生動物の死亡と海上保険
その他のタイトル Death of Live Stock and Marine Insurance
著者 亀井 利明
雑誌名 關西大學商學論集
巻 4
号 1
ページ 19‑35
発行年 1959‑04‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00021773
生動物の死亡と海上保険
︵亀 井︶
れ ︑ Ga ba y
v•Lloyd
(1 82 5)
事件の保険証券においては︑
(1 82 1)
寧F
件の
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険蔀
咄券
にお
いて
は︑
1 0 頭 のラ バ︑
一九
添付の明細書の通りの貨物が保険につけられ︑その明
10
頭の ロバ およ び一
︱1 0
頭の牡牛の保険であることが明記さ 貨物保険証券で担保する場合には︑特別にそれを明示しなければならない︒
例え
ば︑
La wr en ce v . A b e r d e i n
することを要し︑貨物なる一般的名称をもって保険することはできない﹂と規定している︒従って︑生動物を一般 英国海上保険法第一附則第十七条は︑ 必要とすることなどが伝統的な慣行となっているのである︒
生 動 物 の 死 亡 と 海 上 保 険
生きている動物の海上連送の危険を担保する保険はいうまでもなく貨物海上保険の領域に属する︒
ら︑海上運送の客体たる生動物は一般の貨物とは性格において全く異なるので︑伝統的に特別の取扱いがなされて
いる︒すなわち︑生動物は商品なる一般的名称に含まれないこと︑ならびにそれを付保する場合には特別の表示を
﹁反対の慣習がある場合を除き︑甲板積の貨物および生動物は特別に保険
亀 井
利
しかしなが
明
生動物の死亡と海上保険② 細書において貨物が馬であることを付記し︑特に個別的評価がなされていた︒
しからば何故に生動物を特別に付保しなければならないのであるか︒結論的にいえば︑それは通常の危険ではな
いからである︒若し保険者が通常の危険にあらざる危険を引受ける場合には︑必ず保険の目的の特殊の性質を告知③ せしめる必要がある︒換言すれば︑生動物の如き易損性物品の危険は︑保険引受の際保険者によって予め予期され山ていないのであるから︑それを付保する場合には特別に明記しなければならないのである︒
生動物の海上運送に伴う危険はその性質および気性
( n a t u r e an d t e m p e r a m e n t ) 1 1 .
大きく依存していると共固に︑海上運送中の生活環境による影響を受ける︒すなわち︑動物を船舶によって海上運送する場合には気候や生活
条件が全く変り︑これに対する順応性如何によってしばしば斃死する︒また︑海上運送中に専門の飼育係が付添っ
ているか否か︑或いは人の注意力如何も危険に影響を与えるものである︒さて︑生動物が航海の影響を受けて斃死
する場合には二通りのものがある︒すなわち︑その一ほ船積のとき健康な状態にあったが︑航海という生活環境の
変化のために罹病して死亡する場合であり︑その二は船積前に既に罹病しており︑航海の影響を受けてそれが悪化
したため死亡するという場合である︒また︑船積前であると船積後であるとを問わず航海とは何等の関係なく罹病
し︑かつ航海の影響とは無関係に死亡することもある︒これらの死亡は何れも生動物の性質に基因するものであっ
て︑等しく自然的原因
( n a t u r a l c a u s e s )
による死亡であるとされている︒
これに反して︑生動物の死亡が自然的原因とは無関係に﹁海の危険﹂から生ずることもある︒このことは坐礁︑
沈没︑火災および衝突などの海上危険によって生動物が如何なる損害を受けるかを考えれば自ら明らかであろう︒
生動物の死亡という損害は従って自然的原因から生ずる場合と海上危険によって生ずる場合とがあるわけであっ
︵亀 井︶
二0
生動物が付保された場合︑保険者は被保険危険の直接的結果としての死亡の損害を填補するが︑自然的原因によ る死亡の損害を填補しない︒このことは現在では明白な原則となっているが︑古い時代においては必ずしもそうで はなかった︒当時においては奴隷や生動物を保険する場合︑しばしば死亡および投荷不担保 an
d jettison)
の特約が採用された︒しかして︑死亡
(m
or
ta
li
ty
) が何を意味するか明らかでほなかったが︑以下 に述べる判例を通じてこの語の意義が確定すると共に保険者の責任が明確になった︒
(6) (5) (4) (3) (2)
註山 て︑当然のことながら保険者の責任に相違がある︒このことは古い時代の奴隷の保険に関する判例を通じて明らか
⑥ にされてきた︒
一五
1一六年のフローレソスの法令ならびに一五五六年のセビリアの法令は奴隷や生動物の特別の取扱いを規定していた︒そ
の詳細についてほ︑
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n Seeversicherungsrechts.
