富 山大学教 育 学部 紀要B く理科 系I No.49 ニ3 5
‑‑
4 0く平 成9年l簡 易 型 フ ロ
ーイ ン ジ
ェク シ
ョン 分 析 装 置 の 試 作
く1 9 9 6年4 月30 日受理l
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fed by gr a v lt yflo w a nd mix ed with a mixing
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c oil. A c o m m e r cial a v ailab le inj
e eto ris u s ed a sa ninje ctio n po rt. A bs o rp tio m etric dete cto r c o n sists of a li g ht
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e mitting diode a nd a photod iodewith a r ed
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filte r. T he o ut put s lgn alofth is dete cto r is r e c o rded b y a pe n‑
r e c o rde r. T h is syste mw a s ap plied to the dete r min atio n ofc op pe r く正1 with a m m o nia. T he r elativ e sta nda rd de viatio n
fo rthe dete r min atio n of 1 0 m M c op pe rくIII w a s0.4 3% くn ‑51.
キ ー ワ ー ドニ フ ロ ー イ ンジェ ク ショ ン分 析, 機 器 分 析, 安 価な装 置, 吸 光 光 度 定 量, 銅 くIIl の定 量.
Key w o rds こF lo w In
j
e ctio n An alys i s,In str u m e ntal A n alys i s,In e xpe n siv e In str u m e nt, A bs o rp‑
tio m etry,D ete r min atio n of C op pe r くエl.
1
緒
看R丘云i6 ka ら に よっ て始められ た フロ ー イ ン ジェ
ク ショ ン分 析 法 くF lo w In
j
e ctio n A n alysis,F I Al は, 短 時 間に多 数の
試
料 を 分 析 すること が で き る,再 現 性にす ぐれて い る, 試 薬の使 用 量が少なくて すむ等の長 所があ り, ル ー チ ン分 析に好 都 合で あ る た め, こ の2 0年 間に着
実
に発 展してきたく1lo さ ら に, 反 応 生 成 物が比 較 的 短 時 間で分 解 し て し ま い, これ ま で分 析 法と し て は利 用できな かっ た よ う な不 安 定な系にも 利 用できる た め, こ の観 点か らも 多 くの研 究が報 告さ れてきたo 図1 に, もっとも 単 純な例で F I A の原理を 示 す. F 工A は, ペ
リス タ ポ ンプのよ う な簡 単な装 置 を 使 って試 薬 溶 液 を 常 時 流し て おき, その試 薬の流れの中に 一 定 容 積の試 料 を 注 入し, 混 合コイル中で反 応さ せ た 後に各 種の検 出 器で定 量 を 行 う 自 動 分 析 法の 一 種
で あ る. 図1 の ような簡 単なシ ステム でも, 試 薬 溶 液の中に p H 緩 衝 剤や共 存 物 質の妨 害 を 除 くた めの マ スキング 剤 等 も 含め ること が できれば, 十 分に実 用に供 すること ができる. さ ら に, 流 路の 数 を 増やすこと に より, イ オンや分 子の拡 散, 等 温 蒸 留, 溶 媒 抽 出, イ オ ン交 換 等に基づく 分 離 も 導 入 すること が でき, より 複 雑な系にも 適 用 する こと が できるo
従 来の学 校 教 育に おける化 学 分 析は, その原理 を 学ぶ こと に主 眼が置かれてお り, 同 一 操 作で多
図 1 フロ ー インジェクシ ョン分析 法の原 理 園
め, 自 動 分 析な ど は扱っ てこな か っ た. ところ が,
中 学 校に おけ
ろ
選 択 理 科や高 等 学校
理科に おける 課 題 研 究 等に おいて自 然 環 境 を 扱 う 場 合, 各 種の 水 質 分 析 を 行 う 必 要が しばしば 生じ てくるo そ の よ う な場 合, 信 頼 性の高いデ ー タ を得る た め に は,試 料の数は必 然 的に多 くな る. これ らの分 析 操 作 を 限 ら れた時 間 内に行 うた め に, F I A は最 適の方 法と考え ら れ るo 学 生 実 験 用の シ ステムが いくつ か報 告さ れ ている が, その多 くは大 学に おける化 学 専 攻 生 用のものであるく2う. そこで, できる限 り
身
近にある器 具 を 利 用 し て簡 単な F I A シ ステ ム を 試 作 し, ア ン モ ニ ア法に よ る鋼 く正l の吸 光 光 度 法 を 例として試 作シ ステム の性 能につ い て種々 検 討 すること に し たo2
実 験
2 . 1 装 置
使 用 した装 置の全 体 図 を 図2 に示 す.
