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紙基材フェノール樹脂銅張積層板の特性

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(1)

耐燃性印刷配線板用

紙基材フェノール樹脂銅張積層板の特性

ThePropertiesoftheSelf-eXtinguishPaperPhenolicMetalClad

Laminates

fbrPrintedWiringBoards

寿*

Takehisa NakagaⅥra

次*

TeiziUeyama

テレビ,ラジオなどの電子機器に使用される紙フェノール銅張積層板は,ULで規定しているSE級(1)の耐 燃性が要求される0そこで筆者らは耐燃性紙フェノールMCLとして,1級常温打ち抜き加工用MCL(日立商 品名MCL-47F(2)),2級加熱打ち抜き加工用MCL(日立商品名MCL-45F),汎用加熱打ち抜き加工用MCL (日立商品名MCL-46F)を開発し,一般特性,耐燃性,長期寿命の推定に必要な強制劣化試験(2)-(8)を行な った。 その結果これらのMCLの耐燃性ほUL規格SE-1,一般特性はJISの各該当規格(9)をじゅうぶん満足する ほか,高信煩性で安定した特性を有しているので安全性を必要とする各種電気機器にじゅうぶん使用可能なこ とが明らかとなった。 】.緒 ロ テレビによる火災予防に指導的役割を果たしているUL(Under-Writer's LaboratoriesInc・)は1969年以降,テレビ,ラジオに使用 する絶縁材料の燃焼性について種々の規制を設けてきている。たと えば,Subject492では消費電力が50W以上のところiこは自己消炎 性の絶縁材料を使用すること,また2,500V以上の高圧回路および 接合部品には自己消炎性の絶縁材料を使用することなどを規定して いる(1)(10)。以上の規定を受ける多くの部品の中に印刷配線板が含 まれていて,素材となる銅張積層板(MCL)にも自己消炎性(ULの SE(1))を付与することが必要となった。 そこで筆者らは,テレビ,ラジオの印刷配線板に使用されている 紙フェノールMCLの耐燃化の研究を行ない,JISC糾85のPPI(g) に該当する1級常温打ち抜き加工用のMCL-47F,PP4に該当する 2級加熱打ち抜き加工用のMCL-45F,PP6に該当する汎用加熱 打ち抜き加工用のMCし46Fを製品化することができた。 本稿でほこれらMCLの実用上必要な一般特性,自己消炎性なら びに打ち抜き加工性の確認結果と一般MCLとの比較による強制劣 化試験結果を報告したい。

2.仙CLの耐燃性について

フェノール樹脂は他のプラスチックスに比べて比較的燃焼しにく いとされているが,MCLは燃焼性の統との複合材であるため,UL JPASTMで規定されている耐燃性を満足しない。そこで紙またほ フェノール樹月旨(11)に大幅な耐燃性を付与することが必要となる。 しかし今までのところ日本国内でほ実用に耐え得る耐燃性の紙がな いため,フェノール樹脂に消炎剤を添加してMCLi・こ耐燃性を付与 する方法が揺られている。 消炎剤としては添加形と反応形のもの(12)があり,いずれも塩素や 臭素などのハロゲン化合物か有枚リソ化合物が使用されている。こ れらの消炎剤はフェノール樹脂と単独またほ両者の併用,あるいは ハロゲン化合物と三酸化アンチモンとの併用によってMCLに目的 とする耐燃性を与えるが,消炎剤の選択とその使用量を誤まると電 気的特性,轢械的矧生,実用時の加工性などにいろいろな問題が出 てくる。 日立化成工業株式会社下館工場 一方,耐燃性はその試験方法(13) ̄(17)によって,値が異なるため, 今までにいろいろな試験方法が提案されている。表lはシート状積 層板の耐燃性試験方法の代表例を示したものである。表1のJISC 糾81とUL-Subject746とは火源となる炎を取り去ってから何秒問 で試験片の炎が消えるかを求める方法で,これを自己消炎性と呼ん でいる。 ULでは最近,表2に示したように消炎時間と燃焼時の滴下物の 有無によって消炎性の等級を分けていて,MCLにはSE-1.の自己 消炎性を求めている。 酸素指数法(17)ほ表lに示したように窒素と酸素の混合割合を変 化させで試料に着火し,酸素の臨界濃度により燃えにくさを判定す る試験方法であるこ。の方法は試験データのばらつきが少なく,材料 の耐燃性を判定するにはすぐれた試験方法の一つと考えられるが, 積層板の場合使用する基材によって酸素指数が変わり,必ずしも大 気中の燃焼性との関連ほ一致しない。表2に示したUL規格のほか に,耐燃性紙フェノールMCIノに従来から適用されている規格とし ては,NEMA規格(18)FR-2(JIS,PPIが相当)がある。これは表l の水平法で試験を行ない,平均値が15秒以下,燃焼距離が25.4mm 以下という規定である。

3.耐燃性仙CLの一般特性

3.1耐燃性仙CLの分類 SE-1の耐燃性をもつMCL-47F,MCし45F,MCL【46Fを一 般MCLと比較対照し,等級別に分類すると蓑3のようになる。 3・2+lS試験方法による特性 MCLの試験方法はJISC6481(14)に,紙フェノールMCLの規格 値ほJISC6485(9)(以下JISと略す)に規定されている。この試験方 法に基づき,耐燃性MCL(MCL-47F,MCL-45F,MCL-46F)の 一般特性を試験した結果は表4に示すとおりである。この表による と耐燃性MCLはJISの各該当規格値をじゅうぶんに満足している ことが明らかである。 3・3 NE仙A試験方法による特性 表3に示したようにNEMA規格は1級品のグレードだけを規定 しているのでMCL-47Fの一般特性をNEMA規格試験方法に基づ き試験した結果は表5に示すとおりである。この表によるとMCし 47FはNEMA規格FR-2を満足している。

(2)