S .
1 9 2 . u . 2 89 . 4 j i ¥ 照 ︒ Arno
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4 1
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ed . s . 2 27 .
葛城博士訳︵二︶一九頁︒
Ch
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a M r. In s . Act,
1 9 0 6 .
5t
h e d . p .1 5 7 .
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d e d . p . p . 156 7
.
I b i d
. ,
p.252.
なお、ウインクーの説明によれば、羊は牛よりも肺炎
(pneumonia)
にかかり易く、この茄~気は巡送中にしば しば死亡の原因となるとのことである︒また馬は牛よりも一層柑が強い︵
h ig h ' sp i r it e d ) ものであるから︑暴風雨になると しばしば鷲愕し︑彼等自身に或いは他の動物に偽をつけるが︑ラバは気性において惑受性がにぶく︑病気にもかかりにくい ので︑この極めて危険な保険の目的の中では比較的安全なものといえるとのことである︒
奴隷制度が存在した時代においては︑一般に奴隷は法律上単なる家畜として取扱われていた
(A
rn
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ld
,
9t
h
e d. s . 7 81 , p . 9 7
5 . )
︒
生動物の死亡と海上保険
︵亀 井︶
(F re e o f m or ta li ty
であり︑市場の喪失
( l o s
s o f
th
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ar
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t)
さて︑保険者は被保険危険の直接的結果たる損害を填補することはいうまでもないところであって︑日および口
の損害は正しく被保険危険たる暴動の直接的結果であるから保険者に責任があることは当然である︒
て︑国の損害は被保険危険の直接的結果ではなくて間接的結果である︒そこで︑保険者の填補する損害は﹁被保険② 危険の直接的結果であって間接的結果であってはならない﹂とする原則からして︑保険者はかかる損害に対して責
任を負わないのである︒このような奴隷の死亡損害の原因は暴動ではなく︑自殺である︒しかも奴隷の自殺は保険
英国にも導入されており︑ の目的の固有の瑕疵又は性質による損害であると考える仏法や仏法律学者
( V a l
i n ,
P o t h
i e r ,
Em
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ig
on
)
の見解が③ かかる損害は一般に無責であるとされている︒国の損害は市場喪失による損害であっ
て︑間接的損害たる性格を持つ故︑保険の目的の性質又は瑕疵と共に保険者は免責される︒
同 国 口
日
生動物の死亡と海上保険
一七八五年の
Jo
ne
s v .
