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再審査報告書 平成 3 0 年 4 月 1 8 日 医薬品医療機器総合機構 類別機械器具 (51) 医療用嘴管及び体液誘導管 一般的名称中心循環系塞栓除去用カテーテル 販売名 Solitaire FR 血栓除去デバイス 申請者名コヴィディエンジャパン株式会社 承 認 の 使 用 目 的 効能又は効果

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再審査報告書 平 成 3 0 年 4 月 1 8 日 医薬品医療機器総合機構 類 別 機械器具(51) 医療用嘴管及び体液誘導管 一 般 的 名 称 中心循環系塞栓除去用カテーテル 販 売 名 Solitaire FR 血栓除去デバイス 申 請 者 名 コヴィディエンジャパン株式会社 承 認 の 使 用 目 的 、 効 能 又 は 効 果 本品は、急性期虚血性脳梗塞(原則として発症後 8 時間以内)におい て、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の経静脈投与が適応 外、又は t-PA の経静脈投与により血流再開が得られなかった患者を対 象とし、血流の再開通を図るために使用する。 承 認 年 月 日 承 認 事 項 一 部 変 更 年 月 日 平成 25 年 12 月 20 日 平成 27 年 6 月 8 日 ※構造変更による一部変更承認 平成 29 年 9 月 6 日 ※構造変更、サイズ追加による一部変更承認 再 審 査 期 間 承認日から 3 年

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1. 製造販売後調査全般 Solitaire FR 血栓除去デバイス(以下「本品」という。)は、複数のセルが非対称的に配置 されたニッケルチタン合金製の自己拡張型のマルチセルリトリーバーがプッシュワイヤーに 接続されたステントである。本品は、急性期虚血性脳梗塞(原則として発症後 8 時間以内) において、組織プラスミノーゲンアクチベーター(以下「t-PA」という。)の経静脈投与が適 応外、又は t-PA の経静脈投与により血流再開が得られなかった患者を対象とし、血流の再開 通を図るため、本品のマルチセルリトリーバーを病変にて標的血栓を覆うように展開し、血 栓を絡ませて回収する。 本品の使用成績調査(以下「本調査」という。)は、本品の臨床使用実態下における不具合 事象の状況を把握すること、及び安全性と有効性に影響を与えると考えられる要因を把握し、 本品のより適切な使用を図ることを目的として、平成 26 年 7 月 1 日から平成 28 年 12 月 19 日まで 15 施設 261 例が登録された。1 例あたりの観察期間は術後 90 日とされた。 本品は、再審査期間中に2度の承認事項一部変更承認申請が行われた。マルチセルリトリー バーとプッシュワイヤーとの接合部のより断裂が生じにくい構造への変更(平成27年6月8日 承認取得)、並びに視認性向上を図るための構造変更及びサイズ追加(平成29年9月6日承認取 得)である。 2. 使用成績調査の概要 調査期間中、本調査に登録された 261 例のうち 2 例において、本品の未使用が確認され た。症例の追跡状況を図 1 に示す。90 日まで追跡が可能であった症例が 173 例であり、追跡 不能な症例の多くは、リハビリテーションのために転院したために情報収集が困難であった。 図 1. 症例の構成

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(1) 患者背景

術中・術直後評価症例 259 例に関して、患者年齢は平均 73.6±13.0 歳、性別は男性 148 例 ( 57.1% ) 、 女 性 111 例 ( 42.9% ) で あ り 、 承 認 申 請 時 に 添 付 さ れ た 海 外 臨 床 試 験 : SOLITAIRETMFR with Intention for Thrombectomy Study 試験(以下「SWIFT 試験」という。) における本品使用群成績と比較すると、患者背景に大きな差は認めなかった。既往歴、合併 症を表 1 に示す。既往歴として、脳梗塞を有した患者は 43 例(16.6%)であり、脳梗塞発症 前の modified Rankin Scale(以下「mRS」という。)が評価可能であった 235 例において、mRS2 以下の症例は 210 例(89.4%)であった。