170 日 立 評

70 表1 耐 燃 性 試 験 方 法 ⅤOL.54 N0.2 1972 規 格

No・【試竿蕊三戸料)l

方 法 試験.しi-ASTM D-635, JIS C6481 (水 平 法) (幅)(長さ)(坂厚) 12.5×125×原厚 自由召蒜

/勉45度

30性 パーナ(9・5少)仲位二mm) プソゼンバーナの炎を青色炎とし,その高さを約25mmに 調節する。試験片の自由端の下端に図のように3つ秒間炎を当 てて取り去ると同時にストップウオッチを始動し,炎が消える までの時間を秒単位で測る。同時に消火後,試験片の燃焼した 長さを下端でmm単位で測る。 UL-Subject746 (Mar.1.1967) および UL-Subject20 &492 (Mar.18.1971) (垂 直 法)

112・7×127×去:宝

:ノ/試験片 畠Hふ佃 7ンゼンバーナ(9.5¢) 供給ガス1,000王汀U/f【土 (単化:mq) プソゼソバーナの炎を青色炎とし,その高さを19mmに調 節する。試験片を垂直に保持して囲のように炎を10秒間当て て除去し,炎あるいは燃焼光(Glow-ing)の継続時間を測定す る。30秒以内に炎あるいほ燃焼光が消えたらすくサに再び10秒 間炎を当てて取り去り,炎あるいは燃焼光の継続時間を測定す る。試験片は受理状態と70℃¶7日間乾燥処理したもの両方用 いる。 ASTM-D2863-70 (酸素指数法) 6.5×70∼150×3 耐熱ガラス他用

冨寸⊥

酸素濃度を調節し,試験片がちょうど3分あるいは5cm燃 (点火器) えるときの酸素濃度を材料が燃焼を続ける最低酸素濃度とし, 試験汁 ま拝見 3-5¢のガラス拉 芝0。 Iド2 (単位:皿m) 次式により酸素指数乃(%〉を計算する。 〃(%)= 02×100 02+N2 ここに,02:臨界濃度酸素流量(J/min) N2:02に対応する窒素流量(J/min) 表2 UL 規格 に よ る 耐燃性 の 分類 耐 燃 性 l 該当規格 試 敵 方 法 判 定 SE-0 Subject 20&492 (Mar.18.1971) (蓑1)の垂直法 SE-Ⅰ および SE-Ⅱ Subject 746 (Mar.1.1967) Subject 94 (Dec.9.1959) (表1)の垂直法 試験の間,試験片の下部においた未処理脱脂綿に着火させるような滴下物がな く,下記の条件を満たすものをSE-0とする。 (1)70℃,168時間処理後の5本(計10回着火)の消炎時間が最大10秒以下, 平均5砂以下であり,燃焼光の継続時間は消火後最大10砂以下であるこ と。ただし局部的な燃焼光についてはさらに10秒間許容される。 (2)(1)が合格の場合,さらに常態の試験片5本について同様に判定する。 (1)常態と70℃,168時間処理後の試験片各3本(各6回着火)のサソプルに ついて炎または燃焼光の継続時間の平均がいずれも平均25秒以下,最大 30秒以下であること。 (2)(1)の条件を満足し,試験の間,燃えている粒子またほ滴下物を落とさな い材料はSE-Ⅰとして分類される。 (3)(1)の条件を満足し,ごく少しの燃えている粒子または滴下物を落とす材 料ほSE-Ⅱとして分類される。 SE Subject 492 (Sept.1.1970) (表1)の垂直法 (1)70℃,168時間処理後の3本(計6回着火)のサソプルについて,炎または 燃焼光の継続時間が平均25砂以下,最大30秒以下であること。 (2)(1)が合格と判定された場合には,さらに常態の3本の試験を行ない,同 様に判定する。 (3)なお試験中にサンプルが燃えつきてはいけない。 (1)∼(3)を満足するものをSE材とする。 SB Subject746 (Mar.1.1967) Subject 20&492 (Apr.1.1970) (表1)の水平法に同じ。 (1)燃焼速度が1.5in/min以下のとき,避難性SBと判定する。ただしUL-Sub.20&492では,炎または燃焼光の速度が1.5in/min以下のとき SBと判定する。 NB Subject 492 (Oct.1.1970) (表1)の垂直法に準ずる。 ただし,外炎5in 内炎1碁in (1)通常使用温度より20℃高い温度で168時間処理した試験片3本(計15回 着火)においていずれも炎が10砂以内で消えれば不燃性NBと判定する。 表3 耐燃性MCLと一般MCLの対称と該当規格

項。INEMAIJIS

名 目l⊥i左㌫】dr乙品 MCL-47F MCL-41 MCL-45F MCL-8-4 MCL-46F MCL-8 FR-2 ⅩⅩⅩPC PP-1 PP-3 PP-4 PP-6 特 長 耐燃性,1級品,常温打 ち抜き用 1級品,常温打ち抜き用 耐燃性,2級品,加熱打 ち抜き用 2級晶,加熱打ち抜き用 耐燃性,汎用品,加熱打 ち抜き用 汎用品,加熱打ち抜き用 用 途 民生用電子枚器 通信政界 家庭電器 計漁灯器 そ の 他

(3)

1011以上 5×109 以上 C-90/20/65 5×1012以上 109以上 5×1011以上 体箭抵抗率(n・Cm) C-96/40/90 5×1011以上 C-90/20/65 1 5.0以下 D-48/50 】 5.3以 ̄F C-90/20/65 L O.04以下 誘 電 正 接〔1MHz〕(-) D-48/50 0.05以下 C-90/20/65 1011以上 5.5以下 6.0以下 0.05以下 0.10以下 1010以上 絶 禄 抵 抗(凸)

lトリクレン

耐薬品性

j ̄j憲法打

D-2/100 5×108 以上 沸騰中 70℃-30min 2以上 30以下 5×107 以上 5異常なし I1 5以上 6 1 30以下 E-24/50+D-24/23 耐 燃 性 (■JIS法) 時間(s) 距離(mm) 15以下 25.4以下 (注) *:A :受 S2 :260℃のはんだ浴上で5秒間処理 E-0.5/130:130℃,0.5時間加熱処理 C-90/20/65:20℃,65%相対湿度下で90時間処理 C-96/40/90:40℃,90%相対湿度下で96時間処理 D-48/50 :50℃,48時間水浸処理 D-2/100 :100℃,2時間水浸処理 E-24/50十D24/23:50℃,24時間加熱処理後,23℃,24時間水浸処理 料:常態と比較した引きはがし強さ低下率を示す。

