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2  チップ冷却技術開発における米国の新しい動き

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Academic year: 2021

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科 学 技 術 動 向 2005 年 6 月号

4 Science & Technology Trends June 2005 5

 2005 年 3 月、 米国のパデュー大学で開催された 「Workshop on Electrothermal Co-Design  of Future Electronics」 で、 パデュー大学をはじめとした 8 大学の研究者が共同で、 最先端 LSI チッ プの冷却問題に対応した新技術開発に特化したセンターの構築を提案した。 チップの性能向上が発熱量 の増大を招くため、今後 10 〜 15 年で発熱が高性能チップ実現の大きな障壁になりうるとしている。 将 来の LSI チップは、 冷却素子も統合された多層構造の三次元チップになると予想されるため、 開発当初 から回路や素子の設計者と冷却システムの開発者が協調することの必要性が訴えられている。 8 大学か らの専門家で構成される予定のセンターの役割としては、①省電力素子の開発と設計による発熱の抑制、

②新冷却技術、 ③設計自動化ソフトウエアなどの研究開発などが挙げられている。 本センター構想は現 在 NSF に申請中であり、 2006 年 6 月からの運営を目指している。

  情報通信分野  TOPICS Information & Communication

トピックス 2

 チップ冷却技術開発における米国の新しい動き

 LSI(大規模集積回路、以降チップという)は、

トランジスタ(Tr)や配線の微細化によって集 積度と性能の向上を続けてきた。国際半導体テク ノロジ・ロードマップ(ITRS)によると、高性 能 MPU/ASIC(マイクロプロセッサ/特定用途向 け集積回路)の集積度と動作周波数は、2010 年の 45nm ノード(ノード:最小配線ピッチの 1/2)で は 20 億Tr で 15GHz、2016 年の 22nm ノードでは 88 億Tr で 40GHz にもなると予想されている。こ うした Tr 数や動作周波数の増加は消費電力の増加 をもたらし、チップの発熱問題も顕在化する。過 度の発熱は、チップの性能低下をもたらすととも に、繊細な回路の破壊などの問題を引き起こす。

現在のチップ冷却法は、ファンやヒートシンクを 組み合わせたものとなっているが、ITRS では、ヒ ートシンクの冷却能力で対応できるチップの最大 許容発熱量は、高々約 200W 程度と予測されている。

今後の LSI 開発で、発熱問題は大きな障壁となっ てきており、その対策が急務である。

 2005 年3月に米国のパデュー(Purdue)大学で

「Workshop on Electrothermal Co‐Design of Future  Electronics」が開催された。将来のチップ冷却の課 題と挑戦すべき項目の明確化をテーマにしたこの ワークショップには、インテル社、IBM 社、HP 社、ソニー譁等約 25 の会社、DARPA 等の政府機 関および大学からの専門家が参加した。ワークシ ョップの中で、パデュー大学をはじめとした8大 学(Purdue 大、Albany 大、Minnesota 大、カルフォ ルニア大 Santa Cruz、同 Santa Barbara、テキサス大 El Paso、Puerto Rico 大、Alabama A&M 大)の研究 者は共同で、最先端のコンピュータチップが今後 10 〜 15 年に直面すると想定される冷却問題に対応

するための新技術開発に特化したセンター構築を 提案した。ここでは、回路や素子の設計者と冷却 システムの開発者がチップ開発当初から協調して 設計することの必要性が訴えられている。現状で は回路や素子の開発後に冷却部分の開発が行われ ているが、今後は協調設計で革新的な冷却素子を チップ内に盛り込むことが可能になるとしている。

 将来のコンピュータのマイクロプロセッサで は、二次元のチップ形状は少なくなり、回路、素 子そして小さな冷却素子が統合された多層構造の 三次元立方体(cube)形状が多数を占めると想定 されている。その cube は、冷却液を循環するマイ クロチャネルや、人間の毛髪の半分程の幅で可動 部を持たずに動く solid-state refrigerator 等も構成 要素としており、提案者らは、これを ICE-cubed

(3‐D integrally cooled electronics)と呼んでいる。

 本センターの活動は、①省電力素子の開発や設 計への注力による発熱の抑制、②新冷却技術の開 発、③複雑な多層構造の ICE‐cubed プロセッサ 開発に向けた多様なコンポーネントの最適配置を 支援する設計自動化ソフトウエアの開発などを目 指すもので、具体的には、小型熱センサ、電力供 給システム技術、多様な冷却素子、冷却液を循環 するための微小ポンプ、チップの発熱を利用した 発電などが検討項目として挙げられている。また、

本センターは、8大学からの専門家で構成される 予定であり、学生の教育、大学・企業間の人材交 流も意識している。

  本 セ ン タ ー 構 想 は、 現 在、NSF(National  Science Foundation)に申請中であり、ファンドが 通れば 2006 年6月からの運営を目指す。

参考文献:http://news.uns.purdue.edu/html4ever/2005/050415.Garimella.chipctr.html(2005. 4. 15)

参照

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