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ア レ-観測データに基づ く地表面近傍 での 地震波動の伝播方 向の推定

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(1)

土木学会論文集No.780/70,4卜56,2005.1

ア レ‑観測データに基づ く地表面近傍 での 地震波動の伝播方 向の推定

仲元1・川上 英二2

1正会員 工博 埼玉大学招聴外国人研究者 (338‑8570さいたま市桜区下大久保225) E‑mai1'.gijutu1@nkgs.co.jp

2正会員 工博 埼玉大学教授 地圏科学研究センター (〒3388570 さいたま市桜区下大久保225) Email:kaw@kiban・civil.saitam au.ac.jp

本研究ではア レ‑観測 された8つの地震に対して地表面近傍での地震波動の3次元的伝播方向 を推定 した.地表および地中の多地点での水平2方向お よび鉛直方向の3成分の地震記録を用い て,基準入力ー出力最小化(NIOM)法によ り,震源から地表面‑の入射波および地表面からの反射波の 到達時刻の関係を求め,地震動の伝播方向を推定した.推定 された地震波動の伝播方向は,水平お よび鉛直方向共 に,震源 と観測地点の地図上の位置関係 と地殻の水平層速度構造モデルから得ら れ る理論解 とよ く対応 していることが判 った.しかし,鉛直軸 との角度は理論解では約0‑4度であ

るのに対 し,観 測結果では約0‑20度 と幾分大きい とい う結果が得 られた.

KeyWordsISeismicwave, propagationdirection,arrayobservation,groundmotion

1.はじめに

地震動は地殻 を構成 す る岩盤 中で生 じた断層運動 により発生 し,地表 ‑伝播す ることより構造物や ラ イフラインに被害 を与 える.1995年兵庫県南部地震 では,都市の直下の震源 か ら伝播 してきた強烈な地 震動に起因 して甚大 な被 害が生 じ,このことは未だ に記憶に新 しい. これ らの ことか ら,地盤 中での地 震動の伝播特性お よび増幅特性な どを解明す ること は重要なことである と考 えられ る.

観測 され る地震動 は,地震の発生機構,震源 か ら 観測地点に至 る伝播 経 路,観測地点付近の局所的な 地形や地盤条件 な どに依存す る.地震波は,地下の 震源か ら全ての方向に放射 され,それぞれの方向に 放射 され た実体波が3次元的に屈折 しなが ら地表 に 伝播す る.そ して,地表 に近づ くに従い,地震動の 伝播方向は次第に鉛直上方向に向く傾向がある1).井 合 ・浦上 ・森2)は地表面上のみでのアレ‑記録 を用い て実体波の伝播速度 と方 向を推定 した.

従来の研究 によ り,地震主要動の実体波の地表近 傍での伝播方 向は鉛 直方 向であることは第‑近似 と

しては異論の無い ところであるが,近年のア レ‑観 測における観測時刻 の正確 さの向上,お よび,観測

地点数 の増大 は著 しいため,実測地震記録を用いて, 伝播方 向の推 定の精度 をも う一段階上げることが可 能か も しれない と考えた.そ して,この ことを検討 す ることを本研究の 目的 とした.

つま り,震源位置が観測地点に対 して例えば北 に ある,東 にある,または深い とい うことが観測点で の波動伝播方 向にも支配的な影響 を与えているのか, または,観測点付近や伝播経路 に沿っての不均一性 の方が支配的 な影響 を与え,伝播方向は震源の位 置 に依 らずむ しろ同一方向であるのか,または,その 他の色々な影響 によるば らつきが大 きいため統一的 な結論 が得 られ ないのかな どの疑問を明 らかにす る ことが本研究の 目的である.

本研究の目的をより具体的に示す と,

(1) アレ‑観測記録から求められた地震動の水平面内に おける伝播方向を,震央から観測地点‑の地図上の 方向と比較 し知見を得ること

(2) 鉛直面内における地震動の伝播方向が鉛直方向とど の程度異なるかをアレ‑観測記録から求め,地盤構 造か ら推定 される方向と比較 し知見を得ること β) 地震波動の上下成分の伝播方向は,水平成分の伝播

方向とどのように異なるかを明 らかにすること などである.

