘆いてい た。特に,座長のDr.Woldの指摘もあったが, 果樹や樹木に関連した機関からは,期待感が一 つも寄せられなかったことに,強い憂慮が示さ れた。尚,初日の昼食時にFAOの代表から, FAOの植物遺伝資源委員会に日本政府からの 正式の加盟申請が極く最近あったことについて, お礼が述べられて頗る嬉しかった。それについ ては帰国後に事実であることを確かめた。 実質的な討議は,初日午後からのDr.Johans- enの報告に関連して始められた。最初にSval-bard島の気候と土中の深度に関連した温度変 化についての説明があった。地表では冬季の最 低気温が-33℃ (3月)から夏季の最高気温が 十16℃ (7月)までの問で変動するが,地下に 潜るに連れて年間を通じての温度変化の幅は次 第に小さくなり,地表から100mに遺した地点 で年平均-3.5℃,更に深くなると凡そ-7oC に達すると推定されるが,この深度まで掘削を 進めるには相当の費用が掛かり,また,入り口 からの距離が長すぎると施設運営に不便を来た すことから-7℃ではなく,丁3.5℃地点を前 提にして作業を進めてきたこと,従って炭鉱坑 道の再利用を考える場合にも,同じ温度地点を
-5-遺伝生態研究センター通信 No.12 仮定して場所の選定を行ってきたことが報告さ れた。尚,更に掘り進めると,再び温度は上昇 に転じること,この地域の炭鉱は1997年には 廃坑になる予定であることが明らかにされた。 そこで,彼は坑道を利用するA :月案と,氷 河から離れている山岳の堆積岩層(50m)の奥 に更に200m掘り進め,地表から100mの所に 新しくSIS施設を作るC案の三案を提示し,比 較検討を求めた。 β秦は空港から遠すぎること で,初めから対象外とされた。 A案は廃坑直前 とも云える坑道入り口から150mの所にSISの ための横穴を両側に多数掘削すると共に,それ から奥の坑道を閉鎖して活用しようと云うもの で,掘削費用を比較するとC案(140万S)の 凡そ1/4で済むのが評価出来,アメリカ側の IBPGR委員であるDr.Taoはこれを支持した。 それに対して,私は(:案を推したが,理由とし て第-に,炭鉱特有のメタンガスの排除等を含 む維持費がA案では頗る高くつくのに比べて, C案では1/5で済むので, 75年経過するとそ れ以降は経費計算の上で比較してもC案が益々 勝ってくること,僅かではあるがより空港に近 いこと,将来必要に応じて技術的に洞窟内の貯 蔵空間を拡張できること,また, FAOのDr. Esquinas-AIc'azarが挨拶で訴えたように国際 遺伝子銀行を他の地域にも将来増設するとすれ ば,洞窟のサイズを鉱山会社のものに合わせる のではなく, IBPGRやFAOとして決める規 格に標準化し得ることを強調した。 Dr.Taoは 当初の経費があまりにも大き過ぎるとして決着 が付かず,そのままコーヒーブレイクに入った。 やむなく,私はこの時間を利用して,白板に今 後300年後迄の総経費を算出して表にした上で, 更に物価上昇が5 %を想定した場合を書き加え て,目に見える形でC案の優位性を立証してお いた。休憩終了後,更に短時間の討論がなされ たが,挙手による投票の結果, Dr.Taoを始め 全員が(:秦に賛成し,それに決定した。 これらの討議過程で, SISの維持管理費用の 算定が,ただ一名の有為な青年(コンピューター 操作可能)の雇用を前提としてなされたこと, 更に,その結果として,この青年のための住居・ 作業場は全て空港近くの鉱山会社所有の建物も 当面は借用することでSISを発足させる予定に あることが明らかにされた。このような寒冷地 で,空港とSIS問の移動やSIS洞窟内での作業 を考慮した時に,ただ一名の雇用が人道的にも 妥当か否かが,引き続き問題になった。何故に, 一名だけの雇用としたのか,尋ねたところ, Dr.Woldはアンケート調査結果から,預託が 相当量に連すると思えず, -名分の仕事量しか 確保出来ないと推定していることを明らかにし た。