スローラーナーへのジャーナル・ライティング指導とその効果
-場所とフィードバックの種類の観点から-
Effects of Journal Writing for Novice Learners of English:
Considering Location and Feedback
馬場 千秋(帝京科学大学)
Chiaki BABA (Teikyo University of Science) 要約: 本研究では,3年間にわたり,英語を不得意とする大学生英語学習者に英語授業でジャー ナル・ライティング活動を行い,ジャーナル・ライティングを行う場所とフィードバックを行う人 物の違いにより,英文の量と質に変化があるかどうかについて検証を行った.場所については,自 宅学習で行う場合と教室での活動として行う場合,フィードバックについては,教員によるフィー ドバックのみと教員・クラスメートの双方によるフィードバックという2つのパターンで,それぞ れを組み合わせて行った.また,アンケート調査を通じて,場所とフィードバックの好みの傾向に ついても検証を行った.その結果,英文量,質ともに,教室で行うほうが教員によるアドバイスを 直接もらえることや,ジャーナルを書くための決まった時間を与えられることもあり,上昇する傾 向がみられる.また,被験者となった学習者の多くは,自宅学習習慣がないため,自宅でジャーナ ルを書くよりも,教室で書くことを好む傾向にあることが明らかとなった.さらに,フィードバッ クについては,ピアフィードバックを楽しいと感じる学習者もいる一方で,教員によるフィード バックのみを好む学習者も多く存在することが明らかとなった.
Ⅰ.はじめに
近年,大学での入試の多様化やゆとり教育の影 響により,大学生の学力低下が問題となっている.
英語においても同様で,大学入試を面接や小論文,
高校からの推薦等で突破し,英語試験を受けずに 大学に入学する大学生も多い.中には高校入学の 際も英語試験を受けずに入学していたという大学 生も存在する.そのため,英語への苦手意識を 持ったまま,勉強もせず,授業の内容もわからな いままに,大学まで進学してしまい,中には中学 校レベルの英語知識も持ち合わせていない大学生 も少なからずいるのが現状である.
このような状況下で,大学で英語授業を展開す るには,授業で行う言語活動に工夫をし,少しで も英語に対する苦手意識を払拭するよう働きかけ る必要がある.
その方策の1つにライティング指導が挙げられ る.ライティングは,英語の四技能の中では,最 も難しく,また,音声による言語活動を中心に行っ た場合,「聞く→話す→読む→書く」というステッ プを踏むので,時間がないと授業内でも扱われな いことが多々ある.したがって,大学生に英語で
のライティング経験を尋ねると,非常に浅く,中 にはほとんど経験のない大学生も複数みられる.
英語のみならず,日本語での作文の経験も少ない 傾向がある.しかし,ライティング活動を行うこ とにより,自ら表現したいことを考え,言葉にす るという経験を積むことができるだけでなく,
フィードバックを通じて,読み手と書き手の人間 関係を構築することもできる.そこで,本研究で は,授業において英語のライティング活動として ジャーナル・ライティングを行い,効果を検証す ることとした.
Ⅱ.先行研究
日本人英語学習者を対象にした英語ライティン
グ指導で,内容に関するフィードバックと文法に
関するフィードバックのどちらを与えれば指導効
果が出るかという研究として,Oi, et al (2000)や
Duppenthaler (2004) が挙げられる.いずれも,内
容に関するフィードバックを与えるほうが,文法
に関するフィードバックを与えるよりも効果があ
ることが実証されている.また,馬場(2002)で
も同様の検証を行ったが,内容に関するフィード
バックを与えたほうが文法に関するフィードバッ クを与えるよりも伸び伸びと書くことができるよ うになることが明らかとなっている.これらの研 究の裏付けとなるが,Truscott(1996, 1999)も文 法に関するエラー訂正は効果がないと指摘してい る.