4.仙CLの諸特性

MCLは加工工程で水洗,乾燥,種々の薬品による処理が行なわ れ,数多くの部品が組み込まメ1て初めて使用される。また使用条件 もその用途によっていろいろ異なったふん開気が考えられる(19)。そ のため加工条件と長期使用による性能の変化を明らかにする目的 で,機械的特性,電気的年引生,その他の特性について強制劣化試験と 設計に必要な種々の試験を行なった。供試料としてほ前述の表3の 耐燃性MCL3品種,一般MCL3品種,いずれも1・6mm片面35〃 銅ハクのものを使用した。 試験片の形状,エッチングおよび試験方法はJISに定められた方 法に準じて行われ,電気特性は前処理として20℃,相対湿度65% の室内に96時間放置したものを常態とし,電気特性以外は受理常態 のまま試験に供された。なおJISに規定されていない試験方法はそ の都度記述することにする。 4・1機械的性質および物理的性質 4・1・1耐 燃 性 (1)垂 直 法 前述したような耐燃性試験の中で基板を垂直に保持して試験す

帆妻子一■】¶

表5 NEMA規格によるMCL-47Fの試験結果 (板厚1.6mm片面3.5/J銅ほく) 処 理 条 件* D-48/50 D-48/50 曲 げ 強 さ (kg/mm2) 誘 電 正 接〔1MIiz〕(-) 沿層耐電圧(kV) 表 面 抵 抗(D) 体積抵抗率 吸 水 引きほがし強さ (kg/cm) 耐 燃 性 〔ASTM法〕 (丘l・Cm) ほんだ処理後 高温処理後 時 間 (s) 距 離 (mm)

打講紙背(点)

D-48/50 C-96/35/gO C-96/35/90 El/105+Dr24/23 260℃ 120±2℃ E-1/120 7.4以上 (5.3以下)** (0.05以下)** 15以上 109以上 1010以上 0.75以下 5以上 30分異常 ないこと 1.07以上 1.07以上 15以下 25.4以下 MCL-47F 特性値 13.3 10.1 4.3 4.5 0.031 0.033 40 2.2×1010 3.5×1012 0.53 13 異常なし 1.7 1.7 70以上 1 70∼80

(4)

172

芯30 匡20 皆 瑠10 慧 --く←MCL-46F ・・一ニー・MCL-45F ・一・心・・・・・ん1CL-47F IUL現付L打SE-1(25秒以下トーーーーーーーー 10 図1 加熱(70℃)処理による耐燃性の変化 王30 苧20 哉10 -1:トー・MCL-46F ---{トーMCL-45F ---か・・・・・hlCL-47F UL現桁他SE-1(25秒以下)一一一「--5 加熱時間(d) 10 図2 加熱(140℃)処理による耐燃性の変化 0 3 (芭意止{常澄 25 MCL-46F れICL-45F れICし47F MCL-8 図3 耐燃性MCLおよびMC-8の酸素指数 を採用して試験片を強制劣化後試験を行なった。 機器が高温下にさらされることを考え,試料を70℃と140℃の 恒温気中に放置し各時間ごとに取り出して室温まで放冷して,耐 燃性と処理時間との関係を求め結果を図1,2に示した。図から 明らかなように,これら耐燃性紙フェノールMCLはUL視格 SE-1(5)をじゅうぶん満足し,またいずれの処理でもその耐燃性は ほとんど変化せず,安定した性能をもっている。 (2)酸素指数法(17) 表3の耐燃性MCLおよび一般MCLの代表としてMCし8(2)を 受理常態で試験した結果を図3に示した。 この固から耐燃性 MCLの中ではMCL-46Fが最も高い酸素指数を示していること がわかる。当然のことであるが一般MCLは耐燃性MCLより酸 素指数ほ低い値を示している。 4.1.2 はんだ耐熱性 印刷配線板に加工されたMCLに部品を搭載(とうさい)しては んだ付け作業を行なう場合,最近セットメーカーではほんだ温度 を高くして短時間に能率よく作業する傾向にある。 そこではんだ温度とMCLのはんだ耐熱性の関係を試験し,そ の結果を図4に示した。この結果,各MCLのはんだ耐熱性はは んだ温度が高くなると急激に低下する傾向にある。したがって高 温でのはんだ温度の管理にほじゅうぶんに留意する必要のあるこ とがわかる。 また,これら耐燃性MCLは消炎剤を使用したMCLであるにも かかわらず一般MCLと同等の特性を持っていることがわかる。 4.1.3 引きはがし強さ MCLが高温下で連続使用されることを想定して連続加熱によ る引きはがし強さの変化を検討した。 ULは多くの実績から一般の常用温度に対する評価の式(20)(21) 72 00 50 nU 5 (∽)蟄意逼むべ望 ⅤOL.54 N0.2 1972 ・・-○-MCL-46F ・--D-MCL-45F 一一-・・MCL-47F --●-MCL二8 -■←-MCL-8-4 -・・+トーMCL-41 240 260 はんだ温度(Oc) 図4 ほんだ耐熱性の温度特性 280 として,(1)式および(2)式によってエイジソグの温度を設定し ている。 56日間試験では r=1.02(虎十15+273)-273‥‥… (1) 10日間試験では T=1.076(尺十15+273)一273 …. …….(2) ここに, r:恒温そうの温度(℃) 月:印刷配線板用材料としてすでに認定されている 温度(℃)。紙フェノールMCLの場合は105℃ 以下。 ガが105℃のとき,この(1)式によってrほ128℃,(2)式に よってTほ150℃となる。このことよりULは128℃56日処理 後の引きほがし強さの規格値を0.18kg/cm以上,150℃10日処 理後の引きほがし強さの規格値を0.36kg/cm以上と規定して いる。 そこで銅ハク幅0.8mmと1.6mmの試料を128℃と150℃の 高温気中に放置し引きかがし強さの経日変化を求めて図示したの が図5∼8である。これらの図から明らかなように連続加熱によ って引きほがし強さは各品種とも多少低下する傾向にあるが,UL 規格値をじゅうぶん満足している。また耐燃性MCLの引きはが し強さの低下の傾向は一般MCLと比べてほぼ同じであり,一般 MCLの過去の使用実績を考えると長期間支障なくじゅうぶん使 用できると考えられる。 んl.4 げ 強 MCLの機械的性質には一般に曲げ強さ,衝撃強さ,引張り強 さおよぴこれらの弾性率がある。これらの中でNEMA規格およ びJISで規定されている曲げ強さについて,試料を130℃と150℃ の気中に放置後取り出して約30日間の変化を求めた。その結果, 図9,10に示したように一般MCLと耐燃性MCLの間に大差は なく,安定した性能を有している。 4.1.5 打ち抜き加工性 フェノール樹脂蹟層板の物性と打ち抜き加工性との関係につい て現在までいろいろな研究(22) ̄(25)がなされているが,まだ明確な 関係ほ見いだされていないようであり,打ち抜き加工性の判定は 実際に打ち抜き加工されたものの外観を肉眼で観察して判定する 方法が一般に行なわれ,ASTM法(26)が試験方法として有名であ る。表dほこの方法で打ち抜きを行なった結果を示したもので ある。 次に最近は機器の小形化,部品実装の高密度化に伴ってMCL の配線図形は打ち抜き加工の3原則(27)よりきびしい条件で加工 される場合が多いので,打ち抜き穴径,打ち抜き穴間隔を定量的

