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<論文>経営環境とステークホルダー : 企業価値創造との関連で 利用統計を見る

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造との関連で

著者

小椋 康宏

著者別名

Ogura Yasuhiro

雑誌名

経営論集

55

ページ

59-73

発行年

2002-03-23

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005532/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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経営環境とステークホルダー

―企業価値創造との関連で― 小 椋 康 宏 1 問題の所在 2 経営環境の経営学的定義 3 経営環境におけるステークホルダーの位置 4 経営環境に対する財務論的枠組み 5 事例:環境報告書に対する企業の取り組み 6 結び 1 問題の所在 経営体を取り巻く環境は大きな変革をもたらしてきており、21世紀の企業像・経営像を考えるう えで重要な要因となってきたといえる。他方、経営体の中身については20世紀の経営学の展開のな かで明確になってきた。それはとくに経営体がプロの集団としてとらえられ、しかも経営体はプロ 経営者がリードする組織体として経営社会に対し社会的責任を担っているということである(1) 今日の経営体はステークホルダーとの関係をいわゆる対境関係としてとらえ、ステークホルダー の行動原理の変革に対応できる行動原理が要求されているといえる。経営体は経営社会の一構成メ ンバーとして経営という職務を遂行するということである。経営体が生産組織体としての基本的性 格は変わらないが、経営体自体が新たな経営環境の変革に対して自己革新する必要がある。それは 今日の経営体が経営社会の変革から大きな影響を受けているし、経営社会に対しても大きな影響を 与えているということでもある。 以上のような状況のもとで、経営体がどのような社会的責任を持ち、どのような方向を目指して 行動しているのかについてその経営原理を通して明らかにすることは意味のあるところである。こ れらの問題に接近するために本稿では次のような順序で検討することにする。最初に、経営環境の 経営学的とらえ方についてとりあげる。経営環境は概念的には無限の広がりをもっており、われわ れは経営学の方法的枠組みのなかで経営環境を位置づける。次に、経営環境における具体的経営課 題としてステークホルダー論に接近し、経営体との関連でステークホルダーの経営学的位置づけを 考える。続いて、経営体の具体的行動原理として経営意思決定を実践する場合における財務行動原 理の枠組みとして、経営環境に対する財務論的視点からみた枠組みを明らかにする。この枠組みは

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経営体の行動原理すなわち経営意思決定原理においてきわめて有効な方法を与えていることを明ら かにする。最後に、今日、日本企業で取り組みつつある環境報告書を通して、環境報告書の意味を 経営実践学的観点より明らかにする。環境報告書は経営体がステークホルダーに対し提供する経営 情報の重要な部分を表していると考えるからである。 以上のようにして、本稿では経営環境とステークホルダーについて経営実践学的観点から明らか にするのであるが、その根底にある経営実践原理は企業価値創造という経営理念をもとにしている。 経営学の基本をどこにおくかについてはあらためて検討する課題であるが、ここでは資本すなわち 財務の視点を活かしつつ、以下検討を加えることにする(2) 2 経営環境の経営学的定義 2-1 経営環境の意義と領域 21世紀における経営体を取り巻く経営環境は、外部環境であるステークホルダーとしての経営環 境と地球環境といった新しい経営環境領域がある(3)。もちろん経営体そのものもステークホルダー としてとらえるところから経営体そのもののなかにある従業員に関する問題は内部環境である経営 環境領域の重要な領域のひとつである。 経営環境をどのようにとりあげるかについては、われわれは経営実践学の立場からその主体者で ある経営体を明確にする必要があると考えてきた。経営体の維持・成長がまず経営体をリードする 経営者の第一義的社会責任である。経営者は経営体の内部と外部に経営環境をもち、経営体と外部 経営環境のそれぞれの環境主体との関係を対境関係ととらえ、経営活動を行うのである(4)。その結 果、経営環境論が対象とする領域は、広義の経営環境として、第1に経済的環境があり、第2に経 営的環境(狭義)があり、第3に社会的環境があり、第4に政治的環境があり、第5に自然科学的 環境があり、第6に、文化的環境がある(5) このような経営環境を経営体からとりあげるわけであるが、21世紀企業像・経営像の中で新しい 経営原理を基本にした経営環境論を展開することになる。経営環境論を経営実践学のなかで定義づ ける意義は、20世紀で展開してきた経営学を新しい21世紀の経営学につなげていく過程のなかで経 営意思決定に経営環境を組み込むことになる。地球規模にわたって拡がっている経営活動はこのよ うな経営環境の拡がりに対しても積極的な経営活動を必要とするのである。21世紀における経営環 境問題は現代経営者論との関連で明確にすることであり、そのことによって、われわれは、経営実 践原理を明確にすることができる。

