必修科目「英語 A・B」の結果について - 2015-2016 年度のスコアから -
安尾 正秋†1,中山 文†1
On the Results of Required Subjects "English A and B" : From the Scores in 2015-2016
Masaaki YASUO†1 and Fumi NAKAYAMA†1 1. は じ め に
当 時の 学部長・教 務委員 長の 発案で 2010 年 度か らの 導入が 進め られ,英語 担 当教 員によ る運 用が始 まった 1 年 生を 対象と する 英語統 一授 業は ,前 期科 目 「英語 AⅠ ・BⅠ」 をク ォー ター制 で実 施し ,後 期科 目「英 語 AⅡ・ BⅡ 」を セ メス ター制 で実 施して いる .そ のう ち必 修科目 であ る「英 語 AⅠ・BⅠ 」は , 週 2 回 のペー スで ,中 等教 育で 学習し た文 法事項 の復 習を中 心と した内 容(英 語 AⅠ )と ,後 期に 行う TOEIC 対策へ の移 行を含 め,リス ニン グ対 策を取 り入 れ た内 容(英 語 BⅠ)か ら成 ってい る.
ク ラス 編成に つい ては、 入学 式前後 のガ イダン ス期 間に実 施す る「英 語能 力 判定 テスト (TOEIC Bridge IP)」の 結果 をもと に 3 レベル に振 り分け ,各 学 生 の英 語能力 に応 じたレ ベル のクラ スで 学修を 進め るよう にな ってい る.統 一 授業 導入当 初は 各学科 3 レ ベル( 3 ク ラス) で, 6 学科 合計 18 クラ ス編 成 で 実施 してい たが ,授 業担 当者 の確保 が困 難とな った こと ,学 部入 学定員 の見 直 しな どの理 由を 受けて ,現 在では 2 学 科合同 3 レ ベル( 5 クラ ス)で、合計 15 クラス 編成 とし ている .将 来的 に入 学定 員減と なっ た場合 ,開 講ク ラス 数 を 減ら すこと が容 易であ ると の予測 に基 づく再 編で あった が,その 後も 入学 定 員増 となり ,そ れに とも ない 各クラ スの 履修者 数が 増加傾 向に あるの が実 情 であ る.3 レ ベル の構成 は「 発展ク ラス 」「 基礎 クラ ス」「導 入ク ラス」 か ら 成り ,英 語力 中位 層の入 学者 が多い こと から ,中 位の 「基礎 クラ ス」を 3 ク
†1近 畿 大 学 工 学 部 教 育 推 進 セ ン タ ー
Center for the Advancement of Higher Education, Faculty of Engineering, Kindai University
ラ スに ,上位 の「 発展ク ラス 」と下 位の 「導入 クラ ス」は 1ク ラスず つの 開 講 とし ている . 各 レベル の履 修者数 につ いて ,参 考ま でに下 記に 示して おく .
学 科
レ ベ ル 建 築・ 電子情 報 機 械・ロボテ ィク ス 化 学生 命・情 報
発 展 約 45 名 約 45 名 約 40 名
基 礎 前 期 約 40 名
後 期 約 45 名
前 期 約 40 名
後 期 約 50 名
前 期 約 35 名
後 期 約 45 名
導 入 約 25 名 約 25 名 約 25 名
(「基礎クラス」の 3 クラスには,後期から再履修者が加わる.)
こ うし た3レ ベル 構成の 習熟 度別ク ラス 編成で はあ るもの の,統一 授業 で あ るた め,授業 のテ キスト と中 間テス ト・終了 テス トは 統一し たも のを使 用し , 授 業内 容・進 度及 び評価 項目 ・方法 も統 一して 実施 してい る.
今 年度 で実施 して 8 年目 を迎 え,この 間,使用 する テキ ストや テス トの内 容 に つい て毎年 検討 を重ね ,必 要に 応じ て見 直しを 進め てきた が,2015 年 と 2016 年度 につ いて は同じ テキ ストを 継続 使用し ,ま た ,授業 担当 者の大 きな 変 更も なされ なか ったこ とを 踏まえ ,こ の 2 年間 につ いて可 能な 範囲内 で TOEIC Bridge IP スコ アの 推移 を比較 検討 し,そ れら に考察 を加 えて, 今後 の 授業 改善に 役立 てたい と思 う.
