• 検索結果がありません。

要旨 国は 健康日本 21 という政策において 社会全体において国民の健康を支援し 生活習慣の改善により健康寿命を延ばすことを目標としている これによりセルフメディケーションが推進され 医薬品教育の必要性が問われたことから 保健体育の授業内容の一つとして医薬品の適正使用などに関する項目が取り入れられ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "要旨 国は 健康日本 21 という政策において 社会全体において国民の健康を支援し 生活習慣の改善により健康寿命を延ばすことを目標としている これによりセルフメディケーションが推進され 医薬品教育の必要性が問われたことから 保健体育の授業内容の一つとして医薬品の適正使用などに関する項目が取り入れられ"

Copied!
51
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成

26 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究Ⅱ

おくすり教育の実態調査

Survey of Current Progress of Medicine-Education In Niigata

薬化学研究室 6 年

08P158 原 瑞穂

(2)

要 旨

国は「健康日本21」という政策において、社会全体において国民の健康を支援し、生活習慣の改 善により健康寿命を延ばすことを目標としている。これによりセルフメディケーションが推進され、医 薬品教育の必要性が問われたことから、保健体育の授業内容の一つとして医薬品の適正使用など に関する項目が取り入れられる方針となった。この医薬品に関する一連の教育のことを「おくすり教 育」と呼ぶ。平成24 年度に中学校で、翌年からは高等学校でもおくすり教育が始まっている。「おく すり教育」の内容としては、中学校では主に、医薬品には主作用と副作用があり、正しく使用する必 要があること、また高等学校では主に、医薬品には医療用医薬品と一般用医薬品があり販売に規制 があることや、副作用には予測できるものとできないものがあることなどを取り上げることとなってい る。 本来セルフメディケーションよりも大切なのは、病気を予防するための自分自身の健康管理である ため、「おくすり教育」は健康の保持増進につながるものが適切であると思われる。医薬品の適正使 用に終始するのではなく、その意義をきちんと伝え、健康というものにつながるような教育でなくては ならない。ゆえに使用する教材も、本来の国の目的である健康寿命をのばすということにつながる教 材でなくてはならないはずである。そこで現在配布されている教材について記載されている内容をま とめ、評価を行った。多くの教材が、本来の目的である健康的な生活の促進には至っていない印象 を受けた。 また、現在新潟市内の全小中高等学校の担当教員へ向けて、アンケートをお願いしている。内容 は医薬品・薬物乱用・セルフメディケーションの三項目について、対象学年や学習方略、使用されて いる教材がどのようなものかなどを知るための現状調査アンケートとなっている。それに加え新潟薬 科大学オープンキャンパスにおける、医薬品の飲み合わせなどに関するアンケートと、新津医療セ ンター病院医療フェスタにおける、薬剤師に関するアンケートの結果と考察を述べた。アンケートで は、薬剤師を身近な相談役として意識していないという結果が示された。 現在のところ日常生活において、健康を支えるための相談役としての明確な職種がいないように 感じられる。薬の専門家である薬剤師が果たすべき役割として、次世代のための医薬品教育に加え、 街の薬局・ドラッグストアの薬剤師に気軽に健康相談をしてもらえるような環境作りを行っていくなど、 より国民一人一人のセルフメディケーションに薬剤師が関わっていくことが期待される。

(3)

目 次

1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1

2.「おくすり教育」教材の内容に関する調査 ・・・・・・・・・・

1

3.新潟市における「おくすり教育」の現状に関する調査 ・・・・・・・・・

21

4.新潟薬科大学「オープンキャンパス」参加者に対するアンケート ・・・・・・・・・ 26

5.新津医療センター病院「医療フェスタ」参加者に対するアンケート ・・・・・・・・

39

6.おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41

謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

43

引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

44

(4)

1

1.はじめに

日本は世界有数の長寿国であるが、急速な高齢化と共に生活習慣病が増え、結果寝たきりな どの要介護状態になる人が増加している。そこで健康を増進し、病気を予防する一次予防に重 点を置く対策として、「健康日本 21」が推進されている。1978 年から始まった第一次国民健康づ くり対策は主に国民一人一人の健康づくりの推進、1988 年からの第二次には運動を中心とした 健康的な生活習慣の普及、そして 2002 年からは第三次として、健康寿命の延伸及び生活の質 の向上実現が目標とされた1) このことから、自分自身の健康に責任を持ち軽度な身体の不調は自分で手当てする、いわゆ るセルフメディケーションにおいて医薬品の教育の必要性が問われ、平成 24 年度から中学校で、 翌年には高等学校にて「おくすり教育」が始まることとなった。「おくすり教育」とは保健体育の授 業内容の一つとして取り入れられたもので、主に医薬品の適正使用などに関する教育のことであ る。しかし、本来セルフメディケーションよりも大切なのは、病気を予防するための自分自身での 健康管理である。つまり、「おくすり教育」は健康づくりにつながるような教育でなくてはならないと 考える。医薬品の適正使用に終始するのではなく、その意義まできちんと伝えるべきである。ゆえ に「おくすり教育」に使用する教材も、本来の国の目的である健康寿命をのばすということにつな がる教材でなくてはならないはずである。 以上のことから、「おくすり教育」として使用されている教材が、医薬品の適正使用だけにとどま っていないか、健康につながるような内容となっているのか興味を持ち、調査することとした。そし て現場では実際にどのような教材が使用されているのかを調査するため、新潟市の全小中高等 学校の「おくすり教育」担当教員へ向けてアンケートを実施しているところである。また、地域住民 の目に薬剤師という職種がどのように映っているのかを知るために、新潟薬科大学薬学部のオー プンキャンパス参加者に対し、アンケートを実施した。この研究により、現在のおくすり教育の教材 における問題点、薬剤師の認識度を調査し、今後のおくすり教育の在り方につなげていけたらと 思う。

