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LD児へのLogo学習に関する研究 : 手続き獲得の観点から

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Academic year: 2021

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(1)LD児へのLogo学習に関する研究 一手続き獲得の観点から一 帯生としえ* ・鈴村健治** Study. A Case :. From. of Learnlng the. Viewpoint. Toshie. GAMOU. Logo of the. and. for. a. Learnlng. Acqusition. Disabled. Child. of Procedure. Kenji SuzuMURA. は じめに. LD児にとっての問題は,学習すること自体にあるのではなく,学習を行なうために必 要な事柄を「感知+し「点検+する学習を支援する能力が欠けていることにある(鈴村, 1992)。従って,. LD児が学習上の困難さを克服するための指導にあたっては学習課題杏. 指導する以前に,課題遂行を支援する能力へのアプローチが必要と考えられる。こういっ た「感知+. 「点検+といったメタ認知能力の学習が重要なのは,. (1)新しい情報の操作の仕方が学べること(Flavell, (2)学習者の自発的な課題遂行を促進すること.. 1977). (Brown,. (3)学習者自身の既存知識を強化すること(Flavell,. 1981). 1977). などの理由からである。. このように「メタ認知能力+.に関する研究は増えつつあるが,実際的な指導に関する研 究知見は少ない。 しかしながら,プログラミング言語Logoが「メタ認知能力+の獲得,改善に有効であ ることが先行研究において,以下のように示されている。 手続きを学習することにより, ①. 自分の考えていることに対する反省を強いるのでメタ認知能力が発達した(Lawler, 1981. ;. Clements,. 1986). ②. 誤りや修正の仕方について考えさせるので,熟慮性が発達した(Clements,. ③. 課題に対する集中九. 自信が獲得された(Huges,. 1986, 1991). 1985). などのことが明らかになっている。. これらの結果から,プログラミング言語Logoの学習をLD児の指導に導入することに 「点検+すなわち「メタ認知能力+の獲得,改善 LD児に欠如している「感知+. ょって,. に何らかの効果が見られるのではないかと考えた。 *. *社会福祉法人同愛会上菅田在宅支援サ-ビスセンター(Kamisugeta Education) of Special *特殊教育教室(Dept.. Community. Service. Center).

(2) 202. 蒲生としえ・鈴村健治. 本研究の学習者の知的レベルをWISCで調べると, されないが,. 「一般的知識+の項目に問題は見出. 「一般的理解+に著しい落込みが見られた。これは学習者が知識をもちなが. らも,その利用の仕方を理解していないこと,つまりは「メタ認知能力+に問題をもつこ とを示しているといえる。また生育歴から周囲に対して「なぜ+という疑問をもつ行動が 見られないことがわかった。このような学習者の知的好奇心の低さも,おそらくは「メタ 認知能力+の欠如によるものと考えられる。 以上のことから,本研究ではプログラミング言語Logoの手続きに関する学習が「メタ 認知能力+の獲得に繋がると考え,. 「メタ認知能力+獲得,改善のための指導法のひとつ. としてLogoの学習,殊に手続きの学習をとりあげ,. LD児に対しての指導を行った。. HugesはLogoの指導方法に関して, ①. 指導者が積極的に教える. ②. 指導者の教示を最小限に抑える. という立場があり,そのどちらを取り入れればよいかという問題があることを指摘してい る。本研究は上記の分類によれば,. ②の立場をとるが,更に,学習者と指導者の相互のや. りとりの中で学習をすすめることに主眼をおいた。すなわち指導者がLogoの手続きの組 み方を教示し,後は課題の提示だけを行なう事にし,手続きをどのような場合にどのよう に使うのかは学習者とのやりとりの中で実際に学習者に体験させる方法である。このよう な相互学習の形態は子どもの「メタ認知能力+の獲得,改善を促進し,他の学習への転移 効果も高いことが, Brownらのテキスト再生に関する実験において指摘されている。 本研究は, Logoの学習とLD児の「メタ認知能力+との関連性に関する実証的研究の ための前段階として,あ争LD児にLogoの手続きを獲得させることを試みた事例研究で ある。 Logoの手続きの指導にあたっては3つの段階を組んで行い,効率よくプログラミ. ングを行なう能力を獲得することを目的とした。 Logoの手続きを指導する3段階として以下のことを考え,学習者に試みた。 (1) 「しかく+を定義する指導. (2)予め定義した「しかく+. 「さんかく+を利用して「いえ+を描く指導. (3)新たに描く図形に手続きを利用することを促進する指導 手続きの導入部で「しかく+を課題にしたのは, ①. 学習者がすでに描き方を獲得していたこと. ②. エラーをすることがなかったこと. ③. 手続き化した図形が他の手続きを定義する時に部分手続きとして利用できることを学 習するには,一般的に「しかく+が導入の課題とされていることからである。 方. 1.学. 習. 法. 者. 小学校3年生のMBDと診断された男児(普通学級在籍)である。指導開始以前(7才 11か月時)のWISC検査によるとIQIO4. (言語性IQIOl. ,動作性IQIO5)であった。 「一般的理解+ 「絵画完成+以外は全て平均点あるいはそれ以上の評価点を獲得していた。.