Sc
hm
ol
l 事件においてば︑暴動の危険を含む海上保険証券で奴隷が保険につけられた︒
航海中暴動が発生し︑その際にある奴隷は射殺され︑ある奴隷はそのときの負傷から死亡し︑またある奴隷は前途
を悲観して断食や首吊りによって自殺した︒そのため生残者の販売が害され︑その価額が暴動発生の事情によって
著しく低下した︒本件に関して︑
Lo
rd
Ma
n s
f i
e l
d
は次の如き結論を下した︒
暴動の際に殺されたか或いはそのとき受けた負傷が原因で死亡した奴隷の損害ほ填補される︒
他の原因を伴ったとはいえ暴動の際に受けた負傷によって死亡した奴隷の損害ほ填補される︒
暴動の失敗のため前途を悲観して自殺した奴隷の損害についてほ保険者に責任がない︒
暴動のため生き残った奴隷の販売が予定通りいかなかった損害は暴動の間接的結果
( r
e m
o t
e c o
n s
e q
u e
n c
e )
︵亀 井︶
によるものであるから保険者に責任がないと︒
これに対し
所はかかる損害は海固有の危険によるものではないと判決した︒
延︑水不足︑投荷の何れであるかについて問題の存するところであるが︑少なくとも海固有の危険ではない︒
本件は投荷不担保の契約であったから︑時間的に最も近接した原因たる奴隷の船外投棄︵投荷︶によっては損害
填補の請求ができないから︑海固有の危険による損害であるとして填補の請求を行ったのであろう︒6 これに類似した事件は一七九六年の
Ta th am
v•Hodgson事件であな。本件によれば悪天によって異常なしか
生動物の死亡と海上保険
︵亀 井︶
亡がたとえ悪天による航海の遅延から生じたものであっても︑海固有の危険による損害ではなく︑
この
場合
︑
食料の不足による死
それは自然死 も不可避的な航海の遅延から食料が不足したために︑積荷たる奴隷が死亡した︒
この
場合
︑
損害の原因が船長の過失︑航海の遅 舶が
Gu in ea から Ja ma ic a
へ航行しようとしていたのであるが︑船長が航路を誤り︑その島へ到着することがで
きなかった︒そのため航海が著しく遅延し︑水不足の大危機にさらされた︒船長は船員と相談して︑奴隷のある者
を保存するためにある者を船外に投棄した︒この損害が海固有の危険によるものであるかどうかが争われた︒裁判
次に
︑
って
︑ 次に︑本件の判決の下で明らかにされたことは︑死亡および投荷不担保
( F r e o f e m o r t a l i t y a nd j e t t i s o n )
の
a g a i n s t )
特約における死亡
( m o r t a l i t y )
という語は被保険危険の結果たる死亡
( d e a t h c o n s e q u e n t o n t h e p e r i l s i n s u r e d
④ ではなくて︑自然的原因からの死亡
( d e a t h f ro m n a t u r a l c a u s e s )
を意味するということである︒従
Fr ee of m o r t a l i t y
の特約の下においては︑保険者は自然的原因からの死亡︵斃死︶について責任がない
のであるが︑被保険危険の結果たる死亡︵変死︶については責任がある︒換言すれば︑被保険危険の結果たる死亡
は上記の免責約款が挿入されている場合でも保険者を保護しないのである︒固一七八三年の
Gr eg so nv . G i l b e r t
事件は大体以下の如きものであった︒すなわち︑奴隷を積載した船
は︑死亡および投荷不担保の条件でラバ︑ロバおよび牡牛が保険された︒これらの動物の大部分が航海の途中にお
いて︑暴風雨による船舶の動揺からひどい傷害を受けそのために航海中死亡してしまった︒本件に関して王座裁判
所の
Lo rd Te nt er de n
ならびに担当裁判官は︑ 奴隷と生動物とは全く同じょうな条件で付保されていた︒
(7) (6) (5) (4) (3) (2)
註山
生動物の死亡と海上保険
(n at ur al de at h)
による損害であると判決された︒しかして︑自然死はいわゆる保険損害ではなくて性質損害であ
るから保険者は無責である︒この事件は後述する一八九五年の
Po me ra ni an
号事件と対照的な事件である︒
以上のような奴隷の保険に関する判例は過去の遺物に過ぎないが︑そこに流れる原則はなお生動物の保険に適用F することができるので︑その限りにおいて無意義ではない︒
以下の記述は︑
Pa
rk
,
8t
h e d . ,
p.
p.
13
12
.;
P h i ll i p s, s . 1 12 9 , p . 6 87 ;
Ar
no
ul
d,
9t h e d . s . 7 81 , p . 9 75 .
; E
ld
ri
dg
e,
r 3 d e d. p .3 15 .等 によ る︒
Pa
rk
, p . 13 1 .