2.「おくすり教育」教材の内容に関する調査

新学習指導要領への完全移行を受け、保健体育の授業内容の 1 つとして医薬品の適正使用 などに関する項目が取り入れられる方針となった。平成 24 年度から中学校で、翌年には高等学

(5)

2 校でも「おくすり教育」が始まっている。従来の学校教育の中では薬物乱用をはじめとして飲酒・ 喫煙など、体への悪影響を及ぼすものは保健体育や総合学習等の授業で取り上げられていたが、 正しい服用方法を守ることで体に良い影響を与えることができる医薬品については取り上げられ てこなかった。今後は若い世代から医薬品に対する正しい知識や考え方が備わっていくものと考 えられる。「おくすり教育」の内容が盛り込まれている中学校・高等学校の各保健体育学習指導要 領解説を調査し、「おくすり教育」に関して配布されているいくつかの教材を取り上げ、記載されて いる内容などを記述し、健康につながるような内容となっているか調査していく。 表1.学習指導要領解説保健領域における中学校・高等学校の各学年の内容と目標2)3) 学校 目標 対象学年 内容と項目 中学校 個人生活に おける健康・ 安全に関する 理解を通して、 生涯を通じて 自らの健康を 適切に管理し、 改善していく 資質や能力を 育てる 第1 学年 心身の機能の 発 達 と 心 の 健康 身体機能の発達 生殖に関わる機能の成熟 精神機能の発達と自己形成 欲求やストレスへの対処と心の 健康 第2 学年 健康と環境 身 体 の 環 境 に 対 す る 適 応 能力・至適範囲 飲料水や空気の衛生的管理 生 活 に 伴 う 廃 棄 物 の 衛 生 的 管理 傷害の防止 交 通 事 故 や 自 然 災 害 な ど に よる傷害の発生要因 交 通 事 故 な ど に よ る 傷 害 の 防止 自然災害による傷害の防止 応急手当 第3 学年 健康な生活と 疾病の予防 健康の成り立ちと疾病の発生 要因 生活行動・生活習慣と健康 喫煙、飲酒、薬物乱用と健康 感染症の予防 保 健 ・ 医 療 機 関 や 医 薬 品 の 有効利用 個人の健康をまもる社会の取組

(6)

3 高等 学校 個人及び社会 生活における 健康・安全に ついて理解を 深めるようにし、 生涯を通じて 自らの健康を 適切に管理し、 改善していく 資質や能力を 育てる 第1 学年 現 代 社 会 と 健康 健康の考え方 健康の保持増進と疾病の予防 精神の健康 交通安全 応急手当 第2 学年 生 涯 を 通 じ る 健康 生涯の各段階における健康 保 健 ・ 医 療 制 度 及 び 地 域 の 保健・医療機関 様々な保健活動や対策 社 会 生 活 と 健康 環境と健康 環境と食品の保健 労働と健康 表1 は、中学校・高等学校の保健体育の学習指導要領解説における授業内容・目標を挙げた ものである。この中で「おくすり教育」に関する内容は表中の二重線で示した部分であり、中学校 では「健康な生活と疾病の予防」の「保健・医療機関や医薬品の有効利用」の項目、高等学校で は「生涯を通じる健康」の「保健・医療制度及び地域の保健・医療機関」の項目で取り扱うこととな っている。 学習指導要領には学校教育法による法的拘束力があり、授業は学習指導要領に沿った形で 行うこととなっている。学習指導要領に「おくすり教育」が明記されているのは現在のところ高等学 校のみである。学習指導要領に付随するものとして文部科学省が提示している学習指導要領解 説は内容をより詳細に示してあるものであるが、法的拘束力はないため、現状では授業時間等の 関係で中学校では「おくすり教育」が行われていない可能性も考えられる。小学校の保健体育は 健康に関する項目が主であり、規則正しい生活を送ることや病気の予防を重点に置いた内容とな っており、解説の方でも医薬品の適正使用について触れられている項目はない。 中学校・高等学校の医薬品に関する指導内容における学習指導要領解説を以下に示す。 中学校 健康な生活と疾病の予防(第3 学年)2) ■保険・医療機関や医薬品の有効利用 ◇健康の保持増進や疾病予防の役割を担っている保健・医療機関とその利用 →人々の健康の保持増進や疾病予防の役割を担っている保健所、保健センター、医 療機関などがあることを理解できるようにする。健康の保持増進と疾病の予防には、

(7)