病変詳細を表 2 に示す。急性期虚血性脳梗塞以外で使用した 3 例は、脳動脈瘤コイル塞栓 術中にアンラベルしたコイル回収目的に使用した 1 例、脳動静脈奇形における塞栓術中に塞 栓症を生じて使用した 2 例であった。SWIFT 試験と比較して、National Institutes of Health Stroke Scale(以下「NIHSS」という。)が評価可能であった 252 例において、NIHSS が高い重 症例が多く、SWIFT 試験では除外されていた NIHSS が 30 を超える症例が 23 例(9.1%)存 在した。術前画像判定には、Alberta Stroke Program Early CT Score(以下「ASPECTS」という。) が用いられ、CT が施行された 172 例において、ASPECTS-CT は平均 8.7±1.9(中央値 10、0-10)、MRI-拡散強調画像(以下「MRI-DWI」という。)が施行された 191 例において、ASPECTS-DWI は平均 7.7±2.3(中央値 8、0-11)であった。本調査の閉塞血管は、本邦における疫学的 傾向と同様に内頚動脈の割合が高い結果であり、動脈起因ではない上矢状静脈洞閉塞による 脳梗塞に対して治療が行われた 1 例が存在した。また、SWIFT 試験と比べて、治療開始まで の平均時間が長い傾向を認めたが、中央値にて評価を行ったところ臨床上影響のある差は認 めなかった。経動脈的に治療した症例のうち、治療開始までの時間が評価可能であった 220 例のうち、8 時間を超えて治療が開始された症例が 36 例(16.4%)であった。そのうち 12 時 間以内に治療が開始された症例が 11 例、12 時間を超えて 24 時間以内に治療が開始された症 例が 18 例、24 時間を超えて治療が開始された症例が 7 例であった。これら 24 時間を超えて 治療開始された症例のうち、術後 90 日評価において 2 例が mRS2 以下であった。 表 1. 患者背景 本調査 割合 既往歴 あり 90 34.7% 脳梗塞(出血性梗塞) 43(2) 16.6%(0.8%) 一過性脳虚血発作 3 1.2% 心疾患 54 20.8% 合併症 あり 234 90.3% 高血圧 141 54.4% 脂質異常症 60 23.2% 心房細動 138 53.3% 糖尿病 47 18.1% アレルギー歴 2 0.8% 喫煙歴あり 68 26.3%

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表 2. 脳梗塞状況 本調査 割合 SWIFT 試験(n=58) 割合 疾患名 急性期虚血性脳梗塞 256 98.8% - - その他 3 1.2% t-PA あり 113 43.6% 20 34.5% t-PA 無効 106 40.9% 20 34.5% t-PA 効果未確認 7 2.7% - - なし 146 56.4% 38 65.5% t-PA 適応外 143 55.2% 38 65.5% NIHSS (n=252) 平均 19.4±8.5 17.3±4.5 中央値 19, 0-40 18, 9-28 30 以上 23 9.1% - - 閉塞血管 内頚動脈 82 29.5% 12 20.7% 前大脳動脈 3 1.1% 0 0.0% 中大脳動脈 163 58.6% 44 75.9% 椎骨動脈 2 0.7% 0 0.0% 脳底動脈 23 8.3% 1 1.7% 後大脳動脈 4 1.4% 0 0.0% その他 (上矢状静脈洞) 1 0.4% 1 1.7% 術前 TICI グレード 0 244 94.6% 55 94.8% 1 6 2.3% 3 5.2% 2A 4 1.6% - 2B 4 1.6% 3 0 0.0% 治療開始までの 時間(分) (n=221) 平均 374.3±675.9 293.5±85.6 中央値 189.0, 60-5911 272.5, 137-478 (2) 治療詳細 コイル回収を目的に使用した 1 例を除く 258 例について治療状況を表 3 に示す。本品のみ を使用し治療を実施した症例は 119 例(46.1%)、本品以外の製品を併用し治療した症例は 139 例(53.9%)であった。本品が第一選択として使用された症例は 179 例(69.4%)であった。 患者一人あたりの治療方法の組合せは、平均 2.2 手技、全製品の平均総パス回数は 2.9 回で あった。手技時間が計測された 249 例の平均手技時間は 94.0±59.2 分であり、中央値は 84.0 (9 -355)分であった。