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2-2 経営環境の課題 経営環境の課題を取り上げる場合、経営体・経営者の経営原理としての意味が重要である。経営 体は経営自主体として経営社会のなかで生きて活動する組織体である。経営体が今日の経営環境と どのように関連しているのかについて、経営体・経営者の主体理論のなかに取り上げられる課題で あるといえる。 経営環境としてのステークホルダーにおける変革と新たに地球環境にもとづく経営環境の拡がり は、経営環境の課題の優先順位を複雑にしており、そのために経営実践学でとりあげる課題の実践 的意味をより重要なものにしている。経営体は経営実践学においてその時代的影響を受けており、 理念としての経営体であり、その経営原理をあきらかにすることによって経営目標を提示し、経営 実践を行ってきたといえる。 経営環境の課題を整理するためには、前項でとりあげた6つの環境の具体的特性を考える必要が ある。これらの具体的課題については、第5節で事例として紹介する課題を通じて検討しておこう。 ステークホルダーの現在的位置はその行動原理において急激な変革を遂げているといえる。そこに 今日のステークホルダー論の重要性がある。 ステークホルダー論の学説的展開についてはいくつかの文献が紹介されている。たとえば桜井克 彦教授は、ステークホルダー指向の企業経営をめぐる理論について考察される。桜井教授の見解で は、ステークホルダー指向の企業経営が存在しうるためには、ステークホルダー指向のコーポレー ト・ガバナンスの展開がみられる必要があることを指摘したわけである(6)。企業価値創造の経営原 理がどのようにステークホルダーに理解され、経営実践の場で経営原理として機能していくかが重 要である。他方、水村典弘氏のステークホルダー論は、「利害関係者」をめぐっての方法的考察で あった(7)。いずれにしても経営体を取り巻く外部環境・内部環境であるステークホルダーが21世紀 企業・経営体と大きな関係を持ち、経営体に影響力をもたらしているということである。われわれ の見解では、ステークホルダー論に対しても主体である経営体の経営原理として明らかにすること をねらっている。そのためには経営実践のデータの積み上げが重要であると考えている。 3 経営環境におけるステークホルダーの位置 3-1 経営環境におけるステークホルダーの基本的考え方 経営環境におけるステークホルダー論は基本的には「対境理論」として考えてきた。対境理論は 山城章によって主張されたものであり、経営環境におけるステークホルダーとの関係原理はこの対 境理論に基づいている(8) 経営体は環境主体とそれぞれの立場を主張しながら経営活動を行うのである。経営体は社会的存

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在としての経営社会を意味している。経営体から見た外部の経営環境はステークホルダーとして考 えることになり、経営体と多くのステークホルダーとしての環境主体となる。

 ところで、通常、経営体とステークホルダーとの関係は次のような関係図で説明されてきた。 シャーマーホーン(J.R.Schermerhorn、Jr)のものでは、企業に対しステークホルダーからの主張の 圧力が示されてきた(9)。エムリー、フィナティ、ストーエ(D.R.Emery, J.D.Finnerty & J.D.Stowe) のものでは会社とステークホルダーとがちょうど対境関係にある表わし方になっている(10) シャーマーホーンの関係図にある従業員と株主のステークホルダーの位置については参考になる。 すなわちステークホルダーとして従業員を取り上げていること、また株主の背後には公共の利害者 集団が存在していることである。

図1 企業の外部環境における多数のステークホルダー

出所:J. R. Schermerhorn, Jr., Management, 5th ed., John Wiley & Sons, 1996. P.115. 企 業 競争企業 労働組合 政 府 政 党 外国政府 公共の利害者 集団 従業員 株 主 供給者 顧 客 経営教育機関 金融機関 裁判所および 法的機関

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図2 会社の一連の契約モデル

出所:D. R. Emery, J. D. Finnerty & J. D. Stowe, Principles of Financial Management, Prentice-Hall, 1998. p.15.

3-2 経営環境におけるステークホルダーの位置 経営環境におけるステークホルダーの位置は前項のところでみることができる。 経営環境を経営実践学として取り上げる場合、それぞれステークホルダーとして位置づけ、経営 体がそれぞれ個別に対応することが現代のステークホルダー論であるといえる。それぞれのステー クホルダーは経営体からみたステークホルダー同士の対境関係も考えることができる。したがって、 経営実践の問題としては、ステークホルダーの位置づけをまず明確にしておく必要がある。 このステークホルダーの位置づけはステークホルダーの時代的背景による内容の特定化が必要で ある。環境主体のそれぞれが主体的に経営体との対境関係を営むところが経営実践の場となるので ある。 経営環境のステークホルダーに環境主体として必ずしも入らない場合であっても、地球環境と いった問題については新しい経営環境問題として21世紀企業・経営体のなかで積極的に問題解決す る必要がある。 経営者 社債権者 供給者 社 会 普通株主 環 境 従業員 会 社 銀 行 短期債権者 地域社会 優先株主 政 府 顧 客

