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家族 か らみ た入 院精 神 障害者 の退 院可能
第2次 全 国家 族 福 祉 ニ ー ズ調 査 か ら
性 とそ の条 件
大 島 巌
1.は じ め に
入 院 治 療 ・収 容 処 遇 中心 に偏 る弊 害 が言 わ れ続 けた精 神 医 療 も、近 年 よ うや く基本 的 な あ り方 が見 直 され るよ うに な った3,5,17)。1992年の 医療法 改 正 に お いて 慢 性 疾 患 患者 に対 す るケ ア体 制が 再 編 され る中、94年 の診 療 報酬 改 正 で は 、精神 科 に も人 頭 払 い方 式 の 精 神科 療 養 病 棟 が導 入 され た。 ま た 、 老 人保 健 施 設 を基 本 モデ ル にす る精 神 保 健 施 設 の創 設 も提 案 され て い る5)Oこ の よ うに、特 に精 神 障害 者 に対 す る施 設 ケ アの あ り方 にっ い て、 精 神 科 医療 内部 で大 きな議 論 が 巻 き起 こ りつ つ あ る3,S,13》。
ところ で、従 来 か ら精 神 保健 関 連 の政策 立 案 に 当 た って 、家族 を 含 む ユ ーザ ー サ イ ドの 意 向 が あ ま り反 映 され て いな い こ とが 指摘 され る6)。特 に、精 神 科 の入 院 医療 は 、 処遇 の あ り方 が高 度 に入 所者 の生 活 形 態 を規 定 す る と と もに、深 刻 な人 権 問題 の発 生 に絡 む 可能 性 が あ るに も関 わ らず 、 ユ ー ザ ーサ イ ドの参 加 が ほ とん ど な い ま ま施 策 の 選 択 と決 定 が 行 わ れ て き た。 昨今 の 精神 医療 改革 の論 議 にお いて も、 再 び ユ ーザ ーサ イ ド不 在 の ま ま、精 神 病 院 の 将来 像が 議論 され て い る よ うに見 受 け られ る。 今 後 、 少 しで も適 正 な(施 設 処 遇 を 含 む)精 神 障 害 者 に対 す る ケ ア体 制 が 構 築 さ れて い くため に、 まず は現 状 の 入 院 医 療 に対 す る評価 と改 善 へ の方 向性 に関 す るユ ーザ ーサ イ ドの意 向 を 明 確 化 す る必 要 が あ る。
そ こで本 研 究 で は 、全 国精 神 障害 者 家族 会 連 合会 保 健 福 祉研 究 所 が 、1991年 に 実 施 した第2次 全 国 家 族 福祉 ニ ーズ調 査 の結 果is)を 用 いて 、精 神 科 入 院 患 者 の 退 院 可 能 性 とそ の条 件 に対 す る家族 の意 識 を明 らか にす る こ とに した。 この調 査 は、1992年 に予 定 され た精 神保 健 法 の見 直 しに合 わ せ て実 施 され 、従 来調 査 で あま り触 れ られ て来 なか った 医 療 問題 に対 して 家 族 の 要 望 を取 りま とめ る こ と
rs4 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
を一 つ の主 要 課 題 に行 わ れて い る。 家 族 の意 向 は、 障 害 者 本 人 自身の それ で は な いが 、 ユ ー ザ ーサ イ ドの意 思 表 明 の一 部 を構 成 す る と と もに、 障害 者 本 人 の 意 見 を0面 で反 映 す る と考 え た。
II.対 象 と 方 法
本 調 査 の対 象 者 は、全 国 の精 神 障 害 者 ・家族 会 員 の3分 の1抽 出 の無 作 為 サ ン プル で あ る。調 査 対 象 とな った 家族 会 員 は18,135例 で あ り、回 収票 は8,600票 だ
った(回 収 率 、47.4%)。 回答 者 は 、主 に精 神 障害 者 を世 話 す る家族 で あ る。調 査 は 自記 式 調 査 票 を用 い、郵 送 調 査 で 行 った。調 査 期 間 は1991年11月 か ら92年
1月 で あ る。
皿.結 果
1.入 院精 神 障害者 を抱 え る家 族 の位 置
まず 、入 院 患 者 を抱 え る家 族 が 置 かれ て い る位 置 を 明 らか にす るため に、① 入 院 ・在 宅 別 の比 較 、②入 院者 中入 院 期 間別 の分析 、③6年 前 の第1次 全国調 査ie)と の対 比 を 行 う。
1)入 院群 ・在 宅群 の比 較
まず 、 対 象 者 ・家 族 の基 礎 属 性 を見 る と(表1)、 本 人 年 齢 の平 均 が、在 宅 群 39.6歳 に対 して 、 入 院 群 は47.3歳 で10歳 近 く高 齢 で あ る。在 宅 群 には30歳 代 が 最 も多 く、 これ に対 して入 院 群 で は40歳 代 に ピ0ク が あ る。
また、発 病 以 来 の罹病 年 数 を見 る と、在 宅群 が17.4年 に対 して、入 院群 は23.3 年 と長 い。 入 院群 は20年 以 上 の 経 過 を持 つ ものが54.5%を 占 めて いた。
家族からみた入院精神障害者の退院可能性 とその条件 195
表t入 院在宅別、入院期間別 対象者 ・家族の基礎属性
入 院期 間 別(再 掲)
在宅群 入院群
短期入院群 中間群 長期入院群
本 人 の 年 齢 1)‑19歳 2)20‑29歳 3)30‑39歳 4)40‑49歳 5)50‑59歳 6)60‑69歳 7)70歳 以 上
無 回 答 平 均 年 齢
51(1.2)2S(.6) 659(15.8)265(6.4) 1427(34.1)790(19.2) 1350(32.3)1334(32.4)
412(9.9)852(20.7) 149(3.6)486(11.8) 81(1.9)235(5.7) 51(1.2)126(3.1) 39.6歳47.3歳
15(2.3)4{.5) i13(17.5)104(12.3) 208(32.1)231(27.3) 166(25.7)Z58(30.5) 69(10.7)135(15.9) 37(5.7)67(7.9) 32(4.9)46(5.4) 7(1.1)2(.2) 40.7歳44.0歳
5(.Z) 38(1.7) 346(13.9) 776(35.3) 574(26.1) 324(14.8) 133f6.1)
40(1.8) 50.1歳
発 病 か らの 罹 病 年 数 1)1年 未 満 2)1〜3年 3)3〜5年 4)5〜10年 5)10〜15年 6)15〜20年 7)20‑30年 8)30年 以 上
無 回 答 ・わ か ら な い 平 均 罹 病 年 数
68(1.6)61(1.5) 144(3.4)80(1.9) 224(5.4)120(2.9) 485(11.6)202(4.9) 721(17.2)414(10.1) 789(18.9)486(11.8) 1112(26.6}2393(28.8) 416(10.0)1057(25.7) 221(5.3)414(10.1)
17.4年23.3年
41{6.3)7(.8) 39(6.0)35(4.1) 49(7.6)62(7.3) 69(10.7)86(10.2) 108(16.7)138(16.3) 108(16.7)123(14.5) 129(19.9)246(29.0) 67(14.4)llfi(13.7) 37(5.7)34(4.0) 15.6年18.3年
10(.5) 2(.1) 4(.2) 3sc1.s>
152(6.9) 219(10.0}
806(36.7) 754(34.3) 213(9.7)
27.2年
回答 者 の家 族 類 型 父 ・母
同胞 世代 夫 ・妻 その 他 無 回 答
3058(73.2) 353(8.4) 189(4.5) 350(8.4) 230(5.5)
2108(51.2) 1199(29.i) 215{5.2) 366(8.9) 226(5.5)
436(67.4)484(57.1}
83(9.7)166(19.6) fi5(10.0)62(7.3) 55(8.5)95(11.2) 28(4.3)40(4.7)
959(43.7) 859(39.1) 76(3.5) 179(8.2) 123(5.6)
家 族 の 年 齢[回 答 者 ・親]
1)‑49歳 2)50‑59歳 3)60‑69歳 4)70‑79歳 5)80歳 以 上
無 回 答 平 均 年 齢
209(6.8) 613(20.0) 1216(39.8)
845(27.6) 148(4.8)
27(.9) 64.6歳 n=3031
78(3.7) 259(12.3) 727(34.5) 771(36.6) 239(11.3) 34{1.6) 68。5歳 n=2108
4Z(9.4) 97(22.2) 172(39.4) 108(24.8) 18(4.1)
63.6歳 n=436
19(3.9) 100(20.7) 183(37.8) 145(30.0) 31(6.4) 6(1.2) 65.9歳 n=484
12(1.3) 46(4.8) 313(32.6) 416(43.4) 154(16.1) 18(1.9) 71.3歳 n=959
全 体 4180(100.0)4114(100.0)647(100.0)847(100.0)2196(100.0)
196 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
表2家 族の生活上の諸困難
入院期間別(再掲)
在宅群 入院群
短期入院群 中間群 長期入院群
家 計 中心 者 の収 入 源 1)給 与 ・賃 金 収入 2)商 工 自営 3)農 林 漁 業 自営 4)会 社 収 入
5)無職 ・資 産 収入 6)無 職=年 金 生 活 7)無 職含生 活 保 護 8)そ の他
無 回答
1272(30.4}
asocs.2>
307(7.3) 63(1.5) 91(2.2) 1782(42.6)
122(2.9) ilscZ.s>
167(4.D)
1147(27.9) 270(6.6) 443(10.8)
71(1.7) 77(1.9) 1602(38.9)
87(2.1) 120(2.9) 297(7.2)