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表 3. 治療状況 症例数 % 本品以外の血管内治療 実施 139 53.9% 血栓除去 115 44.6% 血栓溶解剤局所動注 9 3.5% バルーンによる血栓粉砕 17 6.6% ステント留置 19 7.4% その他 11 4.3% 第一選択の治療 本品 179 69.4% 血栓除去 63 24.4% 血栓溶解剤局所動注 1 0.4% バルーンによる血栓粉砕 5 1.9% ステント留置 4 1.6% その他 6 2.3% 全製品のパス回数 平均値 2.9±2.0 中央値 2, 1-14 組合せ回数 平均値 2.2±1.2 中央値 2, 1-8 患者一人あたりの 本品の使用数 平均値 1.1±0.3 中央値 1, 1-3 同一血管における 本品のパス回数 平均値 1.5±0.7 中央値 1, 0-5 手技時間(分) 平均値 94.0±59.2 中央値 84.0, 9-355 (3) 安全性 1) 本調査における不具合・有害事象の発現状況 本品を使用した259 例を安全性解析の対象とした。本調査における不具合及び有害事象総 数は101例(39.0%)158件であり、本品との関連がありとされた不具合は2件、有害事象は 22件であった。上矢状静脈洞閉塞による脳梗塞に対して治療を行われた1例において、静脈 洞への治療に特異的な不具合・有害事象は認めていない。 2) 不具合 本調査における不具合は6例(2.3%)6件であり、健康被害を伴う不具合が5件(1.9%)で あった。本品の不具合は、本品のワイヤー切断によりステント部分の回収が不能となり、体 内遺残をきたした3件(1.2%)であり、2件は本品との関連がありとされ、1件は併用医療機 器によるワイヤー切断が生じた。本品以外の不具合は、本品に先行して使用するガイドワイ ヤーによる血管穿孔1件、本品と併用して使用したバルーンカテーテルのバルーンの破裂1 件、バルーンエクスパンダブルステントの留置後にバルーンがステントに固着し、回収不能

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となり体内遺残をきたした1件であった。 3) 有害事象 術後90日での評価が可能であった199例における有害事象は、101例(50.8%)152件であ ったが、本品との関連を否定できない有害事象は36例(18.1%)43件であり、そのうち本品 との関連がありとされた22件は、頭蓋内出血8件、血管痙縮7件、血管閉塞1件、塞栓症3件、 疼痛1件、体内遺残2件であった。手技との関連が否定できない有害事象は55例(27.6%)70 件であった。本品及び手技との関連があり、又は否定できない有害事象について詳細を表4 に示す。両群ともに、頭蓋内出血が最も多く、血管攣縮、塞栓症などが見られた。有害事象 発生率に関して、8時間を境界とした治療開始時間、85歳を境界とした年齢による差は認め なかった。 表 4. 有害事象状況 本品との関連 手技との関連 件数 % 件数 % 頭蓋内出血 21 10.6% 25 12.6% 脳梗塞 0 0.0% 1 0.5% 脳浮腫 0 0.0% 2 1.0% 動脈瘤 0 0.0% 1 0.5% 動静脈瘻 0 0.0% 1 0.5% 血管攣縮 8 4.0% 11 5.5% 血管閉塞 3 1.5% 3 1.5% 塞栓症 3 1.5% 4 2.0% 血管解離 1 0.5% 3 1.5% 血管穿孔 0 0.0% 1 0.5% 頭痛 1 0.5% 1 0.5% 疼痛 1 0.5% 1 0.5% 体内遺残 3 1.5% 4 2.0% *両群に含まれる症例も存在する。 本調査における重点調査事項は、①血管攣縮(頭蓋内・頭蓋外)、②複数回操作による 血管損傷に伴う血管内狭窄(血管解離)、③同一血管での複数回操作による血管損傷、④ 遠位塞栓による神経障害、⑤遠位塞栓による死亡、⑥症候性頭蓋内出血である。これら重点 調査事項の発生状況を表5に示す。血管攣縮を生じた13件のうち、本品または手技との関連 を否定できない事象は11件(4.2%)であり、SWIFT試験における 3件(5.2%)と比較する と同程度であった。遠位塞栓による死亡が1件存在しているが、併用血栓回収機器による遠 位塞栓と判断され、本品との因果関係は否定された。全ての頭蓋内出血/症候性頭蓋内出血 は、術後24時間において本調査では20件(7.8%)/5件(1.9%)であり、SWIFT試験では10件 (17.2%)/1件(1.7%)であった。