(5)

(巳\叫ヱ 仙潜+も空竺廿 --○-MCL-46F --{--MCL-45F -△-MCL-47F ・・・一-・・・・MCL-8 -MCL-8-4 --▲--MCL-41 uL規格値0.18以上 + 0 10 20 30 40 50 60 処理日数(d) 図5 加熱(128℃)処理による引きはがし強さの 変化(銅ハク幅0.8mm) ーふ ■∩) -J l 1 0 (∈U\野亡 恥潜+芸当机蒜 (∈U\ぜ) 仙礪コも巾宗一小 FFF ・年 46454788■41 LLLLl山l】 CCCCCC MMMMMM

≡〓一

UL規格御.18以上 + 】0 10 20 30 40 50 60 処理日数(d) 図6 加熱(128℃)処理による引きはがし強さの 変化(銅ハク幅1.6mm) ・一{-MCL-46F -・・{1-MCL-45F ・---MCL-47F 一・・一-MCL-8 一-■トーMCL-8-4 ・・・・・+--MCL-41 一UL規制弘36以上 + 10 処理日数(d) 囲7 加熱(150℃)処理による引きほがし強さの 変化(銅ハク幅0.8mm) 0 5 ∧U ■LJ 2 1 1 0 (喜\運 仙澄+芯空竺仰

芯仰恕【

・4448(lU4 一 CLCLCLCLCLCL Ⅶ

弐弐一

一UL規格値0.36以L--t・一一 10 処聖U数(d) 図8 加熱(150℃)処理による引きほがし強さの 変化(銅/、ク幅1.6mm) に変えて設計した,図11に示す日立試験金型によって試験した。 表7はその結果を示したものである。 この表から最適打ち抜き条件は,MCL-47Fでは約80∼100℃, (篭∈\址ヱ仙琴告竜 (篭∈\澄) 机潔聖餐 --く--MCL-46F・・・・・・一-MCL-8 ・-→=トーMCL-4.5F・・・・・+l-MCL-8-4 ・・・・「』・・・MCL-47F --▲-MCL-41 5 10 20 30 加熱日数(d) 国9 加熱(130℃)処理による曲げ強さの変化 一:-MCし46F・一●-MCL-8 ・・-・ローMCL-45F 一--MCし8-4 ・・・「△-MCL-47F -・→-MCし41 10 20 加熱日数(d) 30 図10 加熱(150℃)処理による曲げ強さの変化 表6 ASTM試験金型による打ち抜き加工性 品 種 MCL-47F MCL-45F MCL-46F MCL-41 MCL-8-4 HCL-8 常温 20 50 1 80 1110

140い701200

80 50 30 70 50 50 80 70 50 80 70 50 80 7() 50 80 70 50 0 0 ハU O <U 7 【..ハ】 7 (‖lU OO 50 70 80 80 70 5(〉 1 50 70 80 50

三:l;:

50 80 50 50 80 (注) *:加熱条件 串*:単 位 3分加熱後取り出し10砂以内に打ち抜いた。 点/100点 MCL-45Fでほ約140∼160℃,MCL-46Fでは約180∼200℃で あることがわかる。 4.1.d 縮 (1)打ち抜き寸法収縮率 MCLを予備加熱した後,打ち抜くと金型の寸法より短く仕上 がる。この原田にはMCLの熱膨張収縮と加熱に起因するMCL 自体の放湿と後硬化による収縮の二つがあり,これらを総合して 打ち抜き収縮と呼んでいる。 これを小さくするにはMCLを常温で打ち抜き加工することが 最も好ましいが,MCL自体の他の機械的特性および金型の寿命 などの関係から一般にMCLにあらかじめ低温加熱(100℃以下ノ 100・一

8十14 ̄吉 ̄14十←14十1トト1トト14十8

ロロ 00 00 00

r】∩-00:;…三0・8溺

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1.叩 1.2¢ 1.6¢ 2.叫 l∫つ 亡■-□] 0ロ n□ □□ ロロ ロ] ロロ ロ0 ロロ ロロ [] ロロ 1×2D□12ロロ (Rナシ)(4スミ0.1R)0.帥 L【つ l∫) ト く> (単位mm) 図11 日立試験金型

(6)

こ\ __ 品 種

h

空壷

MCL-47F MCL-45F MCL-46F

一 MCL-8-4 MCL-8 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 ○(U00 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 000△ 0000 0000 0000 ○(U00 000△ 000△ 0000 0000 0000 0000 00△△ △△ × △△ × × 0000 0000 000△一〇〇△×

