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年度助成研究実施報告書

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(1)

三陸総合研究 34

平成

20

年度助成研究実施報告書

災意識啓発 に関す る研究

研究者 (所属 .職) 山本 英和 (岩手大学工学部 .准教授)

研 究 者 連 絡 先 電話 :019‑621‑6441 FAX :019626441 Eメール :yamamoto@iwate‑u.ac.jp

URL : 研 究 目 的

高い確率での発生が予測 され てい る宮城 県沖地震 に備 えるため、大船渡市にお ける宮城県沖 ′ー 地震 を想定 した地震動予測地図を作成す るoお よび 、大 きな地震動 が予測 され た地 区の小 中学 校 を対象 に出前講義 を させ ていただ き、事前事後 に地震 防災 に関する アンケー ト調査 を児童 . 生徒 を対象 に実施 し、出前講義 が児童 たちの地域防災意識啓発 に重要 な役割 を果 たす ことを証 明す る○

研究結果の概要

1 背景及び課題 暮ニーズ等

(彰 背景等 : 地震調査研究推進本部 の予測 による と30年以 内に宮城県沖地震 が発生す る確 率が99%とされ 、南三陸地域では震度6弱程度 の揺れ によ り被害 を受 けるととが予想 され る○我 々は平成 18年度 の 「さん りく基金研究助成金」によ り大船渡市 において常時微動 の 観測 によ り地盤 の振動特性 の差異が地震 時の震度 の差異 を説 明できることを示 したo さら

に平成 19年度では簡易微動 ア レ‑探査 によ り地盤 の平均 s波速度 を区域 ごとに測定 し、そ̲̲ れ に基づいて大船渡市 内の各地域 の震度分布 と高い相 関があることを示 し、当該地域 では 地震 防災 に関す る基礎資料 が蓄積 されつつ あるo

課題やニーズ等 : 現在 、岩 手大学 では社会人 を対象 とした 「地域 を支 えるエ コ .防災 リー ダー育成 プ ログラム」 を開講 し、私 は、地震分野 を担 当 し講義 を受 け持 って.い る○ そ の際、地域 に根 ざした結果 は教育 に も非常 に役 立つ ことが確認 され たo子供 たちも自分 の 住む町の こ とには非常 に興味がある と考 え られ 、地域 に根 ざした防災教育が減災害 には有 効である と考 え られ るo

研究の 目的 と内容 : 本研 究では、大船渡市 を対象 として想定宮城県沖地震 による地震 動予測地図を作成 し防災教育 に役立て ることを 目的 とす るO よ り具体的には、(1)大船渡 市 を対象 とした微地形 区分 の250mメ ッシュデー タベースの構築 と平均 s波速度、表層地盤 増幅率の推定、(2)表層地盤 の増幅の影響 を考慮 した簡易地震動予測法 による特定の地震 を想 定 した地震動予測地図作成 プ ログラムの開発 、(3)想 定宮城県沖地震 による大船渡市 の地震動予測地図の完成、 (4)地震動予測地図を利用 した小学校 中学校 を対象 とした出前 講義お よびその防災教育効果 の証 明o以 上 の手順 で研究 を実施 したoただ し、(3)の予測 地図の完成 が遅れ、 (4)の出前講義 は本研究では実施 できなかったo

2 研究の実施 内容

2‑1 大船渡市 を対象 と した微地形区分の 250mメ ッシュデー タベースの構築 と平均 S波 速度、表層地盤増幅率の推定

地震 に よる地震動 はマ グニチ ュー ドの大小や スペ ク トル な ど震源 の特性 だけではな く、

ー4‑

(2)

特性 によ り揺れ の強 さは影響 を受 ける。 これ は簡単に言 えばや わ らかい地盤 は地震 時に揺 れやす く、かたい地盤 は揺れ に くい と知 られ てい る。厳密 には地盤 のボー リング調査 な ど によ りS波速度 プ ロファイル がかな りの深度 まで得 られていれ ば現在 は地震応答解析 な ど が可能である。 しか し、その よ うな詳細 な s波速度 プ ロファイル がかな りの深 さまで、か つ、2次元的、3次元的に得 られてい ることは地方都市 レベル では皆無 といっていい状況で ある。 しか し、地震 の発 生お よび地震 による被害 は、そのよ うな状況 を待 っては くれ ない。

