九州大学学術情報リポジトリ

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

プラスチックフィルムへの香気成分の収着動態とそ の抑制に関する研究

松井, 利郎

Graduate School of Agriculture, Kyushu University

https://doi.org/10.11501/3054199

『 司r

第

6 1

;1'  保 吾 性 に 優 れ た 内 面 材 フ ィ ル ム の 開 発 (n )  低 密 度 ポ リ エ チ レ ン (LDPE) フ ィ ル ム に

対する電子線照射と収 ~~t 抑制効果発現機備

の 解 明

! l 1   1

節 緒 言

低 密 度 ポ リ ヱ チ レ ン (LDPE)フ ィ ル ム は 、 透 明 位 、 ヒ ト シ ー ル 性 、 柔 軟 性 、 強 靭 性 、 防 湿 性 に 優 れ る こ と か ら 単 体 フ ィ ル ム と し て の 使 用 の み な ら ず ラ ミ ネ ー ト 則 軟 質 材 と し て も 争 周 さ れ 1川 、 軟 質 材 総

/ s

?':j抵 の 約

86% •

^{，を 占} め る に 至 っ て い る . し か し な が ら 、 周 知1の と う り LDPEフ ィ ル ム は

EVA

フ ィ ル ム と 同 織 に ガ ス パ リ ヤ ー 性 に 非 常 に 劣 リ 、 例 え ば

0

， に 対 し て は ポ リ 場 化 ピ ニ リ デ ン (PVDC)や

エ チ レ ン ピ ニ

J

レア ル コ ー ル 共 i I i 合 体 (

EVOH)

の 約

5000

か ら

10000

倍 も の 高 い 透 過 性 を 示 す 1 25》 . さ ら に 第

3

章 で 判 明 し た よ う に 、 食 品 品 質 の 劣 化 要 因 で あ る 香 気 成 分 の 収 滑 に つ い て も 他 の フ ィ ル ム と 比 べ 特 に 顕 著 で あ っ た こ と か ら 、 LDPEを 量 内 層 と す る ラ ミ ネ ー ト フ ィ ル ム の 使 用 は 商 品 質 世 品 の 提 供 に 関 し て 大 き な 妨 げ と な っ て い る . LDPEの 食 品 周 内 函 材 フ ィ ル ム と し て の 使 用 に 関 す る 機 能 改 善 策 と し て は コ ロ ナ 放 電 処 理 " が 掲 げ ら れ る が 、 こ れ は 興 組 樹 脂 間 ! の 接 着 性 向 上 を 目 的 と し て お り 、 内 容 食 品 と の 接 触 簡 で の 収 着 挙 動 改 善 に は 至 っ て い な い .

i

I I i  

~において 、 EVA フィルムに対する低線量の電子線

照 射 に よ っ て 内 面 材 フ ィ ル ム と し て 保 持 す べ き 特 性 、 す

1 5 9  

. . . . . . . . ‑

な わ ち ヒ ー ト シ ル 位 、 加 工 特 性 を

l f l

な う こ と な く 岳 気 成 分 の 収 者 を 特 異 的 に 抑 制 し 得 る こ と を 明 ら か に し た . ま た 、 こ の 収 着 抑 制 効 果 の 発 現 は 照 射 フ ィ ル ム 内 で 緩 や か に 進 行 す る 架 燐 反 応 に よ る こ と が 示 唆 さ れ た . そ こ で 、 本 立 に お い て も 前 章 と 問 様 に 、 よ リ 合 目 的 な 内 而 材 フ ィ ノ レ ム の 作 製 を 目 的 と し て 、 LDPEフ ィ ル ム に 対 し て 電 子 線 照 射 を 行 い 、 香 気 成 分 の 収 着 に 対 す る 抑 制 効 栄 を 気 相 及 び 水 溶 液 相 両 系 で 検 討 し た . さ ら に 、 フ ィ ル ム 表 面 に お け る ポ リ マ ー と 香 気 成 分 と の 熱 力 学 的 相

E

作 用 に 基 づ い て 、 照 射 EVA及 び LDPEフ ィ ル ム で の 収 者 抑 制 効 * 発 現 機 備 の 解 明 を 試 み た .

!n 

2

節 笑 験 方 法

!n 

1

項 装 置

赤 外 分 光 光

J

J t 計 : 日 本 分 光 製 FT

/l

R‑3型 ATR.昌 也 . 日 本 分 光 製 MATR‑81 

ガ ス ク ロ マ ト ゲ ラ フ 、 サ ー ミ ス タ ー 、 流 量 割 、 朕 惇 計 は 鰐

3

'l)'

(21

頁 参 照 ) と 同 じ も の を 、 世 子 線 照 射 装 置 、 ヒ ー ト シ ー Jレ 装 置 、

Tensilon

、

DSC

、

1R

、 ソ ッ ク ス レ 抽 出 器 は ! n

5

'l)'

(94

頁 参 照 ) と 同 じ も の を 用 い た .

第

2

項 収 着 関 連 因 干 の 測 定

気 相 及 び 水 溶 液 相 両 系 に お け る 香 気 成 分 の 拡 散 透 過 溶 解 度 係 数 の 測 定 及 び 算 出 は 第

2

f . i に 準 じ て 行 っ た

(  1  4

頁 参 照 )

1 6 0  

第

3

項 実 験 材 料

1  供 試 フ ィ ル ム

本 : J ! 験 で は 、 昭 和 市 工 よ リ 入 手 し た

5

樹 首

1

の ゲ レ ド の 3も な る L0 

P  E  7

イ jレ ム (L J 33、LJ50.L137、MJ J 

2

、MJ 3 4 ) 並 び 丘 鎖 状 低 密 度 ポ リ エ チ レ ン (LLDPE) フ ィ ル ム を J I l ぃ た . な お フ ィ ル ム は イ ン フ レ ー シ ョ ン 法 で 成 形 し 、 フ イ jレ ム 停 は 企 て 40μmで あ っ た . ま た 、 KVAフ ィ jレ ム は 酢 酸 ピ ニ ル 古 品 15.0.t%、 聞 射 批 JOMradの も の を 使 用 し た

(第 5 j)'参照、 P.98).

2 . 

i ' t 気 成 分 及 び 試 薬

ベ ネ ト ラ ン ト と し て 用 い た 期 発 性 成 分 は 、 構 成 炭 素 数 が

4

か ら

10

の 炭 化 水 素 類 、 メ チ ル エ ス テ ル 類 、 エ チ ル エ ス テ ル 期 、 ア ノ レ デ ヒ ド 類 、 ア ル コ ー ル 奴 及 び テ ル ベ ン 系 化 合 物 で あ る リ モ ネ ン 、 ミ ル セ ン 、 シ ト ラ ‑) レ で あ り 、 市 販

( ナ カ ラ イ テ ス ク 製 ) の 特 級 試 薬 を そ の ま ま 使 用 し た 。 膨

J : l a

子 媒 は 、 全 て 市 販 ( ナ カ ラ イ テ ス ク 製 、 東 京 化 成 工 業 製 ) の 特 級 試 薬 を そ の ま ま 使 用 し た

界 而 活 性 押

l

は 非 イ オ ン 性 界 面 活 性 押

l

で あ る シ ュ ガ ー エ ス テ ル (8‑1170s 、H. L. B. fl也~ 11 三 菱 化 成 食 品 』k工 業 製 ) を 用 い た .

3 

試 料 溶 液 の 調 製

第

3 ' Q ' (22

頁 参 照 ) と 同 峨 に 行 っ た .

1 6 1 

司司・~

m  ^{.   4} t J i  

~tt 子線照射

LDPE及 び LLDPEフ ィ ル ム に 対 す る 市 子 線 照 射 は 第 5 章

(  98

頁 参 照 ) と 同 様 に 行 っ た . な お、 照 射

! ; t

^は

1 0

，

20 M ra d

と し た .

m  ⁵ 

^Jjj  照 射 フ ィ ル ム の キ ャ ラ ク タ リ ゼ ー シ ョ ン

1 .  

ゲ ル 分 串 ( 架 橋 密 度 )

抽 出 裕 媒 と し て シ ク ロ ヘ キ サ ン を 用 い て 照 射 LD PEフ イ ノ レ ム を ソ ッ ク ス レ ー 抽 出 し た . す な わ ち 、 フ ィ ル ム 約

O .  1 

gを 納 杯 し 、

1Z  0 

'cで

10

時 間 抽 出 を 行 っ た . 抽 出 後 、 シ ヲ ロ ヘ キ サ ン 不 溶 性 画 分 ( ゲ ル 画 分 ) を

3

時!日

i

減 圧 乾 燥 し た の ち 、 精 秤 す る こ と に よ り ゲ ル 分 車 を 算 出 し た . な お 、 算 出 は 式 (

1

7 ) に 従 っ た .

Z .  1  R

ス ベ ヴ 卜 Jレ の 測 定

透 過 法 に よ る

1R

ス ベ ク ト ル の 測 定 は 積 算 回 数

50

回 、 分 解 能

2 . Ocm ‑

Iの 条 件 で 行 っ た . ま た 、

AT

白 法 ( 全 反 射 滅 光

1  R

法 ) は 、 プ リ ズ ム

K RS ‑ 5

を 使 用 し 解 飽

4 . Ocm ‑

¹で 行 っ た .

