アメリカにおける州政府の医療保険料率規制
中浜 隆 (小樽商科大学教授)
は じめに
アメ リカでは、保険業はお もに州政府 が監督規制 を行 っている。州 保険局 (保険監督 当局) の長官である保 険監督官によって構成 され る 全米保険監督官協会
( Nat i o na lAs s o c i a t i o no fl ns ur a ne eCo mmi S ・ s i o ne r s:NAI C)
は小雇用主医療保険の改革 のために、1 9 9 0
年代初 めにモデル法
3
件 とモデル規則1
件 を制定 した1 )
。それ らは 「契約更新 保証」
「新契約加入保証」
「契約前発病の免 責に対す る制限」
「契約の携 行」
「料率規制」
「再保険プール」
について定 めている2 )
。 そ してほ とん どの州政府 は、モデル法 とモデル規則 の制定を受けて
1 9 9 0
年代に6
つの手段 に関す る法律 を制定 し、実施 している3)
。本稿 は、上記 の改革の手段のなかで 「料率規制」を取 り上げる。料 率設定方式の基本的種類 には、料率幅方式、調整地域料率方式、純粋 地域料率方式がある
。1 9 9 0
年モデル法 と1 9 9 2
年モデル法は料率幅方式 を採用 してい る。1 9 9 5
年モデル法は、1 9 9 1
年1 2
月の制定当初は料率幅 方式 を採用 したが、1 9 9 5
年3
月の改正に よって調整地域料率方式に変更 している。モデル法は、純粋地域料率方式は採用 していない。
モデル法が定める料率幅方式の特徴 は、第
1
に、別個の契約 クラス の設定 と危険特性の使用 を認 めていることである。 しか し第 2に、保 険者 が使用できる被保険者 の特性の種類 を明示 し、階層料率方式で生 じていた リスク細分化 を抑止 しよ うとしていることである。第3
に、契約 クラス内 と契約 クラス間の料率の格差お よび年 間の料率の引き上 げを制限 し、継続料率方式 の悪用 を防止 してい ることである。
他方、調整地域料率方式の特徴 は、第
1
に、別個 の契約 クラスの設 定を禁止 していることである。第 2に、保険者 が使用できる危険要因 の種類 を大幅に制限 し、階層料率方式で生 じる リスクの細分化 を大幅 に抑制 していることである。第3
に、危険特性 の使用 を禁止す ること によって、継続料率方式の採用 を禁止 してい るこ とである4)。本稿 の 目的は、
NAIC
モデル法 ・モデル規則 と各州保険法 ・保険規 則が定める料率幅方式 と調整地域料率方式の規制 内容 を比故 し、両者 の異同について考察す ることにある。注
1) 本稿 では、 3 件のモデル法 をそれぞれ 「 1 990 年モデル法」 ( 1 990 年 1 2 月制定) 、「 1 992 年モデル法」 ( 1 991 年 1 2 月制定 、92 年 1 2 月一部改正) 、「 1 995 年モデル法」 ( 1 9 91 年 1 2 月制定、92 年1 2 月一部改正 、95 年 3 月大幅改正、
2000 年 1 2 月大幅改正)、モデル規則 を 「 1 9 92 年モデル規則」( 1 992 年1 2 月 制定) と表記す る。 これ らについては、中浜 ( 2003a)を参照。
2) 「 契約更新保証」「 新契約加入保証 」「 契約前発病 の免責 に対す る制限 」
「 契約の携行」については中浜 ( 2003 b)を、「 再保険プール」について は中浜 ( 2 003 0 ) を参照。
3) 200 4 年 5
月時点で、ハワイ州 ・ペンシルバニア州 ・コロンビア特別区は、小団体 ( 従業員 2人〜5 0人) に対す る 「 契約更新保証
」「 新契約加 入保証
」「 契約前発病 の免責 に対す る制限
」「 契約 の携行」について定め た 連 邦 法 の 1 996 年 HI PA法 (Heal t h i ns urance Po r t abi l i t y and Ac c ount a bi l i t yAc to f1 996)の制定を受 けて、 これ ら4 つの手段 を実施
‑2 ‑
アメ リカにお ける州政府 の医療保険料率規制
してい るo Lか し、同法 は 「 料率規制」 と 「 再保険プール」については 定めていないために、これ ら2 つの手段 は実施 していない01 996 年 HI PA 法については、中浜 ( 2 0 0 3 a ) を参照。
4) NAl
Cモデル法 ・モデル規則 が定める料率規制 については、中浜 ( 2 0 0 4 )
を参照。
1.料率幅方式
2 0 0 4
年 において、3 4
州 が料率幅方式 を採用 してい る5)O本 章では、その うちの主要
1 4
州 (人 口5 0 0
万人以上の州)の料率規制 の主要な内容 (保険者 が使用で きる危険要 因や料率格差 の制 限な ど) について叙述 す る6)
。① ア リゾナ州
ア リゾナ州 は、契約 クラスにつ いて定義 していない7)。被保 険者 の 特性 に関 しては 「人 口統計的特性
( de mO g r a P王 l i cc ha ra c t e r is t i c s )
」 を 「保険料率 を設定す るさいに保険者が考慮す る客観 的要因」 と定義 してお り (ア リゾナ州保 険法第2 0 ‑ 2 3 01
条A
項8
を参照)、その種類 に ついては明示 していない。 しか し、健康 状態関連要因 ・産業 ・契約の 継続期 間は、人 口統計的特性 には含 まれ ない。「健康状態関連要 因
( he a l t hs t a t us ‑ r e l a t e df ac t o r ) 」
とは、医療 保険に加 入 してい るまたは加入す る予定の本人 または扶養家族 の健康 に関連 したあ らゆる要因であ り、 「健 康状態」 「病状」 「保 険金支払 実績」
「受療」
「病歴」
「遺伝情報」
「保 険可能体の証拠( e vi de nc eo r
i ns ur a bi l i t y) 」
「身体 ・精神 障害の存在」
が含 まれ る (第2 0 ‑2 3 0 1
条A
項1 2
を参照)8)
。なお、上記 の健康状態関連要因 は、1
9 9 6
年HIPA
法で も定め られて いる( 4 2U. S. C.与 3 0 0 gg‑1 ( a ) ( 1 )( 2 0 0 3 )
を参照)。19 96
年HIPA