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表 5. 重点調査事項 件数 % 血管攣縮 (頭蓋内 / 頭蓋外) 13 (8/3) 6.5% 血管解離 3 1.5% 血管損傷 2 1.0% 同一血管での操作回数:3 回以下 1 0.5% 同一血管での操作回数:4 回以上 1 0.5% 遠位塞栓による神経障害 5 2.5% 遠位塞栓による死亡 1 0.5% 全ての頭蓋内出血 21 10.6% 症候性頭蓋内出血* 12 4.0% PH1 2 1.0% PH2 7 3.5% RIH 1 0.5% 脳室内出血 1 0.5% くも膜下出血 2 1.0% 症候性頭蓋内出血* PH1: 虚血領域における梗塞部位の30%以下の脳実質性出血 PH2: 虚血領域における梗塞部位の30%超の脳実質性出血 RIH: 虚血領域から離れたあらゆる脳実質性出血 4) 死亡例 本調査における死亡症例は26例であり、本品との関連は全例にて否定された。主な死因 は、神経疾患による死亡であり、原疾患の悪化が8例、脳梗塞再発が2例であった。 5) 重篤な不具合、有害事象 術後90日での評価が可能であった199例における重篤な有害事象は54例(27.1%)78件で あり、本品との関連を否定できないものは11例(5.5%)11件であった。本品との関連を否 定できない重篤な有害事象の内容は、頭蓋内出血6件、血管閉塞2件、体内遺残2件、塞栓症1 件であった。また、手技との関連を否定できない重篤な有害事象の発生率は19例(9.5%) 23件であった。199例のうちコイル回収に使用した1例を除く198例と、SWIFT試験との比較 を表6に示す。SWIFT試験と比較して重篤な有害事象の発生は少なかった。 表 6. 重篤な有害事象 本調査(n=198) SWIFT 試験(n=58) 症例数 % 症例数 % 本品または手技との関連を否定できない重篤な有害事象 19 9.6% 13 22.4% 本品との関連を否定できない重篤な有害事象 11 5.6% 5 8.6% 手技との関連を否定できない重篤な有害事 19 9.6% 8 13.8%

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医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)は、本品において未知の不具合、有害事 象は認めておらず、有害事象発生率も SWIFT 試験と比較して良好な結果であり、対象部位に よる有害事象発生率の差も認めなかったことから、安全性について特段の対応が必要となる 問題点はないものと判断した。 (4) 有効性 本品を使用した 259 例のうち、コイル回収目的に使用した 1 例を除く 258 例を有効性解 析の対象とした。 1) 再開通 上矢状静脈洞閉塞に対して使用した症例を除く257例において評価を行った。再開通の評 価には、Thrombolysis in cerebral infarctionグレード(以下「TICIグレード」という。)を使 用し、SWIFT試験と比較をした。術後のTICIグレードを表7に示す。治療血管部位における 再開通率に差は認めず、有効な再開通とされるTICIグレード2B以上の再開通は216例 (84.0%)であり、SWIFT試験と同等の成績であった。 表7. TICIグレード 0 1 2A 2B 3 2A 以上 (n=257) 2B 以上 (n=257) SWIFT 試験 2B、3* (n=54) 症例数 14 5 22 108 108 238 216 45 % 5.4% 1.9% 8.6% 42.0% 42.0% 92.6% 84.0% 83.3%