この原因として色々なことが考えられるこ とが,こもごも述べられた。主な意見としては, 重複預託をするとしても, Base collectionに 利用するとしても, SISが遠過ぎること,保管 温度が-3.5℃でBase collectionとしては不適 切であることが挙げられたが,これらの議論は 翌日も続いた。尚,これら以外にもSISのため の洞窟の構造や入り口の扉の設置の仕方などに ついての討議がなされた。 二日目の早朝,アルゼンチンからのProf. Lesinoが, SISの温度管理を理想的な-20℃ で行うためのユニークな意見の陳述があった。 彼女の意見は, SISへの預託希望者を増やすた めの鍵は, SISを-20℃で運営することにある との視点から,冬期間の低温を夏期の洞窟内の /冷却に利用すると云う案で,冬期中は-20-30 ℃に冷えた外気を直接に内部に導入し,夏期 には冬期間を通じて外気によってアルコール等 を含む水溶液を過冷却状態にしておいたものを, 貯蔵庫内の壁面に配管した貯蔵管の中に誘導し て,夏期にも貯蔵庫内の温度を-20℃内外に 保とうと云う試みである。私は直ちに,彼女の
遺伝生態研究センター通借 No.12 提案を支持したが, Dr.Taoが前日問題にした 当初の設備費が更に莫大な額に達するようにな るとの意見も出て,昨日の激論に戻りかねない 雰囲気が生じ,最終的にDr.Woldからのこの 計画はエネルギーコストをかけないものとして 考えるように依嘩されたものであるとの意見表 明があって後,彼女の提案についてのこれ以上 の討議は座長決断で中止された。 朝のコーヒーブレイクの後,前日の洞窟の大 きさと関連して問題になった,使用する種子貯 蔵用の容器の素材・大きさ,保管棚の大きさと 配置,移送用のコンテナの素材・大きさ等につ いての, Dr, Smithの報告を基にした討論に 入った。しかし,ここでの議論の大部分は,後 述する私の懸念と関わることなので,次の項で 紹介するとして,私が同意出来るのは殆どなかっ たことだけを述べておきたい。 (次号につづく)
ミトコンドリアワールド
真核細胞において呼吸・ ATP合成を行う場 であるミトコンドリアには,核と同じように遺 伝情報としてのDNAがあり,独自のDNA合 成・複製系及び蛋白質合成系が存在している。 ミトコンドリアDNAは核DNAと違い,環状 であり, AT含量が多く,またクロランフェニ コールによって蛋白質合成が阻害されるなど; 原核細胞のDNA ・蛋白質合成系と似ていると ころが多い。 ミトコンドリアの分子遺伝学的研究は,核に 比べて著しく遅れている。その理由として(1) 均一なミトコンドリアの分離が難しい, (2) ミトコンドリアで発現できる適当な宿主-ベク ター系がない, (3)ミトコンドリアに特異的 に遺伝子を導入することが困難である, (4) 特に輔乳類の場合, in uitroでの実験系が困難 である,ことなどがあげられる。しかし,遺伝 子操作技術が発達し, 1981年Sangerらによっ てヒトミトコンドリアDNAの全塩基配列が決 定されてから,ミトコンドリアDNAへの関心 が急速に昂まった。酵母や高等植物でもミトコ ンドリアDNAの構造決定が進んでおり,これ 熊本工業大学・工学部 竹 田 真 敏 までベールに包まれていた細胞質に関わる細胞 の遺伝学的解析が分子レベルでできるようになっ た。この小論ではその一部を紹介する。 Ⅰ.ミトコンドリア蛋白質のシグナル配列1) ミトコンドリアDNAの大きさは,ヒト(16 kb),酵母(19-75kb),高等植物(200-2500 kb)と生物種によって実に多様である。しか し,ミトコンドリアDNAによってコードされ る蛋白質は40-50種とDNAの大きさに反し てあまりちがいはない(表1)。したがって, ミトコンドリアに存在する蛋白質は400-600 種類といわれるが,その大部分は核遺伝子に支 配されている。 