禮質指数の統計學的批判
一Vervaeck指歎の優秀性について一
東京女子欝學唖聾學校衛生學教室(主任 吉岡博入i教授)講師 立 野 君 子
タツ ノ キミ , (受付 昭和16年12月19日) 目 次 .第1章 緒 言 第2章 研究方法 第3章 疹{=究の結果 第4章 考 按 1. 諸指数の比較 II. Ve・vaeck指湯の實際的庶用 第5章 総括及結論 引用丈:獣第i章 緒
言 人艦の形態學的計測により艦質の良否強弱等を判定するに當って重要な事:項は,獲育,榮養歌態. 盤格の三つと考へられて居る。このうち獲育標尺としては身長,艦重,胴長,.坐高等の軍一測度が り そのま瓦用ひられ,他の二者の判定に樹しては上意園の如き軍一測度もあるが,主としてこれら諸 測度を組合せた艦質指数が用ひられて居る。この指数算出の激式は諸家によりて甚だ匠々であって その種類は70醗の多数に昇って居る。而してこれらのうち榮養欺態に回するものと艦格に關する ものとは裁然匪回すべしと詮かれて居るが,同一指数にありても或は榮養指数として用ひる學者も くこり あり、,又髄格指歎として用ひる學者もあって,三際上未だ艦格指数と榮養指数とは必ずしも判然と 亙別されて居らす,叉これら諸指激のいつれが最も優れて居るかについても,幾多の論議があって 決定を見るに至らないっもっともこれら諸指藪のうち,主として巳本に於て普遜用ひられて居る砦 のは比較的少藪であるが・しかもなほ四丁7・8種を下らない。此のやうに多く爾指数が用ひられ て居るとV・ふことは,ζれら諸指数の中いつれが最も遮當なるかについて鋒一した論理的根回が與 へられて居ない誰嫁と考へられる。 文獄に役するに,これら指激に關係する業績の多くは,新たな指激を提唱してそれの生物學的意 一35一一ど 義に就て読明し,或は或特定の指激を中心として之と他指撒,或は身艦諸測度との關係を調査して く らくユの (2)(5)(6)(13)c17) (13)(15) 居る。これによってこれら皆野の有する意義を論じ,或は艦格指三叉は二二三三としての慣値を批 判してみるのであって,管網撒相互の關係を全般的に追究した業績は殆んど見られない。 今指数算出の数式を見るに,いつれも同一測度脚ち,身長,三重,二二,坐高等よわなり立って 居り,それ等の組合せにより多数の式が成立してみるのであって,各指数の式には共通の因子が含 有されてみるもの多く,且かやうな指敷の算出は同一目的脚ち,艦質判定といふ一つの目的の爲に 老案されたものなる故,各指数闇には相當強い相關度を表はすものあるべしと豫想し得られる。故 に假に甲の櫓幕と乙の指激との聞に甚しく強度の相關があるものとすれば,その指数を提唱した肇 者はその指歎に樹して夫々多少相違せる意味を附與して居るとしても,三際には何れを用ひてもそ の實用上の慣値に大なる影響がないと云ふ事になるのでなv・かと思はれる。それのみならす・進ん で相關度の強いものば算出激式は異っても,結高躍質標尺として何れを用ひても差支へない程似よ った意味を有するものと見る考へ方も可能と思はれる。これに反して,甚しく弱V・相關度を示す指 敷は,それを提唱せる學者は艦質判定標尺として類似せる意味をつけて居ても,本質的に異った意 味を有すべきものと考へなければならなV・。 よって余は統計學的方法によって諸指数相互の關係を明らかにし,いかなる指数が最も上記なる かを検討せんと試みた。
第2章 研 究 方 法
以上の如き理論的根嫁よy,統計學の相川法を用ひて諸指数相互間の相關係数を算出し,その大小により各上 敷相互の近似の程度を比較班究した。 しかして)比較研究の封象として用ひたものは,近來日本に於て身膿槍査又は生膿測定の業績に於て普蓮用ひ られてるる指数であって,第1表に示すが如き.9個の指数を選び,これを凡て東京女子讐學專門學校生徒2112名 の測定より算出した。 (14)第1表 硯究に使用せる指撒内掛
一}一碧髄醗重)告K・・砥綴
告R・b・er民指数・ 至一掴代講(・・ag・c・賭敬)¥一v号・阿aec畷瞳
L一(G十B)コPignet順手打数 :LrG=長重差一36一
署一・・U・e氏指数一聯八切撒
備 考 L=身 長 G= ee 重 B=胸 園’ s ・= Ak 高 て以下之に準ず)相關係数を算畠せんとする各指藪問には同一因子を有するものあり 一}即ち統計學上の所謂「擬相關」であってか Sる擬相關の算出には簡便法として,..昏因子の算術雫均並に標準偏差よb算出する方法もあるが,こ製にはこの (4)(s)cll) 簡便法によらず各指数の實歎から直接算出した。
両・て・れ・耐讐は嫌・で・・6こ畷雛及・・の問・欄騰…一発署謂
