バ
イ
タ
ルサ イ
ン測
定技
術 習
得
に
お
け
る
学
生
の困難
一
学
内
演
習
後
の レポ
ー
ト
分 析
か ら
一
Student
’s
Difficulties
Experienced
uponAcquiring
Vital
Sign
Measurement
Technique
−
From
the
Analysis
ofReports
afterOn
−
campusTraining
一
上
星
浩
子
,浅 井
直
美
,.
小 山
英 子
, 三木
園
生要 約
本研究は
,
バ イタル サ イン測定 技術習 得におい て,
学生 が困 難と感じ てい る内 容を 明ら か にする こ と を 目的と し,
看 護 学 科1
年 次に在 籍 する45
名の レポー
1
・
を対 象に,
質 的 帰 納 的研 究 技 法によっ て抽 出した223
記 録 単 位を分 析し た.
結 果,
「体 温 測 定 』 『脈 拍 測 定 』 『呼 吸 測 定 』 「血 圧測 定 』 『コ ミュ ニ ケー
シ ョン』の5コ アカテゴリー
と【
体温計の挿入部 位・
挿 入 方 法の理解 不 足と羞 恥心 か らの確 認へ の躊 躇 】 【体 温 計 挿 入 時 間に関 する患 者へ の負 担 の 配 慮と声かけの難 し さ】 【患 者 役を通し て の体 温 測 定 部 位・
測 定 方 法の理解 】 【脈 拍の測 定 部位 と性 状の理解困 難】【
脈 拍 測 定における視 覚・
触 覚協 働 動 作の 混 乱 】 【正確な呼 吸 測 定方 法の理解 不 足と実 施 困難 】 【呼 吸の性 状や 対 象の状 況に応じ た観 察 困 難 】 【血 圧計の点検 方 法の理 解 困 難 】 【上腕 動 脈の触 知と対 象に応じたマ ン シェ ッ トの 装着 困 難】 【
触 診 法に よ る脈 拍 触 知と聴 診 法に よ るコ ロ トコ フ音の不 明瞭な聴き取 りに よ る 血圧 測定困 難1
【
適 切 な加圧・
減圧操 作の実 施 困 難 】 【血圧 測 定に お ける個 別 性や安 全 安 楽を配 慮した対 象の 理解】【
血圧測 定 方 法によ る測 定 結 果の理解】
【バ イ タ サ イン測 定 時に お ける対 象 者との コ ミュ ニ ケー
ショ ン困難】
の 14カ テゴ リー
が抽出 さ れ た.
キー
ワー
ド:基 礎 看 護 技 術,
バ イタ ルサ イン測 定, 学 内演 習,
学 生の 困 難緒 言
厚生労 働 省が示 す 「基礎 看 護 教 育に お ける技 術 教 育のあ り方に関 する検 討 会 」【) で は
,
臨 地 実 習にお い て学生 が行 う基 本 的な看 護 技 術の考 え方, 身体 侵 襲を伴 う看 護 技 術の 実 習 指 導のあ り方が検 討 さ れて お り,
その 中で もバ イタ ルサ イン の測 定は, 症 状・
生体 機 能 管理技 術と して,
教 員や看 護 師の助 言・
指 導に よ り学生が単 独で実 施で きる技 術と して示され てい る.
当短 期 大 学におい ても, 基 礎 看 護 学 実習
1
におけ る技 術 体 験を 分析2) し た結 果, バ イ タル サイ ン の観 察は唯一
学生全 員が体 験で きた技 術で あっ た.
こ れ はすべ て の患 者に毎日行われてい る看護の 基 本的 な 観 察 技 術 として 重 要である こ と, ま た初 学 者である 学生 が行っ て も危 険 性が低い こと な ど か ら, 全 員が 体 験で きた と思われ た.
し か しバ イタル サイ ン の観 察は,
時 間・
場 所 を 問 わ ず 比 較 的簡 単に行 えるもの の,
身体の状 態・
変化 を把 握 し,
適 切な医療・
看 護 を決 定 するうえで,
最も 重要な看 護 技 術で あり, 確 実な測 定と安全安 楽な技 術 を提 供 するた めには,
知 識と学 内における十分な演 習が必 要である.
島田 ら3 )はバ イタ ルサ イ ン測 定に関 する研 究の 現 状 と動 向につ い て分 析 し てい る が , その ほ とんどは 血 圧測 定 値の一
致 度に影 響 する人 間工学 的な研 究や,
測 定 技 術の教 授 法と評 価につ い て の研 究で あ り,
学 生がバ イ タ ル サ イ ン測 定 技術 を 習得 する うえでの 困 難を明ら かに した研 究は少 ない.
そこ で, バ イタ ル サ イ ン演習終了後の課題 レ ボー
トの分析を行い , バ イタ ルサ イン測 定 技 術 習 得におい て, 学生が 困 難と 感じてい る内容を 明 らか に した.
研 究 目的
バ イタ ルサ イン測 定 技 術 習 得に おい て,
学生が困 79 桐生短 期 大 学 紀 要.
第17号,
2006難と感じてい る 内容を明ら かにする
.
用 語
の操作
的
定 義
「バ イタ ルサ イン」 :生命 徴 候の うち客 観 的に測 定できる体温
・
脈 拍・
呼 吸・
血 圧 とし, そ の測 定をバ イタ ルサ イン測 定と し た.
「困難」 :学生がバ イタルサ インの技 術を習 得 する う えで 「難し かっ た」 「困っ た」 「で き な かった」とレポ
ー
ト に記 述し, 意 識化 し た内容 とした.
研 究方法
1.
研 究 対 象基 礎 看 護 技術
1
の 「バ イ タル サ イ ン」の 単元 を受
講し, 研 究 参 加に 同意 をしたA
短 期 大 学 看 護 学 科1
年 次の 学生90 名を研 究 対象
と し た.
研 究 参 加に 同意した学生90
名の記 述 レポー
トか ら 無 作 為に 抽 出 し, サ ブ カテ ゴ リー
の飽和が確認 さ れ た45 名の レポー
トを分析対象とした.
2.
単元内 容 1)授 業の 位 置づ けバイ タル サ イン測定は
,1
年 次前 期,
基礎 看 護技 術1
「ヘ ル ス ア セス メ ン ト・
記 録・
報 告 」の 単 元で あ り,
講義8
時 間,
演習8
時 間の授 業 を行っ てい る.
2)
実 施 時 期 :2006 年6
月21 日〜7
月14
日3)
目 的 :人 間の 生 理 的ニー
ドの 充 足 を示 す呼 吸,
循 環(
脈 拍・
血 圧)
体温,
意識レベ ルな ど 患者の疾患 や状態を 把握で きる正確な 測定技 術 を 習得する.
4)
目標 :(
1)
バ イタル サインの測 定とそ の意義を理解で きる.
(2
)バ イタ ルサ インの メ カニ ズ ムが理 解できる.
(3
)バ イタル サイン測 定 時の倫理的配 慮が で きる.