Ar
no
ul
d,
9t h e d .
s . 7 81 , p . 7 4 9 . ;
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li
ps
̀s
.
1 09 2 . p . 6 38 .
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35
.;
C ha lm er , p . 74 ;
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n . 1 . (こ こで はm or ta li ty fr om natur
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us es とい う語 が伸
芦mされている︶
Pa
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, p . 13 8 .
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, p . 14 1 . ;
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no
ul
d,
t 9 h e d . s .
78
︑1
p. 97 6.
;な おP hi ll ip s, s . 1 1 2
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Gr eg so nv .
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寧江行と
取り違えているようである︒
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no
ul
d,
t 9 h e d . s . 7 81 , p . 9 76 .
︵亀 井︶
一八ニ︱年の
La wr en ce
v .
Ab er de in
事件において
かかる損害は海固有の危険による損害であって︑保険者は﹁死亡
ニ四
生動物の死亡と海上保険︵亀井︶
二五
航海中猛烈な暴風雨に船舶が難航した この事件によれば︑馬が死亡およ
Ab
bo
t
判事は﹁暴 不担保﹂なる特約によって保護されないと判決した︒本件においては死亡
( m o r
t a l i
t y )
という語は自然的原因によ
② る死亡︵斃死︶を意味するのであって︑変死
( v i o
l e n t
d e a t
h )
を意味するものでないことが明らかにされたわけで
ある︒この判決はかの
Jo
ne
s v .
Sc
hm
ol
l
事件の原則を確認した点において有意義である︒
特約が挿入されていても海固有の危険から生ずる死亡︵変死︶については保険者に填補責任があるということが確
認されたのである︒このことは決して例外的な決定ではなくて︑変死は死亡の中に含まれないから死亡不担保の条
件の下でも︑変死について保険者有責であるということが確認されたに過ぎないのである︒
結局
︑
死亡不担保の
この事件に関連して︑
Lo
rd
Te
nt
er
de
n はか の
Ta
th
am
v•Hodgson事件を引用して次のように述べている。
すなわち︑若し船舶が海固有の危険によって航路外に流され︑そのため航海が遅延して飼料の全部を使い尽したた
めに︑被保険動物の生命を維持する方法がなくなったとするならば︑保険証券に挿入された﹁死亡不担保﹂なる文③ 言はこのような原因から生ずる損害に対して保険者を保護したであろうと︒また︑
Ba
yl
ey
判事は﹁この免責条項
の文言は︑ある被保険危険によって間接的に生じた自然的原因から発生した場合には保険者を保護したのであろう
④ が︑被保険危険から直接的に生じたかかる死亡は保険者を保護しない﹂と述べている︒更に︑
風雨の中で船舶の動揺により馬がその脚を折ったが︑生きて仕向地に到着した場合を想像して見るならば︑保険者⑤ はかかる損害に対して責任を負わなければならないだろう﹂と述べている︒
この事件と同種の事件としては一八二五年の
Ga
ba
yv•Lloyd事件がある。
び投荷不担保の条件で
L i
v e
r p
o o
l から
Ja
ma
ic
a
まで保険につけられた︒
結果︑数頭の馬が分離した仕切りを支えた吊紐をこわして︑お互いに猛烈に蹴りあい︑そのために負傷し暴風雨中
26
註
(2) (1)
生動物の死亡と海上保険6 に死亡してしまった︒本件に関して裁判所は
La
wr
en
ce
v .
