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史料紹介 : 宮川庄三郎文書

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Academic year: 2021

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史 料 紹 介

宮川庄三郎文書

宮川家文書は、1999年12月に購入した文書です。宮川家の居住した近江国坂田郡米原村は、江戸時 代には、高157石余りの彦根藩領の村でした。米原は、北国街道の宿で、南西に広がる入江内湖に向けて 湊がありました。中山道と琵琶湖とを結ぶ目的で、慶長八年(1603)に開かれたものです。本文書は、昨秋 の企画展「江戸時代の米原湊」をきっかけに、当館が所蔵することになりました。 宮川家の当主は、近世には庄三郎(近代には正三郎)を名乗っていました。幕末の米原湊の絵図によれ ば、内湖に近い位置に、間口4間半奥行7間の庄三郎の家を確認できます。 宮川家の家業は近世には船大工でした。その一方で、一艘の?F 船を運送業に用いる経営権を所持し、そ の他数艘の船をレンタルしていたようです。寛政四年(1972)段階で宮川家の所持する船数は全部で11艘 にもなります。江戸時代の琵琶湖に関わる史料を見ていると、船株を持つ「船持」が現れますが、宮川家の 事例からは、船そのものを所持することと、船で運送業を営む権利を保有することとが、別々の権利として通 用していたことがうかがえます。近代に入ると、宮川家は蒸気船の会社を始めます。宮川家は、2艘の蒸気 船を有する湖船会社の株主で、運輸業者と推定される三汀社の経営にも関与していたらしく、これらの会社 の運営に関わる史料がまとまって残されています。 このように、宮川家文書は、近世から近代にかけての湖上交通の実態を知ることのできる、とてもよい史料 をいえます。 (史料館 岩崎奈緒子)

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