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嫌気性菌によるスターチからの水素エネルギ一生産:田口文章、長谷川勝重

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(1)

水素エネルギーシステム Vo1.21, No.1, 1996

嫌 気 性 菌 に よ る ス タ ー チ か ら の 水 素 エ ネ ル ギ 一 生 産

Hydrogen production from starch in batch culture of Clcヌstridiumbeijerinckistrain AM21 B 田 口 文 章 、 長 谷 川 勝 重

F

u

m

i

a

k

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a

g

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c

h

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K

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h

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H

a

s

e

g

a

w

a

北里大学衛生学部微生物学教室 神奈川県相模原市北里

1-15-1

1

.

はじめに 特集

過去

2

0

万年間に生存した累積総人口の

1%

程度の存在でしかない先進工業国に 現在生活している人間が、ここ

2

0

-

3

0

年という短期間に地球規模での極めて深刻 な環境汚染と環境破壊、並びに貴重な天然資源の枯渇問題を引き起こして来た。 先進工業国の現在の経済的繁栄は、化石燃料の大量消費によって支えられているo 石炭を唯一の例外として、その化石燃料や原子力発電に用いウラン等は数十年後 には枯渇する。一方太陽光、風力、地熱などの無尽蔵な未利用エネルギーでは現 在の経済活動は賄えないと言われている。従って、先進工業国では有限のエネル ギーを賢く使うことが、

2

1

世紀の全人類の生存のために要求さる。 小さな生命体である微生物を用いて再生可能な未利用植物性廃棄物を活用する ことが出来れば、資源である廃棄物を貴重な化石燃料を用いて焼却する必要が無 く、その上そこから得られるエネルギーを上手に利用することにより、有限で貴 重なエネルギー源の節約にも貢献できるo そこで、クリーンなエネルギー源としての水素を天然廃棄物から回収するシス テムとしての「水素エネルギ一回収型廃棄物処理技術jの確立を考えた。この目的 を達成するためには、水素発酵の中心的役割を担う、実装置に適応できる新しい 水素生成菌を作出する必要がある。そこで、我々は新規な水素生成菌の探索を数 年前から展開して来た。その結果、グルコースなどの 6炭糖、キシロースなどの 5炭糖並びにスターチ、キシランなどの多糖を効率よく水素に変換できる菌株を 分離し得たZ-8)。またその水素を水素燃料電池を用いて電気に変換することがで きた(未発表)。本稿では、食品製造工場などから大量に排出される産業廃棄物の 代表例としてのスターチとシロアリから分離した嫌気性グラム陽性梓菌の

C

l

o

s

t

r

i

d

i

u

m

b

e

i

j

e

r

i

n

c

k

i

i

A

Jl

2

1

B

株を用いて、水素を生成させる培養条件を検討した 成績を以下に紹介するz,h S } o

2

.

糖からの水素産生 将来天然廃棄物を資源として活用し水素を生成させるためには、グルコースを 代表とするヘキソースに限らずぺントースを含む色々な糖を水素に変換できる菌 の確立が望まれるo そこで、グルコースやスターチなどの色々な糖を基質として

A

Jl

2

1

B

株の水素発酵能を検討した。

0.3%

糖添加py培地(ぺプトン、酵母エキス、塩 類よりなる培地幻)

1

.

0

0

0

m

l

A

I

2

1

B

菌を接種して、

3

6

0

C

で撹持培養し水素の生

(2)

-16-Vo1.2,1 No.,l 1996 成量を測定した。 表1に記した糖は全て水素発酵の基質として利用され、培養開始

2

-

3

時間後よ り水素ガスの発生が観察され、

4

-

6

時間後に水素生成のピーク

(

E

m

a

x

と表記)があ り、

7

"

"

8

時間後に水素生成反応はほぼ終了した。水素生成量

(

m

l

/

L

)

は、スターチ ではやや少く、スクロースとラクトースで一番多く、その他の糖ではほぼ近似で あった。菌体収量当たりの水素生成量

(

m

l

/

g

)

は、セロビオースが一番高くスター チが一番低くかった。 1時間当たりの最大水素発生量

(

E

m

a

x

m

l

/

h

)

