1D2 熱指医学 3fn32s 罪5号102‑115頁, 1971年9)]
日本脳炎ウイルスの形態学の研究
岡六四
長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学部門(主任:林 薫教茂)
(Received for publication July 30, 1971二
Morphological Studies on Japanese Encephalitis Virus
Rokushi OKA
Department of Virology, Institute for Tropical Medicine, Nagasaki University
^Director : Prof. K. Hayashi}
Abstract
Partially purified Japanese encephalitis (JE) virus extracted from infected mouse brains with Diflon 113, a fluorocarbon, seems to be more disrupted than that treated with protamin sulfate. However, the activities for hemagglutination (HA) and complement fixation (CF) antigens of JE virus extracted with Diflon 113 were more maintained than those extracted with aceton‑ether. Furthermore, from Diflon extract antigens, HA and CF components were seperated successfully by density gradient centrifugation in CsCl solution containing 0.001M EDTA.
The activities for only HA and CF were observed in fractions of ρ=1.310 ‑ 1.290 and ρ=1.190‑1.160, respectively. On the other hand, electron microscopic observations indicated that JE virus particles were about 40‑45mμ in diameter and composed of envelope and nucleocapsid. Using the block test, the relation of these components against neutralization antibody was examined.
The block test is a examination procedure for remaining antibody in the neutralization system containing antiserum and virus specimen by counting plaque formation of seed
virus supplemented. Less or no antibody was blocked with heated viruses at 50℃ or 60℃
for 10 minutes, respectively, and the antibody was blocked with the fraction of ρ=
1.130‑1.290 but not with the fraction of ρ=1.190‑1.160. It was suggested that the block antigen will be heat‑labile component, the envelope.
長崎大学熟詣医学研究所業績 第568号
日本脳炎ウイルスの形態学の研究
緒 L‑]木脳炎ウイルスの基礎的研究は多くの人々によっ て行なわれ,特に組織培養細胞内の発育過程について は詳細な観察がなされている.しかし,粒子の基本構造, 特に構成部分の分離や←F]不日抗原についての明確な所見 にほ接していない。粒子の滝本構TJRを明かにするこ
105
C3
とは桁製過程の指怯のためにも窮要であるし,また Component vaccine作成‑の道にも通ずる極めて意 義深い問題が含まれている。このような見解に従って, F」本脳炎ウイルスの基本構造を明確lこするため実験を 試み,二,三の知見を得たので以下に報告する。
実験材料及び実験方法 ウイルス:日本脳炎ウイルス小山株は国立予防衛生
研究所ウイルス,リケッチア部から分興された中山予 研株で, 1965年以来,当教室で行った晴乳マウス脳内 接種法による継代を含めて40代目のものである。
ウイルス液の作成:感染時乳マウス脳の2‑4 9に o.on′1 Tris緩衝食塩水CpH8. 2)を20^になるように 加え,日本精橡製作所ユニバ‑サル,ホモジナイザー HA2塑で低速で乳化し,これに等量のTrichloroflu‑
oroethane (Diflon 113)を加え,最高回転で5分 間擬拝した。これを冷凍遠心機で15DO9, 15分, 4℃
で遠沈し,水屑を50日○ , 15分間遠沈して,その上清 をウイルス液としたo この試料ほ約5miずつ分注して
‑7D℃に保存した。
稀釈液:ウイルス液の稀釈はすべて0.5%′トi「n清ア ルブミン加 Tris緩衝良知水(pH7.4)を使川した。
杭血清の作成:Diflon l13処理ウイルス液5 mlを1 週間間隔で5回家兎の筋肉内に注射し,最終注射から 1週間目に採【[rtした。抗血清は‑70℃に保存し,使用 に際して56℃, 50分間加熱非勧化した。
Plaque 法:PS細胞をトリプシン消化し,洗淑後, io#4一血清加Earl液に浮沸させ, Nmlまたは150サ/
容のPlaque栖二に分注した。この際2日目に単層培養 細胞が得られるように細胞数を頒制した。
Puck液で単層細胞を沈澱し,ウイルス液の各稀釈 液〇.2mlを接種し5ワ℃1時間吸着させた後, Puck 液 で再び洗漉し末吸着ウイルスを除き,次の組成の‑汰 式層の寒天培地4.5サ/を這層し5ワ℃で5日間i‑た養した。
次いで二次重層寒天土iT地4. 5mlを東らに克層し57℃で 培養を続け,翌HI Plaque数を買えた。
‑次重層寒天培地の組成 2倍濃度のEaglesユ'IEM 40.
2 % Special Agar(Difco) 53.
'. r'卜ii'iuVj‑ 1コ. 〕m[
抗生物質ストレプトマイシンl
ペニリシンJ o.25〝l
7%亜炭酸ソ‑ダ 5. 5mf
二次重層澄夫培地の組成;
‑次亙層寒天in地‑100〇土子'稀釈中経紅溶液を4 % の割合に加えたもの
Plaque減少法: 100PFU/口.2雌jのウイルス液と抗 血清の各階段稀釈液とを等量に混合し, 57‑C, 1時間 静Lf写した後,その〇.2mlを単層のPS細胞へ接種した.
57℃, 1時け写」吸着後, Pl=queはlこ従って寒天培地を 頂屈し,生じた Plaque数が8〇%以上減少した場合 の値を抗体他として第二足した.