(3) 203. LD児へのLogo学習に関する研究. 日常場面また教室場面では,集中困難,無気力,受動的な態度が特に指摘されていた。 続. 2.手. き Logoの基本コマンドを指導した。. Logoの手続き導入前に5回のセッションを設け, 5回目の時点で学習者は基本コマンドを習得しており,. 「しかく+をエラーなく描くこと. ができていた。 (1) Logoの手続き「つくろう+を使って四角形を措く学習:指導者が「四角を亀に覚え. させてみよう+と提案し,口頭で手続きの組み方を教示した。 (2)手続き「しかく+. 「さんかく+を利用しての新たな図形の描き方の学習:「しかく+. 「さんかく+を予め定義し,これを利用して新たな手続き「いえ+をプログラムするこ とを行った。ここでは2つのSTEPを組み,学習を行なった。. ・だ_ 図1. sTEPl. 「いえ+課題. :手続き化せずに「しかく+「さんかく+の手続きを利用し,ダイレクトター トルで「いえ+を措く。. sTEP2. :STEPlで措いた手順を参考にして「つくろうをやってみよう+と指導者か ら提案をした。学習者の反応から手続きを新たな手続きに組み込むこと(部分手続きと して利用すること)が理解されていないと判断されたため,言語的教示を行なった。. (3)新たに描く図形に手続きを自発的に利用することを促進する学習:課題の提示のみで は,学習者は手続きを利用しない。 指導者は学習者に誘導的な質問をし,相互にやりとりを行なった。 表1指導者と学習者の会話 a指導者「この旗,他にもやり方あるでしょう?+ 学習者「つくろうとくりかえせ+. b c. 指導者「使ってないでしょう?+. d学習者「どっちやんの?. 「つくろう+と「くりかえせ++. 3.評. 定. 指導場面は全コマンドの記録とテープレコーダーによる会話の録音で学習の経過を記録 した。手続き導入後3回目のセッションから課題に関する感想を学習者自身がワープロで 各回ごとに記録した。.

(4) 204. 蒲生としえ・鈴村健治. 表2. 第 1. 段. 学習の経過と指導者の視点 学習者の活動.. 指導者の意図・活動. 「しか・く+と名をっ. ・手続きの組み方の 導入を行なうこと. け,四年形を手続き. 学習者の反応. 指導者の口頭での指 導に沿いTilがら,四. 評価の視点. ・指導者の教示に 従い「つくろう. として定義すること. ・手続き「つくろう. 角形を「しかく+と. しかく+のプログ. を学習する. しかく+のプログラム. 名をっけて,定義す. ラムを組むことが. の組み方を四角形を. ることができた. できたか. 階. 題材にして指導する 既に定義した「しか. 第 2. ・既存手続きを新し いプログラムに利用. STEPl:ブイレク. く+「さんかく+杏. トタートルでの「い. しいプログラムに. 利用して新しいプロ. することで構造的プ. え+の組み方は獲得. 利用する方法を理. グラム「いえ+を組. ログラム0)組み方を-. できていた. 解できたか. む学習をする. 学習させること. STEP2:・既存手続. ・何を理解し,何 を理解できていな. 12つのSTEPを. 段 階. きを利用して新しい. 一既存手続きを新. 組み学習者の反応を. プログラム「いえ+. いかを学習者が感. 見ながら,手続き. を組むことの理解に. 知しているか. 「しかく+「さんかく+. は達しなかった. を利用したプログラム の組み方を指導する 新たなプログラムに. ・学習者が自発的に 既存手続きを利用し. ・課題の提示だけで は学習者は自発的に. に既存手簡きを新. することにより,効. て,新しいプロブラ. は既存手続きを利用. たなプログラムに. 率的なプロダラミン. ムを効率よく組める. しなかった. 利用できるか. グが行えること・を学. ことを理解させるこ. 習する. と. ・指導者が学習者に 対し,誘導的な質問. 既存の手続きを利用 第 3. 良 階-. ・教示を最小限に抑 え,課題の提示だけ. を行い,相互にやり. を行なう. 手続きを利用するこ. ・学習者が自発的. とりを行なうと既存 とに気づいた. 4.結. 果. (a)第1段階 学習者は指導者の教示に従いながら,四角形を「っくろう. しかく+のコマンドで定義 することには問題がなかった。次には,手続き化した「しかく+を4回くりかえして,自.

