土地・建物の連動性からみた計画的市街地の変容過程に関する研究 [ PDF
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(2) 千防地区. 地区建蔽率の推移. (総面積:33,424 ㎡) 100 (%). 空宅地 敷地内空地. 80. 非木造建物. 60. 木造建物. (S40 以降建築). 40. 木造建物. (S40 以前建築). 20 0 S40. 公園. 公園. 500 ㎡∼. S50. H7. H16. 6. 6. 5. 13. 13. 14. 17. 17. 17. 76. 78. 78. 136. 140. 143. 7. 10. 300 ㎡∼500 ㎡. S60. 13 17. 200 ㎡∼300 ㎡. 18. 100 ㎡∼200 ㎡. 55. ~100 ㎡. 74. 18. 67. 昭和 40 年. 平成 16 年. 100 (%) 80 60 40 20. 119. 0. 筆の規模別面積構成比と筆数の推移. 地区建蔽率の推移. 竹下地区. (総面積:28,113 ㎡) 100 (%). 都市計画道路の拡張による. 80 60 40 20 0 S40. S50. S60. H7. H16 100 (%). 12. 昭和 40 年. 凡 例. 平成 16 年. 建物 ( 棟 ). 昭和 40 年以降に建築された建物. 街区境界. 昭和 40 年以降に分筆が起きた土地. 0 10. 40. 9. 9. 8. 14. 12. 12. 6. 12. 7. 16. 18. 20. 20. 32. 35. 42. 43. 21. 7. 80 60. 8. 対象地区境界. 10. 10. 10. 10. 40 20 0. 筆の規模別面積構成比と筆数の推移. 60 (m). ※地区建蔽率の算定には地図上の建物面積(屋根伏せ面積)を用いた. 図 -2 各地区における 土地・建物の変化. 表 -2 類型別の建物形式. 5. 土地と建物の対応関係に基づく宅地の類型化. 千防地区. 続いて、土地と建物の連動性に着目して、宅地単位 の変化を明らかにするため、建物の棟と筆の結びつき. 戸建. typeA. 方から以下の 3 タイプに分類し、建物形式や建物更. typeB. 新状況及び類型変化に関する分析を行なった。表 -2 に類型別の建物形式を、表 -3 に昭和 40 年時点を起. typeC. 点とした類型変化を示す。 (1)TypeA(一筆一棟型). 計. 一筆に建物が一棟のみ立地するタイプである。一戸. 長屋. 竹下地区. 共同. 計. 戸建. 長屋. 共同. 計. 87. 11. 10. 108. 34. 3. 1. 38. 47%. 6%. 5%. 58%. 23%. 2%. 1%. 26%. 9. 12. 0. 21. 3. 6. 1. 10. 5%. 6%. 0%. 11%. 2%. 4%. 1%. 7%. 41. 10. 5. 56. 74. 22. 1. 97. 22%. 5%. 3%. 30%. 51%. 15%. 1%. 67%. 137. 33. 15. 185. 111. 31. 3. 145. 74%. 18%. 8%. 100%. 77%. 21%. 2%. 100%. ※平成 16 年時点の類型および棟数を集計。. 建てに多く見られ、継続してこのタイプを維持する. が停滞している部分も少なくない。また TypeA から. 傾向が強い。更新は比較的行われているが、このタ. TypeB に移行したものがあるが、更新は行われず分. イプであっても接道条件や宅地の狭小さにより、更新. 筆のみが生じており、権利関係が複雑化している。 28-2.