法 は、本人または扶養家族 に関わ る健康 関連要因に基づいて団体内の 「類似 した状況にある加入者」の保険料 よ りも高い保険料 を支払 うことを団 体医療保険の保険者が (新契約加入または契約更新の条件 として)加 入者 に要求す ること (つま り健康 関連要因に基づいて団体 内の 「類似 した状況にある加入者」の保険料 に格差 をつ けること)を禁止 してい る
( 42U. S. C.i 3 00 g g 1 1 ( b) ( 1 )( 2 0 0 3 )
を参照)0そ して、保障内容が同 じまたは類似 した医療保 険に加入 し、家族構 成 と地域が同 じまたは類似 した小雇用主 に対す る料率の格差 を 「指標 料率
±6 0%」つま り 「 4:
1」以内に制限 してい る。年間の料率の引き上 げ率は、①基礎料率の変化率、②1
5%、③保 障 一
内容 ・家族構成 ・地域 ・人 口統計的特性 による調整、の合計以内に制 限 してお り、1 9 9 2
年モデル法 とほ とん どまった く同 じであるO②カ リフォル ニア州
カ リフォルニア州は 「リスクカテ ゴ リー (適格従業員 の特性)」と して、年齢 ・地域 ・家族構成 ・医療保険の使用 を認 めてい るO小雇用 主団体のそれぞれ の適格従業員 に適用 され る料率 (上記の危険要因を 使 用 して算 定 す る料 率 ) が 「標 準 従 業 員 リス ク料 率
( s t a ndar d e mpl o ye er i s kr at e )」
である (カ リフォル ニア州保険法第1 0 7 0 0
条(Ⅴ)
項 と(Ⅹ)項を参照)。なお、料率期 間は6
か月以上でなければな らない。そ して 「リスク調整係数
( r i s kad j us t me ntf ac t o r )」として健康状
態の使用 を認 め、それ によって生 じる料率の格差 を 「標準従業員 リス ク料率 ±10%」つ ま り
「1 . 22:1
」以内に制限 してい る。 リスク調整係 数は、小雇用主団体のそれぞれの標準従業員 リス ク料率に均一 に適用‑4 ‑
アメ リカにおける州政府 の医療保険料率規制
され なければな らない。
料率の引き上げについては、 リスク調整係数 の引き上げ率 を前料率 期 間に適用 された リス ク調整係数 の1
0%以内に制限 してい る。 リスク
調整係数 は、1 2
か月以 内に修正す ることはできない。③ フロ リダ州
フロ リダ州 は、調整 地域料率
( mo d i f i e dc o mmuni t yr a t e )
を算定 す る さいに、年齢 ・性別 ・地域 ・家族構成 ・喫煙 のみの使用 を認 めて いる。 そ して、健康状態 ・保 険金支払実績 ・契約 の継続期 間に よる料 率 の調整 に よって生 じる料 率の格差 を 「調整地域料率±1 5%」以内に
制限 してい る。フロ リダ州が健康状態 ・保 険金支払実庫 ・契約 の継続期間による料 率の調整 を認 めたのは
2 00 0
年7
月で ある。 フロ リダ州保 険法 は 「曝険 者 は調整地域料率方式( mo d i f i e dc o mmun i t yr at i ngme t ho do l o g y)
を使用 しなけれ ばな らない」と定 めてい る (第
6699
条( 6)
項( ち)
を参照)。NA l C
モデル法 が定 め る料 率幅方式 は 「危険特性 (健康状態 ・保 険 金支払実績 ・契約 の継続期 間)」
の使用 を認 めてい るが、それ によっ て生 じる料率の格差 を制限 してい る。他方、調整地域料率方式 と純粋 地域料率方式 は 「危険特性」の使用 を禁止 してい る。 これ によれ ば、フロ リダ州 は料率幅方式であ る。なお
、GAO ( 2 0 03 )
も剛 十lを料率幅 方式 としてい る9)
0料率の引き上 げについて は、団体 の構成が変化 しないまたは給付内 容 が変更 され ないな らば、新契約 日または契約更新 目か ら
1 2
か月間、保 険者 は料率 を変更す るこ とはできない。保険者 は、健康状態 ・保険 金支払実績 ・契約 の継続期 間に よって、更新保 険料 に対 して年 間1
0%
を上回 らない調整 をす るこ とができる。
④ ジ ョー ジア州
ジ ョージア州 は、プール料率 を算定す るさい に 「人 口統計的引受要 因
( demo gr aphi cunde r wr i t i ngf ac t o r s )
」として、年齢 ・団体規模 ・ 家族構成 ・性別 ・地域 ・産業 ・職業 ・噂好 く喫煙等) の使用 を認 めて いる。産業 を使用す る場合 には、それ によって生 じる料率の格差 を 「塞 礎係数1 . 0±1 5 %」
以内に制 限 してい るo 「プール料率( po o lr a t e)」
とは、上記 の人 口統計的引受要 因に よって調整 され た、保 険者 の小団 体医療保険プール 内のすべての小団体 にお ける従業員 または扶養家族 に対す る平均料率 で あ る (ジ ョ⊥ ジア州保 険規則 第
1 2
条 (1)項( k)
と( 5)
項( b)
を参照)。料率期 間は1 2
か月未満であってはな らない。そ して、それぞれ の小団体の保険金支払実績 である 「団体経験係数
( g ro upe xpe r ie nc ef ac t o r )
」の使用 を認 め、それ に よって生 じる料 率の格差 を 「プール料率±25
%」以 内に制限 してい るO契約 更新 時の料率の引き上 げにつ いては、
1
料 率期 間にお ける団体 経験係数 の引き上げ率 を1 5%
以 内に制 限 してい る。 プール料率 の引き 上げ率 については定 めてい ない (制 限 していない)。⑤イ リノイ州
イ リノイ州は、契約 クラスについて定義 し、契約 クラスの種類 を
3
つ定 め、契約 クラスの数 を4つ まで認 めてい る。 しか し、保 険監督官 は契約 クラスの追加設定 を認可す ることができる。被保 険者 の特性 とは 「小雇用主 に対 して保険料率 を設定す るさいに 保 険者 が考慮す る小雇用主 の人 口統計的 ・地理的 ・その他 の客観的特 性
」
で あるO客観 的特性( o bj ec t i vec har ac t e r is t i c s )
とは 「測定でき るまたは観察できる諸事象」
であ り、測定できる特性 として 「遅延加‑6 ‑
アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
入着である従業員 の数」を、額察できる特性 として 「雇用主 の地域」
または 「従業員の性別
」
を例示 してい る (イ リノイ州保 険法第93/10
条 を参照) 10)。健康状態 ・保険金支払実績 ・契約 の継続期間は、被保 険者 の特性 には含 まれない。契約 ク ラス内の料 率の格差 と契約 クラス間の指標料 率の格差 に対 す る制限は、1
9 92
年モデル法 と同 じである。年 間の料率の引き上げ率 に対す る制限 も、199 2
年モデル法 と同 じである。⑥イ ンデ ィアナ州
イ ンデ ィアナ州 は、被保険者 の特性 を 「小雇用主に対 して保険料率 を設定す るさいに保険者 が考慮 し決定す る小雇用主の人 口統計的また はその他 の適切 な特性」と定義 してお り (イ ンデ ィアナ州保 険法第
8
章第15
節第6
条を参照)、その種類 につ いては明示 していないO しかし健康状態 ・保険金支払実績 ・契約 の継続期間は、被保険者 の特性 に は含 まれない。
そ して健康状態 ・保険金支払実演 ・契約 の継続期 間の使用 を静 め、
それ によって生 じる料率の格差 を 「中間料率±35%」つま り
「 2. 0 8:1 」
以内に制限 してい る。 「中間料率( mi dpo i ntr a t e) 」
とは、被保険者 の特性 と医療保険が類似 した小雇用主 に適用 され る基礎料率 と最高料 率の算術平均である (第8
章第 15節第4
条を参照)0年間の料率の引き上げ率 に対す る制限は、1
99 2
年モデル法 と同 じで ある。⑦ ミネ ソタ州
ミネ ソタ州 は、被保険者の特性 を 「小雇用主に対 して保険料率 を設 定す るさいに保険者が考慮 し決定す る小雇用主の明確な特性」と定義
してお り (ミネ ソタ州保険法第62
L. 02
条6
項 を参照)、その種類 につ いては明示 していないOただ し 「性別」の使用は禁止 している。そ して健康状態 ・保険金支払実績 ・産業 ・契約 の継続期間の使用を 認 め、それによって生 じる料率の格差を 「指標料率±25%」以内に刺 限 してい る。 これに加 えて、年齢 の使用によって生 じる料率の格差を
「指標料率±5
0%」まで認 めている。また、保険者 は保険監督官の認
可を受 けて、3
つまでの地域 を設定 し、それぞれの地域に対 して別々 の指標料率を設定することができる。ただ し、地域間の指標料率の格 差は20%以内でなければな らない。
年間の料率の引き上げ率は、①指標料率の変化率、②雇用主の従業 員または扶養家族の保険金支払実漬 ・健康状態 ・契約の継続期間によ る、年間1
5%
を上回 らない調整、③保障内容の変更または被保険者の 特性の変化 による調整、の合計以内に制限 してお り、(丑が19 92
年モデ ル法 (同法は 「新契約 の料率の変化率」) と異なっている。⑧ ミズー リ州
ミズー リ州の主要な料率規定は、以下の点以外 は1
992
年モデル法 と1 992
年モデル規則 と同 じである。すなわち、保険者が被保険者の特性として 「産業」を使用す る場合、1
9 92
年モデル法は最高の料率係数 を 最低の料率係数の15%以内に制限 しているが、 ミズー リ州法は1 0%以
内に制限 している (第37
9.93 6
条 1項( 6)
を参照)。また 「団体規模」を使用す る場合、1
9 92
年モデル規則は最高の料率係数 を最低の料率係 数の20%以内に制限 しているが、 ミズー リ州法は制限 していない。
年間の料率の引き上げ率に対す る制限も
、1 992
年モデル法 と同 じで ある。‑8 ‑
アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
⑨ ノー スカ ロライナ州
ノースカ ロライナ州 は、被保 険者 の特性 として年齢 ・性別 ・家族構 成 ・地域 の使用 を認 めてい る。保 険者 は、 これ らの危険要因のみに基 づ いて料 率 を算 定す る調整 地域 料 率方式 を使用 しなけれ ばな らない (ノースカ ロライナ州保 険法第5
0
節第1 30
条( b
)項 を参照)。 そ して、同 じ医療保 険に加入 し、被保険者 の特性 が類似 した/J、雇用主 に課 され る料率 の格差 を 「調整 地域料率
±20%」以内に制 限 してい る。
「調整地域料率±20%」は 「被保 険者 の特性」以外 の危険要因の使 用 によって生 じる料率 の格差 に対す る制 限である。つま りノースカ ロ ライナ州 は、健康状態 な どの使用 を認 めているQ前記の よ うに、料率 幅方式 は 「健康状態
」
に基づ く料率 の格差 を認 めてい るが、調整地域 料率方式 と純粋地域料率方式 は禁止 してい る。 これ に よれ ば、 ノース カ ロライナ州 は料率幅方式であ る。なお、GAO ( 200 3)は同州 を調整
地域料率方式 としてい る。料率の引き上 げについては、団体 の構成 が2
0%以上変化 しないまた
は給付 内容 が変更 され ないな らば、新契約 日または契約 更新 日か ら12 か月間、保 険者 は料率 を変更す ることはできない。年 間の料率の引き 上げ率 は、①調整地域料率の変化率、②保険金支払実績 ・健康状態 ・ 契約 の継続期 間による、年間15%を上 回 らない調整、③保障内容 の変
更または被保 険者 の特性 の変化 による調整 、の合計以 内に制 限 してい る。 こ うした制限方法 ・内容 も、モデル法が定 める料率幅方式のそれ と基本 的 に同 じで ある。⑩オハイオ州
オ‑イオ州 は、被保 険者 の特性 として地域 ・年齢 ・性別 ・産業 ・団 体規模 ・保 険者が設 定す るその他 の客観 的基準の使用 を認 めてい る。
産業 を使 用す る場合 には、それ によって生 じる料率の格差 を 「全産業 分類 に関わ る料率係数 の算術平均
±1 5%」以内に制限 してい る。
そ して健康状態 ・保 険金支払実績 ・契約 の継 続期 間の使用 を認 め、
それ によって生 じる料率 の格差 を 「中間料率
±35%」以内に制限 して
い る. 中間料率の定義 (オハイオ州保 険法第3924.01
条(k)
項 を参 照) は、上記 のイ ンデ ィアナ州保険法のそれ と同 じである。年 間の料率の引き上 げ率 に対す る制限 は、1
