東
京
電
力
福
島
原
子
力
発
電
所
事
故
調
査
委
員
会
の
意
義
と
課
題
目 次 一 は じ め に 二 国 会 事 故 調 の 概 要 ︵ 1 ︶ 国 会 事 故 調 の 設 置 ︵ 2 ︶ 国 会 事 故 調 の 任 務 ︵ 3 ︶ 報 告 書 の 提 出 ︵ 4 ︶ 報 告 書 の 概 要 三 国 会 事 故 調 報 告 書 提 出 後 の 動 き ︵ 1 ︶ 国 会 に お け る 動 き ︵ 2 ︶ 政 府 に お け る 動 き ︵ 3 ︶ 今 後 の 課 題 四 国 会 事 故 調 文 書 の 取 扱 い ︵ 1 ︶ 国 立 国 会 図 書 館 へ の 移 管 ︵ 2 ︶ 国 会 に お け る 情 報 公 開 制 度 ︵ 3 ︶ 国 立 国 会 図 書 館 に 対 す る 開 示 請 求 ︵ 4 ︶ 国 会 に お け る 議 論 五 む す び 論 説宮
本
剛
志
( 37 ) 38 号一 は じ め に 平 成 二 三 年 ︵ 二 〇 一 一 年 ︶ 三 月 一 一 日 に 発 生 し た 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 及 び 津 波 災 害 ︵ 東 日 本 大 震 災 ︶ に 伴 う 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 の 事 故 は 、 国 際 原 子 力 事 象 評 価 尺 度 で ﹁ レ ベ ル 7 ﹂ と い う 極 め て 深 刻 な 事 故 で あ っ た 。 世 界 で も ト ッ プ ク ラ ス の 経 済 大 国 で あ り 、 科 学 技 術 分 野 に お い て は 世 界 に 誇 る べ き 我 が 国 に お い て 、 こ の よ う な 深 刻 な 原 子 力 発 電 所 事 故 を 引 き 起 こ し た こ と に 全 世 界 が ︵ 1 ︶ 驚 愕 し 、 そ し て 今 な お 、 そ の 経 過 を 全 世 界 が 注 目 し て い る 。 我 が 国 が 果 た す べ き 責 任 は 、 徹 底 し た 原 因 究 明 と そ の 再 発 防 止 策 を 世 界 に 、 そ し て 未 来 に 向 け て 公 表 す る こ と で あ る 。 そ の た め 、 事 故 か ら 約 半 年 後 の 九 月 末 に 国 会 に 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 ︵ 以 下 ﹁ 国 会 事 故 調 ﹂ と い う 。 ︶ を 設 置 す る ﹁ 国 会 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 案 ﹂ 及 び ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 案 ﹂ が 衆 参 両 院 の 本 会 議 に お い て 全 会 一 致 で 可 決 ・ 成 立 し 、 一 〇 月 七 日 に 、 そ れ ぞ れ 法 律 第 一 一 一 号 ︵ 国 会 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ︶ 及 び 法 律 第 一 一 二 号 ︵ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ︶ と し て ︵ 2 ︶ 公 布 さ れ 、 一 〇 月 三 〇 日 に 施 行 さ れ た 。 さ て 、 筆 者 は 本 誌 第 三 六 号 に 、 国 会 事 故 調 を 設 置 す る ﹁ 国 会 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ﹂ 及 び ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ﹂ に つ い て 、 そ の 内 容 と 課 題 を 検 討 し た ︵ 3 ︶ 論 説 を 発 表 し て い る 。 し か し な が ら 、 当 該 論 説 を 脱 稿 し た 一 一 月 二 四 日 の 段 階 で は 、 国 会 事 故 調 の 委 員 長 及 び 委 員 の 任 命 が 行 わ れ て お ら ず 、 国 会 事 故 調 が 正 式 に 発 足 す る 以 前 に 国 会 に お け る 議 論 及 び 関 連 法 規 並 び に 一 九 七 九 年 に 発 生 し た 米 国 ス リ ー マ イ ル 島 原 子 力 発 38 号 ( 38 )
電 所 事 故 に 伴 っ て 設 置 さ れ た 大 統 領 特 別 調 査 委 員 会 ︵President’s C ommission on the A ccident at Three M ile Is-land ︶ の 最 終 報 告 書 ︵Report o f T he President’s C ommission on the A ccident at Three M ile Island ︶ を 参 考 に 国 会 事 故 調 の 内 容 と 課 題 に つ い て 検 討 し た も の に す ぎ な か っ た 。 な お 、 国 会 事 故 調 の 設 置 に 係 る 経 緯 に つ い て は 、 先 に 掲 げ た 拙 稿 の 他 、 当 初 の 法 案 提 出 者 で あ る 塩 崎 恭 久 衆 議 院 議 員 の 著 書 に 詳 ︵ 4 ︶ し い 。 本 稿 で は 、 国 会 事 故 調 の 調 査 活 動 並 び に 平 成 二 四 年 ︵ 二 〇 一 二 年 ︶ 七 月 五 日 に 両 院 議 長 に 提 出 さ れ た 報 告 書 を も と に 、 国 会 事 故 調 が 果 た し た 役 割 を 検 証 し 、 そ の 後 の 課 題 に つ い て 検 討 す る も の で あ る 。 二 国 会 事 故 調 の 概 要 ︵ 1 ︶ 国 会 事 故 調 の 設 置 国 会 事 故 調 は 、 前 述 の ﹁ 国 会 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ﹂ 及 び ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ﹂ に よ っ て 国 会 に 設 置 さ れ た 。 国 会 法 の 一 部 改 正 に よ り 、 国 会 法 ︵ 昭 和 二 二 年 法 律 第 七 九 号 ︶ の 附 則 に 以 下 の 第 六 項 か ら 第 一 一 項 が 追 加 さ れ た 。 < 国 会 法 附 則> ⑥ 平 成 二 三 年 三 月 一 一 日 に 発 生 し た 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 に 伴 う 原 子 力 発 電 所 の 事 故 に つ い て 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 の 委 員 長 及 び 委 員 の 推 薦 、 そ の 要 請 を 受 け て 国 政 に 関 す る 調 査 を 行 う こ ( 39 ) 38 号
と 等 の た め 、 附 則 第 十 項 の 法 律 が そ の 効 力 を 有 す る 間 、 国 会 に 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 係 る 両 議 院 の 議 院 運 営 委 員 会 の 合 同 協 議 会 ︵ 以 下 ﹁ 両 院 合 同 協 議 会 ﹂ と い う 。 ︶ を 置 く 。 ⑦ 両 院 合 同 協 議 会 は 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 の 要 請 を 受 け た 場 合 に お い て 必 要 が あ る と 認 め る と き は 、 当 該 要 請 に 係 る 事 項 に つ い て 、 国 政 に 関 す る 調 査 を 行 う こ と が で き る 。 ⑧ 第 一 〇 ︵ 5 ︶ 四 条 の 規 定 は 、 前 項 の 規 定 に よ る 国 政 に 関 す る 調 査 を 行 う 場 合 に お け る 両 院 合 同 協 議 会 に つ い て 準 用 す る 。 ⑨ 前 二 項 に 定 め る も の の ほ か 、 両 院 合 同 協 議 会 の 組 織 、 運 営 そ の 他 の 事 項 に つ い て は 、 両 議 院 の 議 決 に よ り こ れ を 定 ︵ 6 ︶ め る 。 ⑩ 国 会 に 、 別 に 法 律 で 定 め る と こ ろ に よ り 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 を 置 く 。 ⑪ 内 閣 は 、 当 分 の 間 毎 年 、 国 会 に 、 前 項 の 法 律 の 規 定 に よ り 送 付 を 受 け た 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 の 報 告 書 を 受 け て 講 じ た 措 置 に 関 す る 報 告 書 を 提 出 し な け れ ば な ら な い 。 改 正 後 の 国 会 法 附 則 第 六 項 乃 至 第 九 項 に よ っ て 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 が 効 力 を 有 す る 間 、 国 会 に 国 会 議 員 か ら な る ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 係 る 両 議 院 の 議 院 運 営 委 員 会 の 合 同 協 議 会 ﹂ を 置 き 、 国 会 事 故 調 の 委 員 長 及 び 委 員 の 推 薦 、 そ の 要 請 を 受 け て 国 政 に 関 す る 調 査 を 行 う こ と と さ れ た 。 附 則 第 一 〇 項 は 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 に よ り 、 国 会 に 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 を 設 置 す る こ と を 定 め た 規 定 で あ る 。 附 則 第 一 一 項 は 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 第 一 六 条 第 一 項 の 規 定 に よ る 報 告 書 を 、 両 院 議 長 は 同 条 第 三 項 に よ っ て 内 閣 に 送 付 す る こ と を 定 め て お り 、 当 該 報 告 書 を 受 38 号 ( 40 )