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3-3 経営環境における内部環境の位置 経営環境における内部環境については、ここでは、従業員・経営者・管理者を含めた経営体その ものを考えてよい。とくに従業員の行動原理を内部環境の中に位置づけており、21世紀企業・経営 像のなかでは、企業文化に代表される内容を考えている。個人尊重の経営と集団主義による企業経 営の一体化のなかに新しい日本的経営論が存在するであろうし、また国籍・民族・事業形態の相違 による経営実際を経営原理の基本とつなげることによって生み出されてくる経営実践のなかから、 日本的経営学の経営原理が明確化されることになろう。ここに経営環境の内部環境で議論される企 業文化論が新しい経営学のなかに組み込む必要があろう。経営体そのものの経営活動・経営実践の なかにこの新しい企業文化論の展開があるといえよう(11) 4 経営環境に対する財務論的枠組み 4-1 経営体を取り巻く制約要因 経営体を取り巻くステークホルダーを財務の視点からみると、われわれはステークホルダーを二 つに区分して明らかにしてみたい。この問題をはっきりさせるために、まず財務論の枠組みではど のようになっているのか企業価値と関連づけてその全体構造を考えてみよう。 財務論の枠組みでは次のように説明される。ここではブリガム、ガペンスキー(E.F.Brigham & L.C.Gapenski)の説明をみてみよう(12)。まず企業の目的は株価の最大化である。株価の決定要素は 期待収益性、キャッシュ・フローのタイミングおよびリスクの程度である。経営者は外部要因の制 約のもとで戦略的意思決定を行うことになる。 ステークホルダーのうち自己資本を提供する株主と負債資本を提供する金融機関を除いて、経営 体がまずそれらの環境主体であるステークホルダーに対し経営活動することになる。つまりこの経 営活動は株価最大化の経営目標を遂行する前に問題解決がなされるということである。これらのス テークホルダーの要求に対しあらかじめ問題解決するということは経営環境の変化に対応する必要 性があり、実際の経営実践においてはこのハードルは通常高くなるといえる。 これらのステークホルダーとの経営活動を処理したうえで、金融・資本市場の評価を受けること になる。金融・資本市場での経営体の評価は今日の経営環境のもとでは強い圧力を経営体側に与え ているといえる。加えて、経営体自体からの金融・資本市場に対する経営財務政策が金融・資本市 場によって要求されることになる。この経営財務政策は経営体自体の存続を守るものであって、株 式償却政策、経営情報開示等の政策がある(13)

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図3 株価に影響を与える主要要因の要約

出所:E. F. Brigham & L. C. Gapenski, Financial Management - Theory and Practice, 8th ed., The Dryden Press, 1997, P.27. 4-2 経営体の意思決定要因 経営体の意思決定要因は、経営体本来の経営目標にもとづいて行う経営活動のなかにみることが できる。経営体の目標を具体化する場合、本稿でとりあげてきたステークホルダーと関連して意思 決定要因を整理することができる。 経営体はそれぞれステークホルダーに対し制約要因として各ステークホルダーとの要求に対し独 自の主体的行動理論にもとづき、まず経営意思決定過程のなかにとりいれ、それを問題解決したう えで、企業価値を最大化することになる。 たとえば、消費者に対しては製品の安全性とか、従業員に対しては、雇用の確保とか、労働組合 については賃金確保・ワークシェアリング・作業現場の安全性とか、競争企業については競争・提 携の問題とか政府については税金、供給者については安定供給とかの問題であり、これに加えて地 球環境等に関する問題が意思決定要因のなかに組み込まれる。 経営体・経営者による戦略的意思決定はこれらの制約要因との関連で同時的に決定される。した がって、経営体が取り組む経営意思決定は以前にも増してその中身は複雑になり、また制約要因の ハードルは高くなるといってよい(14) 4-3 企業価値創造とステークホルダー 経営体の目標である企業価値創造が21世紀企業像・経営像の原点にある。企業価値創造が経営 体・経営者の社会的責任の遂行につながっている(15)。また企業価値創造が経営体を充実させるこ 外部要因 1.反トラスト法 2.環境規制 3.製品および作業現場 の安全規制 4.従業員の実践規則 5.連邦準備銀行の政策 6.国際開発 7.その他 経営者によって統制される 戦略的意思決定 1.生みだされる製品ある いはサービスの型 2.使用される生産方法 3.研究開発 4.相対的負債による資金 調達の利用 5.配当政策 6.その他 経済活動 および法人税 の水準 期 待 収益性 キャッシュフロー のタイミング リスクの程度 株式市場 の状態 株価