9 92
年モデル法 と同 じで ある。⑳テネ シー州
テネ シー州 は、契約 クラスを 「保 険者 の記録 に示 され る小雇用主の すべてまたは別個 のグループ化」 と定義 してい る (テネ シー州保 険法 第220
3
条( 7 )
項 を参照)が、契約 クラスの種類 と数 については定 めてい ない。被保 険者 の特性 は 「/ト雇用主に対 して保 険料率 を設定す る さい に保 険者 が考慮 し決定す る小雇用主の人 口統計的またはその他 の客観 的特性」と定義 してお り (第2203
条( 6 )
項 を参 照)、イ ンデ ィアナ州保 険法の定義 とほ とん ど同 じであるO被保 険者 の特性 として 「産業」 を 使用す る場合 には、それ によって生 じる料率 の格差 を 「全産業分類 に 関わ る料率係数 の算術 平均±1 5%」以内に制 限 してい る。
そ して健康 状態 ・保 険金支払実績 ・契約 の継続 期 間の使用 を認 め、
契約 クラス内の料率 の格差 を 「指標料率
±35%」以 内に、また契約 ク
ラス間の指標料率 の格 差を25%以 内に制 限 してい る。 中間料率の定義
(第2203
条( 1 5 )
項 を参照) は、199 2
年モデル法 の指標料率 のそれ と同 じである。年間の料率の引 き上げ率に対す る制 限 も、1
9 92
年モデル法 と同 じで ある。‑1
0‑アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
⑫テキサス州
テキサス州 の主要な料率規定は、以下の点以外 は
1 9 9 2
年モデル法 と1 9 92
年モデル規則 と同 じである。すなわち、被保 険者 の特性は 「小雇 用主に関 して、雇用主の従業員が居住す る地域、それぞれの従業員 と 扶養家族の年齢 と性別 、従業員 と扶養家族の数、保険者が決定す る適 切 な産業分類、保険者 が設定す るその他 の客観 的基準」 と定義 してい るD しか し健康状態 ・契約 の継続期間 ・加入者 の妊娠 またはその可能 性 は、被保険者の特性 には含まれない (テキサス州保 険法第1 5 01 . 2 01 秦 ( 2)
項 を参照)。年間の料率の引き上げ率 に対す る制限も
、1 9 9 2
年モデル法 と同 じで あるO⑲バージニア州
バージニア州は、危険分類要因
( r is kc l a s s i f i c a t i o nf ac t o r s )
とし て、年齢 ・性別 ・地域の使用 を認 めている。保 険者 は、これ ら3つの 危険要因のみに基づいて地域料率 を算定 しなければな らないO地域料 率( c o mmuni t yr a t e )
とは 「同 じまたは類似 した医療保険について、年齢 ・地域 ・性別 の特性 が同 じすべての小雇用主団体 に課 され る平均 料率」である (バージニア州保険法第3
431
条B
項 を参照)。なお、料率 期間は1 2
か月である。そ して健康状態 ・保 険金支払実績 ・契約 の継続期 間の使用 を認 め、
それ に よって生 じる料率の格差 を 「地域料率
±2 0%」
以内に制限 して いる。健康状態 ・保険金支払実績 ・契約 の継続期 間による料率の調整 は、当該小雇用主のすべての加入者 に課 され る料率に均一に適用 され なけれ ばな らないOバー ジニア州 は 「地域料率」を算定 しなけれ ばな らない ことを明記 してい るが、それ を 「危険特性
」
に よって調整す ることを認 めてい る 点で、 フロ リダ州 とノースカ ロライナ州 と同 じであるoGAO( 2 0 0 3 )
は同州 を料率幅方式 としてい る。⑭ ウィス コンシン州
ウィス コンシン州 は、契約 クラスを 「保 険監督官が定めた規則 に し たがって決定 され た小雇用主のすべてまたは別個 のグループ化」 と定 義 してい る (ウィス コンシン州保 険法第
6 3 5 . 0 2
条( 3 )
項 を参照)。それ は、小雇用 主間にお ける保険種類 ・マー ケテ イング方法 ・契約 の継続 期間 の差異 に関わ りな く、①医的引受 け された保 険のすべての小雇用 主、② 医的引受 け され なかった保険のすべての小雇用主、③非系列保 険者 との特定の再保 険特約 によって引き受 け られた保険のすべ ての小 雇用主であ り、保険者 は これ ら以外 の契約 クラスを設定す ることはできない。
「医的引受 け され た保険
( me d i c a l l yunde r wr i t t e npo l i c y)
」とは、保険者 が危 険溝択 のために、団体の保 険金支払実績 または適格加入者 の病歴 に関す る情報 を使用 したあ とに引き受 け られ た保険であ る (ウ ィス コンシン州保険規則第
8.5 4
条( 2)
項( b)
を参照)。被保 険者 の特性 とは、年齢 ・性別 ・地域の よ うな人 口統計的 ・保険 数理 に基づ く特性 で ある。保 険金支払 実績 ・健康状態 ・職業 ・契約 の 継続期 間 ・その他 の保 険金支払実績 に関連す る要因は、被保険者 の特 性 には含 まれ ない。
そ して、上記の 「被保険者の特性」 に含 まれ ない危険要因の使用 を 認 め、同 じまたは類似 した医療保 険に加入 し、被保 険者 の特性 が同 じ 小雇用主 に対す る料 率の格差 を 「中間料 率
±3 0%」
以 内に制限 してい‑1 2 ‑
アメ リカにおける州政府 の医療保険料率規制
る。 中間料率 とは、基礎料率 と最 高料率の算術平均である (ウィス コ ンシン州保険法第
635,02
条( 4m)
項 を参照)。
年 間の料率の引き上 げ率 に対す る制限は
、 1992
年モデ′レ法 と同 じで ある。注
5)
筆者 は、We s t l aw
とL e x i s Ne x i s
のデー タ ・ベースによ り、各州保険 法 ・保険規則 が定め る料率規定 を2 003
年1
1月 に調査 した。そ してその後 、 規定の改正が行 われているか ど うかを確認す るために、2 0 0 4
年5
月 に再 度調査 してい る。6) 2 0 03
年7
月 にお いて、1 4
州 の人 口は料 率幅方式 を採用 している全州 の 人 口の7 8. 4%
を 占めてい る。 なお 、各州 の人 口は推定値 で あ り、U. S.
