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コノスコープ面レーザー走査型照明装置の開発と応用

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Academic year: 2021

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コノスコープ面レーザー走査型照明装置 の開発と応用

研究代表者 上村 慎治 研究員

理工学研究所 共同研究第2類

研究の目的

光吸収の少ない生体試料の観察には、一般に、位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡などの、試料と媒質の間の屈折率の違 いを使った手法が用いられる。このような顕微鏡では、コンデンサレンズ焦点面(または、対物レンズ焦点面)に共役 な位置(コノスコープ面)での環状照明法が使われている。本研究では、レーザー光を照明光源とすることにより、高 い輝度での照明を実現すること、および、環状照明法による高い分解能での生体観察、この両者を可能にする方法とし て、走査型の環状照明装置を試作・実用化することを目的にしている。

結果と考察

①新照明方法の開発

図1.従来型のケーラー照明法 図2・レーザー光を光源とする場合 図3.走査照明型

図1~3には、照明方法の模式図を示す。一般に用いられているケーラー照明法は、照明ムラのない優れた方法であ るが、試料面で照明光が平行光となり、高い輝度での照明は難しい。環状照明は、コンデンサの開口面に環状に光を集 めて照明する方法であるが、位相差顕微鏡法により生体試料を観察する方法として使われる他、暗視野照明法としての 応用や分解能の改善に有効であるとの報告がある(Vainrub et al., Opt. Let., 31:2855-2857,2006)。しかし、環状照 明法では、コンデンサ絞り面を通過する光のロスが大きいために、光源の明るさの問題が生じる。単波長のレーザー光 源は、高い集光特性を有し、コンデンサレンズに平行に導入することで、試料面で効率よく集光させ、高い輝度の照明 が可能となる。しかし、レーザー光の高い干渉性のための別の問題が生じる。照明光が、互いに干渉し合うために、図 2のような照明方法は通常は実現できない。もし、試みたとしても、スペックルノイズと呼ばれる多重の干渉縞が発生 するために、観察像と背景ノイズとの区別ができなくなり、実用的ではない。そこで、図3のように、コンデンサの絞 り全面を使用するのではなく、常に部分的な照明を行い、環状に照明角度(照明地点)を走査することで、干渉縞の発 生を抑える方法を採用する。現在、モーター走査型と圧電素子走査型の2種類の方法を試みている。

②高分解能暗視野照明への応用

図4.大開口数の環状照明法による高分解能観察像 および、そのフーリエ変換像(数値の単位はµm)

コノスコープ面レーザー走査型照明装置 の開発と応用

研究代表者 上村 慎治 研究員

0.555 0.278 0.185 0.139 0.111 0.0925

上記の走査型環状照明方法は、走査開口径を変えることで様々な

種類の光学系、様々な倍率の位相差顕微鏡との組み合わせが可能 となる。また、通常、照明輝度が暗い問題点のある暗視野照明法 への応用も試みる予定である。ここでは、暗視野照明法の改良と、

高分解能の観察像を試みた結果を示す。図4は、開口数1.49の対 物レンズを用い(Olympus, UAPON 100xOTIRF)と油浸コンデンサ を組み合わせて、ケイ藻細胞のプレパラートを観察したものであ る。NA1.4の開口角で照明することにより、明視野照明法と同じ 照明効果となっているが、約140nmの分解能が得られていること が、右側FFT解析からわかる。これは、アッベやレーリーの定義 する分解能(~166nm)、さらに、ホプキンスが光学伝達関数か ら予測した分解能(~152nm)より高い分解能であり、環状照明 法が分解能の向上につながることを示唆したVainrubらの実験を 裏付けている。今後、生体試料への応用を試みる予定である。

Pleurosigma angulatum S Con Obj

F B

Con:コンデンサレンズ Obj:対物レンズ

F:コンデンサレンズ開口絞り面 S:試料面

B:対物レンズ後焦点面

参照

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