(3) (2)TypeB(多筆一棟型). 表 -3 類型の変化. 複数の筆の上に一棟のみが立地するタイプであり、 長屋の払い下げが主な原因と考えられ、更新が行われ. (1)千防地区. ないまま継続してこのタイプに属する傾向が強い。し かし、一方で合筆を伴う更新により TypeA へと移行. S40. H16. typeA. typeA typeB 空宅地 typeA typeB 空宅地 typeA typeB typeC 空宅地. typeB. したケースがみられ、このタイプの更新例としては注. typeC. 目すべきである。 (3)TypeC(一筆多棟型). 建物更新あり. 分筆あり 1 (1) (注 2) 1. (1) (1). 3. (3). 22 (23) 4 (3) 1 (2). 7 4. (3) (4). 1. より TypeA や TypeB へと移行するものと、TypeC を継続するものがある。TypeA や TypeB へと移行す るものには、更新が伴うものと伴わないものとがある. S40. H16. typeA. typeA typeB 空宅地 typeA typeB 空宅地 typeA typeB typeC 空宅地. typeB. が、双方とも持地化を目的とするものが多い。しかし、. typeC. これは未接道宅地の発生状況や、長屋の払い下げによ る権利関係の複雑化とも密接に関係しており、分筆の. 建物更新なし. 分筆あり 2 (2) 1 20 (20) 7 (6) 5 (5) 13 -. 分筆なし 38 (38) 9 6 (6) 3 45 (45) 14 -. 計 61 2 10 1 10 3 49 11 55 27. (61) (2) (1) (10) (46) (9) (56) -. (注 2)例外的に合筆を伴う建物更新を示す。. (2)竹下地区. 一筆に建物が複数棟立地するタイプであり、分筆に. 分筆なし 22 (22) -. 建物更新あり 分筆あり -. -. 2. 建物更新なし. 分筆なし 3 -. (3) -. (2). -. -. 10 (10) 3 (3) 1 (1). 9. (9). 分筆あり. 20 (20) 2 (2) 9 (9) -. 分筆なし. 5 (5) 3 (3) 78 (78) 16 -. 計 8 (8) 5 (5) 30 (30) 5 (5) 97 (97) 16 -. ※昭和 40 年時点の類型および棟数を集計。ただし( )は平成 16 年時点の棟数を示す。. あり方に注目すべきである。また、TypeC を継続す. 表 -4 更新建物の接道形態. るものは、更新率が両地区とも 10%未満で更新が停. 接道形態. 滞している。これは上述したように、更新時に土地が. 千防地区. 分筆され持地化される傾向が強いことを示しており、 地主の資産活用意識が更新の停滞に深く関わっている. 更新あり. 標準接道. ものと考えられる。 6. 接道形態にみる土地・建物の関係性. 旗竿接道. 5-(3) で述べたように、TypeC の分筆のなされ方が、. 4以上道路 に接道. 更新あり. 二項道路 に接道. 更新あり. (a). 更新あり. (b). その後の建物の更新状況に大きく影響している。その. 更新あり. (c). 中でも裏宅地の現状は更新停滞の面からも注目すべき である。そこで、今後の建物更新を想定した上で、土. (a). 更新あり. (b). 185 100% 60 100% 86 46% 30 50% 57 31% 18 30% 9 5% 6 10% 19 10% 4 7% 14 8% 2 3%. 竹下地区 戸建 長屋 共同 137 33 15 74% 18% 8% 49 3 8 82% 5% 13% 74 7 5 40% 4% 3% 27 0 3 45% 0% 5% 33 15 9 18% 8% 5% 12 1 5 20% 2% 8% 9 5% 6 10% 12 7 6% 4% 2 2 3% 3% 9 4 1 5% 2% 1% 2 0 0 3% 0% 0%. (c). 145 100% 29 100% 105 72% 22 76% 37 26% 7 24% -. 戸建 長屋 共同 111 31 3 77% 21% 2% 23 4 2 79% 14% 7% 79 24 2 54% 17% 1% 17 4 1 59% 14% 3% 30 6 1 21% 4% 1% 6 0 1 21% 0% 3% -. -. -. -. -. 1 1% 0 0% 2 1% 0 0%. 1 1% 0 0% 1 1% 0 0%. -. -. -. -. 1 1% 0 0%. 0%. 筆. 地と建物の関係性に着目し、裏宅地の接道形態につい. 画地(竿部分の間口 2m以上). て考察を行った。表 -4 に接道形態別の更新状況を示. もしくは二項道路とみなせる道. 幅員 4m以上の道路、二項道路、. 図 -3 旗竿接道モデル. す。尚、旗竿接道以外のものは標準接道とし、竹下地 区では建物の大半がこの標準接道にあたるため、ここ. め、権利関係上の更新への影響は少ない。しかし、今. では考察の対象外とした。まず、一般接道では、建物. 後分筆がなされる場合、(a)、(b) のどちらに変化する. 全体の比率と更新建物の比率がほぼ同じで、比較的更. かによって、建物更新への影響は異なるもの思われる。. 新は行われている。次に旗竿接道であるが、筆(権利 区画)と画地(敷地区画)の対応関係により、(a) 単. 7. 典型事例 . 一筆により画地を形成するもの、(b) 複数筆にわたり. 続いて、各タイプの発生過程と建物更新状況の実態. 画地を形成するもの、(c) 単一筆で複数の画地を有す. を明らかにするため典型事例(図 -4)を挙げて考察. るものの三つに分類できる(図 -3)。(a) では、建物. を行なう。 . 全体の比率に比べ更新建物の比率が高い。筆と画地が. Case-1 は TypeA に属する一戸建ての住宅群であ. 一致しており、権利関係上、今後の更新も比較的行わ. る。これらは昭和 55 年頃に TypeC から画地の再編. れやすいものと思われる。一方 (b) では、画地内に権. が行なわれたもので、街区の背割り線と道路に挟まれ. 利者が複数存在するため、今後の更新に影響を及ぼす. た部分の典型例な画地割りとなっている。また、更新. 可能性がある。また、 この中には TypeB の建物もあり、. 時に全て持地・持家化されており、裏側は旗竿状に分. 権利関係がさらに複雑化している。(c) では、筆と画. 筆されているが(図 -3-(a))、接道状態は比較的良好で、. 地にずれがあるものの画地内の権利者は一人であるた. 今後の更新も期待できる。 28-3.