一
般
に ポンプ は高 価であるので, 試 薬 溶 液と試 料のキ ャ リ ヤ ー 溶 液は
重
力 を 利 用し て流 下さ せ る方 式 を 採 用 し た. 2 個の溶 液 溜め は, ポ リエ チ レ ン製
の5 0 0園2 装 置の全体図
1 こ溶液 溜 めく蒸留 水I, 2 こ溶液 溜 めく2 M ア ン モニ 7 水l, 3 こ流 主 調節器 く万力1, 4 こ試 料注 入 器く0.5
mlI, 5 二合流点, 6 ニ混合コイル く2 m , 2 3 回 巷1,
7 ニ検 出器, 8 こペ ン冨己録計
面に溶 液 を 入れ る た めの穴 をあけ, 噴 射口 に は流 路と な る内 径3 m m の シリコ ー ンチ ュ ー ブを 接 続 し た. 各 液の流 量は, チ ュ ー ブを 万 力で押 し潰 し て その部 分の流 路 断 面
積
を 加 減 すること に より 調 節し たo 流 量 調 節 部の下 流 側はすべて内 径1 m mのテフロ ンチュ ー ブを 使 用し た. シリコ ー ンチュ ー ブ と テフロ ンチ ュ ー ブの
療
続は, 加 熱に よりテ フ ロ ン側の口径 をや や大 き く し てシリコ ー ンチ ュ ー ブの中に差し込む という もっとも簡 単な方 法 をとったo 流 体の圧 力があまり 高 くないた め, これ でも 十 分であったo 試 料 注 入 部お よび 合 流 部に は, そ れぞれ 協 和 精 密 製の試 料 注 入 器 M 2 型お よび三
方
分 岐ジ ョイ ント K 3 P‑
U 型 を使 用し た. 混合
コ イル は, 長さ 2 m 内 径1 m m の テ フロ ンチ ュ ー ブ を23回 巻 きし たものを 使 用し た. フロ ー セ ル型 光 検
出
器は自
作のもの を 用い, 島 津製
ペ ン記 録計
R‑
1 1 型 を 使 用し て
出
力 電 圧一
時 間 曲 線 を 記 録し たのち, 光 吸 収が最 大 を 示 す と きの吸 光 度 を
求
め た. 検 出 器こ フロ ー セ ルは, 図3 に その構
造 を 示 す よ う に, 黒 色の アク リル樹
脂 板 く三菱 化 成 製ア ク リ ラ イ ト, 厚さ 3 m m1 4枚
をジ ク ロ ロ エ タ ンで 接 着し た ブロ ッ クを 母体
とし て製 作 したo Z 字 型 流 路は, 図の ように ド リルで直 径2 m m の穴 を3 本 あ けて作 製 したo その中の上 流 部と下 流 部の穴 に は, エ ポ キシ系 接着
剤 を 塗 っ た外 径2 m m 内 径 1 m m のテフ ロ ンチ ュー ブを 差 し込ん で固 定 し,
r E iZ
,
‑
q
2
5 寸一 丁 エ
ー‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑‑‑ ‑I 1 2m m
園3 フロ ーセ ル
1 こフォ トダ イ オ ー ド, 2 こ無色 透明アク リル樹脂振 3 こテ フロン シー ル テー プ, 4 こ黒色アク リ ル樹脂板,
5 こテ フロンチュ
ー ブ, 6 二発 光ダ イ オー ド
簡 易 型フロ ーインジェ クショ ン分 析 装 置の試 作
セ ル の入口 と出口 に し た. その際, テフロ ンチュ
ー
ブ が抜け落 ちないよ う に, チ ュ ー ブの外 側に は ナ イフで溝 を 作 っ た.