そのた め、地震調査研究推進本部 では、特定の地震 を想定 し、丁寧 な地震動予測解析 を お こな う 「詳細法」 とは別 に 「簡便法」 も提案 してい る。 「簡便法」では、特定の震源 、マ グニチ ュー ド、地震 のタイプを想定 して、揺れ を予測す る対象 となる地点までの距離 か ら 地震 による最大速度 を経験式 (例 えば、司 ・翠川 (1999)な ど) を用いて予測す る。

司 ・翠川 (1999)の断層 タイ プを考慮 した地震動 の最大速度 の距離減衰式 を (1)式 に 示す。

loBPGV

=

0・5EIMw+0・003日D‑1.29‑

10g〔X+0.002帥 100jO叫.)‑0.002X (1)

ここで、PGV(cm/S)は最大速度、MWはモーメン トマ グニチ ュー ド、D(km)は震源 の深 さ、

Ⅹ(km)は断層最短距離 である。

ここで、地盤 の増幅率があ らか じめ分かっていれ ばその係数 を乗 じて最大速度 を予測す る。最大速度 が得 られれ ば計測震度 に も経験式 (翠川 ほか、1999)を使用 して変換す るこ

とが可能である。

翠川 ほか (1999)による最大速度 を用いた計測震度 の経験式 を (2) に示す。

I.w R

=

2・6日+172logP亡肝〔±0・21〕

4<Imm <7〕 (2)

本研 究では、 この 「簡便法」考 え方 を利用 して大船渡市の地震動予測値 図の作成 を試 み る。 また、表層地盤増幅率 も地盤 の平均 s波速度 がわかれ ば経験的に推定す ることができ る (例 えば、松 岡 ・垂川、1995)。地盤 の平均 s波速度 は簡便 的には地形分類 か ら類推す る∫ ことが可能である。

微地形 区分か ら表層地盤 の地震動増幅率 を推定す るために、以下の手順 が必要である。

①岩手県発行 の土地分類基本調査 の5万分 の1の地形分類 図を利用 して250mメ ッシュの地 形デー タベースを作成。

②地形 区分か ら地表下30mまでの平均 s波速度 (AVS30)を算 出。

AVS30か ら最大速度 の表層地盤増幅率 を算 出。

松 岡 ・翠川 (1994)による平均 s波速度 を利用 した最大速度 の増幅率の経験式 を (3) に示す。

logARV

=

1.E;3‑0.66logAFrSr±0.16

100<AF甘 <1500 (3)

(3)式で、増幅率が得 られれ ば、 (1)式で得 られ る最大速度 (PGV)に増幅率 (AR∨) を乗 じて、増幅 され た最大速度 が計算 できる。 さらに、その値 を (2)式 を利用 して、計 測震度 に換算す ることによ り、一般住民 にもな じみのある震度分布 に変換す ることがで き

‑ 5‑

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る。 以上が地震動予測値 図を作成す る全体の流れ とな る。

最初 に、大船 渡市の微 地形 区分 を250mメ ッシュを作成 し、デー タ‑‑ ス化 したO対象 と した範BEは、岩手脈が発行す る土地基本 分類調査 の5万分 の 1地形図 (盛 、綾里 、気仙 沼) である.5万分の 1地形 図の経度方向、及び緯度方 向 を80分割 し、1枚 あた り6400区画 を 作成 した。 具体的 な手法 と して、透 明 なア ク リル板 に地形 図 と同 じ大 きさの メ ッンユを作 成 して地形 図を透視 して、メ ッシュに相 当す る地形 を 目視 で読み取 ったO この条件 では、1 区画 あた り東西260m南北230m程度 、す なわ ち約250mメ ッンユのデー タ‑ース とな る。

その l区画のなかで主要 な地形 をli;eみ取 り、エ クセル を利 用 してCSV形式 (カ ンマ 区切 り テ キス ト)でデー タ‑‑ ス化 した。CSV形式 でデー タ‑‑ ス化す る ことに よ りエ クセル に準 拠す るアプ リケー シ ョンな らどんな もので も利 用可能 であ る し、 自作 のプ ログラムで もこ のデー タ‑‑ス を 自由に利用 できる。

図 1に盛 の250mメ ッシュ地形デー タ‑‑ スを示す。同様 に、図2に綾里の地形デ‑ タベ ー ス、図3に気仙 沼のデー タベー スを示す. 地名 はいずれ も岩 手掛 こよる5万分の 1地形 図の範 囲に相 当 してい る。判例で示 した地形分類 を番号 で割 り当てたCSV形式の ファイル を作成 した。そのデー タ‑‑ スを利用 して、メ ッシュごとに分類番 号にあた る数字 を描 き、