4 各機関が持つ機能を有効に利用する必要があることを理解できるようにする。 ◇医薬品の正しい使い方 →医薬品には主作用と副作用があることを理解できるようにする。医薬品には、使用 回数、使用時間、使用量などの使用法があり、正しく使用する必要があることにつ いて理解できるようにする。 高等学校 生涯を通じる健康(第2 学年)3) ■保健・医療制度及び地域の保健・医療機関 ◇我が国の保健・医療制度 →我が国には、人々の健康を守るための保健・医療制度が存在し、行政及びその 他の機関などから保健に関する情報、医療の供給、医療費の保障も含めた保 健・医療サービスなどが提供されていることを理解できるようにする。その際、介 護保険、臓器移植、献血の制度があることについても適宜触れるようにする。 ◇地域の保健・医療機関の活用 →生涯を通じて健康を保持増進するには、検診などを通して自己の健康上の課 題を的確に把握し、地域の保健所、保健センター、病院や診療所などの医療 機関及び保健・医療サービスなどを適切に活用していくことなどが必要であるこ とを理解できるようにする。また、医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品が あること、承認制度により有効性や安全性が審査されていること、及び販売に規 制があることを理解できるようにする。疾病からの回復や悪化の防止には、個々 の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り、正しく使うことが必 要であることを理解できるようにする。その際、副作用については、予期できるも のと、予期することが困難なものがあることにも触れるようにする。 その他の項目として、中学校の「健康な生活と疾病の予防」の「個人の健康をまもる社会の取 組」では、住民の健康診断や心身の健康に関する相談などを取り上げ、健康の保持増進や疾病 の予防に地域の保健活動が行われていることを理解する内容が取り扱われている。また高等学 校の「現代社会と健康」の「健康の保持増進と疾病の予防」では、生活習慣病を予防し、健康を保 持増進する大切さを理解する内容が取り扱われている。また「生涯を通じる健康」の「生涯の各段 階における健康」では、加齢に伴う心身の変化について、若い時から自分の健康関心をもち、自 己管理が重要であることを理解する内容が、「様々な保健活動や対策」では、国として健康の保 持増進を図るため保健活動等が行われていることを理解する内容が取り扱われている。いずれの 項目も健康の保持増進に関する内容が取り上げられている。病気を予防し健康寿命を延ばすた めの教育としては、ここに挙げた項目も重要である。

(8)

5 保健体育の教科書における「おくすり教育」に関する内容は、医薬品の有効利用と題して、医薬 品には主作用と副作用があること、市販の医薬品を買う時は薬剤師などの専門家に相談しながら 目的に合ったものを選ぶなど、医薬品の使用・販売に関する概要が簡潔に述べられている 4) 「おくすり教育」は始まったばかりの取り組みであり、取り扱われる内容も専門性の高いものである ため、補助資料として教材を配布しているところがある。その中でも生徒に配布される教材に関し てどのような内容が書かれているのか、健康につながる教材となっているか、また薬剤師が教材 の中でどのように取り扱われているのか、調査した。 図1.個人を取り巻く健康と医療との相関図

(9)

6

(10)

7 書かれている内容・・・小学生向けの、医薬品の基本的な事項について。中学校でのおくすり教 育の範囲を参考に、より簡潔に作成されている。文字はほとんどがひらがなで、難しい漢字や普 段あまり目にしない漢字(言葉)には振り仮名がついている。イラスト中心。最初に医薬品につい てのクイズが出題されていて、解答に沿った形で章全体が構成されている。薬剤師という職業の 簡単な説明あり。内容は主に①自然治癒力と医薬品について②医薬品の種類③医薬品の飲み 方④医薬品を使用するときは周りに相談する、の 4 つに分かれている。最後のページには「おうち の人と読みましょう」との題で、①医薬品の血中濃度について②主作用と副作用について③保管 について④薬についての疑問は医師・薬剤師に相談しましょう、の 4 項目に関する簡潔な記載が ある。分かりやすく簡潔に記載されている。イラストも多いため小学生でも分かりやすく、医薬品を 身近に感じてもらえるような構成となっている。 不足している点・・・小学生用の内容のため簡潔な形になっているが、医薬品を服用する際に決 まりごとがあるのは安全のためであるというような内容や、「おうちの人と一緒に読みましょう」の部 分に、具体的な危険性についての記述がない。

(11)

8

(12)

9 書かれている内容・・・項目ごとに、「考えてみよう」との項目で、自分の知っている医薬品につい て書き込む欄が設けられている。小学生用の内容をより詳細に記載しており、コラムとして健康食 品・サプリメントと医薬品の違いや、製材上の工夫がされている医薬品など関連した項目が紹介さ れている。学校薬剤師が学校でどのような活動を行っているのか説明されている。学習指導要綱 に準じた形で、医薬品の服用方法、主作用と副作用について触れられている。自身で書き込む 項目があるため、日常生活と医薬品との関連をより理解することができる。理由や原因などの説明 がきちんと書かれている。 不足している点・・・医薬品の効き目が体内の血中濃度のよるものであるとの記述がある。それに より決められた時間・量で服用しなければならないとの説明はあるが、きちんと服用することで、症 状が早く治り健康につながるような記載はない。

(13)

10

(14)

11 書かれている内容・・・内容としては「薬の正しい使い方 中学生用(印刷物)」と同じとなっている。 途中で実験項目があり(水を飲む量が少ないとくすりがのどにくっつくことを指先で疑似体験、お 茶に鉄分を含む医薬品を入れると黒い沈殿ができる、の2 種類)、パワーポイントには実験結果な どが写真として掲載されている。実験項目を、パワーポイントの流れに沿って実際に目の前で行 いながら使用することも可能で、それにより理解がより深まるものと考えられる。学校薬剤師の役割 の説明がある。 不足している点・・・図・イラスト中心の構成となっているため、口頭での説明によって内容を膨らま せることが必要である。実験項目では、実際に体の中で起こった場合の危険性などの説明を加え るべきと考える。