Ab
er
de
in
事件を参照し︑これと同じ判決を下した︒
以上二つの動物の死亡に関する事件は死亡危険不担保︑より正確にいえば自然的原因による死亡不担保︵斃死不
担保︶の場合であったが︑かかる死亡のすべてが偶然性を欠くわけではないので︑これを担保する契約が行われる
ようになり︑そのような条件の下で惹起された興味ある一事件がある︒それは一八九五年の
Po
me
ra
ni
an
号事件
本件によれば︑家畜が原因の如何を問わず死亡危険担保
( m o r
t a l i
ft y
ro
m a
ny
a c
us
e w
h a
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o e
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r )
と
いう条項を含むいわゆる当時の
A l
l R
is
ks
の条件で付保された︒悪天の結果船舶が修繕を必要とするので︑ある
港に入港することを余儀なくされた︒そのため余分の飼料が家畜のために必要となった︒かくて︑この余分の飼料
購入の費用が保険者から回収できるか否かが争われたのである︒裁判所はかかる費用はかの損害防止約款
( s u e
an
d
l a
b o
u r
c l a
u s e )
によって回収し得る費用であると判決した︒何故ならば︑かかる費用が支出されなかったならば︑
家畜は死亡し、全損として保険者はその損害を填補しなければならないからである。この事件は正にTathamv•H
od
gs
on
事件と対照的な事件である︒この事件においても︑若し余分の食料が購入されて︑奴隷が死亡しなかった
ら︑かかる費用について如何なる判決が下されたであろうか︒また︑前者の事件において︑若し余分の飼料購入の
当然飼料不足で死亡した筈であり︑
の判旨に照して自然的原因による死亡となる︒従って︑死亡危険担保の特約がなければ当然に保険者を免責した筈
のも ので ある
︒
L o w n
d e s ,
n 2
d e d
. ,
p . 1 2
4 .
f. n . ( i )
; A r
n o u l
d , 1
4 t h
e d .
, s .
7 8 1 1
2 . ,
吉竺坤H
博士
訳︵
四︶
︱︱
︱一
頁︒
P h i l
l i p s
, s .
1 1 6 2
, p .
7 1 6 ,
s .
1 1 6 3
, p .
7 1 8
~昭唸介-ぉ‘紬仝はEBerigon,
3 9 3 ,
c .
1 2 ,
s .
9 .
を田
5 f f l
して︑苺H堂2の危論iに対
A9 る
費用が支出されなかったならば︑かかる死亡は
Ta
th
am
v•Hodgson事件
であ
る︒
︵ 亀
井 ︶
二六
︵ 亀 井 ︶
︑ ︑
動物の保険においては︑病気ならびに自然的死亡による損害は浜補されないと述べている︒
Ar no ul d, 4 1 th ed . s . 78 1
ー
2 . 葛
城博 士訳
︵四
︶亡 一頁
︒
Pa rk , p . 14 2 . P hi l l ip s , s . 1 16 3 , p . 7 19 . E; ld ri dg e, p.1~.
Ar no ul d, t 9 h e d . s . 7 82 , p. 9 7 7. ; P h i ll i p s, s . 1 16 2 , p . 7 16 . E; ld ri dg e, p. 1 3 5. Po ol e, p. 1 2 8. ; E ld ri dg è p. 13 5.
1一 七
以上の考察で明らかな如く︑動物の死亡危険を海上保険の問題として取扱うとき︑その危険の発生原因が当然追
究されることになる︒しかして︑個々の契約において︑その死亡危険の原因が何であるかを追究すれば︑正に千差
よるものの二大別で充分である︒前者は不時の災害で死亡することであるからいわゆる変死であり︑後者は必ずし
も明確な死因を持たず︑ 一般論的には動物の死亡を海上危険を原因とするもの︑自然的原因に