はセロピオー スが一番多くアラビノースが一番少なかった。以上の結果は、

A

I

2

1

B

菌株はヘキ ソースやぺントースからも水素を生成する潜在能力がある事を示した。より呉体 的には、ヘキソースの単糖(グルコース、ガラクトース)、 2糖(スクロース、ラク トース、セロビオース)および多糖(スターチ)、更にペントース(アラビノース、 キシロース)をも水素に変換できた。この中で、特に意味があると考えらること は、

A

I

2

1

B

菌がアラビノースやキシロースなどのペントース、およびセロビオー スやスターチなどを水素発酵の基質として使えることは、将来セルロースやへミ セルロースからなる天然植物性廃棄物を

A

I

2

1

B

菌単独で水素に変換できる可能性 を示唆することである。

A

I

2

1

B

菌が水素発酵の基質として利用できなかった物質 は、現在までに検討した限りでは、アピセル(セルロース)、

c

)

(

セルロース、マン ナン、プルラン等の多糖であった。 表1. AM21B株による糖からの水素産生 基 質 消 費 基 質 当 た 水 素 薗 体 収 量 当 消 費 基 質 当 Emax り の 菌 体 収 量 生 成 量 た り の 水 素 た り の 水 素 ml/h m&l& ml/l 生 成 量ml/&生成量刑1&

ガラクトース 313 1140 1210 381 316 グルコース 267 1100 1380 367 380 フルクトース 303 1060 1160 3;2 30; アラピース 247 1160 1560 38; 270 キシロース 270 1160 1430 38; 310 スクロース 313 1280 1360 426 360 セロビオース 167 1150 2280 383 403 ラクトース 297 1210 1360 401 36; スターチ 2;3 820 1080 273 316 0.3%糖添加py培地 1,000mlからの水素生成量と菌体収量。 Emax'ま単位時間当たりの最大水素発生量を示す。

3

.

スターチからの水素生成に及ぼす培養温度の影響 次に、 1~ スターチ添加 py培地1.

0

0

0

m

l

A

I

2

1

B

菌を接種培養し、培養温度

(

3

1

0

C

3

6

0

C

4

1

0

C

)

と水素生成量並びに議体収量との関係を検討した。比較対照として グルコースを用いた。結果の概略を表2にまとめて示した。 スターチを基質とした場合(カッコ内にグルコースの数値を記載)、培養開始

2

-3

時間後から水素ガスが発生し、培養温度が

4

1

0

C

3

6

0

C

3

1

0

C

では

5

(

5

)

時間後、

6

(

5

)

時間後と

8

(

7

)

時間後の願で

E

m

a

x

[

4

0

1

(

4

0

1

)

3

4

9

(

3

4

9

)

2

5

1

(

2

6

7

)

m

l

l

叫が観察 され、

9

(

7

)

時間後、

9

(

1

0

)

時間後と

1

1

(

1

0

)

時間後の願で水素発生はほぼ終了(単位 -17

(3)

水素エネルギ システム Vo1.21, No.,l 1996 特集 時間当たり

1

0

0m

l

以下)し、総水素生成量は

3

6

0

C

(

3

1

0

C

)

が最大で

1

8

3

2

(

2

3

3

4

)

m

l

あった。一方、1.

O

O

O

m

l

当たりの

4

1

0

C

3

6

0

C

3

1

0

C

での菌体収量

(

m

g

/

L

)

は、各

8

8

0

(

6

6

0

)

1

3

9

0

(

1

1

5

0

)

1

4

8

0

(

1

2

6

0

)

となり、菌体収量当たりの最大水素発生量

E

m

a

x

m

l

/

g

-

c

e

l

l

s

.

h

4

5

5

(

6

0

7

)

2

5

1

(

3

0

5

)

1

7

0

(

2

1

1

)

で、

4

1

0

C

培養が最大値を示 した。 これらの結果から次のような結論を導き出せるo スターチとグルコースからの 水素産生量、菌体収量と培養温度との関係は多少異なる。

A

I

2

1

B

菌は、培養温度 が

3

6

0

C

のときが一番早く増殖し、

4

1

0

C

での増殖は芳しくなく、

3

1

0

C

では増殖はす るが非常に遅かった。しかし、菌体収量は培養温度が低い方が大きかった。一方、 水素の発生は、培養温度が高い方が早く開始し、単位時間当たりの

E

m

a

x

も多かっ た。

E

m

a

x

(

m

l

/

h

)