(2)

本研究では,地震波動 の伝播方向の定量化にもう 一郎 皆の精度 の向上をもた らすために以下の方法 を 試みた.まず,地表お よび地中の高密度ア レ‑観測 を用いて地表面近傍 での地震動の3次元的伝播方向 を推定す る手法を展開 した.そ して,本方法を東京 大学生産技術研究所の片 山 ・山崎研究室による高密 度千葉ア レ‑の水平2方向と上下方向の3成分の観 測データ3)4)に適用 した.ここで,多重反射が生 じて い る地中での観測点にお ける地震動の伝播方向を推 定するためには,まず観測地震動か ら入射波お よび 反射波を精度 よく分離 し,複数の各地点におけるこ れ らの到達時刻 を推定す る理論手法が必要 となる.

これまでにKawakami・Haddadi5),6)は,多重線形 シ ステムに対す る基準入力 ー出力最小化 (NfOM)法を 提案 し,複数地点で観測 された地震波形の相互の関 係 を保ったまま単純化す ることによ り,各地点,各 深度における入射波,反射波を分離 し,これ らの到 達時刻の関係 な どを明 らかに している.NIOM法は, 波動伝播 システムを多変数線形システムでモデル化 し,複雑な観測波形相互の関係を表す伝達関数を満足 するような単純な波形群 を作成 し,入射波お よび反射 波 を精度 よく分離 し,複数の各地点におけるこれ ら の到達時刻を推定す るための方法であり,波動伝播状 況 (伝播方向 ・速度 な ど) を推定す るために利用可 能な方法である.本方法は波動の到達時刻を相互相関 関数による方法 よ りも明瞭に求め得 る方法であ り, 本研究においてはこのNIOM法を使用 している.

最後に,地表面近傍 での地震波の伝播方 向 と観測 地点か ら見た震源 の地図上での方向 との関係 を検討 した.また,気象庁 (市川 ・望月7)) による近地地震 の走時曲線 と弾性水平多層理論に基づき地震波の地表層

‑の入射角を推定 し,この理論解と本解析でアレ‑観測 結果か ら得 られた値 とを比較 した.

2.理

(1) 基準入力ー出力最小化(NlOM)法5)r6)

NIOM法は,波動伝播 を多変数線形システムでモデ ル 化 し,波形相互 の伝 達関数を満足する簡単な形状 の波形群を作成 し,波動 の伝播特性や空間変動特性 な どを調べるための方法である.

NIO.W法は定常多変数線形システムの振動数領域での 理論に基づいてお り,入力観測波形f(t)と出力観測波 g/(i)(l‑1,2,・・,M)の フー リエ変換,それ ぞれ F(a),)とG/(a)I) (l‑1,2,,M ), を 伝 達 関 数 H/(a),)で次式の よ うに関係付けている・まず,伝達

関数HI(a),)を観測波形 と式 (1)を用いて計算する・

G/(a)I)=HI(a)/)F(a),) (1)

l‑1,2,,M ;i1,2,,N‑1;0,窓 ,

ただ し,Jはサンプ リング間隔, Ⅳ はサンル数で ある.地震動でNS‑EW‑LDの3成分を考えると伝達関 数は 3×3の行列として考えることも可能ではあるが, 本論文では3つの成分をそれぞれ別々に検討 しており, 伝達関数はスカラーとして考えている.

伝達関数はシステムの物理的特性だけに依存するので, モデル化 された入力 と出力の間にも,観測波形と式(1) とか ら算定される伝達関数で結ばれる次の関係が成り立 つ ものと仮定する.

Yl(a),)‑H/(a),)X(a),) (2) ただ し,モデル化された入力と出力を,すなわち時間の 関数 としてのx(t)yl(t)を,また,それぞれのフー リエ変換であるX(a)I)とY/(0,)を,以降では, 「

力モデル」 と 「出力モデル」と呼ぶことにする.ここで, モデル化 とは,複雑な形状をした観測波形の組合せを, 観測波形間の相互の関係を表す伝達関数は同一に保つが, 簡単な (振幅が小さく継続時間が短い)波形の組合せに 再表現することを意味している.

ただ し,一般にフィー ドバ ック ・システムにおいては, 入力 と出力を分離して観測することは不可能であり,本 論文における 「入力」とは入射波を意味 していない.任 意の一地点 (以下の解析ではボー リング孔 COの地表 面)で観測 された地震波動を 「入力」と呼んでいる.

入力モデルX(a)I)の離散フー リエ逆変換は次式で与 えられる.

27Um

x(mAt,‑志 萎 x(ol,eノ丁 (3) こ こで,任意 の時刻で,例 えばf0で,すなわち

∽‑0で,入力モデルの振幅は1に規準化 されていると 仮定す ると,式(3)から次式が得 られ る.

業 x(0,,‑. (4) ラグランジェ未定係数法を用いて,入力モデルと出力 モデルのフー リエ振幅の自乗和 を式(4)の条件付きで最 小化することを考える.ここで,フー リエ振幅の自乗和 の小 さな波形を求める理由は,振幅が小さく継続時間が 短い波形,つまり単純な波形を求めるためである.ただ し,複雑な観測波形の間と単純なモデルの間では伝達関

(3)

数 (すなわちフー リエ変換するとインパルス応答)は同 一であり,波の反射や透過などに伴 う変形を表す波形間 の関係はモデル化に際 して不変に保たれている.

また,入出力モデ ル を平滑化 す るた め, x(i)

yl(t)だけでなくこれ らの時間微分であるdL'(i)/dt

dyl(i)/dtも考慮 し,これらのフ‑ リェ振幅スペク トル の自乗値の重み付き和を最小化する.まず,次の関数を 考える.

L![C.fx(a,,)12・koa,I?lx(a,I)I2

+皇(/=1cllYl(Wl)I2.kta,2IY

日日2

i ,A

萎x(OL,1) (5) ただし,机まラグランジェの乗数である.また, co〜

cM は 1つ の 入 力 x(t)と M 個 の 出 力 yI(t) (l=1,2,...,M)の重み係数であり,ko〜kMはこれ ら の時間微分の重み係数である.モデルの波形 とそれを時 間で微分した波形の重み係数の比が入力 と出力に対 して 等しいものと考えると,重み係数は次式の関係を満足す

るものと設定できる.

ko kl 旦虹 (6) Co CI CM

また,入力と出力を対等 に扱 うことにすると,これ らに 対する重み係数であるcoとC/(‑1,2,,〟 )は全て

1に設定できる.この場合,結局,重み係数 としては koだけを与える必要があるが,koを増加 させ ることは 入出力モデルの高振動数成分の振幅を減少させ ることに 相当する5)6).着 目したい振動数領域に応 じて重み係数を 設定する必要がある.

入力モデル と出力モデルは式 (5)を最小化することに より求められ,X(a)i)は式(2)(6)を式(5)に代入 し,以 下の条件により求められ る,

& ‑ a o ("

結局,入力モデル と出力モデルは次式で得 られる5)6)

l

X(a),)=NAt

% 2〜ー

.J

W0ハ/2

C+l

き1 1

5 (.

告on2)(co

.

cmlHm(on,l2)

YJ(a),)=NAt

H/(a),)

.EA,I.EL

. ・ ‑

T .f l I.・)・‑

L " l

(9) ただ し,伝達関数Hl(a),)としては,観測波形′(t)

gl(t)(l‑1,2,,M)の フー リエ 変換 , それ ぞ れ F(a),)Gl(a),)(l‑1,2,,M),を式 (1)に代入す ることによ り計算 されたものを用いる.また,式(9) (8)で得 られた単純化 された入力モデルに対する線形 システムの応答 (式(2)参照)である.複雑な観測波形 相互の関係 を表す伝達関数 (位相関係を含む)を満足す るよ うな単純 な波形モデルの組合せ,x(t)yI(i) (J=1,2,.,〟 ),を求める本方法,そ して,波動伝播状 況 を 解 析 す る本 方 法 は Nom lized lnputづutput Minimization(NICM)法 5)6)と呼ばれている.入出力モデ ルは観測波形のスペク トルの形状の影響を受けず,この 点が本手法の1つの特徴である.本論文では,NIOM を用いて観測波形を単純にモデル化 し,入射波や反射波 の到達時刻の観測地点による違いを求め,これを基に地 震動の伝播方向を算定 している.

(2)地震動伝播方向の推定方法

地盤 内に,泉 北,上の3方向それぞれをi,j,k お く座標 系 を考える.地点Bo(基準点 と呼ぶ)の位

̲I=r : ̲̲ = ‑ ‑‑ ‑

(xm‑xo)n

(10)

1'

ここで,γは地震波動の伝播速度 , 「・」は内積で ある・tm4章に示す よ うに観測波形にNIOM法を適 用す るこ とにより求め られ る. 〃は伝播方向の単位 ベ ク トルであ り,座標軸i,j,kとなす角度 をそれぞれ OI,0,,Okとおくと,次式で表 され る・

〃=

/ n/

nk::=:I

cos(β′

cos(βノ

cos(Ok' (日,

(10)を地点1‑Mに対 してマ トリクスを用いて示 す と,次式が得 られ る.

(4)

hl〃■・̲

ただし

・・〃・ん12'''

..∫12

.Ot

J〜

'

.1・f

EI HHu

・{i.J<HHHU

(12)

(Arm, Arm, ArmkiT‑xm‑x。 (13)

W ‑iw / W, wk)T‑AV

である.ここで,

A =

i‑(tl t2 ・・・tM r

Axl/ 血 1J Axlk

Ax2, Ax2j Ax2k

AxM, 血Mu 血 Mk

(14)

(15)

(16)

と置 くと,式(12)は次式に書き換 えられ る.

t=A w (17)

本方程式の未知数はW,,W,,wk3つ,式の掛 潮 他 点 の数M (ただ し,M≧3)である.自乗誤差を最小に するW の解 は,次式 のように得 られ る8).

W ‑(A TA ) 1A Tt (18) W が求め られ ると,式(14)よ り地震波動の伝播速度 と伝播方向の単位ベ ク トルは次式の よ うに得 られる

(19)

(20)

ま た , 式(ll)(20)よ り伝 播 方 向 を 表 す 方位 角

0,,0,,鋸 ま次式の よ うに求め られ る1

8,‑cos1(wI/Jw,2.wj2・wk2) (21)

ok‑COSI(wk/Jw,2.wj2」wk2) (23) 地 中 よ り地 表 面 へ の 入 射 波 の 伝 播 方 向 が 式 (ll)(21)(23)のよ うに求め られた場合 には,反射波

の伝播方向 として,水平(i,j)方 向には同一方向であ り,鉛直(k)方向は逆方向である理論解を考えると, これ は次式で表 される.

〟 l = 千

n,

n J

nk

cos(♂,) cos(βノ)

‑cos(Ok)

また,地震波動の伝播方向が〝で与 えられる場合には, 地震波動の到来方向は〟である.

波動の到達時刻の違いを利用 して波動の伝播方向を求 める本手法は,基本的にはセンブランス法などの従来の 方法 と同様な考えに基づくものである.しか し,提案手 法では各地点の入射波 ・反射波それぞれに対しNICM法に 基づき伝達時,を先ず推定してお り,これが本手法 の特徴である.