(4 )バ イタ ルサ イン を 正 しく測 定 する こと がで きる.
(5
)バ イタ ル サインの測 定 結 果を分 析 する こ とが で きる.
(6
)バ イタ ルサ イン の測 定 結 果を記 録・
報告で きる.
5 )演習方法 : 学生人 数 :各グ ルー
プ3〜4
人,
合 計 12グルー
プ体温測 定は , 病 院 用 電子体温計 実測式
(
防 浸 計 ) を使 用 し,
腋 窩で の体 温を測 定 する.
脈 拍 測 定は, 橈 骨 動 脈で の触 診に よ る脈 拍 数, リズ ム, 大 きさ な ど を測 定 する.
呼 吸 測 定は,
視 診に よ る呼 吸数
様 式,
リズ ム など を測 定 する.
血圧 測定は, 水 銀血圧 計を使 用し,
触 診 法,
聴 診 法で測 定 する.
6
) 演 習の進め方 桐 生 短 期 大 学 紀 要.
第17号.
2006 80 講 義 終 了 後,
バ イタ ルサ イン測 定に関 する演 習 計 画を各グルー
プで立案し提 出 する.
導入にあた り演 習 内 容,
目的・
目標,
グルー
プメ ン バー
の役 割 (看 護 師役・
患 者 役・
観 察 者 役 )を確 認し, 立 案して き た演 習 計 画に そっ て実 施 する.
実 施 後, 難 し か っ た こと,
感 じ たこ と な ど をグ ルー
プ ワー
クし, その後, 教 員に よ る デ モン ス ト レー
ショ ン(
行 動の ポ イ ン ト, 留 意 点な どの説 明は しない )を行 う.
デ モ ン ス トレー
シ ョ ン後 , 学 生は再度バ イ タルサ イン測定 を実 施 する,
3,
デー
タ収 集方法 1)デー
タ収 集期間2006
年7
月12
日〜7
月18
日 2)デー
タ収 集 方 法演習終了後
,
レポー
ト課 題 「バ イ タル サ イン演習 を 通 して 難し かっ た こ と・
学び」(
A4 ,1
枚 )を提 示 し,3
日 を期日 に 提 出 す る.
提 出 さ れ たレポー
トのう
ち研 究協 力の 同意 が得ら れ た90
名の レポー
ト を分 析 し た.
4.
分 析 方 法 デー
タ分 析 は,
学 生の レポー
ト よ り 困 難の内容を 含む記述 を記 録 単 位と し た,一
つ の文 脈の中に複 数 の 内容があっ た場 合は,
内容を分 割し,
複 数の記 録 単位 と して扱っ た.
その後,
記 録 単 位を 意味 内 容の 類 似 性に従い 分 類 し,
サ ブカ テ ゴ リー
化 し た.
さ ら に個々 の内容と 全 サ ブ カテ ゴ リー
の中で の位 置づ け,
各サ ブカ テ ゴ リー
間の関 係か らデー
タ分 類お よ び サ ブカ テ ゴ リー
ネー
ム の適 切 性につ い て検 討 したうえ で命 名 し た.
同様に カ テ ゴ リー
化し命 名し た.
その 後,各
カ テ ゴ リー
化の記録 単 位の 割 合を数 量 的に集 計した.
デー
タ の分 析 過 程におい て は, カテゴリー
の信 頼 性・
妥 当性 を保 持で きる ように 研究 者4 名の 協 議に よっ て行い , 分 析 した.
5.
倫理的配慮研 究の 趣 旨や プライバ シ
ー
の 確 保, 成 績 評 価 とは 無関係である こ と,
研 究の参 加・
不参 加は 自 由であ る こ と を口 頭で説 明 し, 同意を得た.
結 果
L 基 本 属 性研究対象の基本 属性は,
A
短 期 大 学 看護学 科の1
年 生で あ り, 女 性 39 名 (86.
7%), 男性6
名 (13.
3%)で あっ た.
平均 年齢は , 女 性19.
13
歳, 男性18.
17
歳であ っ た.
(表D
一
表1 基 本属性
’
〕n=
45 項 目 カ テ ゴ リー
性 別 性 性 女 男 39入6
人 (86.
7%) (13.
3
%) 平 均 年 齢 女 性 19.
13 歳 (18〜
32 歳) 男 性 18.
17 歳 (18〜
19 歳) 2.
バ イタル サ イン測 定 技 術習得に おい て学生が感じ た困 難 (表 2 ) バイ タル サ イン測 定 技 術 習 得におい て,
学生 が困 難 と感 じてい る 内 容 につ い て,
学生45
名の レポー
ト を分 析 した結 果,
223 記録 単位を抽出 した.
この 記 録 単 位 を 分 析 し た結果,
『体温 測定 』(
16.
2
%),
『脈 拍 測 定 』 (112
%),
『呼 吸 測 定 』 (10.
3
%),
「血 圧測 定 』(
58.
3
%)
,
「コ ミュ ニ ケー
ショ ン』(
4.
0
%)
の5
つ の コ アカテ ゴ リー
と14
のカテ ゴリー
,34
のサ ブ カテ ゴ リー
を抽出 した.(
表2)
以下各
コ ア カ テ ゴ リー (
『 』)
につ い て,
カテ ゴリー
(【 】で示 す ),
サ ブ カテ ゴ リー
(《 》で示 す )と そこ に含ま れ た記 録 単 位 (「 」)につ い て述べ る.
1) 『体 温 測 定 』 こ の コア カ テ ゴ リー
は,
【体 温 計の挿入部位・
挿入 方 法の理 解 不 足と羞 恥 心か らの確 認へ の躊 躇 】 【体 温 計 挿入時間に関する患 者へ の負 担の配 慮と声かけの 難し さ】 【患 者 役を通し て の体 温 測 定 部位・
測 定 方 法 の 理解】
の 3つ の カ テゴ リー
と5つ の サ ブ カ テ ゴ リー,
36 記録単位で構 成され, 全 体の16,
2%を占め た.
(
1) 【
体温計の 挿入 部位・
挿入方 法の 理解不 足 と羞 恥 心か らの確 認へ の躊 躇 】こ の カテゴ リ
ー
は ,2
つ の サ ブカ テ ゴ リー
と29
記録 単 位で構 成 さ れ,
全 体の13.
0
%を 占め た.
《
体温計の挿入角 度の理 解 困 難》
は,
他 者 の腋窩 に どの ような角 度で 体温計を挿入 して い い かわ か ら ない とい う困 難で あ り,16
記録単 位(
7.
2
%)
で構 成 さ れ た.
「体温計の 挿入角 度の30〜
45 度と わかっ て い た が,
どこか ら何に対 してその角
度 なの か わ か ら な かっ た」 と挿入角 度は知っ て い る もの の,
行 動 と し て具 体化で き ない という
困難を表 現してい た.