が大きい条件は、水素発酵の反応が速いことを意味する。従って、 菌体量を一定に保つことが出来れば、将来廃棄物を効率よく水素に変換する際に

4

1

0

C

での水素発酵が非常に有利な条件と考えられる。 表2.水素生成に及ぼす培養温度の影響 総水素 Emax H基 質 爵 体 収 量 当 消 費 基 質 当 基 質 1mol 消 費 量 菌 体 収 量 た り の 水 素 た り の 水 素 か ら の 水 素 g/l mg/l (mg/ g)生成量 mUg生成量 mllg生成 mol数 温 度 生 成 量 ml!h(H) ml / g・h ml ス タ ー チ 添 加 310 C 1700 251 8 170 11 8.6 1480 (172) 1150 197 360C 1832 349 6 251 9 8.5 1390 (164) 1317 215 410C 1617 401 455 9 7.3 880 (121) 1837 222 グ ル コ ー ス 添 加 310C 2334 267 7 211 10 7.9 1260 (160) 1852 296 2.4 360 C 2249 349 305 10 7.5 1150 (153) 1955 300 2.4 4IOC 1969 401 607 7 5.2 660 (127) 1299 251 2.0 基質 108を含むpy培地 1.000mlを各温度で撹持培養し、発生水素量は毎時間測定し、総水素産生 量、基質消費量、菌体収量は 24時間後に測定した。 Hは水素発生量が妥 100ml/hになるまでの培養 時間、 ml/gohは菌体収量当たりの Emax、(H)はEmaxを示した時間。薗体収量は、 mg/培養液 L(リ

ットル}とmg/消費基質 g(グラム)を示す。

4

.

スターチからの水素生成に及ぼす培養液

pH

の影響 表

2

に示したように、スターチを

1

0

g

/

L

に加えたpy培地で

A

I

2

1

B

菌を

3

1

0

C

3

6

0

C

4

1

0

C

の温度で培養すると、培養開始ト

8

時間後に最大水素発生があり、その数 時間後にはスターチが残存しているにも拘わらず、水素ガスの産生は観察されな くなる。培養終了後の培養液のpHは、 5.0よりも多少低くなっていた(成績は記載 せず)。この水素ガス発生の急激な中断は、培養液pHの極端な低下による当該菌 の増殖抑制による可能性が考えられるo そこで、培養液の pHが当該菌の増殖と水 素生成にあたえる影響を調べた。 スターチまたはグルコースを

1

0

g

/

L

'

こ添加したpy培地1.

0

0

0

m

l

に当該菌を接種 し、その後pHを未調整のものと、

1

0

施NaOHを用いてpHコントローラーで培地のpH を

5

.

0

. 6

.

0

および

7

.

0

に調整して、

3

6

0

C

で撹持培養を開始した。経時的な水素生 成についてスターチの結果を図

1

に、比較対照のグルコースの結果を図

2

に示し 口 0 1 Eム

(4)

Vo1.2,1No.,l 1996 抑 制 抑 制 四 m m w { 草 創 舗 M m 幽 閉 M 育 -0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 繍.時間(h) M・o・" : pH未剥鐙.一・一;pH5.0.一・一;pH6.0.一企ー; pH7.

スターチ10gを添加したpy繕地1.<削dでの単t:L時間当たηの水 *生成.を示す. 図1.スターチからの水素生成。 表3.水素生成におよぽす培養液pHの影響 3 4 5 6 '

1

1

.

] 跡間(h) "'0...:pH未捌霊.一・-;pH5.0.-・一;pH6.0.-....ー : pH7.

グルコース10gを添加したpy猪地1.∞OllllこAMZIBIWを篠福 し.指.液のpHをそれぞれのpHに緒符し36tで10時間続慢しだ。 それぞれの時制における 11時間当たりのJf<.,,+:~,~J.tを測定しずロ ν 卜した. 図2.グルコースからの水素生成。 当素九一 質水川一 基 の 量 け 幻 引 刊 日 η 山 W M H M 一 費り成一 2 2 2 2 2 2 2 1 一 消 た 生 一 一 " -A I 引 当 素 九 一 一 し 量水川一 0 5 5 5 9 6 7 7 一 聾 収 の 量 一 初 初 犯 刊 引 引