け て 内 閣 が 講 じ た 措 置 に 関 す る 報 告 書 を 、 当 分 の 間 毎 年 、 国 会 に 提 出 す る こ と に つ い て 定 め た 規 定 で あ る 。 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ︵ 以 下 ﹁ 事 故 調 法 ﹂ と い う 。 ︶ は 、 そ の 設 置 目 的 、 組 織 等 、 事 故 調 査 等 の 他 、 財 政 措 置 等 及 び 関 連 規 定 の 整 備 を 規 定 し て い る 。 事 故 調 法 第 一 条 は 、 国 会 事 故 調 の 設 置 目 的 に つ い て 次 の よ う に 定 め て い る 。 平 成 二 三 年 三 月 一 一 日 に 発 生 し た 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 に 伴 う 原 子 力 発 電 所 の 事 故 の 直 接 又 は 間 接 の 原 因 及 び 当 該 事 故 に 伴 い 発 生 し た 被 害 の 直 接 又 は 間 接 の 原 因 並 び に 関 係 行 政 機 関 そ の 他 関 係 者 が 当 該 事 故 に 対 し 講 じ た 措 置 及 び 当 該 被 害 の 軽 減 の た め に 講 じ た 措 置 の 内 容 、 当 該 措 置 が 講 じ ら れ る ま で の 経 緯 並 び に 当 該 措 置 の 効 果 を 究 明 し 、 又 は 検 証 す る た め の 調 査 並 び に こ れ ま で の 原 子 力 に 関 す る 政 策 の 決 定 又 は 了 解 及 び そ の 経 緯 そ の 他 の 事 項 に つ い て の 調 査 を 適 確 に 行 う と と も に 、 こ れ ら の 調 査 の 結 果 に 基 づ き 、 原 子 力 に 関 す る 基 本 的 な 政 策 及 び 当 該 政 策 に 関 す る 事 項 を 所 掌 す る 行 政 組 織 の 在 り 方 の 見 直 し を 含 む 原 子 力 発 電 所 の 事 故 の 防 止 及 び 原 子 力 発 電 所 の 事 故 に 伴 い 発 生 す る 被 害 の 軽 減 の た め 講 ず べ き 施 策 又 は 措 置 に つ い て 提 言 を 行 い 、 も っ て 国 会 に よ る 原 子 力 に 関 す る 立 法 及 び 行 政 の 監 視 に 関 す る 機 能 の 充 実 強 化 に 資 す る た め 、 国 会 に 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 を 置 く 。 国 会 事 故 調 は 事 故 調 法 第 一 〇 条 に 定 め る 事 故 調 査 等 を 行 い 、 そ の 結 果 に 基 づ き 、 原 子 力 発 電 所 の 事 故 の 防 止 及 び 原 子 力 発 電 所 の 事 故 に 伴 い 発 生 す る 被 害 の 軽 減 の た め 講 ず べ き 施 策 又 は 措 置 に つ い て の ﹁ 提 言 ﹂ を 行 う こ と と さ れ 、 も っ て ﹁ 国 会 に よ る 原 子 力 に 関 す る 立 法 及 び 行 政 の 監 視 に 関 す る 機 能 の 充 実 強 化 に 資 す る ﹂ と の 目 的 に よ ( 41 ) 38 号
り 設 置 さ れ た 。 本 規 定 か ら 、 国 権 の 最 高 機 関 で あ り 、 国 の 唯 一 の 立 法 機 関 で あ る 国 会 が 、 そ の 立 法 及 び 行 政 監 視 機 能 の 充 実 強 化 を 目 的 と し て 設 置 し た こ と が 読 み 取 れ る 。 国 会 事 故 調 の 委 員 長 及 び 委 員 は 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 係 る 両 議 院 の 議 院 運 営 委 員 会 の 合 同 協 議 会 の 推 薦 に よ り 、 平 成 二 三 年 一 二 月 二 日 の 衆 参 両 院 の 本 会 議 に お い て 任 命 が 承 認 ︵ 7 ︶ さ れ 、 一 二 月 八 日 に 両 院 議 長 に よ り 任 命 ︵ 8 ︶ さ れ 、 正 式 に 国 会 事 故 調 が 発 足 し 、 約 半 年 間 に 及 ぶ 調 査 活 動 を 開 始 す る こ と と な る 。 ︵ 2 ︶ 国 会 事 故 調 の 任 務 国 会 事 故 調 の 行 う 事 故 調 査 等 に 関 し て は 、 事 故 調 法 第 一 〇 条 各 号 に 列 記 さ れ て い る 。 1 ! 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 の 直 接 又 は 間 接 の 原 因 を 究 明 す る た め の 調 査 2 ! 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 伴 い 発 生 し た 被 害 の 直 接 又 は 間 接 の 原 因 を 究 明 す る た め の 調 査 3 ! 関 係 行 政 機 関 そ の 他 関 係 者 が 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 対 し 講 じ た 措 置 及 び 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 伴 い 発 生 し た 被 害 の 軽 減 の た め 講 じ た 措 置 の 内 容 、 当 該 措 置 が 講 じ ら れ る ま で の 経 緯 並 び に 当 該 措 置 の 効 果 を 究 明 し 、 又 は 検 証 す る た め の 調 査 4 ! こ れ ま で の 原 子 力 に 関 す る 政 策 の 決 定 又 は 了 解 及 び そ の 経 緯 そ の 他 の 事 項 に つ い て の 調 査 5 ! 事 故 調 査 の 結 果 に 基 づ き 、 原 子 力 に 関 す る 基 本 的 な 政 策 及 び 当 該 政 策 に 関 す る 事 項 を 所 掌 す る 行 政 組 織 の 在 り 方 の 見 直 し を 含 む 原 子 力 発 電 所 の 事 故 の 防 止 及 び 原 子 力 発 電 所 の 事 故 に 伴 い 発 生 す る 被 害 の 軽 減 の た め 講 ず べ き 施 策 又 は 措 置 に つ い て 、 提 言 を 行 う こ と 38 号 ( 42 )
6 ! 前 各 号 に 掲 げ る 事 務 を 行 う た め 必 要 な 調 査 及 び 研 究 を 行 う こ と 以 上 、 事 故 調 法 が 規 定 す る 通 り 、 国 会 事 故 調 に 課 せ ら れ た 使 命 は 、 事 故 調 法 第 一 〇 条 各 号 が 定 め る 事 故 調 査 等 を 通 じ て 、 国 会 に 対 し て そ の 調 査 結 果 及 び ﹁ 提 言 ﹂ を 行 う 報 告 書 の 提 出 が 最 終 的 な 任 務 で あ っ て 、 平 成 二 四 年 七 月 五 日 に 両 院 議 長 に さ れ た 報 告 書 に は 、 調 査 結 果 及 び 七 つ の 提 言 が 盛 り 込 ま れ て い る 。 ︵ 3 ︶ 報 告 書 の 提 出 平 成 二 四 年 七 月 五 日 、 報 告 書 が 両 院 議 長 に 提 出 さ れ た 。 報 告 書 は 本 編 の ほ か 、 住 民 ・ 従 業 員 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 を 含 む 参 考 資 料 、 会 議 録 、 ダ イ ジ ェ ス ト 版 が 発 行 さ れ 、 国 会 事 故 調 の ホ ー ム ペ ー ジ で も 公 開 さ ︵ 9 ︶ れ た 。 さ ら に 、 英 語 版 のMain ︵ 10 ︶ Report 及 びExecutive ︵ 11 ︶ Summary も 公 開 さ れ 、 世 界 に 向 け て 発 信 さ れ て ︵ 12 ︶ い る 。 ︵ 4 ︶ 報 告 書 の 概 要 報 告 書 の 本 編 は 次 の 構 成 か ら な っ て い る 。 報 告 の 辞 ︵ 衆 参 両 院 議 長 へ の 報 告 文 ︶ は じ め に ︵ 黒 川 清 委 員 長 ︶ 調 査 の 概 要 ( 43 ) 38 号
国 会 に 設 置 さ れ た 意 味 当 委 員 会 設 置 の 基 本 的 考 え 方 調 査 の 概 要 当 委 員 会 で 扱 わ な か っ た 事 項 結 論 と 提 言 認 識 の 共 有 化 事 故 の 根 源 的 原 因 事 故 の 直 接 的 原 因 運 転 上 の 問 題 の 評 価 緊 急 時 対 応 の 問 題 被 害 拡 大 の 要 因 住 民 の 被 害 状 況 問 題 解 決 に 向 け て 事 業 者 規 制 当 局 法 規 制 提 言 一 規 制 当 局 に 対 す る 国 会 の 監 視 提 言 二 政 府 の 危 機 管 理 体 制 の 見 直 し 38 号 ( 44 )
提 言 三 被 災 住 民 に 対 す る 政 府 の 対 応 提 言 四 電 気 事 業 者 の 監 視 提 言 五 新 し い 規 制 組 織 の 要 件 提 言 六 原 子 力 法 規 制 の 見 直 し 提 言 七 独 立 調 査 委 員 会 の 活 用 要 旨 本 文 第 一 部 事 故 は 防 げ な か っ た の か ? 第 二 部 事 故 の 進 展 と 未 解 明 問 題 の 検 証 第 三 部 事 故 対 応 の 問 題 点 第 四 部 被 害 状 況 と 被 害 拡 大 の 要 因 第 五 部 事 故 当 事 者 の 組 織 的 問 題 第 六 部 法 整 備 の 必 要 性 付 録 資 料 付 録 一 略 語 表 ・ 用 語 解 説 付 録 二 国 会 に よ る 継 続 監 視 が 必 要 な 事 項 付 録 三 委 員 会 の 概 要 付 録 四 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ( 45 ) 38 号
付 録 五 委 員 長 と 委 員 か ら の メ ッ セ ー ジ 委 員 長 ・ 委 員 プ ロ フ ィ ー ル 以 上 の よ う に 、 調 査 結 果 が 本 文 と し て 、 ま た そ れ を 踏 ま え た 七 つ の 提 言 が 記 載 さ れ て い る 。 以 下 、 報 告 書 を 受 け て 国 会 及 び 政 府 の 対 応 に つ い て 検 討 す る 。 三 国 会 事 故 調 報 告 書 提 出 後 の 動 き 平 成 二 四 年 七 月 五 日 に 報 告 書 が 両 院 議 長 に 提 出 さ れ た こ と に 伴 い 、 翌 七 月 六 日 に は 国 会 事 故 調 の 委 員 長 及 び 委 員 並 び に 参 与 が 調 査 活 動 終 了 に よ り 解 職 さ ︵ 13 ︶ れ た 。 事 務 局 は 事 故 調 法 の 失 効 直 前 ま で 存 続 し 、 報 告 書 提 出 後 の 事 務 処 理 、 調 査 資 料 等 の 整 理 を 行 っ て ︵ 14 ︶ い た 。 ︵ 1 ︶ 国 会 に お け る 動 き 国 会 に お い て は 、 報 告 書 の 提 出 を 受 け て 、 衆 参 両 院 の 全 議 員 に 対 し 報 告 書 が 配 布 さ れ た が 、 国 会 事 故 調 の 元 委 員 長 及 び 元 委 員 を 参 考 人 招 致 す る な ど し て 、 報 告 書 の 内 容 及 び 提 言 に つ い て フ ォ ロ ー ア ッ プ す る 機 会 は 、 平 成 二 五 年 四 月 八 日 の 衆 議 院 原 子 力 問 題 調 査 特 別 委 員 会 ま で 行 わ れ る こ と が な か ︵ 15 ︶ っ た 。 こ れ は 、 同 時 期 に 社 会 保 障 と 税 の 一 体 改 革 関 連 法 案 、 公 債 特 例 法 案 、 一 票 の 格 差 是 正 に 係 る 選 挙 制 度 改 革 等 、 政 局 が 安 定 し て い な か っ た こ と 、 ま た 一 一 月 一 六 日 に 衆 議 院 が 解 散 さ れ た こ と も 要 因 と し て 考 え ら ︵ 16 ︶ れ る 。 38 号 ( 46 )
な お 、 衆 議 院 に お い て は 、 第 一 八 三 回 国 会 ︵ 常 会 ︶ の 召 集 日 で あ る 平 成 二 五 年 ︵ 二 〇 一 三 年 ︶ 一 月 二 八 日 に 、 原 子 力 に 関 す る 諸 問 題 を 調 査 す る た め 、 委 員 四 〇 人 よ り な る 原 子 力 問 題 調 査 特 別 委 員 会 が 設 置 さ れ た が 、 設 置 に 先 立 ち 、 一 月 二 四 日 の 議 院 運 営 委 員 会 理 事 会 に お い て ﹁ 原 子 力 問 題 調 査 特 別 委 員 会 ﹂ の 設 置 に 関 す る 申 し 合 ︵ 17 ︶ わ せ が 行 わ れ た 。 参 議 院 に お い て は 、 七 月 の 参 議 院 議 員 通 常 選 挙 後 に 召 集 さ れ た 第 一 八 四 回 国 会 ︵ 臨 時 会 ︶ に お い て 、 原 子 力 問 題 特 別 委 員 会 が 設 置 さ れ た が 、 本 稿 脱 稿 時 に は 本 格 的 な 議 論 は 行 わ れ て い な い 。 ︵ 2 ︶ 政 府 に お け る 動 き 報 告 書 は 、 平 成 二 四 年 七 月 五 日 に 国 会 事 故 調 委 員 長 か ら 両 院 議 長 に 提 出 さ れ る と 、 両 院 議 長 か ら 内 閣 に 送 付 さ ︵ 18 ︶ れ た 。 政 府 に お い て は 、 事 故 か ら 約 二 か 月 後 の 平 成 二 三 年 五 月 二 四 日 に ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 に お け る 事 故 調 査 ・ 検 証 委 員 会 ﹂ ︵ 以 下 ﹁ 政 府 事 故 調 ﹂ と い う 。 ︶ の 設 置 を 閣 議 ︵ 19 ︶ 決 定 し 、 一 二 月 二 六 日 に 中 間 ︵ 20 ︶ 報 告 を 、 平 成 二 四 年 七 月 二 三 日 に 最 終 ︵ 21 ︶ 報 告 を 提 出 し 調 査 活 動 を 終 了 し 、 平 成 二 四 年 九 月 二 八 日 の 閣 議 決 定 を も っ て 廃 止 さ ︵ 22 ︶ れ た 。 ま た 、 平 成 二 四 年 一 一 月 二 八 日 付 け の 内 閣 官 房 長 官 決 裁 を も っ て ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 関 し 国 会 及 び 政 府 に 設 け ら れ た 委 員 会 の 提 言 の フ ォ ロ ー ア ッ プ に 関 す る 有 識 者 会 議 の 開 催 に つ ︵ 23 ︶ い て ﹂ に よ り 、 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 関 し 国 会 及 び 政 府 に 設 け ら れ た 委 員 会 の 提 言 の フ ォ ロ ー ア ッ プ に 関 す る 有 識 者 ︵ 24 ︶ 会 議 ︵ 以 下 ﹁ 事 故 調 フ ォ ロ ー ア ッ プ 有 識 者 会 議 ﹂ と い う 。 ︶ が 平 成 二 四 年 一 二 月 か ら 平 成 二 五 年 二 月 ま で 五 回 の 会 議 が 開 か れ 、 最 終 的 に ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 に 関 し 国 会 及 び 政 府 に 設 け ら れ た 委 員 会 の 提 言 の フ ォ ロ ー ア ッ プ に 関 す る 有 識 者 会 議 報 ︵ 25 ︶ 告 書 ﹂ が ま と め ら れ た 。 ( 47 ) 38 号
平 成 二 五 年 六 月 一 一 日 に は 、 国 会 法 附 則 第 一 一 項 の 規 定 に 基 づ く 、 ﹁ 平 成 二 四 年 度 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 の 報 告 書 を 受 け て 講 じ た 措 置 ﹂ に 関 す る ︵ 26 ︶ 報 告 が 閣 議 決 定 の 上 、 国 会 に 提 出 さ れ た 。 ︵ 3 ︶ 今 後 の 課 題 以 上 の よ う に 、 国 会 事 故 調 を 設 置 し 、 調 査 結 果 及 び 提 言 を 受 け て ﹁ 国 会 に よ る 原 子 力 に 関 す る 立 法 及 び 行 政 の 監 視 に 関 す る 機 能 の 充 実 強 化 に 資 す る ﹂ と し て い た 国 会 に お け る 対 応 は 現 時 点 に お い て は 不 十 分 と 言 わ ざ る を 得 な い 。 七 つ の 提 言 の う ち 、 提 言 一 ︵ 規 制 当 局 に 対 す る 国 会 の 監 視 ︶ で は 国 会 に 対 し 、 規 制 当 局 を 監 視 す る 目 的 で 、 国 会 に 原 子 力 に 係 る 常 設 の 委 員 会 等 を 設 置 す る こ と を 求 め て い る 。 ま た 、 提 言 七 ︵ 独 立 調 査 委 員 会 の 活 用 ︶ で は 、 国 会 事 故 調 の 調 査 活 動 は 約 半 年 間 と 限 定 さ れ て お り 、 ま た 、 事 故 調 法 第 一 〇 条 各 号 に お い て 調 査 内 容 が 限 定 さ れ て い た こ と か ら 、 事 故 調 に お い て は ﹁ 当 委 員 会 で 扱 わ な か っ た ︵ 27 ︶ 事 項 ﹂ を 報 告 書 で も 明 確 に し て い る 。 し た が っ て 、 未 解 決 部 分 の 事 故 原 因 究 明 や 今 後 の 事 故 収 束 に 向 け た プ ロ セ ス な ど 国 民 生 活 に 重 大 な 影 響 の あ る テ ー マ に つ い て 調 査 審 議 す る た め に 、 国 会 に 、 原 子 力 事 業 者 及 び 行 政 機 関 か ら 独 立 し た 、 民 間 中 心 の 専 門 家 か ら な る 第 三 者 機 関 の 設 置 を 求 め て お り 、 ま た 国 会 が こ の よ う な 独 立 し た 調 査 委 員 会 を 課 題 別 に 立 ち 上 げ ら れ る 仕 組 み と し 、 こ れ ま で の 発 想 に 拘 泥 せ ず 、 引 き 続 き 調 査 、 検 討 を 行 う こ と を 求 め て い る 。 国 会 事 故 調 が 報 告 書 に お い て 示 し た 七 つ の 提 言 は 国 会 か ら 付 託 さ れ た 使 命 を 受 け て 調 査 ・ 作 成 し た 報 告 書 の 最 も 基 本 的 で 重 要 な こ と を 反 映 し た も の で あ る 。 し た が っ て 、 国 会 は 、 こ の 提 言 の 実 現 に 向 け た 実 施 計 画 を 速 や か に 策 定 し 、 そ の 進 捗 の 状 況 を 国 民 に 公 表 す る こ と を 期 待 す る こ と が 記 載 さ れ て い る が 、 現 時 点 に お い て そ の よ う 38 号 ( 48 )
な 議 論 が 行 わ れ て い る と は い え な い 。 一 方 で 、 政 府 は 国 会 法 附 則 第 一 一 項 の 規 定 に よ り 、 当 分 の 間 、 毎 年 報 告 書 を 受 け て 講 じ た 措 置 に つ い て の 報 告 義 務 が あ る こ と か ら 、 政 府 事 故 調 及 び 国 会 事 故 調 の 報 告 書 を 受 け て 事 故 調 フ ォ ロ ー ア ッ プ 有 識 者 会 議 を 行 い 、 当 事 者 な が ら も 自 己 点 検 を は か っ て い る 点 に 関 し て は 評 価 に 値 す る 。 四 国 会 事 故 調 文 書 の 取 扱 い こ こ ま で 、 国 会 事 故 調 の 発 足 か ら 報 告 書 の 提 出 、 そ の 後 の 国 会 及 び 政 府 の 対 応 に つ い て 見 て き た 。 し か し な が ら 、 報 告 書 が 果 た す べ き 役 割 は 、 徹 底 し た 原 因 究 明 と そ の 再 発 防 止 策 を 世 界 に 、 そ し て 未 来 に 向 け て 公 表 す る こ と で あ る こ と は 勿 論 の こ と 、 ま ず は 国 民 に 対 し て 明 ら か に し な け れ ば な ら な い 。 国 会 事 故 調 の 委 員 会 は 公 開 で 開 催 さ れ 、 会 議 録 も 公 表 さ れ て い る と こ ろ で あ る が 、 報 告 書 の 作 成 に 至 る 過 程 、 す な わ ち ヒ ア リ ン グ 、 ア ン ケ ー ト な ど の 調 査 資 料 並 び に 東 京 電 力 、 規 制 官 庁 及 び 関 係 者 に 対 し て 行 っ た 資 料 請 求 に 係 る 調 査 資 料 に つ い て は そ の 取 り 扱 い が 国 会 に お い て 定 め ら れ て お ら ず 、 現 時 点 で は 閲 覧 が で き な い 状 態 が 続 い て ︵ 28 ︶ い る 。 こ の 状 態 は 、 い わ ゆ る 国 会 事 故 調 文 書 ︵ 以 下 ﹁ 事 故 調 文 書 ﹂ と い う 。 ︶ の 重 要 性 、 国 民 及 び 国 際 的 な 関 心 の 高 さ か ら い っ て も 、 決 し て 看 過 で き る も の で は な い 。 以 下 、 事 故 調 文 書 の 法 的 性 格 を 検 討 し 、 今 後 の 取 り 扱 い に 向 け て の 議 論 を 喚 起 し た い 。 ( 49 ) 38 号
︵ 1 ︶ 国 立 国 会 図 書 館 へ の 移 管 事 故 調 法 が 失 効 す る 平 成 二 四 年 一 〇 月 三 〇 日 を 目 前 に 、 国 会 事 故 調 の 事 務 局 は 一 〇 月 二 四 日 に 閉 鎖 さ れ る こ と が ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 表 さ れ た 。 同 時 に 、 ﹁ 委 員 会 の 調 査 資 料 等 は 国 立 国 会 図 書 館 に 移 管 さ れ 、 引 き 続 き 保 管 さ れ る ﹂ 旨 も 同 時 に 公 表 さ れ 、 国 会 事 故 調 に 係 る 調 査 資 料 等 は 国 立 国 会 図 書 館 へ 移 管 さ れ た が 、 移 管 に 係 る 法 的 根 拠 等 は 不 明 確 な ま ま で あ る 。 ︵ 2 ︶ 国 会 に お け る 情 報 公 開 制 度 さ て 、 こ の 検 討 を す る に あ た っ て は 、 国 会 の 情 報 公 開 制 度 に つ い て 触 れ て お く 必 要 が あ る だ ろ う 。 周 知 の 通 り 、 行 政 機 関 及 び 独 立 行 政 法 人 に 関 し て は そ れ ぞ れ 行 政 機 関 の 保 有 す る 情 報 の 公 開 に 関 す る 法 律 ︵ 平 成 一 一 年 法 律 第 四 二 号 。 以 下 ﹁ 行 政 機 関 情 報 公 開 法 ﹂ と い う 。 ︶ 及 び 独 立 行 政 法 人 等 の 保 有 す る 情 報 の 公 開 に 関 す る 法 律 ︵ 平 成 一 三 年 法 律 第 一 四 〇 号 ︶ に よ っ て 、 情 報 公 開 制 度 が 法 律 に よ っ て 整 備 さ れ て い る が 、 国 会 及 び 裁 判 所 に つ い て は そ の 対 象 外 で あ り 、 法 律 レ ベ ル で の 情 報 公 開 制 度 は 存 在 し な い 。 裁 ︵ 29 ︶ 判 所 は 、 ﹁ 最 高 裁 判 所 の 保 有 す る 司 法 行 政 文 書 の 開 示 等 に 関 す る 事 務 の 取 扱 要 綱 ﹂ 及 び ﹁ 裁 判 所 の 保 有 す る 司 法 行 政 文 書 の 開 示 に 関 す る 事 務 の 基 本 的 取 扱 い に つ い て ﹂ に よ っ て 司 法 行 政 文 書 の 開 示 に 関 す る 制 度 を 整 備 し て い る 。 ﹁ 司 法 行 政 文 書 ﹂ と は 、 裁 判 所 の 職 員 が 職 務 上 作 成 し 、 又 は 取 得 し た 司 法 行 政 事 務 に 関 す る 文 書 等 で あ っ て 、 裁 判 所 の 職 員 が 組 織 的 に 用 い る も の と し て 、 裁 判 所 が 保 有 し て い る も の を い う 。 し た が っ て 、 い わ ゆ る 裁 判 文 書 で あ る 判 決 原 本 な ど は こ の 制 度 の 対 象 で あ る 司 法 行 政 文 書 に は 含 ま れ な い 。 国 会 で も 衆 議 院 事 ︵ 30 ︶ 務 局 は ﹁ 衆 議 院 事 務 局 の 保 有 す る 議 院 行 政 文 書 の 開 示 等 に 関 す る 事 務 取 扱 規 程 ﹂ を 事 務 総 長 38 号 ( 50 )
が 定 め る 庁 訓 と し て 、 参 議 院 事 ︵ 31 ︶ 務 局 は ﹁ 参 議 院 事 務 局 の 保 有 す る 事 務 局 文 書 の 開 示 に 関 す る 事 務 取 扱 規 程 ﹂ を 事 務 総 長 決 定 と し て 、 国 立 国 会 図 ︵ 32 ︶ 書 館 は ﹁ 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 規 則 ﹂ ︵ 以 下 ﹁ 開 示 規 則 ﹂ と い う 。 ︶ を 館 長 が 定 め る 規 則 と し て そ れ ぞ れ 整 備 し て い る 。 対 象 と な る 文 書 は 、 そ れ ぞ れ 会 議 録 や 議 案 類 な ど を 含 む 立 法 及 び 調 査 に 係 る 文 書 を 除 く 議 院 行 政 文 書 ︵ 衆 議 院 事 務 局 ︶ 、 事 務 局 文 書 ︵ 参 議 院 事 務 局 ︶ 及 び 事 務 文 書 ︵ 国 立 国 会 図 書 館 ︶ で あ り 、 職 員 が 職 務 上 作 成 し 、 又 は 取 得 し た 文 書 等 で あ っ て 、 職 員 が 組 織 的 に 用 い る も の と し て 、 各 事 務 局 等 で 保 有 し て い る も の を い う 。 な お 、 国 会 に 置 か れ た 機 関 の う ち 、 衆 議 院 法 制 局 、 参 議 院 法 制 局 、 裁 判 官 弾 劾 裁 判 所 事 務 局 及 び 裁 判 官 訴 追 委 員 会 事 務 局 は 情 報 公 開 制 度 を 運 用 し て い ︵ 33 ︶ な い 。 ︵ 3 ︶ 国 立 国 会 図 書 館 に 対 す る 開 示 請 求 事 故 調 文 書 が 国 立 国 会 図 書 館 に 移 管 さ れ た こ と は 、 前 述 し た 通 り で あ る 。 こ れ を 受 け て 、 国 立 国 会 図 書 館 の 情 報 公 開 制 度 を 利 用 し 、 移 管 に 係 る 事 務 文 書 の 開 示 請 求 を 行 っ た と こ ろ 、 平 成 二 四 年 一 〇 月 二 九 日 付 け 、 事 故 調 発 第 二 八 七 号 ﹁ 調 査 資 料 等 の 引 継 ぎ に つ い て ﹂ ︵ 国 会 事 故 調 事 務 局 長 発 、 国 立 国 会 図 書 館 総 務 部 長 宛 。 当 該 文 書 は 本 稿 末 尾 に 掲 載 。 ︶ が 部 分 開 示 さ ︵ 34 ︶ れ た 。 当 該 文 書 別 紙 の 文 書 フ ァ イ ル の 目 録 に よ り ﹁ 総 務 課 移 管 資 料 ﹂ 及 び ﹁ 調 査 課 移 管 資 料 ﹂ が 国 立 国 会 図 書 館 に 移 管 さ れ た 事 実 が 明 ら か と な っ た が 、 移 管 に 係 る 法 的 根 拠 に つ い て は 示 さ れ て い な か っ た 。 ま た 、 添 付 文 書 の 標 題 、 添 付 文 書 に 関 し て は ﹁ 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る 事 務 の 性 質 上 、 公 に す る こ と に よ り 、 そ の 適 正 な 遂 行 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ の あ る も の ﹂ ︵ 開 示 規 則 第 三 条 第 二 号 ︶ に 該 当 す る と し て 不 開 示 と さ れ た 。 こ れ に 対 し 、 苦 情 の 申 出 を 行 い 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 に お い て 調 査 審 議 の 結 果 、 表 紙 記 載 の 添 ( 51 ) 38 号
付 文 書 の 標 題 に つ い て は 開 示 す べ き と し た 上 で 、 添 付 文 書 に つ い て 不 開 示 と し た こ と は 妥 当 で あ る が 、 そ の 根 拠 は 開 示 規 則 第 二 条 第 三 号 ︵ 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る も の ︶ と す べ き と の ︵ 35 ︶ 答 申 が な さ れ 、 改 め て 添 付 文 書 の 標 題 部 分 に つ い て は 開 示 さ ︵ 36 ︶ れ た 。 次 い で 、 ﹁ 総 務 課 移 管 資 料 目 録 ﹂ 及 び ﹁ 調 査 課 移 管 資 料 目 録 ﹂ を も と に 調 査 資 料 等 の 文 書 フ ァ イ ル を 特 定 し 、 開 示 請 求 を 行 っ た と こ ろ 、 こ れ ら は ﹁ 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る も の ﹂ ︵ 開 示 規 則 第 二 条 第 三 号 ︶ に 該 当 し 、 情 報 公 開 の 対 象 と な る ﹁ 事 務 文 書 ﹂ に 該 当 せ ず 不 開 示 と さ ︵ 37 ︶ れ た 。 こ れ に 対 し て も 苦 情 の 申 出 を 行 い 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 に お い て 調 査 審 議 の 結 果 、 開 示 規 則 第 二 条 第 三 号 に 基 づ き 不 開 示 と し た こ と は 妥 当 で あ る と の ︵ 38 ︶ 答 申 が な さ れ 、 改 め て 不 開 示 と の 通 知 に 接 ︵ 39 ︶ し た 。 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 は 、 同 答 申 の 中 で 、 本 件 対 象 文 書 の 開 示 規 則 第 第 二 条 第 三 号 該 当 性 に つ い て 次 の よ う に 判 断 し て い る 。 ︵ 以 下 ﹁ 規 則 ﹂ と あ る の は 、 開 示 規 則 の こ と で あ る 。 ︶ 規 則 第 二 条 は 、 第 三 号 で ﹁ 国 立 国 会 図 書 館 法 ︵ 昭 和 二 三 年 法 律 第 五 号 ︶ 第 一 五 条 第 一 号 か ら 第 三 号 ま で に 掲 げ る 職 務 に 係 る も の そ の 他 の 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る も の ﹂ を 開 示 の 対 象 と な る 事 務 文 書 か ら 除 外 し て い る 。 こ こ で い う ﹁ 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る も の ﹂ と は 、 同 法 第 一 五 条 第 一 号 か ら 第 三 号 ま で に 掲 げ る よ う に 、 両 議 院 が 自 ら 行 う 国 政 調 査 権 の 行 使 の 補 佐 に 限 ら れ る も の で は な く 、 国 会 に 設 置 さ れ る 機 関 が 法 令 等 に 基 づ い て 立 法 活 動 に 資 す る た め に 行 う 調 査 及 び そ の 結 果 た る 文 書 を も 含 む と 解 さ れ る 。 本 件 対 象 文 書 は 事 故 調 文 書 を 構 成 す る も の で あ り 、 事 故 調 文 書 は 、 ﹁ 国 会 に よ る 原 子 力 に 関 す る 立 法 及 び 行 政 の 監 視 に 関 す る 機 能 の 充 実 強 化 に 資 す る ﹂ ︵ 事 故 調 法 第 一 条 ︶ こ と を 目 的 と し て 、 国 会 に 置 か れ た 事 故 38 号 ( 52 )
調 が 、 同 法 第 三 章 に 基 づ く 事 故 調 査 等 の た め に 取 得 し 、 又 は 作 成 し た も の で あ る 。 ま た 、 事 故 調 の 事 故 調 査 等 の 事 務 は 、 そ の 目 的 の と お り 、 事 故 調 法 に 基 づ い た 立 法 活 動 に 資 す る た め の 事 務 で あ る 。 以 上 の こ と か ら 、 本 件 対 象 文 書 は 、 事 故 調 法 に 基 づ く 立 法 活 動 に 資 す る た め の 事 務 の 遂 行 に 伴 い 生 じ た 文 書 を 構 成 す る も の で あ り 、 一 体 と し て ﹁ 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る も の ﹂ ︵ 規 則 第 二 条 第 三 号 ︶ に 当 た る と い う べ き で あ り 、 事 務 文 書 に 該 当 し な い も の と 判 断 す る 。 す な わ ち 、 直 接 調 査 に 関 わ っ た 調 査 課 か ら の 移 管 資 料 は 当 然 の こ と な が ら 、 総 務 課 か ら 移 管 さ れ た 調 査 資 料 等 も そ の 内 容 に 関 わ ら ず 、 一 体 と し て 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る 文 書 と し て 取 り 扱 う べ き で あ り 、 事 務 文 書 へ の 該 当 性 を 否 定 し た 。 一 方 で 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 は 、 同 答 申 で 次 の 通 り 付 言 し て い る 。 < 事 故 調 文 書 に 関 す る 検 討 に つ い て> 本 件 に 関 し て 審 査 会 と し て 以 下 の 点 に つ き 、 国 会 に お い て 真 摯 な 検 討 が 早 急 に か つ 十 分 に 行 わ れ る 必 要 が あ る と 考 え る の で 、 館 長 に お い て 必 要 な 対 応 を と る こ と を 望 む も の で あ る 。 ︵ ア ︶ 事 故 調 文 書 の 国 立 国 会 図 書 館 へ の 移 管 ・ 保 管 に つ い て の 法 的 性 格 の 検 討 ︵ イ ︶ 公 文 書 等 の 管 理 に 関 す る 法 律 ︵ 平 成 二 一 年 法 律 第 六 六 号 ︶ の 理 念 ︵ 同 法 の 対 象 は 主 に 行 政 文 書 で あ る が 、 理 念 的 に は 事 故 調 文 書 も 共 通 で あ る 。 ︶ に 即 し た 事 故 調 文 書 の 開 示 、 利 用 、 提 供 等 の 在 り 方 の 検 討 審 査 会 は 、 以 上 の 点 が 明 ら か で な い こ と か ら 、 審 議 に 当 た り 、 事 故 調 の 組 織 の 存 立 及 び 活 動 の 根 拠 で あ る ( 53 ) 38 号
内 規 等 を 不 開 示 と す る こ と の 妥 当 性 を 始 め と す る 種 々 の 議 論 を 行 い 、 苦 慮 し た 上 で 上 記 結 論 に 達 し た も の で あ る 。 し た が っ て 、 事 故 調 文 書 の 取 扱 い に つ い て 法 的 な 未 整 備 状 態 が 今 後 も 継 続 す る こ と は 、 事 故 調 文 書 の 重 要 性 、 国 民 及 び 国 際 的 な 関 心 の 高 さ か ら い っ て も 、 決 し て 看 過 で き る も の で は な い 。 こ う し た 経 緯 を 十 分 に 踏 ま え て 、 館 長 は 早 急 に 上 記 必 要 な 対 応 を と ら れ た い 。 な お 、 同 答 申 か ら 約 半 年 経 っ た 平 成 二 五 年 九 月 三 〇 日 付 け で 、 ﹁ 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 か ら 指 摘 さ れ た 事 項 に つ い て 、 国 立 国 会 図 書 館 長 そ の 他 職 員 が こ れ ま で に と っ た 措 置 及 び 検 討 に 関 す る 事 務 文 書 ﹂ に つ い て 開 示 請 求 を 行 っ た と こ ろ 、 ﹁ 事 故 調 文 書 の 取 扱 い に つ い て は 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 の 答 申 の あ っ た 平 成 二 五 年 五 月 一 五 日 以 降 同 年 一 〇 月 二 九 日 に 至 る ま で 、 国 会 で 検 討 が な さ れ た こ と は な く 、 館 長 等 と し て 何 ら か の 措 置 を と る に は 至 ら ず 、 よ っ て 事 務 文 書 が 作 成 さ れ る こ と も な か っ た ﹂ と し て 文 書 不 存 在 と し て 不 開 示 で あ ︵ 40 ︶ っ た 。 し か し な が ら 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 が 国 立 国 会 図 書 館 長 に 対 し て 、 事 故 調 文 書 の 国 立 国 会 図 書 館 へ の 移 管 ・ 保 管 に つ い て の 法 的 性 格 の 検 討 や 、 公 文 書 等 の 管 理 に 関 す る 法 律 の 理 念 に 即 し た 事 故 調 文 書 の 開 示 、 利 用 、 提 供 等 の 在 り 方 の 検 討 を 求 め て い た に も 関 わ ら ず 、 国 会 に お け る 検 討 が な さ れ な か っ た と い う 理 由 で 、 国 立 国 会 図 書 館 に お い て も 何 ら の 措 置 を と ら な か っ た こ と が 明 ら か と な り 、 今 後 の 検 討 が 待 た れ る 。 ︵ 4 ︶ 国 会 に お け る 議 論 さ て 、 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 審 査 会 に お い て 当 該 諮 問 事 件 の 調 査 審 議 が 行 わ れ て い た 平 成 二 五 年 五 月 九 38 号 ( 54 )
日 に は 、 衆 議 院 議 院 運 営 委 員 会 図 書 館 運 営 小 委 員 会 に お い て 、 ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 の 調 査 資 料 の 開 示 に 関 す る 件 ﹂ が 議 論 さ れ て ︵ 41 ︶ い る 。 小 委 員 会 で は 、 衆 議 院 事 務 局 ︵ 事 務 次 長 ︶ 、 国 立 国 会 図 書 館 ︵ 館 長 ︶ 、 衆 議 院 法 制 局 ︵ 法 制 企 画 調 整 部 長 ︶ が そ れ ぞ れ 事 故 調 文 書 の 取 扱 い 及 び 法 的 性 格 に つ い て 次 の 通 り 説 明 し て い る 。 ○ 向 大 野 衆 議 院 事 務 次 長 ︵ 本 件 の 経 緯 に つ い て ︶ 私 の 方 か ら 、 こ の 事 故 調 の 調 査 資 料 に つ い て 、 国 会 図 書 館 が 引 き 継 ぐ に 至 っ た 経 緯 を 簡 単 に 御 説 明 さ せ て い た だ き ま す 。 お 手 元 に 、 資 料 一 と し て 、 平 成 二 四 年 七 月 五 日 付 の ﹁ 事 故 調 報 告 書 の 提 出 と そ の 後 の 対 応 に つ い て ﹂ と い う 文 書 を 配 付 し て お り ま す 。 こ れ は 、 資 料 二 の 事 故 調 の 上 部 機 関 で あ る 両 院 議 運 合 同 協 議 会 の 一 〇 名 の 方 々 が 最 終 的 に 取 り ま と め た ペ ー パ ー で ご ざ い ま し て 、 こ れ を も と に 、 両 院 に お い て 、 当 時 の 議 運 委 員 長 か ら 議 長 に 対 し て 説 明 が な さ れ て お り ま す 。 こ の ペ ー パ ー 自 体 は 、 正 式 な 両 院 議 運 合 同 協 議 会 の 場 で 確 認 さ れ た も の で は ご ざ い ま せ ん が 、 両 院 議 運 合 同 協 議 会 の 会 長 、 会 長 代 理 を 初 め 、 会 長 は 当 時 の 衆 議 院 の 議 運 の 委 員 長 、 会 長 代 理 は 参 議 院 の 議 運 委 員 長 で す 、 衆 参 両 筆 頭 幹 事 等 、 当 時 の 衆 参 議 運 理 事 会 派 を 代 表 す る 方 々 に よ っ て ま と め ら れ た 合 意 事 項 で ご ざ い ま す 。 こ の 資 料 一 の 四 の と こ ろ に 、 ﹁ 資 料 の 分 類 、 引 継 ぎ 先 、 情 報 公 開 へ の 対 応 に つ い て ﹂ と い う 記 述 が ご ざ い ま す 。 ( 55 ) 38 号