* SWIFT 試験では血流の状態をThrombolysis in Myocardial Infarction Trial分類(以下「TIMI分類」という。)で評価し ているため、TIMI分類2または3がTICIグレード2B または3に相当するものとし評価を行った。 2) 神経学的所見 神経学的所見の評価として、mRS及びNIHSSにて評価を行った。 予後良好とされるmRS 2以下と評価されたのは、術後7日評価で69例(28.8%)、術後30日 評価で61例(33.5%)、術後90日評価で83例(47.2%)であった(表8)。静脈洞への使用例 を除いた症例の術後90日評価においてmRS 2以下の症例は、本調査では175例中83例 (47.4%)、SWIFT試験が55例中20例(36.4%)であり、最も発生頻度の高い中大脳動脈に おけるmRS 2以下の症例は、本調査100例中54例(54.0%)に対し、SWIFT試験41例中14例 (34.1%)と本調査で良好な結果であった。SWIFT試験において、内頚動脈症例数が少な く、部位毎の有効性に留意が必要とされていたため、内頚動脈閉塞に対しての有効性につい て申請者に説明を求めた。 申請者は以下のように回答した。 内頚動脈におけるmRS 2以下の症例は、本調査では54例中20例(37.0%)、SWIFT試験で は12例中4例(33.3%)であり、中大脳動脈に対してやや低い症例割合となっているが、中 大脳動脈に対し近位血管である内頚動脈閉塞による脳梗塞であることを考慮すると、本結果 は妥当と考えられた。

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機構は内頚動脈に対して本品が有効であるという申請者の説明は受入れ可能と考えた。 本品の使用目的では、原則として発症から8時間以内での使用が定められているが、発症8 時間を超えて治療されている症例も36例(16.4%)存在しており、発症からの治療開始時間 と有効性について申請者に説明を求めた。 申請者は以下のように回答した。 術後90日におけるmRS 2以下の割合は8時間以内群46.7%(57/122)に対して、8時間超群 46.9%(15/32)であり、治療開始時間は有効性評価に影響しない可能性が示唆された。 機構は、本調査では発症からの治療開始時間が遅い症例に対して、本品が有効である可能 性は否定するものではないと判断した。 表8. mRSの推移 発症前(n=234) 術後 7 日(n=240) 術後 30 日(n=182) 術後 90 日(n=176) mRS 症例数 % 症例数 % 症例数 % 症例数 % 0 165 70.5% 19 7.9% 23 12.6% 35 19.9% 1 23 9.8% 25 10.4% 12 6.6% 27 15.3% 2 21 9.0% 25 10.4% 26 14.3% 21 11.9% 3 16 6.8% 27 11.3% 18 9.9% 13 7.4% 4 6 2.6% 61 25.4% 33 18.1% 30 17.0% 5 3 1.3% 74 30.8% 50 27.5% 24 13.6% 6 - - 9 3.8% 20 11.0% 26 14.8% 追跡不能症例を除く各評価時期におけるNIHSSの詳細を表9に示す。術後90日評価におい て術前と比較が可能な57例において、10以上改善した症例は38例(66.6%)であり、SWIFT 群 48例中29例(60.4%)と差は認められなかった。治療部位に関して術後90日評価におい て術前より10以上改善した症例は、本調査において内頚動脈16例中9例(56.3%)、中大脳 動脈33例中25例(75.8%)、脳底動脈5例中4例(80.0%)であり、SWIFT試験における内頚 動脈12例中4例(33.3%)、中大脳動脈36例中20例(55.6%)といずれの領域でも良好な結果 であった。一方、中大脳動脈と内頚動脈を比較した際には、中大脳動脈においてNIHSSが改 善した症例が多かったが、原因はmRS良好例の割合における理由と同様と考えられた。 表9. NIHSSの推移 術前 (n=251) 術直後 (n=199) 術後 24 時間 (n=231) 術後 7 日 (n=177) 術後 30 日 (n=113) 術後 90 日 (n=60) 平均値 19.3±8.4 14.9±9.9 12.7±10.5 9.0±9.7 9.0±10.0 4.1±9.2 中央値 19, 0-40 14, 0-40 11, 0-40 5, 0-42 6, 0-40 0, 0-40