《体 温 計の挿 入 部 位の理解 不 足と 羞恥心 か らの確 認へ の躊 躇》
は,
腋 窩 動 脈の部位 が 理解で きてい な い こと,
腋 窩 動 脈 部 位に確 実に挿入で きてい る か不 安で ある が,
学生同士で実 施 する とい う羞 恥心 か ら 確 認で き ない とい う困 難であ り,
13記 録単位(
5.
8
%)
で構 成された.
「体 温 計が実 際に腋 窩 動 脈にあたっ て い るの か わ か ら な かっ た」や 「腋窩の中心部が どこ 81 か わ か らず, 生徒同 士で恥 ずか しくて確 認で き な か っ た」 「体 温を は かる際 どの程 度の強さで挿 入して い い か加 減がわから なか っ た」な ど挿入部位 の理解 不 足と体 温 計を挟む強さや適 切に密 着してい る か な ど挿入方 法に対 する不安を表 現し てい た.
(2 ) 【体 温 計 挿 入 時 間に関する患 者へ の負 担の配慮と 声かけの難し さ1
この カ テ ゴリー
は,
2つ のサ ブカ テ ゴ リー
と2 記録 単 位で構 成され, 全 体の1.
0% を占め た.
《
体温 計の ア ラー
ム音 時の 声か けの難 し さ》は, 1 記 録単 位(
05
%)
で構 成さ れ 「体 温 計の ア ラー
ム が なっ た時 , 患者に どの ように声をか けた らい い の か わ か ら な かっ た」な ど体温計の ア ラー
ム がなっ た時 や 別の作 業 を してい る 時の声か けの 方法や どの よう に声を か けた らい い かわか ら ない とい う困 難を表 現 してい た.
《
体 温 計 を 出 す タ イミ ン グの 難 し さ》は, 1記録単 位(
O.
5
%)
で構成 さ れ 「体 温 計 をい つ 取 り出せ ば患 者さ んの負 担にな ら ない か,
脈 拍や 血 圧 を 測 っ て い る と時間 が 過 ぎて し まい 難 しい 」な ど バ イ タルサ イ ン測 定 時の 体温計を取 り出すタ イ ミ ングの 困 難を表 現してい た.
(3
)【患 者役を 通 して の体温測 定部位・
測定方法の理 解】
この カ テ ゴ リ
ー
は,1
つ の サ ブカ テ ゴリー
と5
記録 単 位で構 成さ れ,
全体の2.
2
% を占め た.
《
患者 役を 通 し て の体温 測定 部位・
測定方法の理 解 》は,
「患 者 役になっ て き ち ん と中心部に挿入でき てい ない 時は違 和 感があっ た」や 「体 温 計を入れ る 時も,
出 す 時もあま り強 くな ら ない ようにや さ し く して ほ しい 」な ど患 者 役を通して感 じた測 定 部 位や 方 法の 理解を表 現し てい た.
2)
「脈 拍測定 』この コ ア カテ ゴ リ
ー
は,【
脈拍の 測定 部 位と性 状の 理解困 難】【
脈 拍測定に お ける視 覚・
触 覚 協 働 動 作の 混 乱】
の 2つ の カ テゴ リー
と5つ の サ ブ カ テ ゴ リー
,25
記録 単 位で構 成さ れ,
全 体の11.
2% を占めた.
(
1)【
脈 拍の測定
部位と性 状 の理解困 難1
こ の カ テ ゴ リ
ー
は,3
つ のサブ カ テ ゴリー
と13 記録 単位で構成 さ れ, 全体の5.
8
% を占めた.
《
橈 骨動脈 部位の 理解不 足 と拍 動 触 知 困 難 》は, 6 記録単 位(
2.
7
%)
構 成 さ れ,
橈 骨動 脈が見つ け ら れ ず,
長い 時 間患者様の 腕 を握っ て い た」など橈 骨 動 脈の部 位の 理 解 不 足 と脈拍 触知 に 慣 れて い ない た め, 拍 動その もの がわか らず,
触 知で き ない とい う困 難 を表 現してい た.
桐生短 期 大 学 紀 要.
第17号,
2006表2 学 生が記 述し た バ イ タルサ イン測 定 技 術 習 得困難を構 成す る カ テ ゴ リ
ー
カテゴ リー
サブカテゴ リー
単 位記 録数 (%) 1 体温計の挿入角 度の 理解困難 16 (7.
2) 体 温測 定36
記 録 単 位16.
2
% 1 体 温 計の挿 入 部 位・
挿入方 法の 理 解不足 と羞 恥 心からの確 認へ の躊 躇 (13.
0%) 2 挿 入 部 位の理 解 不 足 と羞 恥 心からの 確 認へ の躊 躇 13 (5.
8) 4 体 温 計のア ラー
ム音 時の 声かけの難しさ 1 (0.
5
) 2 体 温 計 挿 入 時 間に関 す る患 者へ の 負 担の配 慮 と声かけの難しさ (1.
O%) 5 体 温 計 を出 す タイミングの難 しさ 1 (O.
5)3
患 者 役 を通 し て の体 温 測 定 部 位・
測定 方 法の 理解 (2,
2%)6
患者役 を通して の測 定 部 位・
測 定 方 法の理 解 5 (2.
2) 7 橈 骨 動 脈 部 位の理 解 不 足 と拍 動 触 知 困 難 6 (2.
7
) 脈 拍 測 定25
記録 単 位11.
2
% 4 脈 拍の 測定部位 と性 状の 理解困 難 (5.
8%) 8 脈 拍の リズム や大 きさなど 性 状 を観 察 す ることの難 しさ 4 (1.
8)9
自 分の脈 拍 との混同に よる脈 拍 測 定 困 難 3 (1,
3) 10 時 間 を見 な が ら同 時に脈 拍 を測 定することの難しさ7
(3,
1) 5 脈 拍 測 定にお け る視 覚・
触 覚 協 働 動 作の混 乱 (5.
4
%) 11 対 象や周 囲の 状 況に影 響 されてしまうこと に よ る集 中することの難しさ 5 (2.
3) 12 対 象に意 識 させないように測 定 す る難しさ 10 (45) 呼 吸 測 定23
記 録 単 位10.
3
% 6 正確 な 呼 吸 測 定 方 法の理 解不 足 と実 施 困 難 (7.
6%) 13 脈 拍 を測定しな がら 呼吸測定に集中 す ることの難し さ 4 (1.
8) 14 脈 拍測定から呼吸測定に移るタイミングの難しさ 3 (1.
3) 7 呼 吸の 性 状 や 対 象の状 況に応 じ た 観 察 困難 (2.
7%) 15 呼吸の深さや規則 性 など性 状 を観察 す ることの難し さ 2 (0.
9) 16 対 象の 状 況に応 じた 呼 吸 測 定の 難 しさ 4 (1.
8) 8 血 圧計の点検方 法の 理解困難 (4.
1%) 17 血圧計の点検方 法の 理解不 足 9 (4.
1) 血 圧測 定130
記 録 単 位58.
3
%1
18 上腕 動 脈の位 置 と拍 動の 理 解 不 足 28 (12.