ま ず 、 資 料 の 分 類 に つ き ま し て は 、 相 手 方 と の 関 係 で 公 表 し な い こ と を 前 提 に 入 手 し た も の 、 原 子 力 に 関 す る 安 全 保 障 上 の 観 点 等 か ら 公 表 で き な い も の 、 非 公 開 の ヒ ア リ ン グ 記 録 等 、 さ ま ざ ま な 資 料 が 存 在 す る こ と か ら 、 事 故 調 の 側 で 公 表 基 準 を 設 定 し て も ら う こ と に い た し て お り ま す 。 す な わ ち 、 ﹁ 公 表 ・ 非 公 表 の 別 ﹂ と し て 、 当 該 資 料 が 、 直 ち に 公 表 し て よ い も の か 否 か 、 ﹁ 非 公 表 期 間 ﹂ の 問 題 と し て 、 現 時 点 で は 公 表 で き な い 資 料 に つ い て 、 何 年 後 か 、 例 え ば 、 一 〇 年 後 、 二 〇 年 後 あ る い は 三 〇 年 後 に 公 表 し て よ い も の な の か 否 か 、 そ れ か ら 、 ﹁ 公 表 の 範 囲 ﹂ と し て 、 公 表 す る 場 合 に 、 一 般 国 民 に 対 し て 全 面 的 に 公 表 す る の か 、 あ る い は 、 例 え ば 、 議 員 に 対 し て だ け 公 表 す る と い う 形 が あ る の か 否 か 、 こ う い っ た こ と を 検 討 し て も ら う こ と に し ま し た 。 こ の 文 書 で 、 ﹁ 事 故 調 事 務 局 に お い て ﹂ と な っ て お り ま す の は 、 そ の 上 の 三 の 一 の と こ ろ に あ り ま す よ う に 、 委 員 長 及 び 委 員 が 七 月 六 日 付 で 解 職 さ れ て し ま う 関 係 で 、 引 き 続 き 、 残 務 整 理 等 の た め に 存 続 す る 事 故 調 事 務 局 が 主 体 と な っ て 、 実 際 上 は 、 資 料 三 の 専 門 家 で あ る 委 員 長 、 委 員 の 意 向 を 聞 き な が ら 作 業 を 行 っ た か ら で ご ざ い ま す 。 そ の 次 の 項 目 の 二 ﹁ 引 継 先 ・ 情 報 公 開 ﹂ に つ い て で ご ざ い ま す が 、 事 故 調 査 委 員 会 法 が 一 〇 月 二 九 日 で 失 効 す る こ と か ら 、 そ れ ま で の 間 に 国 会 図 書 館 に 引 き 継 い で も ら う こ と に な り ま し た 。 事 故 調 の 資 料 を 、 衆 議 院 事 務 局 、 参 議 院 事 務 局 、 国 会 図 書 館 の い ず れ が 引 き 継 ぐ か と い う 点 に つ き ま し て は 、 議 論 の 結 果 、 今 後 の 情 報 公 開 の 便 宜 等 も 考 慮 し 、 事 故 調 の 人 事 、 会 計 等 の 庶 務 的 な 事 務 資 料 は 衆 参 事 務 局 が そ れ ぞ れ 引 き 継 ぎ 、 調 査 資 料 に つ い て は 国 会 図 書 館 が 引 き 継 ぐ こ と に な り ま し た 。 そ の 際 、 先 ほ ど も 申 し ま し た 資 料 収 集 の 相 手 方 と の 関 係 や 、 安 全 保 障 上 の 配 慮 等 の 関 係 も あ る こ と か ら 、 38 号 ( 56 )
情 報 公 開 を す る 上 で は 何 ら か の 法 規 が 必 要 で あ ろ う と い う 議 論 に な り 、 こ こ で は ﹁ 必 要 な 法 規 を 整 備 し た 上 で ﹂ と 書 か れ て お り ま す 。 こ の ﹁ 法 規 ﹂ の 意 味 に つ き ま し て は 、 後 ほ ど 法 制 局 か ら 説 明 さ せ て い た だ き ま す 。 そ の 後 、 事 故 調 委 員 会 法 が 失 効 す る 一 〇 月 二 九 日 ま で に 調 査 資 料 は 国 会 図 書 館 に 引 き 継 が れ ま し た が 、 先 生 方 御 承 知 の と お り 、 一 一 月 一 六 日 に 衆 議 院 が 解 散 さ れ 、 総 選 挙 が 行 わ れ た こ と も あ っ て 、 情 報 公 開 に 関 す る 法 規 は 整 備 さ れ ず 、 今 回 、 議 運 の 理 事 会 に お い て 問 題 提 起 が な さ れ た 次 第 で ご ざ い ま す 。 最 後 に 、 本 件 資 料 の 取 り 扱 い に つ い て 、 去 る 四 月 八 日 の 原 子 力 問 題 特 別 委 員 会 に お い て 事 故 調 の 元 委 員 長 、 委 員 に 対 す る 参 考 人 質 疑 が 行 わ れ た 際 に 参 考 と な る や り と り が あ り ま し た の で 、 資 料 四 と し て 関 係 箇 所 を 抜 粋 し た も の を 配 ら せ て い た だ い て お り ま す 。 特 に 、 資 料 四 の 三 枚 目 で は 、 小 宮 山 先 生 の 質 疑 に 対 し て 、 野 村 元 委 員 か ら 、 情 報 公 開 法 の 対 象 外 で あ る こ と は 法 律 上 明 確 で あ る 、 相 手 方 に 対 し て 、 永 遠 に 開 示 さ れ な い と い う こ と を 前 提 に 聴 取 し て い る も の が あ る の で 、 そ の 約 束 を 遵 守 し て も ら い た い 、 国 会 で 何 ら か の 対 応 を さ れ る 際 に は 自 分 た ち の 参 考 意 見 も 聴 取 し て ほ し い と の 発 言 が な さ れ て お り ま す 。 な お 、 念 の た め で す が 、 事 故 調 は 、 両 院 の 議 運 合 同 協 議 会 の も と に 設 置 さ れ た 経 緯 も あ り 、 資 料 の 公 開 に 当 た っ て は 参 議 院 と の 協 議 も 必 要 に な る と 思 わ れ ま す の で 、 よ ろ し く お 願 い い た し ま す 。 以 上 、 簡 単 で は ご ざ い ま す が 、 事 故 調 資 料 に 関 す る こ れ ま で の 経 緯 に つ い て 説 明 さ せ て い た だ き ま し た 。 ○ 大 滝 国 立 国 会 図 書 館 長 ︵ 当 該 資 料 の 概 要 及 び 対 応 に つ い て ︶ 国 立 国 会 図 書 館 が 引 き 継 い だ 国 会 事 故 調 文 書 の 概 要 及 び こ れ ま で の 国 立 国 会 図 書 館 の 対 応 に つ い て 御 説 明 ( 57 ) 38 号
い た し ま す 。 国 立 国 会 図 書 館 で は 、 平 成 二 四 年 一 〇 月 二 九 日 に 、 国 会 事 故 調 が 保 有 し て い た 文 書 を 国 会 事 故 調 か ら 引 き 継 ぎ ま し た 。 分 量 は 、 段 ボ ー ル 七 七 箱 と 、 電 子 フ ァ イ ル を お さ め た ハ ー ド デ ィ ス ク 一 個 で ご ざ い ま す 。 段 ボ ー ル 箱 に は 、 紙 資 料 と C D 、 D V D 等 が 含 ま れ て お り ま す 。 引 き 継 い だ 文 書 の 内 容 で す が 、 第 一 の グ ル ー プ と し て 、 国 会 事 故 調 か ら の 要 求 に 応 じ て 府 省 、 企 業 等 か ら 提 出 を 受 け た 資 料 、 ヒ ア リ ン グ の 際 に 提 出 を 受 け た 資 料 、 ヒ ア リ ン グ の 記 録 、 住 民 ア ン ケ ー ト や 従 業 員 ア ン ケ ー ト に 関 す る 資 料 等 が 全 体 の 四 分 の 三 程 度 を 占 め て お り ま す 。 ま た 、 第 二 の グ ル ー プ と し て 、 調 査 過 程 で 国 会 事 故 調 が み ず か ら 作 成 し た 文 書 等 が ご ざ い ま す 。 引 き 継 い だ 文 書 の 箱 等 に は 、 国 会 事 故 調 事 務 局 長 名 の 注 意 喚 起 の 文 書 が 付 さ れ て お り 、 そ の 中 に 、 留 意 事 項 と し て 、 外 部 か ら 取 り 寄 せ た 資 料 等 及 び 聴 取 結 果 報 告 書 に つ い て は 、 非 公 表 を 前 提 と し て 入 手 し 、 ま た は 聴 取 を 実 施 し た も の で あ る た め 、 原 則 と し て 非 公 開 と す る よ う に 求 め て お り ま す 。 ま た 、 資 料 提 供 元 と の 間 で 資 料 の 公 表 に つ い て 特 段 の 取 り 決 め が あ る も の が あ る こ と も 記 さ れ て お り ま す 。 第 一 の グ ル ー プ の 文 書 フ ァ イ ル は 、 秘 匿 性 に 応 じ て 、 S 、 A 、 B 、 C の 分 類 が 付 さ れ て お り ま す 。 こ れ は 国 会 事 故 調 に お い て 付 さ れ た も の で ご ざ い ま す 。 こ れ は 資 料 五 を ご ら ん い た だ け れ ば と 思 い ま す 。 S 分 類 は 、 核 物 質 防 護 、 安 全 保 障 等 の 観 点 か ら 国 家 機 密 に か か わ り 、 特 に 秘 匿 性 が 高 い と 思 わ れ る 資 料 、 A 分 類 は 、 S 以 外 で 国 家 機 密 ま た は 企 業 秘 密 に か か わ り 秘 匿 性 が 高 い と 思 わ れ る も の 、 B 分 類 は 、 個 人 情 報 を 含 む も の 、 ま た は 個 人 名 が 特 定 さ れ る 可 能 性 の あ る も の 、 C 分 類 は 、 そ れ 以 外 の も の と さ れ て お り ま す 。 38 号 ( 58 )
こ れ ま で 国 会 事 故 調 文 書 に 関 す る 開 示 の 求 め は 数 件 ご ざ い ま し た が 、 開 示 の 対 象 と な る 文 書 に 当 た ら な い も の で あ る と 回 答 し て お り ま す 。 具 体 的 に は 、 館 長 が 定 め た 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 規 則 に 基 づ き 、 立 法 及 び 立 法 に 関 す る 調 査 に 係 る 文 書 で あ る た め 、 開 示 対 象 と な る 文 書 か ら は 除 外 さ れ る と い う こ と で ご ざ い ま す 。 こ れ は 、 事 務 文 書 開 示 規 則 が 館 長 限 り で 定 め ら れ た も の で あ り 、 立 法 関 係 文 書 の 開 示 に つ い て は 国 立 国 会 図 書 館 長 の 裁 量 の 範 囲 を 超 え る も の と 考 え ら れ る た め で ご ざ い ま す 。 以 上 で ご ざ い ま す 。 ○ 橘 衆 議 院 法 制 局 法 制 企 画 調 整 部 長 ︵ 当 該 資 料 の 開 示 に 当 た っ て の 法 的 手 続 等 に つ い て ︶ た だ い ま の 衆 議 院 事 務 局 及 び 国 立 国 会 図 書 館 か ら の 御 報 告 を 受 け ま し て 、 い わ ゆ る 国 会 事 故 調 か ら 国 立 国 会 図 書 館 が 引 き 継 が れ た 調 査 資 料 を 開 示 す る た め に ど の よ う な 法 規 整 備 が 考 え ら れ る の か に つ き ま し て 、 事 務 的 及 び 法 制 的 な 立 場 か ら 御 報 告 を 申 し 上 げ さ せ て い た だ き ま す 。 ま ず 、 御 報 告 の 前 提 と し て 、 多 分 に 先 生 方 に は 釈 迦 に 説 法 で あ る と は 存 じ ま す け れ ど も 、 国 会 各 部 局 に お き ま す 情 報 公 開 に 関 す る 法 制 の 現 状 に つ い て 、 あ ら か じ め 御 報 告 を さ せ て い た だ き た い と 存 じ ま す 。 先 生 方 御 承 知 の と お り 、 企 業 秘 密 や 個 人 、 法 人 等 の 個 々 の 情 報 な ど 、 日 々 、 さ ま ざ ま な 行 政 情 報 を 入 手 し て お ら れ る 国 の 行 政 機 関 や 独 立 行 政 法 人 に つ き ま し て は 、 行 政 機 関 情 報 公 開 法 及 び 独 法 情 報 公 開 法 と い っ た 法 律 が 制 定 さ れ 、 そ の 保 有 す る 情 報 の 開 示 請 求 の 手 続 や 、 開 示 情 報 あ る い は 不 開 示 情 報 、 例 え ば 、 個 人 情 報 で あ る と か 、 法 人 の 企 業 秘 密 で あ る と か 、 行 政 機 関 内 部 の 意 思 形 成 過 程 に 関 す る 内 部 情 報 と か 、 そ う い う 不 ( 59 ) 38 号