Block test :始めに,各階段稀釈血清と‑定量の ウイルス推(抗原)と混じて抗体のblock (中和)を 行った.次いでこの混合液‑盛らに‑:Jf量のウイルス 紘(seed virus)を加えて,余剰o)抗休の有触をseed ヽ'irusによって生ずるPlaque数の減少の有触(巾和 の有無き)によって推定した.
Block test法による抗血清の抗体価測定:各階段 稀釈血柄〕.¥ml¥こXx 104/o.2ォ/またはyx 106/o.2ォ/
PFU (x及びyは係数)のウイルス液〇Amiを加え37‑C i Kf‑m静[K:した.次いで余剰の抗体の有無巨を検査する ため上記の混合液‑ 1.2×10VO.2o/PFUのウイルス 液o.4Wを追加し, 57oC,川耶享保「た.これを水冷 巾でユ0 ̄2稀釈し,その0.2ォ/を単層のPS細胞に接杵 し寒天培地を̲重層してPlaque法を行った.この際, 或る血清稀釈で抗体が充分に block されると,指示 ウイルスO Plaque数ほ既定数だけ,'il現するので,そ の時の血清の最高稀釈度をも「て抗体価とし,また1 単位の抗体を含む稀釈度とした.
加熱不活化ウイルス液または遠沈画分によるblock test :上記の方法で測定した抗肘ifの2単位及び4単 位の抗体を今む稀釈血清を使用して,抗体価の測定の 場合と同様の方法でblock test を行った。
密度勾配遠心法: Sucrose または Ficollの不連 続密度勾配を作賎し最上層にウイルス液を各層し口立 SW‑RP 40型の水平ロータ‑をPTい「1立55P超嵐L、桟 で540〇Qrpm約14時間遠沈した.
CsClほ0 01 MTris緩衝液(pH8.0)に溶解して使
104 岡 六 四
用したが,また0・001M EDTAを添加しても使用した.
CsClの不連続密度勾配を作成し,その最上層に部分精 製ウイルス液o.5ォ/ないし1・DM/を重層して34000rpm 約16時間,または5900Qrpm3後間遠沈した.セル ローズ,チューブの底部を穿刺し1D摘または5滴ずつ 分取し各画分の密度を測定した・各画分はセロファン チューブを使用し0.01MこTris緩衝食塩水(pH8.0) に対して4°Cで1夜透析した後,血球凝集反応及び補 体結合反応を検査した.余剰の画分は‑ワ0°Cに保存 した.また,一部の実験では部分精製ウイルス液の代 りにp‑1・450及びp‑1.200の密度のCsCl溶液を重 層しDiflon l13処理ウイルス液1 mlを最上層に重ね 3900lrpm, 3時間遠沈しp‑ 1.310より軽い全画分を 集め0・01M Tris緩衝食塩水(pH8.0)に4°Cで1夜 透析したものを使用した・
血球凝集反応及び補体結合反応:血球凝集反応
(HA)はmicrotiter法を使用した・血球は孵化1日 目のヒナから心臓穿刺によって採血し Dextrose
‑Gelatin‑Veronal (DGV)緩衝液に浮沸し5日以 内に使用し,血球の稀釈はpH 6.4 (中山株のHAの至 適pH)の Virus Adjusting Diluent (VAD)緩衝液 を用いた. HAは57℃, 4D分間保温後,室温に放置 し判読した・補体結合反応(CF)はAdenovirus抗 原の研究で行われたRussell, W. C. et al・(1967)の 方法に従って行った.
電子顕微陽こよる観察:透析した密度勾配遠沈画分 の1滴にマイクログリッドの膜面を下にし液面に浮か せ15分間放置した.次いでグリッドを室温で乾燥し 2回水洗した後、 2%燐タングステン駿ソーダ溶液 (pH 7.0) 1滴の液面上にのせ15分間放置した・グ リッドの余剰の染色液を吸い取った後,室温乾燥し' 日本電子100 B型電子顕微鏡で観察した・
実 験 成 績
Ⅰ.感染マウス脳乳剤のDif肥onl13処理による日本 脳炎ウイルスの部分精製
本文では特に指定しない限り日本脳炎(日脳)ウイル スとは中山株ウイルスを意味する.感染マウス脳から 日脳ウイルスの部分精製試料を得るのに Diflon 113 処理は Aceton‑Ether (AE)或いはSucrose‑Aceton (SA)抽出法より操作が簡単であるうえに高い HA 及びCF抗原性を保持し,感染性の収量もよいこと が与那城の既報(1970)で指摘されている.従って本 実験では,主としてDiflon l13 処理ウイルスを使用 した Diflon l13処理ウイルスとAE 抽出ウイルス ほ電頚的観察では Photo lに示すような像が共にみ られ,完全粒子のはかにかなり多くの破壊を示唆する 粒子の像がみられた. (Photo 1)・
1[.密度ち配遠心法による血球凝集(HA)及び裸体 結合(CF)抗原の勇敢の試み
1. Sucrose及びFicoll密度勾配遠心法:
Sucrose またはFicollの5%から50%まで5%間 隔の密毘の溶液を0. 4a/ずつ重層し不連続密度勾配の 最上層lこDiflon l13処理ウイルス液1miを重ね 34000rpm約14博聞遠沈した・セルローズチューブの 管底を穿刺しID滴ずつ分取し各画分を0・01 M Tris 緩衝食塩水(pH7.4)に4°C, 1夜透析した後, HA及びCF活性を測定した. HA及びCF活性は 広い範囲の画分に亘って観察され Diflon l13処理 ウイルス液に含まれる HA及びCF活性のみの部分
の分画ほ出来なかった・またSucrose及びFicoll の5#,n?6及び50%溶液の各1miを重層し最上層に ウイルス液¥mlを重ね3900Qrpm5時間または14時間 遠沈して分画を試みたが感染マウス脳をDillon113 処理で得たウイルス液からのHA及びCF活性のみ の画分の分離は出来なかった.