226(34.9)281(33.2) 44(6.8)58(6.8) 48(7.4)64(7.6) 12(1.9)18(2.1) 11(1.7)29(3.4) 238(36.8)323(38.1)
19(2.9)10(1.2) 18(2.8)22(2.6) 31(4.8)42(5.0)
555(25.3) 146(6.6) 285(13.0)
36(1.6) 31(1.4) 869(39.6)
49(2.2) 71(3.2) 154(7.0) 世帯 の 生活 レベ ル の 主観 評 価
1)こ の ま まで 暮 らせ な い 2)食 事精 一杯 、他 に 手届 か ぬ 3)ま とま った もの に手 届 か ぬ 4)ま とま った もの で も買 え る 5)一 般 に比 べ 恵 まれ た 生活
無 回 答
175(4.2}
653(15.6}
1731(41.4) 1356(32.4}
170(4.1) 95(2.3)
257(6.2) 716(17.4) 1871(45.5) 965(23.5) 97(2.4) 208(5.1)
54(8.3)52(6.1) 107(16.5)131(15.5) 276(42.7)370(43.7) 171(26.4)235(27.7)
21(3.2)25(3.0) 18(2.8)34(4.0)
120(5.5) 394(17.9) 1043(47.5) 495(22.5) 39(1.8) 105(4.8)
世 帯 年 収
1)〜100万 円 未 満 2)100〜200万 円 未 満 3)200〜300万 円 未 満 4)300〜400万 円 未 満 5)400〜600万 円 未 満 6)600〜1000万 円 未 満 7)1000万 円 以 上 8)わ か ら な い
無 回 答
466(10.6)558(13.6) 763(17.3)752(18.3) 831(18.9)816(19.8) 585(13.3)546(13.3) 543(12.3)468(11.4) 356(8.1)287(7.0) 100(2.3)54(1.3) 168(3.8)226(5.5) 368(8.4}407(9.9)
64(9.9)113(13.3) 130(20.1)153(18.1) 121(18.7)155(18.3) 90(13.9)112(13.2) 77(11.9)111(13.1) 64(9.9)85(10.0) 19(2.9)11(1.3) 33(5.1)41(4.8) 49(7.6)66(7.8)
313(14.3) 376(17.1) 479(21.8) 289(13.2) 252(11.5) 126(5.7)
23(1.0) 115(5.2) 223(10.2) 回 答者 の 主観 的 健 康状 態
1)健 康 で あ る 2)ま あ健 康 で あ る 3)や や思 わ し くな い 4)思 わ し くな い
無 回答
665(15.9) 2076(49.7) 893(21.4) 308(7.4) 238(5.7)
537(13.1) 1890(45.9) 939(22.8) 433(10.5) 315(7.7)
85(13.1)105(12.4) 309(47.8)421(49.7) 139(21.5)201(23.7)
71(11.0)82(9.7) 43(S.6)38(4.5)
280(12.8) 1005(45.8) 503(22.9) 233(10.6) 175(8.0)
9
sD(度答尺低中高回つ無うDのの抑
1053(25.2}
1058(25.3}
1095(26.2) 974(23.3)
1036(25.2) 912(22.2) 926(22.5) 1240(30.1)
138(21.3)238(28.1) 175(27.0)186(22.0) 198(34.6)219(25.9) 136(21.0)204(24.1)
585(26.6) 481(21.9) 431(19.6) 699(31.8) 家 族 の 生活 困 難 度
1)低 2)中 3)高
無 回答
1335(31.9) 1053(25.2}
640(15.3}
1152(27.6)
494(12.0) 691(16.8) 108?(26.4) 1842(44.8)
82(12.7) 164(25.3) 231(35.7) 170(26.3)
95(11.2) 178(21.0) 258(30.5) 316(37.3)
274(12.5) 308(14.0) 528(24.0) 1086(49.5) 全 体 4180(100.0)4114(100.0)647(100.0)847(100.0)2196{100.0)
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 197
回 答者(家 族)の 続 柄 は、在宅 群 で 「父 ・母 」が73.2%と 高 いが 、入 院群 は51.2
%に 過 ぎな い。 これ に対 して入 院群 で は 「同 胞 世代 」が29.1%だ った。 「回 答 者
=親 」の年 齢 を 見 る と、在 宅群 が 平 均64 .6歳 に対 して、入 院群 は68.5歳 と高 齢 で あ る。 入 院群 で は70歳 以 上 が47.9%あ った。
以 上 の よ うに 、入 院群 は在宅 群 に比 較 して 、本 人 年 齢 が高 齢 で 罹 病 年 数 も長 く、 家 族 は 同胞 世 代 に世 代 交代 して お り、親 に限 ってみ れ ば 家 族 年 齢 が 高 齢 で あ る こ とが分 か った。
精 神 障害 者 の 家族 ケ ア継 続 が 困難 で あ る原 因 と して、家族 の 「体 力 ・財 力 ・気 力 」 の低 下 が言 わ れ る。 本調 査 で は この 家 族 状 況 に ア プ ロー チ しよ うと考 え た
(表2)。
入 院群 と在宅 群 を 比 較 す る と、 「世 帯 生 活 レベル の主 観 評価 」 や 「世 帯年 収 」
「回答 者 の 主観 的健 康 感 」 お よ び 「家族 の生 活 困難 度 」8》で は、 在 宅 群 よ り入 院 群 の家族 条件 が厳 しい。 しか し、ZUNGの 抑 うっ尺 度(SDS)15,19)の3区 分 で は、入 院群 に無 回答 が 多 い ため 明 確 な関 係 は認 め られ な か った。 ま た、 家 計 中心 者 の 収入 源 で は、 「無 職 」 が 在 宅 群 にむ しろ多 か ったが 、 回答 者 を親 に限 定 す る と、
「無 職 」 は ほぼ両 群 で 同 じ割 合 だ った。
2)入 院期 間別 の比 較
入 院期 間 別 に、① 長 期 入 院群(5年 問継 続 入 院;2,196例)、 ② 短 期 入 院群(最 近 一年 間 に入 院;647例) 、③ 中 間 群(847例)に 対 象者 を 区分 し、 各群 の 特徴 を比 較 ・分 析 した。
その結 果 、前 項 の 在 宅 群 との 対 比 で見 た入 院群 の 特徴 が、 入 院期 間 の長 い群 で よ り顕 著 に認 め られ た。 す なわ ち、短 期 入 院 群 、 中 間群 、 長 期 入 院 群 と進 む に したが って 、本 人 年 齢 は高 齢 とな り、 経 過 年 数 は長 く、 同胞 世 代 へ の世 代 交 代 が進 み、 親 の年 齢 は高 齢 だ った(表1)。
家族 ケ ア継 続 に関 わ る家 族 条 件 につ いて も(表2)、 入 院 群 の特 徴 が長 期入 院 群 に顕 著 で あ る こ とが 予 測 され た。 実 際 、 長 期 入 院 群 には 「家 計 中 心 者 の収 入 源 」 が無 職 で あ った り、 「生 活 レベ ル の主 観 的 評 価 」が 厳 しか った り、 「世 帯 年 収 」が低 か った りす る若 干 の傾 向 は認 め られ た。 しか しなが ら、 「回 答者 の主 観
198 家族か らみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
表3前 回調査 との比較
入 院 ・在 宅 の比 率 本人の平均年齢 回答 者=「親 」の割 合 1985年1991年 1985年1991年1985年1991年
院宅答体回入在無全
63.7×49.4 34.09650.3×
2.3%0.3%
zoo.o%zoo.o%
(n=9,324)(n=8,322)
42.8歳47.3歳 37,8歳39.6歳
41.1歳43.3歳 (n=9,3241(n=8,322)
56.1%51.2%
72.1%73.2%
61.4%62.3%
(n=9,324)(n=8,322)
注:一 部 、 入 院 ・在 宅 の 無 回 答 は 表 示 せ ず 。
表4病 状が良 くな り退 院 す る場合 に、必要 な生 活条 件 入院期間別群
入院群全体
短期入院群 中間群 長期入院群
生 活 の場
1)単 身 で 生活 で きる賃 貸 アバー}、貸家 な ど 2)管 理 人 が いて 数 人 で生 活 す る共 同住居
30(4.6) 100(15.5)
3)専 門 職 員 の い る 十 数 名 の 寮(援 護寮 ・福祉ホーム等)91(14.1) 4)大 き な 生 活 施 設(老 人ホームや他の福祉施 設等)
5)困 って い な い(家 族 が面倒見 る、等) 6)そ の 他
7)退 院 は 困 難 無 回 答
47(7.3) 273(42.2)
16(2.5) 55(8.5) 35(5.4)
28(3.3)24(1.1) 125(14.8)290(13.2) 171(2Q.2)387(17.S)
?3(8.6)234(ZO.7) 232(27.4)210(9.6)
16(1.9)19(.9) 175(20.7)908(41.3)
27(3.2)124(5.6)
93(2.3) 571(13.9) 692{16.8) 395{9.6) 757(18.4)
57(1.4) 1282131.2)
267(6.5) 日中の 活 動 の場
1)収 入 を得 て 働 け る場 2)デ イ ケ ァや 作業 所 等 3)そ の他
4)特 に 問題 な し 5)退 院 は困 難
無 回答
189(29.2)180(21.3) 205(31.7)291(34.4)
19(2.9)9(1.1) 98(15.1)59(7.0) 69(10.7)246(24.3) 67(10.4)102(12.0)