(15)

12

(16)

13 書かれている内容・・・小・中学生用として、学校薬剤師が使用するものとして作成されている。最 初に学校薬剤師の役割と、薬局での普段の業務について紹介されている。飲酒・喫煙と薬物乱 用についてのパワーポイントも一緒に掲載されているため、必要に応じて講義をすることが可能で ある。医薬品についてのパワーポイントは日本学校保健会の中学生版のパワーポイントに準じた ものとなっている。 不足している点・・・医薬品を服用する際は決まりごとがあるということ以外にも、説明書などをきち んと読むような説明を加えるべきと考える。全体として、医薬品とその正しい使用方法についてと いう内容に終始している。健康につなげていく大切さは記載されていない。

(17)

14

(18)

15 書かれている内容・・・東大阪市役所のホームページにて紹介されている。このパワーポイントを 使用し薬剤会に所属する薬剤師が地域の小学校において医薬品の適正使用についての啓発授 業を実施している。中学校の学習指導要綱解説に沿った内容となっている。薬物乱用について も触れられていて、身近なものが危険な薬物になる可能性も紹介されている。薬剤師やかかりつ け薬局も紹介されている。 不足している点・・・小学校用と考えると漢字が多いように感じる。注目すべき言葉に関しては振り 仮名を記載するとより理解がしやすいのではないか。

(19)

16

(20)

17 書かれている内容・・・内容は中学校の学習指導要綱に準じたものとなっている。イラストや図は 日本学校保健会のパワーポイントが使用されている。副作用についての項目が最も多く示されて いて、安全性の対策の項目では薬害についても触れられているため、より医薬品の副作用につ いて理解が深まるような構成となっている。 不足している点・・・薬剤師という言葉は記載があるものの、薬剤師の仕事や役割についての説明 はなく、そのような記載を加えるべきだと思う。

(21)

18

(22)

19 書かれている内容・・・医薬品について、医薬品の定義、医療用・一般用医薬品の区別、販売方 法、医薬品の役割、歴史、開発・審査について、医薬品の剤形と工夫、血中濃度、添付文書、副 作用と対応法など、様々な項目が詳細に記載されている。またコラムでは、ジェネリック医薬品や 医薬部外品、ドーピングについてなど関連項目が紹介されている。 不足している点・・・高校生用の内容として、自分自身で医薬品を選択する機会も多くなってくると 考えられるため、医薬品の服用方法や副作用についてなどの項目をより詳細に記載し、医薬品 を使用する際に注意すべき点を取り上げた方が良いと考えられる。また何かあったら医師・薬剤 師に相談する、という言葉は出てくるが、薬剤師の役割についての記述はない。

(23)

20

(24)

21 書かれている内容・・・初めに医薬品に関するクイズを出題し、解答を示した上で高等学校で習う 範囲の「おくすり教育」の内容についてを取り上げている。セルフメディケーションにつながる一般 用医薬品を主として取り上げている。医薬品の剤形には実際の写真が使用されており、理解しや すい。一般用・医療用医薬品のくすりの説明書も実際のものが例として示され、どこにどのようなこ とが記載されているか理解できるようになっている。 不足している点・・・印刷用の教材でも挙げたが、副作用の起こる原因などの説明をより詳しくする 必要がある。医薬品の添付文書は実際に印刷して配布して説明することでより理解が深まるので はないか。 全体を通して、健康につなげていくことの大切さを明確に記載していないことが分かった。また 副作用とそれに対する対処法、薬剤師の仕事や役割についての記載をより充実させるべきと感じ た。薬物乱用では薬物の怖さを強調することが大切かもしれないが、医薬品に関しては正しい服 用方法や量、それにより得られる効果をしっかりと伝えることが第一であり、副作用の面だけを強 調してしまうと医薬品自体を避けてしまう恐れがある。何か疑問点があれば薬剤師に相談するとい うことをしっかりと伝えれば、安心して使用してもらうことも可能なのではないかと考える。

(25)

22

3.新潟市における「おくすり教育」の現状に関する調査

現在、新潟市薬剤師会、新潟市教育委員会にご協力いただき、新潟市における各学校の「お くすり教育」の実態について調査するためのアンケートをお願いしている。「おくすり教育」は始ま ったばかりの取り組みであり、実際に使用されている教材や学習方略なども各学校によって様々 であると考える。そこでより良い「おくすり教育」のための課題を明白にしていく目的でアンケート 調査を行っている。 アンケートは①健康維持のための日常生活(セルフメディケーション)について、②喫煙・飲酒・ 薬物乱用と健康について、③医薬品の適正使用(正しい服用方法・適正量など)について、の 3 項目に分け、それぞれで具体例を挙げながら選択式で以下の質問を行っている。 1.どの授業の一環として実施しているか 2.教えている内容はどのようなものか 3.誰が教えているのか 4.対象学年は何年生か 5.授業人数はどのくらいか 6.授業時間はどのくらいか 7.授業はどのような形式で行っているのか 8.どのような教材を使用しているのか 実際のアンケートを以下に示す。

(26)

23

(27)
(28)

25

(29)
(30)