のたれじにすること或いはたおれ死ぬことであるからいわゆる斃死である︒従って︑
論的に生動物の死亡を問題にする場合︑この二つを問題にすることで充分である︒
さて︑変死の場合はそれが海上危険の直接的結果として生じたのであるから︑当該海上危険を負担している保険
者には当然填補責任がある︒しかしながら︑実際には海上危険によって死亡︵変死︶したのか︑或いは自然的原因
によって死亡︵斃死︶したのか判然としないことがある︒そこで︑ある場合には坐礁・沈没・火災・衝突などの典
型的な事故に起因する死亡のみを担保するという特約が行われ︑ある場合にほ原因の如何を問わず死亡危険を担保
生動物の死亡と海上保険 万別ということになるであろう︒ところが︑
(7) (6) (5) (4) (3)
四
一般
による損害であるから当然に保険者は免責されることになる︒ 斃死は航海の通常の経過において罹病して死亡するところの自然死である︒ところでこのような自然死を生ずる場合には種々のものが考えられる︒およそ動物が死亡する場合︑必ずその原因がある筈であって︑変死にあらざる斃死が起るには必ず罹病の結果であると断定しなければならない︒従って︑何時罹病したかということが少なくとも理論的には問題とされなければならない︒生動物が罹病した時点を筒単に分つならば︑船積前と船積後になる︒仮りに船積前に罹病していて︑航海途上それが悪化して死亡したとすれば︑それは保険の目的の瑕疵的状態の顕現である︒従って︑かかる損害は保険の目的の﹁瑕疵﹂による損害であるといえるだろう︒何故ならば︑船積前にあ
る特定の動物が罹病しているということはその種類の動物全体の一般的性質ではなく︑欠陥的性質といわねばなら
ないからである︒次に船積後における航海の通常の過程において罹病し︑それが原因で死亡したという場合︑その
損害は保険の目的の﹁性質﹂による損害である︒何故ならば︑生動物は通常の航海の下でも生活環境の変化によっ
て罹病して斃死するという一般的性質を有するからである︒かくの如く生動物の斃死は保険の目的の性質又は瑕疵
生動物の罹病・斃死が航海とは無関係に生ずることもあるが︑航海の影響を受けて罹病したり︑或いはまた航海
の影響を受けて病気が悪化して斃死することもある︒この場合でもなお被保険危険の異常又は寵接の作用に近因し② たのでない限り︑保険者は免責されることになる︒
以上のように生動物の死亡はその原因によって保険者の責任が異なり︑しかもその原因たるや自然死︑海上危険両
者の協働という風に因果関係上微妙な問題を生ずる故︑次に述べるような特約を挿入して契約するのが普通である︒ 生動物の死亡と海上保険︵亀井︶
l l
する特約が行われ私゜
ニ八
国 口
日 (Free 生動物が保険される場合︑種々の特別約款が使用されるわけであるが︑古い時代には専ら死亡および投荷不担保
f o
m ortality
n a d j
e t t i
s o n )
が使用され︑死亡危険等が担保されるようになった︒そこで︑十九世紀末までに使用されていた各種の約款を整理
して見ると次の通りになる︒
さて︑日の全損のみ担保の特約は船舶の全損による生動物の全損を担保するのであるが︑⑱文字通り全損のみ担保③3 の特約と⑭それに加えて共同海損を担保する特鉗T
とが ある
︒
目はいわゆる単独海損不担保の場合であって︑これに属するものは非常に多い︒すなわち︑⑱船舶の火災および
④ 固
坐礁によらざる限り死亡•投荷不担保、⑮船舶の大火災および坐礁によらざる限り死亡•投荷・浪浚不担保、©船
舶の坐礁・大火災・沈没および他船との衝突による死亡および負傷の危険担保︑その他の原因から生ずる死亡・負
(2)
註山
英国の特約は次節で考察するが︑ドイッ海上保険普通約款
( A . D
. S . )
第八二条においては︑動物の斃死
( T o d
vo
n
T i e r
e n )
は坐礁発生の湯合に限って担保される︒
A r n o
u l d ,
1 4t h
e d .
s .
78 1‑ 2.
