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玉川大学における脳研究

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Academic year: 2021

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6   玉川大学・脳科学研究所 10 周年記念によせて

玉川大学における脳研究

理化学研究所 脳科学総合研究センター特別顧問 甘利俊一  玉川大学脳科学研究所といえば、今は世界に名の知れた脳科学の研究拠点である。これができるまでに は、いろいろなドラマがあり、歴史があった。  1970 年代であろうか、塚田教授が着任し、斎藤教授と組んで猫の脳を使った研究を始めた。研究熱心 のあまり、大学近所の猫がいなくなってしまったと不審がられたこともあったらしい。1980 年代には、 工学系と医学系とが組んで、脳科学の総合研究が始まる。このためには、両者を調整し研究計画を練り、 関係者の理解を得る活動が不可欠であった。この活動の中核を担ったのが、玉川大学であった。  総合研究とその後の重点領域研究は、絶えることなく続き、日本の脳科学研究を世界レベルに引き上げ る大きな功績があった。脳の世紀運動を推進したのもこの頃である。この中で玉川大学の脳研究は着実に 発展した。我々は、良く学び良く遊べを地でいく楽しい活動を、苦しさに負けないでやったことを覚えて いる。  時代は進み、玉川大学には脳科学研究施設が開設された。その後に、文科省が 21 世紀 COE プログラム なる構想を発表した。これは、世界に誇る永続的な研究拠点を日本の大学に設置し、学術の飛躍的な発展 を図ろうというもので、公募が始まった。玉川大学脳科学研究施設は得たりとばかりこれに応募した。こ れは大冒険であった。なぜなら世界的な学者を多数抱えた重厚で巨大な国立大学と真っ向から勝負しよう とするものだったからである。  脳科学は、生物科、理工学、それに人間科学を結ぶ壮大な領域である。21 世紀 COE の複合領域に応募 したのは当然であった。紆余曲折はいろいろあったが、塚田教授を指導者とする玉川大学は見事に難関を 突破し、21 世紀 COE に認定され、予算が付いた。幸いなことに、審査委員会に見識があり、有名教授た ちをずらりとを並べた「重厚肥大」な予算分捕りのための研究ではなくて、理念と特徴があり、さらに将 来の世界的な拠点形成につながる可能性のある方を選んだからである。  玉川の 21 世紀 COE は素晴らしい成功を収め、これまたいろいろな紆余曲折はあったとはいえ、最終 的には最高の S 評価を得た。これが次につながり、坂上教授を中心とする次の GCOE 採択となる。  玉川大学に脳科学研究所ができたのは、大学の理解と共に COE 活動の成果を引き継いだからでもある。 実のところ、数ある COE 拠点の中で、世界に羽ばたき永続的な研究所を作ったのは、玉川大学ぐらいの ものかもしれない。ここが今や世界に名の知られた、日本の脳科学の拠点として、脳科学研究を総合的に 担っている。  私としては、玉川大学の脳科学にその創成期から見守り、かかわってきたことを誇りに思う次第である。

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