2.「 英 語A・B」 に つ い て
前 期科 目「英 語 AⅠ・BⅠ 」はクォー ター 制で実 施し ている ため ,前 期は 月 1 回 のペ ースで ,統 一試 験( 中間 テスト ・終 了テス ト) を土曜 日に 行って いる . 後 期科 目「英 語 AⅡ・BⅡ 」はセメス ター 制であ るた め,7-8 週目 に中間 テス ト を ,16 週目に 終了 テスト を実 施して いる .2015-16 年 度の各 テス トの平 均点 を 表 1 に あげる .(「 英語 AⅠ・ BⅠ」の 中間 テスト のみ 90 点満 点で ,その 他は 100 点 満点で ある .)
表 1 2015-16 年度の各テストの平均点
英 語 AⅠ 英 語 BⅠ 英 語 AⅡ 英 語 BⅡ
中 間 終 了 中 間 終 了 中 間 終 了 中 間 終 了
2015 64.1 72.9 66.2 60.1 69.33 63.44 62.61 64.47 2016 65.85 72.56 69.53 63.31 70.2 63.95 64.22 64.63
こ の 2 年間に おい て平均 点は 全体的 にあ がって おり ,2014 年度 とくら べて も 平均 点は伸 びて いる .「 はじ めに」 で述 べたと おり ,この 2 年 間は使 用テ キ ス トや 授業担 当者 の大き な変 更は行 わな かった ため ,こ れら を比 較検討 する 上 で条 件は整 って いると いえ よう .こ れら 2 年間 のテ スト結 果に みられ る共 通 点と して ,前 期「 英語 AⅠ 」は中 間テ スト から終 了テ ストに かけ て平均 点が 約 8 点 伸びて いる のに対 して ,「英語 BⅠ 」で は平 均点 が約 6 点下 がって いる .
「 英語 BⅠ」 の授 業内容 が,初め て取 り組む TOEIC Bridge 対 策で あるこ とも 関 係し ている だろ うが ,そ のほ かに ,「 英語 AⅠ・BⅠ」がクォ ータ ー制で 行わ れ るた め,4-5 月に 履修す る「英語 AⅠ 」に 対し,6-7 月に 履修 する「英語 BⅠ 」 に おい てはや や中 だるみ する ことも 影響 してい るの ではな いか と考え る.履 修 者の 出欠状 況に ついて も,「英語 AⅠ 」にく らべ て「英 語 BⅠ」に おい ては 欠 席者 が目立 ち始 め,中に は定 期テス トを 受験し ない 学生も 出て いる .第 2 ク ォ ータ ーの時 期に 中だる みす ること なく 学修を 進め ,引 き続 き後 期授業 に臨 む よう な対策 を講 じる必 要が ある .
表 2 2015-16 年度の各テストの最高点と最低点
英 語 AⅠ 英 語 BⅠ 英 語 AⅡ 英 語 BⅡ
中 間 終 了 中 間 終 了 中 間 終 了 中 間 終 了
2015 24-88 27-99 18-87 20-94 16-97 10-94 10-93 20-95 2016 15-89 23-98 26-89 25-89 20-95 16-93 20-92 24-96
(上記のとおり、「英語 AⅠ・BⅠ」の中間テストのみ 90 点満点で,その他は 100 点 満点である.)
上の表 2 は , 各 テスト の最 高点と 最低 点であ る.これ らは 一部 の学生 によ る テス ト結果 にす ぎない もの の,入学 時と ,そ の後 一年 間を通 して も変わ るこ と のな い英語 力の 差があ るこ とを示 して おり ,同 じ評 価項目・方法で 進め る統 一 授業 につい て引 き続き 検討 してい く必 要があ ると 考える .
次章 では ,必 修科 目「英 語 AⅠ・BⅠ 」の再 履修 の現 状につ いて 述べて いく.
3.「 英 語AⅠ ・BⅠ 」 再 履 修 に つ い て
各 授業 の再履 修に ついて は,必修 科目 であ る「英 語 AⅠ・ BⅠ 」が クォー タ ー 制で あるこ とも あり ,1 年生 を対象 に後期 5 限 目に ,各 科目 原則 1 クラ スを 開 講し ,2 年生 以上 の再履 修者 には前 期 5 限目に ,同 じく 各科 目 1 クラス をセ メ スタ ー制で 開講 してい る.1 年 生対 象の 後期授 業に ついて は,前期 授業 と同
じ テキ ストを 再度 使用し ,評 価方 法も 同様 のもの にし ている .以 下 ,「英 語 AⅠ (再履 修 )」と 「英語 BⅠ (再 履修 )」 それ ぞれの 現状 を報告 する .