ミトコンドリアATP合成酵素はFIFo-A TP合成酵素とも呼ばれ,触媒部位Flと内膜 成分F。から成るが, Flを構成するa, β, 7・, 6, 8サブユニットはいずれも核遺伝子に支配 される。そのため一般的な核支配のミトコンド リア蛋白質と同様に,前駆体のN末端にはミト コンドリアへの移行に必要な膜透過と進入のシ グナル配列(延長ペプチド)をもっている。シ グナル配列はミトコンドリアへ移行されるとプー7-遺伝生態研究センタ-通庸 Nh12 ロチアーゼによってプロッセシングを受け,成 熟体となってF,F。に分子集合する.しかし, 高等植物のαサブユニットだけはミトコンドリ ア遺伝子にコードされる(義).事実,高等 植物のαサブユニットはミトコンドリアへの移 行に必要なN末端のシグナル配列をもっていな い.しかし,シグナル配列を除くと,驚くほど 核支配のαサブユニットと似ている(因に酵母 とマメの場合,アミノ酸,塩基レベルでいずれ も70%以上相同性がある)0 FIF。は,細菌形 質膜や葉緑体チラコイド膜にも存在しており, これらにもシグナル配列はない。しかし,いず れのFIF。構造はよく似ており,特に触媒中心 を構成しているα, β, γのサブユニット比は 化学皇論的にも同一(3:3:1)である。 以上 の事実から,シグナルは進化の過程(ミトコン ドリアから核へαサブユニット遺伝子が移行?) で,ミトコンドリアから核遺伝子へ賦与された 一種の'通行手形'のようなものと考えられる. とすれば,一体何時,どのようにしてシグナル 配列が核遺伝子に賦与されたのか? この間題はミトコンドリアの起源及び細胞の 進化を考察する上で極めて興味深い。 Ⅱ.ミトコンドリアDNAの働き
酵母(SaccharoTnyCeS CeT・eUisiae , pe株)
をエチジウムプロミド(EtBr)などで処理す ると,ミトコンドリアDNAを容易に消失させ ることができる(po株)。また,条件によって は,ミトコンドリアDNAが一部残っている株 (p-)やミトコンドリアDNAにpointmutat-ionがおこっているmit一株やsyn 株も分離で/ きる。これらはpetitemutantと呼ばれる一群 で,ミトコンドリアの機能を調べるのに何かと 都合がよい。 Ⅱ-1.細胞の癌化2) グルコース培地(YPD)で生育させた酵母 を観察すると, p'株に比べてpO株は小さく, 細胞表面も滑らかなのがわかる。つまり,ミト コンドリアDNAの有無によって酵母細胞表面 の性質が遵うことが予測される。 ベンツピレン(benzopyrene)などの変異原 物質(Chemical carcinogen)を辞母に作用 させると,ミトコンドリアDNAは核DNAよ り修飾されやすいため,先ずミトコンドリアD NAが変化を受け,ミトコンドリア蛋白質の合 成が阻害される。続いて核遺伝子に変異がおこ り,細胞表面の性質が変わり,細胞の癌化が起 こると考えられている。 Ⅱ-2.酵母線状プラスミドとの不和合性3) 乳糖資化性酵母(KIzLyUerOmyCeS bctis ) から発見されたキラープラスミドは線状構造を とり,その5′ 末端にはプラスミドDNAのプ ライミングに必要な蛋白質をもっており,細胞 質で複製される。このプラスミドをCytoduc-tion法でS.ceT・euisiaeに導入してやると, po 株では安定に複製されるが,一部のβ+株では 不安定となる。 ミトコンドリアDNAに起因する事例は他の 生物でも報告されている。高等植物の細胞質雄 性不稔にミトコンドリア遺伝子の組み替えが関 与していること,ヒト小児遺伝病のtlとっミト コンドリア脳筋症(MELAS)の原因がミト コンドリアt RNAの-塩基の置換によること などは記憶に新しい。 参考文献 1)竹田真敏,科学, 56, 468-477 (1986)
2) wilkie, D.&Evans, Ⅰ. TIBS, 7,
147-151 (1982)
3) Gunge, N. et al. The 15th tnt. Con.
