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きららむし(二)

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Academic year: 2021

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きららむし(二)

私たちの身近には、思いのほか御家流のくずし字が多くある。普段は何気なく見過ごす飲み屋の看板や提 灯の文字や暖簾の文字は、大抵くずし字になっているものである。それゆえ、その気にさえなれば古文書解 読のための教材にはこと欠かないのである。 例えば食事に出かけた時、もし箸袋があった場合、その袋には次のように書かれている。 常識のある人ならこれが「おてもと」と書いてある筈だと考えるだろう。「お」にあたる字は「御」だと推測でき るから、「御」の字のくずし字が右のようになることに気付くだろう。そして「ぎょうにんべん」のくずし方には、 たて一筆で記す方法があるということにも気付くだろう。「て」と「も」は、右の例では特に問題はないが、難し いのは「と」にあたる文字である。 右の例では、「と」は「登」をくずしたものであり、専門的に言うと「登」は変体がなでは「と」と読むのである。 「登」の文字は「はつがしら」と「まめ」の組み合わせであるから、「はつがしら」のくずし方が右の形だと覚え れば、「豆」の文字を筆順(画数)通りに書かずに右の例のようにくずしても「登」だとわかるのである。なぜな ら「はつがしら」の文字は、他に使用する文字としては癸発ぐらいだから、天・ ( )のくずし方さえ区別すれ ば、適当に「 」と書いても「豆」の字であることを意味することになり、「登」のくずし字だと推定できることにな る。 文字は扁(部首)とつくりから成り立っているので、基本的な部首のくずし方さえ覚えれば、あとはその組み 合わせで考えれば良いことになる。なお「と」の字は、「止」の字をくずしたものである。 企業経営学科 宇佐美英機 『くずし字解読辞典』より

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