’r 「・eの騨講δr蚕=了 Xx及Xy.の問の同蹄係数をbl,.㌧とすれぽ, b、=r一璽一,b、・=・.空 6y 6x :Xx及Xyに於ける詳債標準誤差をσy・x,σx・yとすれば, cy .・x=oy Vrtl=’lj一一 r2 , 6x . y =ox V’1= ’1’27 但しσx,σy=Xx及Xyの標準偏差 XXr Xy=Xx及Xyに於ける夫々の奉均値からの偏差 N=實測値、第3章
研究の結果
無手緻棚間の相湿度麟壊に示すltilくである,9れenるに・指継互のオ目塞36組に於け る相傘係数は最大0.986,最小0。697であって,いつれも強度の柑關度を示してみる。この中21組 (58%)は極めて強い相關度(0・9)であり.,8組(22%)は0・8,6組(17%)は0・7毒示してみ るのであって,O.6を呈するものは僅:か1組(3%).に過ぎない。 次に,各指数別に分類して,他の指激聞との筆管を調べて見た。その結果は第3表に示す如くで ある。これによれば義般に相關三歎の値は大であるが,Vervaeck指数及Pignet指数は他の何れの 指激に封しても一様に0.9以上の相二三鐵を示すことに注意を惹かれる。.37一
第.Q’
¥ 指敬.聞 の相麗.
相關をと才しるこ:善旨数 rG÷B
∼1」一(G十B)L
』L∼L_G L3 G十.:B G つ :L L2 レ(G+B)∼{} G GL2 L3 G G 一
ノ
:L L2 B2 B2 ヘノ L .S旦∼L_G
LS レ(G一+B)∼告 G十:B G. へ へ :L :L. L一(G十B)∼L−G L一(G十B)∼{ト G+:B Gへ へ
L L3 :B Bゴ へ ソヘエ.・ 乃 G十B B2 へ 、.L S レ(G+B)∼讐 L一(G+・)一暑 (}÷B.B2 へ L L 一 .9860 一 ・.9797 .9644 一 .9595 .9529 .9484 .Y398 .9396 .9345 .9331 .9315 一 .9208 .9150 .9118 ,91e3 .9071 .gos3 .9047 相關を と れ る 二 .ts指籔
G+:B B L L ≦土±:B∼:レG L一(G+B)∼一警 B2 :B S L :B G L L3 丑,》L_G I、 G (} L :L3 B G @ ゴ :L L2 B2 G ノリ L L2 旦,vi《}L
B2 G
じ S :L2 B2 G S Lnノ B2 G ハノ へし. L3B2 G
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s G :B へヘノへ工」 :L r .9016 一 .9016 一 .9e12 .8981 .8680 一 ・.8652 .8260 .8t89 .8175 一 .8122 .8068 .7923 .7877 .7736 一一 .7722 .7588 一・ .7428 .6967 傭 考 σr==.021ぎ 一一一一一 38・ 一一第3表
指..二間・の相關 粗關をとれるご指数 ’G亨
G+B
Il, 一一 (G+B)…名
’iN !,1
L−G
B2 −s…翌
L
B
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s r .9484 .93一 31 一.9012 .8260 一:8122 .7923 .7736 .6967 .9644 一.9595 ’ .9529 .9484 一.9396 .8189 .8175 .8068 一.9797 .9529 一. 9340’ .9150 .8680 .826り .7877 .7588 相關をとれるこ=揃数B
一.一.vL
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Lq.Lu r 一.9208 . .9118 .9016 .8981 .8680 一.8653 .8189. .6967 一・D9860 ・964剰 .9331 .9150 .9103 ..9047 .9016 =一一.9016 一.9860 一.9595 一.9345 .9315. 一.9208 一,9071. 一.9053一 一.9012 相關をと才し.るこ=指藪:.1
酵
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L L−G・∼、 旦 蓋 へ /喜 r .9398 .9118 一.9070 .9047 .817S .7877 .7736 一一D7722 .9398 .910is 一・C9053 .898ユ .8068 e7923 .7588 /, 一一F7428 一.9797 一.9396 .9315 一.9016 一.86io−3 一.S122 一一・D7722 一.742S ド 備考.σr =.0218 一一 39 一第4章