境界 を省 き加 えた ものが図 1か ら図3に相 当す る。 このデー タベー スを利用すれ ば、図4 か ら図6に示す よ うに、各地形分類 を各種 の色分 けに よ り袈現 した。 5万分 の 1の地形 図 を単位 と した縦 80行横 80列 のxyメ ッシュのCSVデー タと、6400行 か らなる xyzのCSV

デー タを両方作成 した。

1 250mメ ッンユの地形デー タ‑‑ス (盛)

(4)

p. 〜W./

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三陸総合研究 34

141930■ 141o36■ 141o42‑

4 250mメ ッシ ュの地形 分類 (岩 手 県 盛 )

141.48r 141o54■ 142oOO■

図 5 250mメ ッシ ュの地形 分類 (岩 手 県 綾 里)

山地 丘 陵地 台地 扇状地 産錐性 扇状地

谷底 平野 及び氾濫平野 海岸 平野 及 び三角州 自然堤防

旧河 道 浜及び河 原

被覆 砂丘 及 び砂 喋砂 州 裸 出砂丘 及 び砂 嘆砂 州 人工 改変地

河 川 . 潤

‑8‑

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141o30 1419〕6■ 141.42r

6 250mメ ッシュの地形分類 (岩 手膜 気仙 沼)

海 ・県外領域 山地 丘陵地 台地 扇状 地 崖雄 性扇状地

谷底 平野 及 び氾濫 平野 三角州

自然 堤防 浜及 び河原 人工 改 変地 砂丘

こ うして、地形 のデー タベー スが完成すれ ば、各種 の既往 の研 究 によ り、微 地形 区分 な どか ら地盤 の平均 s波速度 が経験 的に推定可能で あ り、その平均 s波速度 か ら表層地盤 増 幅率が経験的に推定可能 である。

松 岡 ・翠川 (1994)による微 地形 区分か ら地盤 の平均 S波速度 を求 める経験式 を (4) 式 に示す。

logAVS30=a+bLogH+cLogD± cr (4)

ここで、AVS30は地表下30mまでの平均S波速度 (/S)、a、b、 Cは回帰係数、Hは標 高、

Dは主要河川 か らの距離で あるD各の回帰係数 は、藤本 ・翠川 (2003)の東 日本 の値 を利用 したQ 図7か ら図9に、岩 手県発行 の5万分 の1の地形 図の、盛 、綾里 、気仙 沼の範 囲に お ける、(4)式に よ り推定 した平均S波速度分布 を示す。盛 の地図では平野部で平均S波 速度が400m/S未満 の値 が分布す るが、山地や丘陵地では400m/S以上の借 が分布す るC海 岸 平野は S波速度 の値 が小 さい。 ただ し、非常に値 のノ」、さい人工改変地は今後検 討が必要 である。

‑9‑

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図 9 250mメ ッシュの平均 S波速度 (AYS)(岩 手県 気仙 沼)

微地形 区分 に基づいた平均 S波速度 が得 られれ ば、表層地盤増幅率 を経験式 (3)を使 用 して求 め るこ とができ る。 図 10か ら図 12に、平均

s

波速度 か ら換算 した、盛 、綾 里、

気仙 沼地域 に相 当す る地震 時の表層地盤増幅率分布 を示す.海岸 平野では ARV2以上 を 示す地域 が多 く、地震 時 に揺れ が増幅す るこ とを意 味 してい る. 一方 、 山地や 丘陵地 では 1倍未満 を示す地域 が多 く、地震 の地盤 による増 幅の影響 がほ とん ど無 い ことがわか る。

141°30‑ 141■36■ 14142‑

10 250mメ ッシュの最大速度 の表層 地盤増幅率 (AR∨)(岩手県 盛 )

‑ ill‑

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図 9 250m メ ッシュの平均 S波速度 ( AYS) ( 岩 手県 気仙 沼) 微地形 区分 に基づいた平均 S波速度 が得 られれ ば、表層地盤増幅率 を経験式 ( 3) を使 用 して求 め るこ とができ る。 図 10 か ら図 1 2 に、平均 s 波速度 か ら換算 した、盛 、綾 里、 気仙 沼地域 に相 当す る地震 時の表層地盤増幅率分布 を示す.海岸 平野では ARV が 2 以上 を 示す地域 が多 く、地震 時 に揺れ が増幅す るこ とを意 味 してい る

参照

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