2.CsCl密度勾配遠心法:
cscl溶液p‑1・450の1・OmLをセルローズチューブ に入れ最下層とし,その上にp‑1・560からp‑1.200 までp‑.I040間隔で5種の密度の溶液をnKB, u.Satげつ重
層した.最上層に0.8mlのDiflonl13処理ウイルス 液を重ね54000rpm約14時間遠沈し管底を穿刺して 10滴ずつ分取した.各画分は001MTris緩衝食塩水 (pH8.0)に4°Cl夜透析した後HA及びCFをM 定した.2回の実験成績をまとめてFig.1に示した・
HA及びCF活性はp‑1.250画分をピークとし,p‑
1.51.及びp‑1・180に至る全画分に認められHA及び CF活性域の分離は明確でなかった.従って,遠沈探 件の検討を行い,次の方法が実験目的に通することが 判った・CsCl溶液p‑1・45口の1.0‑1.5w/をセルロ ーズチューブの最下層に入れp‑1・550及びp‑1.220 のCsClっ容液o.8サ/または0・6mjずつを重層し最上層 に0.8JB/または0.6*?のDiflonl13処理ウイルス液を 重ね,39000rpm,3時間遠沈した.その際Fig・2a に示すような沈降パターンが得られた・管底を穿刺し 10清または5滴ずつ分取し,各画分を001MTris綬
日本脳炎ウイルスの形態学の研究 105 衝食塩水(pH 8.0)に対して DC, 1夜透析した後,
HA及びCF活性とPS単層培養細胞を用いPlaque はで感染性を検査しその成績をFig. 2 にまとめた.
p‑1.310及びp‑1.290の画分は低い値ではあるが HA活性のみ,またp‑1.18〇からp‑1.160の画分は cF活性のみを認めた.しかし,頻回の実験で,p‑1.310 は上記のようにHA 活性のみを示したが, ρ‑1.29日 両分ほ滴量によってp‑1.280に近い値をとる阿分とな ることがあり,そのような場合には2ないし4倍とい
う低い値のCF活性の混在を認めることがあった・
他方, />‑!.18はり軽い画分は上記のようlこ常にCF 活性のみを示しHA活性の混在を認めることばなか ったがρ‑1.19□画分には低い値の HA活性をみるこ とがあった. p‑1.270からp‑1.210に至る各画分は
 ̄HA及びCFの両活性を認め,特にρ‑1.250または ρ‑1.240画分ほ両反応とも最も高い値を示・した・感染 性はρ 1.270からρ‑1.210の画分に亘って認められ ρ‑1.250の画分は最も高い感染価を示し'その値は 5.2×10WPFUであった.
HA及びCF活性域の分離は上記のような遠沈傑 件で‑応可能になったが,さらに明瞭な分別を意企し
て次のような実験を試みた.
ooolM EDTAを添加した001M Tris緩衝液 (pH 8.0)にCsClを溶解し,所定の密度の溶液を 調製し,不連続密度勾配遠心法を行うことにした・こ のため,予め目脳ウイルスに及ぼすEDTAの影響 を検査した. 7.0×106/o.2^ PFUのウイルス液と o.oolM及びO SM EDTA加Tris緩衝液(pH 8.0)
とをそれぞれ等量に混合し, 4o C, 3時間及び14時間 保った後, Plaque法でウイルスの感染価を測定し た Table lに示されるように 0.5MEDTAの場合,
5時間後の感染価は1. 1× 106/o.2w/ PFUで75.73?描, 14時間後ほ6.1×103/o.2サ/PFUと著しい減少を示し たが 0.001M EDTA添加の場合は特に5時間後の感 染価には全く影響を認めなかった.従って, O・001M EDTA加Tris緩衝液(pH 8.C ばCsClの溶媒とし
Table 1. Effect of EDTA on infactivity of the virus of Nakavama strain.
incubation time
Virus titer (PFU/0. 2m) ). 05M EDTA ).001M EDTA
Original 3 hours 14 hours
7.0 x 106 1.1 x 106 6.1 x 103
2.7 x 103 2.2 x 101 5.2 x 10"
て使用することが可能であると考えられた.