3 . 

自 由 体 積 分 率 (f，) 

8t算 回 数

500

回 、 分

ポ リ マ ー の 熱 運 動 的 起 こ り 易 吉 、 す な わ ち 局 所 的 な セ ゲ メ ン ト の 7 レ キ シ ピ リ テ ィ ー を 支 配 す る ポ リ マ ー 固 有 の 因 子 ? 川 で あ る 自 由 体 積 を 以 下 町 式 に 従 っ て 算 出 し た . 完 全 非 品 ポ ' ) マ ー 中 の 自 由 体 積 分 事 f. は 、 温 度 (T) の 関 数 と し て

W LF

式 1 2 6 1に よ っ て 定 義 さ れ る . す な わ ち

司司or

r .= f~ + α(T

T ，)  ••• (22) 

こ こ で 、 f区 は ガ ラ ス 転 修 制 度 (

T

区 ) で の ポ リ マ

ー

の 門 由 体 制 分 車 で あ る .

L  0 

poに 対 し て

α 58)= 4 . .8 X 10"

、

TE 5 H 

=‑ 75

'C、

f = 0.025 ' "

と し た

.

な お 、

f o (LDPE  フ

ィ ル ム の 自 由 体 制 分 串 ) と f

.

の

W J

に は 次 の 関 係 ; が 成 立 す る

.

fo = f.(1

ー

φ . ) . . .   (2 3  ) 

こ こ で 、

φa

は 結 品 化 l立 の 体 制 分 車 を 示 し て い る . 従 っ て 、 (

2  2 

) 式 と (

23)

式 よ り 次 式 が 誘 導 さ れ る .

fo = U ， + α

(1

‑ T ， )](1

ー

φ

)

••• (24) 

す な わ ち 、

φa

を 求 め る こ と に よ リ f0の 算 出 が 可 能 と な る .

4 

機 械 的 強 度 、 ヒ ト シ ー ル 強 度 、 フ ィ ル ム 密 度 、 膨 澗 度 、 結 晶 化 度 及 び 磁 点 の 測 定 は 、 第

5

1;[  第

2

節

(  98

頁 参 照 ) と 同 様 に 行 っ た

.

第

6

項 溶 解 度 パ ラ メ ー タ ー の 算 出

2

種 の 分 子 集 合 体 を 混 合 す る 場 合 、 混 合 後 の 状 態 は 混 合 前 後 の 各 々 の

G

i 

b  b  s

自 由 エ ネ ル ギ ー に よ り 決 定 さ れ る . す な わ ち 、 混 合 的 自 由 エ ネ Jレ ギ ー が 小 さ い ほ ど 、 言 い 換

え る と 混 合 エ ン 担 jレ ピ ー が Oに 近 づ く ほ ど 、 よ り 良 〈 混 ざ り 合 う こ と に な る 】 2 H . こ の 時 の 混 合 エ ン タ ル ピ ー は 蒸 発 潜 熱 、 す な わ ち 個 々 の 分 干 の 凝 集 エ ネ ル ギ ー 密 度

(C E  0 )  

の 差 を 意 味 し 、 こ の

CED

の 平 方 恨 は 溶 解 度 パ ラ メ ー タ ー

(  S  P  f

直 / j

(c.l/cm')'

ノ， ) と し て 次 式 で 定 義 さ れ る

/J 

o(CED)  ，

n  ... 

(25) 

1 6 3  

，  ， ・ 》 . 

『

・ ^r

従 っ て 、

SP

値 は 溶 解 性 を 示 す 指 標 で あ リ 、

6

の

f

也 の 近 い も の ほ ど 相 解 性 が 良 い こ と に 配 る . そ こ で 本 草 で は 、 こ の

s p

他 の 概 念 を 導 入 し 、 日 分 子 の セ グ メ ン ト と ベ ネ ト ラ ン ト と の エ ネ ル ギ ー 的 な 相 互 作 則 、 す な わ ち 両 占 の 観

l l J

性 の 尺

J

! f . を 数 値 化 し 、 収 着 抑 制 効 柴 田 宛 現 機 作 の 熱

) J

学 的 解 析 を 行 っ た .

s 

^p値 を 求 め る 方 法 と し て は ① 物 理 的 特 性 ( 策 提 熱 ) 、 ②

SP  1 1

也 既 知 物 質 と の 制 約 位 、 ③ 化 学 構 造 ヵ 、 ら の

p :

出 方 法 符 が あ る . 本 論 文 で は 、 拘i発 性 成 分 の

S p  1

直 に

1

別 し て は ③ に 従 っ て 算 出 し た . す な わ ち 、

S

m a 

1  1

の 提 案 し た 分 子 引 力 定 数 を も と に 、 次 式 よ り

S

p 

1

i([を求めた

{j  =d Z G/M  ... (26) 

L 2 9 J 

. 

た だ し 、 dは ベ ネ ト ラ ン ト 溶 液 の 密 度

(g/cm'

) 、 " は 分 子 量 (g) 、

G

は 一 分 子 当 た り の 分 干 引 力 定 数 (

c  a  1  ) 

を 裂 し て い る . な お 、 本 理 論 は 水 紫 結 合 力 の 強 い ( 双 優 子 モ ー メ ン ト の 大 き い ) 成 分 ( ア ル コ ー ル 類 ) に 対 し て は 適 l f J 不 可 能 で あ る た め 、 こ れ ら 成 分 に 対 し て は 文 献 値

l :¥  0 ) を 採 用 し た .

一 方 、 高 分 子 の よ う な 固 体 物 質 に 対 す る

SP  1 1

也 の 算 出 は ほ と ん ど ② の 定 義 に 基 づ い て は い る も の の 、 そ の 測 定 法 に は 粘 皮 法 ，

， 

， ¥ 表 面 張 力 法

I 3  2 

) 、 マ イ ク 口 被 般 収 法

1 3  3  } 

な ど 種 々 の 方 法 が あ る . 本 実 験 で は 担IJ定 手 段 目 簡 便 性 か ら、

Hangarajl3

' の 提 案 し た 膨 潤 法 に よ り

SP  1 1

直 を 求 め た . す な わ ち 、 第

5

茸 の 膨 潤 度 割)1定 法 に 従 っ て

SP

他 既 知 ((j 

= 7 . 0‑1 1 .  

9)0) 22種 類 の 溶 媒 に 対 す る フ ィ ル ム の 膨 潤 度 ( Q ) を 測 定 し た . 次 に 、 5 に 対 し て

[lI V

In(Q齢・

./Q)]

，n

(V  ;

モノレ 体 刷 、

Q.

・昆

，

最大膨iIlJ

l

宜 ) を プ ロ ッ ト し 、

X

軸 と の 交 点 か ら フ ィ

J

レム の

SP  f

直 を 推 定 し た .

1 6 4  

司 司 ・ . ‑

第

3

節 尖 験 結 巣 及 び

4

・然

第

1

Jj'j  照 射 に よ る フ ィ ル ム の 物 性 変 化 I  岡 射 に よ る フ ィ ル ム (j)物 性 変 化

Table 

6‑1は 5駈 茸Iの LDPEフ ィ ル ム 及 び LLDPEフ ィ ル ム の 20Mradm干 線 照 射 に 伴 う 諸 物 性 の 変 化 を 示 し た も の で あ る . な お 、

1R

に よ る 短 納 分 岐 の 算 出 は 向 山 L 3 5 ) が 提 案 し た 定 量 式 に 従 っ て 行 い 、 ATR法 に よ る 末 端 メ チ ル 基 の 定 量 は 1467cm‑1の メ チ レ ン 基 の 吸 光 度 に 対 す る 1379c.リ

の メ チ ル 基 の 吸 光 度 の 比 と し て 定 義 し た . ま た 、 架 橋 に 対 す る 切 断 の 比 串

(p

，/o，)は第

5

章 ([30頁 参 照 ) に 準 じ て 求 拍 た . フ ィ ル ム 密 度 は 照 射 を 行 う こ と に よ リ L137、

M  1127 イ ル ム で ほ と ん ど 変 化 が な か っ た の に 対 し 、 L

1 3 3 ， 

L150フ ィ ル ム で 有 意 に 低 下 し た 一 方、 M134、LLDPEで は 逆 に 照 射 に よ リ 増 大 し た . ま た 、 短 鎖 分 舷 地 及 び

CH

司 法 鼠 は L1 33、LI50，LI37，MI12フ ィ ル ム で 増 加 し 、 M134、LLDPE フ ィ ル ム で は 減 少 し た o

m

子 線 照 射 に よ る 密 度 の 低 下 及 び 短 鎖 分 岐 、 メ チ ル 基 量 の 増 加 は フ ィ ル ム 内 に 生 成 し た ラ ジ カ ル に よ っ て 主 鎖 の 切 断 が 起 こ っ て い る こ と を 示 唆 す る も の で あ る . ま た 、 こ れ ら の 挙 動 と LDPEフ ィ ル ム の 分 子 量 分 布 (Mw/Mn)の!日1に は 密 接 な 関 係 が 存 在 し 、 分 子