6) 19 マ ンシェッ トを巻 く適 切 部 位の理 解不足 7 (3.
1) 9 上腕 動 脈の触 知 と対 象に応じた マ ンシェットの装 着 困 難 (22.
4%) 20 対 象に応じたマン シェ ットを巻 くことの 難しさ 12 (5.
4) 21 聴診 器 をあてる部位の理解不足 3 (1.
3) 22 触 診法にお ける加 圧 しなが ら脈 拍を触 知することの 難しさ 3 (1.
3
) 10 触診法に よ る脈 拍 触 知 と聴診 法 に よるコロトコフ音の 不明 瞭 な聴 き取 りに よる血圧 測 定 困 難 (16.
0%) 23 触 診 法 に お ける脈 拍 触 知 と水 銀 柱 を読み取 ることの 難しさ 5 (22) 24 聴 診 法における 第1音 を聴 取 すること の難しさ7
(3.
1) 25 聴 診 法におけ る第5音 を聴取することの難しさ 11 (4.
9
) 26 雑 音 とコロトコフ音 を 区 別 す ることの難 しさ 10 (4.
5
) 27 適 切 に加 圧 す ることの難 しさ 2 (0.
9) 11 適 切 な 加 圧・
減 圧 操 作の 実 施 困 難 (11.
7%) 28 適 切に減 圧 す ることの難 しさ 12 (5.
4) 29 送 気 球のね じ操 作の難 しさ 12 (5.
4) 血圧 測定における個別性や安 全30
患 者 役 を通して の測 定 方 法の理 解 4 (1.
8) 12安 楽 を配慮した 対 象の理 解 (3.
6%) 31 対象の状況 に応じた個別性の 理解 1 (0.
5) 32 血圧 測定に お け る対 象の安 全 安 楽の 理解 3q.
3)13
血圧 測 定 方 法による 測 定 結 果の 理解(0.
5%)33
測 定 方 法による血圧 値の違いの理 解 1 (0.
5) 34 対 象に理解しやすい言 葉 がけの難しさ 2 (0.
9) コミュ ニケー
ション9
記録単 位4.
0
% 14 バイタル測 定 時にお け る対 象 者 とのコミュ ニケー
ション困難 〔4.
o
%) 35 測定時に お け る 対象 者とのコミュ ニケー
ション の難し さ7
(3.
1
) 合計 223 (100 桐生短 期 大 学紀要,
第 17号.
2006 82一
《脈 拍 のリ ズムや大 きさな ど性 状を観 察 すること の 難し さ
》
は, 4記 録単 位 (1.
8%)で構 成され 「脈 拍 数を数 える の が精一
杯で リズムや大 きさ な どわか らなか っ た」や 「脈の 硬さ, 大きさ, リズムなどを 読み取る のは難しい 」とい う脈 拍の性 状を観 察 する こ との困 難を表現 してい た.
《自分 の 脈拍との 混同に よ る脈 拍 測 定 困 難 》は,
3 記 録 単 位 (1.
3%)で構 成され 「脈 拍を 測定してい る うちに自 分の 脈と一
緒になっ て しまっ た」や 「自分 の 脈と混 じっ て し まい,
正確に 測 るこ とがで き な か っ た」な ど患 者の拍動と自 分の 拍 動 が 混 同 して し ま い,
正確に脈 拍測定がで きない 困 難 を表現 してい た.
(
2)【
脈拍 測定にお ける視 覚・
触 覚協 働 動 作の 混乱】
この カテゴ リー
は,2
つ の サ ブカ テ ゴリー
と12
記 録 単 位で構成 さ れ, 全体の5.
4
% を 占 め た.
《時間 を見 な が ら 同 時に脈拍を 測定するこ との 難 し さ》
は,7
記 録単位(
3.
1
%)
で構成 さ れ 「頭で は 脈拍 を 数 えて い る が,
時計を 見て いる と こっ ちゃ に なっ て し まっ た」や 「時計の秒 針を見な が ら 測 っ て い る と脈 拍の数を秒 針の動きと同じに数えて し まう こ と が あ っ た」な ど時 計を 見 な が ら 同時に脈 拍を 測 定 するこ との 困 難を表 現してい た.
《
対象 や周 囲の状況に影
響 さ れて し まうこ と に よ る集 中 す るこ との難 し さ》
は,5
記 録 単 位 (2.
3
%) で構成 さ れ 「脈 拍は患者さんが動く と わ か ら な く な っ て し ま っ た」や 「脈 拍 数を数えてい る時,
周りの 雑 音に気 を と られ,
わか ら な く なっ て しまう」な ど 周 りに影 響 さ れて し まうこ とによる集 中 力の困 難を 表 現し て い た.
3) 『呼吸 測 定』この コ アカテゴ リ
ー
は, 【正確な呼吸 測定 方 法の理 解 不 足と実 施 困難 】 【呼 吸の性 状や対 象の 状 況に応 じ た観 察 困 難 】の 2つ の カテゴ リー
と5つ の サ ブカ テ ゴ リー
, 23記 録単 位で構成 され, 全 体の 10.
3% を占め た.
(1
> 【正確 な呼吸 測定方法の理解不 足 と実 施困難】
この カテ ゴ リ
ー
は,
3つ のサ ブ カテ ゴ リー
と17記録 単 位で構 成 さ れ,
全 体の7.
6
% を占め た.
《
対 象 に意識 さ せ ない ように呼吸 測定す る 難 し さ》は,
10記録 単 位(
4.
5
%)で構 成さ れ 「患 者さん の 胸 や 腹 部の 動 き を 凝視して し まい , 自然 に 測る こ とがで きな かっ た」や 「呼吸 測定で は患 者さん に気 づか れ ない ように と 思えば 思 うほど数 が わ か ら な く なっ て し まっ た」な ど対 象が意識 し ない ように自然 な 状態で呼吸 測 定 を す るこ との 困 難 を表現 してい た,
《
脈 拍 測定の姿 勢の ま ま呼吸 測定に集中 する こ と の 難 し さ》は, 4 記 録 単 位 (1.
8
%)で構 成さ れ 「呼 吸 測 定に集中 し て し まうと, 脈拍に触れ てい た手を 知らずに放し てい た」や 「脈 拍を測る振 りをし て呼 吸 を測る時“
押さえる力が弱 くなっ た”
とい われ た」 な ど橈 骨 動 脈に触れ なが ら呼 吸 測 定に集 中 する こ と の 困 難を表現 してい た.
《脈 拍 測 定か ら呼 吸 測 定に移る タイ ミン グの 難し さ》は,3
記録 単 位 (1.
3%)で構 成さ れ 「1分 間 脈 拍 を測っ て か らす ぐに呼 吸 測 定に移る タイミン グが難 しい 」 など脈拍測定か ら自然 に呼吸 測定に移る タイ ミ ン グの 困難 を表 現 して い た.