本解析では式(10)に示すように,伝播速度が一定であ ることを仮定 している.しかし,実際には地表面に近い 程伝播速度が小 さくなっている.このため,算定される 伝播速度は地震計が埋設された深 さまでの平均的な速度 である.また方位角は,特に鉛直 との角度は,地表に近 づく程一般に減少する (鉛直方向に近づく)ものと考え られ,算定される方位角も平均的な方位角であると考え られる.ただし, 「平均的な」とは単純な平均値ではな く,地震計の深 さ毎の個数の違いな どに影響を受ける平 均値である.

3.データ

本研究では,地震動の3次元的な伝播方向と速度 を求めるこ とを 目的に してお り,数多 くの観測点で の記録 を用い ることが必要である.ア レ‑観測は, 複数 の地震計による記録を比較す ることによって地 震動 の諸特性 を論 じるために有用 である.本論文の デー タ としては,東京大学生産技術研究所片山 ・山 崎研究室3)・4)によ り,平面的および鉛直的に高密度に 観測 された千葉実験所でのア レ‑記録 を用いた.本 ア レ‑では,図1のよ うに,44個 の加速度計が15 のボー リング孔の中に埋設 され てい る.ボー リング 孔 中の地震 計 の配置 を表‑1に, ま た,地表面近く G.L.1.Omにあ る各加速度計 の座 標 を表2に示す.

3には,本研 究で用いた8つ の観測地震の諸元を 示す .また,図2には,震源お よび観測地点の位置 関係 を示 している.

本解析では,図‑1中のCOの地表 面(G.L.1.Om)での 観測点 を基準点 とした.そ して, このCO基準点‑の 地震波動の到達時刻 と比較 して,その他の観測点で

(5)

‑1ボー リング孔中の地震計の配置3)‑4)

De(pth CO C1C2 C3C4 PlfbrP2eh⊃P3 Ple 4 P5 P6 P7 P8 P9 PO 1 (⊃ ○ ○ ○ ○ ○ (⊃ ○ ○ ○ ○ (⊃ ○ ○ ○ 5 ○ ○ ○ ○ ○

10 ○ (⊃ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

20 ○ ○ ○ (⊃ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3 解析 した8つの地震の諸元

No. 発 生年 月 日時 M 褒源位置 深 さ(km)震 央距離(km) EW最大加速度NS(cm/S2UD)

東京湾 地震 5.9 35139..27292E 927N .0 52.4 57.I 86.3 30.8

千築県 中部地寮 4.9 35140..6005N25E 81.0 7.9 22.I 25.2 45.8

5.4 35140..3345N97E 50.0 40.2 87.0 79.5 23.9

伊 豆大 島付近地震 6.5 3134.9.27633E0N 6.0 124.5 6.7 7.8 4.I

茨城 県 西南部地賓 5.6 3l36.9.01908N8E 55.3 47.7 55.7 49.1 25.4

㊨ 南房総 半島地震 5.3 35l39..0895N67E 69.0 62.4 46.4 35.2 12.0

⑦ 東京都 内地襲 6.0 35139..6647E 962N 6.0 42.2 48.4 59.8 15.2

⑧ 福曲県 東部沖地震 6.7 36141..96897E 352N .0 218.8 lt.3 14.0 6.3

1)千葉 ア レ‑ :線度35.345N,経度140.110E.

2)最大加速度 はCOのG.L.1.Omの加速度記録におけるものであ る.

1390 1400 1410

2 8つの震振および観測地点の位置関係

の地震 動 (入射波お よび反射波)の到達時刻 を4 に示す よ うに算定 した.

義‑2 各ボーリング孔の地表面(G.L‑1.Om)の座標3)・4)

Borehole EastR(h) xelati).NVetortoh(COm)xj El也)evatxhion

CO 0.00 0.00 13.52

C1 3.54 3.54 13.52 C2 3.54 3.54 13.52 C3 3.54 3.54 13.52 C4 3.54 3.54 13.52 P1 15.00 0.00 13.52 P2 0.00 15.00 13.52 P3 ‑15.00 0.00 13.52 P4 0.00 ‑15.00 13.52 P5 45.13 ‑115.38 12.59 P6 ‑128.92 61.42 12.64 P7 ‑120.43 4.67 13.65 P8 216.13 120.73 ll.91 P9 ‑109.01 178.74 10.92

1ボー リング孔の配置図3)4)

4. 入 射 波 お よび反射 波 の到 達 時 刻

上述 したNIOM法 を3成分 (EW,NSお よびUD成分)多 点 (3次元 に分布)同時観測デー タに適用 して得 ら れ た入 出力モデルの ピー クの時刻 よ り,各地点 にお け る入射波お よび地表 か らの反射波 の到達時刻 の関 係 を求 めることが可能である.得 られた結果を本章 に示す .そ して,得 られた到達時刻 を用いることに よ り,地震波の伝播状況の概略を推定す ることが5 に示す よ うに可能 になる.

解析 した8個 の地震の中の一例 として,最大の最大 加 速度 (87.0cm/S2)が観測 された (義‑3参照)③の 19908月23日の房総半島九十九里海岸地震によるEW

成分 の主要動部分 を含む約40秒 間の記録 に対 して,

(6)

図‑3には,相互相関関数を示 し,図‑4には, NIOM法 によ り求 められた入出力モデル波形 を示す.その際, 基準 (3では自己相関関数,図4では入力) とし てはCOの地表面(G.L:1.0m)での記録 を用い,他の41 価 (3,4の場合)の記録 との関係 (3では相互 相関関数 ,図4では出力)を求めている.また,図‑

5には,EW,NSお よびUD成分に対 して各地点,各深度 における入射波 と反射波の到達時刻 を示 してお り, 同一ボー リング孔の異なる深 さ‑の到達時刻は直線 で結んで示 している.

3の相互相関関数では地中深 くか ら地表‑の入 射波 と地表か らの反射波の合計2つの ピークが不明 確 (例 えばG.L‑5.Omの場合)であるのに対 し,図4

のNIOM法 による入出力モデル波形では,図中の矢印 で示す よ うに入射波 と反射波 に対応す る2つのピー クが明確 に求め られていることが判 る.この結果は 参考文献5)6)の結果 と同様であ り,文献では正解の 分かった (仮定 した)例に対 して,相関関数 とNICM法の

結果とを比較 して,相関関数よりもNIOM法による結果の 方が精度が良い (正解に一致する)ことを既に示 してい る.また,本論文の場合には,NICM法 (図4)と比較 し て相関関数法(13)では,例えばG.L.T5.伽の場合のよ うに入射波 と反射波の2つのピークを区別 して読み取る ことす ら不可能である.この理由は正負の時刻にそれぞ れ最大値がある2つの山の波形を足 し合わせた時に,2 つの山が合体 して,中央(i‑o)に最大値を示す 1つの 山になって しま うことが原因である (参考文献5)およ 6)参照).このような場合に相互相関関数法では, 到達時刻 を過小評価する危険性がある.従って従来の 相互相関関数法 よ りもNIOM法の方が波動の到達時刻 をよ り精度良 く求めることが可能 にな り,このこと が波動の伝播方 向の推定精度 の向上 を可能に してい る.

図‑4に示す よ うに,地表面 (G.L.1.Om)ではすべて のボー リング孔において時刻0近傍 に1つのピークが 顕 著であ るのに対 し,地 中G.L.5.0mでは約±0.03S に,G.L‑10.0mでは約±0.05Sに,G.L:20.0mでは約

±0.09Sに,G.L.40.0mでは約±0.14Sに入射波 と反 射波に対応す る明瞭な ど‑ クが得 られた.これ らの

4 PS検層3),4)に基づく地表面から各深度‑の 伝播時間

入射波 と反射波 に対応するピー クの到達時刻は,CO 基準点に対 し平面的かつ鉛直 (深 さ)的な位置により 異なる.