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とになり、経営体は外部環境・内部環境にあるステークホルダーの主張を経営活動のなかでその役 割を具現化するのである。 企業価値創造はすべてのステークホルダーを満足させるものであるということである。つまりス テークホルダーそれぞれの要求は、経営体を主体としてみれば、経営意思決定における制約要因と してみるか、その制約要因を最初の問題解決とした後、企業価値を最大化することによって株主や 債権者等の要求を満足させることになる。われわれの見解では企業価値創造が行動指針としての経 営原理となると考えている。 4-4 経営体と金融・資本市場との対境関係 経営体とステークホルダーである金融・資本市場との対境関係であるが、企業の総市場価値とし ての負債価値の評価と自己資本価値の評価はステークホルダー側の評価となる。これは経営体から みれば、外部評価であり、今日の経営環境のもとでは、その圧力は経営体にとって強力なものに なっている。しかし、経営実践学の観点からみると、経営体そのものの主体的行動にもとづく経営 原理でもって、金融・資本市場と対境関係をもつことである。 このようにして経営体と金融・資本市場との対境関係は最も重要なもののひとつであり、ここに 現代経営における経営原理を理解することができる。企業価値の評価は市場によって決まるが、経 営原理としては経営主体からみた行動指針が存在することである。経営体が主体的に行動すること が経営責任をはたすことになる。 今日、自己資本価値を計算する基礎である株価は基本的に経営体に対し、重要な経営情報を送っ ている。この経営情報は経営体・経営者にとって無視してはならない点である。なぜなら、経営体 の存続は経営体・経営者そのものの力・能力によるものであるが、株価という情報は、その市場が 効率的であろうとなかろうとも、市場の評価として大きな力を生み出すことになるからである。し たがって、経営体・経営者は株価を意識した経営をすることが重要である。この点については、ス テークホルダー論のなかでも理解しておく必要がある(16) 5 事例:環境報告書に対する企業の取り組み ここでは現在の日本企業の中で代表的企業の一つであるS社における環境報告書を手掛かりにし ながら、最近企業側で展開しようとしている経営環境に対する考え方の一端を明らかにしていきた い。 S社の環境報告書2001によると、ビジョン、アクション、サポートシステムおよびデーター集の 4部にわたる72頁からなっている。ここでは本稿ととくに関連をもつビジョンの部を紹介すること

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によって企業の経営環境に対する取り組みをみてみよう。 (1) 環境問題への基本姿勢 S社では、事業活動と地球規模の環境問題との関連を認識することによって、環境問題への基本 姿勢を明らかにする。4つの地球環境問題、①気候変動について、②地球資源について、③化学物 質について、④自然環境について、に対するS社の基本姿勢は今までとは異なる姿勢であるといえ る。ここに S 社の新しい企業理念を理解することができよう。 (2) S社環境ビジョン ここでは、「S社環境ビジョン」で掲げた目標や環境効率のターゲットを達成するため、環境マ ネジメントシステムを活用し、全社員がこの目標達成に取り組んでいるところに特徴を持っている ということができる。 「コミットメント」では、①企業市民として、②新たなビジネスの企画、③研究開発、④製品設 計、⑤製造工程および事業所の管理、⑥流通・販売・マ―ケティングとサービス、⑦使用済み商品 の再資源化、⑧情報開示とコミュニケーション、⑨環境リスクマネジメント・安全衛生マネジメン トをとりあげている。 S社環境ビジョンの全体像は、最上位概念である理念の下にコミットメントがあり、そのビジョ ンとコミットメントを増進するため、技術、教育、ビジネスモデルといった三つの原動力を設けて いる。 S社環境ビジョンの全体像 出所:S社環境報告書2001,P.7

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(3) 環境によるネットワークカンパニー評価 ここで示した環境によるネットワークカンパニー評価についてはその表し方にひとつの考え方を 理解することができる。つまり環境をEVA(経済的付加価値)と並列した目標に位置づけている ことである。この点は財務論的視点からの枠組みとは異なっている。 環境によるネットワークカンパニー評価 出所:S社 環境報告書2001、P.9. (4) 環境経営の仕組み・組織 ここでは環境組織と環境マネジメントシステムをとりあげている。経営全体での位置づけについ ては議論の余地がある。 (5) S社グループの資源収支と環境会計 S社では環境負荷の全体像を把握し、環境負荷の低減効果とそのために必要なコストを定量化す る仕組み全体をいわゆる環境会計と捉えている。この環境会計については別の機会にとりあげる。 目標への進捗を測定するための指標 環境パフォーマンス指標 環境マネジメント指標 「環境」は評価項目全体の1割弱を占めています。さらに「環境」の内容は、 4つの目標 1)商品の環境配慮 2)事業プロセスでの環境配慮   が一年間でどの程度に進展したか 3)環境技術開発 4)環境経営、教育、情報開示   の一年間での進捗 から構成されています。 EVA (経済的付加価値) 環  境 事業計画目標の 達成度 品  質 研  究 知的財産 ■2000年度ネットワークカンパニー評価項目