考 按 1.三指籔の比較 艦力管理,健康診断其他一般に豫防轡學的の意味に於て身艦を計測する時は・當然の結果として 計測成績の判定の問題が起って湿る。脚ち,身長・二重・胸園其他個汝の計測値は輩なる数値とし ては意味がなく,其の数値より何等か人山に關する生物學的意味を認知しやうとすることによってはじめて議が野る・例へば娠を以磯育・百絢園を以高輪髄を以て榮臨急育幽霊
認め,その計測値の大小より三二,榮養,膿格の良否強弱を判定し・或は少くともその制定の一助 としやうと云ふ傾向があるのは,凡てこの要求の表はれであると老へられる。併しかトる要求はそ れに止らす,:更に進んで是等個々の測度を綜合統一して,艦質判定のより良き標尺を得やうとする 傾向がある。諸測度を組合せて算出され・た三二三指激は,かくしてか玉る要求の表はれと見ること が出來る。 かかる指敷は,馨學の領域に於てはその数70蝕の多数に昇って居るが,これらの目的とすると ころは諸六二に徴してもわかるやうに,主として之を二三,成長,榮養何れかの標尺たらしめんと することに鋸着すると考へられ嶺 への 併し元來榮養温品,品格これら諸要素は・入髄に於て互に交錯して表はれて居るのであって・ 概念的には分け得ても,實際には分類測定することは困難なものと云はねぼならない。 ぼの もっとも身長,艦重,畠山等の輩一測度にありても,例へば身長は三二,三重は榮養,胸園は艦瑠云ふやう出品しめやうとするが・これとても髄の測三三即大きさ滑格の大きさ
も重量として表はれるから,二重に表示せしめた榮養標尺には:獲育や骨格の標尺要素を除外するわ けにはゆかなV・。胸圃の場合も亦必すしも三部胸廓の計測ではなく・榮養に關係ある胸部軟組織も 共に計測せられ,三って胸圃の計測値には旧格に回した要素のみならす榮養に關し%要素も混入し てみるのであって,胸薗の艦格的要素のみを純粋に計測することは不可能である。勿論,身長,艦 くユリ 重,胸園等の諸測度は,純粋なる二二標尺或は旧格標尺とすることは出來なV・が,これによって榮. 第4表 輩一測度聞の相關 養乃至龍格の良否の大回の傾向を表はすものとしてな充分役立つも 租關をとれる1 のである。二醸 に「 しかし我。一二計測値概間認証緻相醐の欄の臓よ
LtvS
G一一B G一一LGnyS
l[Jt・vB B 一一v S .7499 .7016 .4657 .4373 .2398 .2302 備考σF.02ユ8 り考察して,このやうな困難は寧ろ身長,三重,胸園等の箪一一測度 よりも,これ等を組合せて案出された指激に於て一層其程度を増す のではないかと考へられるのである。邸ち,軍一な身艦計測値相互. 間め相關と諸指数相互聞の相關を比較すると指数聞の相關は第2表 に,又各測度間の相關は第4表に示す通りであって,指撒聞の絹關. は遙かに大きい。 しかして,二:つの測度又は指激間の相關係藪が大と云ふことぼ’ 一一40一
爾様に解せられる。たとへば,榮養指標としての禮重と髄格指標としての胸園と相關大なりと云ふ ことは,勿論第一に榮養の良いものは艦格がよいと云ふことを示すものと考へなければならないが 一面旧格の指標としての胸園の測定には榮養三三の身三三要素も共に測定されることも一つの原因 となり得ることも顧慮しなければならない。この様に艦質の二つの要素が:互に混入する事の可能な 場合には,三者の聞の相關度が大なれば大なるぼど,他の標尺要素混入程度の大なる可能性あるも のと考へられる。tltl xる關係にある爾標尺の相關度が甚しく大となれば,もはやこの標尺は夫々濁 立した艦質標尺,帥ち純粋な榮養標尺或は艦格指標としての慣値を失ふ事もあり得るであらう。 今回4表を見るに身長と胸囲との相關係数が小であり1,之に反して艦重と胸園,身長と艦三間の 相麗係数が著しく大きい。この事實は身長の計測には胸團の計測の要素が測定技術上混入してこな ・い。たとへば身長の大小には胸園の大小が無關係であるにもかNはらす:,身長と髄三二胸園と艦重 の闘には夫々爾者に共通の計測要素が混入してみる。,具三三にv・へば,身長の大小は當然三重の大 小に影響する。これらの關係が相三度の差を大ならしめる有力なる原因であらう。 以上の如く考へてくると,各指数間に極めて彊度の三二のある事は,第一には各指敷算出の数式. が三重,身長,三園の共通の因子からなってみる事,第二には身長,盤重∼胸園そのものの計測に も共通の身艦的計測要素を含んでみる事,第三にはこれ等二二の多くは榮養乃至旧格の判定標尺た ,らしめんとする同一目的を以て案出された事等より考へて,三三の事と思はれ、る。 