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高速電力線通信(PLC)信号の伝送特性の解明―屋内配線の異相間信号移行特性の計算手法の開発―

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 高速電力線通信(PLC)信号の伝送特性の解明 ―屋内配線の異相間信号移行特性の計算手法の開発― 背 景 高速電力線通信(PLC : Power Line Communication)は、既存の電源線を通信回線として利用し、容易に LAN の構築が可能であり、普及が期待されている。しかし、屋内配線で用いられる単相 3 線式の電源線では、 位相が反転した 2 種類の 100V の相が使用されており、PLC 機器はその同相、異相に関係なく接続される(図 1)。 このため、通信性能は使用するコンセントによって大きく異なり、異相コンセント間では場合により十分な通 信速度が確保できないという問題がある。同相間の PLC 信号の伝送特性は当所が開発したシミュレータ* 1 で 計算が可能であるが、異相間の伝送特性に関しては、これまで十分な研究が行われておらず、その解明が望ま れている。. 目 的 異相間の伝送特性を解明するために、単相 3 線式幹線を含む屋内模擬配線を用いて、信号の異相への主要な 移行場所を実験的に解明するとともに、等価回路を用いた異相間信号移行特性の計算手法を開発する。. 主な成果 1.異相への信号の移行場所の解明 家庭の引込み線や事業所内の屋内幹線では、異相の線が近接して並走するために、この部分で異相間での 信号移行が発生することを実験的に明らかにした。 屋内幹線に用いられる CVT ケーブル* 2 と分岐線で構成される屋内配線での PLC 機器の接続状態(図 1) を図 2 のように単純化し、CVT ケーブルの 2 線間に信号を入力し、他の線間に出力される信号を測定した。 図 2 中「A」で示した部分は「開放」、「短絡」、「抵抗(75 Ω)」の終端条件を切り替えた。測定結果より、 PLC 信号が異相へ相当量移行されることを明らかにした(図 3)。 2.屋内幹線での異相への信号移行特性の計算手法の開発 屋内幹線での異相への信号移行特性を計算する手法を開発した。PLC 信号は波長 10m(30MHz)∼ 150m (2MHz)の成分を含むため、屋内幹線を分布定数回路として考える必要がある。そこで、ケーブルを 1m ご とに分割し、3 線間の静電容量、自己インダクタンス、相互インダクタンスからなる等価回路モデルを開発 した(図 4)。それぞれの素子の値は銅線の幾何学的な配置から理論的に算出した。 分割したケーブルの等価回路を直列に接続し、各種の終端条件で回路計算を行うことで異相への信号移行 特性を計算した(図 5)。計算結果と実験結果のピークレベルがよく一致しており、本計算手法によって屋 内幹線等での異相への信号移行特性を見積もることが可能となった。 なお、本研究は東京電力株式会社からの受託研究として実施した。. 今後の展開 屋内幹線に分電盤や屋内配線を加えた際の PLC 信号の詳細な伝送特性を明らかにする。 主担当者 関連報告書. システム技術研究所 通信システム領域 主任研究員 池田 研介、竹下 和磨 「高速 PLC 信号の屋内幹線における異相への移行量の計算手法」電気学会 通信研究会、 CMN-08-2(2008 年 1 月). * 1 :石野隆一ほか、「高速配電線搬送シミュレータの開発─ OFDM 通信方式を対象としたシミュレータの開発─」 電力中央研究所報告: R00009(2001 年 4 月) * 2 : CVT ケーブル:トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル. 118.

(2) 8.情報・通信. 図1 PLC 機器の接続形態. 図2 信号移行特性の測定系. 図3 屋内幹線での異相への信号移行特性の測定結果. 図4 分割したケーブルの等価回路. 8. 図5 信号移行特性の測定結果と計算結果(異相近端、同相遠端). 119.

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