(2)【
呼吸の 性 状や 対象の 状 況 に応じた観 察困難 】 この カ テ ゴ リー
は,
2つ の サブ カテ ゴ リー
と6記 録 単 位で構 成 さ れ,
全 体の2.
7
% を占め た.
《
呼吸の 深 さ や 規 則 性 な ど性 状 を観 察す るこ との 難 し さ》
は,
2記 録単 位(
0,
9
%)
で 構 成 さ れ 「呼吸 測定で は深さ や 規 則 性 な ど 見 るのが大変だ っ た 」 や 「腹 式 呼吸 か胸 式 呼吸 かわか りづ らい」な ど呼吸の型 や 性 状の観 察困 難 を表 現してい た.
《
対 象の状 況に応 じた呼 吸 測 定の 難 し さ》
は,
4記 録単位(
1.
8
%)
で構成 さ れ 「患 者 さ ん が体を動 か す と呼 吸 測 定がで き な く なっ て し まっ た」や 「呼 吸測 定の時,
患 者 さ ん が 咳 き 込 み を し た ら わ か ら な く な っ て し まっ た」な ど体 動や患者の状 況変化 に 応 じ た 呼 吸 測 定の困 難 を表 現してい た.
4
) 『血 圧測 定 』こ のコ ア カ テ ゴ リ
ー
は,【
血 圧計の点 検方 法の理 解 困 難 】 【上腕 動 脈の触 知と対 象に応 じたマ ン シェ ッ ト の装 着 困難 】 【触 診 法に よる脈 拍 触 知と聴 診 法に よる コ ロ トコ フ音の不 明 瞭な聴き取 りに よる血 圧測 定 困 難 】 【適 切な加 圧・
減圧 操 作の実 施 困難 】 【血 圧測 定 における個 別 性や安全安 楽を配 慮し た対 象の理解 】 【血圧 測 定 方 法に よ る測 定 結 果の理 解 】の6
つ の カ テ ゴ リー
と17の サ ブ カ テゴ リー
, 130記録 単位で構 成さ れ, 全 体の58.
3% を占め た.
(
D
【
血 圧計の 点検 方 法の理 解 困 難】この カテゴ リ
ー
は, 1つ のサブ カ テ ゴ リー
と9 記録 単 位で構成 さ れ, 全 体の4.
1%を 占め た.
《血圧計の点 検 方 法の 理解不足 》は,
「血 圧計の 点 検を した時, 水 銀が 切 れてい て壊れ て い る のか と 思 っ た」や 「マ ン シェ ッ トか ら空 気が漏れてい た時,
どうし て もれ て い るの かわか ら なかっ た」な ど血 圧 を測定する事 前準 備 と して の点検 方 法が わ か ら ない とい う困 難であっ た.
(
2)【
上腕 動 脈の触知 と対象に応 じ たマ ン シェ ッ トの 83 桐生 短期 大学紀 要.
第17号.
2006装 着 困 難 】
こ の カ テ ゴ リ
ー
は, 4つ のサ ブカ テ ゴ リー
と50 記 録 単位で構 成さ れ, 全体の22.
4%を占め た.
《上腕 動 脈の位 置と拍 動の理 解 不 足 》は
,
28 記 録 単 位 (12.
6%)で構 成さ れ 「自分の上腕動 脈 は わか るが,
他の人の 上腕 動 脈は わ か ら な く,
あせっ て し まっ た」や 「上腕 動 脈 もな か なか わ か ら な く , 自分 の 脈と間 違っ てい るの で は ない か と不 安だっ た」 な ど上腕 動 脈の位 置や拍 動が確 認で きない 困 難を 表現 して い た.
《
マ ンシェ ッ ト を巻く適切 部位の 理解不 足》
は,7
記 録単 位(
3.
1%)
で構成 さ れ 「マ ンシェ ッ ト をど こ に巻け ばい い の か わ か ら な かっ た(
た だ巻 け ばい い と 思っ た)
」や 「腋 窩の2 〜3cm
上 にマ ン シェ ッ トを 巻け な く,
い つ も肘窩の と こ ろ に下 がっ てい た」な どマ ン シェ ッ トを どこに 巻い てい いか, 適 切に巻 く 部位の 理解困 難を表
現 してい た,
《
対象に応 じ たマ ン シェ ッ ト を 巻 くこ との難し さ》
は,12
記 録 単 位 (5.
4
%)で 構 成さ れ 「マ ン シェ ッ ト を 巻 く時,
指2〜3
本はい る く らい の強さに巻け ず,
い つ もゆ る くなっ て し まっ た」や 「腕が細い 人 にマ ン シェ ッ トを 巻 くの を 失敗 して何 度も巻き な お して し まっ た」な ど対 象に応 じ たマ ン シェ ッ ト を巻 くこ との 難 し さ,
と くに常に ゆ る く なっ て しまい,
適切に巻くこ とができ ない 困 難を表 現してい た,
《
聴 診器 を あて る部位の理解不 足》
は,
3 記録単位 (L3
%)
で構成 さ れ 「血 圧測 定でチェ ス トピー
ス を どこ にあて てい い か わ か ら な かっ た」や 「マ ン シェ ッ トの下に聴 診 器が入っ て お り,
一
緒に圧迫さ れて い た」な ど 上腕 動 脈の拍 動 部の理 解や聴 診に よ る チ ェ ス トピー
ス の適 切な部 位へ の 理解 困 難を表 現し て い た.
(3 ) 【触 診 法に よ る脈 拍 触 知と聴 診 法に よ る コ ロ トコ フ音の不 明 瞭な聴 き取 りに よ る血圧 測 定 困 難 】こ の カ テ ゴ リ
ー
は, 5つ の サ ブ カ テゴ リー
と36記録 単 位で構 成さ れ,
全 体の16.
0
%を占めた.
《触 診 法にお ける加 圧し な が ら脈 拍を触 知 する こ との 難し さ》は,
3 記録 単 位 (1.
3%)で 構 成 され 「触 診 法で加 圧してい る のに集中 して しま うとい つ か ら脈が触れ なくなっ たの か わ か ら な かっ た」や 「触 診 法で は加 圧しなが ら脈 拍 をとっ てい る と頭 が混乱 し, パ ニ ッ ク に なっ て し まっ た」な ど一
方 の手で加 圧しながら, も う一
方の手で脈 拍を触 知 する こ との 困 難 を表現 し て い た.
《触 診 法にお ける脈 拍 触 知と水 銀 柱を読み取る こ 桐 生 短 期 大 学 紀 要.
第17号.
2006 84 との 難 し さ》
は5記録 単 位(
2.
2%)
で構 成さ れ 「橈 骨 動 脈に触れなが ら最 高 血圧 を読み取る こ とは脈に も注 意を払わ なけれ ばな らない 」や 「触 診 法で初め て脈が触れたときの最 高 血圧 を読み取る こ と が難し かっ た」など脈 拍の 触 知 を感 じ な が ら, 視 覚的 に水 銀を読み取る こ とが で き ない とい う困 難を表 現して い た.