こ玉に於て,かやうな指数は提案者によって色々な生物學的意味を賦與せしめられ,或は夫々榮. 養標尺叉は旧格標尺として最も適當なものと推奨されてるるが,結局互の間にさほど三三と麗別さ れる異った意味を有するものではなく,どの指敷を用ひても實用上の慣値に大差がないのではない :炉と考へられる。 一艦人艦の榮養,艦格,護育と云ふやうな,ど9t一一つを見ても實に複雑な要素からなり,且互に ・他の要素が混入或は共通して居る現象を夫々一一つの籔値を以て,三二と他と三三し:其の良否を表 示せしめやうとするのは困難なことである。観念上には榮養指数と艦三指激とを判然と二三し,こ れ,ら指数をして夫々榮養乃至艦格の判定標尺たらしめやうと企圖してみるけれども,三際にはそ’の 目的を達する事が出來ないのでなからうか。それより寧ろこれら指激をば,基本的な各個の身艦計 測値の組合せと考へ,綜合して榮養,艦格爾様の意味を含ませ,一つの綜合艦質標尺とし,更に之 を年齢と封回せしめた場合には,獲育標尺ともなり得ると見る:方が實用に適した考へ方ではなから うか。,、・ そこで,諸家によって考案された諸指激を,こ玉に述べた意味に於ける綜合艦質指数と見るなら ば,いつれが最も三二なる指歎であるかを槍討してみやう。 これら諸指撒は何れもその考案者により一一定の生物三三意義を三三されて居b,艦質標尺として 夫々相當の三値あるべきことは,諸指撒聞にいつれも弧度の相關がある事によっても推論出來るの 、である。そして,、その優劣については種kなる観黙より批判できると思はれる。しかしこxでは寧 ・ろ實用三叉は便宜上の立場から,.どの指数が最善であるかを攻究した。その結果,次のやうな根撮 一一一 41 一一一
からVervaeck指数及Pignet指数が最,も安當であるといふ結論に到達した。 1.Vervaeck三二及Pignet指数は第3表に見られる通り,いつれの指数とも甚だ張い相關度 (O.g以上)を示し境みる故,他の何れの指藪の代りに用ひても農質判定の實用旧慣値に大差 なV・。換言すれば,前二者の指激の優秀なものは他の何れの指数も優秀であると考へられる こと。 2.Vervaeck指数及び:Pignet指激は, V・つれも算出式が簡輩であること。 3.身艦計測の基本要素たる身長,腱重,胸圏の三者が含まれて居ること。 これらの黙よりしてlVervaeck及:Pignet指数が身艦四三に於て身長,三重,胸團の如き基本的 の身艦計測をした場合,これら計測成績を三三し,榮養,鱗格爾様の意味を含んだ綜合標尺として 役立ち且他の指数をもよく代表せしめる事が出來る。それ故,この二指数は實用上最良の髄質指数 .と結論し得る。 そこで進んでVervaeck指数, Pignet指数の爾者を比較するに,次の根撮によりVervaeck・指数 ‘がより委嘱であると考へられる。 1.Vervaeck指敷は1)ignet指数より他の指激との相關がやx大なること。 2・撒式を見るに,Hauchmannも云ふやうに,.Pignetに於てはその数式が箪位の異なるものの く コ 加減によって構成せられてみる事が不合理であるに反し,Vervaeck指数は比晶晶と比胸園, つまり二つの比率の和であって,力込る不合理が見られない。 3.Pignet指激の算串二値ct)二二が時には正であり時には負であって,この黙實用上多少の不便 1があると考へられる。 4・V・・v・eck指数は比鞭,比,gpm・eeと云ふやうな學校身騰査に於て長年取扱はれ,獺に於て 最も普及されてみる指敷の組合せであること。 以上はVervaeck指数と他の諸指数とを二二及二二判定標尺として比較した場合であるが,・樹
胴auchmaDnはVervaeck指敷が
くコ り 1・長点,・山育の關係を表はすこと。 2.身長との相關が小なること。 3.・比較的少V・種類の計測値よりなり,簡軍に計測され得るもの。 と云ふやうな條件を具備して居って,艦型判定(たとへばhypersthenisch,、asthenisch)normosthe一 .1獅奄唐モ?yKonstituti。nsanomalieなる艦型に分類す)標尺としても最も優って居ると論じて居るか ちVervaeck指数の實用上ID慣値は更:に廣》・ものと考へられる。. II・Vervaeok指激の實際的旛用 そこで本節ではVervaeck指数を實際に憲用す・るに當って,實用上参考となるべ.き三三について 考察を加へてみやう。・ (1』)身艦計測成績の判定に當って,Vervaeck指数を使用、した場合問題になるのは,算出された ’VerVaeck指敷成績の良否が制定出來るやうな規準表の作成である。