Yeast. Gemet. & Mol.Biol. (1990).
-8-遺伝生態研究センター通信 No,12 表 ミトコンドリア遺伝子 遺伝子産物 噂乳動物 酵 母 高等植物 ゲノムサイズ(Kb) 14-18 19-75 200-2500 リボソームRNA 大サブユニット 小サブユニット 5S t RNA シトクロムC酸化酵素 サブユニット1 サブユニット2 サブユニット3 アポシトクロムb F.For A T P合成酵素 αサブユニット サブユニット6 サブユニット8 サブユニット9 リボソーム結合蛋白質
Va rI/S5
S1 3 NA DH遺元酵素 サブユニット1-6 RNAプロセッシング酵素(Maturase) シトクロムb シトクロム酸化酵素Sub. Ⅰ その他 16S 21S 26S 12S 15S 18S + + 22種 25種 ∼30種 十 十 + + I+ 十一 一一 6 + + + + I+ + + +I + 十 十 十 十 + + + + +平成3年度ワークショップ開催について
平成3年度ワークショップに「紫外線増加などの未来環境下で植物の成育と微生物の生活はどう 変わるか」と「微生物の環境適応をめぐる遺伝子群の解明」の2課題が採択されました。それぞれ の課題について,企画担当者から紹介していただきました。関心の持たれた方は,当研究センター 共同利用掛まで開催日時・場所等をお問い合わせ下さい。-9-遺伝生態研究センター通庸 NA12
「紫外線増加などの未来環境下で植物の成育と
微生物の生活はどう変わるか」
ワークショップのねらい 人類が放出したフロンガスなどによる,地球 を取り巻くオゾン層の破壊や,二酸化炭素濃度 の上昇に伴う温室効果による,温度上昇などが 心配されその結果,地球の未来環境においては, 地表に到達する紫外線主が増加したり,地表温 度の上昇による天候異変などが懸念されている。 紫外線は生物系に障害をもたらすので,生態系 やいろいろの生物種に対する紫外線の影響につ いて,基礎的知見を集積しておくことは急務で ある。特に,作物生産に対する影響については, 紫外線の到達度の大きい熱帯地方を主たる栽培 地とする重要な作物であるイネに対する影響の 予測なども重要である。上述の二酸化炭素の増 加,及びその影響として現れる温室効果による 温暖化と,紫外線増加の相互作用なども今後の 大きな研究課題である。イネなどのような暖地 型作物と反対に,動物生産の大きな基盤である 温帯性牧草の中で寒地型牧草などの成育は,也 球の温暖化によりその栽培適地が深刻な影響を 受ける可能性も考えられる。 一方,微生物については,カビ類の胞子形成 にたいする紫外線の効果などが知られているが, 紫外線の増加は植物の病原微生物の動態に大き な影響を及ぼす可能性も考えられ,このことは 耕地生態系のみならず生態系一般においても, この紫外線の増加が植物一微生物の相互関連に どのような影響を及ぼすのかについての,研究 の重要性を喚起するであろうと思われる。 また,予想される紫外線増大にたいして,耐 性を有する作物の遺伝資源の探索も極めて重要 企画担当者 菅 洋 (東北大学遺伝生態研究センター) な課題であり,その際には耐性の機作の解明と ともに,耐性系統を選抜するための方法につい ても同時に研究される必要がある。耐性の枚作 の解明を通して生理的なあるいは栽培学的な対 応について知見が得られることも期待される。 今回,上記のようなワークショップを組織し たのは,地球の未来環境問題にたいする以上の ような現況に鑑みこの間題について現状を把撞 し,今後の問題点を摘出するためである。また, 当研究センターでは,農学研究所の時代から, 環境制御装置を使った植物の環境反応について の研究では.長い伝統と研究集積があるので上 記の問題に実験生態学的に接近するための方法 論や,その期待される成果などについても論議 したいと考えている。 