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震源過程のインバージョンに基づく即時広域震度分布推定法の開発

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Academic year: 2021

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Title

震源過程のインバージョンに基づく即時広域震度分布推定

法の開発( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

久世, 益充

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第190号

Issue Date

2003-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1911

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題 目 久 世 益 充 (京都府) 博 士(工学) 甲 第 190 号 平成15年 3月25日 生産開発システム工学専攻 震源過程のインバージョンに基づく即時広域震度分布推定法の開発 (Pro叩tE8til■tionSy8telforRegion81SeisLicI鵬en8ity Di8tributiononthebasi$OfFanltingProce$8InYer8ion) 学位論文審査委貞 (主査) 教 授 杉 戸 真 太 (副査)助教授 能 島 暢 呂 教 授 八 嶋 厚 教 授 本 城 勇 介

論文内容の要旨

地震発生直後において,被害状況を把握するために有力な情報となるのが地震動強度分布 に関する情報である.本研究では,地震発生直後に震源情報と観測記録が得られる場合の,広 域的地震動強度分布即時推定法の開発を試みた.具体的には,観測記録より同定した震源パラ メータを用いて,強震動シミュレーションにより地震動強度分布を推定することとした.ここでは, 推定精度と即時性を重視し,数値計算を要する強震動シミュレーションを必要最小限に止め,地 震動強度を補間することで詳細な地震動強度分布を短時間で推定する手法を検討した. 以下に研究内容の要約を述べる. 未源パラメータ推定法の検討

地震発生後に気象庁より発表される震源情報(震源の緯度,経度,深さ,マグニチュード)と観

測記録による震源パラメータ推定法を検討した.推定する震源パラメータは,断層長さ,断層め破 壊伝播方向,地震モーメント,断層の破壊伝播速度,アスペリティ分布である.それぞれの震源 パラメータについて,本研究では以下に示す3つの段階に分けて推定する手法を提案した. (1)断層長さ,断層の破壊伝播方向の推定 (2)地震モーメント,断層の破壊伝播速度の推定 (3)アスペリティ分布の推定 なお,内陸型の断層を対象とする場合には断層の傾斜角を900 と仮定して(1)∼(3)の推定法を 適用し,予め断層面をある程度想定できる海洋型地震の場合には(2)∼(3)甲推定法を適用するこ ととした. 震源パラメータ推定においては,堆積地盤上で観測された記録は局所的な地盤条件の影響を 大きく受けているため,各地点毎に地盤条件の影響が少ないと考えられる工学的基盤面(S波速 度500∼600m/sec)相当に変換した地震動波形を用いることとした.震振パラメータ推定法の検討 に用いた地簾動波形は,(1),(2)は断層の3次元的な広がりや破壊の伝播方向などの震源特性 を考慮可能な非定常地震動予測法(EMPR)を用いたシミュレーション波形,(3)は1999年台湾集 集地震で観測された地表面の強震記録である. \

(3)

(1)の推定法では,地震動パワーの空間分布特性に着目した手法を検討した.EMPRを用いて モデル化した地震動パワーの距離減衰式より,断層長さ,断層の破壊伝播方向のあらゆる組み 合わせを試行し,観測記録と距離減衰式の地震動パワーの誤差が最/J、となるケースを調べること で,断層長さ,断層の破壊伝播方向を決定することとした. (2)では,着目地点のシミュレ」ション波形を算出し,シミュレーション波形と各地点の観測波形 よりそれぞれ得られる地震動パワーと地震動継続時間により地震モーメント,断層の破壊伝播速 度を推定した. 断層面上のアスペリティ分布を推定する(3)では,観測記録の地震動パワーの時刻歴とシミュレ ーション波形を用いたインバージョン(逆解析)を行うことで,アスペリティと等価なパラメータである 断層面上の地震動パワーの相対比率を推定する手法を開発した.開発したインバージョン法を 1999年台湾集集地震に適用した結果,アスペリティを考慮しない場合よりも観測記録に近づいて いることが確認できた.

しかし,検討したインバージョン結果を遠地実体波を用いたYagiandKikuchiの解析結果と比

較すると,着目する周波数帯域によると思われるアスペリティ分布の違いが見られたため,.より詳

細な震振過程推軍法として周波数帯域を考慮した地震動パワーの時刻歴によるインバージョン

法を検討した.その結果,着目する周波数帯域毎の地震動パワーの相対比率がそれぞれことな ることが示された. 地某動強度分布即時推定法の検討

観測記録より即時推定した震源パラメータを用いて,地震動強度分布を即時推定する手法に

ついて検討した.強震動シミュレーションにより対象地域の全地点で地震動を算出して,地震動 強度分布を推定すると膨大な数値計算時間が必要となるため,推定の即時性を重視した手法を 検討した. 具体的には,数値計算時間を要する強震動シミュレーションは限定した地点のみ行うこととして, その結果より得られる地震動強度を補間することで地域全域を強震動シミ享レーションで算出した 場合と同等の精度の地震動強度分布推定となることを示した. 想定八幡断層,1995年兵庫県南部地震,想定東海地震の3ケースを対象として,本研究で検 討した震源パラメータ推定法及び地震動強度分布即時推定法の適用性を検討した.その結果, 想定八幡断層では30分程度の計算時間で精度良く震源パラメータ及び地震動強度分布を推定 できることが確認できた.