カ>xる成績判定規準表は.,.一 一42一般に學校衛生並に産業讐學に於て用ひられて居るやうな:方法によって・Vervaegk指数の度数分布よ り算出した李均値と撒布度を示す続計値とを用ひて作成すればよV・と思はれる。しかしこの場合如 何なる統計値(たとへば算術季均,標準偏差,中央値,四分偏差等)を用ひたがよいかを決定する 必要がある。そこで余の調査資料よpi得られた.Vervaeck指数の分布曲線の型を槍討して見るに, く 第5表,第1圖に示す通り,Pearsonの“Method of Moments”に從ひ,算術李均,標準偏差, (7)(9)(z4) モード,β,,β2を求め,ついで曲線型の判定に規準となる数値帥ちあを求めた。この結果kが 負の超群を示す故,Vervaeck指数はPearsonの第1型に符合し,正規曲線に症似なる事が知られ る。それ故,Vefvaeck指撒の代表値としては算爾雫均と中央値の何れを用ひて颪回しても差支な や・ことになる。併しこの場合中央値並に四分偏差等によるよりも,寧ろ代三三取扱ひの便利な算術 平均並に標準偏差を使用するのが委當であると思はれる。 くコリ セ 爾第5表に示した計算方法によって,曲線の三際の方程式の大きさを定め,理論値を圖表に描V・た。 (2)次にかやうな判定規準表を作成しても,假に年齢別,身長別にそれぞれ指撒が大なる差異を ・有するとすれば,更に年齢別,身長別の判定表を作成する必要がある。・この黒占に就て槍討してみる。 邸ちこの關係を解決する爲に年齢別,身長別Vervaeck指数分布表を作成し,その各々に就て算 術李均,標準偏差を比較して見ると,第6,7表の通りである。 これらの結果より見ると,年齢別にしても身長別にしても差異が見られない故,余の調査資料の 第 1 圖 山回では特に年齢別,身長別た別kの孚掟標準を作成する必 観.工面 要がないと考へられる。しかし鈴木等の研究を見るに,第8
理論僚一 釦如く搬に劒繰に上ヒしその隙窮て居るが」3歳
800, より19歳迄年齢的の差異が認められる。余の資料に於ては 700 /. 16歳よb23歳迄のものであるが,16歳未満に於て緯年齢 的差異が表はれるものなるやも知れす,余の調査と同じ年齢 600 .人 のものでも地方別,職業別其他生活環境の差違によりて成長 500 一「V
40e 300 ZC OQ i 1100 ・o 70 7b一 80 S5 90 95 10e 105 指 数 過程に差異ある場合には,年齢による弓長の關係も種々異る おそれもある故,か玉る黙については爾今後の研究にまつこ と玉する。 (3) Vervaeck 一指数より他の指敷の概略の値を推測し, 或は他の指撒零りVervaeck三児を推測する便に資せん爲 に,同三三撒,同聾方程式及評債標準誤差(standard error of estimat)を學:げておく(第9表)。・ くヨリ (4)本調査に於てVervaeck指敷と軍一諸測度の相關を 求めるに,第10表の通りである。 この表で見ると,身長との相關は殆んどなV・のであって, この黙偉三型標尺としてHauchmannが要求した條件を十_43二
▽ervaeck t旨数 一75.00 75.00− 80.00− i 85.00一 ., ’90.00− 95.00. yt
第5表. 曲線型判定に關する.計算
1 ’x i’ xyt 1 x2yt
81 427 746 541 223 9,4 一2 −1 0 1 2 3 : i 1 … : i … , ..L一’ il一一 1 … 162 427 ,0 541 幽6 282 2112 324 427 0 541 892 846
1
計 680 v! ==O.321970 . vl=O.321970 v2t==1:434659 v2==1.330994 y,2::一Ll.247661 v3,=1.7,92614 vs一一〇.473617’ y.3 =:O.473617 v4t=6.366477 v4 ==4.917904 v・4 ==: 4.281574 , Pi=O.115494. P,, ==2.750491 k == 一〇.105980 。●.この曲線は?earSOn第;1型に相回するO 依って曲線の才程瑠款の如く示される,・ y .. yo (1 + Lll, ;>Ml (1 iF ulliJ)M2但し,mi/a】=・ M2!a2t Originをmodeと.す。
・か・・,∫罷舞㍑