27

4.新潟薬科大学「オープンキャンパス」参加者に対するアンケート

本年6 月 22 日に開催された新潟薬科大学のオープンキャンパスにて、薬学部薬化学研究室主 催の体験実験参加者(高校生21 名・保護者 16 名の計 37 名)においてアンケートを実施した。 当日は下痢止めの成分として含有されているタンニン酸と鉄を反応させるとどのような変化が起こ るか、複数の医薬品を同時に服用することにより体の中でどのような変化が起こるのかを視覚的 に理解してもらう実験を行った。それにより参加者に対して医薬品の相互作用に関して興味を持 ち、注意を喚起することを目的としている。以下にアンケート結果を示す。アンケートは実験前・実 験後・医薬品について・薬剤師についての4 項目に分けて集計を行った。なお、高校生 21 名の 中で、学校で「おくすり教育」を受けたことのある学生は2 名だった。 <実験前における質問> くすりどうし、あるいはくすりと飲食物が混ざるとくすりの効果が変化してしまう「くすりの飲み合わせ」 について知っていますか 知っている 聞 い た こ と はある 知らない 高校生 5 14 2 保護者 5 11 0 合計 10 25 2 ■知っていると回答した中で・・・ ■聞いたことはあると回答した中で・・・ 27% 68% 5% 高校生 44% 保護者 56% 高校生 49% 保護者 51% ■知っている ■聞いたことはある ■知らない

(31)

28 くすりを水以外(お茶やジュース)と飲んでも問題ないものと、効き目が変化する(副作用が出る) ものがあることを知っていますか 知っている 知らない 高校生 14 7 保護者 12 4 合計 26 11 ■知っていると答えた中で・・・ ■知らないと答えた中で・・・ <実験後における質問> 「くすりの飲み合わせ」について、気を付けたいと思っていただけましたか 思った あまり実感が わかなかった 無回答 高校生 21 0 0 保護者 14 1 1 合計 35 1 1 70% 30% 高校生 47% 保護者 53% 高校生 58% 保護者 42% 94% 3% 3% ■知っている ■知らない ■思った ■あまり実感がわかなかった ■無回答

(32)

29 くすりを水以外で飲んではいけないものがある理由が理解できましたか 理解できた な ん と な く 分かった よく分からない 無回答 高校生 14 6 1 0 保護者 9 6 0 1 合計 23 12 1 1 ■理解できたと答えた中で・・・ ■なんとなく分かったと答えた中で・・・ 結果を見ると、くすりどうしあるいはくすりの飲み合わせによる効果の変化があることはほとんど の人が知っていたが、水以外のものと服用した場合の効果の変化は 30%の人が知らないとの回 答だった。知っていると回答したのは保護者の方が多く、知らないと回答したのは高校生の方が 多かった。実験後のアンケートではほとんどの人が飲み合わせについて気を付けたいと回答し、 水以外で飲んではいけないものがある理由も、なんとなく分かった人も含め90%以上の人が理解 できたようだ。口頭での説明だけではなく、実際に演題実験を行ったり、自分自身で実験を行うこ とによって理解が深まったものと考えられる。 62% 32% 3% 3% 高校生 54% 保護者 46% 高校生 43% 保護者 57% ■理解できた ■なんとなく分かった ■よく分からない ■無回答

(33)

30 <医薬品に関する質問> くすりには医療用医薬品と一般用医薬品とがあることを知っていますか 知っている 聞 い た こ と はある 知らない 高校生 10 8 3 保護者 8 7 1 合計 18 15 4 ■■知っている・聞いたことはあると答えた中で・・・ ■知らないと答えた中で・・・ 体調がすぐれないとき、自分の考えでくすりを選び、飲んだことがありますか ある ない 高校生 13 8 保護者 14 2 合計 27 10 49% 40% 11% 高校生 48% 保護者 52% 高校生 70% 保護者 30% 73% 27% ■ある ■ない ■知っている ■聞いたことはある ■知らない

(34)

31 ■あると答えた中で・・・ ■ないと答えた中で・・・ 決められた用量を守らずにくすりを飲んだこと(5 日分処方だったが治ったので 3 日間で服用をや めた、など)がありますか (一度でも)ある ない(守っている) 高校生 14 7 保護者 10 6 合計 24 13 ■(一度でも)あると答えた中で・・・ ■ない(守っている)と答えた中で・・・ 一般用医薬品についている「添付文書」をきちんと読んでからくすりを飲んでいますか 読んでいる 用法・用量 だけ読む ほとんど読ま ない 無回答 高校生 5 14 1 1 保護者 3 7 5 1 合計 8 21 6 2 高校生 41% 保護者 59% 高校生 75% 保護者 25% 65% 35% 高校生 52% 保護者 48% 高校生 47% 保護者 53% ■(一度でも)ある ■ない(守っている)

(35)

32 ■読んでいると答えた中で・・・ ■用法・用量だけ読むと答えた中で・・・ ■ほとんど読まないと答えた中で・・・ 処方せんなしで買えるくすりは効き目が弱いからと、用量を守らずに飲んだことがありますか よくある 時々ある な い ( き ち ん と 守っている) 高校生 0 2 19 保護者 0 3 13 合計 0 5 32 22% 57% 16% 5% 高校生 56% 保護者 44% 高校生 60% 保護者 40% 高校生 14% 保護者 86% 0% 14% 86% ■よくある ■時々ある ■ない(きちんと守っている) ■読んでいる ■用法・用量だけ読む ■ほとんど読まない ■無回答

(36)

33 ■時々あると答えた中で・・・ ■ない(きちんと守っている)と答えた中で・・・ ジェネリック医薬品とは何か、知っていますか 知っている 聞 い た こ と はある 知らない 高校生 8 9 4 保護者 13 3 0 合計 21 12 4 ■知っていると答えた中で・・・ ■聞いたことはあると答えた中で・・・ ■知らないと答えた中で・・・ 高校生 34% 保護者 66% 高校生 53% 保護者 47% 57% 32% 11% 高校生 32% 保護者 68% 高校生 69% 保護者 31% 高校生 100% 保護者 0% ■知っている ■聞いたことはある ■知らない

(37)

34 ・・・知っていると答えた方、実際に処方されたことがありますか ある ない 無回答 高校生 3 5 0 保護者 7 3 3 合計 10 8 3 ■あると答えた中で・・・ ■ないと答えた中で・・・ 効果が変わらないならば、安いジェネリック医薬品を積極的に使いたいと思いますか 使いたい 何 の く す り かによる 使いたくない 高校生 3 14 4 保護者 7 8 1 合計 10 22 5 48% 38% 14% 高校生 41% 保護者 59% 高校生 73% 保護者 27% 27% 59% 14% ■ある ■ない ■無回答 ■使いたい ■何のくすりかによる ■使いたくない

(38)

35 ■使いたいと答えた中で・・・ ■何のくすりかによると答えた中で・・・ ■使いたくないと答えた中で・・・ 主に医薬品の飲み方に関しての結果をまとめた。医療用医薬品と一般用医薬品があることを 知らないと回答したのはほとんどが高校生だった。自分の考えで医薬品を選び、飲んだことがあ るという回答は保護者の方が高く、ないという回答は高校生の方が高かった。大人の方が自身で 医薬品を選択する機会が多いと考えられる。決められた用量を守らずにくすりを飲んだことがある と答えた人が 65%いることが分かった。また一般用医薬品の添付文書をきちんと読んでいる人は 20%程度であり、用法・用量だけ読んでいると答えた人が最も多かった。ほとんど読まないと答え たのは保護者がとても多く、自身で医薬品を選択する機会が多いため、いつも同じ医薬品を使用 する場合は読まずに服用している可能性もある。処方せんなしで買える医薬品は効き目が弱いか らと、用量を守らずに飲んだことがあるという回答も保護者の割合が高い。この結果は医薬品に触 れる機会が多いほど、慣れのような感覚で自身で用量を調節したりしている可能性も考えられる。 一般用医薬品も医療用医薬品同様、使用上の注意などをきちんと確認した上で服用しなければ ならないため、添付文書をきちんと読むことの重要さを広めていくべきであり、注意すべきことは販 売時に薬剤師から伝えていくことが必要とも考えられる。また国の政策では医療費の削減のため にジェネリック医薬品の普及も推進しているが、今回のアンケートではジェネリック医薬品を知って いる人は 60%に満たなかった。知らないと回答したのは高校生のみだった。知っていると回答し た人の中で実際に処方されたことのある人は約半数であった。ジェネリック医薬品を積極的に使 いたいかとの質問には、どのような医薬品かによると答えた人が最も多く、使いたいとの回答は保 護者の方が多く、使いたくないとの回答は高校生の方が多かった。薬局等でジェネリック医薬品 高校生 24% 保護者 76% 高校生 57% 保護者 43% 高校生 76% 保護者 24%

(39)

36 に関するポスターを掲示したり、薬剤師が直接患者さんに説明を行い、普及を図っていくことが求 められる。 <薬剤師に関する質問> くすりを処方された際、副作用や代謝物の影響について説明を受けたことがありますか ある ない 無回答 高校生 16 4 1 保護者 15 1 0 合計 31 5 1 ■あると答えた中で・・・ ■ないと答えた中で・・・ くすりをもらう際、体内でどのように働き、分解され、どれ位で体の外に出ていくか、薬局で説明を 受けたことはありますか ある ない 高校生 6 15 保護者 1 15 合計 7 30 84% 13% 3% 高校生 45% 保護者 55% 高校生76% 保護者 24% ■ある ■ない ■無回答

(40)

37 ■あると答えた中で・・・ ■ないと答えた中で・・・ そういった説明をしてほしいと思いますか して欲しい 聞いたら答えてくれる程度で 良い 必要ない 高校生 11 10 0 保護者 10 6 0 合計 21 16 0 ■して欲しいと答えた中で・・・ ■聞いたら答えてくれる程度で良いと答えた中で・・・ 19% 81% 高校生 83% 保護者 17% 高校生 43% 保護者 57% 57% 43% 0% 高校生 45% 保護者 55% 保護者 44% 高校生 56% ■ある ■ない ■して欲しい ■聞いたら答えてくれる程度で良い ■必要ない

(41)

38 くすりについて、処方されたものであってもドラッグストアで購入したものであっても、いつでも薬剤 師に相談できることを知っていますか 知っている 知らない 高校生 13 8 保護者 10 6 合計 23 14 ■知っていると答えた中で・・・ ■知らないと答えた中で・・・ ・・・知っていると答えた方で、実際に相談したことはありますか ある ない 無回答 高校生 4 8 1 保護者 4 3 3 合計 8 11 4 62% 38% 高校生 50% 保護者 50% 高校生 50% 保護者 50% 35% 48% 17% ある ■ない ■無回答 ■知っている ■知らない

(42)

39 ■あると答えた中で・・・ ■ないと答えた中で・・・ くすり以外のこと(例えば化学や生物学のこと)で、薬剤師に質問したことがありますか ある ない 高校生 0 21 保護者 0 16 合計 0 37 薬剤師に何でも相談できるということを 40%近くの人が知らないという結果だった。また医薬品 に関する説明について、必要ないと考えている人はいないとの回答だった。医薬品以外のことに 関しては全員が質問したことがないという結果だった。気軽に相談してもらえるような環境作りが必 要と考えられる。 全体を通し、薬学部オープンキャンパスの参加者に対してのアンケートであり、医薬品に興味 のある学生・保護者の結果となったが、医薬品の飲み合わせについて知らないという回答もあり、 服用方法なども守っていないときがあると答えた人が多かった。服用方法を守っていないのは保 護者の方が多いという傾向も把握することができた。若い時から医薬品教育を行わなければ、医 薬品に触れる機会が多くなるにつれ自身の判断で誤った服用をすることも考えられる。また、飲 み合わせに関する実験を行うことにより相互作用の影響を理解できたという人がほとんどであり、 にどのようなことが起こっているのか自分の目で確かめることが、理解を深めるきっかけになったも 高校生 44% 保護者 56% 高校生 67% 保護者 33% 0% 100% ■ある ■ない

(43)

40

のと思われる。アンケートでは実験を行って、薬の副作用の怖さを実感できたとの感想を述べられ た方もいた。文章等による説明だけではなく、実際に実験を行うことで理解が深まったものと考え られる。

(44)

41

5.新津医療センター病院「医療フェスタ」参加者に対するアンケート

新潟市秋葉区にある新津医療センター病院にて本年6 月 28 日に行われた病院フェスタにお ける、新潟薬科大学主催の化学実験コーナー参加者に対しアンケートを実施した。その中で薬 剤師に関する質問項目の回答結果を以下に示す。なおアンケートにご回答いただいたのは 15 名で、年代、性別は以下の通りである。 年代 : 20 代…1 名、30 代…2 名、40 代…3 名、50 代…2 名、60 代…3 名、70 代…4 名 性別 : 男性…4 名、女性…4 名、未回答…7 名 薬局や病院で薬を受け取る際の薬剤師の対応について、普段どのようにお感じですか 薬剤師に自分から薬に関する質問をしたことはありますか 薬剤師に薬以外の質問をしたことはありますか(例えば化学や生物学のこと) かかりつけ薬局の薬剤師など、気軽に相談のできる薬剤師がいますか 80% 20% 100% 0% 0% 選択肢 人数 ■丁寧である 15 ■丁寧ではない 0 ■もっと薬の説明をしてほしい 0 選択肢 人数 ■ある 12 ■ない 3 選択肢 人数 ■ある 4 ■ない 11 27% 73% 選択肢 人数 ■いる 8 ■いない 4 ■いてほしい 3 53% 27% 20%

(45)

42 薬剤師を身近に感じますか 薬剤師に薬以外のこと(健康のことなど)も相談してみたいと思いますか 学校薬剤師を知っていますか 幅広い年代の方からご回答をいただいた。かかりつけ薬局などに気軽に相談出来る薬剤師がい るかという問いに対し、約半数が「いる」との回答だった。薬剤師を身近に感じるかという問いに対 して「そう思う」と答えた人は、気軽に相談出来る薬剤師が「いる」と答えた8 人中 7 人で、相談出 来る薬剤師が「いない」と答えた人は全員が身近に感じると「思わない」という結果となった。気軽 に相談出来る薬剤師がいてほしいと思っている方もいて、70%近くが薬剤師に薬以外のことも相 談してみたいとの回答だった。医薬品のことだけではなく、健康に関することなどを薬剤師に相談 したいと感じている人もおり、健康食品やサプリメントに関することなど薬剤師自身も知識を増やし ていく必要があると考える。 選択肢 人数 ■そう思う 10 ■そう思わない 0 ■どちらとも言えない 4 ■未回答 1 選択肢 人数 ■そう思う 8 ■そう思わない 7 53% 47% 67% 0% 27% 6% 選択肢 人数 ■知っている 3 ■聞いたことはある 3 ■知らない 9 20% 20% 60%

(46)
(47)