本地震 の場合,P6‑P9,POのG.L.1.Omでの ピーク は,CO〜C4,Pl〜P5より遅 く現れ ている.特に,最 大 ピー クに着 目した場合には地点p8‑の地震波の到 達が最 も遅い. このため,地震波の伝播方向は南東 方 向か らと思われ る.この方向はほぼ,観測地点か ら見た震央の方向 (図‑2③参照) と一致 している.

また,図巧 より入射波と反射波の到達時刻の線は時 刻零に対 しほぼ対称であり,分離された2つの波に対し 同様な結果が得 られていることより,計算結果が十分精 度良く得 られていると考えられる.また,線の傾きの深 さによる違いより,伝播速度は深いところでは速く,漢 いところでは遅いこと,また,水平成分 (EW,NS)の伝 播 は遅 く,鉛直成分 (LD)は速い ことが判 る.FS検 3)4)によれば s波またはP波が地表面から鉛直に各深 度まで達す る時間は表」 に示す通 りであり,図J に示 す水平 (EW,NS)と鉛直(UD)成分の速度分布はS波とP の速度分布 とそれぞれ良く一致 している.

5.地 震 動の伝 播 (到来)方 向の解析結果

図‑6には,観測地点を原点にとり, 8つの地震の 震源 の方向を示す.ただ し,方向を3次元内の長さ 1のベ ク トルで表 している.この中,義3より①の 1992.02.02東京湾地震 と⑦の1988.03.18東京都内地 震の震源深 さはそれぞれ約 92kmと96kmで最 も深 く,

④ の 1990.02.20伊豆大島付近地震の震源深 さは約 6kmで最 も浅い.また,⑧の 1987.02.06福島県東部 沖地 震 の震央 距離 は約 219kmで最 も遠 く,② の 1991.ll.19千葉県中部地震の震央距離は約 8kmで最 も近い.

4章で求めた全 44地点での入射波 と反射波のピーク の到達時刻 〔モデル内の入射 (反射)波に対応するピー クが生ずる時刻〕を用いて,8つの地震の3成分それぞ れ に対 して伝播方向 (単位ベ ク ト〝お よび方位角

0,,0,,Ok)を計算 した・

7,8には,8つの地震に対 し推定 された入射波 お よび反射波それぞれの到来方向を表す単位ベク ト ル を3つ の断面内で示 してい る.ただ し,震源 ( 央) の位置や方向 (2,6)との対応 を見やす くす るた め , 伝播 方 向の代 わ りに 図7で は到 来方 向

[̲nn;(Inn,,n;i,rknA)TL芸 、'る.誓 言, i9

(19)による波動の伝播速度 Vを8地象 3成分の入射波

(7)

G.L.‑1.Om

CO CI C2 C3 C4

Pl

23PP

atOLIa10q coc1mu

aTOqaJOg

0.3 0.0 0.3

T im e(S)

0 CO

Cl

a10qa10ga10qaJOq

G.L.‑10.0m 相互相関関

0.0 0.3 Time(S)

G . L . ‑ 2 0 . 0 m

0.3 0.0 0.3 Time(S)

G.

L ‑ 4 0 .

0m

05CP

a10qa10g

相互相関数Tiiii‑ ∵ iiiiii

‑0.3 0.0 Time(S)

‑3 基準点cO(G.L.1.Om)と他の観測点の記録 との相関関数(1990.08.23房総半島九十九里海岸地震 EW成分)

(8)

G.L‑i.Om

SPHlJ'D.

aTOqa10g cocl

a10qa10g 41cPlaTOqa10g

P2

P3

P4

P5

P6

l

̲T + ̲

0,3 0.0

Time(S)

G.L.‑20.0m

‑0.3 0.0

Time

(

S)

G.L.‑40.0m

0

5

C

P

aTOqa10g

4 NIOM法 に よるモデ ル 入 出力波形 (1990.08.23房総 半 島九十九里海岸地震 EW成分)

参照

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