VBは正なる散m2は正である。 よって,m2及mlは S{r.9±・、(r・・)幡・轟・6毒・・)}. ・・+・・一÷V・・4{Pi(r+2)・+・6(・+・)ト・之す鵬 bm2 bmi 7 a2= :1:’= mエ十m2 Ml十M2 ・・一三・(n・1mlm2m2 . 「(血1+M2+2)m1+m2)”]1+M2 r(m1+1)「(m・.+1) よって求むる方程式 ・一・舳・.(・・,.註。2)3駅・一論、) 73と馬 次に曲線を圖表に描くためにmodeを決定すべく ・・d・一m・・n÷毎;争…4・・とし・ 更に歪度を求むるに ・K〒器・一鰹・.・な・・、 備考 「はPearsonc.ee)によった。 一“ 一一一 「. x3y’ } ・fy’ _i ミ .一@648 1296 ら 427 427 ! o i o l541 ト 541
1784 1 3658
2538 i 7614,3030 1 3786
iE
13446第6表
年齢圃Vervaeck指数ZF均値
年 齢 16−17’ 17−18 18−19 19−20 20−21’ 21−22 22−23 23一 , 287 408 315 .D85 ,266 285 153 ’113 M±σ皿 計 i‘ 2112 .84.748土0。335 84.057 ± O.298 84.389 ± O.310 84.413 ± O.352 84.060士り.313 83.202 ± O.337 / 84.036 ± O.493 84.403 ± O.572 84.150 ic O.025 a±6 5.677 ± O.237 6.010 ± O.210 5.505 ± O.219 s.g50 ± o.’2・4g ・ 5.102 ± O.221’ 5.686 ± O.238 6.101 ± O.349 6.082 ± O.405 .5.762 ± O.018酵纏回せ・研究騨三三違・・畷料中2欄・異・る槻堀したのによる・
_一.…..丞.1一.il.....竺塑撃1竺塾至堕._.一一….一_
身 長(Cm) 一i42.0 142.o−144.0 144.0−146.e 146.0−148.0 148.0−150.0 150.0−152.0 ’ 152.0−154.0 154.0−156.0 156.0−158.0 158.0:160.0 160.0−162.0 162.0一 n 37 57 110 233 309 352 334 268 202 11Q 61 39M±am
章 2112 82.770 ±’o.7so. 83T202 ± b.6s7 83.364 ± o.478’ 84.582’ y。.416 64.118 ± O.342 84.375P ± O.276 84.626 ± O.340 s4.2gl ± o.3sg S3.515 ± O.387 83L864ヨヒ0.569. 83.812 ± O.699 84.295 ± O.745 s4,iso ± ole2s e±Co 4.563±〇二530. 4.962 ± O.465 5.013 ± O.338 6,345 ± O.294 6.006ゴヒ0.242 5.176 ± O.195 6.213 ± O.240 5.869 ± O.254 5A94 ± o.273 5.967 ± O.402 5.459 ± O.494 4.650 ± O.526 5.762,± O.018 一一S5一
第8表
三期に於け離質示数(V・・v・eCk手旨鋤納値 年 齢 n. ”s3 14 15 16 17 18 19 110 280 30’T 303 262 182 65’M±E(M) a±E (a)
73.74 ±,e.353 75.73 ±,O.232 77.63 ± O.224 SO.35 ± O.211 81.28 ± O.2,34 82.70 ± O.302 83.92 ± O.496 5.502 .± o.2.s62 5.763 ± O.1624 5.760 ± O.1572 5.460 ± O.1496 .” 氏D633 ± O.1659 6.052 ± O.2139 5.936 ヨヒ0.3511
備考
本四は鈴木等の研究による。 Uv)レ購係釧
舞 9 表
回 蹄 方 程
:式 !評便標準誹差匝.
b2 文 璽 6yox i OX’y G十B G り コL L
G十:B G ソ ロL L2
G十B G :L I、3 G+B B コ :L L G十:BG+B B2
コ クリ :L 】ン G+:B B2 ヘノ :L S 旦±旦∼L_G ・1 i.s6i4 1 ess76’ i 25.9191 i O.03,59 { O.3536 i 2.3680 11・剛・・438,
iE−5一一tvLL(G+B’j ’?一〇.6so4 li 一i,4g’60
1 g l.1961 11. 0.6843 ト 1 O.67ss ll 1.21gg
L・三囲
‘ 1 !