では,本当に学習者にとって,文法に関するエ ラー訂正は不必要なのであろうか.上述の馬場
(2002)で行ったアンケート調査では,学習者は,
教員から内容に関するフィードバックと文法に関 するフィードバックの双方を求める傾向にある.
Lee (2008)も,英語力の低いグループほど,内 容,構成,文法のコメントを望む傾向であること を指摘している.教員による明示的なフィード バックが適切な修正につながることや推敲活動が 活発化することを示唆する研究もある(隅田
(2005),青木(2006),Bitcher & Ferris (2012)).
つまり,フィードバックはコミュニカティブな文 章を書くための支援であるだけでなく,教師と学 習者の人間関係が構築されるツールと言える
(Hyland & Hyland, 2006).
英語を不得意とする「スローラーナー」のライ ティング指導に目を向けてみると,半期の間,文 法に関するフィードバックを与えた効果検証を 行った馬場(2009)があるが,流暢さ,正確さと もに有意な差は見られなかった.さらに,馬場
(2010b,2011)は,TOEIC Bridgeスコア130以下 の学習者はトピックによって,書く英文の質,量 ともに変化すること,Baba(2015)では TOEIC Bridge130以上が独立した書き手として既存の評 価基準を使えるレベルであることを明らかにして いる.これらの結果より,TOEIC Bridgeスコア が130に満たないスローラーナーに英文を書かせる 指導を行う際,できるだけ学習者が書きやすいト ピックから導入することが望まれる.そこで,学 習者が自分のことを自由に書くことができる
「ジャーナル・ライティング」を授業で導入するこ との必要性に辿り着いた.
ジャーナル・ライティング(以下,JW)に関す る 研 究 は, 授 業 内 に ジ ャ ー ナ ル を 書 か せ た Casanave (1994),佐藤(2012)や, 授業外で書か せたDuppenthaler(2004), Yoshihara (2008) な どがある.これらの先行研究では,語数を指標の 1つとしており,JW を通じて,語数が伸びるこ と が 報 告 さ れ て い る. ま た, Duppenthaler
(2002), Yoshihara (2008)は,質問紙調査の結果
から,学習者がJWに対し,好意的な反応を示し ていることを報告している.また,Dennie-Bolton
(2013)は,JWを「学習者と教員間の書くことに よるコミュニケーション」が行われる場であり,
学習者と教員間の人間関係を構築することが出来 ると示唆している.
先行研究を概観すると,ジャーナルを書かせる 場所が教室の場合と教室外の場合があるが,どち らが効果的なのかはまだ実証されていない.また,
ジャーナルの読み手も,教員だけが対象となって いるが,教員と学習者の双方が読み手になった場 合では,書き手となる学習者の意識や書く内容も 異なってくると考えられる.そこで,本研究では,
次のパターンを設定することとした.
① JWを宿題として課し,教師がコメントを書く 場合
② JWを授業中に行い,教師がコメントを書く場 合
③ JWを宿題として課し,他の学習者と教師がコ メントを書く場合
④ JWを授業中に行い,他の学習者と教師がコメ ントを書く場合
なお,読み手を学習者同士というパターンも考え られるが,本研究はスローラーナーを対象として おり,独立した書き手になる前の状況であること から,教員の指導が不可欠となる.従って,今回 は,教員が必ず介入するパターンでの調査を行う こととした.
Ⅲ.研究方法
1.リサーチ・クエスチョン
本研究のリサーチ・クエスチョンは,
(1)スローラーナーの英語力を高めるためには,
学習者が書いたジャーナルに対して,教師に よるフィードバックだけを与えるのと,教師 によるフィードバックとクラスメートによる フィードバックの両方を与えるのとどちらが よいか.
(2)スローラーナーの英語ライティングにおける 正確さと流暢さを高めるためには,教室でジ JWの活動を行うのと自宅での家庭学習とし て行うのとではどちらがよいか.
という2点である.