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神経学的予後の改善を、「mRS 2 以下である、あるいは脳梗塞発症前の mRS が 3 以上の場 合には脳梗塞発症前の mRS と同じスコアである、もしくは NIHSS 10 以上の改善」と定義し た際には、術後 90 日評価において、本調査 175 例中 90 例(51.4%)、SWIFT 試験 55 例中 32 例(58.2%)にて神経学的予後の改善を認められ、本調査と SWIFT 試験間に、有意差は認 めないが、本調査で低い結果であった。機構は、神経学的予後の改善率が SWIFT 試験より低 いことについて、申請者に説明を求めた。 申請者は以下のように回答した。 mRS、NIHSS ともに中大脳動脈に対し近位血管である内頚動脈閉塞による脳梗塞において 予後が不良であったが、原疾患による影響が示唆された。また、神経学的予後の改善が認め られた症例の割合は、85 歳以下群 151 例中 82 例(54.3%)に対して 86 歳以上群 24 例中 8 例 (33.3%)と、SWIFT 試験では含まれていない高齢者において神経学的予後の改善率が低い 結果であり、年齢が有効性に影響を与えた可能性が示唆された。これらのことから、本調査 では、SWIFT 試験に比較して原疾患としての予後が不良である内頚動脈への治療が多いこと、 平均年齢が高いことが影響していると考えられた。 機構は、申請者の説明は妥当と判断し、有効性について特段の対応が必要となる問題点は ないものと判断した。 (5) 特別な背景を有する患者 妊婦への使用は 1 例報告された。本品の不具合、本品との因果関係を否定できない有害事 象の発生はなかったが、手技との因果関係を否定できない、併用機器であるカテーテルによ る血管穿孔を認めたが、mRS 0 にて経過した。 65 歳以上の高齢者への使用は 210 例(81.1%)であり、本品の適用対象疾患の特性上、高 齢者への適用が主であった。高齢者特有の有害事象や有効性の低下などは認めていない。 3. 不具合及び感染症 再審査期間に自発報告から受領した安全性情報を評価・検討した結果、重篤と判定し不具 合感染症症例報告を行ったのは、43 例 80 件であった。未知の不具合・有害事象は認めず、 内容に関しても本調査と同様の割合であった。死亡症例は 4 例あり、全例で本品との因果関 係は否定された。死因としては、脳出血 1 例、多発脳梗塞 2 例、慢性心不全および腎機能障 害 1 例であった。 国内学会・文献から得られた情報をもとに不具合・感染症症例報告を行ったものは 15 件で あったが、安全性に懸念があり、安全確保措置を要した事例はなかった。 また、本品は生物由来の構成品を使用しておらず、これまでに本品に起因する感染症例の 報告はなかった。 4. 研究報告 本品の不具合もしくは本品の使用による感染症により、重大な疾病、障害もしくは死亡が 発生するおそれがあること、または本品の不具合もしくは本品の使用により感染症の発生傾