引「引

000△ 00△ × ○△ × × △ △ × × 00△ × ○△△ × ○△△ × 000△ ○△△ × ○△△ × 000△ 00△△ 000△ 000△ 000 × △△△ × ○△△ × 00△ × 00△△ ○△△ × 00△ × ○△ × × ○△ × × 00△ × △ × × × 000△ ○△ △ × 00△△ ○△△ × 000△ 00△△ 00 × × ○△ × × △△ × × ○△ × × ○△ × × 00△△ ○△ △ × 00△ × △ △△ × × × × × 化圧 (芭鮮堤望城中仙怒㌦k (芭掛貸室瑚十仙盟㌦k

卜■.LOO

4 3 2 1 01 ∧U O ∧U O --く--MCL-46F 一一-MCL-8 ○:外観に異常ないことを示す。 △:わずかな変色またはひび割れのあることを示す。 ×:著しい変色,クラックのあることを示す。 MCLの打ち抜き加工前の予備加熱時間ほ3分である。 総力Irq 節フィ向 ノ廿一一一一一一心 140 160 180 200 二+ニ1剛rl熱温度(凸C) -・一[トMCL-45F -縦ソ州 -・--MCL-8-4 ---一位プ州

.卜■■卜■■卜l卜L60

4 3 2 + 爪U 80 100 120 140 160 干備加熱温度(OC) 図13 MCL-45F,MCL-8-4の打ち抜き寸法収縮率 (婆朴堤さ施十机璧㌦転

巨し0

・4 3 ワ山 1 0 0 0 0 (U 一一也-MCし47F 一縦方向 一一・-か1CL-41 ---一様ソナ向 20 40 80 100 120 予備加l熱温度(OC) 図14 MCL-47F,MCL-41の打ち抜き寸法収縮率 または高温加熱(100℃以上)を行なったのち,ただちに打ち抜 き加工する方法が行なわれている。そこで金型設計と加工工程の 作業の目安とするために試料を打ち抜き加工できる温度に加熱し て75×45mmの大きさに打ち抜ける金型で打ち抜き,長手方向 75mmを基準に収縮率を求めた。その結果は図12∼14に示すと おりである。 74 (Eヱ提議TK爪彗Jト叫 一一:-MCL-46F 巾MCI一-45F 一一缶▲---MCL-47F +MCL-8 +九ICL-8-4 --▲一九ICl′-41

ニ≠孝二二

50 100 150 う二備加熱i品l度(Oc) 囲15 打ち抜き予備加熱温度と穴収縮(穴径1.0ゥり 50 (巾∈E\哲二掛彗禁±亜 100 温度(Oc) 図16 曲げ,弾性率温度特性 この結果によると耐燃性MCLほ一般MCLに比較して同じ温 度では,打ち抜き寸法収縮率は約0.02∼0.05%はど大きいことが わかる。 (2)打ち抜き穴収縮 打ち抜き加工時の穴収縮ほゴム弾性体に近いほど,すなわち打 ち抜き予備加熱温度における曲げ弾性率が小さいぼど穴収縮は大 きくなる傾向にある。そこで図11の金型で打ち抜いた試料の1.0 ¢の穴径について1/1,000mmの精度の座標投影楼を使用して穴 収縮を測定した。その結果は図15に,また曲げ弾性率温度特性は 国1dに示すとおりである。これらの図から曲げ弾性率の小さい, すなわち予備加熱温度が高くなるにつれて打ち抜き穴収縮は大き くなる傾向にある。また耐燃性MCLは前述の最適打ち抜き条件

(7)

表8 そり・ねじれ試験片*の処理および測定条件 処 理 工 程 l 処 〕翌 条 件 l 測 件 A:受理状態 無 処 理 空調室内(20℃65%RH)で 測定する。

B:蒜,ツ芸蒜グ

塩化オニ鉄水溶液(400Be)で エッチングによりJISC6481 に準じて所定の回路を作り, 水洗後綿布で水をじゅうぷん にふきとる。 空調室内(20℃65クgRH)に 30分放置後刻足する。 C:乾 燥 80℃1時間乾燥する。 空調室内(20℃65%RH)に 60分放置後測定する。 D:はんだ処理 260℃の洒融ほんだ浴の上に 銅ハク面を下にして5秒間浮 かべる。 空調室内(20℃65%RH)に 60分放置後測定する。 (注)*:試験片寸法93×180(mm) 縦横

(∈丘 〔▲吋 (EE〉 (一吋 一 一 一 一 (EE) +心+で 一:〉一縦 一一●一棟 図17 MCL-46Fのそり・ねじれ

2 1 ハ (EE) J二]で ・・一〔-稚 ◆棋 図18 MCL▼45Fのそり,ねじれ の温度で約0.05∼0.1mmの穴収縮を生じていることがわかる。 4.1.7 そり・ねじれ MCLのそり・ねじれの試験方法としては電気通信研究所発行 の「DEX-2用印刷回路銅張り積層板技術資料(28)(第2版)+に定 められた方法に従って試験した。すなわちそりは試験の長手方向 (180mm)で測定し,ねじれほ2方向の対角線方向のそりを測定 し,その各々の値の差の絶対値で表わした。また試験片は基材の 繊維方向と試験片の長手方向とが平行(縦方向と呼ぷ)あるいは直 角(横方向と呼ぶ)方向に切り出し,表8に示した各処理条件で処 理後測定した結果を固け∼22に示した。これらの図によると耐 燃性MCLほ一般MCLと同じく加工によるそり・ねじれの変動 少なく,今後ますます発展が予想されるMCLの自動加工,部品 の自動そう入に好都合である。 ん2 電気白勺性質 4.2.1絶 縁 抵 抗 MCLを使用した機器が高湿度状態で使用されることを想定し て,短時間に耐湿性を試験するために,100℃水中に2時間浸せき

する処理を繰り返し,煮掛こよる絶縁抵抗の劣化試験を行なった。

その結果ほ図23に示すとおりである。また23℃の水中にMCL を長時間浸水して吸水率の変化を求め結果を図24に示した。 こ れらの図によると耐燃性MCLほ一般MCLのそれぞれJISの同 じ等級のものに比べて劣化の程度は同じかまたはむしろ少なくす ぐれた性能を有している。またこれらのMCLは5回煮沸後にお