《聴 診 法における第 1音 を聴 取 する ことの 難し さ》 は,7
記録 単 位 (3.
1%)
で構成 さ れ 「は じめの 小 さ な音を聴き逃 さ ない こ とに苦 労した」や 「聴 診 法で は聴 こえ始めの 音 が 小 さ くて徐々 に はっ き り と 聞こ えて きたけど,
神 経を集中 してい ない とわ か ら ない」 な ど聴 診で 小 さ な第1
音 を 逃 さず,
正確に聴 き取 るこ との困 難を表 現してい た.
《
聴診 法にお ける第5
音 を聴 取するこ との 難 し さ》
は,11
記 録 単位(
4.
9
%)
で構成 さ れ 「だ ん だ ん と聴 こ えな く なる最後
の 音 を 読み取る こ とに苦 労 し た」 や 「最 高血 圧 は読み取り やすい が,
最 低血 圧 は 小 さ い 音がい つ まで も残っ てい る感じ が して わ か りづ ら かっ た」な ど第5
音を聴き取るこ との 困難を表 現して い た.
《
雑 音とコ ロ トコ フ音を区 別 するこ との難 し さ》
は10
記 録 単位 (4,
5
%)で構 成さ れ 「聴 診 法の音が ま っ た く聞こ えず,
い ろい ろな音が聞こ えて何だ か わ か ら な かっ た」や 「コ ロ トコ フ音か雑 音なのか区別 がつ かずよ く聴き取るこ とが で き な かっ た」な ど周 りの雑 音に影 響を受 けてし まい,
聴き慣れてい ない,
音の変 化 するコ ロ トコ フ音を聴 き取るこ との困 難を 表現 してい た.
(4
) 【適 切 な加 圧・
減 圧 操 作の実 施 困難 】 この カ テ ゴ リー
は,
3つ の サブ カ テ ゴリー
と26 記録 単 位で構 成され, 全 体の11.
7
%を占め た.
《
適切 に加圧 する こ との難 し さ》
は, 2記録 単 位 (O.
9
%)で構 成され 「圧をかけす ぎて しまい , 手が 真っ 赤に なっ て しまっ た」や 「触 診 法で脈が触れ な くなる とこ ろ がわ か ら な く, 水 銀をあ げ す ぎて しま っ た」な ど適切 な加圧へ の困 難を表現 してい た.
《適 切に減 圧 する ことの 難し さ》は, 12 記録 単位 (5
.
4%)
で構 成さ れ 「一
気に 下 が っ て しまい ,一
定 に2mmHg 下げるの が難しかっ た」や 「減 圧が早 す ぎ る と 目盛 りを読み落と し, 正確な 測定 値が得ら れ な い 」など1拍 動に2mmHg 下 げる とい う適切 な減圧 操 作の困 難を表現 してい た.
《
送気 球の ね じ操 作の 難 し さ》
は , 12記 録単 位 (5.
4%)
で構 成さ れ 「減 圧 する時ね じ が硬 くて回 ら一
ず
,
一
気 に下 がっ て しまっ た」や 「ねじ の緩め方が 難し く,
水 銀が早 く降 りて しまい , 最 高血圧が わ か ら な かっ た」な ど片 手で送 気 球のね じ操 作をする こ との困難,
と くに ゆ っ くり開 放 する こ との 困 難 を表 現してい た.
(5
) 【血 圧 測 定に お ける個 別 性や安 全 安 楽 を配慮した 対 象の理 解 】こ の カ テ ゴリ
ー
は, 3つ の サブ カテゴ リー
と8
記 録 単位で構成 され,
全体の3.
6%を占め た.
《患 者 役を通しての 測 定 方 法の理解 》は
,4
記録 単 位 (1.
8% )で構成 され 「患 者役 を して マ ンシェ ッ ト を強 く巻か れ る と とても痛 く,
腕に内出 血 がで きて しまっ た」や 「患者 役をや っ て長い 時 間 圧 迫 され て い る の は つ らく,
指 先が冷た くなっ てい くの がわか っ た」な ど患 者 役を 通 してマ ン シェ ッ トの巻 き方 や 加 圧の 程 度によ る苦 痛な ど対 象の 理解や 測定方法の確
認を表現 してい た.
《対 象の 状況に応じた個別性の理解 》は
,1
記録 単 位(
05
%)
で 構 成 さ れ 「い ろい ろ な 人の血 圧 を 測っ て みて 音 の 大 き さ や聴こ え方が 違 うの だ とい うこ と がわかっ た」な ど対象の状 況 に応 じ た 個 別 性の理 解 を表現 して いた.
《
血 圧 測定に お け る対象
の 安全安 楽の 理解》
は,3
記録単位(
L3
%)
で構成 さ れ 「高血 圧の患者 様に 加 圧 す ると き180
以 上 まであ げ な くては な ら ず 腕 が し び れて し まい,
安全・
安 楽と は どうい うものか疑問 に 思っ た」や 「血 圧 は2
度 測 定する の で腕 がつ ら く な ら ない よう
に,
し めつ ける時 間をで き る だけ 短 くする こ とを注意 し たい」な ど 血 圧測 定における対 象の 安 全安 楽を考え た測 定 方 法の理解を表 現してい た.
(6
) 【血圧 測 定 方 法に よ る測 定 結 果の理解 】 この カテ ゴ リー
は,
1つ のサ ブカ テ ゴ リー
と1記録 単 位で構 成され全体の05 %を占めた.
《測 定 方 法に よ る 血圧 値の違い の 理解 》は, 「触 診 法で測 定 する最 高 血圧 よ り も聴 診 法で測 定した時の 最 高血圧 の ほ うが若干高い ことが わ か っ た」な ど触 診 法と聴 診 法の血 圧 測定 値の違い の理解を表 現し て い た
.
5> 『コ ミュ ニ ケー
ショ ン』この コ アカテゴ リ
ー
は ,【
バ イ タル測定時 に お ける 対 象 者との コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン 困難 】の 1つ の カ テ ゴ リー
と2つ のサ ブカテゴリー
,9
記録 単 位で構 成さ れ,
全 体の4.
0% を占め た.
(
1)【
バ イタ ル測定 時に お ける対 象 者との コ ミュ ニ ケー
ショ ン困 難】
85この カテ ゴリ
ー
は, 2つ のサ ブカテゴリー
と9
記録 単位で構成さ れ, 全体の4,
0% を占め た.
《対 象に理 解しやすい言 葉が けの難iし さ》は, 2記 録 単 位
(
O.
9%)で構 成さ れ 「患 者様に声をか ける時, 緊張のあ ま り “ ベ ッ ド の ほ う上げますね” と か変 な日 本語 を使っ てしまっ た」や 「どの ように声をかけれ ば い い かとまどっ て しまっ た」 など対 象に理解しやすい ような 言葉かけの必 要性や困難 を表 現し てい た.
《測 定 時における対 象 者 との コ ミュ ニ ケー
シ ョン の 難 し さ》
は,7
記 録単 位(
3.