2.被験者
東京都内の大学生英語学習者144名
生命環境学部(生命科学,自然環境,アニマル
サイエンス,各学科)およびこども学部(児童教 育学科,幼児保育学科,学校教育学科)に所属す る学生である.詳細は,2014年度が生命環境学部 25名,こども学部 23名,計48名,2015年度が生 命環境学部30名,こども学部21名,計51名,2016 年度が生命環境学部 31名,こども学部14名,計 45名である.
被験者のTOEIC Bridgeスコア平均は87.87点で 最高が138点,最低が50点である.
3.研究の手順
(1)被験者である大学生英語学習者(以下,学習 者)は,前期第1回目の授業時に TOEIC Bridge模擬試験を受ける.
(2)学習者は自宅で宿題として,週1回,ジャー ナルを書く.2014年度授業を受講した学習者 はそのまま提出するが,2015年度授業を受講 した学習者は授業内に行われるピアフィード バック(クラスメートによるコメント)をも ら っ た 後 に 提 出 す る.2015年 度 受 講 者 は ジャーナルのテーマが与えられている.また,
2016年度授業を受講した学習者は,教室で授 業内の活動として,ジャーナルを週1回書く.
その際,テーマと見本が提示されている.
ジャーナルを書く場所とフィードバックタイ プのパターンは表1の通りである.
(3)学習者は前期授業最終日にTOEIC Bridge模 擬試験を受ける.さらに,JW に関するアン ケートに回答する.
(4)学習者は,後期第1回目の授業時にTOEIC Bridge模擬試験を受ける.
フィードバックタイプのパターンについては,
前述の表1を参照されたい。
(6)学習者は後期授業最終日にTOEIC Bridge模 擬試験を受ける.さらに,JW に関するアン ケートに回答する.
(7)データ収集後,TOEIC Bridgeのスコアを t 検定,二元配置の分散分析にかけ,英語力の 変化を見る.
(8)最初と最後に書かれたジャーナルの語数,
T-unit数
1),T-unitごとの平均語数を調査し,
二元配置の分散分析をかけ,ジャーナルの流 暢さを見る.
(9)文法のエラー数とエラータイプについて調査 を行い,エラー数について,二元配置の分散 分析をかけ,AntConcを用いて,エラーのタ イプを分析し,ジャーナルの正確さを見る.
Ⅳ.研究結果 1.英語力の変化
TOEIC Bridgeの結果による英語力の変化は図 1と表2の通りである.
入学年度(対応なし:2014,2015,2016)×英語力
(対応あり:前期 Pre-test,Post-test,後期 Pre-
表1 ジャーナルのパターン
P ジャーナルを書く場所 フィードバックタイプ 2014年度前期 ① 自宅(宿題として) 教員のみ 2014年度後期 ② 教室(授業中の活動) 教員のみ 2015年度前期 ③ 自宅(宿題として) 教員とクラスメート 2015年度後期 ④ 教室(授業中の活動) 教員とクラスメート 2016年度前期 ② 教室(授業中の活動) 教員のみ 2016年度後期 ④ 教室(授業中の活動) 教員とクラスメート
(5)後期は授業中の活動として,教室にて10分程 度でジャーナルを書く.2014年度授業受講者 はそのまま提出するが,2015年度,2016年度 授業受講者は,ピア・フィードバック(クラ スメートによるフィードバック)の後に提出 する.また,2014年度,2015年度受講者は テーマが,2016年度受講者はテーマと見本が 提示されている.ジャーナルを書く場所と
表2 英語力の変化
Source SS df MS F p ηp2 η2
<Between Subjects>
入学年度 29115.249 2 14557.624 24.093 .000 .255 .29
Error 85195.189 141 604.221
<Within Subjects>
英語力 2046.186 2.966 689.878 4.552 .004 .031 .02 英語力×
入学年度
6365.438 5.932 1073.063 7.080 .000 .091 .06
Error (英語力)
63382.763 418.208 151.558
All 186104.800 777.898
図1 英語力の変化
N = 144
Pre-test (S) Post-test (S) Pre-test (F) Post-test (F)
2014 102.62 102.50 98.92 92.50
2015 86.86 84.31 78.43 83.53
2016 88.18 84.44 78.44 89.33
0.00 20.00 40.00 60.00 80.00 100.00 120.00
TOEIC Bridge
English Proficiency
Pはパターンの略
test,Post-test)の二元配置の分散分析を行った 結果,入学年度および英語力の主効果(入学年度:
F (2, 141) = 24.093, p <.001, η2=.29, 効果量大;
英語力: F (2, 141) = 4.552, p =.004, η2=.02, 効 果量小; 入学年度×英語力: F (2, 141) = 7.080, p
<.001, η2=.06, 効果量大) で入学年度と英語力 が統計的に有意であった.多重比較の結果,2014 年度授業を受講した学習者とそれ以外の学習者に 差が見られた.