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すような研究報告はなかった。 5. 重大な措置、海外からの情報 (1) 国内における回収・改修等の経緯 本品について、国内における回収・改修はなかった。 (2) 海外での回収・改修等の状況 本品は、再審査申請の時点において米国、EU 諸国で販売されている。承認後から現時点に おいて海外における製造等の中止、回収、廃棄等の措置報告はなかった。 6. 承認条件 本品の承認時に以下の2項目の承認条件が付されている。 1. 脳血管障害治療に関する十分な知識・経験を有する医師により、同治療に伴う合併症 への対応ができる体制が整った医療機関において、本品が使用されるよう、関連学会 と連携の上で必要な措置を講ずること。 2. 1.に掲げる医師が、適応を遵守し、講習の受講等により、本品を用いた血管内治療に 関する手技及び同治療に伴う合併症等に関する十分な知識を得た上で、本品が用いら れるよう、関連学会と連携の上で必要な措置を講ずること。 承認条件について、申請者は以下のように説明した。  承認条件1、2について 承認条件に係る業務の推進にあたっては、日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本脳 神経血管内治療学会の3学会合同で公表している、「経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用 指針」(第1版2014年4月、第2版2015年4月)に準じて実施した。 本品の使用前に、脳血栓回収療法を行うことができる医療機関か確認をしている。具体的 には、次の4条件を満たしているかを確認し、確認票へ医師の署名を受領している。 ① CT あるいはMRI が24 時間可能である。 ② 急性期脳卒中に対する十分な知識と経験を持つ医師(日本脳卒中学会専門医など)を 中心とするストロークチーム及び設備(Stroke Care Unit, SCUあるいはそれに準ずる病 棟)を有する。 ③ 脳外科的処置が迅速に行える。 ④ rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法実施担当者が日本脳卒中学会の承認する本薬使用の ための講習会を受講しその証明を取得している。 本品を用いる医師に対する製品説明とハンズオントレーニングを本品使用前に実施し、製 品説明とハンズオントレーニング修了後、「Solitaire FR 実施施設/実施医資格確認票」を 発行した。 また、関連学会と連携し、本品の適正使用促進を目的に学術集会等においてセミナーを開 催した。

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機構は、いずれの承認条件についても申請者の説明を了承した。なお、承認条件 1 及び 承認条件 2 については引き続き適切に対応するとともに、再審査期間中に確立したトレー ニング体制を継続することが適切であると判断した。 7. 総合評価 以上の安全性及び有効性の評価に基づき、本機器の再審査結果の区分はカテゴリー1(薬事 法第 14 条第 2 項第 3 号イからハまでのいずれにも該当しない)であると機構は判断した。 以上

表 2.  脳梗塞状況      本調査  割合  SWIFT 試験(n=58)  割合  疾患名  急性期虚血性脳梗塞  256  98.8%  -  -  その他  3  1.2%  t-PA  あり  113  43.6%  20  34.5% t-PA 無効 106 40.9% 20 34.5% t-PA 効果未確認 7 2.7% - -  なし  146  56.4%  38  65.5%  t-PA 適応外  143  55.2%  38  65.5%  NIHSS (n=252)  平均  1
表 3.  治療状況      症例数  %  本品以外の血管内治療  実施  139  53.9% 血栓除去 115 44.6% 血栓溶解剤局所動注 9 3.5%  バルーンによる血栓粉砕  17  6.6%  ステント留置  19  7.4%  その他  11  4.3%  第一選択の治療  本品  179  69.4% 血栓除去 63 24.4% 血栓溶解剤局所動注 1 0.4%  バルーンによる血栓粉砕  5  1.9%  ステント留置  4  1.6%  その他  6  2.3%  全製品のパス回
表 5.  重点調査事項      件数  %  血管攣縮  (頭蓋内 / 頭蓋外)  13  (8/3)  6.5%  血管解離  3  1.5%  血管損傷  2  1.0%  同一血管での操作回数:3 回以下  1  0.5%  同一血管での操作回数:4 回以上  1  0.5%  遠位塞栓による神経障害  5  2.5%  遠位塞栓による死亡  1  0.5%  全ての頭蓋内出血  21  10.6%  症候性頭蓋内出血 * 12  4.0%  PH1  2  1.0%  PH2  7  3.5%

参照

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