具体的実施計画 ワークショップの実施は,平成3年の秋以降 に2日間の予定で,当センターにおいて開催す る予定である。現在討議のための話題提供ある いは総括的論議のために,橋本徹(神戸大学理 学部),稲田勝美(鳥取大学乾燥地研究セン ター),本田雄一(島根大学農学部),佐々木恵 彦(東京大学農学部),近藤矩朗(国立環境研 究所),佐藤洋一郎(国立遺伝学研究所),大滝 煤(東北大学遺伝生態研究センター),熊谷忠 (東北大学遺伝生態研究センター),庄司舜-(東北大学遺伝生態研究センター),佐藤雅志 (東北大学遺伝生態研究センター)の各氏の参 加が予定されている。 ここで取り上げる予定の話題の内容について, 二,三紹介すれば, 「植物成育における光とく-10-遺伝生態研究センター通信 No」2 に紫外線の役割」, 「紫外線増加と植物,病原菌 複合効果」, 「未来環境下における草地資源」な 相互作用」, 「森林樹冠下の光環境をめぐって」, どがあり,未来環境特に紫外線が増加した光環 「紫外線耐性作物育成のストラテジー」, 「植物 墳下における植物の成育や微生物の生活の変化 の紫外線耐性と遺伝資源」, 「環境変化の遺伝下 や,温度上昇との関連などについても言及され レベルでの影響」, 「微生物に対する光と温度の る予定である。
「微生物の環境適応をめぐる遺伝子群の解明」
一分子遺伝と微生物生態との新しい接点の探求一 企画担当者 服 部 勉 (東北大学遺伝生態研究センター) 本センターのワーク・ショップは,平成3年 度から新しい方針で運営されることになりまし た(本センター通信Noll参照)。今回の企画 は,この新方針に沿って構想されたものであり ます。 微生物の環境適応の問題 いうまでもなく微生物の環境適応は,微生物 の生態を論ずる際の中心課題のひとっでありま す。不幸にして自然の場から単離・純粋培養し た微生物を使って,その増殖や代謝能を研究し てきた従来の微生物学では,この環境適応の問 題は,寧ろ微生物の変化性として理解され,微 生物の真の(-自然における)姿を識る致命的 な障害として考えられてきました。 「培養細胞 の示す生理的質大部分は,アーティファクトに すぎないかもしれない」という有名なKluyver の言葉が思い出されます。こうした事情もあっ て,微生物の環境適応の現象は,これまでの微 生物生態研究では,それほど多くの研究がなさ れてきませんでした。 しかし遺伝子分子のレベルから見ますと,微 生物の変化性はかなりの程度解析可能であり, 今後その可能性を更に大きくしていきうると期 待されます。最近の研究が示しますように,微 生物の環境適応には遺伝子分子のはかにさまざ まな分子の関与が見られるようであります。こ うして環境適応の問題は,微生物生態のみなら ず,分子生物でも中心的課題のひとつに数えら れるようになっております。つまり,今や微生 物の環境適応の問題は,分子遺伝,微生物生態 共通の重要課題になりつつあるわけであります。 今回のワーク・ショップは,このような状況に 即応し,微生物研究の新しい高揚をもたらすの に貢献しようとするものであります。 ワーク・ショップの主な課題 まず第-に,分子遺伝または分子生物におけ る最近の進歩とその問題点について,第-線の 研究者の方々のご発言が期待されます。そこで は,細胞の分裂周期とchromosomal gene,細 胞の浸透圧調節機構と遺伝子,胞子形成の分子 機構と制御遺伝子,さまざまな環境刺激に対応 して生ずるタンパク分子のリン酸化を中心とし た連鎖反応と遺伝子発現の制御などが中心にな る予定です。ついで生態研究者から細菌が実際 生きている条件に即したコメントや問題提起が 期待されます。ここでは,従来の微生物生態の 研究が,ともすれば条件規定の暖味な不確実な データに終始しがちであった点をどのように克 服していくかも,大きな課題として浮かび上がっ てくることでありましょう。