1995年兵庫県南部地震の観測記録では,少数地点の観測記録を用いて,想定八幡断層のケ

ースと同様,短時間で地震動強度分布を推定することができた.想定東海地震では,予め断層 面が既知であるとして,インバージョンによるアスペリティ分布の推定を行った.

論文審査結果の要旨

地震発■生直後において;おおまかな被害状況を把握するために有力な情報となるのが地震動 強度分布に関する情報である.本研究では,地震発生直後に震源情報と地震動観測記録が得 られる場合の,広域的地震動強度分布即時推定法の開発を試みたものである.具体的には,観 測記録より同定した震源パラメータを用いて,強震動シミュレーションにより地震動強度分布を推 定することとした.ここでは,推定精度と即時性を重視し,数値計算を要する強震動シミュレーショ ンを必要最小限に止め,地震動強度を補間することで詳細な地震動強度分布を短時間で推定 する手法を検討した.具体的に以下の研究成果が得られている.

(4)

-24-【1]震源パラメータ推定法の開発 地震発生後に気象庁より発表される震源情報(震源の緯度,経度,深さ,マグニチュード)と観 測記録による震源パラメータ推定法を検討した.推定する震源パラメータは,断層長さ,断層の破 壊伝播方向,地震モーメント,断層の破壊伝播速度,アスペリティ分布である.それぞれの震源 パラメータについて,本研究では以下に示す3つの段階に分けて推定する手法を提案した. (1)震源規模(断層長さ,幅),震源位置と断層の破壊伝播方向の推定 (2)地震モーメント,断層の破壊伝播速度の推定 (3)断層面上のアスペリティ分布の推定 ここで,内陸型の断層を対象とする場合には(1)∼(3)の推定法をすべて適用し,予め断層面を ある程度想定できる海洋型地震の場合には(2)∼(3)の推定法を適用することとした. 一般に,堆積地盤上で観測された記録は局所的な地盤条件の影響を大きく受けているため, 各地点毎に地盤条件の影響が少ないと考えられる工学的基盤面(S波速度500∼600m/sec)相当 に変換した地震動波形を震源パラメータ推定に用いることとした.震源パラメータ推定法開発にあ たって用いた地寮動波形は,(1),(2)は断層の3次元的な広がりや破壊の伝播方向などの廣源 特性を考慮可能な非定常地震動予測法(EMPR)を用いたシミュレーション波形である.(3)につい ては,1999年台湾集集地震をとりあげ,この地寮で観測された堆積地盤での強震記録により検 討した. (1)の推定法では,地震動パワー(加速度時刻歴の2乗和)の空間分布特性に着目した手法を 検討した.EMPRを用いてモデル化した地震動パワーの距離減衰式より,断層長さ,断層の破壊 伝播方向のあらゆる組み合わせを試行し,観測記録と距離減衰式の地震動パワーの誤差が最/J、 となるケースを調べることで,断層長さ,断層の破壊伝播方向を決定する手法を提案した. (2)では,着目地点のシミュレーション波形を算出し,シミュレーション波形と各地点の観測波形 よりそれぞれ得られる地震動パワーと地廣動継続時間により地廣モーメント,断層の破壊伝播速 度を推定する手法を開発した. 断層面上のアスペリティ分布を推定する(3)では,観測記録の地震動パワーの時刻歴とシミュレ ーション波形を用いたインバージョン(逆解析)を行うことで,アスペリティと等価なパラメータである 断層面上の地寮動パワーの相対比率を推定する手法を開発した.開発したインバージョン法を 1999年台湾集集地震に適用した結果,アスペリティを考慮しない場合と比較して推定精度が高く なることが確認された.また,より詳細な震源過程推定法として周波数帯域を考慮した地震動パワ ーの時刻歴によるインバージョン法にっての予備的検討を行っている. [2]地震動強度分布即時推定法の検討 地震直後に得られる観測記録より即時推定した震源パラメータを用いて,広域における地震動 強度分布を即時推定する手法について検討した.ここでは,比較的数値計算時間を要する強 震動シミュレーションは限定した地点のみ行うこととして,その結果より得られる地震動強度を補間 することで地域全域を強震動シミュレーションで算出した場合と同等の精度の地震動強度分布推 定とする検討を行った.

想定八幡断層,1995年兵庫県南部地震,想定東海地震の3ケースを対象として,本研究で検

討した震源パラメータ推定法及び地震動強度分布即時推定法の適用性を検討した.その結果, 想定八幡断層では30分程度の計算時間で精度良く震源パラメータ及び地震動強度分布を推定

(5)

できることが確認できた.

以上が本研究の主な成果である.本研究で提示された一連の解析手法は,広域の地震被

害の事前推定に有効に利用できる・また,断層パラメータの即時推定に基づく震度即時推 定手法は,自治体の防災担当に重要な情報を提供するものであり,きわめて価値の高い研

究成果である.このよぅな評価に基づき,本研究は学位論文として認定するに催するもの

と判定した.

最終試験結果の要旨

杉戸真太,能島暢呂,八嶋 厚,および本城勇介で構成する審査委員会は,本論文およ

び論文別刷りなどを慎重に検討した.本論文は学位論文として十分に完成された内容を有

していること,提出された査読付き論文は申請者によって書かれていることを確認した. また,最終試験(公聴会)を平成15年2月10日に開催し,審査した.審査委員会での審 議の結果,合格と判定した.

参照

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