248(11.3)577(16.5) 488(22.2)1064(25.9)
21(1.0)55{1.3) 91(4.1)263{6.4) 1033(47.0}1468(35.7)
315(14.3)587(14.3) 医 療 ・相 談援 助 の条 件[複 数回答〕
1)24時 間対 応 の病 院
2)24時 間対 応 の訪 問 救 急 シス テム 3)確 実 に通 院 ・服 薬 の 面倒 を見 て も らう 4)専 門家 に よる親 身 な 相談
5)そ の他 6)特 に問 題 な し 7)退 院 は困 難
279(43.1) 211(32.6) 292(45.1) 307(47.4) 11(1.7) 55(8.5) 44(6.8)
346(40.9) 274(32.3) 320(37.8) 326(38.5) 12(1.4) 28(3.3) 137(16.2)
651(29.6) 471(21.4) 589(26.8) 559(25.5) 22(1.0) 28(1.3) 814(37.1)
1388133.7) 1014(24.6) 1284(31:2) 1291(31.4) 48(1.2) 123(3.D) 1110(2?.0) 全 体 647(100.0)847(100.0)2196(100.0)4114(100.0)
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 199
的 健 康 状 態 」や 、表 示 して い な いが 「家族 の病 気 治 療 状 況 」「入 院 した り寝 込 ん だ り した こ と」 に は各 群 闇 に ほ とん ど差 が 認 め られ な い。 逆 に、 家 族 の生 活 困 難 度 と抑 うつ 尺 度 は、 入 院 期 間 が 長 くな るほ ど 「無 回答 」 の割 合 が 高 くな る傾 向 を認 め る と共 に、困 難 度 や抑 うっ は 「高 」の割 合 が短 期 入 院群 ほ ど多 か った。
3)前 回調査 との比 較
今 回 調 査 の結 果 を、1985年 に実 施 した第1回 全 国 家 族 福祉 ニ ー ズ調 査 と比 較 す る と18}、家 族 会 員 の状 況 に大 きな変 化 が 観 察 され た(表3)。
特 徴 的 な の は次 の3点 で あ る。
まず 、障害 者本 人 に在 宅 者 の 割合 が増 え た ことで あ る。85年調 査 で は入 院:在 宅 が2:1だ が 、 今 回 調 査 で は1:1で あ る。
第 二 に、 対 象 者 本 人 の 年 齢 が 高 齢 化 して い る こ とで あ る。 特 に、入 院 者 の年 齢 は42.8歳 が47.3歳 とな り、約5歳 高齢 に な って いた。
第 三 に、回 答者=「 親 」の 割 合 が、入 院 群 で56.1%か ら51.2%に 減 少 して い る。
これ に対 して 、 「同 胞 」 は入 院 群 で18.7%が24.9%に 上 昇 した。
以 上 の結 果 は 、入 院 患 者 を抱 え る家族 に、 近年 大 き な変 化 が 起 こ って い る こ とを示 して い る。す な わ ち、 入 院患 者 ・家族 の 会 員 数 が 総体 と して 減 少 す る と と もに、 本 人 そ して家 族 の高 齢 化 が進 み 、 同 胞 へ の世 代 交替 が急 激 に 進 行 して い るよ うで あ る。
2.家 族 が考 え る退 院可 能 性 とその条 件
次 に 、入 院患 者 を抱 え る家 族 が 、 退 院 の可 能 性 と条 件 を どの よ うに考 え て い るの か を 明 らか に した い。
表4は 、入 院期 間別 に 「病 状 が良 くな った場 合 に利 用 す るの がふ さわ しい社 会 資 源 」を 、 「生 活 の場 」 「活動 の場 」 「医 療 や相 談 援 助 」 の生 活条 件 別 に示 した も
の で あ る。
まず 「生 活 の場 」につ いて は 、(1)〜(6)の 条 件 が そ ろ って も 「退 院 は 困難 」で あ る とす る もの が31.2%と 最 も多 か った。 次 に、 家族 が面 倒 を見 る等 に よ って
Boa 家族か らみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
「困 って い ない」が18.4%で 多 いが 、「専 門職 員 の い る十 数 名 の寮 」(16.8%;以 下 、「ホ ステル 」)や 「管理 人が いて数 人 で生 活す る共 同住居 」(13.9%;以 下 「グ
ル ープ ホ ー ム」 あ る いは単 に 「ホ ー ム」)も 、 「困 って い な い」 に匹 敵す る割 合 で 選 択 され て いた。
入 院 期 間 別 には 、長 期 入 院 に な る ほ ど 「退 院 は 困難 」 が 多 くな り 「困 って い な い」が 少 な くな る。 しか し、「ホ ー ム」 や 「ホ ス テル 」 の割合 は あ ま り変化 し な い。
次 に 「活 動 の 場 」 にっ いて は、 や は り(1)〜(4)の 条 件 で は 「退 院 は 困難 」 が 35.7%で 最 も多 い。 これ に次 いで 、 「デイ ケ ア や 作業 所等 」 が25.9%、 「収 入 を 得 て働 け る場 」 が16.5%だ った。 入 院 期 間別 には 、長 期 入 院 に な る ほ ど 「退 院 は 困難 」が 多 くな り、 「収 入 を 得 て 働 け る場 」が 少 な い。
「医 療 ・相 談 援 助 の条 件 」 につ いて は、 「24時間 対 応 の病 院」(33.7%)、 「専 門 家 に よ る親 身 な相談 」(31.4%)、 「確 実 に通 院 ・服 薬 の面 倒 を見 て も らう」(31.2
%)、 「24時間対 応 の 訪 問救 急 シス テ ム」(24.6%)な ど、多 くの条 件が 選 択 され て いた。 「退 院 は 困難 」 は27.0%で 、3つ の生 活 条件 の 中 で は最 も低 い。 入 院 期 間別 に は、 「医療 ・相 談 援 助 の 条件 」 の各 選 択 肢 と も、長期 入 院 にな るほ ど低 下
して いた。
以 上 の退 院条 件 を 念 頭 に お いて 、 社 会 的援 助 資 源 が整 った場 合 の退 院 可 能 性 を尋 ね た。 その結 果 、表5の 通 り 「す ぐにで も退 院可 能 」は4.2%で あ り、「多 少 の困 難 はあ るが 退 院 可能 」が12.3%、 「か な りの 困難 は あ るが 退 院可 能 」が16.7
%だ った。 これ らを合 わ せ た、 「退 院可 能 」 と回答 した家族 は33.2%で あ る。 こ れ に対 して、「退 院 は現 実 的 に困難 」 は49.2%で 、「退 院可 能 」の3者 を合 わ せ た 割 合 よ りも多 い。
入 院 期 間 別 に は、 長期 入 院 に な る ほ ど 「退 院 可 能 」 の割 合 は低 くな る。長 期 入 院 群 で は3者 の合 計 で20.1%程 度 で あ り、一 方 、 「退 院 は 困難 」 は62.6%に な
る。
表5下 部 に は、 「退 院可 能 」 と回 答 した家 族 に対 して、 「退 院 した場合 家 族 に で き る こと」 を尋 ね た結 果 を ま とめ た。 それ に よ れ ば、 日常 的 な援 助 が伴 わ な い 「身元 保 証 人 に な る」(52.2%)、 「相 談相 手 に な る」(49.5%)、 「盆暮 れ に家
家族からみた入院精神障害者の退院可能性 とその条件 201
表5社 会的援 助 が整 った場 合 の退 院可能性 と家族 にで きる こと、退 院 の評 価 入院期間別群
入院群全体
短期入院群 中間群 長期入院群
退 院 の 可能 性
1)す ぐに で も退 院 可 能
2)多 少 の 困難 はあ るが退 院可 能 3)か な りの困 難 は あ るが 退 院可 能 4)退 院 は現 実 的 に 困難
5)わ か らない 無 回答
99(15.3) 198(30.6) 151(23.3) 116(17.9) 49(7.6) 34(5.3)
40(4.7)25(1.1) 163(19.2)120(5.5) 195(23.0)296(13.5) 316(37.3)1374(62.6)
81{9.6)157(7.1) 52(6.1)224(14.2)
172(4.2) 508(12.3}
687(16.7) 2024(49.2) 322(7.8) 401(9.7) 全 体 64T(100.0)847(100.0)2196(100.0)4114(100.0) 退 院 した場 合家 族 にで き る こと 【「退 院で き る」と回 答 した家族 】[複 数 回答]
1)身 元 保 証 人 に な る 2)盆 暮 れ に家 に迎 え る 3)相 談 相 手 に な る 4)身 の 回 りの世 話 を す る
5)同 居 して面 倒 を見 る 6)そ の 他
7)特 に な し
240(53.6)213(53.5) 159(35.5)174{43.7) 203(45.3)181{45.5) 123(28.8)133(33.4) 247(55.1)196(49.2)
15(3.3)9(2.3) 5(1.1)5(1.3) n=448n=398
233(52.8)713(52.2) 243(55.1)610(44.6) 258(58.5)676(49.5) 192(43.5)477(34.9) 126(28.6)596(43.6)
13(2.9)40(2.9) 3(0.7)13(1.0) n=441n=1367
表6「 生活 の場」 と して必 要 とされ るもの 入院期間別群
短期入院群 中間群 長期入院群 入院群全体 在宅群
こ こ2‑3年 の 「生 活 の場 」 1)家 族 と と も暮 らす
2)適 当な 賃貸 アパ ー トで 独 立 3)共 同住 居等 で仲 間 と一緒 に 4)病 院 に い る のが よい
5)病 院 以 外 の 生活 施 設 6)そ の 他
7)わ か らな い 無 回 答
251(38.8) 32(4.9) 72(11.1?
