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氏名 米勢ヨネセ

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 米勢

ヨ ネ セ

ヨ シ

ト モ

所 属 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 都市基盤環境学域 学 位 の 種 類 博士(工学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

252

号 学位授与の日付 平成

31

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名

X

バンド

MP

レーダ雨量を用いた都市流域における 豪雨の時空間および流出特性に関する基礎的研究 論 文 審 査 委 員 主査 教授 河村 明

委員 教授 高橋 日出男 委員 教授 横山 勝英

【論文の内容の要旨】

近年,ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な集中豪雨により洪水被害が頻発している.特に首 都圏においては,人口や生産基盤等の集中,都市化や気候変動等に起因した洪水流量の増 大などの社会・環境条件により水害リスクが一層増大している.都市域の中小河川では,

短時間における集中豪雨により,河川の氾濫や内水による浸水被害の危険性が高いため,

詳細な

1

分値の雨量や水位観測データを用いた流出解析が行われている.このような流出 解析による河川水位の推定のためには,第一に詳細な降雨の時空間分布を的確に把握する ことが重要となる.

現在,国土交通省が整備する

X

バンド

MP

レーダネットワークにより詳細な降雨の時空間 分布の情報が入手可能となっており,X バンド

MP

レーダ雨量は流出解析の高度化に向けて 活用すべき雨量データである.都市域の中小河川のような詳細なエリアを対象とする場合 には,短い時間間隔,狭い範囲における降雨量の精度が重要となるが,X バンド

MP

レーダ 雨量が有する

1

分値の時間分解能や

250m

メッシュの空間分解能そのものの降雨精度は明確 となっておらず,その精度および時空間特性を明らかにすることが必要である.さらに,

都市域の中小河川における流出量や河川水位の精度確保のためには,地上雨量データを用 いる場合が多い流出解析に

X

バンド

MP

レーダを用いることにより,流出解析の精度や流出 ハイドログラフの再現性がどのような影響を受けるのか検証し,明確にすることが喫緊の 課題となっている.そこで本論文は,都市域の中小河川を対象とし,X バンド

MP

レーダ雨 量の精度および時空間特性を解明するとともに,X バンド

MP

レーダ雨量を用いた流出解析 により流出特性を明確化することを目的としている.

本論文では,まず

1

分値

X

バンド

MP

レーダ雨量の精度について,東京都水防災総合情報

(2)

システムによる

1

分値観測で空間的に密な地上雨量(観測地点間距離は区部で平均約

3km)

を用いて精度評価を実施するとともに,地上雨量と

X

バンド

MP

レーダ雨量の地上雨量観測 所周辺メッシュの降雨データを用いた時空間相関解析を実施した.次に,流域平均雨量を 入力とする集中型概念モデルおよび

X

バンド

MP

レーダ雨量が有する空間分解能を直接入力 可能な分布型流出モデルを対象として,X バンド

MP

レーダ雨量と地上雨量を用いた流出解 析を実施し,降雨データの差異が各モデルの流出ハイドログラフの再現性に与える影響を 明らかにした.

本論文は,全6章で構成されており,各章の概要は以下の通りである.

第1章は序論であり,本研究の背景と目的について述べ,本論文の構成を示した.

第2章では,東京都の神田川上流域を対象として

2013

年の地上観測点における

30

分降 雨強度を基に

10

豪雨イベントを選定し,1 分値地上雨量と観測所直上メッシュの

1

分値

X

バンド

MP

レーダ雨量との比較によりレーダ雨量の精度を検証した.その結果,1 分値レー ダ雨量は,一般的に使用されている

10

分値レーダ雨量では捉えられないピーク雨量の強度 およびその生起時刻を正確にとらえることが可能であること,および

1

分値レーダ雨量は 地上雨量と比較して

1~3

分程度早く降雨を観測していることを見いだした.

第3章では,神田川上流域における

2013

年の上位

5

豪雨イベントを対象に,X バンド

MP

レーダ雨量の観測所直上メッシュのみならず観測所周辺メッシュ範囲のレーダ雨量データ を含めて, 地上雨量と

X

バンド

MP

レーダ雨量の時空間相関特性解析を実施した. その結果,

観測所直上メッシュの

X

バンド

MP

レーダ雨量は,地上雨量に対して-2 分程度の遅れ時間で 相関が最も高くなることを確認した.さらに,周辺メッシュとの比較により,観測所直上 メッシュよりも通常観測所周辺メッシュにおいて,最も相関の高いメッシュが存在するこ とを明らかにし,特に台風性豪雨の場合には,雨域移動が空間的な相関特性を支配する主 要因であることを確認した.また,この時空間的な差異により,一般的に比較対象とする 観測所直上メッシュの

X

バンド

MP

レーダ雨量は地上雨量との相関性を過小評価する恐れが あることを示した.

第4章では,神田川上流域において入力降雨データの差異が流出解析にどのような影響 を与えるかを把握するため,X バンド

MP

レーダ雨量および空間的に密な地上雨量による流 域平均雨量を用いて,都市の流出機構を考慮した集中型概念モデルである

USF(Urban Storage Function)モデルによる流出解析を実施し,流出ハイドログラフの再現性を検証

した.その結果,X バンド

MP

レーダ雨量は詳細な空間分解能を有するものの,都市域の中 小河川で流出解析の降雨データとして使用した場合,密な地上雨量を用いた場合と比較し て流出ハイドログラフの再現性が低下することを明らかにした.また,第3章で検討した 時空間的な差異を補正した

X

バンド

MP

レーダ雨量を用いることにより,流出ハイドログラ フは地上雨量を用いた場合に近い再現性を確保できることを示した.

第5章では,第4章と同様の豪雨イベントを対象とし,X バンド

MP

レーダ雨量の降雨分

布を直接入力可能な

250m

メッシュの土研分布型流出モデルを用いることにより,降雨デー

(3)

タの詳細な空間分解能が流出ハイドログラフの再現性に与える影響を検証した.その結果,

レーダ雨量,地上雨量ともに流域平均雨量を用いた場合と比較して,詳細な空間分解能を 与えることで流出ハイドログラフの再現性が

5%程度向上することを示すとともに,分布型

流出モデルを用いた場合においても空間的に密な地上雨量を用いる方が流出ハイドログラ フの再現性が高くなることを確認した.

最後に第6章は結論であり,本研究で得られた知見をまとめるとともに,今後の課題に

ついて述べた.

参照

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