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(6) 環境中期行動計画 ここでは、16項目にわたって、S社が何をなすべきか、具体的な目標が設定されている。 また環境指標として環境パフォーマンス指標と環境マネジメント指標をとりあげている。この点 については、割愛し、(7)でその進捗状況をみることにする。 (7) 環境中期行動計画進捗状況 S社の環境報告書で明快である箇所のひとつは、環境中期行動計画で定めた主な目標に対する進 捗状況を示し、今後の計画をそれぞれの項目ごとに明示していることである。 これらの点に関し、環境パフォーマンス指標関連と環境マネジメント指標関連を示しているので次 にみておきたい。 環境パフォーマンス指標関連 事業プロセスでの環境配慮の進捗 Green Management 2002の目標 進 捗 今後の計画 日本:売上高当たりのエネルギー原 単位を1990年度比で、2002年度まで に95%にする。 売上高当たりのエネルギー原単位を 1990年度比で、2000年度は86%。 米州:売上高当たりのエネルギー原 単 位 を 1998 年 以 降 年 率 2 % 削 減 す る。 売上高当たりのエネルギー原単位を 2000年度データがある13事業所にお いて、6%の削減。 欧州:売上高当たりのエネルギー原 単位を1995年度比で、2002年度まで に15%削減する。 売上高当たりのエネルギー原単位を 1995年度比で、2000年度は9%の削 減。 エネルギー 地 域 別 目 標 アジア・中国:売上高当たりのエネ ルギー原単位を1997年度比で、2002 年度までに15%削減する。 売上高当たりのエネルギー原単位を 1997年度比で、2000年度は23%の増 加。 エネルギー利用の効率化 や再生可能エネルギーの 導入などにより、2005年 度末までに二酸化炭素排 出量を売上高原単位で、 2000年度比15%以上の削 減をめざす。 日本:最終廃棄物重量/売上高の値を 1997年度比で、2002年度までに50% 以上削減する。 最終廃棄物重量/売上高の値を1997 年度比で75%削減し、目標を2000年 度に達成。 米州:2002 年度までにリサイ クル 率 を80%以上にする。 2000年度のリサイクル率は73%。 欧州:最終廃棄物重量/売上高の値 を 1995 年 度 比 で 、 2002 年 度 ま で に 40%以上削減する。 45%を削減し、目標を2000年度に達 成。 廃棄物 地 域 別 目 標 アジア・中国:最終廃棄物重量/売上 高の値を1997年度比で、2002年度ま でに40%以上削減する。 最終廃棄物重量/売上高の値を1997 年度比で1%削減。 リユース、リサイクルを 引き続き推進する。2005 年度末までに発生した廃 棄 物 の 95 % 以 上 を 減 量 し 、 廃 棄 物 ゼ ロ エ ミ ッ ションの達成をめざす。 環境汚染物質 ・2000年度までに削減物質に指定されてい るクラスⅢ物質であるVOCおよび鉛お よび六価クロムなどの重金属の使用量を 売上高原単位比で1993年度比50%削減す る。 ・クラスⅡ物質を2005年度までに全廃す る。 ・VOCの使用量を売上高原単位比 で1994年度比48%削減。鉛および 六価クロムなどの有害重金属使用 量を売上高原単位比で1994年度比 58%削減。 ・2000年度のクラスⅡ物質使用量は 約0.3t。 代替品への転換および精 算プロセス改善により、 2005 年 度 末 ま で に 、 ソ ニーが定める削減対象物 質の排出・移動量を売上 高原単位で、2000年度比 50 % 以 上 の 削 減 を め ざ す。 紙 ・ 2000 年 度 ま で に 古 紙 は 100 % リ サ イ ク ル。 ・ 2000 年 度 ま で に 再 生 紙 の 利 用 を 100 % へ。 ・2002年度までにコンピュータ用紙を1995 年度比で15%以上削減する。 再生紙の利用率および紙のリサイク ル 率 は 国 内 の ソ ニ ー グ ル ー プ で は 2000年度はそれぞれ95%、94%。使 用量は95年度のデータがある国内26 サイトで比較すると30%の削減。海 外については、積極的に再生紙の利 用、紙のリサイクルの推進を行って いるが、数値データは把握できてい ない。 世界的に見ると紙のリサ イクル、再生紙の利用に ついては市場が整ってい ない地域がある。地域の 実情を見極めた上で、可 能 な 限 り 紙 の リ サ イ ク ル、再生紙の利用を促進 する。 出所:S社環境報告書 2001、P.19.