開 示 情 報 の 区 別 が な さ れ 、 ま た 、 不 開 示 決 定 に 対 し て は 、 不 服 審 査 の 制 度 に 関 す る 規 定 な ど が 詳 細 に 整 備 さ れ て い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 こ れ に 対 し て 、 国 会 の 各 議 院 の 保 有 す る 情 報 に つ き ま し て は 、 一 つ と し て 、 そ の 多 く が 、 委 員 会 や 本 会 議 で の 先 生 方 の 御 議 論 に 関 す る 情 報 で あ っ て 、 こ れ ら は 基 本 的 に 会 議 録 等 と し て 公 開 さ れ て い る も の で あ る こ と 、 二 つ 目 と し て 、 そ れ 以 外 の 立 法 過 程 に 関 す る 情 報 や 資 料 は 、 基 本 的 に 、 私 ど も 事 務 方 と い う よ り は 、 先 生 方 国 会 議 員 や 各 会 派 の 政 策 決 定 過 程 に 関 す る 情 報 で あ っ た り 、 あ る い は 国 会 運 営 に 関 す る 情 報 で あ っ た り す る な ど 、 事 務 局 保 有 の 情 報 と い う よ り も 、 先 生 方 、 各 会 派 御 自 身 の 資 料 と 評 価 す る べ き も の が 少 な く な く 、 一 般 的 な 開 示 に な じ ま な い も の と 思 わ れ る こ と な ど に 鑑 み ら れ て 、 こ れ ま で 、 先 生 方 に お か れ て 、 独 立 し た 情 報 公 開 法 が 制 定 さ れ て こ な か っ た も の と 思 料 し て お り ま す 。 こ の こ と は 、 も う 一 つ の 国 家 機 関 で あ り ま す 裁 判 所 に つ い て も 同 様 で 、 公 開 の 法 廷 で 行 わ れ る 裁 判 所 の 活 動 の ア ウ ト プ ッ ト と い う も の は 判 決 に 記 さ れ て お り 、 こ れ に 関 す る 訴 訟 記 録 な ど は 別 途 公 開 さ れ て い る こ と や 、 そ れ に 至 る 評 議 の 過 程 な ど に つ い て は 、 一 般 に 開 示 に な じ ま な い と い っ た も の で あ る こ と か ら 、 や は り 、 独 立 し た 情 報 公 開 法 が 制 定 さ れ て こ な か っ た も の と 推 察 さ れ ま す 。 し か し 、 他 方 に お い て は 、 国 会 事 務 局 各 部 署 に お い て 保 有 す る 情 報 の 中 で も 、 先 生 方 と の 関 連 で 非 常 に 密 接 な 立 法 調 査 情 報 以 外 の 情 報 、 例 え ば 、 人 事 や 予 算 、 設 備 な ど に 関 す る 庶 務 的 、 管 理 的 な 事 務 に 関 す る 文 書 に つ い て は 、 行 政 機 関 が 保 有 す る 同 種 の 資 料 と 異 な る 取 り 扱 い を す る 理 由 は な い と 考 え ら れ ま す と こ ろ か ら 、 衆 議 院 、 参 議 院 、 国 立 国 会 図 書 館 と も に 、 行 政 機 関 情 報 公 開 法 の 趣 旨 を 踏 ま え て 、 そ れ ぞ れ 、 事 務 総 長 決 定 、 あ る い は 、 先 ほ ど も お っ し ゃ い ま し た よ う に 、 国 立 国 会 図 書 館 長 決 定 等 の 法 形 式 を と り な が ら 、 現 実 に は 情 38 号 ( 60 )
報 公 開 さ れ て い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 な お 、 こ の こ と は 、 裁 判 所 に お い て も 同 様 で あ り 、 最 高 裁 事 務 総 長 依 命 通 達 と い う 法 形 式 で 、 司 法 行 政 文 書 が 開 示 さ れ て い る と こ ろ と 伺 っ て お り ま す 。 さ て 、 以 上 の 現 行 法 制 を 前 提 と し た 上 で 、 今 回 、 国 立 国 会 図 書 館 が 引 き 継 ぎ を 受 け ら れ た 国 会 事 故 調 の 調 査 関 係 資 料 に つ い て 考 え て ま い り た い と 存 じ ま す 。 今 回 の 国 会 事 故 調 の 調 査 関 係 資 料 は 、 従 来 の よ う な 事 務 総 長 や 国 立 国 会 図 書 館 長 決 定 と い っ た 法 形 式 の 対 象 と し て い る 事 務 的 文 書 と は 性 質 を 異 に し 、 ま さ に 、 国 の 行 政 機 関 が そ の 行 政 活 動 の 中 に お い て 入 手 、 保 有 す る よ う な 文 書 に 類 す る も の と 言 う こ と が で き る か と 存 じ ま す 。 そ の 意 味 で は 、 事 務 総 長 や 国 立 国 会 図 書 館 長 限 り で 開 示 、 不 開 示 の 決 定 ル ー ル を な し 得 る こ と が で き る よ う な も の の 範 囲 、 あ る い は そ の 裁 量 の 範 囲 を 超 え る も の で は な い か と い う こ と で ご ざ い ま す 。 こ の よ う な こ と に 鑑 み ら れ て 、 両 院 議 運 合 同 協 の 先 生 方 に お か れ ま し て は 、 先 ほ ど の 向 大 野 次 長 の 御 説 明 の 際 に 言 及 さ れ ま し た 資 料 一 の 四 の 二 に 記 載 さ れ て い る よ う に 、 ﹁ 必 要 な 法 規 を 整 備 し た 上 で ﹂ と 明 記 さ れ て 、 国 立 国 会 図 書 館 長 決 定 の 国 立 国 会 図 書 館 事 務 文 書 開 示 規 則 、 先 ほ ど 館 長 が 言 及 さ れ た 規 則 で ご ざ い ま す が 、 こ れ の 範 疇 を 超 え る も の と し て 、 両 院 議 運 の 先 生 方 あ る い は 国 会 そ れ 自 身 が 関 与 す る 別 の 法 規 範 形 式 で も っ て 、 そ の 開 示 に 関 す る ル ー ル を 定 め る の が ふ さ わ し い と 判 断 さ れ た も の と 思 料 し ま す 。 そ れ で は 、 次 に 、 そ の よ う な 法 規 を 整 備 す る 際 に ど の よ う な 法 形 式 が 考 え ら れ る の か で あ り ま す け れ ど も 、 論 理 的 に 考 え ら れ る 方 法 と し て は 、 大 き く 二 つ の も の が あ り 得 る か と 存 じ ま す 。 ま ず 、 一 つ は 、 行 政 機 関 情 報 公 開 法 な ど と 同 様 に 、 法 律 の 形 式 で 、 こ の 国 会 事 故 調 の 調 査 資 料 の み を 対 象 ( 61 ) 38 号
と し た 法 整 備 を す る こ と で ご ざ い ま す 。 二 つ 目 は 、 こ れ に 対 し て 、 両 院 の 議 長 が 議 院 運 営 委 員 会 の 議 決 を 経 て 協 議 し て 定 め る 両 院 議 長 協 議 決 定 の よ う な 法 形 式 、 あ る い は 、 議 運 の 議 決 が 必 要 な 国 会 図 書 館 規 程 、 先 ほ ど の 規 則 と は 別 の 法 形 式 に な り ま す が 、 そ の よ う な 形 式 も 論 理 的 に は あ り 得 る か と 存 じ ま す 。 こ の う ち の い ず れ の 法 形 式 を 選 択 す る べ き か 、 あ る い は 選 択 し な け れ ば な ら な い か に つ い て は 、 基 本 的 に 、 開 示 し よ う と す る 情 報 や 資 料 の 範 囲 と 密 接 に 関 係 し て ま い る よ う に 思 料 い た し ま す 。 先 ほ ど の 国 立 国 会 図 書 館 長 か ら の 御 説 明 で は 、 引 き 継 ぎ を 受 け ら れ た 国 会 事 故 調 の 調 査 資 料 は 、 一 つ 、 外 部 か ら の ヒ ア リ ン グ 資 料 や 提 出 資 料 に つ い て は 、 そ の 秘 匿 性 の レ ベ ル に 応 じ て 、 S 、 A 、 B 、 C な ど に 分 類 さ れ て い る こ と や 、 も う 一 つ 、 一 部 の 資 料 に は 、 公 開 し て く れ る な と い う 相 手 方 の 、 情 報 公 開 法 の 用 語 で 言 い ま す と 、 い わ ゆ る 非 公 開 特 約 つ き 情 報 、 こ れ な ど も あ る と の こ と で ご ざ い ま し た 。 こ れ を 前 提 に い た し ま す と 、 例 え ば 、 秘 匿 性 の 弱 い C の 資 料 の う ち 非 公 開 特 約 の な い も の 、 具 体 的 に は 、 事 故 調 報 告 書 の 注 記 な ど に 引 用 さ れ た 部 分 で 既 に 言 及 さ れ て い る も の や 、 国 会 事 故 調 み ず か ら の 作 成 し た 資 料 の う ち 機 密 性 の 少 な い も の 、 先 ほ ど の 館 長 の 御 説 明 で は 第 二 グ ル ー プ と い う こ と に な り ま し ょ う か 、 こ れ ら に つ い て 開 示 す る と い う こ と に な っ た 場 合 に は 、 そ の 開 示 に よ っ て 特 段 の 不 利 益 を 受 け る 者 が い な い と 思 わ れ ま す の で 、 そ の 開 示 、 不 開 示 の ル ー ル に つ き ま し て は 、 今 申 し 上 げ ま し た 、 考 え ら れ る 類 型 の う ち の 第 二 類 型 、 両 院 議 長 協 議 決 定 の よ う な 国 会 内 部 の 法 規 範 の 形 式 で 定 め る こ と も あ り 得 る 選 択 肢 で は な い か と 思 わ れ ま す 。 も ち ろ ん 、 こ れ を 対 象 と し て 、 法 律 と い う 、 よ り 強 力 な 規 範 で 定 め る こ と は 、 排 斥 さ れ な い か と 存 じ ま す 。 こ れ に 対 し て 、 一 定 の 機 密 を 含 む も の や 非 公 開 特 約 つ き の 資 料 に つ い て も 、 先 ほ ど 向 大 野 次 長 が 御 紹 介 さ 38 号 ( 62 )
