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新しいコンクリート接着接合技術を用いた社会資本の補修工法の実用化に関する研究 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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新しいコンクリート接着接合技術を用いた社会資本

の補修工法の実用化に関する研究

著者

児玉 孝喜

学位授与大学

東洋大学

取得学位

博士

学位の分野

工学

報告番号

甲第241号

学位授与年月日

2009-09-25

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003949/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

新しいコンクリート接着接合技術を用いた

社会資本の補修工法の実用化に関する研究

∼ 学 位 請 求 論 文 の 要 旨 ∼ 児 玉 孝 喜 接着剤の高機能化・高性能化により近年さまざまな分野で接着剤を用いた接合技術が導 入されている.土木工学の分野における接合方法としては,ボルト・リベット・アンカー などに代表される機械的・物理的接合や溶接による接合がこれまで多く用いられている. しかし近年では,コンクリート床版に対する連続繊維シートによる下面増厚や増桁工法な どコンクリート構造物の補修分野においても接着剤を用いた接合技術が採用されるように なっている. 一方,舗装用コンクリートの分野における付着処理方法としては,薄層付着オーバレイ エ法やコンクリート床版増厚工法での付着処理に代表されるようにショットブラストやウ オータージェットによる研掃処理が行われている.これらはいずれも表面脆弱部分の撤去 や表面凹凸量の増大により付着を図る物理的接合による付着であり,コンクリート床版増 厚工法では10年程度での剥離が顕在化している状況であり,耐久性の点で課題が残されて いる.また,舗装分野において接着接合技術を適用しようとすると,大規模施工への適用 性,夏季における接着剤の温度依存性に対する施工性確保,適用範囲における材料劣化や 耐久性に関する検証が十分になされていない状況であること等が採用に向けての大きな阻 害要因になっており,検討もなされていない状況となっている. そこで,接着剤による接合として最も代表的な接着剤であるエポキシ系接着剤を用いた 舗装用コンクリートの付着について,接着剤の施工性に関する基礎物性を把握しフレッシ ュコンクリートとの接合に関する技術的課題を検証し,材料劣化や耐久性に関しての性能 確認を行った.さらに,適用するコンクリートの乾燥収縮量など適用コンクリートの仕様 を定めて,鋼床版疲労ひび割れ対策を目的とした鋼床版上SFRC舗装,ならびに空港に おける沈下対策や道路における修繕工法として用いられているコンクリート舗装用コンク リート薄層オーバレイエ法へ適用し,実用化を図った. 本研究の構成図を以下の図に示す。 イ ー

〆︶

〆一二 】 【..ー

(3)

【第1章】序論 【第2章】土木分野における接着接合技術の適用事例 ・プレキャストブロックエ法 ・新旧コンクリートの打継ぎ ・鋼板接着工法 ・縦桁増設工法 ・CFRP接着工法 【第3章】舗装用コンクリートの接合に関する既往の研 究 事 例 ・道路用付着オーバレイエ法 ・空港用付着オーバレイエ法 ・道路橋コンクリート床版上面増厚工法 r︶ 【第4章】エポキシ系接着剤にフレッシュコンクリート を打ち重ねる場合の基礎研究 ・主剤または硬化剤の違いによる硬化特性の相違 ・打重ね時間間隔の影響 ・ セ メ ン ト の 水 和 作 用 に よ る 影 響 ・オーバレイ材料が異なる場合の付着特性 【第6章】空港エプに 対策への接着接合の: ・付着オーバレイエ1 ・当該工法の要求性# ・当該工法に適した工 合 ・材料(空港用コン4 ・接着剤の適用性 ・接着剤散布方法 ・施工方法 ・試験舗装 【第6章】空港エプロン舗装における沈下 対策への接着接合の実用化 ・付着オーバレイエ法の現状と課題 ・当該工法の要求性能の設定 ・当該工法に適したエポキシ系接着剤の調 合 ・材料(空港用コンクリート) ・接着剤の適用性 ・接着剤散布方法 ・施工方法 ・試験舗装 【第5章】道路橋鋼床版の溶接部における 疲労対策への接着接合の実用化 ・鋼床版舗装の現状と課題 ・当該工法の要求性能の設定 ・当該工法に適したエポキシ系接着剤の調 合 ・材料(鋼繊維補強コンクリート) ・接着剤の適用性 ・構造 ・施工方法 ・構造の提案 ・・実橋への適用 ;床版の溶接部における 凄合の実用化 伏と課題 生能の設定 ニエポキシ系接着剤の調