0.001M EDTA加Tris緩衝液(pH8.0)に溶解 したCsCl溶液p‑1.450のもの1.5*Jをセルロ‑スチ エ‑ブに入れ最下層とし, ρ‑1.350及びρ‑1.220の もの0.6w/ずつを重層し Diflon l13処理ウイルス液 ).6mlほ重ねて 39500rpm, 3時間遠沈した.数回の 尖験のうち,ウイルス液を違えて行った実験をFig3
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1 2 34 5 6 7 8 9 1011 1213仏15 Fraction number (10drops) Fig 1 Sedir冊ntation pattern of hemagglutincL‑
1ion and com印ement fixation compon‑
ents in CsCl density gradient
こ二妄言乙experiment 〕 HA A‑A去snとexperiment〕 cF
(バ) 2o4 引
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Fractionnumber(10drops)
Fig.2Sedimentationpatternofhemagg‑
lutinationandcomplementfixa lioncomponentinCsCldensity gradient
ニ三三snとexperiment〕‑A ‑alnfectiviモy
△‑」1stexperime nd'/nlcF
2nd
1〕6 岡 六 四 及びFig4に示した.両実験ともHA活性はp‑1.Sl□
からρ‑1.210の画分に, CF活性はρ‑1‑270からρ‑
1.160の画分に亘って認められた.また, ρ‑1.310及 びρ‑ 1,290画分は4倍ないし52倍と比較的低い値でほ あるがHA 活性のみ, ρ‑1.190からρ‑1.160に至る 画分はCF活性のみを認め, HA及びCF活性域の 分離が極めて良好になったことが注目される.
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16 17 1819 2021 2223氷252627 Fraction numbeKeach 5 drops) Fig.3. Sedimentation pattern of hemagglutination
and complement fixation component ln CsCI 由r‑sny gradient Contained 0.001 M EDTA
HA ふ 仁F
Ⅱ.日脳ウイルスのHA及びCF活性に対する加熱 の影響と加熱ウイルス液の密度勾配遠心法
Diflon l13処理ウイルス液を40℃から6〇℃まで 5 ℃ の温度間隔でそれぞれ5分間加熱し直ちに水冷 した後, HA及び CF活性を測定した.或績ほFig 5 に示されるように45‑C, 5分間の加熱でHA活性は 完全に失われるが, CF活性は60‑C, 5分間の加熱
でもなお抗原性の失活ほ認められなかった.
0.01M Tris緩衝液(pHs.o;に溶解したCsCl溶 液l.Smtをセルロ‑スチエ‑ブの最下層におき, p‑
1.55〇及びp‑1.20〕のCsCl溶液o.&mtずつを重層し 最上層に45oC, 5分間加熱したウイルス液0.6〝lを 重ね, 59〇口〇rpm, 3時間遠沈した.沈降パターンは Fig.6に示されるようにρ‑1.260から ρ‑1.17〇の画 分に亘ってCF活性を認め, ρ‑1.180画分ほ最も高 い値を示した. p‑1.31口から p‑1.280に至る画分に はCF活性は認められず,加熱不活化のためHA活性 も勿論示されなかった.
1280h 512 640h 256 320h 128
」 l ゝ̲
」160ト亘64
:J=
壬BO¥ft32
40h 16 20 8
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// ヽhr‑A‑Aヽ
1.31 0 1.290 1.270 1.250
ヽ 1230
I也I.210
】.190 日1.170 マensity g/cm3)
1617 18 19 2021 22232425 26 27 Fra⊂tion number Fig.4
bedimentation of hemaggiutination and
complement fixation corr町1ent in CsCl
density gradient ca=tained 0.001M EDTA.
o・・・‑o HA ム CF
&‑
ヽ
ヽ
ヽ
ヽヽcf
<
M C D o O ム
引 CD
Ja )こ VH
2 6 8 3 1
PU巾山U
4
I
I
I I I
l
I l
I
37 40 45 50 55 60 Temperature('c) heated for 5 min
Fig.5 Effec of heat on hemagglutination書
and complement fixation activity of JE virus of Nakayama strain
o‑o HA I CF
L」本脳炎ウイルスの形態学の朋党 107
.) 空山 U
256 128 64 32 16 8 4
1.300 1 280 1.260 I.240 1.220 1.200 HI3S l.16O
density (g/cm3)
9 10 ll 12 13 14 Fraction
Fig・6 Sedimentation pattern of heated virus of Nakayama strain after cen‑
trifugation in CsCI density gradient CF
Ⅳ.密度勾配遠心画分の電子顕微鏡(電顕)による観 察と日脳ウイルスの基本構造
Fig. 2 に示された沈降バク‑ンのうちサP‑1.310, ρ‑1.1290,ρ‑1.250及びρ‑i.19Dの各回分について 行った電顕像の再現性を確認するため超遠心試料を変 えて頻何に実験を行い,連続Focusによって得た像 から慎重に写真判定を行うことに留意した.