ω

泊 一 培 体り成一 1 1 1 1 1 2 3 3 一 持 菌 た 生 一 一 撹 一 一 で 当 体 l 一 一

c

質 菌 U

J J J A J J J J

U 基 の

U

ω

M

η

ω

M ω

一 口 費り量一 1 1 1 1 一 川 - u

1 レ 消 た 収 一 一 4 一 一 整 質 量 l 一 日 刊 切 れ 万 引 旬 刊 一 調 費 U 一 札 札 札 a h L Q パ 札 札 一 に 基 消 一 一 凶 体 量

ι

川 口 目 的 同 ね

M ω

A 一 す 菌 収 ﹂ し し し し し し nhLM 表 -} 一 一 伽 を と H

ω

ω

η

ω

η

η

ω

m w 間 m 一 ( 一 ( ( ( { { ( { ( 一 九 時 E 一川一 0 0 3 0 加 0 0 5 0 一地た 一 則 一 加 初 日 幻 引 添 日

ω

幻約一培し 一 添 ス 一 円 示 素 量 i 一 チ 0 5 5 5 一 0 0 0 0 一加を 水 成

υ

一一的刊

ω"

コ 日

ω

払日一添似 総 生 E タ 1 1 2 1 ル 2 2 2 1 一 質 伽 値 ス 趨 J J J グ 櫨 J J J 一湯川 州 都 W 5 6 7 3 5 6 7 7 1 H P 未 来 ( た。培養24時間後の菌体収量、基質消費量、水素生成量、 Emaxなどは、表3に まとめて示した。 スターチ添加培養からの水素生成の結果(カッコ内にグルコースの数値を記載) について説明する。図1(2)に示しであるように、経時的な水素産生は、培養開 始2時間頃から認められ培養液のpHによってト9(ト7)時間後に単位時間当たりの 最大水素発生量Emaxが観察された。水素の総生成量は、 pH5.0からpH7.0まではpH 未調整よりは多かったが顕著な差はなかった(グルコース添加培養では、 pH5.0の ときが最大値を示したが、 pH7.0の培養がpH未調整のときよりも低値を示した)0 Emaxは、 pH6.0(6. 0)で培養7(7)時間後が最大で次にpH7.0C7.0)の培養9(6)時間後 Q d 444

(5)

水素エネルギ システム Vo1.2,1No.1, 1996 特集 で、

p

H

未調整の培養が最小値であった。スターチ添加培養系からの菌体収量は、 全体的に比較対照のグルコース添加培養系からよりは有意に多く、

p

H

5

.0

6

.

0

(

5

.

0

)

が一番多く、

p

H

7

.0

(

7

.

0

)

が一番少なかった。しかし、スターチは、培養液 の

p

H

に関係無く

2

4

時間培養後でも

9

グラム弱しか消費されなかった。従って、ス ターチ消費量当たりの水素生成量と培養液の

p

H

とには、顕著な相関関係は認めら れず、全て

1

0

児程度の差の範囲内にあった(グルコース添加培養系では、

p

H

5

.0

の ときが最大値を示し、

p

H

7

.0

の培養が最小値を示した)。以上の結果は、培養時間 に無関係に総水素産生量およびEmaxを多くするにはスターチ添加培養液の

p

H

6

.

0

'

こコントロールする条件がよい事を示唆しているo しかし、グルコースと比 較してスターチを基質とした場合は、全ての数値が一般に低値であった。特に、 スターチを添加した培養での

A

1l

2

1

B

菌は、消費基質当たりの菌体収量がグルコー スと比較して有意に高値を示した。従って、その結果、菌体収量当たりの水素生 成量は低値となった。

5

.

アミラーゼ産生と培養条件の影響

1

見スターチ添加培地iこ

A

Il

2

1

B

菌を接種 し

3

6

0

C

7

時間撹持培養後の培養液を粗 アミラーゼとして用いて、アミラーゼ活 性の最適反応条件を検討した。アミラー ゼ活性の測定値を比活性値に換算した結 果を図

3

に示した。成績は記載してない が、

A

I

2

1

B

菌のアミラーゼはスターチの 添加によって誘導される誘導酵素であっ た。産生されたアミラーゼは、反応液の

p

H

4

.6

から

5

.