3.1 安 尾担当 「英語 AⅠ 」再 履修に つい て
「英語 AⅠ 」の 再履修 クラ スは後 期 5 限目に 受講 した 1 年生 が例年 およ そ 40 名で当 該年 度も ほぼ同 数,前期 5 限目 に受講 した 2 年生 以上 のクラ スも 例 年 およそ 40 名 で, こちら も当 該年度 の履 修者数 に変 化はな かっ た.
授業 内容に つい ては( 詳 細はシラ バス に譲る が),後期ク ラス では前 期「英 語 AⅠ 」と同 じテ キスト を使 用し, 毎回 の授業 で扱 う文法 事項 も前期 と同 じ 項 目に ついて さら に基本 的・ 核心的 な内 容に限 定し て復習 を徹 底し, コア と な る知 識の修 得と それに 必要 な反復 練習 とに力 点を 置いた .ま た,授 業中 の 反 復練 習も個 別の 音読指 導や テキス ト英 文の筆 写と いった 「身 体を動 かし て の 練習 」を重 視し ,知識 の理 解より 身体 で身に つけ る語学 を実 践して きた . 前期 クラス でも こうし た授 業活動 を通 して必 須事 項に限 定し て英語 を身 に つ ける 学習内 容に してき たが ,2 年 生以 上の再 履修 者に 3 期続 けて同 じテ キ ス トを 使用し ては ,新た な思 いで新 年度 の「英 語 AⅠ」に 取り 組む意 欲を 損 ね るの ではな いか との懸 念か ら,新 たな テキス トを 採用し て 1 年次と は異 な る 文法 項目の 配置 で再度 の学 修に取 り組 むよう 工夫 した.
評価 につい ては ,後期 クラ スでは 同一 テキス トで ある点 を考 慮して ,授 業 活 動(小 テス ト・レ ポー トな ど)20%,中間テス ト 30% ,終 了テ スト 50%と 通 常の 「英語 AⅠ 」の評 価方 法を踏 襲し たが, 前期 クラス につ いては ,新 テ キ スト への再 チャ レンジ であ ること に配 慮して ,授 業活動 によ りウェ イト を 置 き 30% ,中 間テ スト 30%, 終了テ スト 40%と した .
単位 修得状 況に ついて は,後期ク ラスの 1 年 生が おおむ ね 70% ,前 期ク ラ ス の 2 年生以 上に なると 80%だ が,留年 する学 生や 出欠状 況の 思わし くな い 学 生は どうし ても さらに 再履 修を繰 り返 すこと が多 く,学 習支 援室の 活用 を 再 三促 し,授 業活 動とし て評 価でき る点 数にカ ウン トしよ うと しても 応じ な い 学生 もいて ,苦 慮して いる のが現 状で ある.
3.2 中 山担当 「英語 BⅠ 」再 履修に つい て
こ れま でも「 英語 BⅠ」 は「 英語 AⅠ」 にく らべ て再 履修者 が多 かった が、
特 にこ こ数年 は増 加傾向 にあ る.理由 の一 つとし ては ,こ れま で学 習して きた 文法事項の復習を中心とする「英語 AⅠ」に対して,「英語 BⅠ」では,リスニングを 含む TOEIC Bridge 対策を中心とした内容であることが考えられる.