p‑1.290及びp‑l. 0画分の燐タングステン酸 (PTA)陰性染色所見をPhoto. 2及びPhoto. 3に示し
た.検鏡視野のLf]に稀に経約4Smμ a)粒子が混在して いた. p‑1.28□の画分の中の粒子の混在はp‑1.29ロ画 分より多いように考えられた.これらの混在している 粒子の内部はdensity の低い物質から形成されてい るのに反して,辺縁は‑定の構造によって形成されて いるenvelope (Photo.3矢印)を示唆する像がみら れる.多くの混在小粒子はこのenヽ'elopeが崩壊して 生じた像と考えられる Photo.2及び Photo.3の竜 顔像を示すp‑1.290及びp‑1.28晒分がHA活性 のみを示すことば旦引こ述べた通りであるが, HA活性 ほこれらo)形態学的小粒子が保持しているものと推 定される Photo.4はp‑1.250 画分 Photo.5ほ />‑1.240画分の電磁像である.両画分ともHA及び CF 活什が高い Photo.4 には往約4Omμ の完 全粒子のほか envelope の解離を示唆する粒f及び envelope 由来の小粒子の;競業 Photo.4矢印)を 示唆する像がしばしば認められた Photo.5 の所 見もほぼ同様であったが,特に粒Ifの破壊を‑Sわせ る像・さまp‑1.250何分の場合より多いようにノ出われ
た.完全粒J'‑0大きさほp‑‑1.25〕画分の場合と同じ く後約4Omμであるが,解離を示唆する粒子ほ50mμ 或いはそれを越えるものも認められた Photo.5には envelope の解離を示唆する惣(矢印A)やdensity のやや低い中心部の構成物がenvelope と明かに区別 される像としてしばしばみられる(矢印B). ρ‑1.190 画分の電顕像はPhoto. である.この画分は小粒子 の凝集が主な像であったが envelope の解離を思 わせる粒子が混在している視野を稀に認めた.しかし, ,3‑1.19〇より軽いp‑l.160画分にほ粒子の混在はほ とんど認められなかった.これらの小粒子ほPhoto.2 及びPhoto.3にみられたようにHA活性を示すρ‑
1. 510及びρ‑1.29〇両分の小粒子ほど凝集の傾向は著 しくない.既に述べたように, p‑1.190及び/>‑1.160 両分がCF活性のみを示すことから,本画分にみられ る小粒子ほCF活性を有しているものと推定すること
:::バ:'l'iに
photo.'はp‑1.260画分の2%PTA及び1%酪酸 ウラニ‑ルニ重染色所見である.矢印Aほ完全粒子と考 えられその大きさは35mμである.矢印Bは‑定の構 造単位の配列を思わせるen、,elopeを示し,矢印Cほ それが凝集した像であって,縁組な網目構造を推定す ることが可能である.粒子の中心部はenvelopeより ややdensityの低い一定の構造をもつと考えられる Ilucleocapsid が明輝な像としてとらえられている
(矢印D).
Block testの試みとblock抗原(中和抗原) の推定
1̲ Plaque減少法による中和試験
Diflon.113処理ウイルス液とその免按血清を用いて 行ったplaque減少はによる中和試験の成縫はTable 2である.この場合,使用したウイルス壷ほユ.2×104 pFU である Plaque減少率503?以上を 指杷享とすると免控血清の抗体価は256G倍であるが・
plaque減少率8□9b以上を指標とすると1280倍である.
2. Block test の読み
本テムは抗血清及び抗原の巾和/丈応の系で余剰の抗体 の有無を,その中礼文応系に更に‑近道の活性ウイル スを加え Plaque 減少の有無で判定しようとしたも のである.
抗体のblock のためにJ ̄批、た抗煽と指示ウイルス 'seed virus)とが共に1.25×104/o.2サ/PFUの場合 の成績はTable である.抗血清の稀釈が1か〕C倍の 場合ではなお完全に抗体のblock がなされずメモ剰の
1O8 岡 六 四
Table 2‑ Neutralization test of homologous antiserum and antigen of Nakayam strain.
Antiserum and Virus
Number oi plaque per a bottle
Average number
Buffer + Seed virus 54, 46 50
Antiserum dilution l : 160 1 : 320 1 : 640 1 : 1280 1 : 2560 1 : 5120 1 : 10240
O O
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N O
2
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‑ 1 C N N O ノ ー )
フI CO T1‑ CVI Tt‑ OOつi i/‑j ¥r.
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Seed virus was used at the titer of 1. 2× 101/0. 2ml PFU.
抗体のためseed virusによって生ずるplaqueはな お78.1%の減少を示している.しかし 240□倍稀釈 でははぼ充分に抗体の blockが行われ(中和の平衡) seed virusのplaque 数はもとの数に近い値を示し た.即ち block抗原として1.25×10VO.2W PFU ウイルス液を用いる限り供試血清の中和抗体価ほ2400 倍を示し,前項のplaque 減少法による 中和抗体価 とほぼ同じ値である.
Table 3. Block test of antiserum against Nakayama Strain with homologous antigen.
NuAntiseru‑andViruspla琶ibero uespe
settle三Average number
Buffer十Buffer+Seed 33, 35 34
Buffer+Seed+Seed virusvirus75,7073
O サ ー H O
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‑ i C M o c n フ l q ノ
3 1
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0 0 0
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¥diluti。n慧ock¥
tigen/
cl 3004‑Seed)+Seed vvirus7virus
〃
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+ + + † + + + +
ヽ ノ ) ヽ
‑ ノ )
「 ノ
、
‑ ノ
、
‑ ノ )
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(1 : 400‑t‑
(1 : 600+
(1 : 8004‑
(1 : 1200+
(1 : 1600+‑
i'l : 2400十 (1 : 4800‑f (1 : 9600‑t‑
Block antigen and seed virus were used at the titer of 1.25 X IO*/ 0.2ml PFU.
他方,上記と同じblock test系で, 1.6×106/o,2‑
Ji^PFUのウイルス量をblock 抗原とした場合,前 項の成績と多少のずれが認められた.成績はTable 4‑
に示されるように,.抗血清の400倍稀釈でほなお余剰 の抗体のため seed virus ほ中和され,そのplaque 数は平均6個しか出現しなかった.しかし,60〇倍稀釈 では抗休の blockはほぼ充分に行われ,従ってseed virusのplaque形成ほもとのplaque数に近い値を 示した. 1200倍稀釈ではblock 抗原として用いた活 性ウイルスも加わってplaque形或はseed virus2>
plaque数をはるかに越えて出現した.