量 分 布 の 大 古 い フ ィ ル ム ほ ど 電 子 線 照 射 に よ っ て 切 断 反

応 が 起 こ り 易 い こ と が 明 ら か と な っ た . 一 方 、 架 崎 密 度

は 相 対 的 に 低 い 値 と な っ た が 、 LDPE

フ ィ ル ム に お い て は

分 子 量 分 布 の 地 大 と と も に 架 綿 密 度 が 増 大 し 、 分 子 盈 分 布 と ゲ ル 分 車 の 間 に は 正 比 例 の 関 係 が 成 立 し た . す な わ

1 6 5 

Tab1e  6‑1  Characteristic change of LDPE  fi1ms  by e1ectron beam irradiation 

grade  L133  L150  L137  M112  M134  LLDPE 

dose tf.lradl  o  20 

。

20  o  20 

。

20  o  20  o  20 

density  [g/cml J  0.930  0.924  0.928  0.922  0.938  0.940  0.934  0.932  0.929  0.935  0.931  0.944  mo1ecu1ar weiq) ht 

Mn  (x10  1. 67  1. 83  1. 7 3  1. 99  1. 92  0.913 

ー

Mw Mw/出^{(x10)  14}8.5 ^{.3  16.5} 9.0  5^9..7^{79   1}6^1.. 0 ^{9  7}3.^.51 9 

， 

^4.23 

•

⁶ 

σ

コ

structure  (1/100C) 

'

"

 

IR  methy1  1. 77  1. 91  2.58  2.67  1. 28  1. 45  1.41  1. 61  2.36  2.17  1. 48  1.15  ethy1  2.49  3.10  4.20  4.33  2.07  2.35  2.29  2.61  3.83  3.53  2.40  1. 87  buty1  3.07  3.32  4.49  4.64  2.22  2.51  2.45  2.79  4.09  3.77  2.57  2.0  short chain  3.34  3.61  4.88  5.04  2.41  2.73  2.66  3.03  4. 45  4.10  2.79  2.17 

branching 

CHl  amountl)  0.185  0.233  0.190  0.213  0.111  0.158  0.130  0.176  0.179  0.103  0.141  0.083 

¥Ge1Z)  o  38.3 

。

50.3 

。

_29.7 

。

32.6 

。

_29.1  o  60.0 

ち 、 最 も 分 子 量 分 布 田 大 き い (Mw/Mn

= 9.0 )L 150? ィ ル ム

で 必 止 の ゲ ル 分 串 50.3 

% と な っ た . 従 っ て 、 LDPEフ ィ ル ム

に 対 し て 電 子 線 を 照 射 す る と 架 備 に よ る 非 結 晶 領 岐 で の

一 次 元 網 目 締 造 が 形 成 さ れ 易 い こ と が 示 さ れ た . し か し

な が ら 、

P

0 / q 0

は 全 て 1 . 0 以 上 で あ っ た こ と か ら 、 本 実 験

に 供 し た LDPEフ ィ ル ム は 切 断 優 先 型 ポ リ マ ー で あ る と 推 定 さ れ た . 一 方 、 LLDPEフ ィ ル ム は LDPEと 比 べ 架 柿 密 度 、 po/qoと も に 最 も 大 き な 値 と な っ た . こ れ は 、 LLDPEが 構 造 的 に 長 鎖 分 岐 を 持 た ず 非 結 品 領 域 の ラ ン " ム 性 に 劣 る こ と か ら 、 単 位 線 量 当 た り の 架 橋 効 唱 が L0 PEと 比 パ て 高 く な る I 3 6 ) た め で あ る と 考 え ら れ る .

次 に 、

5

積 類 の LDPEフ ィ ル ム の 中 で 最 も 架 橋 密 度 の 商 い L 15 O ? イ ル ム の 電 子 線 照 射 に 伴 う 物 性 変 化 を Table 6‑2  に 示 し た . 結 晶 化 度

(χc)

及 び 降 伏 強 度

( σ ，

) は 照 射 量 の 増 大 と と も に 有 意 に 減 少 し 、 電 子 線 を 照 射 す る こ と に よ り LDPEフ ィ ル ム の 結 品 領 岐 に お い て 主 制 の 切 断 が 起 こ っ て い る こ と が 示 唆 さ れ た . な お 、 こ の 結 * は Galら L~ ^{'7  )} 

の 報 告 と 良 好 に 一 致 す る も の で あ っ た . 一 般 に、 PEフ ィ ル ム ( 特 に 直 鎖 状 PE、 例 え ば HDPE、MDPE)に 依 射 線 を 阻 射 す る と 結 品 化 度 が 増 加 す る こ と が 民 〈 知 ら れ て い る I0 :¥ 

L 0 '7.  1 0引 . し か し な が ら 、 本 照 射 LDP E? ィ ル ム で は 結 晶 化 度 が 減 少 し た こ と か ら 、 PEフ ィ ル ム に お け る 架 縞 及 び 切 断 反 応 は 分 子 量 分 布 並 び に 非 結 品 領 蛾 で の ラ ン ダ ム 性 に 大 き く 依 存 す る 10 1 

) こ と が 明 ら か と な っ た . さ ら に 、

照 射 監 の 明 大 と と も に 架 橋 度 ( ν )が 減 少 し た こ と 、 ポ リ マ ー の 自 由 体 育j

(f 

0 ) が 増 大 し た こ と か ら も LDPEフ ィ ル ム

1 6 7 

Table  6 ‑ 2  Characteristic change of irradiated LDPE(L150)  film 

Dose 

( i f   ^T  ( k~7cm2 ) ( k~~cm2 ) ^{ε  Q'  I  v' l  fOxlO} ， ‑ ・

( Mradl  。 ( r c n l 

_(も)

。 52 . 8  10 4.4  107 . 1  210 . 7  157 . 1  3 . 45 

H 

由

。

。 ^{10  49 . 3  103 . 9  98 . 2  21 4 . 7  1 67 . 4  1 .   142  0.856  3.70} 

20  49 . 2  103 . 3  93 . 1  205 . 7  179 . 6  1 . 150  0 . 849  3 . 71 

ー・~

が 切 断 優 先 型 ポ リ マ で あ る こ と が 裂 付 け ら れ た . 一 方 、 ' i 1 1 下 線 照 射 に よ っ て

LDPE

フ ィ ル ム の 融 点 が 低 下 し、

1 ' 1 '

び が 増 加 し た こ と tJ、 ら 、 非 結

I H I

傾 按 で は 架 橋 に よ る 三 次 元 網 目 構 造 化 が 起 こ っ て い る こ と が 示 唆 さ れ 、 フ ィ ル ム 内 で は 切 断 と 同 時 に 緩 や か な 架 悦 反 応 も 進 行 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た

2 

ヒ ー ト シ ー ル 性

m

干 線 照 射

LDPE

フ ィ ル ム の 食 品 川 内 面 材 フ ィ ル ム と し て の 適 性 を 評 価 す る た め に 、 ヒ ー ト シ ー ル 性 を 検 討 し た .

Fig . 6‑1

は

L 1 5   0  7

ィ ル ム の シ ー ル 強 度 に 且 ぽ す 照 射 量 且 び シ ー ル 温 度 の 影 響 を 示 し た も の で あ る . こ の 結 果 、 シ

ル 強 度 は い ず れ の シ ー ル 温 度 に お い て も 照 射 量 の 増 大 と と も に 顕 著 に 減 歩 し た . ま た 、 シ ー ル 温 度 の 上 昇 と と も に シ ー ル 強 度 は 徐 々 に 地 加 し 、

120

" C 以 上 で ほ ぼ 一 定 と な っ た . そ こ で 、 他 の 照 射 フ ィ ル ム に つ い て

130

"Cでの シ ー ル 強 度 を 検 討 し 、 そ の 結 果 を

rable 6‑3

に 示 し た . い ず れ の ゲ レ ー ド の

LDPE

フ ィ ル ム に お い て も シ ー ル 強 度 は 照 射 抵 の 地 大 と と も に 減 少 し 、 特 に 架 橋 密 度 の 政 も 高 い

L  1507

イ ル ム で は シ ー ル 強 度 は

20Mrad

照 射 す る こ と に よ リ 来 照 射 フ ィ ル ム と 比 べ て 約

1/2

と な っ た . し か し な が ら 、 内 部 材 フ ィ ル ム と し て 使 用 す る 掛 合 に 必 要 な シ ー ル 強 度 は

1000g1150.

以 上 で あ る こ と か ら 、

20Mrad‑L150

フ ィ ル ム を 除 く 他 の 照 射

LDPE

フ ィ ル ム 全 て に お い て

20Hrad

以 下 の 照 射 量 で 十 分 適 用 可 能 で あ る こ と が 判 明 し た .