106(16.4) 117(18.1)
5(.8) 36(5.6) 28(4.3)
202(23.8) 17(2.0)
?8(9.2) 319(37.7) 154(18.2)
3(.4) 41{4.8) 33t3.9)
161(7.3) 21(1.0) 126(5.7) 1326(60.4)
299(13.6) 11(.5) 131(6.0) 121{5.5)
662(16.1) 77(i.9) 303(7.4) 1954(47.5)
628(15.3) 22(.5) 236(5.7) 232(5.6)
2582(61.8) 271(6.5) 351(8.4) 93(2.2) 487(11.7}
56(1.3) 162(3.9) 178(4.3)
制 度 利 用 の 希 望=「グ ル ー プ ホ ー ム 」 1)大 い に 役 立 つ235(36.3)289(34.1)568(25.9) 2)少 し役 立 っ75(11.6)75(8.9)159(7.2)
1182(28.7)1297(31.Q) 328(8.0)468(11.2)
制 度 利 用 の 希 望 二「中 間 施 設 」
1)大 い に 役 立 つ278(43.0)400(47.2)886(40.3) 2)少 し役 立 つ46(z.1)62(7.3)134(6.1)
1674(40.7)1187(28.4) 258(6.3)519(12.4}
全 体 647(100.0)847(100.0)2196(100.0)4114(100.0)4180(100.0)
202 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
に迎 え る」(44.6%)が 多 くな って い る。 他 方 、 「同居 して面 倒 を見 る」 は 全 体 で43.6%あ るが 、 長 期 入 院 群 で は減 少 し28.6%だ った。
調 査 で は、 退 院 の 条 件 とその 可 能 性 に関す る一 連 の質 問項 目以 外 に、 関 連 質 問 と して 、 「ここ2〜3年 うち の生 活 の場 」 と 「利 用 す れ ば役 立 つ 制度 」 の 中 に
「グル ー プ ホー ム」お よ び 「(病院 の敷 地 内 に あ って生 活 に適 した環 境 を持 っ)病 院 と福 祉 施 設 の 中間 的施 設 」 を用 意 した。
まず 、 「こ こ2〜3年 うちの 生 活 の 場 」 につ い て は(表6)、 入 院群 で は 「病 院 に い るのが よ い」 が47.5%で 最 も多 か った。 入 院 期 問 別 に見 る と、短 期 入 院 群 は16.4%に 過 ぎな いが、 長 期 入 院 群 は60.4%に 達 す る。 一 方 、在 宅群 で は 「家 族 と と もに暮 らす 」 が61.8%だ った。
制 度利 用 の希 望 で 「グル ープ ホ ーム」は、「大 いに」 と 「少 し」を合 わ せ た 「役 立 っ」 の割 合 が 、入 院 群 で36.7%、 在 宅 群42.2%だ った。 一 方 、「病 院 と福 祉 施 設 の中 間 的施 設 」 は入 院 群 が47.0%あ り、 これ に対 して在 宅 群 は40.8%で あ る。
3.家 族 が考 え る退 院 の条件 相 互 の 関係
以 上 見 て きた よ うに、 入 院 患 者 を 抱 え る家 族 が 考 え る退 院可 能 性や 必要 な退 院条 件 に は様 々 な位 相 が あ り、 設 問 に よ って回 答 に食 い違 いが 認 め られ た 。 そ
こで次 に、 家族 が 考 え る退 院 条 件相 互 の 関係 を検 討 して お く。
表7は 、退 院条 件 と して の 「生 活 の 場」別 に、他 設 問 の 「生 活 の場 」の回 答 状 況 を見 た もの で あ る。 なお 、退 院条 件 と して の 「生 活 の 場 」 で ホ ー ム とホ ステ ル は合 併 して示 す。
さて、退 院 条 件 と して の 「生活 の場 」 で回 答 に一 貫 性 が あ るの は、 「退 院 は困 難 」 に回 答 した退 院 困難 群 で あ る。 す な わ ち、 この群 に は 「ここ2〜3年 の生 活 の場 」 が 「病 院 に い るの が よ い」 とす る もの が74.6%に 及 ぶ 。 ま た、制 度 利 用 希 望 で 「グ ル ー プ ホ ーム」 や 「中間 施 設 」 な どの社 会 資 源 を 選 択 す る割 合 が 低 い。 同 じく 「『生 活 の場 』 に困 って い な い(家 族 が 面倒 み る)」(家 族群)も 、回 答 に一 貫 性 が あ る。 「こ こ2〜3年 の生 活 の場 」で 「家族 と と もに暮 らす 」が53.1
%で 比 較 的 高 く、 社 会 的 な 「生 活 の 場 」 はあ ま り多 く要 望 され な い。
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 203
表7退 院条件 と しての 「生活 の場 」別 、2〜3年 後 の生活 の場 退 院条 件 と して の 「生 活 の場 」別
単 身 群 家 族 群 ホ ー ム ・ 施 設 群 そ の他 退 院困 難 群 全 体 (困 って な い)ホ ステ ル群
こ こ2‑3年 後 の 「生 活 の 場 」
家 族 と と も暮 ら す14(15.1)402(53.1)99(7.8)19(4.8)68(21.0)60(4.7)662(16.1) アパート等 で 独 立 す る28(30.1)11(1.5)24(1.9)4(1.0)7(2.2)3(.2)77(1.9) グルーブホーム等 で 仲 間 と13(14.0)22(2.9)235(18.6)6(1,5)12(3.7)15(1.2)303(7.4)
病 院 に い る の が よ い15(16。1)193(25.5)488(38.6)188(41.6)113(34.9)957(74.6)1954(47.5) 病 院 以 外 の 生 活 施 設14(15.1)60(7.9)302(23.9)147(37.2)25(7.7)80(6.2)628(15.3)
そ の 他1(1.1)2(.3)5(.4)4(1.0)6(1,9)4(.3)22(.5)
わ か ら な い5(5.4)37(4.9)61(4,8)14(3.5)37(11.4)82(6.4)236(5.7) 無 回 答3(3.2)30(4.0)49(3.9)13(3.3)56(17.3)81(6.3)232(5.6)
制 度 利 用 希 望e「 グ ル ー プ ホ ー ム 」
大 い に 役 立 つ28(30.1)179(23.6)625(49.5)115(29.1)46(14,2)189(14.7)1182(28.7) 少 し役 立 つ15(16.1)90(1L9)81(6.4)46(11.6)18(5.6)78(6.1)328(8.0)
制 度 利 用 の 希 望=「 中 間 施 設 」
大 い に 役 立 っ32(34.4)265(35.0)731(57.9)219(55.4)62(19.1)365(28。5)1674(40.7) 少 し 役 立 つ7(7.5)62(8.2)56(4.4)29(7.3)19(5.9)85(6.6)258(6.3)
全 体 93(100.0)757(100.0)1263(100.0)395(100.0)324(100.0)1282(100.0)4114(100.0}
表8退 院条件 と して の 「生活 の場」別 、退 院可能性 の評 価 退 院 条件 と して の 「生 活 の場 」別
単 身群 家族 群 ホ ー ム ・ 施 設 群 その 他 退 院 困難 群 全 体 (困 って な い)ホ ステ ル群
退 院 可 能 性 の 評 価
す ぐ に で も 可 能11(11.8)85(11.2)57(4.5)10(2.5)8(2.5)1(0.1) 多 少 困 難 だ が 可 能28(30.1)ZiO(27.7)197(15.6)34(8.6)30(9.3)9(0.7) か な り 困 難 だ が 可 能25(26.9)196(25.9)340(26,9)69(17.5)34(10.5)23(i.s) 現 実 的 に は 困 難17(18.3)185(24.4)521(41.3)222(56.2)79(24.4)1000(78.0)
わ か ら な い 、無 回 答12(12.9)81(10.7)148(11.7)60(15.2)173(53.4)249(19.4)
172(4.2) 508(12.3) 68?(1fi.7) 024(49.2) 723(17.6) 全 体 93(100.0)757(100.0)1263(100.0)395(100.0)324(100.0)1282(100.0)4114(100.0)
これ に 対 して 、 退 院 条 件 で 「ホ ー ム ・ホ ス テ ル 」 を 選 択 した 群 「ホ ー ム ・ホ ス テ ル 群 」 は 、 「こ こ2〜3年 の 生 活 の 場 」 で 「グ ル ー プ ホ ー ム 等 仲 間 と」 を 選 択 す る もの が18.6%と 少 な く、「病 院 以 外 の 生 活 施 設 」の23.9%を 合 わ せ て も42.5
%程 度 で あ っ た 。 そ して 、 「病 院 に い る の が よ い」 は ホ ー ム ・ホ ス テ ル 群 の38.6
%に あ った 。 な お 、 こ の 群 は 「生 活 の 場 」の 制 度 利 用 希 望 が 高 く、 「グ ル ー プ ホ ー ム 」 が55.9%、 「中 間 的 施 設 」 が62.3%あ っ た 。
204 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
次 に、 退 院 条 件 と して の 「生 活 の 場 」 別 に、 退 院 可 能 性 に対 す る家族 評 価 を 見 た の が表8で あ る。 これ にっ いて も、回答 に一 貫 性 が あ るの は退 院 困難群 で 、 78.0%が 「現 実 的 には 困難 」 と回 答 して い る。 ま た、単 身 群(「 単身 で生 活 で き
るアパ ー ト等 」を 選 択 した もの)や 家族 群 は、 「退 院 可 能 」 の3者 を合 わせ た割 合 が それ ぞれ68.8%、64.9%と 高 く、 回 答 に一 貫 性 が 認 め られ る。
これ に対 して 、 ホ ー ム ・ホ ス テル 群 は 「退 院 可 能 」 が47.0%程 度 だ った。 ま た、 退 院 条 件 で 「老 人 ホ ーム等 比 較 的 大 きな生 活 施 設 」 を 選 択 した もの(施 設 群)は 、28.6%と さ らに退 院可能 性 が 低 く評 価 され て い る。 す なわ ち、 これ らの 群 で は、 社 会 的 「生 活 の場 」 を用 いて 退 院 す る こ とを一 旦 は 考 慮 しつつ も、実 際 の 退 院 可 能 性 を あ ま り高 く評 価 して い な い こ とが わ か る。
表9に は、退 院 条 件 と して の 「生 活 の 場 」別 に、退 院 した場 合 に家族 が で きる こ とを 纏 め た。