いてJISの各等級の1回煮沸後の規格値よi)高い値を示している

ことおよび一般MCLが実用上支障なく使用されていることを考 えると耐燃性MCLは全く問題なく実用に耐えるものであること がわかる。 一 一 一 一 一 一 (∈E) 〔一吋 (∈己) ぐ吋 (∈丘 (一吋 (∈∈) ♪吋 一 一

2 1 ∩ (∈∈)七+〔下 ーー(>-縦 一一横 図19 MCL-47Fのそり,ねじれ

(EE) よ+巾∼ 一-(〉-縦 --●・一横 図20 MCL-8のそり,ねじれ 胡棚 101ヰ 1013 冨1012

芸10‖

芸1010

七三j ウ旨10g lO軌 10丁 (∈巨)上+"∼ 一一○一躍 --●一枝 A C D 国21MCL-8-4のそり,ねじれ

(E丘七+〔¶ 図22 MCL-41のそり,ねじれ ー】・-く〉-MCし46F ・・・・+:←一MCL-45F -「-・・MCL-47F +れtC・L-8 ・・・・・・-・-・れtCL-8-4 十九1CL-41 一一:-縦 ■--●一横 2 3 処矧l!ほと佃) 国23 繰返し煮沸による絶縁抵抗の変化〔処理:n(D-2/100)〕 nU 5 0 5 2 1 1 0 (芭鯨)下警

。+

-く一九lCL -・-亡トーMCl+ 一一一-∠11hlCL 一一一九1CI一 -▲一一九・lCL 6F 5F 7F -4 ---LⅣICL-41 3 4 5 処柁Fl蓋七(d) 図24 蒸満水(23℃)浸水処理による吸水率の変化

(8)

176 日 立

1011 喜1013 ⊂ヨ

盲101j

芸1011

心こ 芸1010 1013 (1012 望′ ピ1011

慧1010

哨109 一-<--MCL-46F ・・・・一【:トー・・MCL-45F -一也・・・・・・・MCL-47F 一・・・t-・・・MCL-8 --■トーMCL-8-4 -一一-MCL-41 50 80 iJ.た度(Oc) 110 140 図25 体積抵抗率の温度特性 ・・一<〉一九1CL-46F 小MCL【45F ・・・-ふ-・・・MCL-47F 一◆九tCL-8 ・・一・・・・・・・・MCL-8-4 ・-・-▲-MCL-41 50 80 さ盟吐(-C) 110 140 図26 表面抵抗(接着剤面)の温度特性 4.2.2 体積抵抗率,表面抵抗 MCLの基板の体抗抵抗率,接着剤層の表面抵抗はいずれも高 温下,高湿皮下における数値が高く,低下率の少ないことが望ま れる。そこでこれらの温度特性(2)と高湿度下の経日変化を検討 した。 (1)温 度 特 性 高温気中で測定したMCLの体積抵抗率は図25に示すように, いずれのMCLも温度が上昇すると体積抵抗率は徐々に低下す る。これらの現象ほ他のMCL(紙エポキシ,ガラス布エポキシ MCLなど)にも認められる。MCLを使用した橡器の内部の温度 上昇は過去の経験から一応120℃以下と考えられるが,この温度 で各MCLとも体積抵抗率は1010∫l・Cmを保持している。 MCLの接着剤面の表面抵抗を高温度下で測定し,その温度特 性を図2dに示した。体積抵抗率と同様に温度が上昇するにつれ て表面抵抗は徐々に低下している。しかしMCLの接着剤はフェ ノール樹脂積層板にまさる電気特性を持っている(29) ̄(81)ために 機器の温度上昇が考えられる120℃付近でいずれのMCLも108幻 以上を保持している。 (2)吸 湿 特 性 MCLを温度40℃,相対湿度90%の条件で処理して吸湿による 体積抵抗率の変化を求めた。図27はその結果を示したものであ る。各MCLとも吸湿によって体積抵抗率は漸減するが,20日処 理後において1010凸・Cm以上を保持している。 同じ条件で表面抵抗の変化を試験した結果は図28に示すとお りである。固からわかるようにMCLの表面抵抗はMCLの接着 剤が電気特性,耐湿性にすぐれているため,20日処理後において いずれのMCLも1010凸以上の高い値を示している。 以上,電気絶縁性の温度特性,吸湿特性において耐燃性MCL は一般MCLに比べてほぼ同等の特性を示しているので,実用上 問題ないと考えられる。 4.2.3 誘電率,誘電正接 高度の性能を要求する機器にMCLを使用する場合には,MCL の誘電率,誘電正接は数値が小さいこと,各周波数において変動の 少ないことが必要となる。そこで誘電率,誘電正接の温度特性(2) と周波数特性を検討した。 (1)温 度 特 性 1MHzにおける誘電率の温度による変化は図29に,誘電正接 76 盲101一 重10】ヨ

箕1012

彗1011

芸 、 ̄10川 ⅤOL.54 N0.2 1972 --<トーMCL-46F ・・・・・・・・・・[-一九1CL-45F  ̄ ̄「-■■■ ̄MCL-47F ■■■ ̄● ̄MCL-:8 +MCL-8-4 ・・・・・・一トーMCL-41 U 5 10 15 20 処坪l】致rd) 図27 温度40℃湿度90タg処理による 体積抵抗率の経日変化 10】一 言10‖ ]言10-Z 去重 電1011 哨 1010 109 7.0 散 田5.0 悠 --く>一九ICL-46F --{-MCL-45F ・・・・--・・・・MCL-47F +九1CL-8 ■■■■■■・--MCL-8-4 ・・・・・-・・・MCL-41 U 5 10 15 20 処理U数(d) 図28 温度40℃湿度90%処理による 表面抵抗(接着剤面)の経日変化 ー・・くトーMCL-鵬F ・・・-(}-MCL-45F ・・・→ゝ一山Cし47F ・・一■-MCL-8 ・・・・・tト一九tCL-8-4 -一・-MCL-41 50 80 110 140 温度(Oc) 図29 誘電率の温度特性(1MHz) 0.08 三空 也 0.04 〔ゴ ーご1 -ぺ一九化L一媚F --く}一九lCし45F --`--ト】CL-47F 十MCし昌 一MCL-8=4 一-MCL-41 ) 50 80 110 140 温度(OC) 図30 誘電正接の温度特性(1MHz) のそれほ図30に示すとおりである。 誘電率ほ各MCLとも温度の上昇につれてやや大きくなる傾向 にある。耐燃性MCLと一般MCLに分けてそカ1ぞれのグループの 中で比べるとJISの等級の順に並ぶことがわかる。これらのMCL の中でMCL-41は最も誘電率にすぐれしている。 誘電正孝妾においても誘電率とほぼ同様に温度の上昇につれてや や大きくなる傾向にあるが,MCL-41だけは例外で温度上昇に ともなって誘電正接は小さくなっている。耐燃性MCLと一般 MCLをJISの同じ等級で比べるとMCL-46FはMCL-8よりや や小さい誘電率および誘電正接を示しているが,MCL-45Fは MCL-8-4より,MCL-47FはMCL-41よりやや大きい値を示 している。 (2)周波数特性 室温20℃で周波数を1kIizから100MHzまで変えて誘電率 を試験した結果は図31に,誘電圧正接を試験した結果は図32に 示すとおりである。これらの結果から高周波領域になるにつれて 各品種とも誘電率は小さくなるが,誘電正接は大きくなる傾向に ある。 耐燃性MCLと一般MCLの比較では前項(1)の温度特性の場 合と同様なことがいえる。

(9)

人2.4 験 絶縁材料は一般に金属導体問の絶縁のために使用されるもので あり,常時金属に接触している。その金属導体間には電圧が印加 され,金属は温度,湿度の影響を受けるので腐食が起こり,絶縁 低下,ひいては絶縁破壊にまでおよぷことがある。このような現 象を電食という。試験は試験片の端面に金属(ここでは銅)ハクを 接触させ,これに40℃,90%相対湿度下で直流135Vを96時間印 加したのちの金属ハクの表面状態を調べる。通信株用積層板電食 試験方法(32)に準拠して行なった。 表9ほその結果を示したもの 7.0 キ ■‡卓5.0 一く--11CL46F 一イJ一九1CL・45F -1-11CL-47F --←11CL-8 +MCL-8-4 ----11CL-41 0.01 0.1 1 10 100 即皮数(MHz) 図31誘電率の周波数特性(20℃)

芸;二三…転

0.1 1 周波数(MHz) 10 100 -一仁一-MCL一端F ---{=ト・11CL-45F ---MCL-47F 一・▲-1トーMCL-8 ・・・・ぺト・MCL-㌻4 +MCL-41 図32 誘電正接の周波数特性(20℃) 表9 電食試験結果* 極性 品名 陽 極(点)l陰 極(点) MCL-46F MCL-45F HCL-47F MCL-8 MCL-8-4 MCL-41 60∼70 50∼60 60 60 60∼70 60∼70 (注)*:100点満点 表10 MCL の 耐薬 品 性*

薬品名輝度障賢僻′ ̄【叫懲1

シアン化カ リウム水溶 液 (10%) カ性ソーダ 水溶液 (10%) 塩 酸 (10%) トリクレン メチルエチ ルケトー/ メタノール 70 30 60 90 120

M㌢ ̄lM£よ ̄lM去L ̄

○ (⊃ 0 0 0 0 0 0 30 30 60 90 120 (⊃ 0 0 0 0 0 0 0 0000 0 0 0 0 0 0 (⊃ ○ (〕 (⊃ (⊃ (〕 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 △ ⊂) O Cl O 30 60 90 120 0 0 0 0 0 0 0 0 (⊃ ○ (〕 ○ (⊃ 0 0 (⊃ 87.2 (沸騰) 30 2 5 10 15 30 60 90 120 0 0 0 0 0 0 (⊃ ○ ⊂) 0 0 0 0 0 0 △ 0 0 0 0 0 0 C) ○ ⊂) 0 0 (⊃ (⊃ 0 0 0 0 0 0 △ 0 0 (⊃ ○ 0 0 (⊃ ○ 0 0 C〉 ○ 0 0 (〕 ○ ○ (〕 0 0 30 60 90 0 0 0 0 0 (⊃ 0 0 0 Cノ 0 0 (⊃ 0 0 0 0 (⊃ ∈ 盲2.0 5 (U 5 nU ll(U 和実+・やコエ廿 (∈U\甘言 杓漢+も刈一小石 餅〕 90 i・ょせき時間(m) 120 --(こ-・MCL-46F 一==}一入1CL-45F -1ゝ一九iCL-47F --1ト・・MCし8 -MCし8-ヰ ーーーr hlCL-41 図33 シアン化カリムム10%水溶液(70℃) 浸漬処理による引きはがし強さの変化 2.0 1.5ト 1.。

+

+ 30 60 120 F F F 一一「 L L L L L L ハしハしC Cハし〔し

〓〓〓

さ′三七き吋‡!](m) 図34 カ性ソーダ10%水溶液(30℃) 浸潰処理による引きはがし強さの変化

l‥T-章

-LnU ∧V 5 0 2 1 1▲ (∈U、址宮 れ蜜+去コ爪一廿 一一ニー一丸化L-46F --一亡-MCL-45F ---ムーMCし47F 一・-・--MCL-8 十MCL-8-4 一「▲一九1CL・41 30 併) 90 120 た‡せき時間(m) 炉135 塩酸10%水溶液(30℃)浸潰処理による 引きはがし強さの変化 nU (∈U\汐ニ --0-トICし46F 一-}:)-MCし45F ・→・-MCし47F ---→--か化L-8 -一■-MCし8-4 ・・・・・・一・・一対Cし41 10 15 (m) 図36 沸とうトリクレソ(87.2℃)浸潰処理による 引きはがし強さの変化 (U (∈U\瞥壬

う+mいO

ll れ彗+も空竺p --0一丸化し鵬F 一一{トー朋CL-45F ♯MCし47F --●一九】Cし8 十川Cし8-4 -・・・・一←一九lCし41 鋭) 90 浸せき時間(叫 120 図37 メチルエチルケトン(30℃)浸漬処理による 引きはがし強さの変化 (∈U\哲ヱ ハリ 5 30 60 90 120 出せさ時日り(m)