44

6.おわりに

セルフメディケーションの観点から導入された「おくすり教育」は始まったばかりの取り組みであ り、教材や学習方略が明確に示されているわけではない。今回の研究で、「おくすり教育」に使用 されている教材において、健康寿命を延ばすことを目標としている「健康日本21」の取り組みに関 連して取り上げられている内容は全体的に不足していた。各学校で教育内容に差が生じることな く一定水準の適正な教育を行うためには、医薬品についての正しい知識を持ったものがより効果 的な教材を作成し、「おくすり教育」を行っていくことが大切だと考えられる。教材は紙の上だけで はなく、実際に体験できるような教材の方がより理解が深まることはアンケート結果からも考察する ことができる。 また薬の専門家である薬剤師が「おくすり教育」に関わっていくことは大変重要だが、そのため には学校薬剤師を中心として、薬剤師自身が医薬品教育に積極的に関わることができるよう、い かに分かりやすく医薬品について教えることができるかという課題もあり、そのためには現場の教 員とも連携しながら取り組んでいくことでより良い「おくすり教育」を行えるのではないか。また小学 校ではまだ「おくすり教育」についての内容が学習指導要綱に盛り込まれていないため、義務化 をしていくべきだと考える。現在の内容を小学生まで広げることで、各学校でより内容の深い医薬 品教育ができるのではないか。 現代社会においては健康相談を受ける役割を担っている者が少なく感じられ、何かあればす ぐに病院や診療所に赴くことによる過剰な医療機関の受診が医療費の増大の一因であるように 思われる。また自分自身での健康管理という面において、食品やサプリメント、運動などに関する 的確なアドバイザーが必要であると考えられるが、今までそのような役割をする明確な立場の職 種がないように感じられる。そしてもう一つ医療費増大の要因として問題になっているのは、残薬 である。残薬とは、処方された医薬品が飲み忘れなどの理由によって、患者の手元に余ってしま った医薬品のことである。受診の際、医師にきちんと服用していないことを指摘されるのが嫌で、 薬がまだ残っていることを隠したままにする。医師は患者の手元に薬がないものと思い、毎回同じ 日数分の薬を処方する。これが残薬の発生する例である。この残薬を減らすことで医療費の削減 につながるとされている。

(48)

45 医療費の削減の対策の一つとして、一般用医薬品の販売の拡大が挙げられる。最近では薬局 等にも一般用医薬品が置かれるようになった。その目的は薬剤師が、調剤業務を行うことだけが 仕事ではなく、普段の生活における健康相談役を担っていくべきだという目的がある。今回のア ンケート調査では薬剤師が相談役として地域の人の目に映っていないことが分かった。今後の薬 剤師の役割としては、次世代のための医薬品教育に加え、街の薬局・ドラッグストアの薬剤師に 気軽に健康相談をしてもらえるような環境作りを行っていくなど、より国民一人一人の健康増進や セルフメディケーションにも関わっていくことが期待されると考える。

(49)

46

謝 辞

論文・アンケートの作成および発表に当たり丁寧かつ熱心なご指導をいただきました、新潟薬 科大学薬学部薬化学研究室 杉原多公通教授に心から感謝致します。また、アンケート作成・集 計にあたりご協力・ご助言いただきました、新潟薬科大学薬学部薬化学研究室 本澤忍准教授、 田代卓哉助教授に深く感謝致します。 また、アンケート調査にご協力いただいている新潟市薬剤師会、新潟市教育委員会、そして回 答にご協力いただいたすべての皆様に感謝の意を表します。

(50)

47

引 用 文 献

1.健康日本21 の推進に関する参考資料 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf (2014/07/13 アクセス) 2.中学校学習指導要領解説 保健体育編 平成20 年 7 月 文部科学省 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfi le/2011/01/21/1234912_009.pdf (2014/03/25 アクセス) 3.高等学校学習指導要領解説 保健体育編 体育編 平成21 年 7 月 文部科学省 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfi le/2011/01/19/1282000_7.pdf (2014/03/26 アクセス) 4.大日本図書 中学校保健体育 補助資料 第3 学年 http://www.dainippon-tosho.co.jp/information/topic/file/h24hojo3nen.pdf (2014/07/14 アクセス) 5.財団法人 日本学校保健会http://www.gakkohoken.jp/book/pdf/19medicine_s.pdf (2013/12/01 アクセス) 6.財団法人 日本学校保健会http://www.gakkohoken.jp/book/pdf/20medicine_c.pdf (2013/12/01 アクセス) 7.くすりの適正使用協議会 http://www.rad-are.com/textbook/package/data/pamphlet090729/pamphlet090729.p df (2014/07/07 アクセス) 8.山口県学校薬剤師会 http://yama-yaku.or.jp/gakuyaku/siryou/siryou.htm (2014/07/07 アクセス) 9.東大阪市役所 http://www.city.higashiosaka.lg.jp/cmsfiles/contents/0000000/517/leaflet.pdf (2014/07/07 アクセス) 10.山口県学校薬剤師会 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&ved=0CC QQFjAB&url=http%3A%2F%2Fyama-yaku.or.jp%2Fgakuyaku%2FQ%26A%2F20 090208.ppt&ei=Cvu5U-WJEYH98QW4qIHYBQ&usg=AFQjCNGTdv0vAt_lCZ0sN qkhnYT14Oh1Cw&bvm=bv.70138588,d.dGc (2014/07/07 アクセス) 11.財団法人 日本学校保健会 http://www.gakkohoken.jp/uploads/books/photos/f00037f4d803678c20e2.pdf (2013/12/01 アクセス) 12.くすりの適正使用協議会

(51)

48

参照

関連したドキュメント

これらの先行研究はアイデアスケッチを実施 する際の思考について着目しており,アイデア

関係委員会のお力で次第に盛り上がりを見せ ているが,その時だけのお祭りで終わらせて

 医薬品医療機器等法(以下「法」という。)第 14 条第1項に規定する医薬品

この項目の内容と「4環境の把 握」、「6コミュニケーション」等 の区分に示されている項目の

 母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯

各国でさまざまな取組みが進むなか、消費者の健康保護と食品の公正な貿易 の確保を目的とする Codex 委員会において、1993 年に HACCP

C. 

健康維持・増進ひいては生活習慣病を減らすため