まず 家族 群 で は、 「同居 して面倒 を見 る」が78.4%と 突 出 して 高 い こ とに注 目 され た。 これ とは逆 に、 ホー ム ・ホ ステ ル群 お よ び施 設群 は 、「同居 して面倒 を 見 る」 以外 の 各 項 目 と も他 群 に比 べ て高 い割 合 で 選択 され た 。 す な わ ち、 同居 しな いの で あ れ ば 、 出来 るだ けの協 力 を惜 しま な い考 え で あ る こ とが わ か る。
さて 、表fOに は、退 院 条件 と して の 「生 活 の場 」別 各群 の基 本 属 性 を示 した。
各 群 の 特 徴 を見 る と、 まず単 身群 と家 族 群 は 、 と もに本 人 の平 均 年 齢が若 く、
罹 病年 数 が 短 い。 ま た、今回 の入 院 期 間が5年 未 満 が多 くな って い る。回 答者 家 族 に 「父 ・母 」 が 多 いが 、単 身 群 に は 「同胞 世 代 」 が や や 多 い。
次 に、 ホ ー ム ・ホ ス テル群 は本 人 年 齢 や 罹 病 年 数 は単 身 群 や 家 族 群 に比 較 的 近 いが 、「今 回 の入 院期 間」=「5年 以 上 」が 半 数 以上 を 占 めて い る。回 答者 にっ
いて も 「同 胞 世 代 」 が 多 い。
一 方、施 設 群 は、 高 齢 で罹病 年数 と今 回入 院期 間 が 長 い。 回 答者 家族 も半 数 近 くが 「同胞 世 代 」 だ 。
退 院 困難 群 は 、本 人年 齢 と罹 病 年 数 が 施 設 群 と同程 度 に高 齢 で 、罹 病期 間 が 長 期 化 して い る。 しか し、今 回入 院期 間 は よ り長 く、 「5年 以 上 」 が約7割 を 占 め て い る。 ま た、 回 答 者 家族 と して は 「同胞 世 代 」が 多 い。
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 205
表9退 院条件 と して の 「生 活 の場」 別、家族 にで きる こと [複数 回答]
退 院条件 と して の 「生 活 の場 」 別
単 身 群 家 族群 ホ ー ム ・ 施 設群 そ の他 (困って ない)ホ ス テ ル群
退院困難群 全 体
退 院 し た 場 合 、家 族 に で き る こ と
身 元 保 証 人 に な る37(57.8)210(42.8)360(60.6) 盆 暮 れ に 家 に 迎 え る26(40.6)134(27.3)346(58.2) 相 談 相 手 に な る37(57.8)134(27.3)387(65.2) 身 の 回 り の 世 話 す る22(34.4)95(19.3)279(47.0) 同 居 し て 面 倒 を 見 る9(14.1)385(78.4)140(23.6) そ の 他2(3.1)10(2,0)16(2.7)
特 に な し1(1.6)7(1.4)1(0.2)
67(59.3) 70(61.9) 71(62.8) 53(46.9) 32(28.3) 6(5.3) o(o.o>
31(43.1)8(24.2) 25(34.7)9(27.3) 34(47.2)13(39.4) 16(22.2)12(36.4) 24(33.3)6(18.2)
4(5.6)2(6.1) 2(2.8)2(6.1)
713{52.2) 610(44.6) 676(49.5) 477(34.9) 596(43.6) 40(2.9) 13(1.0) 全 体 64(100.0)491(100.0)594(100.0)113(100.0)72(100.0)33(100.0)1387{100.0)
表10退 院 の条件 と しての 「生活 の場 」選択 別、基本的属性 退 院 条件 と して の 「生 活 の場 」別 単 身群 家 族群 ホ ーム ・ 施 設 群
(困って ない)ホ ス テル 群
その他 退院困難群 全 体
本人の平均年齢 平均罹病年数
43.5歳 19.4年
43.0歳44.0歳 18.2年21.9年
54.2歳46.8歳51.2歳 27.0年22,6年27.4年
47.3歳 23.3年
今 回 の入 院期 間 1年 未 満 1〜5年 5年 以 上 不 明
30(32.3) 28(30.1) 24(25.8) 11(11.8)
273(36.1)191(15.1) 232(30.6)296(23.4) Z10(27.7)677(53.6)
42(5.5)99(7.8)
47(11.9)51(15.7)55(4.3) 73(18.5)43(13.3)175(13.7) 234(59.2)143(44.1)908(70.8}
41(10.4)87(26.9)144(11.2)
647(15.7) 847(20.6) 2196(53.4) 424(10.3) 回答者家族類型
父 ・母 同胞 世 代 夫 ・妻 そ の他 無 回答
57(61.3) 18(19.4) 1(1.1) 12(12.9)
5(5.4)
509(67.2)726(57.5}
63(8.3)371(29.4}
85(11.2)26(2.1) 69(9.1)79(6.3) 31(4.1)61(4.8)
114(28.9)166(51.2)536(41.8) 191(48.4)67(20.7)489(38.1)
26(6.6)20(6.2)57(4.4) 55(13.9)27(8.3)124(9.7)
9t2.3)44(13.6)?6(5.9)
2108(51.2) 1199(29.1) 215(5.2) 366(8.9) 226(5.5) 全 体 93(100.0)757(100.0)1263(100.0)395(100.0)324(100.0)1282(100.0)4114{100.0)
lV.考 察
1.本 調 査 対 象 者 の位 置
今回の調査結果 を精神科入院 医療一般 に普遍化す る上で、分析対象者が、全
206 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
国 の家 族 会 員 と彼 らが ケ アす る精 神 障害 者 で あ る とい う限 定 的 な サ ンプ ルで あ る点 に留意 が 必 要 で あ る。
そ こで 、全 国 の入 院 して い る精 神 障害 者 、 特 に精神 分 裂 病 者 と本 分 析 対 象 者 の基 本 的 な属 性 の違 いを まず明 らか に して お く。
最 初 に、年 齢 分布 を 見 る と、全 国 の入 院精 神 分 裂 病 者 の平 均 年 齢 が49.8歳 で あ るが(平 成2年 患者 調 査)、 本研 究 の対象 者 は47.3歳 とほぼ等 しいiz)。50歳を 中心 に年 齢 分 布 が集 中 して い る こ と も共 通す る。 今 回 の入 院期 間 にっ いて も、全 国 の精 神 分裂 病者 で5年 以 上 が58,9%、1年 以 上 が82.1%で あ るの に対 して(平 成 2年 患 者調 査)12)、本対 象 者 は、無 回答 を除 いて5年 以上 が59.5%、1年 以上 が82.
5%と ほぼ等 しい。
一 方 、家 族[保 護(義 務)者]に 関 して は、本対 象 者 が親54.7%、 兄弟28.2%、
配 偶者5.3%だ が、や や古 い統 計 によれ ば全 国値2)は それ ぞ れ44%、25%、12%で あ り、 親 が 多 く配偶 者 が 少 な い。
この よ うに本 分析 対 象 者 は、 年 齢 分 布 や入 院期 間 が ほぼ等 し く、 家 族 と して は親 世 代 に重 きを 置 い た対 象 層 で あ る ことが 分 か る。
家 族 会 員 は、 慢性 期 に お け る問 題 に取 り組 む意 思 を持 った 家族 の 一 っ の典 型 的 な集 団 で あ る と指 摘 され る8,9)。本 分 析 対 象者 に関 して も、 慢 性 期 の問題 を抱 え た障 害 者 で あ る点 にっ いて は 、 上 記 の属 性 分 析 の通 りで あ る。 ま た、 問題 へ の 取 り組 み 意 思 に関 して は家族 会 入 会者 で あ る と い う点 か ら明 らか で あ り、 家 族 続 柄 を見 て も実質 的 な援 助可 能 性 の高 い親 世 代 が 同 胞世 代 よ り多 くな って い た。 この よ うな こ とか ら、 本研 究 の 対象 者 は、 退 院 後 の処 遇 を 家 族 との 関係 で 考慮 しな けれ ば な らな い精 神 障害 者 の うち、 慢 性 期 に あ る精 神 障害 者 の特 徴 と あ る程 度一 致す る もの と考 え る。 そ して これ らの 対 象 者 ・家 族 は 、次 項 で述 べ
るよ うに、長 期 入 院 の弊 害 を家 族 が生 み 出 して い る とい う社 会 的 批 判 を最 も受 け やす い人 た ち な の で あ る9)。
2.入 院精 神 患 者 を抱 え る家 族 の ケ アカ の 限界
日本 の精神科入院 は入院期間が長 く、多 くの患者が精神病院を 「 生活 の場」と
家族からみた入院精神障害者の退院可能性 とその条件 207
して い る実 態 が 知 られ て い る㈲ 。 これ らの入 院 患者 の退 院 可 能 性 に っ いて 、近 年 い くっ か の調 査 が 実 施 さ れi'2,10,14.17)、2割〜6割 の もの は地 域 に適 切 な受 け皿 が あれ ば退 院 で き る こ とを 明 らか に して い る。
しか しなが ら、地 域 の 社 会 的 「受 け皿 」 が 乏 しい現 状 の 中 で 、 精 神 病 院 以外 の 「生 活 の 場 」 を敢 え て求 め る とす れ ば 、 家 族 に期 待 す る他 は な い。 主 治 医 の 判 定 に よ る厚 生 省精 神 衛 生実 態 調 査 の結 果 に よれ ば 、 退 院 促進 条 件 と して 「家 族 の受 け入 れ 」 は76%に 選 択 され、他 の条 件(主 に社 会 的 「受 け皿 」)を3倍 以 上 圧 倒 して いた2)。ま た実 際 には、精 神保 健 法 に保 護(義 務)者 に対 す る退 院 引 き 取 り義 務 が 規 定 され て い るので あ る。
これ に対 して 、入 院 患 者 を抱 え る家族 が実 際 には退 院後 の受 け皿 に な る こ と が 困 難 で あ る こ とを明 らか にす る研 究 が行 わ れ て い る乳11>。それ に よれ ば 、長 期 入 院 を 規 定 す る主 要 な条 件 と して 、 受 け入 れ に消 極 的 な家 族 の意 識 と、 家 族 を 取 りま く乏 しい 資源 的 条 件 が あ り、 家族 の 資 源的 条件 の改 善 が 難 しい こ とを考 え る と、 病 院 か 家族 の二 者 択 一 を排 し、 第三 の選 択肢 で あ る社 会 的 サ ー ビス の 充 実 が 優 先 され るべ きで あ る と提 言 して い る。
本 研 究 で は 、精 神 障害 者 ・家 族 の 属 性 と資 源 的 条 件 を 、 入 院 ・在 宅 別 に比 較 す る と共 に 、入 院期 間 別 に長期 入 院 群 と短 期 入 院 群 を比 較 した。