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主要な製品の環境配慮項目の進捗 環境配慮項目 Green Management 2002の目標 進 捗 動作時消費電力 2000年度 30~50%削減 2002年度 60%削減 (1990年度比で) テレビ、ビデオデッキなどの商用電源使用モデルおよ び電池駆動モデルとも、削減量は目標をクリアした。 省 エ ネ ル ギ ー 待機時消費電力 1999年度 1W以下 2000年度 0W水準 テレビの待機時消費電力は0.1Wまで削減したが、ビ デオデッキやDVDなどはタイマーの消費電力などに より、目標には達していない。引き続き削減の努力を している。 省 資 源 包装材からの発泡スチロール削減 2000年度 50%削減 2002年度 60%削減 (1990年度比で) 大形テレビのように重量の大きなモデルや精密な機器 を除き、発泡スチロールの緩衝材は、紙系の材料に置 き換えつつある。テレビでは14型と24型のモデルで、 発泡スチロールをパルプモールドに切り替えた。発泡 スチロール購入費用を国内生産高で割った指標で、ソ ニー全体では目標に先駆け1999年度に60%(1990年度 比)の削減を達成した。 製品分解時間の削減 2000年度 50%削減 2002年度 60%削減 (1990年度比で) 循環型社会に適合するよう、テレビをはじめとする製 品の分解にかかる時間を削減することにより、リサイ クル性を配慮した設計を推進している。家電リサイク ル法の対象となったテレビは、製品分解時間を1990年 度比で54%の削減を達成した。 リ サ イ ク ル 性 リサイクル可能化率 2000年度 50%向上 2002年度 60%向上 (1992年度比で) 金属、ガラス、材料表示のあるプラスチックの三つの 材料をリサイクル可能と定義している。テレビでは 1992年度比で、目標を上回る78%向上した。 無鉛はんだの導入 2000年度 全面導入 一部の製品カテゴリーを除き、一部またはすべてのプ リント配線板のはんだづけ工程に、無鉛はんだを導入 した が 、 全 面 導 入 は で きな か っ た 。 ハ ン デ ィ カ ム DCR-TRV30では、使用部品のうち86%の電極の表面処 理も無鉛化した。 塩化ビニルの削減 2000年度 国内生産製品から廃止、線材 使用量を半減 2002年度 海外生産モデルも廃止 外装部品を中心に塩化ビニルを削減したが、線材、実 装部品の一部などでまだ使用されている。電線は、安 全規格や柔軟性を満足する代変材料の入手がまだ困難 であり、廃止するまでには時間を要する。しかし、MD ウォークマンのヘッドホンコードとリモコンコードに は業界で初めて、品質も満足する非塩化ビニル系の コードを採用した。 環 境 関 連 物 資 の 削 除 ハロゲン系難燃剤 の削減 2000年度 欧州販売モデル全廃 2002年度 欧州以外の製品への使用全廃 一部のモデルでプリント配線板、キャビネットからハ ロゲン系難燃剤を非ハロゲン系の難燃剤に切り替えた が、欧州販売モデルでの全廃はできなかった。 出所:S社環境報告書 2001、P.20. 環境マネジメント指標関連 Green Management 2002の目標 進 捗 今後の計画 環境 リスクマネジメント ・設備対応の充実 ・対応マ ニュアル を緊急事 態別に作成、訓練 ・連絡ルートの整備・維持 「環境リスクマネジメントガイドラ イン」の好事 例を社内向け ホー ム ページに掲載し、ソニーグループ内 での共有化をはかった。 「環境リスクマネジメントガイドラ イン」に基づくリスクアセスメント の実態および特別監査を実施する。 ISO14001 認証取得 一定規模 以上のす べての事 業所 で2000年 度末まで に環 境マネジ メントシ ステムを 構築する。 全世界の認証 取得数は、製 造事 業 所 :91 / 92 、 非 製 造 事 業 所 :71 / 184、合計162/276(分子は認証取得 事業所数、分母は全体事業所数。た だし分母の数は設立2年以内の事業 所などの現時点で認証取得対象にな らない事業所は除いた数。また、米 国非製造事業所については、7月ま でに98事業所で統合審査認証を受け るが、上記では認証の数は一つなの で1事業所とカウント)。 今後は認証が遅れている非製造事業 所の認証をすすめるとともに新しく 設立された事業所については、設立 後2年以内に認証を取得する。