1 6 9  

戸 可 四 ・

:OMra d 

:10Mr

口

d

:20Mr

口

d

/ン/口 ^{J イ} 7 ^{ロ ー}

../【../

~】

1000 

500 

{回

] E↑

m E ω

﹂↑的

イ ロ

ω

的

↑ ︒

工

ω

O  120  130 

Temperature  [ . c l  

1 1 0  

100 

Table  6‑3  Heat  seal  strength of irradiated LDPE  film at 130

⁰

C 

Heat  seal  strength(gl  Dose 

(Mradl  L133  L150  L137  M112  M134  LLDPE 

ー 。 1254 . 7  1211 . 1  1364.4  1136.7  1797.8  2120.0 

斗

ー ^{10  1333.3  1057.8  1566.7  1662 . 2  1442.2  1342.2} 

20  1063.3  653.3  1430 . 0  1377.8  1380.0  1146.7 

ー

・.司r

第

2

項 照 射 フ ィ ノ レ ム に お け る 収 清 抑 制 効 巣 の 発 現 機 1 '1の 解 明

政 射 線 照 射

PE

に 対 す る 低 分 子 ガ ス 透 過 性 の 検 討 は 既 に

Macdonald

ら 10 0 ) に よ っ て 行 わ れ て い る 。 す な わ ち 、

PE

に 対 し て

50Mrad

ま で の

y

線 照 射 を 行 い 、 低 分 子 ガ ス (

C    1 1

，、

C 

2 I! G、

Cdla)

の 透 過 ) J l ' を 測 定 し た 結 巣 、 照 射 量 ( ] ) 噌 大 に 伴 い 割 、 倣 係 数 、 透 過 係 数 は 顕 著 に 滅

y

す る も の の 、 溶 解 ) J l ' 係 数 は ほ と ん ど 照 射 の 影 響 を 受 け な い こ と が 報 告 さ れ て い る . 一 方 、

Ki  l  a

ら は 多 額 類 。 コ ポ リ マ ー に 対 し て

80Mrad

ま で の 電 子 線 照 射 を 行 っ た 結 果 、 ポ リ ブ タ ジ エ ン (

1

、

2 ‑ polybutadiene)

フ ィ ル ム に 対 し て 若 干 の 収 着 抑 制 効 果 が 認 め ら れ た こ と を 報 告 し て い る 1 3 8 } . し か し な が ら 、 香 気 成 分 の 収 着 に 関 し て

LDPE

フ ィ ル ム へ の 低 線 量 ( ] ) 電 子 線 照 射 の 効 果 に つ い て の 報 告 は 未 だ 見 当 ら な い . そ こ で 本 実 験 で は

20Mrad

ま で の 電 子 線 を 照 射 し た

LDPE

フ ィ ノ レ ム に 対 す る 香 気 成 分 の 収 者 挙 動 を 気 相 及 び 水 溶 液 相 岡 系 に て 検 討 し た .

l  気 相 系 で の 収 着 挙 動

5

種 類 の

LDPE

フ ィ ル ム 及 び

LLDPE

フ ィ ル ム に 対 す る エ チ ノ レ ヘ キ サ ノ エ ー ト の 収 泊 に 及 ぼ す 電 子 線 照 射 の 影 響 を 気 相 系 に て 検 討 し た

(Table 6‑

1 ) . こ の 結

3

柱、溶解)Jl'係数 は

L133

、

LLDPE

を 除 く 他 の 全 て の 照 射 フ ィ ル ム で 減 少 し EVAフ ィ ル ム と 同 段 、 電 子 線 を 照 射 す る こ と に よ り フ ィ ル ム 八 の 収 着 が 抑 制 さ れ る こ と が 判 明 し た 。 特 に 、 L15 0 7 

イ Jレ ム で 収 着 が 肢 も 抑 制 さ れ 、

20Mrad

照 射 フ ィ ル ム で は

トー

。

叶³

Table  6‑4  Sorption behavio

ど

s of ethyl  hexanoate  into electron beam  irradiated LDPE  films  at 25

⁰

C for vapor phase 

Grade  L133  L150  L137  Ml12  M134 

Dose 

(Mrad)  。 20  。 20  O  20  。 20  。 20 

Dxl0

⁹ 

3 . 99  3 . 89  3 . 53  4 . 00  3 . 10  3 . 39  2 . 98  3 . 07  3 . 15  3.53 

pxlO~

3 . 37  3 . 51  2 . 69  2 . 70  1 .   76  1 .   7 4  1 .   87  1 .   69  2 . 46  2.59 

SxIO‑"  8 . 44  9 . 03  7 . 62  6 . 72  5 . 68  5 . 14  6 . 27  5 . 52  7 . 80  7.35 

0;  diffusion  coefficient  ( cm

^2・

sec ‑

^I)I 

P;  permeability coefficient 

^(¥J

g o cm ‑

^I・

sec ‑

^I

/mmHg) 

I 

S;  solubility coefficient 

(f，J

g o cm‑

³

/mmHg) 

0 

LLDPE 

。 20  3.03  2 . 20 

2.11  1 .   92 

6 . 98  8.75 

『 司 ‑ ‑

未 照 射 フ ィ jレ ム に 比 べ 約 12%の 減 少 と な っ た . し か し な

が ら 、 抑 制 効 果 の あ っ た フ ィ ル ム い ず れ に お い て も 収 着 減 歩 串 は 10%前 後 で あ り 、 フ ィ ル ム 構 造 と 収

I I

抑 制 効 柴

と の 関 係 は 認 め ら れ な か っ た . そ れ に 対 し て 、

LLDPE

フ ィ ル ム で は 顕 著 に 収 着 が 促 進 さ れ 、 来 照 射 フ ィ ル ム に 対 し て 約 25%収 着 が 増 大 し た . 以 上 (J) 己 と ヵ 、 ら 、 架 橋 密 度 が 高 く 、 か っ 切 断 が 架 縞 に 優 先 し て 起 こ る フ ィ ル ム に 対 し て 収 着 抑 制 効 果 が 発 現 す る こ と が 明 ら か と な っ た . ま た

LDPE 

フ ィ ル ム に お け る エ チ ル ヘ キ サ ノ エ ー 卜 の 肱 倣 係 数 は 照 射 を 施 す こ と に よ り 増 加 し 、

LDPE

フ ィ ル ム に お い て も

E H

フ ィ ル ム の 場 合 と 同 様

(Table  5 ‑ 4

参 照 ) 電 子 線 を 照 射 す る こ と に よ り 紘 倣 速 度 が 増 大 す る こ と が 明 ら ヵ 、 と な っ た . 一 方 、 照 射

LLDPE

フ ィ ル ム で は エ チ ノ レ ヘ キ サ ノ エ

ト (J)鉱 散 が 顕 著 に 抑 制 さ れ た こ と か ら 、 ベ ネ ト ラ ン ト

(J)鉱

1

位 は 照 射 フ ィ jレ ム 内 で の 架 橋 も し く は 切 断 に よ る 自 由 体 積 の 変 化 に 大 き く 依 存 し て い る こ と が 判 明 し た 。

Table  6 ‑ 5

は 照 射 フ ィ ル ム で の 収 着 抑 制 事 と ベ ネ ト ラ ン ト の 官 能 基 の 関 係 に つ い て 検 討 し た も の で あ る 。 な お フ ィ ル ム は 、

Tab l e 6 ‑ 4

で 示 し た よ う に 、 起 も 収 着 抑 制 効 果 が 高 か っ た

L1  5  0

フ ィ ル ム を 用 い 、 照 射

i d

は

20Mrad

と

し た . ベ ネ ト ラ ン 卜 と し て は 構 成 炭 紫 数 が

8

で あ る オ ク タ ン 、 エ チ Jレ ヘ キ サ ノ エ ー ト 、 オ ク タ ナ ー ル 、 オ ク タ ノ

jレ 及 び 子 jレ ベ ン 系 炭 化 木 繁 で あ る リ モ ネ ン を 用 い た . 拡 散 係 数 は い ず れ の 揮 発 性 成 分 に お い て も 全 て 増 大 し 化 合 物 の 官 能 基 に は 全 く 影 響 さ れ な か っ た . す な わ ち 、 切 断 に よ る 自 由 体 積 の 増 大 に よ っ て 鉱 散 が 促 進 さ れ た も

ト ー

、J

'

"

 

Table  6 ‑ 5  Sorp

七

ion behaviors  of v olat i le compounds  bearing var

エ

ous functional groups 

， ⁿ

^七

^{o i} rradiated LDPE  film a

七

25

⁰

C for v apor phase 

octane  ethy1  octanal  octanol  d‑limonene  dose  [Mrad) 

D X  

10 

⁹ 

pxlO~

sxlO ‑

^匂

he x anoa

七

e

。 ₂₀  。 20  。 20  。 20 

3 . 35  3 . 59  3 . 56  4 . 00 

1. 

96  2 . 39 

1. 

75 

1. 

89  0 . 61  0 . 60  2 . 69  2 . 70  3 . 98  3 . 88  4 . 86  4 . 30 

1. 

8  2 

1. 

68  7 . 62  6 . 74  20 . 30  16 . 24  27 . 80  22 . 75 

D ;  diffusion 

coeff ェ c~en 七 [cm²

‑ sec ‑ l ] 

I 

P ;  permeat

エ

on coeffi c ient 

いg cm[

‑ 1.sec ‑ 1mmHq ‑ l l ， 

5 

i 

solubili

七

y coeff

エ

cie n t

[¥J

g " cm ‑

³

・ mmHg ‑ l j̲ 

。 20 

1. 

54  1 .   62 

3.96  3.47 

26 . 00  2 1 .   70 

『司 . r

の と 考 え ら れ る

治 解 度 係 数 す な わ ち 闘 射 フ ィ ル ム 〈 の 収 后 は 、 化 合 物 の官能必の組膏1 に拘らず減少し、全ての J軍;~性成分に対

し て 収

i f

抑 制 効 果 を 示 し た . そ の 減 少 串 は 、 オ ク タ ン ，

7 .  7  % 

、 エ チ jレ ヘ キ サ ノ エ ー ト

1 1 . 5  % 

、 オ ク タ ナ ー ノ レ

20% 

、 オ ク タ ノ ー ル

18%

、 リ モ ネ ン

1 G .  5 

% と な リ 、 高 極 性 化 合 物 ほ ど 、 ま た 分 子 サ イ ズ の 大 き い も の ほ ど 収 着 が 抑 制 さ れ る こ と が 明 ら か と な っ た . な お こ の 結 柴 は 、 '.'t1子線照射

KVA

フ ィ

J

レ ム で の 収 着 抑 制 挙 動 と 同 織 で あ っ

た

(Fig . 5 ‑ 7

、

5 ‑ 8 

) こ と か ら 、 気 相 系 で の 収 着 抑 制 効 果 の 発 現 は 緩 や か な 架 繍 構 造 を 有 す る 切 断 型 ポ リ マ ー に 対

し て 共 通 し て 認 め ら れ る も の と 考 え ら れ る

2 

水

1

腎 液 系 で の 収 着 挙 動 と 収 : l ' / 抑 制 機 作 の 解 明

気 相 系 で の 結 果 、

LDPE

フ ィ ル ム に 対 す る 電 干 線 照 射 は 香 気 成 分 の 収 着 を 有 意 に 逓 減 し 得 る こ と が 明 ら か と な っ た . そ こ で 、 水 溶 液 系 に つ い て も 同 様 の 検 討 を 行 い 、 収 着 抑 制 効 拠 の 発 現 に 対 す る さ ら な る 考 策 を 試 み た . な お 、 水 溶 液 系 で の 測 定 は 気 組 系 に お い て 最 も 高 い 抑 制 効 果 を 示

し た

20Mrad‑L1507

イ ル ム に 統

ー

し て 行 っ た .

Table  6 ‑ 6 

は 水 溶 液 系 で の 照 射 フ ィ ル ム へ の 収 滑 に 及 ぼ す 化 合 物 の 官 能 基 の 影 響 に つ い て 検 討 し た も の で あ る . 期 発 性 成 分 は

Table 6‑5

と 閉 じ も の を 用 い た . こ の 結 果 、 照 射

LDPE

フ ィ ル ム に お け る 溶 解 度 係 数 は か な り 特 異 的 な 挙 動 を 示 し 、 オ ヲ タ ン 、 ヱ チ Jレ ヘ キ サ ノ エ ー 卜 、 リ モ ネ ン で 収 着 が 減 少 し た の に 対 し 、 逆 に オ ク タ ナ ー ル 、 オ ク タ ノ ー ル で

ト4

、

a

4 

T a ble  6 ‑ 6  Sorption behaviors  of vola

七

ile compounds  bearing var i ous  functional groups 

>n

七

o irradiatea LDPE  filma

七

25

⁰

C fo r  l i quid phase 

octane 

2) 

ethy1 

hexanoa  te 

1 ) 

octana l l)  octanoll )  d‑limonen e 

2) 

dose  [Mradl 

DxlO

ヨ

px10

⁷ 

5 

。 20  。 20  。 20  。

10 . 4  13  . 1  1 1 .   3  13 . 1  6 . 07  5 . 15  5 . 16  2 . 52  2 . 49  5 . 75  5 . 97  1 .   74  1 .   60  0 . 91  24 . 2  19 . 0  50 . 9  4 5 . 6  28 . 7  3 1 .  1  17 . 7 

surfactant :  1 )   0 . 3

も

Sugar‑Ester ， 2 )   3 . 0

も

sos D i  diffusion coefficient  [cm

²

' sec ‑

^I]

， 

Pi  per

問

at ェ on coefficient  (μq ・ cm ‑

1 •

se c ‑ l/ppm]  ， 

S i  so1ubi1ity  coeffic エ en ヒ ["g . cm ‑ '/ppm] . 

20  。 20 

4 . 62  5.80  6 . 0 5 

1 .   02  1 .   62  1 .   51 

22 . 1  27 . 9  24. 9 

『 司 「

は

n

意 に 増 加 し た . す な わ ち 、 水 溶 液 系 で は 低 極 性 化 合 物 に 対 し て の み 収 着 抑 制 効 果 が 発 現 す る こ と が 判 明 し 、

中 で も 極 性 が 段 も 低 い オ ク タ ン で & 太

22%

収 清 が 抑 制 さ れ た . し か し な が ら 、 同 一 照 射 抵

C20Mrad)

^の

EVA

^{フ ィ ル ム}

に 対 す る オ ク タ ン の 収 泊 減 世 車 が 約

45%

で あ っ た

CTable 5  ‑ 2 

) こ と を 考 雌 す る と 、 本 照 射

LDPE

フ ィ ル ム で の 収 着 抑 制 0)程 度 は か な リ 低 い と い え る . 照 射

LOPE

フ ィ ル ム 内 で の 鉱

1

肱 は 、 オ ク タ ン 、 エ チ jレ ヘ キ サ ノ エ ー ト 、 リ モ ネ ン で

m

加 し 、 オ ク タ ナ ‑) レ 、 オ ク タ ノ ー ル で は 逆 に 減 少 し た . す な わ ち 、 香 気 成 分 の 照 射 フ ィ ル ム 内 で の 肱 散 挙 動 に 対 し て も 治 解

J

克 係 数 と 同 機 、 特 異 的 な 挙 動 を 示 す こ と が 判 明 し た .

LDPK 

^{フ ィ ル ム は}

KVA

フ ィ ル ム と 同 じ く 切 断 優 先 型 の ポ リ マ ー で あ り 、 電 子 線 照 射 に よ り 茸

i

似 の 榊 造 変 化 を 引 き 起 こ す と 推 定 さ れ る こ と か ら 、 こ の よ う な 水 溶 液 系 に お け る 特 異 的 な 収 活 挙 動 の 発 現 は 照 射 フ ィ ル ム と 郷 発 性 成 分 と の 聞 の 何 等 か の 相 互 作 用 に 基 づ い て 起 こ る の で は な い か と 考 え ら れ る .

そ こ で 、 照 射

LDH

フ ィ ル ム に 対 す る 各 種 開 発 性 成 分 の 砿 散 、 透 過 に 必 要 な 見 顕 け の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー 及 び 収 居 に お け る エ ン タ ル ビ ー 変 化 を ア レ ニ ウ ス プ ロ ッ ト に よ り 求 的 、 そ の 結 柴 を

Table 6‑7

に 示 し た . 収 着 に お け る エ ン タ ル ピ 一 変 化 は い ず れ の 郷 発 性 成 分 に お い て も 負 と な っ た が 、 間 射 フ ィ ノ レ ム に 対 す る エ ン タ ル ビ ー 変 化 は オ ク タ ン 、 エ チ ル ヘ キ サ ノ エ ー ト 、 リ モ ネ ン で 減 少 し 、 オ ク タ ナ

‑ ) レ 、 オ ク タ ノ ー Jレ で は 逆 に 増 加 し た . す な わ ち 、

Table

6 ‑ 6

と 全 く 問 機 の 挙 動 と な っ た こ と か ら 、 照 射

LDPE

フ ィ ル

Tab1e 6‑7  Activation energies of diffusion and permeabi1ity and entha1py change  in sorption for irradiated LDPE  fi1m  for liqui9 phase 

octane 2)  ethy1  octana1! )  octano1! )  d‑1imonene 2) 

hexanoa te !) 

dose  [Mrad] 

。

20  o  20  o  20 

。

20 

。

20 

EO (kca1jmo1]  16.04  14.87  16.68  15.46  17.37  20.83  17.55  17.59  18.72  16.24  Ep (kca1jmo1)  5.96  7.76  6.76  6.12  11. 06  13.72  12.80  11. 88  10.34  10.35  dH [kca1jmo1)  ‑10.08  ‑7.11  ‑9.92  ‑9 34  ‑6.31  ‑7.11  ‑4.75  ‑5.71  ‑8.38  ‑5.89 

S D S 

毛

︒ ︐

V4  

3 t

L 

︐   l n 1  

2 0 L  

‑ b  

' s a   r u e n   e f m o  

t f z l  

s l e t   f d p q   x z r o   a o o s  

q f f  

u n   s y y l  

q q  

s‑xze  3 e e q   n n n   o e e a

h 

  t'nnC 

1 0 0   1 1 y  

t t p   t a a l   n v V a   a l

‑

h

 

t t t t  

c

c

c

n

 

a

a

a

e

 

f 

r

'

'

'

 

u D P H   S E E A  

ム に お い て は 低 極 性 化 合 物 に 対 し て の み 収 お が 抑 制 さ れ る こ と が 熱 j】 学 的 側 面 が ら も 寝 付 け ら れ た . ま た 、 拡 散 に 必 要 な 活 性 化 エ ネ ル ギ ー に つ い て も 照 射 LD PE フ ィ ル ム で の 仰 発 性 成 分 の 拡 散 挙 動 を 十 分 喪 付 け る 結 決 と な っ た . 次 に 、 電 子 線 を 照 射 し た

LDPE

フ ィ ル ム に お け る こ れ ら 化 合 物

I B J

で の 特 異 的 な 収 泊 挙 動 に つ い て 、 古 b な る 冗

' 9 1

を 試 み た .