その結 果 、 まず 、入 院群 は在宅 群 に比較 して 、家 族 が 同 胞世 代 に交 代 して お り、
親 に限 って み れ ば 家族 年 齢 も高 齢 で あ り、 家 族 の 資源 条 件 も厳 しい こ とが 確 認 され た 。 ま た、 長 期 入 院 群 と短 期入 院群 を比 較 す る と、長 期 入 院 群 は上 記 の 入 院群 の特 徴 を顕 著 に表 して いた。 た だ し、健 康 条件 や生 活 困難 度 にっ いて は、両 群 が 同程 度 か、 あ るいは短 期 入 院群 に よ り重 大 な家 族 条件 の困 難 が観 察 され た。
これ は、 入 院間 もな い時期 に特 徴 的 なス トレス の 影 響 か 、 あ る い は経 過 の 長 期 化 で世 代 交 代 が進 み 、若 返 りに よ って 健 康 問題 や 一 般 的 な生 活 問 題 が 減 少 した
もの と思 わ れ る。
この よ うに、 入 院群 さ らには長 期 入 院 群 に お い て、 家 族 ケ ア の遂 行 に 困難 な 客 観 的 条件 が あ る こ とが 、 一部 例 外 は あ る もの の、 本 研 究 で も明 らか に され た
と考 え る。
Zos 家族か らみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
3.家 族 か らみ た退 院可 能 性 と必 要 な社 会 資 源
1)退 院可 能性 の評 価
家族 か らみ た退 院 可 能性 の評 価 で は、 「す ぐに で も退 院 可 能 」「多少 の困 難 は あ るが 退 院 可 能 」 「か な りの困難 は あ るが 退 院可 能 」を 合 わ せて33.2%が 何 らか の 形 で退 院可 能 と判 断 され て い た。
この数 値 を他 の調 査 と比 較 して み る。 これ まで に主 治 医 に よ る調 査 と、患 者 本 人が 自己 評 価 す る調 査 が 行 わ れ て い る。
まず 、主 治 医が 判 定 した入 院患 者 の退 院可 能 性 につ いて は、1983年 度 の厚生 省
「精 神 衛 生実 態調 査 」2)があ る。 この調 査 で は、 「退 院 して社 会生 活 が で き る」が 8%、 「条 件 が そろ え ば退 院 の可 能 性 が あ る」22%、 「相 当 の 困難 は あ るが 退 院 の 可 能性 が あ る」27%で 、合 わせ て57%が 退 院 の可 能 性 を持 つ と回答 され て いた。
「退 院 して 社 会 生 活 が で き る」 と 「条 件が そ ろえ ば退 院 の可 能性 が あ る」を合 わ せ た割 合 が30%だ か ら、家族 の判 定 が若 干厳 しい こ とが わ か る。一方 、1989年 に 精神 神経 学 会 社 会復 帰 問 題委 員会 が全 国 の精 神科 医療 施設4万 床 を対象 に行 った 調査 で ば 。)、グル ー プ ホ ー ム(給 食付 き)程 度 の ケ アが 提 供 で き る社 会 資 源 が用 意 され た場 合 に退 院 可能 と判 断 され た入 院 患者 は33.1%で あ り、 「か な りの 困難 はあ るが退 院可 能 」 を 含 め た家 族 の回 答 とほ ぼ同 数 で あ る こ とか ら、 や は り家 族 の評 価 が 若干 厳 しい よ うに思 わ れ る。
次 に、入 院患 者 本 人が 判 断 す る退 院可 能性 につ いて は、(財)全 国精 神 障 害者 家 族 会 連 合 会 保 健 福 祉 研究 所 が全 国34,000床 の 入 院 患 者 を対 象 に行 った全 国 入 院 入 所 者 福祉 ニ ー ズ調 査 の結 果が あ る16)。これ に よれ ば 、1年 以 上 の長期 入 院 をす る精 神 分 裂 病 者 の41.2%が 、何 らか の形 で退 院 が 可 能 と回 答 して い た。 この よ うに、 本 人 自身 の判 断 は 家族 の判 断 よ り10%程 度 前 向 きで あ る。
家 族 の 判 断 が 専 門 職 や本 人 の判 断 よ りいず れ の 場合 もや や 抑制 され て い るの は、退 院 が 直 ち に家 族 の 引 き取 りに結 び つ くこれ まで の精 神 科 医療 の 現 実 に根 ざ して、家 族 へ の 受 け入 れが 困難 な回 答者 に消 極 的 な判 断 を促 す ため で あ ろ う。
と こ ろで 、 退 院 可 能 性 に関 す る家 族 の判 定 は 、長 期 入 院 に な るほ ど厳 しくな り、短 期 入 院 群 で は69.2%あ るが 、 中 間群 で は46.9%、 長 期 入 院群 で は20.1%
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 209
に減 少 す る。 「退 院 した場 合 家 族 にで き る こ と」 を見 る と、 「同居 して面 倒 を 見 る」 が長 期 入 院 に な るほ ど著 し く減 少 して い る。 一 方 、制 度 利 用 希望 で 「生 活 の場 」 の社 会 資 源 を役 立 つ と選 択す る割 合 は入 院 期 間 が長 期 化 して も増 加 せ ず 、 大部 分 の 家族 は 、結 局 は 「退 院」=「 家 族 の引 き取 り」 と考 え て い る こ とが ここ で も推 測 され る。
2)家 族 が望 む退 院 の条 件
以上 見 た よ うに、 家 族 が 精神 障害 者 の退 院 を考 慮 す る時 に は 、 まず 家 族 の 引 き取 りが 念 頭 に お か れ 、 社 会 的 な 「受 け皿 」 の利 用 は あ ま り考 え られ な い こ と が わか るの で あ る。
その 中 で 、 「ご本 人 の病 状 が 良 くな り、退 院 す る場 合 」 と い う条 件 を設 定 した もので は あ るが 、 必 要 な社会 資源 の 「生 活 の場 」 と して 「管 理 人 が いて 数 人 で 生 活 す るグ ル ー プ ホ ー ム 」が13.9%、 「専 門職 員 が い る十 数 名 の寮 」 が16.8%、
合わせ て30.7%に 選 択 され て いた ことには注 目され る。 これ らは、1987年 と1992 年 の精 神 保 健 法 で 登 場 した地 域 福 祉 型 の小 規 模 居 住 プ ログ ラ ムで あ り、 本 研 究
で は、 先 ほ どの 条 件 の 下 で グル ープ ホ ー ム と小 規 模 ホ ス テル を選 択 した一 群 を
「ホ ー ム ・ホ ス テ ル 群 」 と呼 ん で 、 その特 徴 を分 析 した。 ま た 、 同 じ条 件 で 「比 較 的大 きな生 活施 設 」 を選 ん だ一 群 は9.6%あ り、 これ を 「施 設 群」 と呼 び 同様 に分析 した 。
「ホ ー ム ・ホス テ ル群 」 と 「施 設 群 」 は 、 関連 質 問 で条 件 を 変 え て尋 ね た 「生 活 の場 」(こ こ2〜3年 の生 活 の場)で は、 「病 院 に い るの が良 い」の回 答 が半 数 近 くあ り、 また退 院 可 能 性 にっ いて は、 「退 院 は現 実 的 に困難 」 が半 数前 後 あ っ た。 この よ うに、 社 会 的 な 「生 活 の場 」 で一 旦 は 退 院 を考 慮 しな が ら、退 院 は 難 しい と考 え る もの が半 数 程 度 あ るわ けで あ る。
他 方 、 制 度 利 用 希 望 で 「生 活 の場 」 の 社 会 資 源 を役 立 っ と選択 す る割 合 は他 群 に比 べ て高 く、特 に 「病 院 と福 祉施設 の中間 的施 設 」は両 群 とも6割 以 上 が 「役 立 っ」(「大 い に」 と 「少 し」 の 合 計)と 回 答 して い た。 この よ うに、 この 群 に お け る将 来 の 「生 活 の場 」 の見 通 しに は一貫 性 が 欠 けて お り、 家 族 と して の心 の揺 れ を反 映 した結 果 と考 え られ る。
210 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
これ ら両 群 に 「退 院 した場 合 、家 族 にで き る こ と」 を尋 ね る と、 「同居 して面 倒 を み る」 は少 な い もの の 、 そ の他 の援 助 は 他 群 に比 べ て積 極 的 に考 慮 されて いた。 この 両 群 は、 家 族 の 引 き取 りは困 難 だ が 、 何 らか の方 法 で退 院 させ 、家 族 も応 分 の 協 力 を した い と考 えて い るグ ル ー プで あ る こ とが わ か る。
「ホ ー ム ・ホ ステ ル群 」 と 「施 設群 」は 、患者 ・家 族 の基 本 属 性が 異 な って い る。
「ホー ム ・ホス テ ル 群」 は 、本 人年 齢 が や や若 く罹 病 年 数 も 「施 設 群 」 よ り短 い。
また、家族 も親 世 代 が半 数 以 上 あ り、世 代交 代 が まだ十 分 に は進行 して いな い。
しか し、 本 人 年 齢 の平 均 が44歳 で あ る こ とを考 え る と、親 世 代 の 家族 が 出来 る 最後 の望 み と して グル ー プ ホー ム や小 規 模 ホ ス テ ル に期待 を掛 けて い るこ とが 推測 され る。
これ に対 して、 「施 設 群 」は本 人 の平 均 年 齢 が 最 も高 く、経 過 年数 も非 常 に長 い。 家 族 も 「同 胞 世 代 」 の方 が半 数 近 くを 占め て い る。 この よ うな困 難 な状況 の 中 で、 家 族 と して前 向 きの 選択 肢 と して 「比較 的 大 き な生 活 施設 」へ の 入所 が考 慮 され た の で あ ろ う。
3)家 族 か らみ た退 院 に必要 な社 会資 源数
近 年 、 精 神 保 健 領 域 で もよ うや く精 神 障害 者 の 生 活 を 支 え る社 会 資源 の必要 数 を算 出 して、 計 画 的 に整 備 を 進 め て 行 こ うとす る動 きが 見 られ るよ うに な っ た'3)。しか しそ こで は 、計 画の根 拠 と して 、一 部 の例外 を 除 いて、専 門職 の判 断 に基 づ く社 会 資 源 の必 要 数 が算 定 され て い る に過 ぎ な い。
本 調 査 対 象 者 は 、全 国 サ ンプ ル で は あ るが 、 家 族会 員 が世 話 す る精 神 障 害者 とい う限 定 的 なサ ンプ ルで あ る。 この た め に 、全 国推 計 値 を求 め るに は本 来 は 無 理 が あ るが 、 ユ ーザ ー サ イ ドか らの必 要 数 算 定 の必要 性 が高 い現 状 を鑑 み て 、 取 りあえ ず の推 計 値 を求 め る意 味が あ る と考 え た 。