れ ま し た 、 小 宮 山 先 生 の 御 質 問 に 対 す る 野 村 元 委 員 の 御 発 言 に あ り ま し た よ う に 、 未 来 永 劫 開 示 し て く れ る な と い っ た よ う な 情 報 が 例 え ば あ っ た と し て も 、 そ の よ う な 資 料 に つ い て も 、 国 会 の 先 生 方 の 御 判 断 で 、 そ れ を 開 示 す る こ と に よ っ て 惹 起 す る 特 定 の 私 人 や 企 業 の 不 利 益 と 、 そ の 開 示 に よ っ て 得 ら れ る 原 発 事 故 検 証 と い う 公 益 性 と を 比 較 考 量 、 総 合 勘 案 さ れ た 上 で 、 例 え ば 、 一 定 期 間 経 過 後 に お い て は 、 こ れ を よ り 公 益 性 に 資 す る と い う 観 点 か ら 、 開 示 す る と い っ た 政 策 判 断 を 行 う こ と は あ り 得 る こ と か も し れ ま せ ん 。 た だ 、 そ の よ う な 場 合 に お い て は 、 特 定 の 個 人 や 企 業 に と っ て は 、 そ の 開 示 ル ー ル は 不 利 益 を 課 す る 法 規 範 と い う こ と に な っ て し ま い ま す か ら 、 憲 法 四 一 条 の 趣 旨 に 照 ら し て 、 当 然 に 法 律 の 形 式 を と ら ざ る を 得 な い と い う こ と に な る か と 思 料 い た し ま す 。 以 上 の よ う に 、 衆 議 院 事 務 局 及 び 衆 議 院 法 制 局 並 び に 国 立 国 会 図 書 館 の 見 解 と し て は 、 事 故 調 文 書 の 開 示 に あ た っ て は 、 法 的 根 拠 が 必 要 で あ り 、 現 在 の 国 会 の 情 報 公 開 制 度 が 事 務 総 長 決 定 若 し く は 国 立 国 会 図 書 館 長 決 定 に よ っ て い る こ と か ら 、 各 々 そ の 権 限 が な く 、 国 会 に お い て 開 示 に 関 す る ル ー ル を 整 備 し な い 限 り 、 そ の 開 示 は で き な い と い う こ と で あ る 。 し か し な が ら 、 国 会 事 故 調 報 告 書 を 構 成 す る ヒ ア リ ン グ や ア ン ケ ー ト な ど の 調 査 資 料 等 が 未 来 永 劫 公 開 さ れ な い と な る と 、 国 会 事 故 調 報 告 書 の 歴 史 的 検 証 が で き ず 、 報 告 書 の 正 当 性 に も 大 き く 疑 問 が 残 る こ と に な る 。 実 際 に も 報 告 書 の 記 述 の 注 が ﹁ 担 当 者 ヒ ア リ ン グ ﹂ 、 ﹁ 東 電 資 料 ﹂ 、 ﹁ 電 事 連 資 料 ﹂ と な っ て い る 箇 所 も 少 な く な く 、 公 開 の 委 員 会 に お け る 意 見 陳 述 で あ れ ば 会 議 録 も 残 さ れ て い る が 、 非 公 開 で の ヒ ア リ ン グ や 非 公 開 の 資 料 か ら の 引 用 等 と な る と そ の 資 料 自 体 が 非 公 開 な の で 、 ど こ ま で 正 確 な 情 報 な の か が 不 明 で あ る 。 ( 63 ) 38 号
こ の 件 に 関 し て も 、 平 成 二 五 年 四 月 八 日 の 衆 議 院 原 子 力 問 題 調 査 特 別 委 員 会 に お い て 、 小 宮 山 泰 子 委 員 の 質 疑 に 対 し 、 野 村 修 也 元 国 会 事 故 調 委 員 は 、 ﹁ 聴 取 を す る と き に 、 相 手 方 に 対 し て 幾 つ か の 類 型 を 示 し て 、 こ れ に つ い て は 永 遠 に 開 示 さ れ な い も の と い う こ と を 前 提 と し て 聴 取 し て い る も の が ご ざ い ま す の で 、 こ れ に つ い て は そ の 約 束 を 遵 守 し て い た だ き た い ﹂ 、 ﹁ 何 ら か の 対 応 を さ れ る の で あ れ ば 、 ぜ ひ そ の 際 に も 、 私 ど も の 方 の 参 考 の 意 見 を 聴 取 し て い た だ き た い と い う ふ う に 思 う ﹂ と 述 べ て お り 、 将 来 的 な 開 示 に も 否 定 的 な 見 解 を 示 し て ︵ 42 ︶ い る 。 当 然 、 S 分 類 と さ れ て い る 核 物 質 防 護 、 安 全 保 障 等 の 観 点 か ら 国 家 機 密 に 関 わ る 特 に 秘 匿 性 の 高 い 資 料 や 、 A 分 類 の 国 家 機 密 又 は 企 業 秘 密 と し て 秘 匿 性 が 高 い 資 料 は 十 分 な 配 慮 や 検 討 が 必 要 で あ る が 、 B 分 類 で 個 人 情 報 を 含 む よ う な 資 料 で あ れ ば そ の 部 分 を 伏 せ た 形 で の 開 示 を 検 討 す べ き で あ る し 、 そ れ 以 外 の C 分 類 で あ れ ば 行 政 機 関 情 報 公 開 法 の 不 開 示 ︵ 43 ︶ 情 報 に 該 当 し な い の で あ れ ば 開 示 さ れ る べ き で あ る と 考 え る 。 五 む す び 以 上 、 本 稿 に お い て は 国 会 事 故 調 の 意 義 及 び 今 後 の 課 題 に つ い て 検 討 し た 。 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 は 終 わ っ て い な い 。 そ し て 、 こ の 事 故 が ﹁ 人 災 ﹂ で あ る と 指 摘 し た 国 会 事 故 調 の 報 告 書 は 既 に 国 会 の 手 に 渡 っ て い る の で あ る 。 国 会 事 故 調 の 活 動 の キ ー ワ ー ド は ﹁ 国 民 ﹂ ﹁ 未 来 ﹂ ﹁ 世 界 ﹂ 、 そ の 使 命 は ﹁ 国 民 に よ る 、 国 民 の た め の 事 故 調 査 ﹂ ﹁ 過 ち か ら 学 ぶ 未 来 に 向 け た 提 言 ﹂ ﹁ 世 界 の 中 の 日 本 と い う 視 点 ︵ 日 本 の 世 界 へ の 責 任 ︶ ﹂ で あ る 。 憲 政 史 上 初 め て 国 会 に 設 置 さ れ た 第 三 者 に よ る 独 立 調 査 委 員 会 な の で 、 こ の よ う な 前 例 の な い 報 告 書 へ の 対 処 は 、 先 例 を 重 ん じ る 国 会 に お い て は 非 常 に 困 難 な 対 応 を 迫 ら れ て い る こ と は 事 実 で あ ろ 38 号 ( 64 )
う 。 国 会 は 、 早 急 に 報 告 書 に お い て 指 摘 さ れ た 提 言 に 係 る 対 応 を 取 ら な け れ ば 、 事 故 調 法 第 一 条 の ﹁ 国 会 に よ る 原 子 力 に 関 す る 立 法 及 び 行 政 の 監 視 に 関 す る 機 能 の 充 実 強 化 に 資 す る ﹂ と の 目 的 を 達 成 す る こ と は で き ず 、 国 権 の 最 高 機 関 と し て の 権 能 を 自 ら 放 棄 す る に 等 し い と い わ ざ る を 得 な い 。 ま た 、 調 査 資 料 等 の 事 故 調 文 書 の 取 扱 い に つ い て も い ま だ に 法 的 措 置 ・ 検 討 が 取 ら れ て お ら ず 、 貴 重 な 調 査 資 料 等 へ ア ク セ ス が で き な い 状 態 は 大 き な 損 失 で あ る 。 今 後 の 原 子 力 発 電 所 事 故 へ の 対 処 や 、 国 民 、 未 来 、 世 界 へ の 責 任 を 果 た す た め に も 、 国 会 は 一 刻 も 早 く 提 言 の 実 現 に 向 け た 実 施 計 画 を 速 や か に 策 定 し 、 そ の 進 捗 の 状 況 を 国 民 に 公 表 す る と 共 に 、 調 査 資 料 等 の 事 故 調 文 書 の 開 示 に 関 す る ル ー ル を 整 備 す べ き で あ る 。 ︵ 平 成 二 五 年 一 一 月 二 五 日 脱 稿 ︶ 注 ︵ 1 ︶ 黒 川 清 ﹁ 国 会 ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 ﹂ と そ の 意 義 ﹂ ﹃ 日 本 原 子 力 学 会 誌 ︵ATOMO Σ ︶ ﹄ 第 五 五 巻 第 三 号 ︵ 二 〇 一 三 年 ︶ 一 四 六 頁 ︵ 2 ︶ 平 成 二 三 年 一 〇 月 七 日 付 け ﹃ 官 報 ﹄ 第 五 六 五 五 号 一 頁 以 下 ︵ 3 ︶ 拙 稿 ﹁ 原 発 事 故 に 対 す る 立 法 的 対 応 ︱ ﹁ 東 京 電 力 福 島 原 子 力 発 電 所 事 故 調 査 委 員 会 法 ﹂ 及 び ﹁ 国 会 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ﹂ の 検 討 ︱ ﹂ ﹃ 法 学 研 究 論 集 ﹄ 第 三 六 号 ︵ 二 〇 一 二 年 ︶ 一 一 五 頁 以 下 ︵ 4 ︶ 塩 崎 恭 久 ﹁ ﹁ 国 会 原 発 事 故 調 査 委 員 会 ﹂ 立 法 府 か ら の 挑 戦 状 ﹂ 東 京 プ レ ス ク ラ ブ 新 書 ︵ 二 〇 一 一 年 ︶ ︵ 5 ︶ 国 会 法 第 一 〇 四 条 各 議 院 又 は 各 議 院 の 委 員 会 か ら 審 査 又 は 調 査 の た め 、 内 閣 、 官 公 署 そ の 他 に 対 し 、 必 要 な 報 告 又 は 記 録 の 提 出 を 求 め た と き は 、 そ の 求 め に 応 じ な け れ ば な ら な い 。 ② 内 閣 又 は 官 公 署 が 前 項 の 求 め に 応 じ な い と き は 、 そ の 理 由 を 疎 明 し な け れ ば な ら な い 。 そ の 理 由 を そ の 議 院 又 は ( 65 ) 38 号