しかしその場合も, -ll-・一一遺伝生態研究センター通信 帆12 どのような点から取り組んでいくのかの検討が 望まれましょう。 ところで,ワーク・ショップでは第二に,分 子逮危(または生物)研究者と微生物生態研究者 の知的交流,研究技法や研究材料(菌株をふく む)の交流,さらには共同研究の可能性の拡大な どを促進することであります。将来に向けて,い ろいろな構想の可能性を探求でさればと考えます。 そして第三に,密かに願っていることとして, 微生物研究の流れでは両端的な性格の分野の研 究者に集まっていただくわけですので,この機 会に「20世紀の間,人間は微生物について, 果たしてどれだけのことを理解するようになっ たのか?また, 21世紀に,どんな課題点を残 そうとしているのか?」こんなことについても, 意見交換できれば,幸いだと思っています。 具体的日程 ワーク・ショップは, 6月7-9日にかけて 行われます。まず7日午後から8日午前にかけ て,話題提供をお願いした分子遺伝(生物)研 究者数名の方々と問題提起とコメントをお願い した数人の微生物生態研究者とで,前半の討議 を行います。ここでは,できるだけ広範な問題 について,集中的な討議,意見交換のできるこ お詫び: No.11′P.5とP.6の土壌調査地点の潟の 説明文,ハルビン付近を港陽付近と,藩陽付近 を-ルピン付近と,またP.6左欄上から6行目 清の始皇帝を秦の始皇帝と訂正いたします。読 者および著者にご迷惑をお掛けした事を,お詫 びいたします。 編集後記 皆様のご支援により研究センター通信は今B] で12号を数えるまでになりました。これからも, よろしくお麻いいたします。 本研究センター通信は,遺伝生態という新し い学問分野をめぐる,国内外の研究のトピック ス,意見,書評など多様な内容で構成しており ます。皆様のご投稿を編集部までお寄せ下さい, お願いいたします。共同利用掛では研究センター 通信用の原稿用紙も用意しておりますが原稿は ワープロ,市販の原稿用紙等でも結構です。 とが期待されます。また,ワーク・ショップの 後で出版する予定のI GEシリーズの執筆計画 についても,話し合われます。 ついで, 8日午後から9日午後にかけて,微 生物生態分野を中心とした一般参加者(30-40 名程度を予定)の方々を交えて,表記のテーマ でパネル討論会をもちたいと考えます。パネラー には,下記の分子遺伝(生物)研究者の方々を 予定しております。 吉川 寛(阪大医) 中田 篤男(阪大倣 研) 水野 猛(名大農) 小林 泰夫 (東京農工大農) 敬称略 今後の準備日程 以上が現在考えている企画の内容ですが,実 際のプログラムをつくる迄には,まだいろいろ と打合せる必要があります。とくに,このワー ク・ショップでは討論依頼者の方々との事前の 意見交換を重視しております。 4, 5月の間, この作業をすすめ,より実りの多い集まりにし たいと願っております。 予定ですと, 5月はじめに,プログラムを作 成することになります。関心のおありの方には, 予め本センター共同利用掛まで,ご連絡してお いていただけると,好都合に存じます。 東北大学遺伝生態研究センタ-通悟Na1 2 平成3年(1991年) 3月 編集・発行 東北大学遺伝生態研究センター 〒980 仙台市青葉区片平2丁目1 - 1 電話 022-227-6200 (代表) 共同利用掛(内) 3130 FAX 022-263-9845 。研究センター通信の題字は元東北大学学長, 石田名春雄先生の自筆です。
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は東北大学遺伝生態研究センターのシ ンボルマ-クですoI GEはInstitute of Genetic Ecologyの略
称です。