Table 4. Block test of antiserum against Nakayama strain with homologous antigen.
NuAntiseru‑andViruspla a琶iberof
uesper
>。ttleAverage number
Buffer+Buffer+Seed virus43,46∃45
Antiserum dilutioi1
(1:200+Buffer)+Seed yvirus
(1:400+〝)+〝
ri 200+Block^+Seed antigen7virus (1:300+〝)+〝
(1:400十〝)+〝
(1:600十〝)+〟
(1:1200+〝)+〟
, ' 一 . ヽ J 2 r O
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‑
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lヽ‑ ^c
0 O 0
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>
0
〇 一 . ヽ J 7
Block antigen and seed virus were used at the titer of 1.6 X 108/0.2ml and 1.2X 101/0. 2ml PFU respectively.
以上の所見から,抗血清の稀釈及び抗体のblock に用いる抗原の濃度或いはウイルス壷を規制すれば, 抗血清の中不口抗体測定や抗原の分析的研究などに応用
し得る可能性が考えられた.
3.加熱ウイルスをblock抗原としたblock test Diflon l13処理ウイルス液5. 6× 106/o.2iサ/PFUの寸 ものを50‑C, 10分及び5O分, 60℃, 10分加熱し直ち に水冷してblock 抗原とした‑方,生残ウイルスを plaque法で測定した. 59oc, 10分加熱後の生残ウイ ルスは2,5× 10VO.2サJPFU,50oC,50分では2. 0× 102' 2mt PFUであったが, 6〇'C, 10分加熱試料では plaqueの,'H現を認めなかったblock testの実験系
は抗血清の稀釈液とblock 抗原(加熱ウイルス)と を作用させた後1.24× 10VO.2o/PFU のseed virus‑
を加え‑定時問後,その混液をio一稀釈してその).Z
日本脳炎ウイルスの形態学の研究 1O9
nEZをPS細胞単層培養に接種しplaque 法を行った.
この際50℃, 10分加熱の場合,抗体のblock に使わ れた生残ウイルス以外の余剰のウイルスとseed virus とのplaque数の和として得られるが,5D℃,5D分加熱 ウイルス液に含まれる生残ウイルス 2.5× lOVO.2ml PFU はio‑2稀釈されるため成績の判定に実際上ほと んど支障がない.また, Table 4で明かなように ユ.6×
106/o.2^ PFUのウイルス液をblock抗原として使 用する限り抗血清の6OO倍稀釈でblock 抗原による 抗体のblock (中和)は平簡閲係を示したので, 5.6×
106/o.2w/ PFUのウイルス量を block 抗原として 使用する本項の実験では,抗血清の稀釈は500倍, 400 倍及び600倍のものを使用することにした.
50‑C, 10分加熱ウイルスをblock抗原とした場合, 抗血清の5DO倍稀釈では抗体余剰のためseed virusほ
Table 5. Block test of antiserum with homologous heated virus of Nakayama Strain.
Antiserum and Virus
Number o王 plaques per a bottle
Average number
Buffer+Buffer+^ereuds Bサ"er+?SX;S
Antiserum dilution
(1:300+BufferノSeed
‑virus
(1:400+〝)+〝
(1:600+)+"
1 : 300+HIO/5CT)+ Seed
(1 :400+ 〝 )+ 〝
(1:600+ 〝 )+ 〝
(1:300+H30/50;+Seed v'yvirus
(1:400+〝)+〝
(1:600十′′)十〝
(1:300+HIO/60;+Seed (1:400+〝)+〝
(1:600+
⁝⁝∴⁝∵⁝∵⁝⁝。。。cNi‑H<VJ 4‑郎ooor‑t‑‑coヱ‑‑6ヱ‑‑1
HIO/50, H30/50 and HIO/60 mean heated viruses atSO=C and 6CPCfor 10 or30minutes. The plaque forming units (PFU) of original virus was given 3.6 X 103/0. 2ml. The survivalviruseswere calcu‑
lated 2.5XIO生/0. 2ml and 2.OxlO2/0.2 ml PFU
after heated at 50‑C for 10 and 30 minutes respe‑
ctively and no virusat 60‑C forlO minutes. Seed viruswas used attiter of 1.25X ICU/U2ml PFU.
ほとんど中和され平均7個のplaque しか出現しな かった. 40口倍及び600倍稀釈の場合seed virus の plaque数ほ平均57及び49を示し,5Doc, 10分加熱ウイ ルスによって77%或いはほぼ完全に抗体のblockが行 われた. 5口℃,50分加熱ウイルスの場合,500倍稀釈血 清では余剰の抗体のためseedvirusはほぼ完全に中和 されたが4〇0倍及び6〇〇倍稀釈では加熱ウイルスによる 抗体のblockほやや低下しseedvirusはなお余剰の 抗体のため中和されplaqueは16及び28個を形成した.
これらの成備には 50‑C, 10分及び50分加熱後の生残 ウイルスがなお, 2.5×10*/0.2ォ/及び2.0×10VO.2w/
PFtT存在していることを考慮する必要があろう. 60oC, 10分加熱ウイルスの場合,加熱ウイルスによる抗体の block能ははとんど失われ400倍及び6DD倍稀釈血清 も余剰の抗体のため seed virus ではほとんど完全 に中和され plaque 形成は平均1個を示したにすぎ なかった.いずれにしても,加熱の程度が進むにつれ て,抗体を block する性質が失われることば明かで あるが50oC, 30分加熱ウイルスによるblock能の低 下及び69℃, 1D分加熱ウイルスによるblock能の失活 は block にあずかる抗原が極めて易熱性で粒子の 表在性の構成成分であるとを推定することが出来る.
