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Academic year: 2021

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那智黒石粉末利用法のFS検討

‐粉末粒径の影響-

中 村 信 広

,久 貝 克 弥

Feasibility study on effective utilizing methods of Nachiguro stone powder

Influence of powder particle size

Nobuhiro NAKAMURA and Katsuya KUGAI

Nachiguro stone is a natural stone produced in the Kumano Region and is used for producing Ink stone and Goishi.

In the production of Ink stone and Goishi, a large amount of powder appears as a byproduct. To date, the Nachiguro stone powder is only used in the production of resin products.

In the present study, Nachiguro powder sintering process method can manufacture black sintered compact.

But, the formed bodies sometimes crack by the dry process before the sintering.

In this paper, we report about the relation between crack and powder particle size,shape of formed bodies.

Keyword Nachiguro stone powder, powder particle size,shape of formed bodies

1.緒 言

那智黒石は,熊野地域で産出される漆黒のある天然石で あり,硯や碁石に加工されているが,この加工時に大量の 削り粉末が発生する.現在,この削り粉末は,樹脂と混ぜ た練り製品として使用されているが,他に利用されていな い.本研究では,那智黒石粉末の新しい利用方法と新商品 の開発を目的として,焼結加工法に着目して研究を進めて きた.これまでの実験結果から,焼結加工においても那智 黒石と同様に漆黒を失うことなく焼結できることが明ら かになった.また,焼結前の粉末成形においても簡単に複 雑形状の成形体が製作できる泥しょう鋳込み成型法で成 形できるか否かについて考察した結果,那智黒石粉末と水 のみの泥しょうでも成形が可能であることがわかった1)

しかし,泥しょう鋳込み成型後の乾燥工程で,水分の濃 度分布の差異から成形体の形状により割れが生ずること が見られた.本報では,石膏型を用いた泥しょう鋳込成形 後の那智黒石粉末成形体の割れの原因として粉末粒径と 成形体の形状の関係について考察した結果を述べる.

2.実験方法および装置 2.1泥しょうの製作

泥しょうに使用する粉末は,研削加工後の那智黒石粉末 を自動乳鉢で 36 時間粉砕後,アルミナボールミルで 24 時間から96時間まで24時間毎にそれぞれ粉砕した粉末 を使用した.

アルミナボールミルで粉砕した粉末の粒度分布を図1 に示す.また,自動乳鉢で36時間粉砕した粉末の粒度分 布も参考として示している.

1.00 particle diameter (μm) 0.100

Intensity(a.u)

10.00 96h 72h 48h 24h

36h

図1 各粉砕時間で粉砕した粒度分布

*近畿大学工業高等専門学校

総合システム工学科 機械システムコース

(2)

なお,粉砕した粉末のそれぞれの平均粒径を表1に示す.

表1 各時間で粉砕した粉末の平均粒径(μm)

泥しょうは,各粉砕時間で粉砕した粉末をそれぞれ重量 比で那智黒粉末1に対して水3の割合で混合したものを 使用した.一般的に泥しょうには粒子を分散させるために 解こう剤として水ガラスを混合するが,今回は那智黒石粉 末と水のみで製作した.

2.2実験試料の製作および割れの評価

実験試料は,φ75mmに加工された円形状の石膏型を5 つ製作し,自然乾燥後の厚さが5mmになるように泥しょ うを鋳込んで成型体を製作した.

また,形状変化が割れに影響を調べるために,一辺が 70mmの正方形と正三角形の石膏型も5つ製作し,自然乾 燥後の厚さが5mmになるように泥しょうを鋳込んで成型 体を製作した.なお,成形体の割れの評価は,自然乾燥後 の表面における割れの有無を目視で行った.

3.実験結果および考察 3.1粉末粒径の影響

図2は,φ75mmの円形状の石膏型を用いて,アルミナ ボールミルで24時間から96時間まで粉砕した泥しょう をそれぞれ鋳込んだ後に自然乾燥させた成形体の一例を 示した写真である.写真から見てわかるように,乾燥工程 による割れは,目視でも確認できる大きな割れである.こ の乾燥工程による割れの発生は,24 時間では5個中2個 に割れが生じ,その他の時間では割れが確認できなかった.

図2 乾燥工程で発生した割れ

また,アルミナボールミル粉砕前の自動乳鉢で36時間 粉砕した泥しょうを用いた場合では,5個の全部に割れが 生じた.これは,図1に示した粒度分布から,自動乳鉢で 36 時間粉砕した場合では,粒度分布の幅が大きく粉末粒 径が密でないためであると思われる.また,アルミナボー

ルミルで24時間粉砕した場合では,自動乳鉢で36時間 粉砕した場合と比較すると,平均粒径はほぼ同じであるが,

粒度分布の幅が密になっている.このことから,泥しょう 鋳込み後の乾燥工程に割れが生じる要因として,平均粒径 と分布幅が影響を及ぼしていることがわかった.

今回,ボールミル48時間以降では,割れが生じていな いことから,平均粒径が1.5~2.0μm付近に割れが生ずる か否かの境界が存在していると思われる.

3.1成形体の形状変化の影響

図3の写真は,一辺が70mmの正方形と正三角形に泥 しょうを鋳込んだ後に自然乾燥させた成形体の一例を示 したものである.この実験結果から,形状変化による割れ の発生は各粉砕時間ともに見られず,形状の相違による割 れの発生は無関係であると思われる.しかしながら,円形 状の成形体において割れが発生していることから,異種形 状の場合においても,平均粒径をできるだけ小さくしたほ うが良いと考えられる.

図3 正方形状と正三角形状の成形体

4.結 言

那智黒石粉末の焼結前における乾燥工程において,成形 体に割れが発生することがあるため,泥しょう鋳込みに使 用する粉末の粒度分布および成形体形状の影響を調べた 結果,次のような知見を得た.

1.ボールミルで24時間粉砕した成形体には,割れが生 じたが,ボールミル48時間以降では,割れは生じなか ったことから,平均粒径が1.5~2.0μm付近に割れが生 ずるか否かの境界が存在していると思われる.

2.正方形および正三角形の成形体においては,各粉砕時 間ともに割れは確認できず,形状の相違による割れの発 生は無関係であると思われる.

参考文献

1)中村,久貝:那智黒石粉末利用法のFS検討-粉末成 形法の影響-,近畿大学工業高等専門学校研究紀要第 9 号,近畿大学工業高等専門学校研究紀要委員会,(2015)

21-23 粉砕時間 24H 48H 72H 96H

平均粒径 2.047 1.5476 0.934 0.675

参照

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