その 際 、 前 項 の 分 析 で み た よ うに 、退 院 条 件 と して の 「生 活 の場 」 か ら導 い た 「ホ ー ム ・ホ ス テ ル群 」 と 「施 設群 」が 、家 族 以 外 の社 会 資源 を利用 して前 向 きに退 院 を 考 え て い るグル ー プ で あ る こ とが 分 か った の で 、 これ ら両 群 か ら社 会 資 源 の必 要 数 を 算 出 す る こ とに した。
さて 、 まず 「ホ ー ム ・ホ ステ ル 群 」 は入 院者 全 体 の30.7%を 占め て いた。
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 211
これ を35万 人 の入 院 患者 に当て はめ る と107.5千 人分 とな る。 しか し、 この うち 実 際 の退院可 能 性が あ ると判 断 され て い るの は47.0%で あ った。 す なわ ち、107.5 千 人 ×0.470=50.5千 人 が 具 体 的 に グ ル ー プ ホ ー ム や 小 規 模 ホ ス テ ル で の退 院 を考慮 して い る人 たち と考 え る ことが で き る。 同様 に 「施 設 群 」 は入 院群 の9.6
%で33.6千 人 分 、 この うち退 院可 能 と判 断 され た の は28.6%な ので 、33.6千 人 × 0.286=9.6千 人 が具 体 的 に生 活施 設 で の退 院 を考 慮 す る人 た ち と考 え られ る。
専 門職 の判 定 した い くつ か の社 会 資 源 数 推 計 値 を要 約 す る と、 ホー ム とホ ス テ ル の合計 が 約5万 人 分 、老 人施 設 と他 の 社 会福 祉 施 設 の合 計 が4〜5万 人 分 と な る6)。これ に対 して 、家族 の判 定 によ る必 要 数 は 、具 体 的 な利 用 を考慮 す る も のが 、 ホ ーム とホ ス テ ル で は ほぼ 同数 、生 活 施 設 は1/5程 度 だ が 、利 用 希 望者 全 体 で は ホー ム とホ ス テ ル につ いて は2倍 程 度 が 必 要 と判 断 され る。
4.精 神 医 療 改 革 と家 族
以 上 の分 析 結 果 を 要 約 す る と、 まず 、 長期 入 院 患 者 を 中 心 とす る入 院 患者 の 受 け皿 と して 家族 を考 慮 す る ことには実 質 的 に困難 な客観 条 件 が あ る ことが 、先 行 研 究 同様 に本 研 究 で も確 認 され た 。 そ の一 方 で 、 退 院 に対 して 前 向 きな姿勢 を持 つ 家族 も少 な か らず お り、家族 以 外 の社 会 的 な 「生 活 の 場 」 と して、約3割 が グル ープ ホ ー ムや小 規 模 ホ ステル を、約1割 が比 較 的 大 きな生 活施 設 を考 慮 し て いた。 この よ うな社 会 的受 け皿 の 利 用 が 、 入 院 患 者 を抱 え る家 族 の 中 に も確 実 に位 置 付 いて 来 た こ とは銘 記 して お く必 要 が あ ろ う。
しか し、 実 際 の退 院 可 能 性 に対 す る家 族 の評 価 は、 主 治 医 や入 院 患 者 本 人 の 評価 よ り厳 し く、 慎 重 で あ る。 退 院 が 直 ち に家 族 の 引 き取 りに結 び っ いて きた 従来 の精神 科 医 療 の 現 実が 、家 族 に消極 的 な判 断 を促 した可 能 性 が 示唆 され る。
この た め、 地 域 で生 活 す るの な ら社 会 的 受 け皿 を 利 用 す る こ とを一 旦 は考 慮 し た家族 も、 設 問 の条 件 が 変 わ れ ば回 答 に一 貫 性 を欠 いた り、退 院 の可 能 性 を 消 極 的 に考 え た りす る傾 向 が認 め られ た の で あ る。
社 会 的受 け皿 を整 備 しなが ら精 神 病 院 の脱 施 設 化 を進 め た こ とで 知 られ るイ ギ リス にお いて も、家族 会(NSF)は"Cartbeforethehorse"と い う厚生 大 臣 に
212 家族からみた入院精神障害者の退院可能性 とその条件
対 す る陳状 書)の 中で 、地 域 に受 け皿 が な いの に病 院を 閉鎖 す る ことを批判 して い る。 十分 な社 会 的 受 け皿 を用 意 した上 で脱 施 設 化施 策 を進 め な けれ ば、結 局 は 家 族 が重 荷 を担 わ ざ るを得 な い、 洋 の 東西 を 問 わ な い現 実 が あ り、 その こと に対 して 、家 族 は強 い警 戒 感 を持 って い るの で あ る。
もち ろん 、 この陳 状 書 の本 旨 は、 地域 で 必 要 な時 に必要 な 処遇 とケ アが 受 け られ 、社 会 的 な孤立 を防 止 で きる、住 居 や ケ ア体 制 を充 実 させ る こ とにあ る。 本 調 査 対 象者 ・家族 で も、退 院 に消 極 的 な家 族 は む しろ少 な く、 家族 が 引 き取 ら な くて も生 活 で き る条件 が用 意 され るの で あれ ば、 家 族 と して も可 能 な限 りの 協 力 を前 向 き に考 慮 して いた の で あ る。
さて、 冒 頭 で 述 べ た よ うに 、近 年 精神 障 害 者 に対 す る施 設 ケア の あ り方 にっ いて見 直 しが始 め られ て い る。精神 病床9万 床 の削 減 が公 的 な報 告書 に提 案 され た り3)、医療法 改 正 に よ る療養 型 病床 の導 入 に関 連 して 、精 神 科療 養病 床 の診 療 報 酬 が 登 場 す る な ど、大 き な議 論 が 巻 き起 こ りっ つ あ る。 この よ うな動 きに対
して、 ユ ーザ ーサ イ ドの 発言 が殆 ど な い こ とは既 に指 摘 した通 りで あ る。
これ に対 して 、地 域精 神保 健 の領 域 で は、 家族 会 を 中心 にユ ー ザ ーサ イ ドの 動 きが 活 発 で あ る。 最近 数 年 の 間、 地 域 精 神 保 健 に関 わ る諸 施 策 が よ うや く進 展 して きたが 、 その 要 因 と して家 族 会 が 中心 に取 り組 ん だ小 規 模 作 業所 が 地 域 活 動 の牽 引車 的 な役 割 を 果 た して きた こ とは よ く知 られ て い る6}。1965年の精 神 衛 生 法 改正 以来 、精 神 障 害 者 に対 す る地 域 ケ アが 方 向付 け られ た に も関 わ らず 、 遅 々 と して施 策 が進 展 しな か ったの に対 して 、 止 む に止 まれ ぬ 家族 会 の働 きに よ って 、 よ うや く具 体 的 な施 策 の転 換 が 図 られ るよ うに な ったの で あ る。
翻 って 、精 神 科 の入 院 医療 は、 従 来 か ら非 専 門 家 に は極 め て 関 わ りに くい領 域 で あ った 。 そ の た め、 ユ ーザ ーサ イ ドの フ ィー ドバ ックが 殆 ど な く、 そ の こ
とが 一 つ の要 因 とな って、 精 神 病 院 醜 聞 に代 表 され る精神 科 医 療 の質 の低 下 が もた らされ て来 た こ とが 知 られ て い る。 この 現 状 を変 化 させ るた め に も、 ユ ー ザ ーサ イ ドの意 思 反 映 が 必 要 とされ て い るの で あ る。
本 研 究 で は、 精 神 病 院 で の施 設 内生 活 を どの よ うに改善 す べ きか に対 す る家 族 の意 向 は明 らか に 出来 ず 、今 後 の課 題 と な った。 しか し、退 院 を巡 る家 族 の 条 件 と、社 会 的 受 け入 れ 資 源 に対 す る家 族 の 期 待 はあ る程 度 明確 にす る こ とが
家族からみた入院精神障害者の退院可能性 とその条件 213
出 来 た。 精 神科 入 院 医療 の改 革 に関 わ る一 側 面 で は あ るが 、 ユ ー ザサ イ ドに あ る家 族 の意 向 を 明確 に で きた こ とは本 研 究 の 成 果 と考 え る。 これ か ら、精 神 障 害 者 の 施 設 ケ ア の あ り方 が よ り活 発 に議 論 され る ことが予 測 され る。精 神 科 医 療 の 質 の 向上 の ため に、 ユ ーザ ーサ イ ドの意 見 が よ り積極 的 に反 映 され て い く
こ とが 望 まれ る。
V.要 旨
近 年 、精 神 障 害者 の施 設 ケ ア の あ り方 が 活 発 に議 論 され て い るが 、 ユ ーザ ー サ イ ドの意 見 の反 映 は殆 どな い。本 研 究 で は、 全 国精 神 障害 者 家 族 会 連 合 会 が 実 施 した第2次 全 国 家 族 福 祉 ニ ーズ調査(対 象 者8,600例)の 結 果 を用 いて、精 神 科 入 院患 者 の退 院可 能 性 とその条 件 に対 す る家 族 の意 識 の構 造 を明 らか に し、
ユ ーザ ーサ イ ド(本 研 究 で は家 族)が 望 む 、 施 設 ケ ア に置 き代 わ り得 る地 域 の ケ ア体 制 の あ り方 を検 討 した。
分 析 の結 果 、 まず 、 長 期 入 院 患 者 を中 心 とす る入 院 患 者 の 受 け皿 と して 家族 を 考 慮 す るこ とに相 当 に 困難 な客 観 条 件 が あ る こ とが 、 先行 研 究 と同 様 に確認 され た。一方 で 、退 院 に前 向 きな家族 も少 なか らず お り、約3割 が グル ープ ホ ー ムや小 規模 ホステル 、約1割 が比較 的大 きな生活 施 設 によ る退 院 を考 慮 して いた。
しか し、 実 際 の退 院 可 能 性 に対 す る家 族 の 評 価 は厳 し く、 退 院 が 家 族 の 引 き 取 りに 直結 す る現 実 が 、 家 族 に消極 的 な判 断 を促 す可 能 性 が 示 唆 され た。 この た め 、社 会 的受 け皿 の利 用 を望 む 家族 も、設 問 の条 件 が変 わ れ ば 回 答 に一 貫 性 を欠 いた り、退 院可 能 性 を 消極 的 に考 慮 す る傾 向 が認 め られ た。 以 上 の結 果 を
もとに 、家 族 が望 む地 域 の ケ ア体 制 の あ り方 につ いて若 干 の考 察 を加 え た。
付記:本 研究は、(財)全 国精神障害者家族会連 合会 保健福祉研究所が実施主体 と な り、第二次全国精神障害者 ・家族福祉ニーズ調査家族調査班(班 長=石 原邦雄教授) が実施 した調査を、大 島の責任 で取 りまとめた もので ある。
214 家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件
文 献'
1)神 奈 川 県 社 会復 帰 援 護 会 社 会 復 帰 ニ ー ド調 査 委 員 会:川 崎 市 に在 住す る精 神 障 害 者 の 社会 復 帰 ・社会 福 祉 の現 状 と必 要 な援 助 施 策 報 告書.神 奈 川 県 社会 復 帰援 護 会 、1994.