1
%)で構 成さ れ 「変 動因子をどの ように聞い て い い の か わ か ら な か っ た」 や 「患者 さんとコ ミュ ニ ケー
ショ ンを とりな が ら 測 定するの が 難 しか っ た」などバ イタル サイ ン を測定 し な が ら,
対 象 者 を観 察 し,
コ ミュ ニ ケー
ショ ン を と ることの 困 難 を表現 してい た.
考 察
バ イ タル サ イン測定 技術 習得に おい て, 学 生が 困 難 と感 じてい る 内容を 分 析 した 結 果
,5
の コ ア カ テゴ リー
と14
の カ テゴ リー
,34
の サ ブカテ ゴ リー
を抽 出 し た.
以 下5
つ の コア カ テ ゴリー
の 特 徴と今 後の 課 題 につ い て 考 察する.
1)
体温 測定は,
日常 的 に 体 験 してい る学 生 が多
い た め困 難は 少 ない と 思 わ れ た が,
挿入部 位や角度 な ど,
どの ように挿入 して よい か わ か ら ない 困 難 と患 者との相互 関係の困難i
を表 現してい た.
学 生 は,
今 まで親
の 保 護 下で 生 活 を 送っ てい た ため,
体温・
脈 拍な ど測 定して も らうこ と は あっ て も,
他 人の身 体 の 生 理的変 化を把握 し,
行 動を 起こすこ と は少ない.
た と え自分で測 定し た体 験はあっ て も見よう見ま ね であ り,
正確な測 定 方 法の理 解や判 断はで きてい な い.
ま た新 しい 知 識を得るた めに覚え なけれ ば な ら ない とい う意 識は強 く,
講 義で の挿 入 角 度は覚えて い る もの の, そ の根 拠や今まで の体 験と結びつ か な い ことが多い.
これ は 「知っ てい る」 段 階でと ど ま っ て お り, 「わか る」レベ ル に は到 達 し てい ない こ と を示し てい る.
演 習を通し て 困難 内 容を明ら かに し た ことに よ り, 知 識が統 合で き, 「わ かる」レベ ル に 近づ けた と思わ れ た.
体 温 測 定の 方 法や意 義な ど学 生の 持っ てい る体 験と 関連づ け なが ら学 習が深め ら れ る ように教 授してい く必 要がある.
2
)
脈 拍 測 定は, 橈 骨 動 脈の部 位は理 解し てい るも の の拍動触 知の 困 難や数える こ と に集 中し て しまい , リ ズムや大 きさな ど性 状を観 察 する こ と がで き な か っ た.
ま た自分の 脈 拍と混同 し た り, 時 計の秒 針と 桐生短期 大 学 紀 要,
第17号.
2006一
緒 になっ て し まうとい うこ とが あ っ た.
学生は, 脈 拍を触 知し な が ら常に 目は秒 針を追っ てお り,
時 計に集中 して し まっ てい る.
ま た周りの 音に影 響を 受 けてし まうとい うこ と か ら一
つ一
つ の動 作に は集 中で きる もの の,
全 体を通し て どこ に重 点を置い て よい か わ か ら ない とい うこと だっ た.
これ は視 覚・
触 覚を同 時に使 うこ との複 合 動 作の困 難である と思 わ れ た.
部 分 的な動 作の習 得と と もに,
どこ に重点 を置い た ら よい か思 考を踏ま え,
繰 り返し練 習をす る ことが重要である.
ま た学生 は 「人体の構 造・
機 能 」の講 義 を1年 次の 前 期か ら後 期に か けて一
年間か けて学習 し てい く.
呼 吸 器・
循 環 器の構 造・
機 能は進 行 中で あ り,
学 習 途上の段 階である.
基 礎 的な 「人体の 構造・
機 能 」 を習 得 し てか ら,
看 護 技 術を習 得 する こと が望 まし い が , 3年課程の短 期 大 学で は, 同時 進 行に な らざる を得ない.
循 環 機 能の 構 造・
機 能と 関連づ け な が ら 学習を深め ら れる ように教授 してい く必 要であ る.
3
)
呼吸 測定は, 呼 吸の性 状 や 対象の 状況に応 じた 観 察の困 難と片 手で脈拍 を触 知 し,
視 覚で 時 間と呼 吸 を測定す る こ とがで き ない 困 難であ り, 脈 拍測定 同様,
視 覚・
触 覚の 協働 動作の 困 難であっ た.
ま た呼 吸の 性状 や対 象の状 況 に応じ た観察
につ い て も,
脈 拍 測 定と 同様の こ とが 言 える.
呼吸機 能の 構造・
機 能 と関 連づ け な が ら学習 を 深 め ら れ る ように教 授 し て い く必 要がある.
4)
血 圧 測定は,
血 圧計の点検
方 法 や 上 腕動脈の走 行に一
致 させ たマ ン シ ェ ッ トの 巻 き方,
適 切な加 圧・
減圧の た めの ね じ操作,
コ ロ トコ フ音の聴 取な ど,
学生 が記述 したレポー
トの58.
3
% (130
記 録 単 位 ) が 血 圧測 定に関す る困 難であっ た.
島田 ら3 )は,
バ イ タルサ イン測 定の教 育に関 する研 究の ほ とん ど は 血 圧 測定に関 するもの であ り,
血 圧測 定はバ イタ ル サ インの中で も複 雑な技 術で,
初 学 者にとっ て技 術 の習 得が 困 難で ある と述べ てい る.
本 研 究も同様の 結 果で あっ た.
川 端 ら4)は学生に と っ て習 得 困 難な技 術はマ ン シ ェ ッ トや送 気 球の操 作,
測 定 値の聞き取 りと読み取 りで あ り,
これ らの技 術を習 得 するた め に は分 習 法 と 全習 法を組み合わ せ た授 業 法が効 果 的である と述 べ てい る.
本 研 究で も第 1音を聴 き逃し,
大 き くなっ た第2
音を収縮期血 圧 とし て聴 取 し て しまい , 実 際の 値より低い 値と して捉えてい た り,
測 定 値を読み取 る こ との困 難を示し てい た.
血 圧測 定は水 銀血圧 計とい う医 療 機 器を使 用し,
桐生短 期 大 学 紀 要,
第17号.
2006 86 患者に触れ, 加圧・
減圧 と ね じ操 作を行ない ながら, 水 銀 柱を確 認 し,
コ ロ トコ フ音を聴 取 するとい う触 覚,
視 覚, 聴 覚を使い な が ら同 時に複 合 的な動 作を 組み合わ せ た技 術である.
どうし て音が変 化 する の かコ ロ トコ フ音の構 造を理 解し た 上で音だけに集 中 さ せ意 識づ ける こ とや様々 な対 象で測 定し音に慣れ るこ と, また送 気 球の巧みな ねじ操 作 など一
つ一
つ の細かい 部 分の構 築と その技 術の 習 得が 重要で ある.