Depar t me nto fCo mme r c e , U. S. Ce ns usBur e au
による。7)
ア リゾナ州保 険法 には、契約 クラスの定義 な ど、契約 クラスに関わ る 規定は存在 しない。以下本文 で叙述す る各州 の料率規制において、ア リ ゾナ州のよ うに契約 クラスにつ いて定 めていない場合、この点の叙述 は 省略す る。8) 「類似 した状 況にある加入者
( s i mi hr l ys i t uat e di ndi v idua l )
」の規 定 と例示 については、45C. F. R.奪1 4 6. 1 21 ( a)( 2 0 0 4 )
を参照C9) GAO ( 2 0 03)
は、料率幅方式 と調整 地域料率方式の要件 を以下の よ う に叙述 してい る。・料率幅方式
保険料 は小 団体間で健康要因やその他 の要因 (た とえば年齢 ・団体規 模 ・産業 の よ うな要因) によって制限範 囲内で変わ りうる。
・調整地域料率方式
健康状態 の使 用 を禁止 してい る。保 険料 は小 団体 間で地域 ・家族構 成 ・その他 の要 因 (た とえば年齢や性別 の よ うな要因)に よって制限 範囲内で変 わ りうる。
1 0 ) 1 9 92
年 モデル 法 は、遅延加 入者( l at ee nr ol l e e)
を 「当初加入 期 間( i ni t i ale nr o l l me ntpe r i od)
が最低30
日間であるな らば、医療保 険の 約款で当初加入 期 間 中に加入資格があ り、当初加入期間のあ とに医療保 険の加入 を求 め る適格従業員 または扶養家族」 と定義 している (第3
条 R項 を参照)02.
調整地域料率方式2004
年 において、1 2
州 が調整地域料率方式 を採用 してい る。本章で は、各州の料率規制 の主要 な内容 (保 険者 が使用 できる危険要因や料 率格差の制限な ど) につ いて叙述す るu)O
①ア ラバマ州
ア ラバマ州は、調整地域料率 を算出す るさいに年齢 ・性別 ・地域 ・ 家族構成 のみの使用 を認 めてい る。そ して、年齢 の使用 によって生 じ
る加入者
1
人 当た りの料率の格差 を400%
以内に制限 してい るO また、上記 の 4つ の危 険要 因の使 用 に よって生 じる料率 の格差 を 「0,75‑
1,25」の範 囲内に制 限 してい る。保険者 が団体規模 を使用す る場合 に は、それ によって生 じる料率の格差 を 「0.85‑1.15」の範 囲内に制 限
してい る。
料 率の変更 (引 き上 げ) に対す る制限は、 1995年モデル法 と同 じで あるC
(診コロラ ド州
コロラ ド州は、被保険者 の特性 として年齢 ・地域 ・家族構成 の使 用 を認 めてい るo保険者 は 「単一の指標料率
( s i ng lei nd e xr a t e )
」を 算 出 しなけれ ばな らないo 単一 の指標料 率 は地域 料 率( c o mmuni t y r a t e )
と同一であ り、すべ ての小 国体保 険の経験 を使 用 して計算 されるOすべての小雇用主 に適用 され る料率は、単一の指標料率 に基づ き、
被保 険者 の特性 と医療保 険 に よって調整 され なけれ ばな らない (コロ ラ ド州保 険規則
4 ‑ 6 ‑7
第5
条A
項 (1)を参照)。 しか し、被保 険者 の特 性 と医療保 険の使用 に よって生 じる料率の格差 につ いては制限 してい‑ 1 4 ‑
アメ リカにおける州政府 の医療保険料率規制
ない。
③ コネチカ ッ ト州
コネチカ ッ ト州 は、年齢 ・性別 ・地域 ・産業 ・団体規模 ・家族構成 の使用 を認 めてい る。他方、健康状態 ・保険金支払実績 ・契約 の継続 期間の使用は明示的に禁止 してい る。
小雇用主の料率は、上記の分類 (危険要因) を反映 させ るために調 整 され る地域料率
( c ommuni t yr at e)に基づいて算定 されなければな
らない。そ して、産業がいかなる産業分類 にも関わる料率係数である な らば、それ によって生 じる料率の格差 を 「全産業分類 に関わる最高 料率係数 と最低料率係数 の算術平均±15%」
以内に制限 している。ま た 、 団体 規模 に 関わ る最 高 の料 率係 数 と最 低 の料 率係 数 の比 率 を「 1 .25:1.0」
以内に制限 している。料率の変更 (引き上げ) に対す る制限については、いかなる料率の 調整 も被保険者 の特性 を反映 させ なけれ ばな らない。 また、産業 に関 わ る料率係数の引き上げ率を年間5%以内に制限 してい る。
④ メイ ン州
メイ ン州は、年齢 ・職業または産業 ・地域 ・家族構成 ・団体規模 ・ 喫煙 ・ウェルネスプ ログラム‑の参加 の使用 を認 めている。そ して、
年齢 ・職業または産業 ・地域の使用 によって生 じる料率の格差 を 「地 域料率
±20%」
以内に制限 してい るO「地域料率
( e o mmuni t yrat e)
」とは、上記 の7
つの危険要因によ る調整前 の、すべての適格小団体に課 され る料率である (メイ ン州保 険法第2808‑B粂 1
項B
を参照)0なお、 ウェルネスプ ログラム
( we l l nes spr ogr ams)
とは、企業が従業員 と扶養家族 の病気 を予防 ・早期発見 し、健康的なライフスタイ ル を促進す るために実施 しているプ ログラムである。それ には 「健康 診断プログラム」と 「ライ フスタイル管理プログラム」がある。「健康 診断プログラム」には、一般的な健康診断や各種 の検診があるO「ライ フスタイル管理プ ログラム」には、禁煙プ ログラム ・フィッ トネスプ ログラム ・減量プ ログラム ・栄養プ ログラム ・ス トレス管理プ ログラ ムがある
O
⑤メ リー ラン ド州
メ リー ラ ン ド州 は、年齢 ・地域 ・家族構 成 のみ に よる地域料 率
( c ommuni t yr at e)
の調整 を認 めてい る。つま り、保 険者が使用でき る危険要因の種類 は1995
年モデル法の規定 と同 じである。メ リー ラン ド州保険法 は、地域料率について 「地域料率を算定す る さいに、健康状態または職業または本項で明示的に認可 していないそ の他 のいかなる要因 とも関わ りなく、医療保険が保障 しているすべて の危険の経験 に基づ く料率設定方法 を保険者 は使用 しなければな らな い
」
と定 めている (第1 5 ‑1 205
条(a)項 (1)を参照)。 そ して、年齢 と 地域 による料率の調整 を 「地域料率±40%」つ ま り 「 2. 33:
1」以内に 制限 している。⑥マサチューセ ッツ州
マサチューセ ッツ州 は、被保険者の特性 として年齢 ・家族構成 ・産 業 ・団体規模 ・適格従業員の保 険加入率の使用 を認 めている。年齢 ・ 家族構成 ・産業の使用 によって生 じる料率の格差 は制限 していない。
他方、団体規模 と適格従業員の保険加入率の使用 によって生 じる料率 の格差は一定の範囲内に制限 している。
‑1 6 ‑
アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
保険者 は実際の事業費 のみ に基 づいて団体規模 に よる料率 の調整 を行 うことができるが、その値 は0.
95
‑1 .05
の範 囲でなければな らな い。また、保険者 は 「従業員5
人以下の団体に対 して100%、従業員 6
人以上の団体に対 して75%」の最低限加入要件 を下回る加入率の医痩 保険に対 して料率の調整 を行 うことができるが、その値の範囲につい ては明示 していない。被保 険者 の特性
(5
つの危険要因)のみに基づいて算定す る料率が「団体基礎保険料率I
( g r o upbas epr e mi umr at es )
」であるOそれは、それぞれ の適格小団体のすべての適格従業員 と適格扶養家族 に課 され る保 険料 の合計 を適格従業員数 で割 った 「団体平均保険料率
( g r o up ave r agepr e mi um r at es ) 」
である (マサチューセ ッツ州法第 Ⅰ部第22
編第1 76J
章第1
条 を参照)。全危険要因の使用 によって生 じる料率 の格差 に対す る制限 として、それぞれの小団体 に課 され る団体基礎保 険料率 を最低の団体基礎保険料率の 2倍までに制限 しているC保険者 は 「団体基礎保険料率
」
に対 して、以下の料率の調整 を行 う ことが認 め られているO(丑保険者 は給付水準 (数理的給付額の比率) による料率の調整 を行 うことができる。②保険監督官 は毎年、地域 に よる リスク調整 のために、州 を少な くとも5つの地域に区分 しなけれ ばな らないO保険者は地域 による料率の調整 を行 うことができるが、その値 は
0 . 8
‑1.2
の範囲でなければな らない。③保険監督官が定める 最低 限の基準を満 た している ウェルネスプログラムを従業員 に提供 し てい る適格小団体に対 して保険者 は料率 を割 り引 くことができるが、その値 は0.
95‑0. 9 9
の範 囲でなければな らない。⑦ ミシガ ン州
ミシガン州 は200
4
年 1月か ら料率規制 を実施 してい る。保険者 は、医療保険の保険料 を調整す るために
、1 0
の地域まで設定す ることがで きる。そ して、地域 ごとの保険料 を設定す るさい、非営利 の保険者 (ブ ルー クロス ・ブルーシール ド) は産業 と年齢 のみ を、HMO
は産業 ・ 年齢 ・団体規模のみを、営利 の保 険者 は産業 ・年齢 ・団体規模 ・健康 状態のみを使用す ることができる。そ して、非営利 の保 険者 と
HMO
が設 定す る保 険料 の格差 を 「指標 料率±3 5%」
以内に、営利 の保険者 が設定す る保 険料の格差 を 「指標 料率±4 5%
」以内に制限 してい る。指標料率 とは、ある地域 において、それぞれ の医療保険について保険者が小雇用主に課す、従業員
1
人 当 た りの基礎保険料 (‑最低保険料)と最高保険料 の算術平均である (ミ シガン州保険法第3701
条 (1)項 を参照)a保険者 は、上記の危険要因のほかに、医療保険の種類 ・家族構成 ・ メデ ィケアの受給資格 も使用す ることができる。保険者 は、ある地域 のすべての小雇用主に対 して、すべての危険要因を均一に適用 しなけ れ ばな らない。 また、医療保険の種類 ・家族構成 ・メデ ィケアの受袷 資格 を除いて、保 険者 は混合料率
( c o mpo s i t er a t e )
のみによって小 一雇用主団体の料率 を設定 しなけれ ばな らず、小雇用主団体 の1
人また は複数 の従業員の保険料が他 の従業員 の保 険料 よ りも高 く設定す るこ とはできない。保険料 の引き上げ率 は 「指標料率の年間の引き上げ率」と 「産業 ・ 年齢 ・団体規模 ・健康状態 (上記の よ うに保険者 によって異 なる)に 基づ く引き上げ率 (年間
1 5%
以内)」の合計以内に制限 してい る。ミシガ ン州 は、使用できる危険要因の種類 は保 険者 によって異なっ ている。 また、産業 ・年齢 ・団体規模 ・健康状態 の使用 によって生 じ る料率の格差 は制 限 しているが、医療保険のオプシ ョン ・家族構成 ・ メデ ィケアの受給資格 の使用 によって生 じる料率 の格差 は制限 してい
‑1 8 ‑
アメ リカにお ける州政府 の医療保険軸率規制
ない。
また、ミシガ ン州 は 「指標料率
±Ⅹ%
」の手法で料率の格差 を制 限 してい る。前章 で叙述 した よ うに 「指標料率±Ⅹ%」
は料 率幅方式で 採用 され、 「危険特性」
の使 用 に よって生 じる料率の格差を制限 して いる。それ に対 して ミシガ ン州 は、第 1に 「危 険特性」
の使用 は禁止 してお り (ただ し営利 の保 険者 については 「健康状態」
の使用 を認 め てい る)、第2に 「指標料率±Ⅹ%」
は 「被保険者 の特性」
の使用 に よって生 じる料率 の格差 を制 限 している点にお いて料率幅方式 と大 き く異なってお り、む しろ調整地域料率方式 に該 当 してい る といえる。⑧ニューハ ンプシャー州
ニューハ ンプシャー州 は、年齢 と団体規模 のみ に基づいて地域料率 に格差 をつ けることを認 めてい る。小雇用主 に課 され るすべての保険 料 は、地域料率方式のみに基づ かなけれ ばな らない。
地域料率 は、性別 ・地域 ・職業 ・健康状態 ・保険金支払実績 ・契約 の継続期 間による修正が行 われず、それぞれの家族構成 (単身 ・夫婦 ・ 家族 を含む)に対 して計算 され る単一の平均保 険料 として設定 されな
けれ ばな らない (ニ ューハ ンプシャー州保 険法第
4 2 0 ‑G: 4 粂
Ⅰ項(a)
を 参照)0そ して、年齢 の使用 に よって生 じる料率 の格差 を
「 3:1 」
以 内に制 限 してい る。 また、団体規模 に基づ く最高係数 を最低係数 の2 0%
以下 に制限 している。⑨ニュージ ャージー州
ニ ュージャージー州 は、年齢 ・性別 ・地域 のみ に基づいて地域料率 を調整す ることを認 めてい る。地域料率方式 とは、保 険 に加入す るす
べての人々に対 して保 険者が設 定す る保 険料が、年齢 ・性別 ・健康状 態 ・地域 ・職業に関わ りな く、 リスクプール全体q)経験 に基づいて同 じで あ る料率設定方式 で ある (ニ ュー ジ ャー ジー州保険法第
2 7 A
章第1 7
条 を参照)0そ して、
3
つの危険要 因の佳用 に よって生 じる料率の格差 を2 0 0%
以内に制限 してい る。
⑩オ レゴン州
オ レゴン州 は、年齢 ・地域 ・家族構成 のみの使 用 を認 めてい るo そ して、地域 の使用 によって生 じる料率の格差を 「地域平均料率
±3 3 %」
以内に制限 してい る。 「地域平均料率
( ge ogr aphi cave r ager at e )
」 とは、それ ぞれ の地域 にお ける最低の保険料 と最 高の保険料 の算術平 均で ある (オ レゴン州保険法第7 4 3 . 7 3 0
条( 1 6 )
項(a)を参照)。しか し、年齢 と家族構成 の使用 に よって生 じる料率の格差 については制限 して いないO
料率の変更 (引き上げ) に対す る制限については、保険者 は1
2
か月 以内に料率 を引き上げ る ことはで きない。料率の引き上げ率 は、①地 域平均料率の変化率、②年齢 の変化 と家族構成 の差異 に よる調整 、の 合計以 内に制限 してい る。⑪ ロー ドアイ ラン ド州
ロー ドアイ ラン ド州 は、年齢 ・性別 ・家族構成 のみの使用 を認 めて い る。保険者 は、調整地域料率 に基づいて料率 を算 出 しなけれ ばな ら ず、上記 の危 険要因のみに よって料率 に格差 をつ けるこ とができる。
そ して、家族構成 の使用 によって生 じる料率の格差 を
4
倍 以内に制 限 してい る。年齢 と性別 の使用 に よって生 じる料率の格差 については‑ 2
0‑アメリカにおける州政府の医療保険料率規制
制限 していない。
料率の変更 (引き上げ)に対す る制限については、1
9 95
年モデル法 と同 じである。⑳ ワシン トン州
ワシン トン州は、保険者が調整地域料率を算定す るさいに、年齢 ・ 地域 ・家族構成 ・ウェルネス活動のみの使用を認めている。そ して、
年齢の使用によって生 じる料率の格差 を
37 5%以下に制限 している。ま
た、ウェルネス活動による料率の割引率 を2 0%以内に制限 している0
料率の変更 (引き上げ)に対す る制限については、1995
年モデル法 と同 じであるO注 11) 各州 の料率規制 にお いて、料率の変 更 (引 き上 げ)につ いて定めてい ない場合、 この点の叙述 は省略 してい るC
3.純粋地域料率方式
NAI C
モデル法は純粋地域料率方式 について定義 してお らず、 した がって同方式は採用 していない。アメ リカアクチュア リー会 と会計検査院の定義によれば、純粋地域 料率方式は、同 じ医療保険に加入す る小雇用主に対 して、地域 と家族 構成のみを使用 して料率を設定する方式である
1 2)
0しか し、地域 と家族構成以外の危険要因の使用 を認 めていても、年 齢 と性 別 の使 用 に よって生 じる料 率 の格 差 を厳 し く制 限 して い
る場合 には 「ほ とん ど純粋な地域料率方式
( ne a r l ypur eC o mmuni t y
r at i ng)
」とみ なす 論 者 もい る1 3)
ら上記の定義 に したが えば、純粋地域料率方式 を採用 してい る州 はニ ュー ヨー ク州 とバ ーモ ン ト州 であ る (ニ ュー ヨー ク州は
2 0 0 3
年 の同州 保険法、バーモ ン ト州 は2 0 0 4
年 の同州保 険法 ・保険規則 による)0ニ ュー ヨー ク州 は
、1 993
年 に/ト雇 用 主 医療 保 険 の 改革 を実施 し た。 料 率規 制 で は 、それ 以 来 、地域 と家族構成 のみの使用 を認 める 純粋 地 域 料 率方 式 を採 用 して い る。バ ー モ ン ト州 は 、小 団 体保 険 の保 険料 を設 定 す る さい に 「地 域 料率 方 式
( c o mml l m it yra t i ngme t hod) 」
を使 用 しな けれ ば な ら ない。 そ の さい に 、危 険 分類 要 因で あ る 「年 齢」
「性 別」
「地域」
「産 業
」
「医的審 査 ・査 定」
「経 験料 率 方 式」
「階層 料 率 方 式」
「段 階料 率方 式」の使 用 を禁 止 して い る。保 険監 督 官 は、地 域 料 率 方 式 で危 険 分 類 要 因 の使 用 を認 め る場 合 、そ の た め の基 準 と方 法 を 規則 で定 めな けれ ば な らな い。 た だ しそ の場合 、保 険料 は 「地 域 料 率±20%」
以 内 で な けれ ば な らず 、また保 険 監督 官 はい か な る 医的審 査 ・査 定 を も認 め て は な らな い (バーモ ン ト州保 険法第4 0 8 0 a
粂 (h)項 を参照)0規 則 で は 、個 々 の小 団 体 に対 して 、地域 料 率 を上記 の危 険 分類 要 因 (料 率 設 定 方 法 ) に よっ て調 整 す る こ とが で き るが 、保 険 料 は 「地 域 料 率
±2 0%」
以 内 で な けれ ば な らな い (た だ し非 営利 の 保 険 者 は地域 料 率 の調 整 を認 めて られ て い ない )0しか しこ う した規 定 に関 わ らず
、2000
年1
月1
日時 点 で 、保 険 者 は新 契 約 の保 険 料 を地 域 料 率 か ら希 離 させ る こ とは で き な いD また保 険者 は 、以 下 の ス ケ ジ ュール に した が って、2 00 0
年1
月1
日時 点 に お け る保 有 契 約 の保 険 料 の帝 離 を段 階 的 に廃 止 しな け れ ば な らな い (バ ー モ ン ト州 銀 行 ・保 険 ・証 券 ・医療 規 則 9
9‑H
‑2 2 ‑
アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
第B粂 8項 を参 照 )。
・契約応 当 日が2000年
1
月1日か ら 20 00
年1 2
月31日までのすべての更 新契約 :15%までの帝離
・契約応 当 日が20
01
年1
月1日か ら 2001
年1 2
月31日までのすべての更 新契約 :1 0
%までの帝離・契約応 当 日が2002年
1
月1日か ら 2002
年1 2
月31日までのすべての更 新 契約 :5
%までの帝離・契約応 当 日が2003年
1
月1日以後 のすべ ての更新契約 :帝離な し
バ ーモ ン ト州 は、1992年 に小 雇 用 主 医療保 険 の 改革 を実 施 したo 料 率 規 制 で は、料 率 の格 差 を 当初 「地 域 料 率
±40% 」
に制 限 した が、 1 994
年 に 「地 域 料 率±200 / .」
に変 更 した1 4)
。 そ して 、新 契 約 の料率 の格差 を2000
年 に禁止 している。また、更新契約 の料率 の格差 を2000年 か ら段階的 に縮小 し、2003
年 に禁止 してい る。したがって現在 、保 険者 は同 じ医療保険に加入す る小雇用主 に対 し て 「家族構成
」
のみ を使用 して料率を算定 しなけれ ばな らない。家族 構成 とは、① 単身 、②2
人 (大人2
人または大人1
人子供1
人)、③家 族である。 その他 の分類 は、保険監督官 が認可 した場合、届 出 ・使用 す るこ とがで きる (バ ー モ ン ト州 銀 行 ・保 険 ・証 券 ・医療 規則 99‑ 班
第B
条3
項 を参 照 )0注
1 2 )
中浜( 2 0 04 )
を参照。1 3 ) Hal l( 2 0 0 0 / 2 0 01 ) , p. 37 7 .
なお、Ha l
lは7
州が 「純粋地域料率方式」ま た は 「ほ とん ど純粋 な地 域 料 率 方 式 」 を採 用 して い る と して い る
( Hal l , 2 0 0 0, p. 1 8 4)
01 4 ) Hal
l( 1 9 9 8 ) , p. 9.
なお、中浜( 2 0 0 4 )
の第2
章で叙述 した よ うに、 コスル保険監督官 ( バーモン ト州)は1 995 年 3 月開催の NAI C 執行委員会 で 「 バーモ ン ト州 は 80% の料率格差 を認 めてお り」 と発言 しているが、
「 80% の料率格差」 とは 「 地域料率 ±40% 」の ことを指 しているo Lか し厳密 に言 えば 、1 995 年 3 月時点では 「 地域料率 ±20 %」に変更 してい
る。他方、フィックス氏 ( ニューメキシコ
州)は 「 ニューメキシコ州議会 は、調整地域料率方式を採用 し.性別 に基づ く料率の格差を制限す る州 規制‑の変更を最近、採択 した」 と発言 してい る。
ニューメキシ コ州 は1 991 年 に小雇用主医療保険の改革を実施 し、料率 規制 として料率幅方式 を採用 したが、年齢 ・性別 ・地域 ・喫煙習慣のみ を使用 して料率 を算 定す る調整地域料率方 式 を1 9 95 年 1 月 に採用 して いる。 しか し、調整地域料率方式は 「 新契約」の 「 加入者が負担す る保 険料」に対 してのみ適用 されている ( 雇用主が支払 う保険料に対 しては
「 健康状態」 と 「 職業または産業」を使用 して算定す ることを認めてい る) 。ニューメキシコ州保険法第 5 9 A 章第 2 3 C 節第5.1 条を参照。
4.
危険要因と料率格差表
1
は、199 0
年代後半 において 「年齢」と 「健康状態」
の使用 に よ って生 じる料率の格差 を制限 している州数 を示 した ものである。まず年齢 について は、次章第 2節で叙述す るよ うに、2003年 または
20 04
年 に料率幅方式 と調整地域料率方式 を採用 してい るすべての州 は 年齢 の使 用 を認 めてい る。1 999
年 に年 齢 の使 用 に よって生 じる料 率 の格 差 を制 限 してい るの は16,州であ り、料率 の格差 を 1倍超 2倍未満 に制 限 してい る州 (4州) もあれ ば、5倍 以上6倍未満 に制限 してい る州 (2州) もあ り、格差 の範囲は州 に よって異 なってい る。料率 の格差 を禁止 してい るのは1
州 (ニュー ヨー ク州)のみである。‑24‑
アメ リカにおける州政府の医療保険料率規制
表 I
r年齢 」
と「 健康状態」による料率の格差を制限 している州敢
年齢格差の範囲 ー 9 95
年96
年9 7
年9 8
年99
年禁 止
1
1:
l1 1
ll‑1
. g i 3 3 l I 4 4 4
20〜2 . 9 1 3 3 5 5 〇
30. ‑3 . 9.1 3 3 1 1 1 4 .0‑4 . 9 1 ー 2 2 3 3 5 . 0‑5. 9 1 1 1 2 2 2
60‑6 . 9 1 0 0 0 0 0
未制定
3 8 35 3 5 3 4 3 4
合 計5 0 ・ 50 50 5 0 5 0
健康状態
格差の範囲 1 9 95
年96
年97
年9 8
年9 9
年 禁 止9 ll ! 1 2 1 4 1 3 1 ,1 ‑19 1 23 22 22 1 9 21
20 ‑29 1 8 9 9 9 8
3 . 0 ‑39.1 0 0 0 0 a
40‑4. 9 1 0 0 0 0 0
5 1 3 3 3 3 3
未制定
7 5 5 5 5
合 計
5 0 5 0 5 0 50 5 0
(出典)Chol l e t , E i r ka n dSl mOn( 2 0 00)
下記の健康状態の場合 とは尭なって、多 くの州