〆︶

ミコンクリート) 【第7章】まとめ

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〆‐ ( 、 ー 『 ー 本研究の総括を以下に述べる. 【第2章土木分野における接着接合技術の適用事例】 土木分野で接着接合が使われている分野として,以下の工法に用いられているエポキシ 樹脂系接着剤の仕様ならびに使用材料を調査した. ・プレキャストブロックエ法 ・新旧コンクリートの打継ぎ ・鋼板接着工法 ・縦桁増設工法 ・CFRP接着工法 調査の結果,仕様は目的に応じて適宜定められているが,用いるエポキシ樹脂系接着 剤とくに硬化剤成分についてはほとんどがアミン系のものであり,新旧コンクリートの打 継ぎ用接着剤としてポリチオール系(メルカプタン)を含むものも用いられていた. 【第3章舗装用コンクリートの接合技術に関する既往の研究】 付着オーバレイの設計方法について整理し,道路コンクリート舗装,空港エプロン舗装, RC橋梁のコンクリート床版を対象とした付着オーバレイの仕様を整理した.設計上の扱 いについて,これまで完全に一体化可能な接合方法はないことから,複合平板理論による 付着率という概念を導入した設計がなされている.施工については,付着面処理方法とし ては投射密度をlOO∼l50kg/㎡程度のショットブラスト処理を行われていたが,空港エプ ロン舗装における薄層付着オーバレイの研究では材齢91日における室内での引張強度が 最低l.6MPa必要であることが報告されている.さらに,そのための付着処理としてはウォ ータージェットの後にショットブラスト処理を行うウォータージェット.ショットブラス ト併用工法と,ショットブラストの後に接着剤を塗布するショットブラスト・接着剤併用 工法が有効であることが確認されている.ウォータージェット.ショットブラスト併用工 法本工法は成田空港で連続鉄筋コンクリート舗装を対象として厚さl50mm程度とした場合 には多くの実績を有している.普通コンクリート舗装を対象としたオーバレイエ法の実用 化については今後の課題と位置付けられる.

(5)

【第4章新しい接着接合技術に関する基礎研究】 主剤または硬化剤の違いによる硬化特性の相違による影響について検討し,以下のことを 確認した. ポリアミン系硬化剤とポリチオール系硬化剤の比較においてはポリチオール系硬化 剤を含むものは高温水の暴露により付着強度が低下しており界面剥離を生じていた. ポリチオールは架橋構造がルーズであり耐水性に劣ることが報告されておりフレッ シュコンクリートを対象とした接合においても同様な傾向であった. 接着剤に用いる成分のフレッシュコンクリートとの付着界面に及ぼす影響について セメントモルタル供試体を用いて評価したところ,以下の傾向が認められた. f' ー オーバレイ材料が異なる場合の付着強度を確認したところ,ペーストや細骨材量の 少ないモルタルは付着強度が小さく,細骨材量の多いモルタルやコンクリートでは 良好な付着強度が得られた.フレッシュコンクリートを対象とした接着接合におい てはフレッシュコンクリート中の骨材の存在が付着の確保に不可欠であることが確 認できた. 接着接合供試体の強度特性を確認したところ,圧縮強度,せん断強度と水平に打ち 継いだ曲げ供試体はオーバレイコンクリートと同等の強度を有していた.引張強度 については打継ぎ時間間隔をかえて確認したところ,最も大きな値ではオーバレイ コンク'j−卜単体の9割程度の界面での付着強度を有していた. 〆f︶ 領■j″ 重類 aJ″9 寺徴 主剤側 主剤 分子量(反応性)の 大 小 シランカップリ 剤 硬化促進剤 、 ノ グ 影響は小さい。 分 子 量 の 小 さ い も の ( 反 応 が 早 い ) ほ ど 強 度 特 性 が 向 上 す る も の の 、 分 子 量 の 大 き い も の ( 反 応 が 遅い)ほど強度特性が低下する傾向にある。樹脂 の 反 応 時 間 と セ メ ン ト の 水 和 時 間 と の 関 係 等 考 え られるが、反応時間が短いほど強度特性は良好な 傾向にある。 強度は若干低下する傾向にあるが影響は小さい。 硬化剤側 ア ミ ン ポリアミン 石油djl■〃 染) 封脂 斗 親水性硬化剤は水分を奪うことから、フレッシュ コンクリートとの接合に対しては適していない。 セメントとの水和反応に影響を与え水和阻害を生 じることもあるため、慎重な成分の選定とコンク リートとしての物性確認が重要である。 影響は小さい。