2.ジャーナルの流暢さ a.総語数
次に,ジャーナルの総語数を図2と表3より見 てみたい.
入学年度(対応なし:2014,2015,2016)×総語 数(対応あり:前期Pre-test,Post-test,後期Pre- test,Post-test)の二元配置の分散分析を行った 結果,入学年度および総語数の主効果(入学年度:
F (2, 141) = 3.764, p =.026, η2=.06, 効果量中;
総語数: F (2, 141) = 29.089, p <.001, η2=.14, 効果量大; 入学年度×英語力: F (2, 141) = 12.512, p <.001, η2=.12, 効果量中) で総語数と入学年
度×総語数が統計的に有意であった.多重比較の 結果,2015年度受講者と2016年度受講者に差が見 図2.総語数
Pre-test (S) Post-test (S) Pre-test (F) Post-test (F)
2014 19.42 19.59 23.69 21.98
2015 21.82 17.43 15.25 26.54
2016 19.67 25.22 21.5 32.7
0.00 5.00 10.00 15.00 20.00 25.00 30.00 35.00
Word Count
Word Count
N = 144
表3 総語数
Source SS df MS F p ηp2 η2
<Between Subjects>
入学年度 2124.983 2 1062.492 3.764 .026 .051 .06
Error 39805.073 141 282.305
<Within Subjects>
総語数 4812.873 2.824 1703.996 29.089 .000 .171 .14 総語数×
入学年度
4140.148 5.649 732.909 12.512 .000 .151 .12 Error
(総語数)
23328.810 398.2498 58.578
All 74211.887 549.7228
られた.
b.T-unit数
次に,T-unit数で文の複雑さを検討した結果を 図3と表4で示す.
入学年度(対応なし:2014,2015,2016)×T-unit 数(対応あり:前期Pre-test,Post-test,後期Pre-
図3.T-unit数
N = 144
Pre-test (S) Post-test (S) Pre-test (F) Post-test (F)
2014 3.35 3.35 3.77 3.6
2015 4.16 2.45 2.27 4.9
2016 4.04 3.27 3.18 3.6
0 1 2 3 4 5 6
T-unit
The Number of T-unit
表4 T-unit数
Source SS df MS F p ηp2 η2
<Between Subjects>
入学年度 .750 2 .375 .065 .937 .001 .00
Error 815.985 141 5.787
<Within Subjects>
T-unit数 117.506 2.857 41.125 29.478 .000 .173 .14 T-unit数×
入学年度
154.129 5.715 26.971 19.333 .000 .215 .19
Error (T-unit数)
562.060 402.878 1.395
All 1650.430 554.450
test,Post-test)の二元配置の分散分析を行った 結果,入学年度およびT-unit数の主効果(入学年 度: F (2, 141) = .375, p =.937, η2=.00, 効果量 なし; T-unit数: F (2, 141) = 29.478, p <.001, η 2= .14, 効果量大 ; 入学年度× T-unit 数: F (2, 141) = 19.333, p <.001, η2= .19, 効果量大) で T-unit数と入学年度×T-unit数が統計的に有意で あった.多重比較の結果,2015年度受講者と他の 受講者に差が見られた.
c. T-unitごとの語数
文の複雑さを見るために,T-unitごとの語数を
調査した結果は図4と表5の通りである.