中
流 部は, そのま ま特 別の加 工 はしないで光 路と し た. 光 源 側お よびセ ンサ ー 側の窓材
と し て厚さ 2 m m の無 色 透 明の アク リル 樹 脂 板 を 使 用し, 液 漏れ を防 ぐた め に窓 材の 内 側に光 路 用の穴 をあけた幅1 1m m の jl
.
フロ ン シ ー
ルテ ‑ プを 使 用 した. セ ル の 光 路 長は 1 2m m で あ る. 図3 に示 す 全 部 品 を 水 平 方 向にずら し た形 に し て, ね じ と ナ ッ トで締め付け て固 定 し, 検 出 器 回 路 基 板と ともにア ルミニ ウム製の箱に入れ て 使 用し たo こ の箱に は, 2 本のテフロ ンチ ュ
ー ブ
用の穴 を あ け, 検
出
器 回 路 用の電 源コ ネ ク タ と出 力コ ネ ク タを 取 り 付 けたo検 出 器の回 路 を 図4 に示 す. 光 源と し て, 電 流 2 0m A で 3 カ ンデ ラ, 極 大 波 長6 6 0n m の発 光
特
性 を 持つ シ ャ ー プ製 発 光 ダイ オ ー ド G L 5 U R 3 K 型 を 用い た. 光セ ンサ ー として シャ ー プ製三色カ ラ ー セ ンサ ー P D 1 7 0 V l 型 を 使 用し た. これは,3
凧
の フォ トダイ オ ー ドのそれぞ れ に光 透 過 特 性の異な る 3種のプ ラスチッ ク製フ ィ ルタ ー を 組み 合わ せ た素 子であ り, 本 研 究で は光 透 過 率の極 大 波 長が 6 0 0
ム
m の フ ィ ルタ ー 部 分 を 使 用し た. フォトダイ オ ー ドの光 電 流は非 常に小さい ので, オ ペ ア ンプ L F 35 6 型 を 使 用 し て増 幅し た. 図に示 す ように, カ レ ン トフォ ロ ワ回 路に 1 0 0 M E2 という 高フ ィ ー ドバ ック抵 抗 を 用いて増 幅 率の
高
い電 流一 電 圧 変 換 回 路としたo フ ォ トダイ オ ー ド に は, ツェナ ー ダ イ オ ー ド R D 5 A を 利 用 して発 生さ せ た 5 V の逆バ イア スを 印 加し た. カ レ ントフォ ロ ワ 出 力
馴 .
ま .Ol寸G L 5 U Ri 3K
図4 検 出器 回 路図
の極 性 を反 転さ せ る た め, 次 段に増 幅 度1 の反 転 増 幅 器 を 介して ペ ン記 録 計に接 続し たo ペ ン記 録 計の入 力 部に は, 固 定 抵 抗に よ る電 圧 分 圧 回
路
を 取 り 付 けて感 度の調 節 を 行 った. 検 出 器の電 源に は, ボル テ ー ジレギ ュ レ ー タを 利 用 した士1 5 V の安 定 化 電 源 を 使 用し た.
2 . 2 試 薬
市
販 特 級 試 薬 を 用い,岩
城 硝 子 製S T 工L L‑
N 2 型 蒸 留 器で イ オ ン交 換 水 を1 回 蒸 留し た水に溶 解 して使 用し たo3 結 果 お よ び 考 察
3 . 1 静 止 溶 液での検 討
製 作し たフロ ー セ ルでの試 料 濃 度と吸 光 度の間
の比 例 性 を 確 認 する た め, 銅 くE‑I ‑ ア ン モ ニ ア 溶 液 を 用いて実 験 を 行っ たQ 検 出 器の光 源の極 大 波 長が 6 6 0n m , 光セ ンサ ー の フ ィ ルタ ー 透 過
率
の 極 大 波 長が 6 0 0n m で ある こと から, ア ン モ ニ ア発 色 法に よ る鋼 く正l の定 量は,
本
実 験にもっ と も 適し てい る方 法の 一 つ と考え ら れ る.銅
くHl‑
ア ン モ ニ ア
溶
液は, そ の吸 収ス ペク トル を 図5 に 示 すように, 吸 収 極 大が 6 2 0n m 付 近にある. こ の極 大は, ア ン モ ニ ア濃 度が増 すにつれ て長 波 長 側にシ フトすること が知 ら れて いるo 実 験で は,2 m M ステッ プ で 0 か ら1 0m M の銅 くエl と 1 M
rこ室
1.0
吸 0.8 光 o.8 度
0.4
0.2
0.0
4 0 0 5 0 0 6 0 0 7 00 8 0 0 波
長ノ
n m図5 銅 くエ1
‑
ア ン モ ニア の吸収ス ペク トル 銅くIIl 漉 度こ1 6m M , 7 ン モニ7 漉度こ3 M ,光 路長こ1 0m m
れの溶 液 をフロ ー セ ルに満た し た ときの検 出 器 出 力 を 電 圧 計で読み取っ た. 銅 くエ1 を 含ま ない ブ ランク溶 液での出 力 電 圧 をV o , 銅 くHl を 含む 試 料 溶 液で の 出 力 電 圧 をV とする とき, 吸 光 度 は
‑
log くVI Vol で表わ さ れ る. 鋼 くIIl 濃 度 を横
軸に, 吸 光 度 を 縦 軸に とり, 測 定 値 をプロ ッ ト し た ところ, 図6 に示 す 良 好な比 例 関 係が得ら れ た. こ のた め, こ の検 出 器は本 研 究の検 出 器として十 分 利 用でき ること が分か っ たo
3 . 2 フロ ー系での検 量 線
図2 に示 すよ う に溶 液 溜め 1 に蒸 留 水, 溶 液 溜 め 2 に 2 M ア ン モ ニ ア水 溶 液 を
満
た し, それぞれの流 量が 0.7mlノmin に な る ように両 方の万 力 を 調 節し た. 試 料と し て 1 0m M 銅 くIIl をプ ラスチッ
ク製 注 射 器 を 用いて試 料サ ン プ ラ 一 に注 入 し たo
サ ンプ ラ ‑ の試 料 容 積は 0.5 0ml と し た た め, レ バ ー の切 り 替え に よりフロ ー 系に は 0..5 0 ml が注 入されるo こ の操 作に よりペ ン記 録 計に現 われ た 電 圧 一 時 間 曲 線の例 を 図7 に示 す. 図7 の 5 個
の ピ ー クの吸 光 度は, ベ ース ラ イン電 圧お よ び ピー ク電 圧 をそ れ ぞれVo
.
, V と して前 述の式で求め た と こ ろ, 0.2 0 7, 0.2 0 8, 0.2 0 8, 0.20 8, 0.2 0 6 と な ったo 5 回の繰 り 返し測 定におけ る相
対 標 準 偏 差は 0.4 3% と なり, か な り よい再 現 性 を 示 すこと が分か っ た. 銅 くHl 濃 度 を 変え て同 様な操 作 を 繰 り 返し, 吸 光 度一
銅 くHl 濃 度の 関 係 すな わち得 ら れ たo 同 一 の実 験 条 件で濃 度 未 知の硫 酸 銅 くHl 水 溶 液 を 注 入 する とき, 得 ら れ る ピー クの
吸 光 度と図7 の検 量 線か ら銅 くIIl 濃 度 を 求め る こと が できるo な お, 図8 の検 量 線の勾 配が図6 のもの よ
l
り低 くなっているの は, 銅 く正l 溶 液が
ア ン モ ニ ア水 溶 液に より1ノ2 に希 釈されるうえ に, 試 料ゾ ー ンが流れの中 を 移 動 する間に上 流 側 と下 流 側に分 散 する た め である.
3 . 3 本 装 置の特 徴と課 題
F 工A はもともと
高
価な特 別の機 器 を 使わず, 化 学 分 析 を業
務とする研 究 室であればどこに でも あC E
02
出 力 電 圧 ノ V
J
L JL‑‑
il Tj
1 0min
図 7 F I A で の検 出器出力 曲 線
試 料中 銅 くエl 濃度こ1 0m M , 7 ン モニ7 漉 度二2 M ,
試 料注 入 量こ0.5ml, 流 1 二1.4mlノmin,
光路長二1 2m m
0 2 4 8 8 1 0 1 2
銅
く
Hl 漉 度I
m M図 6 静止溶液 での銅 くIIl の検量線
ア ン モニア濃 度こ1 M , 光路長こ1 2m m
0 2 4 6 8 1 0 1 2
注 入 試料の銅 く工1 漉 度Im M
図8 F I A での銅くII,の検量線
ア ン モニア濃度こ2 M , 試 料注 入 量二0.5ml, 流量こ1.4mlノmin, 光路長こ1 2m m
簡 易 型フロ ー イ ンジェクショ ン分 析 装 置の試 作
る ような機 器を組み合わ せ ること に より, 応 用 可 能と な る ところ に大き な特 徴が あ るo 本 研 究では,
学 校 教 育で の利 用を考 慮してさ ら に安 価にできる 機 器 分 析 を 目 指して検 討し た ところ,
一 応の成 果
が得ら れ た が, 以下に述べ る ような今 後の課 題 と すべき ものもいくつ か見っ か っ たo
液 体の送 液に は ふ つ うポン プ が利 用される が,
分 析 化 学で利 用される微 量の定 流 量ポンプ は か な り 高 価である た め, F I A で は 一 台で複 数の流 路が 使 用できて比 較 的 安 価なペ リスタ ポンプ が し ば し ば 利 用さ れ ている. 本 研 究では, ポン プを 使わ な
いで重 力に基づく 流 下 方 式 を 採 用し た とこ ろ, ポ ンプ で は避け ら れ ない脈 流 もなく 非 常にス ム ー ズ な曲 線 を 記 録 すること が で き たo また, 合 流 後の 流 量が, 合 流 前の 一 方の流 路 を止め た ときの そ れ ぞ れの流 量の和に ほ ぼ等しくな っ た た め, 流 量 調 節は非 常に容 易であった. これ は, 各 流 路 を 万 力
で絞 り, 本 来の流 量の 1ハ0程 度に し て律 速 段 階 と し た た め, 他の部 分の流れ抵 抗が無 視できた こ と に起 因 する と考えられ る. 今 後, さ ら に複 雑な 系に応 用 して合 流 点や混 合コイルが増 加し た とき にも 有 用な手 段 と 考え ら れ る. シリコ ー ンチ ュ ー ブ は弾 力 性に富む た め, 万 力に よ る潰し方 を 加 減 すること に より 容 易に流 量 調 整 を 行うこ と が でき た. さ ら に簡 単な別 法と し て, 適 当な ガ ラ ス製 毛 細 管を作って各 流 路に 一 個 ずっ挿 入し, 溶 液 溜め の高さを 加 減し て流 量 を 調 節 する方 法 も 有 用であ ろ う.
合 流し た 二種 類の溶 液 を 均 一 に混 合さ せ る た め に, 常 法の混 合コ イルを 利 用し た ところ, 再 現 性 が良い こと か ら十 分な混 合が行 われ た と考えら れ る. コ イルは長いは ど, 混 合の点で は確 実に な る ちの の, 注 入 試 料の分 散によりピ ー ク幅が広がり,
ピ ー ク高さ は減 少 する. さ ら に, コ イル内の滞 留 時 間はコ イル長に比 例 する た め, 1 サ ンプル当た りの分 析 所 要 時 間が増 加 するo 図の例で は 1 サ ン プル当た り 5min 程 度か かり, あ まり 迅 速な分 析 法と はい いが たいた め, コ イル の長さ と径に つ い て は さ ら に検 討 する必 要がある.
試 料 注 入 部につ い て は, 液 体クロ マ トグラフ ィ ー や ガスクロ マ ト グラ フ ィ ー で使 用し ていた注 射 器 型の マ イ クロ シリンジの利 用 も 考え た が, 注 射 針
の金 属と銅 くエl が反 応 するこ とを 防 ぐた め に,
市 販の テ フロ ン製 注 入 器 を 利 用し た. し か し, 比 較 的 高 価であ る た め, 手 軽に製 作できる注 入 器の 開 発が, 今 後の最 大の課 題であるo 混 合コ イルを 短 く する な ど して, 1 サ ンプル当たりの所 要 時 間 を短 縮できれ ば, 1 サ ンプルずつ流れ を止め ても さ ほ ど支 障 も 生じ ないで あ ろうし, 液 体ク ロ マ ト グ ラフ ィ ー の場 合の よ う な高い圧 力が か か ること もない ので, 簡 易 型 試 料 注 入 器の開 発 もそ れ ほ ど 困 難で は な か ろ うo
試 作し た検 出 器で は, R G B という3種 類の フィ ルタ ー を もつ フ ォ トダイ オ ー ドを 使 用し た た め,
スイ ッチ で切 り 替え ること に より 他の波 長 領 域で
の測 定 も 可 能であ る が, 光 源の発 光ダ イ オ ー ドの
発 光 特 性は変え ら れ ない ので, 測 定 感 度は低 下 す る で あ ろう. これ を避け る た め に は, 1 個で発 光 特 性 を 切 り 替え ら れ る発 光ダ イ オ ー ドの利 用が便 利であるo また は, 多 少のデ ッ ド ボ リ ュ ー ム の増 加 を 我 慢 すれ ば,
一本の流 路に複 数 個の 検 出 器 を 直 列に接 続 し た よ う な検 出 器の製 作は容 易であ るく31.
検 出 器の増 幅 回 路に おける第2 のオ ペ ア ンプ は 単に極 性 を 反 転 する た め に使 用して い る だけで あ るの で, 省 略 することもできるo そ の場 合に は,
ペ ン記 録 計の入 力 端 子の接 続を逆にする だ けでよ い. ま た は, こ のオペ ア ンプの フ ィ ー ドバ ッ ク抵 抗 を 切 り 替え ること に
よ
り 測 定 感 度 を 変え ること もできる. 前 段のカ レ ン トフォ ロ ワ ー に抵 抗 値の 種 類の少ない高 抵 抗 を 使 用して い る た め, 有 効な 手 段であろう. ま た, ノイ ズ が無 視できない ときの ア ク ティ ヴフ ィ ルタ ー と し て利 用 することもで きる.
検 出 器の出 力 を 連 続して記 録 する た め に ペ ン記 録 計 を 使 用し た が, ペ ン記 録 計 を持 っ て い る理 科 準 備 室は限ら れ てい るこ とを 考え る と, 現 在で は A D 変 換 器とコ ンピュ
ー タの組み合わ せ の方が よ
り実 際 的であろ う. そ れも 無理 な場 合に は, ピ ー ク が さ ほ ど鋭 くない かぎり普 通の電 圧 計 を 使 用 す ることもできる. ま ず, 試 料 を 注 入 する前の ベ ー
ス ライ ンに相 当 する電 圧 を 読ん で おき, 試 料 を 注 入し た後の電 圧 変 化に お け る極 小 値 を 読み取れ ば よい. こ のよ う に電 圧 変 化の極 小 値や極 大 値 を 読
方が通し ている.
その他, 実 試 料に応 用 する場 合に は, 共 存 物
質
の影 響と
対
策につ いて検 討 しな けれ ばならない.試
料中
の共 存物 質
の種 類に応じ て妨 害 物 質c D マ ス キング剤 を 加え た り, 試 料を注 入 する ま え に前 処 理 を 行 ったり する必 要がある. また場 合に よっ て は,溶
液 溜め, 合 流 点, 混 合コ イリレを 増やすこ と も 必 要であろうo文 献
く11 石 橋 信
彦
, 与 座 範 政 共 訳, 一一フ ロ ‑ イ ンジェ
ク シ ョ ン
分
析 法p , く1 9 8 3l, 化 学 同 人 言J.Rふvzi
v
cka E. H . H a n s e n ,
i‑F lo w In
j
e ctio nAn al ysis,,
,John W iley 8cSo n s
,In c. ,く19 8 1l. く21 L . C. D a vis,J. C he m . E dLL C.,7 0,5 1 1く1 9 9 3l.
く31 M . K . Ca r r oll, J. F. Tys o n , J. C he m .
E du c.,7 0,A 2 1 0く1 9 9 3l.