(4) Case-2 では TypeB の長屋が街区の短辺を貫いて立. Case1. 地しているものと、裏宅地に立地しているものがあり、 どちらも筆は昭和 40 年以前に細分化されており、現 在まで更新はなされていない。前者は、一棟の長屋と しては接道しているものの、個々の玄関は建物に沿っ. S40[分筆前]. て設置されている私道に面しており、大半は接道不良. S50∼S55[除却]. S55[分筆]. S55∼57[建築] [持地化]. Case2. といえる。また、後者は旗竿状に分筆されており、ア クセス部分の権利関係が複雑化している(図 3-(b))。 しかし、合筆により TypeA となった更新建物がみら れ、TypeB に属する長屋の更新例として注目すべき. ∼S40[細分化の進行] [長屋払い下げ]. である。 Case3. Case-3 では裏宅地での更新が行われている。道路. H15[合筆] H15[新築] [持地化]. S41[分筆] [長屋払い下げ]. [継続持地] S46[建築]. [継続持地] S41[建築]. を挟んで右側と左側でそれぞれ図 3-(b)、(c) に示す旗 竿画地での建物更新が見られる。しかし、いずれも昭 和 40 年代の更新であり、近年の更新はなく老朽化し. S50∼H7[除却]. ている。また、接道状態が比較的良好な宅地で建物が. S40[更新前]. 除却され、駐車場となっている。. S44[建築] [継続持地]. Case4. Case-4 は、もともと一筆に立地する TypeC の二軒. 凡例 建物 ( 棟 ). 長屋であったものが、昭和 45 年に払い下げにより界. S45[分筆] [長屋払い下げ]. S40[分筆前]. 壁を境に、アクセス路と共に分筆されている。分筆後. 新築された建物 玄関位置. Case5. の更新はなされておらず、特に裏宅地においては図. 筆. 分筆された筆. 3-(b) に示す旗竿画地の長屋が見られ、土地・建物双. 6m 以上の道路. 方において権利関係が複雑化している。. 4m 以上 6m 未満の道路. Case-5 は TypeC であったものが一斉分筆により. 二項道路. TypeA になったケースである。ここでは建物更新は. 0. 行なわれず、街区を南北に通る私道部分と建物部分の. S40[分筆前]. S47[分筆]. Case6. 筆が一斉分筆により形成されている。しかし、この分. 10. 20 (m). S60∼H7[除却]. [持地化] S48[分筆]. 筆により裏宅地の性格がさらに強まり、除却後 10 年. H7[分筆] H8[建築] [継続持地]. 以上も未利用のままである。 Case-6 では TypeC であった建物が筆とともに切り. [持地化] S56[分筆] [持地化] S59[分筆]. 売りされ、それらが TypeA になっているケースであ る。これには分筆と連動して建物更新がなされている. S40[分筆前]. ものと、分筆のみがなされているものとがあるが、い. H7∼H16[除却]. 図 -4 典型事例. ずれも建物所有者の持地化によるものである。 一方で、. 過程の中で、相互に密接な関係を有する。. 現在も TypeC に属する建物の中で更新がなされたも. (3)分筆のなされ方により、接道条件等の物的条件や、. のはなく老朽化が進行しており、地主の資産活用意識. 権利関係の複雑化の程度に違いが生じ、これらはその. が影響しているものと思われる。. 後の建物更新に大きな影響を与える。. . 本研究で対象としたような、建物更新が停滞し、一. 8. まとめ. 方で、分筆による土地の細分化が進む地区において、. 本研究から得られた考察の結果を以下にまとめる。. 将来の建物更新に考慮した分筆もしくは合筆手法が強. (1)昭和 40 年以降の土地・建物の変容過程において、 建築行為と分筆行為は必ずしも連動しておらず、また、. く求められる。 (注 1) 「GIS を活用した市街地住環境データベースの構築と住環境評価」賀来郁子(平 成 14 年度九州大学院修士論文)、「計画的市街地における密集住宅街区の住宅更新に. 街区毎に差異が認められる。 (2)土地(筆)との対応関係から建物(棟)を三つ. 関する研究」村上恵(平成 15 年度九州大学卒業論文) (謝辞)調査にあたり、北九州市役所建築都市局住環境整備課、建築審査課、および 福岡法務局(北九州支局、八幡出張所、若松出張所)にご協力いただきました。ここ. の類型に分類でき、各類型は、分筆過程や建物の更新. に記して深謝いたします。. 28-4.
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