2)厚 生 省:昭 和58年 度 精 神 衛 生 実 態 調査 報 告 の概 要.厚 生省 、1985.
3)森 山公 夫 、他:今 後 の精 神 医療 のあ り方.道 下 忠 蔵:精 神科 入 院 医療 及 び処遇 のあ り方 に関 す る研究.厚 生科 学 研 究 総 合 研 究 報 告 書 、pp67‑92、1993.
4)NationalSchizophreniaFellowship:Cartbeforethehorse.1985.
5)日 本 精 神病 院 協 会 将 来 の精 神科 医療 供 給体 制 構想 中 間報 告.日 本 精 神 病 院協 会 雑 誌12:614‑627,1993.
6)岡 上 和 雄 、吉住 昭 、大 島巌 、滝 沢 武 久:精 神保 健 福 祉 へ の 展 開.相 川 書 房 、1993.
7)岡 上 和 雄 、大 島巌 、荒井 元傳:日 本 の精 神 障 害 者.ミ ネ ル ヴ ァ書 房 、1988.
8)大 島巌:精 神 障 害者 をか か え る家族 の協 力 態 勢 の実 態 と家族 支援 の あ り方 に関す る研 究.精 神経 誌89:204、1987.
9)大 島巌:精 神障 害 者 の 家 族.滝 沢 武 久 、村 田信 男編 、精 神 保 健実 践 講 座6精 神 保健 と家 族 問題 、中央 法 規 出版 、東 京 、p163、1989.
10)大 島 巌 、猪 俣 好正 、樋 田精 一 、吉 住 昭、稲 地 聖一 、丸 山 晋:長 期入 院精 神 障害者 の 退 院 可 能 性 と、退 院 に必 要 な社 会 資 源 お よ びそ の数 の推 計 一全 国 の精 神 科 医療 施 設4万 床 を対 象 と した調 査 か ら一.精 神 神 経 学雑 誌93(7):582‑602,1991.
11)大 島巌 、岡 上和 雄:家 族 の 社 会 ・心 理 的 条 件 が精 神 障 害者 の長 期 入 院 に及 ぼ す影 響 とそ の社 会 的機 序.精 神 医学33(5):479‑488,1992.
12)大 島巌:精 神病 院 高齢 ・長 期 在 院者 の退 院促 進 の 方 策 に関 す る研 究 報告書.国 立精 神 ・神 経 セ ンタ ー精 神保 健 研 究 所 、1993.
13)精 神 神経 学 会:「 精 神保 健 推 進十 ヶ年 計 画 〜 メ ンタル ヘル スゴ ール ドプ ラ ン」の樹 立 を 目指 して.第91回 日本 精 神 神 経 学 会 総 会 シ ン ポ ジ ウ ム 演 題 募 集 要 項.精 神 神 経 学 会 、1994.
14)山 角 司、松 野正 弘 、山角 博 、仮 屋哲 彦 、福 沢 等 、望 月保 則 、佐 々木 重雄 、功 刀弘:社 会復 帰 活動 と医療費体 系 一山梨 県 におけ る調査 か ら.精神 神経学 雑誌92(11)1,1990.
15)全 家 連 保 健 福 祉研 究 所 編=精 神 障 害 者 ・家 族 の生 活 と福 祉 ニ ー ズ'93
家族からみた入院精神障害者の退院可能性とその条件 215
(1)全 国 家 族 調 査 編.保 健 福 祉 研 究 所 モ ノ グ ラ フNo.5、 全 家 連 、1993.
16)全 家 連 保 健 福 祉 研 究 所 編:精 神 障 害 者 ・家 族 の 生 活 と 福 祉 ニ ー ズ'93(皿)全 国 入 院 ・入 所 者 調 査 編.保 健 福 祉 研 究 所 モ ノ グ ラ フNo.7、 全 国 精 神 障 害 者 家 族 会 連 合 会 、 1994.
17)全 家 連 保 健 福 祉 研 究 所 編:長 期 入 院 精 神 障 害 者 の 退 院 を 阻 害 す る 「施 設 症 」 の 実 態 把 握 と そ の 対 策.保 健 福 祉 研 究 所 モ ノ グ ラ フNo.10、 全 国 精 神 障 害 者 家 族 会 連 合 会 、 1994.
18)全 国 精 神 障 害 者 家 族 会 連 合 会 編:日 本 の 精 神 障 害 者 と 家 族 の 生 活 実 態 白 書.
全 国 精 神 障 害 者 家 族 会 連 合 会 、1986.
19)ZungWOK,RichardsCB,GalbesC,ShortMJ:Self‑rationgdepressionscale inanoutpatientclinic.ArchGenPsychiatry13:508‑515,1965.
216
[資 料]入 院可 能 性 とそ の条件 に関す る質 問項 目
問18ご 本 人 の病状が 良 くな り、現在入 院 して い る病 院を退 院す る場 合 に、 あなたは次 に あげ る ものの 中で 、 どの よ うな条件が必 要 にな るとお考 え にな ります か。 イ)と ロ)は ご本人 に最 もふ さわ しい もの一つ ずっ を選 び、ハ)に 関 して は 当て は ま る ものす べて を選 んで下 さい。
イ)「 生 活す る場 」(寝泊 ま りす る所)【 最 もふ さわ しい もの一 つ だ けに○印】
1)単 身 で 生 活 で き る適 当 な賃 貸 ア パ ー ト、貸 家 な どが あ る こ と 2)食 事 な どの 面倒 を見 て くれ る管 理 人 が いて 、数 人 の 患 者 同士 生
活 す る共 同 住 居
3)10数 名 な い し20名 位 の 患者 が 生活 す る 、数 名 の 専 門 職 員 の い る 寮 の よ う な施 設
4)老 人 ホ ー ム や他 の 福 祉 施 設 の よ うな 、 比 較 的 大 き な生 活 施 設 5)退 院 す る上 で 、 生 活 す る場 に は困 って い な い
【家 族 が 面 倒 見 る な ど】
6)そ の 他 の 生 活 の 場(具 体 的 に:
7)ど の よ う な条 件 が そ ろ って も退 院 は 困 難 だ と思 う ロ)「 日中出か けて い く場 」「日中活動 す る場」
【最 もふ さわ しい もの一 つ だ けに○ 印】
1)本 人 な り に収 入 を得 て 働 け る場 が あ る こ と
2)就 職 して い な くて も日中 出 か けて 行 け るデ イ ケ アや作 業所 、い こい の 家 な どが あ る こ と
3)そ の他 の 日中 出 か け る場(具 体 的 に:
4)退 院 す る上 で 、 日中 出 か け る場 は特 に 問 題 な い 5)ど の よ うな 条 件 が そ ろ って も退 院 は 困 難 だ と思 う
ハ)医 療 的 な条件 や相 談援 助 の条件 【当ては まる ものすべて に○印 】
1)具 合 が 悪 くな った と きは、 いつ で も(24時 間)診 察 して くれ る病 院 が あ る こ と
2)具 合 が 悪 くな った とき は、 いつ で も(24時 間)医 療 ス タ ッフが 訪 問 して 対 応 して くれ る救 急 シ ス テ ム が あ る こ と
3)通 院 ・服 薬 が 確 実 にで きる よ う、普 段 か ら病 院 側 が 責 任 持 って 面 倒 を 見 て くれ る こ と
4)い っ で も親 身 に な っ て 相 談 に の っ て くれ る 専 門 家 の い る こ と 5)そ の他 の 条 件(
6>退 院 す る上 で 、上 記 の 条 件 は特 に問 題 な い
7)ど の よ うな 条 件 が そ ろ って も退 院 は困 難 だ と思 う