不規則なアクセス負荷集中に適応可能な高性能スト レージの研究
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(2) (別紙様式 2). 氏. 名. :大江. 和一. 論 文 名. :不規則なアクセス負荷集中に適応可能な高性能ストレージの研究. 区. :甲. 分. 論. 文. 内. 容. の. 要. 旨. 近年のストレージシステムは,SSD の登場により大幅な性能向上を達成した.しか しながら,SSD は HDD と比較して高価であり,この高価な傾向が少なくとも 2020 年 位まで続くと考えられる.そのため,SSD と HDD を組み合わせた階層型ストレージ システムは,ストレージシステムのコストパフォーマンスを向上する重要な技術である. 階層型ストレージシステムでは,高速な SSD と低速な HDD による物理的な階層構造 を,一次元のストレージ空間としてアプリケーションに提供することが出来,さらに SSD の容量の比率を少なくしその SSD に IO アクセスの頻度が高い領域を優先的に 割り当てることで,コストパフォーマンス向上を図ることが出来る.一方,IO アクセ スの頻度が高い領域をどうやって検出するのか,という課題も生じる. IO アクセスの頻度が高い領域の特徴を把握する目的で,本研究では運用中に採取し た複数の共用ファイルサーバワークロード(Samba ワークロードと MSR Cambridge ワークロード)の分析を行った.特に,IO アクセスが集中した領域に注目しその領域 の空間的・時間的な偏りを明らかにすることと、その成果を階層型ストレージシステム の制御に反映することが,分析の目的である.その結果,IO アクセスが集中した領域 は全領域の高々数%程度であり,この範囲に全 IO アクセスの 58%以上が集まっていた. この IO アクセス集中の 66%以上は任意の領域に発生し,IO アクセス集中の継続時間 が平均 60 分であった.さらに本研究では,IO アクセス集中に達しなかった非 IO ア クセス集中領域の分析も行い,全領域の 13-99%を占め,この範囲に全 IO アクセスの 最大で 40%が集まることを発見した. 階 層 型 ス ト レ ー ジ シ ス テ ム と し て 従 来 用 い ら れ て い る Conventional tiering と Caching は,この IO アクセス集中を適切に取り扱うことが出来ない.Conventional tiering は,数時間から1日単位の IO アクセス情報を用いてデータの再配置を行う方 式であるため,平均 60 分程度しか継続せず任意の領域に発生する IO アクセス集中が 発生する領域を捉えて SSD に配置することが困難である.一方 Caching は,read と write が混在した IO アクセス集中において,write-back 処理が原因となる HDD へ の大量の random アクセスを引き起こすため,IO アクセス集中を含んだワークロード を性能向上出来ない. そこで本研究では,IO アクセス集中及び IO アクセス集中に達しなかった非 IO ア クセス集中を含むワークロードの性能向上に取り組んだ.その結果,(1) IO アクセス集 中領域を検出して SSD に置換する階層ストレージの提案,(2) 参照局所性と領域移動 を考慮して高速に IO アクセス集中領域を検出する階層ストレージ OTF-AST の提案,.
(3) (3) caching 技術と IO アクセス集中領域検出技術による階層ストレージ OTF-AST with caching の提案,という研究成果を上げた. (1) では,HDD の過負荷が原因でアプリケーションが求める性能を提供出来なくな った時に HDD の iops と IO busy 率の相関係数を用いて,HDD の過負荷状態を解消 するために HDD より IOPS が 2 桁以上大きい SSD へ移動が必要な領域を求め,即座 にその領域を移動することで,IO アクセス集中を含むワークロードの性能向上に,成 功した.しかしながら,HDD が過負荷状態となりその状態がしばらく続かないと SSD への移動が始まらないため,本提案の効果が得られるまで時間がかかることと,隣接領 域に移動しながら IO アクセス集中が継続するパターンで,本提案の効果が薄いことが, 課題である. (2) では,ストレージの部分領域ごとの IO アクセス数の変化を常時監視することで, IO アクセス集中を迅速に把握し,SSD 置換後も IO アクセス集中が継続する領域に絞 って SSD に置換することで,(1) で性能向上が難しかった IO アクセス集中を含むワ ークロードの性能向上に成功した.隣接領域に移動しながら IO アクセス集中が継続す るパターンに関して,本提案は,IO アクセス集中の移動速度と IO アクセス集中とな るまでの成長速度を用いて,IO アクセスがまだ少ない時に SSD に置換する方法を用 いた.この(2) の提案は,IO アクセス集中領域の性能向上問題を解決した. (3) では,(2) で性能向上出来なかった短時間で終息する IO アクセス集中領域と非 IO アクセス集中領域に対して,Caching と(2) の提案を組み合わせる方法の提案であ る.本提案を効果的に機能させるには,(2) で用いる SSD と Caching の間の領域置換 の高速化が必須である.そこで本提案では,Caching を構成する HDD と SSD から置 換に必要な領域を別々に取り出して(2) で用いる SSD に置換することで,HDD のラ ンダムアクセスを回避し,IO アクセス集中領域と非 IO アクセス領域の両方に発生し た IO アクセスの性能向上を達成した.本提案は,同じ条件で動作させた従来方式より 優位であることも確認した..
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