繰 り返し練 習を行い な が ら,
部 分 的 な操 作 と と もに 全 体的 な一
連の 流れ を組み合わ せ た教授 法を検討 し てい く必 要がある.
5
)
コ ミュ ニ ケー
シ ョ ンで は, バ イ タ ル サ イ ン測定 時に対 象 者が 理解しやすい ような声か け と 正確 な測 定 値を得る た め に 変動 因子 の確認であ る,
これはす べ て の項目 に通じ る.
既 習 学習 と して は, コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン技 法は終了 してい る が, 現代の 学生は少 子 化・
核 家 族 化により他 世 代との 交 流は少な く, 人 間 関 係 も希 薄であり,
円 滑 にコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン を 図る こ とが困 難で ある,
対 象の 人格を尊重 し, 患 者一
看
護 師 問の 相互 関係 を確立 で きるような 円 滑 な コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン の は か り方を検 討して い く必 要 がある.
技術の獲 得は, 神 経
系
と筋 肉 系との間の協 応を 達 成 してい くこ と に関わ る精 神運 動領 域の 学習に該 当 し 技 術 を習 熟す る た め に は模倣(
lmitation)
操作
(
Manipulation
)
精 確 化(
Precision )
分節 化(
Articulation
)
自然 化(
Naturalization
)
の5
段階 を 経 るs).
バイタル サ イン技 術の 習得におい て も自然 化に至 るま で に は技術の反復練 習 が 必 要不可決であ る とい える.
教 員は学生の技術の 困 難な点を 理解し,
達 成 状 況を見 極め な が ら反 復 練 習がで き る ように演 習の利用 や指 導 体 制な ど学 習 環境を整える こ と が 重要である,
ま た今 回の演習 法は模 索 的に学生 主体で実 施 させ た,
学生 は自分た ちで考え,
悩み,
手 技の不 明な点 や困 難な点を明ら かに し た.
デモ ン ス トレー
シ ョ ン におい て も 「な ん と な く全体 的な流れ を見る」 とい う受 動 的な態 度でな く,
「困 難と感じ た具 体 的な手 技 」 に関 心が持てた ように思 わ れ た.
今 後,
バ イタル サ イン測 定 技 術 習 得におい て学生 が困 難と感じてい る内 容や習 得しに くい 要 素を踏ま え,
確 実なバ イタ ルサ イ ン測 定 技 術や安 全 安 楽な看 護技 術が提 供で きる ように検 討し てい く必 要がある.
結 論
1
)バ イタ ルサ イン測 定 技 術 習得におい て,
学生 が困一
難と感 じて い る内 容につ い て
,
学生45
名の レポー
ト を分 析 した結 果,5
の コ ア カ テ ゴリー
と14
の カ テ ゴ リー
,
34のサ ブ カテ ゴ リー
を 抽出 し た.
2
)『血 圧測 定 』は,17
サ ブカ テ ゴリー
,
130 記 録単位 と最 も多
く,
全体の58.
3
% を占めてお り,
技 術 の習 得が最も困 難であるこ と が わ かっ た.
3)
学生 は,
「時計を見な が ら測 定す る」 「ね じ操 作を 行ない な が ら,
水 銀 柱を確 認 し,
コ ロ トコ フ音を聴 取 する」な ど同 時に複 合 的な動 作をするこ と が困 難 で ある こ とがわ かっ た.
4)学生は, 困難 内容を明ら か に したこ とに よ り,
一
つ一
つ の動 作の もつ 意 味や重 要 性が実 感でき た.
5)学生が 困 難と感じ てい る内 容や習 得し に くい 要 素 を踏ま え,
分 習 法と 全習 法を組み合わ せ な が ら教 授 してい く必 要がある.
引用 文 献
1)厚生労 働 省 :看 護i
基礎教育に お け る技術 教 育の あ り方に関する検 討 会 報告書,
2003.
2)小 山 英子ら :基礎 看 護学 実 習1
に お ける技術体 験の分 析.
桐生短 期 大 学紀 要,15
:1−6
,2004.
3)
島田千 恵子ら :バ イタルサ イン測定に関する研究の現 状と動 向につ い ての 考 察
.
順 天堂 医 療 短期 大 学 紀 要,
13
:71−79,2002.
4
) 川 端 麻 衣 子ら1
看 護 技 術を支え る知識 に 関 す る一
考 察一
バ イタル サ イン測 定に関 する文 献を通 し て一.
順 天堂医 療 短 期 大 学 紀 要,
14 :161−171,
2003.
5 )梶田叡一
:教 育評 価.
有 斐 閣 (東 京)
,147−148,
1992.
87 桐 生 短期 大学紀要,
第17号.
2006Student's
Difficulties
Experienced
uponAcquiring
Vital
Sign
Measurement
Technique
-From
the
Analysis
of
Reports
afterOn-campus
Training-Hiroko
Joboshi,
Naomi
Asai,
Eiko
Koyama,
Sonoo
Miki
Abstract
The
purpose
ofthis
study was toclarifythe
difficulties
experiencedthrough
learning
activitiesQf vitalsign measuringtechnique.The reports of
45
freshmen
enrolledin
thenursingdepartment
were subjected tothis
study and analysis was conducted on223
record unitsextractedfrom
thereports usinginductively
orientedquantitative
study method.The
contents ofabovementioned significances were classified
into
5
core categories of[Body
temperature measurement],[Pulse
measurement],[Respiration
measurement],[Blood
pressure
measurement], and[Communication]
and14
categories of[To
hesitate
tomake confirrnation onthe
areain
which athermometeris
inserted
due
tolack
ofinsertion
method and sense ofshame],
[Difficulties
ofhow
toprovide
considerations onpatients
feeling
uncomfortableduring
measuringbody
temperatureand
how
toencouragethem],
[To
understand thearea tobe
measured andthe
measurement methodby
playing
patient-role-play
],
[Difficulties
offinding
correct area where pulseis
tobe
takenand perfbrming accurate pulseassessment],[Errors
in
pulse
measurement resultedfrom
visual-tactilecombined assessment],[Difficulties
ofperfOrming
respiratory measurementdue
tolack
ofunderstanding themethod ofhow
toobtain accurate respiratory rate],[Difficulties
of assessment on respiratoryfunction,
which variesdepending
on thesubject'sbreathing
patterneither shallow ordeep
and conditions],[Difficulties
ofhow
tocalibrate
blood
pressure
gauge],
[Difficulties
of tactualperceptionof brachialarteries and applications of a manshetfitting
toeach subject],
[Difficulties
ofblood
pressure
measurementbased
on pulsepalpationand unclear Korotkov'ssound usingpalpationand auscultation, respectively],
[Difficulties
of operations of pressurizationanddepressurization],
[To
measureblood
pressure
in
the conditions which provide safety and comfort suiting to individualsubject],[Understanding
ofhow
to evaluateblood
pressure
measurement result],[Difficulties
ofhow
to communicate with subjectsduring
vital signmeasurement].
Keywords: