会社法改正の概要とその課題について
――平成2
6年改正の動向を中心に――
(2) 社外取締役及び社外監査役・会計監査人等に関する規律(第1の2・第2) 1)社外取締役について [1]社外取締役の設置 上場会社等に対し、社外取締役の設置を義務付けるかどうかについては最も 議論が対立したもののひとつである。近時の企業不祥事の続発から義務化を主 張する意見も多かったが、経済界からは人選等の負担から強い反対意見が唱え られた (8) 。その結果として、『要綱』では、上場会社等では社外取締役を置かな い場合、開示義務が課せられるという形で決着がつけられることになってい る。具体的には、監査役会設置会社(公開会社であり、かつ大会社であるもの に限る)のうち、有価証券報告書提出会社(金融商品取引法24条1項の上場会 社等)は、社外取締役が存在しない場合、その設置が相当でない理由を事業報 告で説明しなければならないとされた。さらに、法律案では定時株主総会で不 設置の理由を説明しなければならないとしている(法律案327条の2)。 こうした規定は、経営チェックを担う社外取締役の設置を促進・誘導する趣 旨である。そしてその形式としては、選任を義務とするのではなく、「社外取 締役を置くことが相当でない理由」の説明とその開示を求めるものとなった。 イギリス等のコーポレート・ガバナンスの規制方法として広く用いられている 「Comply or Explain(遵守するか、遵守しないときは説明せよ)」という開示 規制による間接的な方式を採用したものと一般に解されている。イギリスの上 場会社については、証券取引所の上場規則に合わせる形式で FRC(Financial Reporting Council)が 策 定 す る The UK Corporate Governance Code(い わ ゆ る UKCGC)の適用を受け、その内容を遵守するか、遵守しない場合には説明