(10)

178

である。この結果から,耐燃性MCLは一般MCLに比べて,ほぼ 同等のよい結果を示し,それぞれのMCLに使用した樹月旨および 消炎剤は電食に悪い影響を与えていないことがわかった。 4.3 化学的性質(5)(8) MCLほ加工工程中にいろいろな薬品および溶剤の影響を受ける ので,これらに耐えることが要求される。そこでシアン化カリウム 10%水溶液,カ性ソーダ10%水溶液,塩酸10%水溶液,トリクレ ソ,メチルエチルケント,メタノールなどの化学薬品で処理した場 合の外観の変化を判定した結果は表10に,引きはがし強さの変化 ほ図33∼38に示すとおりである。 その結果,耐燃性MCLは一般MCLと同じくほとんどこれらの 薬品にはおかされなかった。また薬品処理後の引きはがし強さほ, シアン化カリウム水溶液の処理を除いて,はとんどその値の低下は 見られず安定した耐薬品性を有していることを示した。 シアン化カリウム水溶液による引きはがし強さの低下は銅ハクが シアン化カリウム水溶液中に溶解するために起こるものと考えられ る。したがって耐燃性MCLにかぎらず一般の紙フェノールMCL でも,シアンイオンを含むメッキ液などで金メッキをすることはで きるだけ避けるべきである。

5.結

R 耐燃性紙基材フェノール樹脂MCL(MCし47F,MCL-45F,MCL-46F)はいずれもUL規格SE-1の耐燃性に合格し,打ち抜き加工 性,そり・ねじれ特性,電気絶縁性,誘電特性など,一般の紙フェ ノールMCLと同等以上の特性を持っている。 また耐湿性,耐熱性,耐薬品性などの強制劣化試験においても, 一般の紙フェノールMCLと同様の性能変化を示し,長期の使用に じゅうぶん耐えうることが明らかとなった。耐燃性MCLの使用が 強く望まれている今日,本報告が使用者各位のMCLの選択ならび Ⅴ○Ⅰ..54 N0.2 1972 に設計と加工をされる際の参考になれば幸いである。 12345678910n12131415161718192021222324252627始29303132 参 芳 文 献 UL Subject492(Sept.1.1970) 中川,池添,横倉:日立評論,48,293(昭41-2) 横山 樋口:日立評論,40,51(昭33-3) 斉木,伊藤:日立評論,43.1121(昭36-9) 斉木,鈴木,横倉:日立評論,4d,504(昭39-3) 樋口,小林,中川:日立評論,別31,79(昭弘-7) 横山,中川:日立評論,43,2211(昭36-12) 中川,池添:日立評論,4る,1337(昭39-8) JIS C6485(1964) 岡:UL講演会資料(Sept.3,1970) William R.Brookes:Ind.Eng.Chem.53,570(1961) 桜井:建築材料,る,76(1961) ASTM D635 JIS C6481(1963) UL Subject746(Mar.1.1967) UL Subject20&492(Mar.18.1971) ASTM D2863-70

NEMA Standard PartlO;CopperCladLaminates(1968)

綱島:「プリント配線板の設計と製作+ UL Subject796(July2,1968) 磯野:UL講演会資料(Sept.3.1970) PB レポート;PB-131983 中野:工化,る5,3号(1962) 中野:プラスチックス,7,9号1(1956) 北条:高分子材料講習会資料(Apl.19朗-) ASTM D617 W.H.Klippel∴ Elect.Manuf.58,92(1956) 電電公社通研有技研編資料(1967) 松井,山方:日立評論特集号No.31,65(昭34) 綱島:NationalTecbnicalReport.No.3 小柳:電化,2る,557(1958) 通信放用積層板研究会編:「通信機用積層板の電食に関する 研究+(Feb.1962)

言午

特許弟564063号(特公昭44-17558号) 電 磁 流

発 電

用 発 電 ダ ク ト 電磁流体発電機ほ磁場内へ高温高速の電磁流体を通し,磁場と電 磁流体との作用により対向する電極間に起電力を生じさせるもので ある。この電磁流体発電機の電磁流体を通じる発電ダクトは発電機 の運転時において3,000QK近くまで温度上昇するため,このような 高温に耐えるとともに短絡電流を流さないものが要求される。 本発明は以上の点に鑑(かんが)みなされたもので以下本発明を実 施例とLて示す図によって説明する。図において1ほ断面矩形状に 構成された電磁流体通路,2ほ通路1の一方側の対向面を形成する 冷却ジャケット,3は並設した複数個の電極,4は電極3を互いに 他と絶縁して一体に形成するマグネシヤのような耐火絶縁材,5は 絶縁材4の外側をおおう金属板,6は電極3と金属板5とを絶縁す る絶縁物,7ほ冷却ジャケット2へ形成した冷却媒体通路,8は冷 却ジャケツト2の冷却媒体通路7の両側へ形成した不導電気体通 路,9は不導電性気体通路8相互間に配置した複数個の気体供給パ

イプであり,このパイプ9i羊個々へ穿(せん)設した複数個の気体供

給口10が電磁流体通路1へ開口するよう取付配置してある。不導電 性気体としては空気窒素ガスなどが用いられる。 これによって冷却ジャケット2は金属でそのまま通路1と接して いるがその表面近くに形成される不導電性気体被膜により直接電磁 78 加 沢 義 彰・笠 原 達 雄 要 田 勲・石 一 流体と接しないため短絡電流の流れるおそれほなく,冷却ジャケッ ト2の熱的損焼をも防ぐことができる。 なお,なんらかの原因で括流が起こり,不導電性気体被膜が破れ た場合を考慮して冷却ジャケット表面にセラミックのような絶縁被 穫を施したダクトとすればよりいっそう効果的である。 本発明によれば高効率で長時間運転の可能な電磁流体発電機用発 電ダクトを得ることができる。 (綿引) 8 7 2

/

3 1 910 3 図 1 8 4

参照

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