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Green Management 2002の目標 進 捗 今後の計画 環境監査 地域地球 環境委員 会による 環境監査を実施する。 2000年度は国内非製造事業所4事業 所、米州で14 事業所、欧州14事 業 所、アジア6事業所で実施。 国内は非製造事業所で環境 ISO 認証 取得前事業所を対象に、米州、 欧 州、アジアでは安全衛生も含めた環 境監査を実施する。 グリーン調達・購入 ・グリーン購入を促進する。 ・ 調 達 先 の 環 境 配 慮 の 調 査、指導、支援を行う。 グリーン調達規定、ソニーグリーン パートナー基準の制定策定、グリー ン購入ガイド ラインの改定 を行 っ た。グリーン購入に関する社内教育 を実施した。 グリーンパートナー基準に基づき、 調達先の環境配慮に関し、詳細な調 査、指導、支援を実施する。 商品リサイクル リサイク ル評価基 準を制定 し、各商 品をそれ に適合さ せる。 リサイクル評価基準の設定は未達成 であるが、製品アセスメントを実施 中。カンパニー評価のリサイクル項 目で分解時間、リサイクル(再資源 化)率や量を評価。 代表的な商品で、リサイクル法規制 の対象に特定されていない商品につ いても、リサイクル計画を作成し実 行する。 物流 ・物流の 合理化、 輸送シス テム の転換を はか り、 大 気汚 染、地球 温暖 化ガ ス 排出の抑制に努める。 ・輸送用 包装材の 削減・再 生材 利用・代 替品 開発 を 積極的に行う。 ・低公害 車への転 換を促進 する。 ・共同配送、モーダルシフトなどを 実施し効率の向上に努めた。 ・輸送用包装材のリユース、リサイ クル を積 極的 に行 った 。日 本で は、輸送用フィルムを塩化ビニル からポリエチレンに転換するとと もに使用済フィルムのリサイクル をほぼ100%実施した。 ・輸送の合理化・効率化をすす め る。 ・モーダルシフトをさらにすすめる とともに、使用ガソリン量削減、 低公害車の製品輸送への適用を推 進する。 工場立地 工場立地・海外事業展開・事 業変更においては、環境影響 評価を行い、環境への影響を 小さくするように努める。 ソニーセミコンダクタ九州(熊本テ クノロジーセンター)が建設時に環 境アセスメントを実施した。 新規事業所稼動後、大幅な事業変更 時の環境影響評価を実施する。 環境 コミュニケーション ・利害関 係者に対 する企業 の説 明責任と して 情報 開 示を行う。 ・全社員に対して、最新の環 境関連情報の発信を行う。 ・ソニーグループの環境報告書を日 本語・英語で作成し広く配布した ほか、48の事業所で事業所単位の 環境報告書(サイトレポート)を作 成し地域コミュニティーに開示し た。 ・環境活動の 最新状況をプ レス リ リース、ホームページなどを通じ 社内外に発信した。 ・各地域とも社内向けホームページ や社内報などを通じて社員に最新 の環境関連情報の発信を行った。 ・引き続き、環境報告書やサイトレ ポート、ホームページ、プレスリ リースなどを通じて利害関係者へ 情報開示を行う。 ・広報、広告などを通じて環境 パ フォーマンス情報を定期的に開示 する。 環境教育 ・全社員 が会社・ 地域・家 庭の あらゆる 面で 環境 に 配慮 した自発 行動 を取 る ことを目的とする。 ・社員研修・啓発プログラム に環境教育を取り入れる。 社内向けホームページ、ニュースレ ターなどを通じた環境情報の発信を 全ソニーグループ社員を対象に行っ たほか、各種の環境研修や環境講演 会を定期的に実施した。 社内向けホームページを中心とした 環境啓発を強化し、課長級向けに開 始した研修をさらに部長級などのマ ネジメント層に拡大する。 環境会計 環 境 コ ス ト を 的 確 に 把 握 し、費用 対効果が 算出でき るような 環境会計 システム を構築し 、必要に 応じて環 境コスト情報を開示する。 ソニーとしての環境会計ガイドライ ンを作成し、環境会計システムの構 築を行った。2000年度は製品情報を 含め、世界各地の事業所の環境会計 情報を集計し、本報告書にて開示し た(一部未集計事業所有り)。 ・製品の環境会計情報、事業所の環 境会計情報を包括的に集計すると ともに集計精度を向上させる。 ・より精密に費用対効果の測定を行 い、経営に役立つ環境会計の構築 をめざす。 コミュニティ リレーション活動 ・良き企 業市民と して地域 社会 の環境保 全に 貢献 す る。 ・社員の 自主的な 環境保全 活動を支援する。 全社的なボランティア推進プロジェ クト「SOMEONE NEEDS YOU プロ ジェクト」などを通じ、世界の各事 業所において、自然保護、地域清掃 などそれぞれの地域色を生かした環 境保全のための地域活動を行った。 2000 年 度 に 実 施 し た 「SOMEONE NEEDS YOU プロジェクト」を今後 も継続するほか、良い事例をグルー プ内で共有するなど、各事業所での 地域活動の活性化をはかる。 出所:S社環境報告書 2001、P.21.