4

の間で高く

p

H

5

.0

が最大 値を示した。反応温度は

5

0

0C から

6

0

0C で 高く

5

5

0Cで最大値を示した。従って、以 後の実験でアミラーゼ活性を測定するた めの最適条件は、反応液の

p

H

5

.0

で反 応温度は

4

0

0Cであることが判明した。 そこで、国スターチ添加培地でのアミ ラーゼ産生と水素生成との関係を調べる実験を実施した(表4)。最初に

p

H

未調整 の培養での培養温度とアミラーゼ産生との関係を検討した。アミラーゼ活性は、

3

6

0C

4

1

0C での培養では培養開始4時間後、

3

1

0C では

6

時間後より検出された。 アミラーゼ活性値と総水素生成量は

3

6

0 Cで最大

(

1

3

5

単位と

1

9

5

0m

l

)

となった。し かし、アミラーゼ産生が最低であった

4

1

0 Cの培養で水素生成の Emaxは最大債を示 した。 次に、

3

6

0

C

'

こ培養温度を保ち培養液の

p

H

を変えて培養し、培養液

p

H

の影響を検 討した。培養液

p

H

に関係無く、

3

6

0

C

で培養するとアミラーゼ活性は培養開始

4

時 間後より検出されるようになった。しかし、産生されたアミラーゼの活性値は、 培養液の

p

H

によって有意に異なった。アミラーゼの産生は、

p

H

6

.

0

のときが最大 で、

p

H

1

.0

が最低であった。最大活性値と菌体収量当たりの活性値は、

p

H

6

.0

p

H

7

.

0

では

3

.

8

倍と

2

.1

倍もの違いが認められた。総水素生成量は、

p

H

5

.0

(

2

0

7

7

m

l

)

と ReactioD pH 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 % % 1凶 00~ 剖 ﹄ ︻ 4 F 圃 酔 80

-.

.

.

u 60

d歯. ω“

-=

ω

-

40 : 制 咽 -a u 命 , -: 20 4唱

.

.

B嗣

20 30 40 SO 60 70 RllctioD te

p. t 図3.反応条件とアミラーゼ活性。

(6)

-20-Vo1.21, No.1, 1996 特集

p

H

6

.

O

C

2

1

5

0

m

l

)

に維持した場合が多く、

E

m

a

x

p

H

7

.

0

C

3

0

9

m

l

/

h

)

p

H

6

.

0

C

3

7

4

m

l

/

h

)

の場合が高かった。 以上の結果は、スターチ添加培地 iこ

A

Jl

2

1

B

菌を接種して水素を最大に産生させ るには、培養温度を

3

6

0

C

'

こ培養液の

p

H

6

.

0

に維持することを示唆する。この培 養条件は、アミラーゼの産生にも最適であった。 表4. 培 養 条 件 と ア ミ ラ ー ゼ の 産 生 培 養 ア ミ ラ ー ゼ 活 性 (units) 最 大 ア ミ 総 水 素 Emax菌 体 基 質 条 件 培 養 時 間 ラ ー ゼ 活 生 成 量 ml/h収 量 消 費 量 2 4 6 8 10 12 24 性 units ml/l 8/1 g pH未 調 整 310C O

27.5 51.4 76.0 NT 84.2 84.2 1572 300 1.55 NT 360 C O 15.5 83.1 133.9 135.0 NT 99.6 135.0 1950 360 1.39 NT 410C

8. 1 43.9 41.7 39.3 NT 2.3 43.9 1362 395 0.95 NT 培 養 温 度 360 C pH未 調 整 o 50.2106.9138.6150.5167.1137.3 167. 1 1870 345 1.41 8.62 pH 5.0

55.4 119.5 234.1 349.6 362.7 367.5 367. 5 2077 336 1.53 8.78 pH 6.0 o 46.6 135.6 321.9 349.1 402.7 405.5 405.5 2150 374 J.う5 8.1Q pH 7.0

b.l む8.1 105.う 96.1 80.1 O 105.う 1915 390 1.09 8.87 1%ス タ ー チ 添 加py培 地1,000mlを撹持培養したc

6

.