2015 年度 前期「英 語 BⅠ」を単 位取得 でき ず,同年 後期 に再履 修し た人数 は 約 80 名で あっ た.2014 年 度ま では ,「 英語 AⅠ 」と 同様に 1 ク ラス 開講で あっ
た ため ,2015 年度 後期に つい ても受 講者約 80 名 で授 業を行 った が,この 年の 単 位取 得者は 全体の 58%にと どま る結 果と なった 。再 度単位 取得 できな かっ た 再履 修者は 翌年 度( 2016 年 度)前期 に再 履修す るこ とにな った が,3 回 目の 履 修ま でには ほぼ 全員が 単位 取得に 至っ ている .再 履修 を繰 り返 す一つ の要 因 には ,英 語科 目の 履修方 法が あげら れる .各 学期 初め には履 修指 導を行 って い るが ,後 期に 再履 修する 学生 のほと んど は,再履 修科 目とあ わせ て「英 語 A
Ⅱ 」と 「英語 BⅡ 」を履 修し ている .し たが って ,再 履修 の必 要が ない学 生が 週 2 回 のペー スで 英語科 目を 受講す る場 合(前 期は 「英語 AⅠ ・BⅠ」 ,後 期 は 「英語 AⅡ ・BⅡ 」)と は異 なり ,週 3 回 以上 ,英 語科 目を受 講す ること にな り ,結 果的 には 単位 取得に 至ら ない要 因に もなり 得る .た とえ 翌年 度前期 に再 履 修す るとし ても ,再 履修 科目 とあわ せて ,2 年生 対象 の「英 語 CⅠ」や ,場 合 に よっ ては「英 語 DⅠ」を 履修 するこ とに なる .「英 語 AⅠ・BⅠ」の再履修 は
「 英語 AⅡ・ BⅡ 」に ,さ らには 2 年 生対 象の「 英語 CⅠ・ CⅡ 」の 単位 取得 状 況 に波 及し ,「 英語 CⅠ・ CⅡ 」の 再履 修者 も年々 増加 してい る.
2016 年度 後期 につ いては 前年 度の状 況を ふまえ ,「 英語 BⅠ 」の み,再履 修 ク ラスを 2 ク ラス 開講す るこ ととし た. この年 の再 履修者 は約 60 名で あり , 前 年度 からは 減少 したも のの ,単 位取 得者 は全体 の 63%にと どま る結果 であ っ た.(翌年度(2017 年度 )前期 には ,再 履修 者の ほぼ 全員が 単位 取得に 至っ て いる 。)
す でに 述べた とお り,再履 修ク ラスに おい ては前 期に 使用し たテ キスト を 再 度使 用する が,「英語 BⅠ 」の場 合は TOEIC Bridge 対策 用テ キスト とな っ て いる .TOEIC であ れ TOEIC Bridge であ れ,資格 試験 に対 応する ため にはま ず は テス ト形式 を理 解し ,各 形式 に応じ た問 題の解 き方 を身に つけ なけれ ばな ら ない .し かし 再履 修者の 中に は、すで に 2 カ月か けて 演習を 重ね てきた はず の (TOEIC Bridge の)テ スト 形式を 理解 してい ない 受講者 が多 いこと から , 授 業各 回にお いて 取り上 げる テスト 形式 を一つ に絞 るなど ,理 解を 深め る上 で 妨げ となる と推 測しう る点 を極力 排除 するよ う心 がけて いる .ま た,履修 者 数 など の問題 から も,通常 授業 では行 いに くい音 読や 筆記な ども 取り入 れな が ら,何か しら の作 業を行 う仕 組みを 模索 してい ると ころで ある .
4. TOEIC Bridge IP テ ス ト に つ い て
毎年 ,年 度末 に以 下の表 に基 づいて 4 月 テスト から 12 月テ スト へのス コア の 伸長 に着目 した 報告書 を安 尾が作 成し ,学 部長・事務長 に提 出し ている が,
こ の機 会にそ れら に加筆 して ,より 広く 周知を 図り たいと 思う . 4.1 2015 年度 テス ト結果 につ いて
以下 の「 TOEIC Bridge IP テ スト クラ ス平均 点」 の表 3 及び 表 4 か ら特 徴 的な 差異を いく つか捉 える ことが でき る.
表3 2015年4月 TOEIC Bridge IPテ スト ク ラス 平均点
建築 電子情 報 機械 化学生 命 情報 ロボティクス
上位 144.36 142.8 142.93 139.92 144.11 139.56 中位 118.03 117.68 117.09 115.09 116.61 115.35
下位 89.2 89.25 89.67 86 83.33 83.67
平均 119.58 121.69 121.15 119.3 114.56 113.21 全 体平均 124.36点 (180点満 点)
表4 2015年12月 TOEIC Bridge IPテ スト クラ ス平均 点
建築 電子情 報 機械 化学生 命 情報 ロボティクス
上位 149.62 148.95 142.83 147.91 149.33 139.56 中位 122.52 123.36 124.94 123.3 121.09 121.23 下位 103 98.57 105.33 108.33 79.13 85.64 平均 125.84 127.17 127.6 127.92 119.26 118.29
全 体平 均 124.58点(180点満 点)
6学科18クラ スに 整理し た平 均スコ アの 内(機 械工 学科上 位ク ラスと 情報 学 科下 位クラ スを 除く) 全学科16ク ラスで4月 テス トより12月テ スト のス コ アが 高く,前後 期の授 業活 動を通 して 目指し たTOEICの スコ アアッ プと い う 目標 がおお むね 達成さ れた と言え る.
さ らに ,各学 科で 比較す ると ,下位 クラ スでの スコ アアッ プが 中位ク ラス 及 び上 位クラ スの それよ り顕 著であ るこ とが伺 え,12月テ スト では( 情報 学 科 を除 いて) 下位 クラス にお ける伸 長が 学科の 平均 伸び率 に勝 ってい た.
し か も ,学 科 横 断 的 に 比 較 す る と ,下 位 ク ラ ス の 伸 び 率 は(4月 テ ス ト の 平 均 が86.85,12月 テ ス ト の 平 均 が96.67で )111.31だ っ た の に 対 し て , 上 位 ク ラ ス の 伸 び 率 は(4月 テ ス ト142.28,12月 テ ス ト 146.37で )102.87,ま た 中 位 ク ラ ス の そ れ は (4 月 テ ス ト 116.64,12 月 テ ス ト 122.74 で )105.23 に 比 べ て 高 く ,TOEICス コ ア の い わ ゆ る「 底 上 げ 」が 達 成 さ れ て い る と 言 え る .
4.2 2016 年度 テス ト結果 につ いて
2015年 度同 様,以下の 表5及び表6か ら特徴 的な 差異を 読み 取るこ とが で
き る.
表5 2016年4月 TOEIC Bridge IPテ スト ク ラス 平均点
建築 電子情 報 機械 化学生 命 情報 ロボティクス
上位 144.4 143.05 142.38 140.08 142.8 138.12 中位 119.19 119.48 115.78 114.7 115.19 113.26 下位 90.75 93.45 90.31 86.75 83.88 85.33 平均 120.98 121.5 119.62 120.15 114.08 114.43
全体 平均 118.64点(180点満点 )
表6 2016年12月 TOEIC Bridge IPテ スト クラ ス平均 点
建築 電子情 報 機械 化学生 命 情報 ロボティクス
上位 145.65 146.63 143.73 144 143.69 139.14 中位 121.1 124.26 121.2 123.47 117.34 117.96 下位 97.25 103.4 105.17 107.5 95.6 99.27 平均 122.91 126.13 124.43 127.98 117.53 119.17
全 体平 均 123.04点(180点満 点)
全 学科 ・全ク ラス で4月 テス トのス コア を12月 テス トのス コア が上回 り,
TOEICの スコ アア ップと いう 目標が 前年 度以上 に達 成でき たこ とが確 認さ れ た .
学 科 ご と に 各 ク ラ ス の 伸 び 率 を 比 較 し て み る と , 下 位 ク ラ ス の 伸 び 率 が 最 も 高 く , 中 位 及 び 上 位 ク ラ ス が 順 に 続 く 傾 向 も , 前 年 度 同 様 で あ っ た . さ ら に , 学 科 横 断 的 な ク ラ ス レ ベ ル 間 の 伸 び 率 の 比 較 に お い て も , 前 年 度 と 同 じ く ,下位 クラ スの それが114.66で、中位ク ラス の103.97,上位ク ラス の101.41 よ り高 かった .
ま た , い わ ゆ る 「 ゆ と り 世 代 」 の 基 礎 学 力 低 下 が 話 題 に な っ た 入 学 年 度 か ら 数 年 が 経 過 し た が , 本 学 部 入 学 者 の 基 礎 英 語 力 に 関 し て は ,4 月 テ ス ト の 結 果に 大きく 変化 が見ら れる ことは なく ,12月 テス トスコ アで の伸長 から も 入 学後 の伸び 率に 目立つ 差異 は確認 でき なかっ た.
4.3 ス コアア ップ につな がっ た要因 につ いて
各 学科 ・各 クラ スのTOEIC Bridge IPにお ける スコ アの伸 長か ら,ス コア ア ップ につな がっ た要因 を振 り返っ てお くこと も授 業改善 に役 立つと 思わ れ る .
第1 には, 比較 的早期 に合 格した 入学 予定者 を対 象に 3 月に 実施し た「 入 学 前ス クーリ ング 」を 活用 して ,事 前に 4 月 のガイ ダン ス時期 に TOEIC Bridge IP を利用 して の習 熟度別 クラ ス編成 によ る授業 が行 われる こと を周知 し,ス ク ーリ ングの 英語 授業で 簡単 な TOEIC Bridge の 紹介 を兼ね た模 擬授業 を実 施 し たこ とがあ げら れる. 事前 にリス ニン グとリ ーデ ィング の基 礎的な 問題 練 習 を少 しでも 行っ て予備 知識 を与え るこ とで, 入学 後の英 語授 業に不 安や 苦 手 意識 を抱い てい る生徒 にも ,ある 程度 英語に 自信 があり 意欲 的に取 り組 も う と考 えてい る生 徒にも メリ ットが あっ たと考 える .
第 2 には,前 期に クォ ータ ー制を 導入 して ,「英 語 AⅠ」で は語 彙・文 法事 項 に重 きを置 いた 授業を し,「英語 BⅠ 」では リス ニング の基 礎練習 を取 り入 れ て TOEIC Bridge への実 践的 な対策 を授 業で始 めた こと.さら に後期 の「 英 語 AⅡ 」「 英語 BⅡ 」では セメ スター 制に 切り換 えて ,多く の実 践問題 に取 り 組 む授 業を着 実に 行った こと .これ ら 2 点があ げら れる.
第 3 には, 統一 授業の メリ ットを 活か して, 全ク ラスの 進度 を揃え ,同 時 に 中間 テスト を実 施する こと で,さ らに は直前 の授 業でテ スト 対策を 一斉 に 行 うこ とで, 全学 科・全 クラ スで学 生の 基礎学 力を 把握( 学生 にもフ ィー ド バ ック )する こと ができ ,TOEIC Bridge IP 対策 が効 率よく 行わ れたた めと 思 われ る.
そし てもう 一つ は, TOEIC Bridge IP のスコ アを 「英語 BⅡ 」の 評価に 加え た こと が,ひ いて は単位 修得 にもつ なが るため ,ス コアア ップ へのイ ンセ ン テ ィヴ ともな った と考え られ る.
4.4 TOEIC Bridge IP の 今後 の実施 と活 用に向 けて
2015-2016 年度 の実施 を終 えて( 2017 年 度 4 月テ ストは すで に実施 済み で あ るが ),今後 のテ スト実 施と スコア 結果 を授業 にど う活か して いくか につ い て も, いくつ かの 提案を 含め て考え てお きたい .
( 1) 入学直 後の 4 月テ スト から前 期前 半に履 修す る「英 語 AⅠ」を 大学 英 語 への 導入期 とし て位置 づけ ,習熟 度別 クラス 編成 ・クォ ータ ー制授 業の メ リ ット を生か せる 授業ス タイ ル・教 材作 成・テ キス ト選定 を今 後も検 討し た い .
( 2) 2 学科 合同 5 クラ ス編 成での 授業 を継続 実施 し,学 生の 基礎英 語力 の 推 移を 今後も 把握 したい .
( 3) 1 年次 「英語 A・ B」 での 基礎 力定 着を徹 底し ,TOEIC 対策を 主眼 とし た 授業を 2 年 次「英 語 C」あ るい は「 教養ゼ ミナ ール 」「 特修 プロ グラム 」内 の 英語 関連科 目で のスコ アア ップに つな げたい .ま た,単 位修 得が難 しい 学 生 には 「英語 D」 の履修 を奨 励し, 中等 教育で 学習 した内 容の 定着に 力を 入
れ たい .
( 4)「英語 A・ B」 を再 履修 する学 生, あるい は上 位レベ ルの クラス 以上 に 英 語力 を伸ば して TOEIC のス コアア ップ を目指 す学 生を対 象に ,それ ぞれ に 適 した 内容の 学習 支援プ ログ ラムを 検討 したい .
( 5)「 学生に よる 授業評 価ア ンケー ト 」の結果 ,あるいは 各教 員のリ フレ ク シ ョン などを 活用 して教 員間 での情 報共 有を心 がけ ,各レ ベル のクラ ス内 に お ける 学力差 に配 慮しな がら 意欲的 に取 り組め る授 業展開 や評 価方法 を検 討 し たい .
( 6)「入 学前 スク ーリン グ」の内容 が基 礎学力 の確 認・定 着,入学後 の学 修 内 容の 事前周 知か らグル ープ ワーク を通 しての 意見 交換・ 仲間 づくり にシ フ ト した ことを 受け て, 2017 年 度以降 の TOEIC Bridge IP ス コア 及びそ の伸 び 率 にど ういっ た変 化が見 られ るかに も注 目した い.
5. お わ り に
以 上,2015-2016 年度 の統 一授 業「英 語 A・B」を 通し て,本学 にお ける TOEIC 対 策を 中心と した 英語教 育の 現状の 一端 を述べ てき たが, 1 年 生対象 の「 英 語 A・B」以外 にも 筆者二 人が 担当す る英 語関連 科目 がある ので,それ らの 科 目 につ いて最 後に 多少で も触 れてお きた い.
外 国語 科目と して の英語 の他 に「教 養ゼ ミナー ル」 あるい は「 特修プ ログ ラ ム 」の科 目群 にも TOEFL や TOEIC 対 策を 中心と する 授業が あり ,さ らに 資格 取 得対 策とし て工 業英語 能力 検定( 工業 英検) の合 格を目 指す 授業が ある . 「教 養ゼミ ナー ル」の 一つ として 安尾 が担当 して いる TOEFL 対策の 授業 に つ いて は,中 等教 育での 対応 が(英 検ほ どでは ない にして も) 比較的 進ん で い る TOEIC と は異 なり, ほと んどな され ていな いま ま大学 進学 してい る国 内 の 事情 もある ので ,1 年生 統一 授業で の英 語学修 と 2 年生で 履修 する「英 語 C」
で 修得 した英 語力 だけで TOEFL のス コア アップ につ ながる 授業 を行う には ま だ 難し いとい う印 象が強 い. 2015 年 度も 2016 年 度も 数名の 意欲 的な学 生が
「 教養 ゼミナ ール :TOEFL iBT に 備え よう 」を履 修し ,海外 の大 学・大 学院 へ の進 学に必 要な TOEFL iBT(Internet-based Test)で のスコ ア取 得に向 けて TOEFL ITP(Institutional Testing Program)か ら実 践練 習を始 めた ところ な の で, もう少 し今 後の成 果を 待ちた いと 思う.
工 業英検 3 級 につ いては ,本 計先 生が 長年 にわた り,本学 を準 会場 として 年 3 回試 験を実 施し ,化 学生 命工 学科対 象「科 学英 語Ⅰ・Ⅱ」や電子 情報 工学 科 対 象「 情報技 術英 語Ⅰ・ Ⅱ」 におい て試 験対策 をし てこら れた .ま た,中山 が 担 当す るロボ ティ クス学 科対 象「科 学技 術英語 Ⅰ・ Ⅱ」の 一環 として も試 験 対 策を 行い ,毎 年学 部内で 多数 の合格 者を 出して いる .ま た,これ ら公 的外 国
語 資格 試験の 結果 を利用 した 単位認 定制 度もあ り,例年 数十 名,英語 科目 への 単 位認 定を申 請す る学生 がい るが ,そ の多 くが工 業英 検で取 得し た級を 活用 し たも のであ る.工業 英検 3 級 の場合 は 2 単位の 単位 認定が 可能 である が,3 級 受験 を目指 すま でには 至ら ない学 生や ,1 単位 のみ の認定 を考 えてい る学 生 には 4 級受 験を すすめ る場 合もあ る.4 級 は外 部受 験とな るが ,受 験を 希望 す る学 生には 個別 指導を 行っ ており ,こ れま でに も数 名では ある が合格 し,単 位 認定 を申請 した ケース もあ る.
公 的外 国語資 格試 験を利 用し た「英 語 A・B」の 単位 認定の 状況 をみる と,1 年 次に TOEIC で高 得点を 取り ,「英語 A・B」4 単 位す べて申 請を 行った 稀な ケ ー スも あるが ,ほ とん どの 場合 ,4 単位 のう ち単位 取得 できて いない 1,2 科目 に つい て,上級 学年 になっ て申 請を行 うケ ースで ある .1,2 年 次に おいて は TOEIC に対応 し得 る英語 学修 が中心 とな ってい るが ,そ れと あわ せて今 後も , 学 生の 意欲や それ ぞれの 目的 にあわ せた 学修が 行え るよう な取 り組み を模 索 し てい きたい と考 えてい る.