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6 結び 以上にわたり、経営環境とステークホルダーに関し、企業価値創造との関連で明らかにしてきた。 ここで展開してきた方法は経営実践学の方法の立場から明らかにしたものである。本稿での狙いは 経営実践における経営原理を理論的に提示することにある。経営環境に対する経営意思決定は優れ て実践性が要求され、経営者本来の経営責任である企業価値の最大化目標は、経営体にとって経営 活動の基礎に位置付けられるものとして考えられよう。 経営体はすべてのステークホルダーに対し関係し対境関係をもつことについては明らかである。 それらとの関係が単なる調整にあるということが重要であるということではなく、企業価値の創造 を基本原理とした経営体の主体的立場からの経営原理が重要なのである。財務論の視点では企業の 総市場価値は負債の市場価値と自己資本の市場価値を加えたものであり、それぞれ金融市場・資本 市場によって評価される。ステークホルダーとしては金融機関、社債権者、株主等をとりあげるこ とができる。しかしながら、われわれの見解では、それらの市場の評価は、経営体に対する外部評 価に過ぎず、絶対的評価ではないことである。このことは経営体の企業価値創造の基本原理がある とはいえ、経営体の主体的行動原理が経営原理として活かされるのである。 経営体からみた経営環境論の課題として企業が取り組んでいるもののうち、重要なものの一つは 環境報告書である。われわれはこの環境報告書に注目しておきたい。環境報告書が経営体を含めス テークホルダーに対する経営情報として役立つことになり、経営体の企業価値創造によい影響を与 えよう。われわれはこの点を評価したい(17)  注 1)この点に関しては次をみよ。   小椋康宏編著『経営教育論』第1章「経営原理と経営教育」、第2章「経営者教育と管理者教育」学文社 2000、pp.1-39.

2)「企業価値(the value of the firm)」の創造を財務論的視点からみた経営原理と考えている。 3)アメリカ経営学会誌の特集号をみよ。

The Academy of Management, "The Academy of Management Journal", Volume43, Number 4, August 2000. 4)山城章の対境理論については次をみよ。   山城章「経営原論」丸善 1970。 5)小椋康宏編著『経営環境論(第2版)』第1章「経営環境と経営原理」学文社 2001、pp.1-29. 6)桜井克彦、「企業経営とステークホルダー・アプローチ」『経済科学』名古屋大学経済学研究科。Vol.48-4 March 2001,pp.1-18. 7)水村典弘、「『利害関係者』をめぐる経営学的研究の推移」-「利害関係者理論」から「利害関係者管理」 へ-"Journal of Business Management" 第7号 日本経営学会、千倉書房 pp.36-47.

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8)山城章、前掲書。

9)J. R. Shermerhorn, Management, 5th ed., John Wiley & Sons, 1996, P.115.

10)D. R. Emery, J. D. Finnerty & J. D. Stowe, Principles of Financial Management, Prentice-Hall, 1998, P.15. 11)次の文献の問題提起のなかにみることができる。

ジェームス・C・アベグレン、ジョージ・ストーク(植山周一郎訳)『カイシャ、KAISYA』講談社 1986、 (J. C. Abegglen & G. Stalk., Jr., KAISHA The Japanese Corporation, Harper & Row, 1985)。

また、バイリッヒとクーンツの文献にもみることができる。

H. Wehrich & H. Koontz, Management-A Global Perspective, 10th ed., McGraw-Hill, 1993. 12)次の文献をみよ。

E.F.Brigham & L. C. Gapenski, Financial Management-Theory and Practice, 8th ed., The Dryden Press, 1997, pp.3-30. 13)最近における経営財務政策の一例である。経営体からの積極的な財務政策の必要性が叫ばれている。 14)経営体の精練化の過程で「経営美」を求めることになれば、各ステークホルダーに対するハードルは高く なるといえる。 15)「企業価値」の創造の考え方は、各ステークホルダー間とのトレード・オフで考えるものではないことに 注意しておく必要がある。 16)「株価情報」が完全な企業価値を示したものではないとはいえ、経営実践では、その株価が生きているこ とに注意しておく必要がある。日本企業の経営者は、まだ株価に対する認識が不十分であると考えられる。 17)「企業価値」の創造に関して、財務理論における「資本コスト論」の考え方が重要な役割をもつ。本稿で は、この点に関し論及していない。しかし、EVA、MVAといった経営財務指標では、資本コストの考 え方が導入されていることに注目しておきたい。  資料 1)ソニー株式会社、『環境報告書2001』2001年 (2002年1月17日受理)

参照

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