Table 

_{6 -} 6 で 15 られた収-t~~挙動を問 - 1i4'成炭 紫 数 の 化 合 物 に 統 し た 場 合 、 よ り 分 子 体 積 の 大 き い 化 合 物 ( オ ヴ タ ナ ー Jレ 、 オ ク タ ノ ー ル ) で 収

n

が 促 進 さ れ 、 鮎散が抑制されたことから、まず r~ 発性成分の分子サイ

ズ の 影 響 に つ い て 検 討 を 行 っ た .

Fig . 6 ‑2

は 炭 化 木 索 願 、 エ チ ル エ ス テ ル 類 、 ア ル コ ー ル

m

の 炭 紫 数 に 対 し て 溶 解

J

立 係 数 を プ ロ ッ ト し た も の で あ る . グ ラ フ ヵ、 ら 明 ら か な よ う に 、 照 射 フ ィ ル ム に 対 し て 炭 化 氷 点 額 の 収 着 は 全 て 抑 制 さ れ 、 一 方 ア ル コ ー ル 煩 は 逆 に 全 て 促 進 さ れ た . こ の よ う に 抑 制 効 果 的 発 現 が 分 子 サ イ ズ の み に 依 存 す る な ら ば 、 収 治 が 抑 制 さ れ た オ ヲ タ ン よ り も 小 さ い 分 子 サ イ ズ を 有 す る

(Table 3 ‑ 3

、

28T I

参 照 ) ブ タ ノ ー ル 、 ヘ キ サ ノ ‑ ) レ で は 収 着 が 抑 制 さ れ る も の と 推 察 さ れ る . し か

し な が ら 、 炭 化 水 素 類 、 ア ル コ ー ル 獄 と も に 照 射 フ ィ ル ム に 対 す る 収 着 挙 動 に は 変 化 が 認 め ら れ な か っ た こ と か

ら、本効柴発現には全く ~'I の因子が出l 与していることが

明 ら か と な っ た . さ ら に 、 エ チ ル エ ス テ ル

m

^{の 照 射 フ ィ}

ル ム に 対 す る 収 着 挙 動 を 検 討 し た 結 娘 、 エ テ ル エ ス テ ル

E l

は 極 め て 特 異 的 な 挙 動 を 示 し た . す な わ ち 、 炭 素 数

B

ま で は 照 射

LDPE

フ ィ ル ム へ の 収 清 が 促 進 さ れ る の に 対 し

"

，  ，  .  。

叩 ・ ' " 開 剛 山

coefficient  solubility 

on  atoms  carbon 

of  number  Effect  of 

Fig . 6 ‑ 2 

phase 

。

u切ha1!Co¥cohols 

凶削

d w

︻E邑a

︑ ・

EU

‑‑ b‑ EB

と

H

・

0u h‑

考宮古凶‑一

" ・

'

"

吋

liquid 

，

Q グ ー =

由

/

加

，  ， 

。 NUrnber 01 CC l t 岡 山s

25

⁰

C  for  20Mrad 

(・)

a 

at  film  OMrad  ( 0 )  ; 

elhyl eSlers 

グ

LDPE (L150) 

dose ， 

t 

間4

irradiated  Irradiation 

" ・

U 

in 

︻Eaa

︑

_T

EU 70 2

E E g u j  

加

。

町drocorbons

，  ，  . 

HUmb.f 01 cor棚 …

‑

焔

︻z c a a

︑

?

εU

i︒

ミ︼

ωW 

E ‑ ‑ z h z i  

悶・

H  cx> 

同

て、炭紫数が 7 以上になる と 逆 に 収着が抑制 さ れ、 同~

列 の 化 合 物 で あ る に も 拘 ら ず 全 く 巣

t

る 収 居 常 勤 を 示 す こ と カE判 明 し た

同 憾 に 、 開 発 性 成 分 の 照 射 LD PE フ ィ ル ム 内 で の 抱;;散 に

及ぼす分 子 サイズの影響について検討した o ~'i g. 6 - 3 は 2 0

Mrad 照 射 フ ィ ル ム に お け る 炭 化 水 素 頼 、 エ チ ル エ ス テ ル 矧 及 び ア ル コ ー Jレ 頬 の 拡 散 係 数 の 対 数 値 を 炭 紫 数 に 対 し て プ ロ ッ 卜 し た も の で あ る o

Table  6 ‑ 2

で 判 明 し た よ う に 、 本 照 射

LDPE

フ ィ ル ム は 切 断 型 の ポ リ マ ー で あ り 、 ポ リ マ ー の 有 す る 自 由 体 積 す な わ ち ベ ネ ト ラ ン ト の 拡 散 可 能 債 岐 が 照 射 に よ り 有 意 に 増 大 し た . 従 っ て 、 拡 散 は ベ ネ ト ラ ン ト の 分 子 体 梢 に 強 く 依 存 し 、 分 子 体 績 の 減 少 と

と も に 照 射 フ ィ ル ム で の 鉱 散 は 全 て 促 進 さ れ る も の と 考 え ら れ る . し か し な が ら 、 炭 化 水 素 矧 で は い ず れ の 炭 指 数 に お い て も 照 射 フ ィ ル ム で の 鉱 散 が 地 加 し た に も 拘 ら ず 、

7

)レコ ル 類 で は 逆 に 全 て 抑 制 さ れ た . さ ら に 、 炭 素 数 の 低 下 と と も に 未 照 射 フ ィ ル ム に 対 す る 鉱 倣 減 少 串 が 顕 著 に 地 加 し た こ と か ら 照 射 フ ィ ル ム で の ベ ネ ト ラ ン ト の 鉱 散 挙 動 は 分 子 サ イ ズ か ら は 全 く 説 明 し 得 な い こ と が 明 ら か と な っ た . ま た 、 エ チ ル エ ス テ ノ レ 罫

1

は 溶 解 度 係 数 の 場 合 と 同 様 照 射 フ ィ jレ ム に お い て 特 異 的 な 拡 散 単 動 を 示 し 、 炭 素 数

5

ま で は 抑 制

l

さ れ る の に 対 し 、 炭 素 数

6

以 上 で は 逆 に 促 進 さ れ た .

F  ig .  6‑ 4

は 揖

i

発 性 成 分 の モ jレ体 制 に 対 し て 未 照 射

LDPE

フ ィ ル ム で の 拡 散 係 数 を プ ロ ッ ト し た も の で あ る . な お 、 御 苑 性 成 分 は 炭 化 水 紫 類 、 エ チ ル エ ス テ ル 類 、 ア ル デ ヒ

" 

s 

。

r E S 

、

nydrocarbons 

~

^2.01 

¥¥ ・

ー

()o  心3

L ^{t ‑ '}  

_e  a 

^{、 。}

z

。

~肺ber01 t4山O仇，"皿Z

0 2 

﹁υ

・ 絹

乍

昌 弘 v ‑x &

C Ru x

‑

g u  '.0 

'.0 

¥  ¥ 、

﹁u・腕‑gu

E

2 

。 ，

X 

E 

さ

。

^{'phOlトColco巾 凶 "}

ー 。¥ 、 。

g u 

、 、

tlhyl

・ " ・ "

。 ^， 

^{6  8  。明} o 

， 

6  8 

。 "

問 町01corTOn

・

^T叩

Fig . 6 ‑ 3  Effect of number of carbon atoms on d

ぇ

ffusion coefficient  in irradiated LDPE ( L150 )  film at 25

⁰

C for  liquid phase ;  symbols as in Fig . 6 ‑ 2 . 

Numb.r 01師 岡 山

‑ ， 

1 0  

。 ^{¥ ¥ J :}

よ ¥

1 0

4 

 

{ ︑ ω

的 ・ ヒ U]

↑ _{c ω} 一

と u ‑

ω o u c o ‑ 同 コ

ヒ ‑ o ロ

1 0

4 

 

20 0  180 

140  160  120 

100  O  80 

Molor  volume  [ m '   Imo L ]x 1 0 .  

volume  molar 

with  liquid  coefficient 

diffusion  of 

Variation  Fig . 6 ‑ 4 

phase  25

⁰

C  for 

at  compounds  volatile 

of 

L150(OMrad)  ，  Film : 

esters (0); 

e

七

hyl hydrocarbons(

口); 

alcoholS(O)

ー

4  compound :  aldehydes( ム) ; 

8 

1 

volatile 

ド ~i 及び ア ルコ ー ル鎖 を!llいた.この結 集 、鉱 倣 係 数 は 阿 朕 列 由 化 合 物 {モ ル 体 績 と し て

90‑160 .'/.01' 1 0') 

で は 直 線 と な っ た も の の 、 同 一 モ ル 体 制 で は エ チ Jレ エ ス テ ル 矧 〉 炭 化 本 紫

m>

ア ル デ ヒ ド新 〉 ア ル コ ー ル 矧 の 順 に 減 少 し た . 仮 に 拡 散 が 分 子 サ イ ズ の み に 依 存 す る な ら ば 、 期 発 性 成 分 の 紐 類 に

j <

づ ら ず 分 子 体

l i l

^と 拡 散 係 数 の 対 数 値 の

I B I

に は 直 線 関 係 が 成 立 す る と 与 え ら れ る

Sale e m

ら 5川 は キ シ レ ン 類 の LDPEフ ィ ル ム 内 で の 肱 倣 挙 動 を 検 討 し 、

o

ーキ シ レ ン は 分 子 体 積 が 肢 も 小 さ い に も 拘 ら ず 、

m .  

pーキ シ レ ン と 比 べ て 拡 散 が 有 意 に 減 少 す る こ と を 報 告 し て い る . さ ら に 、 こ の

o

ー キ シ レ ン の 肱 倣 速 度 の 滅 金 は 隣 接 メ チ ル 基 が 分 子 の 対 称 性 を 束 縛 す る こ と か ら 、 肱 敢 に 必 要 な 分 子 運 動 性

(mobility )

が 低 下 ，L

t = .

た め で あ る と し た . 従 っ て 本 結 果 よ り 、 フ ィ ル ム 内 で の 砿 散 が 分 子 サ イ ズ の み に 依 存 す る の で な く 分 子 自 身 の 持 つ 運 動 性 に も 依 存 す る こ と が 明 示 さ れ た .

そ こ で 与 え ら れ た 系 で の ベ ネ ト ラ ン ト 及 び フ ィ ル ム が:fiす る 分 子 運 動 性 を 評 価 す る 一 手 段 と し て 溶 解

J

Jtパ ラ メ ‑ ?Iー(

s  P 

{ ， 直 ) を 用 い 、 電 子 線 照 射 フ ィ ル ム 内 で の 特 集 的 鉱 倣 挙 動 の 解 析 を 試 み た .

Fig.6 ‑5

は 、 各 組 期 発 性 成 分 が 有 す る

SP

値 に 対 し て 照 射 及 び 未 照 射

L1507

イ Jレ ム 内 で の 拡 散 係 数 を プ ロ ッ ト し た も の で あ る . こ の 結 果 、 照 射 フ ィ ル ム 内 で の 期 発 性 成 分 の 鉱 倣 挙 動 は

s P

値

8 . 72

を 境 に し て 明 ら か な 逆 転 が 認 め ら れ た . す な わ ち 、

SP

値

8 . 72 

以 下 町 炭 化 水 紫 類 、 炭 紫 数

6

以 上 回 メ チ ノ レ 及 び エ チ jレ エ ス テ ノ レ 矧 の 照 射 フ ィ ル ム 内 で の 拡 散 は 促 進 さ れ 、 逆 に

SP 

直{

1 8 5 

4 . 0 .  

「

υ 3 ε . 0 ト   ト ^l  ー

o  _X 

2 . 0  

ゆ、GO 

L a t

←

c

一‑

a 

3 B b 

  •

ロ

闘

E 

U3 

IO  ロ

恥コ

白ト

。 ^{7 l}  里

」

" 1  aV  T 

企

企

ha  l 

8  8 . 72 

O  •

9 

• O 

Q 

•

O 

So l u b l l l t y porometer 

O 

(col.cm

勺Z

O 

•

Fig.6‑5  Relationship between  the  solubility parameter and  diffusion coefficient of volatile compounds  in  irradiated 

LDPE 

film at 25

⁰

C for liquid phase. 

Irradiation dose :  n‑hydrocarbons;  OMrad( 口) ， 20Mrad( 1

圃)

methyl este

日

OMrad(

マ ). 

20Mrad 

(マ)

ethyl estersi  OH

日

d

(6 ) 

， 20Mrad 

(4 ) 

n‑aldehydes;  OMrad(u) ，  20Mrad( e ) 

n‑alcoholsi  OMrad(O)  ， 20Mrad< e >. 

8 .  72

以 上 の エ ス テ ル 、 ア ル デ ヒ ド 、 ア ル コ ー ル 頬 で は 全 て 抑 制 さ れ た . 従 っ て 、 照 射 フ ィ ル ム に お け る べ ネ ト ラ ン ト の 特 異 的 な 砿 倣 挙 動 は

S P  l f

直 す な わ ち 分 子 の 凝 集 エ ネ ル ギ ー と 密 接 に 関 係 し て お り 、

S P

値 に よ っ て 説 明 可 能 で あ る こ と が 判 明 し た . 一 般 に 、

SP

怖 は 傾 性 が 日 〈 、 水 素 結 合 )1の 大 き い 化 合 物 ほ ど 大 き な 他 と な る け判 。 ま た 、 拡

1

肱 は フ ィ ル ム 内 の 結 品 ラ メ ラ

1 m

の 束 縛 及 び 手

l

^{給 品 傾 戚 の}

存 在 割 合 に 依 存 し て お リ 、

i t

子 線 照 射 に よ り ラ メ ラ 間 の 柑 子 空 隙 に 架 絹 が 起 こ り 、 鏑 セ ゲ メ ン 卜 由 連 動 が 抑 制 を 受 け る こ と か ら 、 鉱 散 速 度 が 滅 世 す る ，" 】と 考 え ら れ る . 従 っ て 、

SP

値 の 低 い 化 合 物 は 凝 集 エ ネ ル ギ が 小 さ い た め フ ィ ル ム 内 で は 単 分 干 状 で 鉱 散 し て い る と 考 え ら れ る こ と 由 、 ら 、 聞 射

LDPE

フ ィ ル ム 内 で 起 こ る 主 鎖 の 切 断 に よ る 非 結 晶 傾 犠 あ る い は ポ リ マ ー の 自 由 体 積 白 地 大 が 直 接 位 倣 速 皮 肉 増 大 を 惹 起 し て い る も の と 推 察 さ れ る . そ れ に 対 し て 、

SP

低

8 . 72

以 上 の 化 合 物 で 鉱 散 が 抑 制 さ れ た の は、

SP

値 白 日 い 化 合 物 は 凝 集 エ ネ ル ギ ー が 大 き い た め 木 紫 結 合 に よ リ 分 子 集 合 体 を 形 成 し 、 見 掛 け 上 、 よ り 大 き な

モ J

レ体

i

習 を 有 す る ベ ネ ト ラ ン ト ( マ ク ロ ペ ネ ト ラ ン ト ) と し て フ ィ ル ム 内 で 躯 散 し て い る ¹~ ^{O.  I} ~ ¹ )と 考 え ら れ る . こ の た め 、 非 結 晶 領 威 が 増 大 し た に も 拘 ら ず 、 架 橋 に よ る 鎖 セ ゲ メ ン ト の 束 縛 が マ ク ロ ベ ネ ト ラ ン 卜 と し て の 揮 発 性 成 分 の 鉱 散 を 抑 制 し て い る も の と 考 え ら れ る .

Fig.6 ‑5

と 同 僚 に 照 射

LDPE 

フ ィ ル ム に 対 す る 特 異 的 収

' < 1  

拍 動 に つ い て 期 発 性 成 分 の 有 す る

SP

他 に 基 づ き 検 討 を 行 っ た

(Fig . 6 ‑ 6l

。 プ ロ ッ ト の 結 栄 、 溶 解 度 係 数 に つ

1  8 7 

10 

^{ヒ じ} • ロ _{判 紅 l} 、 •

^【

^O 

金 • ^•

ロ

^間

o  ⁰ 

ロ

世 • ^O 

• ^O 

F  v  v 

ー •

^C 

L  ^」

^斗

」

8  _{8.59  9} 

10  11  n v  

E a a ¥

前

E υ

・町

︑叫

]

n v  

↑

c

ω‑ υ

一

LF LF OO υh

↑ ‑ t

o コ ︺

O的

10  ア

Solub1

L1

ty  porometer 

o 

[ c o l ・ c m ‑ " ]

五

Fig . 6‑6  Relationship between  the solubility parameter and  solubility  coefficient of volatile compounds into 

1rど

adiated LDPE  film at 25

⁰

C  for liquid phase . 