入学年度(対応なし:2014,2015,2016)×エラー 数(対応あり:前期Pre-test,Post-test,後期Pre- test,Post-test)の二元配置の分散分析を行った 結果,入学年度およびエラー数の主効果(入学年 度: F (2, 141) = 6.700, p =.002, η2=.06, 効果量 中; エラー数: F (2, 141) = 11.529, p <.001, η2
=.07, 効果量小; 入学年度×エラー数: F (2, 141)
= 3.253, p =.004, η2=.04, 効果量小) でエラー数 のみが統計的に有意であった.多重比較の結果,
見本を提示している2016年度受講者のエラーの減 少率が高いため,他の年度の受講者との間に差が 見られた.
b.エラーのタイプ
次に,学習者のジャーナルに見られるエラーの タイプについて調査した文型と品詞による傾向は 図6および7の通りである.
図4 T-unitごとの語数
N = 144
Pre-test (S) Post-test (S) Pre-test (F) Post-test (F)
2014 5.68 5.51 6.41 6.6
2015 5.22 7.28 7.06 5.36
2016 4.72 8.05 7.26 9.23
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
語数
The Number of Words per T-unit
表5 T-unitごとの語数
Source SS df MS F p ηp2 η2
<Between Subjects>
入学年度 173.461 2 86.731 17.242 .000 .197 .08
Error 709.241 141 5.030
<Within Subjects>
Word/T- unit
339.011 2.821 120.192 37.262 .000 .209 .16
Word/T- unit× 入学年度
394.151 5.641 69.871 21.661 .000 .235 .18
Error (Word/T-
unit)
1282.836 397.701 3.226
All 2898.700 549.163
入学年度(対応なし:2014,2015,2016)×T-unit ごとの語数(対応あり:前期Pre-test,Post-test,
後期Pre-test,Post-test)の二元配置の分散分析を 行った結果,入学年度およびT-unitの語数の主効 果(入学年度: F (2, 141) = 17.242, p <.001, η2
=.08, 効果量中; T-unitごとの語数: F (2, 141) = 37.262, p <.001, η2=.16, 効果量大; 入学年度×
T-unitごとの語数: F (2, 141) = 21.661, p <.001, η2=.18, 効果量大) でそれぞれ統計的に有意で あった.多重比較の結果,見本を提示している 2016年度受講者と他の年度の受講者との間に差が 見られた.
3.ジャーナルの正確さ a.エラー数
エラー数については,図5および表6の通りで ある.
図5 エラー数
N = 144
Pre-test (S) Post-test (S) Pre-test (F) Post-test (F)
2014 2.1 2.81 3.04 2.6
2015 1.65 1.75 2.29 1.8
2016 1.89 2.64 2.64 1.18
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5
Errors
The Number of Errors
表6 エラー数
Source SS df MS F p ηp2 η2
<Between Subjects>
入学年度 61.364 2 30.682 6.700 .002 .087 .06
Error 645.717 141 4.580
<Within Subjects>
エラー数 67.301 2.918 23.061 11.529 .000 .076 .07 エラー数×
入学年度
37.975 5.837 6.506 3.253 .004 .044 .04
Error (エラー数)
823.076 411.498 2.000
All 1635.433 563.253
SVCやSVOなど基本的な文型を多用していること がわかる.
品詞については,過去形や冠詞,名詞,前置詞な どのエラーが多い.具体的な傾向については,考 察のところで述べる.