(5) 205. LD児へのLogo学習に関する研究. 発的に図2に示した図形を描いた。. a. R 図2. 学習者の「しかく+を利用した図形. (b)第2段階. 「さんかく+のコマンドだけで試行錯誤を通して,ダイレク. sTEPlで,学習者は「しかく+. STEP2では,. トタートルにより,図1のいえの形を描くことができた。. STEPlを参考. にして「つくろうをやってみよう+という指導者からの提案に対して,. 学習者は「できる. の?+と述べた。つまり学習者は第1段階で,指導者の教示に従って,. 「しかく+の手続. きをプログラムすることには問題がなかったが,. 「しかく+. 「さんかく+. を部分手続きとして使えることをこの段階では理解できていなかった。. という既存手続き また「できるの?+. と指導者に問い直していることから,学習者自身,手続きに関して理解しているとは考え られない。このことはこの段階で自発的に手続きを利用しないことからも推論できる。 そこで指導者は学習者との言語的なやりとりを通して,部分手続きを全体手続きの一部 として利用する指導を行なった。 (c)第3段階 ここでも学習者は手続き化してある「しかく+を利用しないで直線的にプログラムを組 むのであった。そこで指導者が誘導的な質問を行なうと,学. ロ. 習者は図3に示した図を「しかく+の手続きを利用してプロ グラムを組んだ。次の応用課題として「さんかく+の手続き を利用してダイヤの形を措くことを行なった。ここで学習者 は初めて指導者が誘導や援助を行なわない段階で「さんかく を覚えさせなきゃ+と発言し,自発的に「だいや+というプ ログラムを組んだ。. 図3. 「はた+課題. 5.考. 察. 本研究の学習者はLogoの手続きの学習を行ない,最終的には自発的に手続きを利用す る学習を達成した。このことはLD児にとって,. Logoが学習可能なプログラミング言語で. あることを意味するo Logoを学習することにより,学習者の「メタ認知能力+の変化が 実際に生じるか否かは,今後のより実証的な研究に譲ることになるが,そのためにはLogo がLD児に学習可能な言語であることが前提である。. LDは症候群であるため,. LDと分.

(6) 206. 蒲生としえ・鈴村健治. 類される全ての子どもにLogoの学習が可能かという点も今後検討を要する課題でもある。 更に,. 「感知+. 「点検+といった「メタ認知能力+を測定する道具も明らかにされている訳. 「メタ認知能力+があらゆる課題解決において重要な要素であることは多くの. ではない。. 研究が示しているが,その測定尺度は明らかになっていない。 本研究の学習者が「メタ認知能力+に問題をもっと思われたのは,. WISC下位項目そし. て生育歴からであり,必ずしも明確な尺度とはいえない。しかしながら,学習者の変化を 示すひとっの指針として,. Logo学習前と学習開始から半年後(9才5か月)に検査した. WISCの結果における変化を示す。. 9才5か月時すなわちLogo学習開始半年後のWISC. ではIQ125 (言語性IQ123 ,動作性IQ120)であった。前回最も低得点であった「一般 的理解+では著しい得点の上昇が見られた。 「一般的理解+は過去の経験の再評価をし, 新たな場面で知識を利用することを要求する課題である(Gearhert,. &. Gearhert,. 1985). ことから,学習者の知識を利用する能力に特に変容が生じていることが示された。またプ ロフィールのバラツキも減少している。知能検査は「人が過去の経験から獲得した知識を いかに統制しているかを測定+ (Glaser, &Resnick, 1977)している。従って,学習者が この時点で自分自身の既存の知識を「感知+し「点検+する「メタ認知能力+を獲得し始 めているということを指摘できるのではないかと考えられた。 7. 才1. 1か月. (V. I. a. 1. 0. 1. 9. 才. 5. (V. I. Q. 1. 2. 3.. か月. ,. P. I. a. 1. O. 5.. F. I. a. 1. 04). P. I. a. 1. 2. 0,. F. i. Q. 1. 2. プ 2. 3. 4. 5. 6. 7. ロ 8. フ 9. ィ. 10. 1. rll. 1. ル. ー. 12. 5). 1}. 14. 1ち. I. .__.ト・・ 卜・. 喜「…二塁≡喜≡ l. 4. :i. 5. I. 悼 検 査. 19. 20. I. 類似問題. l. I. l. 単語問題. O. 1. 作. 18. (数喝問題). -6. 動. 1?. 一て ̄■. r. 性1. 18. i!. 絵画完成. ∫ 2 3. 】 4 5. し6. 絵画配列. ll. I. 0. I. 1. 1. Z. 1. 3. 1. 4. 1写. 1も. 1 7. 1 8. 1. I. i. FrF J. 積木横様. 組合せ問題 符号問題 (迷路問題). 図4. WISCプロフィール. また,本研究ではLogoの手続きの指導方法として,指導者からの教示を最小限に抑え, 相互のやりとりの中で学習を進める形態をとった。表1の会話において指導者はaで学習 者の既に持っている知識を引き出す質問をした。これに対して学習者はdで「つくろう+ を利用することに気づいた。そしてこの後の課題として提示した「ダイヤの形を措く+と いう課題では,自発的に「さんかくおぼえさせなきゃ+と発言し,. 「だいや+のプログラ. ムを組んだ。つまり学習者が自分が既に持っている知識に自分自身で気づくためには,指. 9. 30.