4.密度勾配遠沈画分による block test
Fig. 3に示した密度勾配遠沈画分のうち, No. 16, 17画分(p‑1.315 p‑1.300), No.20,21画分(p‑
1.250, p‑ 1.240),No. 22,23 画分(p‑1.22〇, p‑
1.210)及びNo.26,27画分O‑l. 170,p‑l. 160)を用い てblock testを行った.この際,画分中の抗原量が予 想以上に少いことが考えられたので抗血清の稀釈度を 著しく高くし,抗原による抗体の block の動態を細 かく把握することに努めた.成績はTable 6に掲げた.
対照で行った抗血清,緩衝液 seedvirusの系の中和 は抗体量の不足のため中和が不充分でseed virusの plaque 数はなお,もとの数の25.〇%が形成されたの で,これを参照して以下の成績を吟味する必要があっ た Noユ>f 17画分ほHA活性のみの画分である.本 抗原によるblock testでほseed 、′irusのplaque数が 44.2%出現しているので抗体のblock を‑応諾める ことがffi来るが,勿論充分ではない.これば,No. 16, 17画分のHA仙は低く従って本画分に含まれる抗原 量が少いためと考えられる.No.2□, 21画分は完全粒 子を含む画分である.本抗原による抗体のblockほ最 も充分に行われ block 後のseed 〜,irusの plaque はもとの plaque数にほとんど近い値で plaque形 成は96.1%を示した.他方 No.22, 23画分はNo.20,
2ユ酎分に近い軒分であって,完全粒:fをも多く含んで
110 周 六 四
Table 6‑ Block test of antiserum against JE virus of Nakayama strain with sedimented fractions of homologous antigen in CsCl density gradient.
Antiserum and antigen Number of plaques
per a bottle Average number Percent of plaque formation (J%)
^f3」2o.1‑HSV+renりE;uB+re一・lc=uB
S3, 51 52
/Antiserum
¥diluti。n+慧ock^
tigenj
(1:5120+BuffeO+jJed (1:+Fr.16,17)+
+Fr.20,21)+
(〝+Fr.22,23)十〝
(〝+Fr.26,27)+〝
ll, 14 21, 24 56 18, 13 13, 15
13 23 51 16 m
25.0 44. 2 96.1 30.0 26.9
Fractios No.22 and 23 were heated at 56‑C for 10 minutes.
いることは勿論である.本抗原を 56oc, 10分加熟す ると block能は全く失われ plaque 形成はもとの plaque 出現数の50%を示し,上記の対照と同率に近い.
No.26, 21画分は CF 活性のみの画分であるが, 本抗原を使用した block testの系では, seed virus
のplaque形成率は26.9%を示し,対照と同率に近く 本抗原による抗休のblockは認められない.この際, No. 25, 27画分のCF価は完全粒子を含むNo.20, 21
画分とほとんど同じ値を示しているので,本項の実験 に使用した抗血清5120倍稀釈液に含まれる抗体に対し てNo. 26, 27画分の抗原量が少いとほ到底考えられ ない.
以上の結果からHA活性画分は抗休をblockし得 る抗原であること,即ち中和にあずかる抗原であるこ と,また CF 活性画分にばその作用がないことを推 定することが出来た.
考 察 目脳ウイルス粒子の基礎的研究は多くの人々によっ
て行われてきたが,粒子の基本構造や構成成分の機能 特に中和抗原との関連やHA及びCF抗原の分離な どについてはなお明確な所見の提示を欠いでいる.
日脳ウイルス粒子の大きさについて,東(196ワ)に よれば, CsCl密度勾配遠心法で精製した試料の中の 粒子は40‑45mμであるが, PS細胞内増殖の粒子は超 薄切片によると58mμであるといい,前者がシャドウ 効果によるものと述べている Kitaoka, M. and Nishimura, C. (1964), Nishimura, C. and Kitaoka, 叩 (1965), Nishimura, C., Nomura, M. and Kitaoka, M. (1968),は感染マウス脳から抽出,精製した粒子 ほ4Dmμ内外であったという.著者は感染マウス脳か らDiflon l13処三埋で部分精製しCsCl塊度勾配遠心法 で得た画分由の粒子が40‑45mμであることを認めた.
日脳ウイルスの陰性染色所見ほNishimura, C. and Kitaoka, M.Q964)によって示され,粒子の外層に projection様の構造があるのを指摘しているが,その 電顕写真に関する限り基本構造は明かでない.著者は PTA染色 PTA及びUranil二重染色及びUranil
染色の5種の方法のうち特にPTA及び Uranil二重 染色でenvelope及びnucleocapsidの像を明確にし 得た(Photo.7).目脳ウイルスのこのような構造は Horzineck, M. and Mussgay, M. (1969)によるシン ドビスウイルス,及び Smith, T.J., Brandt, W.E.
et al (1970)によるデング熱ウイルスのenvelope及 び nucleocapsidの構造の推定所見と同じである.