4. アンケート結果
アンケートはリッカートスケールで4段階(4:
かなりそう思う,3:そう思う,2:あまりそう 思わない,1:そう思わない)で回答をしてもらっ た.英語を書くことそのものについての問いもあ るが,本稿では,ジャーナルを書く場所とフィー ドバックのみに限定して,結果を報告する.
a. ジャーナルを書く場所
ジャーナルを書くのを自宅での宿題と教室では どちらがよいのかを調査した(図8および表7参 照).宿題にすべきかどうかの回答結果を対応なし の一元配置分散分析を行い,各学期の回答に差が あ る か を 確 認 し た. 結 果 は F (5, 324) =6.623, p <.001, η2=.01で有意ではあったが,効果量は小
さかった.Bonferronniを用いて多重比較を行った ところ,2014年度と2015年度の前期と2016年度前 期,後期の間に有意差が認められた.これは,2014 年度と2015年度の前期に宿題としてジャーナルを 課したが,2016年度は宿題として課さなかったこ とに起因していると言える.
一方,授業中にジャーナルを書きたいかどうか の調査結果は,図9と表8の通りである.対応な しの一元配置分散分析を行い,各学期の回答に差 があるかを確認した.結果は F (5, 324) =15.461 p =<.001, η2=.19で有意であり,効果量も大きかっ
た.Bonferronni を用いて多重比較を行ったとこ ろ,2014,2015年度の前期とそれ以外の期の間に有 意差が認められた.これは,宿題としてジャーナ ルを課した2014,2015年度の前期と,教室で授業中 の活動として行った期の間で差が生じており,全 体として,学習者は宿題としてではなく,授業中 の活動としてジャーナルを書くことを好む傾向が あると言える.
図6.エラーのタイプ(文型)
SV SVC SVO SVOO SVOC SVA SVCA SVOA
2014 Spring Pre 6 9 20 0 1 9 0 0
2014 Spring Post 11 21 20 0 0 8 1 4
2014 Fall Pre 3 9 28 0 1 26 0 2
2014 Fall Post 3 22 33 0 1 20 1 3
2015 Spring Pre 0 24 28 0 1 8 5 0
2015 Spring Post 1 0 28 0 0 12 1 4
2015 Fall Pre 2 5 23 0 0 23 2 5
2015 Fall Post 0 0 65 0 1 0 0 5
2016 Spring Pre 0 14 14 0 0 9 0 1
2016 Spring Post 1 5 28 0 0 22 0 1
2016 Fall Pre 2 7 16 0 0 25 3 6
2016 Fall Post 0 2 6 0 0 7 0 2
0 10 20 30 40 50 60 70
Numbers
The Types of Errors (Sentence Pattern)
Future Present Past Perfect Progressive Passive Article Adverb Adjective Noun Preposit ion Conjunc
tion Pronoun
2014 Spring Pre 0 0 8 1 0 2 2 0 0 0 0 0 0
2014 Spring Post 0 1 24 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2014 Fall Pre 1 0 44 0 0 1 18 1 0 0 0 1 6
2014 Fall Post 3 2 19 0 0 1 8 2 1 0 3 0 2
2015 Spring Pre 0 0 0 2 1 0 7 3 0 0 3 4 4
2015 Spring Post 1 1 0 0 0 0 10 2 1 5 5 4 10
2015 Fall Pre 0 0 30 0 0 0 9 2 0 1 1 3 6
2015 Fall Post 0 0 0 0 0 0 10 1 0 9 0 0 0
2016 Spring Pre 0 5 0 0 0 1 6 0 3 23 1 1 5
2016 Spring Post 0 1 0 0 0 0 12 1 1 18 14 2 10
2016 Fall Pre 1 0 14 1 0 0 6 3 0 7 22 0 5
2016 Fall Post 0 0 6 0 0 0 4 7 0 4 6 1 5
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
Numbers
The Types of Errors (Tense, Aspect, and the Parts of speech)