(7) 207. LD児へのLogo学習に関する研究. 導者とのやりとりが有効であったのである。 手続きを指導する際の学習者の最初のLogoに関する知識はLogoの基本コマンドとそ れらを利用して直線的にプログラムをかくことであった。この状態からプログラムを構造 化する(つまり手続きを効率的に利用する)ことへと発展させるには,指導者が一方的に 教示することでは意味がない。学習者自身が自分自身の既存知識を「感知+することが重 要なのである。健常児の場合,自らの既存知識を「感知+し「点検+することで,新しい 知識へと構造化するという技能は自動的に学習できるものである。しかし「感知+. 「点検+. といった技能を自動的には獲得しにくいLD児のような子どもには,指導者と学習者(或 いは学習者同志)との相互のやりとりを通じて,学習者の既存知識を引き出し,学習者自 身が課題と取り組んでいることを意識させる指導が重要であると考えられた。 更に,学習者の変化としてあげられるのは,いわゆる知的好奇心の喚起が見られたこと である。学習者の生育歴の中では「なぜ+という疑問をもたない子どもであることが特徴 「点検+の能力と関連していると考え であった。このような知的好奇心の欠如は「感知+ られた。自分自身で与えられた課題に対して「感知+し「点検+する能力が欠如していれ ば,課題に対する興味や関心が低下すると思われる。. Logoの学習の経過と並行して,学. 習者は両親,指導者などの周囲の人々に対して頻繁に質問をするようになった。また学習 者は家庭で学校の課題と取り組むことが全くない子どもであったが,漢字の予習を自発的 Logoの学 に行ない,満点をとって来たことを母親が報告している。これらのことから, 習を通じて学習者の知的好奇心が喚起されたこと,自発的に学習課題と取り組む態度を獲 得したことが示唆された。 きない+. 「自信+という側面から学習者を捉えると学習者は「算数がで. 「漢字がかけない+という発言を多くしていた。しかし,自発的に漢字の練習を. 始め, 100点をとってきたことは学習者にとって,大きな自信につながったようである。 算数に関しても質問をするだけではなく,学習者自身から「問題を出してみて+と指導者 に要求するようになったのは,この1か月後のことである。 表3. 学習者の指導者に対する主な発言. 1. 「インカ帝国はどうして滅びたの?+. 2. 「しいたけは植物なのにどうして茶色なの?+. 3. 「ばく国語は漢字が嫌い。算数は嫌いじゃない。計算はできるけど,文章のができない。 花子は何円持っていて==-つていうのは,かけるのか足すのかわからないんだもん+ (100点を取ったテストを指導者に示して). 4. 「屋根って僕かけたよ+. 5. 「ブロックって何?+(コンピュータに関して). 6. 分数の計算の仕方に関する質問をした後「ちょっと問題出してみて+. 表4. 学習者が組んだ「だいや+のプログラム. つくろう くりかえせ. だいや 8. 「みぎへ. 45. さんかく+. おわり.