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【第5章道路橋鋼床版の溶接部における疲労対策への接着接合の実用化】 鋼床版溶接部の疲労対策としての鋼床版上SFRC舗装の検討結果を以下に示す. せ ん 断 疲 労 試 験 を 行 い , S N プ ロ ッ ト 図 を 作 成 し た . 接 着 接 合 部 の せ ん 断 強 度 4.5N/mm2に対して付着界面に生じるせん断応力度が0.9N/mm2であり応力比0.2程度 が設計上のせん断応力として生じるが,応力比0.2での繰り返しせん断においては 4,000,000万回の載荷においても剥離が生じないことから,接着接合面のせん断強度は 十分な耐力を有しているといえる. 道路橋鋼床版においては最大50℃弱程度の温度となっていることから,20,45,70℃ 温水での暴露を最大3ケ月間行った.専用に開発した接着剤の場合には20℃と45℃で は付着強度とせん断強度ともに低下が認められず,破壊位置もオーバレイコンクリー トの内部であった.環境による接着剤の劣化は認められなかった. 荷重14tfで輪荷重走行試験を行い,乾燥状態で約50万回,水浸状態で約50万回の合 計100万回走行させた.SFRCのひび割れ性状について,負曲げ域のひび割れは貫 通していたが,ひび割れから水が浸入してもひび割れの拡大はみられなかた.また, SFRC,エポキシ接着剤と鋼床版の付着耐久性について,輪直下でも付着力は低下 していない.さらに,ひび割れから水が浸入しても,界面での剥離が生じていなかっ た. 負曲げ対策としてのCFRP格子筋の効果を確認したところ,負曲げ域にCFRP格 子筋を配置することにより,コンクリートひび割れ後のCFRP格子筋による曲げ引 張応力度の分担によって付着界面の剥離発生の抑制が期待されること,曲げ疲労試験 において,SFRCに補強筋を配置した場合は,補強筋を配置しなかった場合と比較 してひび割れ発生から疲労試験終了に至るまでひび割れ幅ならびにたわみ角の変化が 抑制されてい.CFRP格子筋を負曲げ域のSFRCに用いることによって,曲げに よるひび割れ発生の分散とひび割れ幅の抑制,さらに大きな荷重が載荷してもデッキ プレートとSFRCの付着界面における剥離発生の抑制に大きく寄与するこが期待さ れる. 室内における乾燥収縮量を測定したところ,防水材で表面を被覆した場合には版厚上 下の乾燥収縮ひずみの差はなくいずれもl80〃程度のひずみであること,超速硬セメン トを使用した場合でも乾燥収縮ひずみの低減に対する収縮低減剤の効果が認められ供 試体の上部における低減効果は材齢177日で約21%であること,ポリマーによる収縮低 減効果は材齢lO∼20日程度の初期には認められるもののl77日程度の長期材齢におい ては低減効果が認められなかったことなどを確認した. 自由収縮試験体で得られた自由収縮ひずみを入力条件として,FEM解析により拘束 ひずみを算出したところ,付着試験体の測定値とほぼ一致しており,FEM解析にて 鋼部材で拘束されたコンクリートの挙動(ひずみ)を再現できる. 〆︶ f V

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0 【6章空港エプロン舗装における沈下対策への接着接合の実用化】 空港エプロン舗装の沈下対策としての薄層付着オーバレイエ法に関する検討結果を以下に 示す. ・付着界面の構造安定性を引張試験,せん断試験,複合体による曲げ試験により確認し た.引張強度とせん断強度はいずれも想定される発生応力も大きく,また複合体によ る曲げ試験においても設計上必要となる5.0MPaを満足するとともに付着界面へのひび 割れ進展が認められず良好な結果であった.また,塗布量は「共同研究」の基準とな っているl.4kg/m'の半分である0.7kg/m2でも十分な性能が得られた. ・室内試験での接着剤の可使時間は30℃で3時間,20℃以下では5時間確保できること が確認でき,現場施工に対応可能な硬化特性を有していることが確認できた. ・付着の持続性(耐久性)の評価として,せん断疲労試験,水浸引張疲労試験,引張ク リープ,温水で+50℃,気中で-5℃と-20℃で暴露した後の引張試験により確認した. いずれの試験結果においても初期状態からの大きな劣化は認められず良好な結果であ った. ・用いるコンクリートについて,乾燥収縮量が大きいほど外部拘束によって生じる応力 が大きい.拘束応力の発生は,収縮低減剤と膨張材を加えたものが最も小さく,次に 膨張材を用いたものであった. 、試験施工において,散布機による目標とする散布量を0.7,l.0,l.4kg/m2とし,散布 機で接着剤の散布を実施したところ,どの水準でも目標とした引張強度(l.6N/mm2以 上)を満足しており施工性も良好であった. ・付着オーバレイエ法においては既設コンクリート版目地上での早期ひび割れが生じや すいため,目地切削の時期を適切に管理する必要がある. ・夏期を想定した環境下では,オーバレイコンクリートが接着接合するための可使時間 は短縮する.また,セメントの種類によって,接着剤がセメント水和に及ぼす影響の 度合いが異なることが考えられ,付着強度に影響する. ・凍結融解作用によって相対動弾性係数(実線)と質量変化率(点線)の変化を確認したと ころ,凍結融解作用後の相対動弾性係数および質量減少率には複合体種類の間で差が ほとんど見られず,コンクリート単体と同程度であった. ・凍結融解90,180,300サイクル後の供試体について直接引張試験結果を行った.凍結 融解前の強度と比較すると,凍結融解作用による相対直接引張強度の低下に明確な差 は現れなかったが,300サイクル後の「接着剤なし」「ポリチオール系硬化剤を含む接 着剤」の供試体は接着剤と下地コンクリートの界面で破壊していた.さらに,300サイ .クル後の供試体に関して,水浸条件下での疲労耐久性を考慮した引張疲労試験を行っ たところ,開発した専用接着剤を用いた供試体は200万回の疲労試験を実施しても破 壊には至らなかったが,「「ポリチオール系硬化剤を含む接着剤」と「接着剤なし」の 供試体は水浸引張疲労試験で早期に界面破壊を生じていた. /r︶ 〆 、 ー 以 上

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