工

rradiation dose:  n‑hydrocarbons;  OM

四

d( 口) ， 2 0Mrad( . )  methyl esters;  OMrad( マ) ， 20M

四

d( ‑ y ) 

ethyl estersi  DMrad( ム) ， 20M

^日

d(

企)

n‑aldehydes;  OMrad(O)  ， 20Mrad( . ) 

n‑alcohols 

i 

OMrad 

(0) t 

20M

日

d( e ト

い て も 期 発 性 成 分 の

SP

値 に よ っ て 相 反 す る や 動 が 明 瞭 に 認 め ら れ た . す な わ ち 、 電 子 線 照 射

LDPE

フ ィ ル ム 八 回 収

。 は 、

SP  i

直

8 .59

以 下 町 民 化 水 束 期 、

1 ; ; ' *

^{放 が}

7

以 上 の メ チ Jレ 及 び エ チ Jレ エ ス テ Jレ 矧 で 全 て 抑 制 さ れ 、 逆 に

SP

^{他 が}

8 .   59

以 上 回 エ ス テ ル 期 、 ア ル デ ヒ ド

m

及 び ア ル コ ー ル 矧 で は 収 着 が 促 進 さ れ た . 従 っ て 、 照 射 フ ィ ル ム に お い て は

SP

他

8 . 59

以 下 の 摘i発 性 成 分 に 対 し て の み 収

Z I

抑 制 効 " * が 発 現 し 、 収 活 が 香 気 成 分 の 有 す る 凝 集 エ ネ Jレ ギ ー に 強

〈 依 存 す る 因 子 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た . 本 来 、 分 干 の 収 着 は フ ィ ル ム 衣

1 m

へ の 政 務 及 び 凝 集 を 級 て フ ィ ル ム 内 部 に 溶 解 す る

3

つ の 過 程 に 従 っ て 進 行 す る lz S 3 . 従 っ て 、 香 気 成 分 の 収 着 は 分 干 の フ ィ ル ム 表 面 で の 凝 集 に よ っ て

h

0 

1  e

形 成 の た め に 凝 集 し て い る ポ リ マ ー 鎖 が 刷 聴 さ れ る と き 、 す な わ ち 隣 接 ポ リ マ ー 鎖 の 束 縛 が 開 放 さ れ る と き 引 き 起 こ さ れ る 2 ? ' O 0 1 4 2 3 . そ れ 故 、 電 子 線 照 射

LDPE 

フ ィ ル ム に お げ る 特 異 的 な 収 着 抑 制 効 果 の 発 現 は 次 の よ う に 考 え る こ と が で き る . フ ィ ル ム 表 面 で の 凝 集 過 程 に お い て 、 凝 集 エ ネ ル ギ ー の 大 き い 、 す な わ ち

SP  i

直 の 高 い 化 合 物 ( 本 実 験 で は

SP  i

直

8 . 59

以 上 ) は ポ リ マ ー 鎖 同 士 の 凝 集 相 互 作 用 を 打 ち 消 す の に 十 分 な エ ネ ル ギ ー を 有 し て い る こ と か ら 、 架 橋 に よ る ポ リ マ ー 鎖 の 緩 や か な 束 縛 に は あ ま り 影 響 さ れ る こ と な く 、 自 由 体 積 す な わ ち 収 羽 可 能 傾 岐 の 増 大 に 伴 っ て フ ィ ル ム へ の 収 着 が 促 進 さ れ る も の と 考 え ら れ る 。 一 方 、

SP

値 が

8 . 59

以 下 回 化 合 物 は 表 面 で の 凝 集 に よ り 分 子 鎖 の 束 縛 を 逓 減 さ せ る ほ ど の エ ネ ル ギ ー を 有 し な い こ と か ら 、 架 絡 の 効 果 が 強 く 現 わ れ 、

1 8

日

そ の 結 果 収 : 1 1 が 抑 制 さ れ る も の と 考 え ら れ る .

次 に 、 テ ル ベ ン 系 化 合 物 の 収 活 抑 制 効 果 発 現 に 対 す る

SP

他 的 適 用 を 試 み た .

Table  6‑8

は 照 射

L0  PE

フ ィ ル ム に 対 す る リ モ ネ ン ミ ル セ ン 及 び シ ト ラ ー jレ の 収 着 挙 動 を

Table  6‑8  Application of the concept of SP value  for  sorption of terpenes  in  irradiated LDPE(L150)  film at 25

⁰

C for  liquid  pha se 

d‑limonene 

1 ) 

myrcene

¹) 

citra1

²) 

SP value  7 . 36  7 . 78  8.95 

Dose ( Mrad )  D  20  。 20  。 20 

0 ) ( 1 0

⁹ 

5 . 80  6 . 05  6.22  7 . 23  3 . 29  3.17 

pxl0

⁷ 

1 .   62  1.  51  1.  53 

1. 

66 

1. 

60 

1.

72 

5  27.88  2 4 . 90  24 . 61  22.91  48 . 80  5 4.40 

0;  diffusion coefficient  (cm

²

' sec ‑

^l) 

， 

P ;   permeability coefficient  (μq

・

cm ‑ I ' sec‑I/ppm) ，  S ;  solubilit y  coefficient  ( μg ‑ cm‑

³ 

/ppm) 

I 

Surfactant :  1 )   3 . 0

も

50S ， 2 )  0.3

も

Sugar Ester 

示 し た も の で あ る . こ の 結 集 、 照 射 フ ィ ル ム へ の 収 着 は リ モ ネ ン 及 び ミ ル セ ン で 抑 制 さ れ シ ト ラ ー ル で 促 進 さ れ た . リ モ ネ ン ミ ル セ ン 及 び シ ト ラ ー

J

レの

s P 

(，直は各々

7. 36

、

7 .78

、

8.95

で あ り 、

s  P 

直(

8 .59

以 下 の 化 合 物 に 対 し て の み 照 射

LDPE

に 対 す る 収 着 抑 制 効 果 が 発 現 し た こ と は 、 上 述 し た 結 柴

(Fig . 6 ‑ 6) 

と 一 致 す る も の で あ っ た . 以 上 の よ う に

、 s  P 

( 直 の 概 念 を 適 用 す る こ と に よ っ て 電 子 線 照 射

LDPE

フ ィ ル ム に お け る 収 沼 抑 制 効 柴 の 発 現

機 構

を 解

明し 1~事た .

3 

電 子 線 照 射

KVA

及 び

L D  P K  

フ ィ ル ム の

SP

値 と 昏 気 成 分 の

SP 

(，也との関係

第

5

î~ で既に述べたように、 EVA フィルムに電子線を 照 射 す る こ と に よ リ 香 気 成 分 に 対 し て か な り の 収 羽 抑 制 効 架 が 発 現 す る こ と が 明 ら か と な っ た . し か し な が ら 、

Table  5‑2

で 示 し た よ う に 、 オ ク タ ノ ー ル に 対 し て の み 収 者 が 促 進 さ れ て い た こ と か ら 、 ， .，射

EVA

フ ィ ル ム に お け る 香 気 成 分 の 収 : i ' i 抑 制 効 栄 町 発 現 は 照 射

L DPK

フ ィ ル ム

と 同 じ <

S  P

値 の 影 響 を 強 く 受 け る の で は な い か と 推 測 さ れ た . そ こ で ま ず 、 照 射 F .

VA

フ ィ ル ム で の 収 知 抑 制 効 県 白 宛 現 に 及 ぼ す 仰 発 性 成 分 の

SP

値 の 影 響 に つ い て 検 討 を 行 っ た .

Fig.6‑7

は 照 射

KVA

フ ィ ル ム 内 で の 鉱

1

世 に 及 ぼ す 俸 発 性 成 分 の

SP  1 (

直 の 影 響 を 示 し た も の で あ る . な お 、 フ ィ ル ム は 酢 酸 ピ ニ Jレ 古 量

15.0.t%

、 照 射 量

10Mrad

の も の を 用 い 、

J

軍 発 性 成 分 は エ チ ル エ ス テ Jレ 類 及 び

7

) レ デ ヒ ド 類 を 用 い た . こ の 結 果 、 エ チ ル エ ス テ ル 類 で は 全 て 照 射 フ ィ ル ム で 鉱

1

肱 が 促 進 さ れ た の に 対 し 、

7

) レ デ ヒ ド 頴 で は 明 ら か に 抑 制 さ れ た . す な わ ち 、 御 苑 性 成 分 の

SP

値 が

8 .  93

以 下 の 化 合 物 で は 鉱 倣 は 促 進 さ れ 、 そ れ 以 上 の

S P 

(，直 で は 逆 に 抑 制 さ れ る こ と が 判 明 し た .

次 に 、 照 射

EVA

フ ィ ル ム へ の 収

i f

に 及 ぼ す 揖

i

発 性 成 分 の

SP 

( ， 直 の 膨 響 を 検 討 し た ( F

ig.6‑8).

溶 解 度 係 数 に つ い て も 肱 散 係 数 の 場 合 と 問 機 に 収 着 逆 転 現 象 が 認 め ら れ 、 照 射

EVA

フ ィ ル ム で は

SP

他 が

8 . 93

以 下 の 化 合 物 に 対 し て の み 収 着 が 抑 制 さ れ た . 以 上 の よ う に 、 電 子 線 照 射 フ ィ ル ム に お い て も

LDPE

フ ィ ル ム と 同 様 特 異 的 な 収 着 挙 動 が

1 9 1 

T 

O 

3 . 0 ト

•

ー ー

A 

{7 Uω

的・

1t U]

A  ‑

2 . 0

ト

A  ム

ー

A  ム

‑ ‑ . u .  

。

‑

O

F X

↑

c ω

一

u

‑ h L E o u c o

E コL F

E O

1 . 0 ト

会

¹

9 . 5   9 

8.93  8.5 

O  B 

[col'cm → ] ν 2   SOl u b i l i

↑

y porome

↑

er  & 

diffusion  and 

Value  the 

SP 

between  Relationship 

Fig.6‑7 

irradiated 

，

ⁿ 

compounds  volatile 

of  coefficients 

phase  liquid 

25

^Q

C  for  at 

film  15.0wt% 

EVA 

OMrad(

企)

， 10Mrad ( . . . . )  ， 

OMrad 

(0) 

， ^{10Mrad  ( . )} 

esters 

i 

n‑aldehydes; 

ethyl 

Penetrant ，