(8) 208. 蒲生としえ・鈴村健治. 6.まとめと今後の課題 本研究では,プログラミング言語Logoの手続きを学習させることを目的とし,. LD児. にLogoの学習を試みた。 本研究においては,次のことが明らかになった。 (1)手続きの学習に関しては,最終的に「しかく+. 「さんかく+といった基本図形を定義. し,他の課題にそれらを利用するというプログラミングの方法を獲得した。しかし,こ のプログラミングの方法を理解する過程において,手続きの利用に関する知識を持ちな がらも,自発的には利用しない学習者の特徴が見られた。課題遂行のために,自発的に 既存知識を利用するためには,指導者からの誘導が必要であった。 (2) Logoの手続き学習の過程を通して,本研究の学習者に欠如していた「感知+と「点. 検+を行なう「メタ認知能力+に変化が示された。このことから,. Logoの手続きの学 習が「メタ認知能力+の獲得,改善に有効な影響をもたらすという先行研究を支持する 結果が示された。 (3)指導者の教示を最小限に抑え,学習者との会話でのやりとりを通して指導をする形態 は,学習者の既存の知識を引き出すことに有効であった。. LD児の場合,学習者自身が 既に持っている知識を有効に利用する方法を自動的に身につけることが困難であること から,このような既存知識を引き出す誘導的な質問を中心とした指導者一学習者間のや りとりが有効な指導法であったと考えられた。 (4) Logoの手続き学習と並行して,学習者の知的好奇心の喚起と能動的に課題に取り組. む態度の形成が見られた。そしてこのことに関しては他の学習場面への転移も認められ. た。このことばLogoの学習が学習者の自発的な課題遂行を促進するという先行研究を 支持するものであった。 以上. 本研究で得られた知見から,. LD児がLogo学習を行なうことが可能であり,そ. の学習の経過と並行して学習者の他の場面での変化も認められた。このことから,その後 の学業課題に対する理解を促すのではないかということが示唆された0 今後の課題としては, Logo学習をLD児の指導に導入することがLD児に欠如してい る「メタ認知能力+の獲得,改善に有効であることを実証的に証明することが必要である。 「メタ認知 このことが証明されたならば,教室での課題にアプローチする前段階として, 能力+に対する直接的な指導を行なう指導法のひとつとして, Logoの学習は有用な手段 となることも証明されるであろう。また,. Logoの学習をLD児の指導法の有効な指導と. して確立するためには,. Logoの指導方法に関する検討が必要となろう。特に, LD児の 場合,能動的に環境とかかわることが不得意である子どもが多い。課題(この場合はLogo) と主体的にかかわっているという意識をもたせるという意味からも,指導者が積極的にか かわることが望ましいとは考えられない。 本研究の結果から, Logo学習の場合は指導者一学習者間の相互のやりとりの媒介とな る課題としてもLogoは利用しやすいのではないかと考えられたが,この点も含め,指導 方法に関して更に詳細に検討する必要性があろう。.

(9) 209. LD児-のLogo学習に関する研究. 参考文献 Brown. et al.. (1981). Learning (1986).. clements,H.D. Creativity.. Joumal. Clements,H・D・. (1990). Environments. Flavell,. &. Huges,. et. al.. (Ed.). Psychology.. Educational. NATURE. OF. (1985). Using. LOGO. with. Coginition. on. of Problem. in乙Logo. ProgrチmmiDg. vol・82・ Solving.I. INTELLIGENCE. Disabilities三Educational. infant. School. Children・. Strategies・ EducationalPsychology・. vol.5.. 子安増生(1987).幼児にもわかるコンピュータ教育:Logoプログラミングの学習.福村出版 Resnick, Resnick,. &. Glaser. L.B.. (1976). Problem. (Ed.). THE. 鈴村健治・佐々木徳子(1992).. NATURE. Solving OF. and. and. vol.78.. Psychology・. Aspects. volO.. Environments. Development. (1989). Learning. Gearheart.. Rsercher.. CAI. and. Metacomponential. of THE. of. Logo. Educational. (1976). Metacognitive L.b,. Gearheart,. ・. Joumal. J.H.. Resnick,. Effects. of. Educational. to Learn.. Intelligence,. INTELLIGENCE.. LD児の指導法入門:その心理とはたらきかけの実際.川島書店.

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参照

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