34 トピックス
1 はじめに
さいたま市では、従前より、児童生徒の状況 を把握する「いじめに係る状況報告」等の調査 の実施、「いじめ撲滅強化月間」の設定やいじめ 撲滅に向けた「児童生徒啓発ポスター」の各学 校への配付、学校への支援となる学校生活指導 員や個別サポート指導員の派遣等、様々な本市 独自の施策を通していじめの防止等に取り組み、
成果をあげてきた。
ここでは、「さいたま市いじめ防止対策推進条 例」及び「さいたま市いじめ防止基本方針」の 特徴、条例や基本方針に基づく、児童生徒が主 体的に行ういじめの防止等に向けた取組を紹介 する。
2 「さいたま市いじめ防止対策 推進条例」の制定と 「さいたま 市いじめ防止基本方針」 の策定
本市では、市を挙げて、一層のいじめの防止 等に取り組む強い意志をはっきりと示すため、
平成26年7月に「さいたま市いじめ防止対策 推進条例」を制定した。この条例の特徴は、「学 校の主役である児童生徒の役割を明確にし、児 童生徒自身による主体的な取組を推進するこ と」、「条例に基づきさいたま市いじめ防止基方 針を策定すること」である。
また、平成26年8月には、条例に基づき「さ いたま市いじめ防止基本方針」を策定した。こ の方針の特徴は、「市、教育委員会、学校及び学
校の教職員、保護者、児童生徒、市民及び地域 団体が、それぞれの立場で、何をすればよいか を具体的に示し、6つの立場を明確にしている」
ところである。
3 児童生徒が主体的に行う、
いじめの防止等に向けた取組
(1)「さいたま市子ども会議」の開催 子ども会議の開催前には、関係小・中学校の 代表児童生徒が集まり、各校のいじめ撲滅に向 けたこれまでの取組と成果について報告し、児 童生徒自らが意見交換をする中で、各校の取組 をよりよいものにしていく。
会議では、各学校の代表生徒が話合いの結果 を持ち寄り、「いじめ撲滅に向けた効果的な取組」
や「傍観者をなくすための取組」などについて 協議し、具体的な取組を決定する。
会議後には、関係小・中学校が連携し、自分 たちの力でいじめを撲滅しようと様々な取組を 実施している。
【「子ども会議」での話合いの様子】
トピックス
「いじめの防止等」に向けた
さいたま市の取組
指導2課
教育さいたま30号 35
(2)「いじめ防止シンポジウム」の開催 いじめを起こさせない、見逃さない環境づく りを目指し、市立学校の児童生徒の代表、保護者、
教職員、関係団体等が一堂に会し、子ども会議 で採択された「いじめ撲滅!さいたま宣言」、P TA協議会による「いじめ防止スローガン」、市 民会議による「いじめ防止のための五ケ条」の 発表などを通して、いじめ撲滅に向けた市全体 の機運を高めている。
【いじめ撲滅に向けた取組発表の様子】
【子ども会議議長団による活動報告の様子】
(3) 「児童生徒の心のサポート 手引き いじめに係る対応」の各学校への周知 及び活用の徹底
手引きには、児童生徒が発するいじめの発見 のための要注意サイン、教職員間による情報共 有・収集のポイント、児童生徒との面談の留意点、
いじめの疑いといじめへの対応、重大事態、関 係児童生徒への支援や指導などが紹介されてい る。教育委員会では、学校が、児童生徒の発す
る小さなサインを見逃すことなく、迅速かつ適 切な対応を組織的に行うことができるよう、各 学校への周知・活用の徹底を図っている。
【「児童生徒の心のサポート 手引き」】
本市ではその他にも、「人間関係プログラム」
などの児童生徒のコミュニケーション能力を育 成する施策や「心と生活のアンケート」などア セスメントを強化する施策、さわやか相談員・
スクールカウンセラーの配置による教育相談体 制の充実等を通して、いじめの防止等のための 対策について、総合的かつ効果的に取り組んで いる。
4 おわりに
全ての市立学校が、法の規定に基づき、「学校 いじめ防止基本方針」の策定及び「いじめの防 止等の対策のための組織」の設置を、平成26 年3月31日までに終え、いじめを起こさせな い、見逃さない体制を整えた。
今後も各学校が、「いじめは、どの学校でも、
どの学級でも、どの児童生徒にも起こり得る」
という認識の下、児童生徒が、安心して学校生 活を送ることができる、いじめのない学校づく りを進めていくため、教育委員会では、基本方 針に基づいた具体的で有効な取組を計画的、継 続的に実施し、児童生徒が生き生きと学ぶ教育 を目指していく。