現在までの問題点 以上スターチと対照基質としてのグルコースを中心にAJl

2

1

B

菌による水素生成 について述べてきた。

C

l

o

s

t

r

i

d

i

u

m

属の細菌種は、一般に多種類の糖を利用でき、 殆どの種が水素を生成する、そのうえ極めて強い分泌能を有する特徴があるl } O

A

M:

2

1

B

菌は、

C

l

o

s

t

r

i

d

i

u

m

属の細菌種であるがその嫌気度はあまり強くなく、その 増殖速度は通常の大腸菌と差ほど変わらない。従って、取り扱いが容易な細菌で ある。そのうえ、ぺントースを含む広範囲な糖を基質として水素を産生すること ができる 5)。スターチを基質として水素を生成する細菌は、未だ報告がなく、 文献的にはAJl

2

1

B

菌株が最初であろうo しかし、表 4に示したように、アミラーゼ活性が

4

0

0

単位も検出される

p

H

6

.0

の 培養系と

1

0

5

単位しか検出されない

p

H

7

.0

の培養でも、スターチの消費量は約

9

0

施 と有意な違いがなかった。我々が実験に供したスターチは、溶性デンプン(和光 純薬)である。性状は不明ではあるが、この溶性デンプンは、約

9

0

犯が

a

-1,

4

結合 で残りの約

1

0

%

α-

,1

6

結合と仮定すると、次のようなことが考えられる。

A

Jl

2

1

B

菌はα-,1

4

結合を完全に消化するアミラーゼは産生する、しかし、 α-,1

6

結合、 即ちブランチオリゴ糖を消化する酵素をあまり産生しないか、またはその活性が 弱い可能性が考えられるo そのために、アミラーゼの産生や総合水素生成量に関 係なく、ほぼ向じ量のスターチが残存した可能性を示唆しているものと考えられ る。 成績は記載しなかったが、シ口アリから分離した

A

Jl

2

1

B

菌株は、キシロースか らの水素生成はグルコースからよりも多く、更にキシラン、デキストランなどか 21

(7)

水素エネルギーシステム Vo1.21, No.l, 1996 特集 らも水素を産生するので(未発表)、当該菌を用いて将来廃棄物処理による水素回 収が可能かとも期待した。しかし、ヘミセルロースとしてのキシランは分解して 」ム 水素に変換可能であるが(未発表)、セルロースを分解できない。別に述べたよう にスターチも完全には消化できない。ここに当該菌の限界があるように思われるo 我々としては、少なくともセルラーゼとヒドロゲナーゼを産生する新しい水素生 成菌の探索を継続しているo シロアリは新規な微生物の宝庫のようであるので、 慎重に検索すれば必ず望の菌候補が得られると考えているo 7.謝辞 本研究の一部は、紋日本科学財団、紋日本ワックスマン財団と紋セコム科学技 術振興財団からの研究奨励金、および文部省科学研究費補助金により行われた。

8

.

参考文献

1) Sneath, P.H.A., Mair, Nふ,Sharpe,E.: clostridium. pp. 114-1 -1 207,

In "Bergey's Manual of Systematic Bacteriology". Vol. 2, Williarr施 & Wilkins Co. Baltimore. (1986).

2) Taguchi, F. et al. Efficient hydrogen production from starch by a bacterium isolated from termites. J. Ferment. Bioeng. 73: 2与4--24-5,

1992.

3) Taguchi, F. et al. Isolation of a hydrogen-producing bacterium, Clostridium beijerinckistrain AM21B, from termites. Can. J. Microbiol. 39: 726-730, 1993.

4-) Taguchi

F. et al. Microbial

nversion of arabinose ans xylose to hydrogen by a newlt isolated Clostridium sp. No. 2. Can. J. Microbiol. 4-0:228-233, 1994-.

5) Taguchi, F. et al. Effect of amyl部 e accumulation oh hydrogen production by clostridium beijerinckii, strain A m21B. J. Ferment. Bic訓eng. 77: 565-567, 1994-.

6) Taguchi, F. et al. Direct conversion of cel1ulosic materials to hydrogen by Clostridium sp. strain no. 2. Enzyme Microb. Technol.

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7) Taguchi, F. et al. Hydroge prc対uctionfrom α)ntinuous fermentation of xylose during growth of clostridium sp. strain No. 2. Can. J. Microbiol. 4-1: 536-54-0, 1995.

8) Taguchi

F. et al. Simultaneous production of xylan筒 e and hydrogen using xylan in batch culture of Clostridium sp. strain X53. J.Ferment. Bioeng. (in pr街 s).

り 白

9

参照

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