葛城博士訳︵四︶ーニ頁︒
全損のみ担保
特定危険によらざる限り死亡および投荷不担保
死亡および投荷の危険を含む一切の危険担保
生動物の死亡と海上保険
五
︵亀 井︶
の特約が使用された︒
二九
しかし︑海上保険の発展と共に次第に各種の特別約款
生動物の死亡と海上保険⑥ 傷・傷害不担保、⑪船舶の坐礁・沈没・大火災および他船との衝突によらざる限り単独海損・死亡・傷害•投荷・
浪浚不担蜘などがそれである︒しかして︑これらの約款は特定危険と不担保危険との組合せないし不担保危険と免
責阻却事由などの組合せによって極めて多くの約款ができることになる。しかし、これらの約款は何れも死亡•投
荷・浪浚.傷害などによって生ずる単独海損は原則として填補しないのであるが特定危険
(S
SB
C)
に基因した
場合はこの限りではないのである︒唯ここで注意すぺきことは︑この場合因果関係を必要とするいわゆる原因主義
日は当時のいわゆるオール・リスクスであって︑これにも若干の種類がある︒すなわち︑⑱船積から陸揚げまで
⑧
⑨
の一切の危険を担保するもの、⑪死亡•投荷の危険を含み、原因の如何を問わず一切の危険を担保するもの、©以
上の約款に陸上歩行約款と個別評価約款を加えたものなどがそれである︒この最後の約款は比較的よく使用された
^ "
ようであって︑その内容は次の通りである︒
"
I n c l u d i n g a l l r i s k o f s h i p
p i n g n a d u n t i l s a f e l y a n l d e d . A
ga in st l l a r i s k s ̀ i n c l u d i n m o g r t a l i t y an d j e t t i s o n a r i s i n f g ro m a
ny a c u s e w h a t s o e v e r . An im al s wa lk in g a s h o r e , o r , wh en s l u n g f ro m t h e v e s s e l , wa lk in g a f t e r b e i n g a t k e n o u t
f o t h e s l i n g s , t o be de em ed ar r i v e d a , nd no l c a i m t o a t t a c h t o t h i s p o l i c y o n s uc h a n i m a l s . Ea ch an i m a l t o be de em ed a
s e p a r a t e n s i u r a n c e . "
海上危険によって動物が死傷した場合には保険者は当然填補の責に任ずるが︑自然的原因による場合はその責に
任じない︒このことは既に何度か言及したのであるが︑現実に動物の斃死に際してその死因が判然としないことが
あるので︑高価な動物の保険では原因の如何を問わず死亡の危険を含む一切の危険を担保する特約が行われる︒し ︵米国主義︶が採られているということである︒
︵亀 井︶
゜
︵亀 井︶
犬が
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から
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へ︑そこから汽車で
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まで保険につけられ︑契約条件としてはオール・リス
クスの約款が使用され且つ﹁
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における歩行は安全な到着と見倣す﹂という条項が挿入されていた︒荷卸の
際︑その犬が右後脚の骨膜炎
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てこの犬は三本脚の歩行
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しかできず︑使用不能の無能力な状態にあった︒これは完全⑬ な陸上歩行による到着ではないので︑保険者が填補の責を負わねばならない分損であると判決された︒従って︑陸
上の歩行というのは動物の本来の姿で歩行することを意味することになる︒
以上述べてきた
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は今世紀に入ってから︑益々複雑な形式と内容をもつようになってきた︒A
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例えば︑死亡危険は担保するが︑出産危険を除外する
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もの︑動物が水中に
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下ろされて泳いだときは無事到着したと見倣す日
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)も の︑
甲板積貨物の投荷に対する共同海損分担額を除外するもの
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Q阻却寧す田として機関の破裂による場合
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を追加するものなどである︒更に︑現在使用されている
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では︑足を折った動物︵競争馬など︶
生動物の死亡と海上保険 を指すかについて興味ある一判例がある︒
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かして︑この特約を使用する場合︑保険の目的たる動物に損害が発生したか否かについて争が生ずることがあるの
それを決するいわゆる陸上歩行約款
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で︑陸揚地において歩行し得るか否かをもって︑
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が挿入されるのが常である︒すなわち︑この約款の下では陸揚地で歩行し得る動物はたとえその後間もなく死亡す
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る場合でも︑無事到着したものとして保険者は責任を負わないのである︒この場合の陸上の歩行とはどういう状態
それは一九0二年の
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事件である︒本件によれば︑
の苦痛にたえていることが発見された︒そし