著者はCsCl不連続密度勾配遠心法で59000 rpm, 5時間の遠沈でFig.2に示すように, HA及びCF画 分の分離に‑応の見透しが得られたので,更らに南画 分の分離を効果的にするため0.001M EDTAをCsCl 溶液に添加し密度勾配遠心法を行った.本法でFig. 3 及びFig. 4に示したように南画分の分離は極めて確 実な再現性を示し,かつ‑層明瞭な分離を行うことが 出来た.この際,使用したEDTAの濃度では電顧的 観察及び感染性の測定成績から粒子に与える影響はは とんどないと考えられた.以上のように,感染マウス脳 を出発材料とし Diflon l13処理で得たウイルス液は, アセトン,アルコール沈澱法及び硫酸プロタミン処理 法に比して,粒子の解離はやや強いように思われたが,
日本脳炎ウイルスの形態学の研究 111 封A 及びCF y身性の保持とその分節=̲のたれにほ有用
な試料であると:号えられた.
HAのみの画分L7分離に関する報告ほ,口脳ウイル スに関する限り他に見当らないが, CF酎分の分離ば デング熱ウイルスに‑=いてSmith,T.J.,Brandt, W.
E.et al.(1970)によってなされている.氏等ほ感染 マウス脳を出発材料とし硫酸プロタミン処軒去で精 製したウイルス液をsucrose及びCsCl密度勾配遠 心法で分画し, HA及びCF活性を示す2つのpeak のほか, HA能を欠くCF画分が最上層に認められ'
これを Soluble CF antigenと呼んだ、この所見ほ 著者の成績と編めて類似していることが指摘される・
他方, R脳ウイルス粒子の構成成分と中和抗原との f男達についてほ多くの研矧こもかかわらずFL'確に論及 された姿紺こ乏しいのが現状である Envelopeをも ち, lipidに富むRNA型ウイルスとしての日脳ウイル スは形態学的に同じ範噂として考えられるMyxovirus のインフルエンザウイルスの形態学とその機能のイ メ‑ジと明達して想定されているといっても過言では
ない.他//, n帥」i/u原にf東する「 は component vaccineへの道につながるものとして」*^6て禿要な意 義をもっているものと考える.こうした考えEこ‑7Kして 通常の中和反応の術式を改め block testを試みた・
本法ほ抗体畳も抗原畳も注意深く規制して行う限り,
「柵の動態をよく把矧」煉ることが特徴である・本法 によって日脳ウイルスの中村=こあずかる抗原が極めて 易熱性のものであり,恐らくほ表存性抗原であること が先ず推定された.また, CsCl &'度勾配遠沈画分に ょるblock testの所見からCF榊と城には中和能が なくHA活性域にその作用があることが示された・こ れらの‑遵の成臨は桂子の構成成分のうち蓑存性の envelopeに巾和抗原としての意義づけが可能である・
同様の所見はシンドビスウイルスについて実験した Bose, H. R. and Sagik, B. P. によって枯 られ,抗血清の吸収能ほ en、elope が最も効率的で nucleocapsidにほその作用がほとんどないことを示
している.
結 昌
Diflon l13処Ir蛸Rウイルス液はウイルス粒子の強い 破壊を伴うがHA及びCF活件の保持が他の抽出抗原に 比べてすぐれており,他方,両抗原活性城を容易に分 画LH来る試料であることを確認した.また, 0.001ユ,I EDTA加CsCl桝液を川いる済度勾配遠心法で容出 に HA及びCF清作分画がIl!',来る方法を考案した.
粗製ウイルスの陰性染色試料の電顕像から,口脳ウイ
ルスはenvelope及びnucleocapsidによって構成さ れているものと縦走した.加熱ウイルス及び密度勾配 沈遠何分による抗体のblocktestの結媒,envelope に熟に不安定な巾和抗即ほ認め,nucleocapsidに はその活性がないことを推定することが汁卜来た.
稿を終るにあたり,木研究に閲し終始御指導を(n
‑rel>
御校閲をいただいた杯薫教授に探1柱の謝意を表します・
参 考 文 献 (1) Bose,防・訣and Sagik, B.P : Immunological
activity associated with the nucleocapsid and :omponents of an arbovirus. J. Virol.,
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(8)与那城敏夫:日本脳炎ウイルスの血球凝集反応に及 ぼすTween の影響:熱描医学, 12:22‑37,1970‑
112 1"1
Fig. 2a esCl dcsity gradient of JE virus of Nakayama strain.
Ph,)to ,. Partially purified \'irus extracted from infedcd slIckling mouse brains with Diflon IU and negatively stained with 2 Q? PTA. :\iagnification 100,000 X
Photo 2. Fraction No, 7 (p= 1. 290) of Fig. 2 stained with 2
%
PTA.l\'lagnification 100,000 X
Photo 3. rraction No. 8 (p=I.230) of Fig. 2 stained with2 -?,.; PTA.
i
'dagnification 100 000 X
113
114
Photo 4. Fraction No. 10 (p=t.250) of Fig.2 stained with2~6 PTA.
:Vfagnification 100,000 X
Photo 5. Fraction No. 11 (p= 1.240) o[ Fig. 2 stained with 2
"6
PTA.}Iagnification 100,000 X
Photo 6. Fraction No. 14 (p= I. 190) o( Fig. 2 stained with 296 PTA.
1\lagnification 100,000 X
"
,100mf '
:.--:w .• ~
Photo
7.
Virus particles in Fraction No.9 (p=
1.260) Of Fig. 2 double -negatively stained with 2 % PTA and 1 % uranil acetate.:\Jagnification 200,000 X