・一一・一一
」・・細面
X ==25.92Y−472。31 Y=.0.04X十ユ8.4510.0567ほ.5238i l
Xロ0・35Y+34・47 Y−2・37X−58・77!6・Oi66 i 2・3248・ Σ=1・86Y−12・46 y=O・44X+15・1g11・2108…2・4926 又一一87i ・。一・.・・X.149.77 ii・副・96・8} 、 l
X・。=・.20Y+35.・OL 活黶E。68X.・6.48}1.8569 1 2A55e・
1 } l i i . 阪=0.68Y+33.811 マ鼠 1.22X− 28.49 i 3,1985 i 2.3852:
ド. ; 1
璽一一・鐸・・83・78鮎α・・X・173・83…・.32・g滋・9・・….. ...⊥_.⊥__
備考.㍉球む・G圭B,三七丑蜘指痴・・
轍薯の値…n’・,・・・….竿を求め・鴫
X=、1.56Y十33.88により得られ,る。 .一・Eas一
第10表 Vervatlck指数と 軍一・測度との關係 r.
G
s Aoei 21 r .0057± .0218 . .7765± .0218 .8307土。0218 .0099± .0218 .8128ゴ=.0245 .8005± .0472 備考 Aoe=上臆園(1=鉛直下 垂伸展位,2=水野畢上伸顎位) 分に:充して回る。この事は前回に身長別の統計値に旧著な差の見 られなかった事と.も符合して居る。 三重,三園,上三囲等とも他の三指激程大きくないが・強度と 云ひ得る程度の相關がある故,三身艦槍査威績に於てVervaeck 指敷のみを墨げられて居るとしても,この指敷の値が大なれば上 膵園,三重,胸三等の計測成績も良好なるものと推測して,ほN“ 誤りないものと見る事が出來る。第5章
紹括及結論
東京女子三三専門畢校生徒2112名の三三槍査資料を利用して のの 統計學の相三法を用ひて,三指敷相互間の相三度を調査した。そ の成績より推論して,形態的方面に証する艦質の判定に用ぴられて居る諸指藪の中,三三上いつれ が最も優れて居るかを考察して,次の事項が知られた。(・儲指顛薯,告暮,撃函二(G+B),レα釜∴野・勤三間の椙
關度は,恥曝度(L, G,B)繭相關撰して搬に著しく大であるが隊に舗8と
:L一(G十:B)とは他の何れの指数とも一様に極めて彊V・相關度(0.9以上)を示して居る。省この 半者賊魁ては前者は後者に比して,抱の指激との聞に野々謂い相關度が見られる。膿質判定といふ 同一目的の爲になされた諸指激問の相即度が,軍純な身艦拝舞測度聞のそれに比して大である事は 當然と思はれる。 (2)諸三二指撒を観念的に:は判然と旧格標尺と榮養標尺とに三三する事が出回る。しかし諸測 度測定の技術上から云っても,標尺数式の構成から云っても,或は實際にこれら激式から算出され た諸指数の聞に強度の相關ある事より考へても,この三者は實際上は判然と匿別出來ないものと推. 論される。寧ろかxる諸等激を,これら爾者を含めた綜合艦質標尺と見る:方が三三ではなからうか。 (3)Vervaeck指数と:Pignet指撒は,身長,丁重,胸園の如き基本的身艦計測成績を綜合し, 榮養,膿格爾者の意味を含んだ一つの綜合禮質標尺として,次の根櫨により實用上最も優れてみる ものと考へられる。 1.他の何れの剛胆とも甚だ強い相關度(0・9以上)を示すこと。 2.算出式が三門であること。 3.身艦計測の基本的要素身長,三重,胸團が含まれて居ること。 (4)Veτvaeck指藪とPignet指激の三者を比較すると,次の根糠によりVervaeck指数が一 暦優れて居ると結論される。 箕・Vervaeck指数と.他の指撒との相關塵は・Pignet三三のそれに比9て山々大なること。 2.数式が二つの比率の和(比艦重十比胸囲)であって・Pignet指激の如き不合理の黒占のない 一47一こと。 3.Pignet指数の数値の符合が正より負にわたる如き三三上の不便がなく,叉學校身謹槍査によ り我國に最も普及されて居る比年重と比胸囲の組合せであること。 (5)Vervaeck指数は他の諸盤質指激と相三度極めて大なるのみならす,三重,胸園,上三園 等とも相當強度の輪軸が見られる故,Vervaeck些細の成績はこれら建艦計測成績ともほ穿平行す るものと考へてよい。 (6)Vervaeck指数は正規に近VO Pearson第1型を示す故,その代表疸として算術雫均,標準 偏差,中央値,四分偏差等の何れを使用しても差支ないが,代数的取扱の便利な算術平均,標準偏 差を用ふるのが安當であると思はれる。 (7)年齢差は余の場合には認められなかったが・他の年齢暦及他の職業群其他に於ては同様で あるか否やに就ては,將來廣く研究を要するものと思はれる。 以上の所見より,盤質指数として少くとも本邦成人女子に封してはVervaeck指数が最良である と思ふ。 欄筆に臨み終始御懇篤なる御指導と御校閲を賜りたる恩師吉岡博人教疫,長谷川鎮一郎博士に深甚の謝意 を表す。 (本論丈要旨は昭和16年1月第56同東京女馨開平田平,同11月第10同民族衛生學學術大平に於て報 告したものである。) 引 用 :交 麟 1) 吉田章信:禮力測定.62頁確和6年. .2) 八木高次1榮養,謹力評贋方式に關する批判的研究,其1。榮養の部.勢働科學研究.11管2號, 119頁,昭和9年・ 3)八木高御勢働者探用時の身禮検査法特にその形態學騨測方面蹴て・勢働科學研究11巻5號 69頁,昭和9年・ 4)高牟禮 功:人膿計測學に起る擬相同に就て(大連に於ける苦力及俳優の人類學的研究其5)・朝鮮讐 學會雑誌25巷7號,71頁,昭和10年7月・ 5)「村上賢主:諸家の榮養並に盤面指数に記する一考察,特に胸部レ線所見よPの批判.十全會雑誌40 釜10號,4316頁,昭和10年10月・ ・6)村上賢三:結核性疾患と姿質に關する研究,特に胸部レントゲン所見と諸家の榮養並に呼格指敷との・ 關係に就て・東京旧事新誌, .2964號,29頁,昭和11年1月・ 7)杉山繁撮生物測定學(第4編)ピーアスン氏一般化確率曲線の理論と無用(其り.目新讐學・25
年7號,1127頁,昭和11年7且
・8) 上田常吉=相關係数の計算法に關して・解剖學雑誌9巻5號,29頁,昭和11年8月ゼ 9)杉山繁輝:生物測定學(第4編)ピーアスン氏一般化確率曲線の理論と鷹用(其2)・日新馨學・‘.25 年9號,1465頁,昭和11年.9月・ ユ0)八木高次:改正學校身艦検査規程中の比膿重及び比胸園の意義.學童の保健.8巷88號,5頁,昭 和12年・ 一48一一91)上田常吉:生物統計學.225頁,昭和12年. 12)八木高次=人禮比例法則に關する研究其1,身長と燈重との關係に就いて.日本學術協會報告.12巻 3 號, 432 頁, 昭不0 12 年 7 月。 X3)八木高突=Vervaeck指数に關する一一一補ina・膿育研究.6審3號,29頁,昭和]3年12月. 14)立野君子,:目本女子の膿質に關する研究第1編}身燈的諸測定値に就て.東京女讐會誌,9巻3號, 323頁,昭和14年7月. 15)荒谷壽浩:女子身膿に於ける諸測度相關の年齢的鍵化(身長,盤重1胸園,上臆園).民族衛生.7巷 3號,139頁,昭和14年11月。 16)吉田壼信;學校身艦検査上重要なる艦質指数の生物學的砺究.禮育研究.7巻17頁,昭和15年5月. 17)朽*英一:禮質指数としての長重差に就て(健康男子500人に於ける成績).勢働科學.18巻3號, 98頁,昭和16年3月. ]8)立野君子:赤血球沈降速度に關する統計學的塵理方法に就て.目本讐學及健康保険.3233號,15頁, 昭禾n’16年5 月. 19)鈴木茂剛、勝木建家,北射外與哀:禮質に關する研究第7報,禮型の年齢的意義並に其の地方的差異. 目本内科學會雑誌・29巻3號,200:頁。昭和16年6月. 20)輻田邦三:盤質と艦格と艦位・民族衛生・9谷5號,454頁,昭和工6年11月. 21) 吉岡博《.:衛生統計の正しい,見方と作η方.櫓訂改:版.55,114頁,昭和17年1月. ・22) Xauehmann, S. ; Tndices als Bestimmer des Konstitutionstypus. Zeitschr. f. Konstitutionslehre. Bd. 14, S. 679, 1929.
23) P㈱rso11,:K.;Tables for statisticians and biometricians・Part工。 P.58,1930. 24) Elderton, W. P.; Frequency Curves and Correlation. p. 57, 1938,