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も、これまでの合理的・経済的空間利用の時代から、限

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Academic year: 2022

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(1)丘陵地に立地するキャンパスの空間利用について* ―地形的分析による史的考察― A Study of space use of the campus located on a hilly spaces -Historical consideration by geographical feature-analysis伊澤. 岬1)・江守. 央2)・山本. 和清3)・不破一郎4). By Misaki IZAWA1)・Hisashi EMORI2)・Kazukiyo YAMAMOTO3)・Ichiro FUWA 4) 1.研究の目的 国土や都市における自然環境を丘陵地に限ってみて. して分析する(表−1)。 2)分析方法. も、これまでの合理的・経済的空間利用の時代から、限. 建物とオープンスペースとの関係を地形的特徴によっ. られた資源を精神的空間としてとらえる時代になった。. てとらえるため、前述の『丘陵地に建つキャンパスの計. 戦後の丘陵地利用の代表ともいえる大学キャンパスの造. 画的研究』で設定した分析方法によってキャンパスの空. 成の根底には通学への利便性、土地の経済的な価値重視. 間構成要素と地形との関係を設定した分析項目・細目で. の思想がある。今日この丘陵地利用のキャンパス開発の. 分析する(図−1)。. 終焉を象徴するようなキャンパスの都心回帰現象もみら. キャンパスの空間構成は敷地を利用空間、未空間利用. れる。これは超少子化と都心の空洞化これに伴う地価下. に大別し、利用空間を各種建物、グランド、道路とに細. 落さらには法規制の緩和によるものであり、戦後の都市. 分類する。各種建物はキャンパスでは教育、研究、生活. 近郊の丘陵地空間利用を総合的にとらえ直す好機とみる. など様々な機能の建物で、特にグランドは大規模な平坦. ことができる。. 面を必要する。さらに未空間利用は丘陵地に立地する. 本研究では首都・中京・近畿三圏のキャンパスにおい. キャンパスに限らず郊外型のキャンパスを特徴づける空. て、地形を生かした空間利用を建物とオープンスペース. 間であり、キャンパスとして良好な環境を保つ上でも重. との関係によってとらえて、今後の空間評価法として発. 要な空間といえる(図−2)。. 展させたい。また京都境内との比較から歴史的空間と現. 以上空間構成と地形との関連を高低差、勾配、地形形. 代的空間利用における地形的分析よる相違を考察する。. 状によってとらえる。これは地形によってキャンパスを. 2.研究の方法. 全体的・部分的にとらえ、さらに総合的で空間的視点か. 1)調査対象. ら地形形状によってとらえようとするものである。高低. 本稿は戦後から1975年までまとめた『丘陵地に建つ. 差は、都市計画図・白地図(以下白地図)を基礎資料と. キャンパスの計画的研究』とそれ以降2000年までのキャ. し現況調査を踏まえ1mを単位として集計する。勾配は区. ンパスについて、平成12年度版「全国大学一覧」から新. 域の勾配を測定する方法として方眼法を採用し、白地図. 設及び既存大学の新設キャンパス・位置変更(全面移. を基に現地調査を踏まえ1mを単位に集計する。地形形状. 転)を抽出し、敷地内高低差が4m以上あるキャンパス. は空間的な指標として、キャンパスの主要な空間構成要. (以下丘陵地キャンパスとする)を対象に現地調査を行. 素の各種建物とグランドとの相互位置関係を白地図の等. い、対象大学から提供を受けた資料を基に市町村発行の. 高線によって類例化して4つの基本型「斜面」「山」「盆. 1/2500都市計画図白地図(以下白地図)を共通資料と. 地」「半島」と、同じ型が繰返される「重複」複数の型. *. キーワーズ:地形、キャンパス、自然再生 1) 正員、工博、日本大学理工学部社会交通工学科 (千葉県船橋市習志野台7‑24‑1、TEL:047‑469‑5503、 E‑mail:[email protected]‑u.ac.jp) 2). 正員、工学、日本大学理工学部社会交通工学科 (千葉県船橋市習志野台7‑24‑1、TEL:047‑469‑5503、 E‑mail:[email protected]‑u.ac.jp) 3). 正員、工修、日本大学理工学部海洋建築工学科 (千葉県船橋市習志野台7‑24‑1、TEL:047‑469‑5483、 E‑mail:[email protected]‑u.ac.jp) 4) 非会員、工学、株)IACEトラベル(東京都港区浜松町2‑3‑26、 TEL:03‑3436‑6550). による「複合型」に分類しそれぞれの空間的特質を明ら かとする。 3.分析結果 1)規模的特徴 75年前の中京圏のみでの40haを越す大規模キャンパス の出現に対し76年後首都・近畿圏での大規模の出現が目 立つが、前後とも首都・中京圏の40ha以内の小・中規 模、近畿圏の20ha内の小規模傾向は変わらない。.

(2) 一般的条件. 凡. 設立年代 設立主体. 国立. 対象キャンパス(1976〜2000)69件 都道府県境 工業等制限区域境. 公立 私立 規模的条件. 例. 対象キャンパス(〜1975)93件. 標. 高. 敷地面積. 地理的条件 地形的条件. 距離. 都心からの距離. 標高. アプローチ標高. 高低差. 100m 60m 20m 0m. 埼玉県. 敷地レベル差 建物間レベル差. 利用レベル差. 建物・体育館レベル差. 東京都. 建物・グランドレベル差. アプローチレベル差. 勾配. 敷地勾配. 最大利用レベル差 敷地平均勾配. 地形形状. 基本型. 建物敷地平均勾配 斜面型. 千葉県 神奈川県. 山型 半島型 盆地型 重複型 複合型. 図−1. 0. 分析細目. 分析項目. キャンパスの分析項目・分析細目. 表−1. 10. 60 km. 30. 首都圏調査キャンパス分布図. 調査対象キャンパス内訳 全キャンパス数. 地域名 対象都府県. 1975以前 1976以降 東京都 神奈川県 首都圏 埼玉県 千葉県 中京圏 愛知県 大阪府 近畿圏 兵庫県 京都府 合計. 図−3. 5. 敷地内高低差4m以上のキャンパス数 合計. 国立. 公立. 私立. 調査対象キャンパス数. 1975以前 1976以降 1975以前 1976以降. 合計. 86. 199. 285. 2. 1. 68. 33. 38. 33. 33. 66. 28. 36. 64. 4. 2. 24. 20. 10. 20. 10. 30. 44. 94. 138. 9. 8. 49. 40. 26. 40. 26. 66. 158. 329. 487. 15. 11. 141. 93. 74. 93. 69. 162. 20m未満に75年前 91%で76年後94%と集中傾向が高まり、 キャンパス. 利用空間. 未利用空間. 図−2. 各種建物 ① グランド ② 道路 ③. 主建物群 体育館 寮 付属建物群. ④. キャンパスの空間構成. 中京も90%が100%、近畿で90%が96%、三圏全体でも90%が 96%と集中傾向が見られた。この分析細目は最もシビアは 計画的対応が求められる値であり、75年を境により厳格 な値に変化していることが読み取れる(図−6)。アプ. 2)地理的特徴. ローチレベル差は首都圏が20m未満に75年前 91%で76年. 都心からの距離は75年前は首都圏のみが60km圏,中. 後85%と、ともに集中傾向ではあるが75年を境に若干の. 京・近畿が30km圏内の分布が、76年後中京・近畿圏特に. 分散傾向が見られる。中京も90%が80%、近畿で90%が. 兵庫県の分布が60km圏まで広がった。アプローチ標高は. 89%、全体で90%が86%と集中傾向である。75年後の若干. 東京都と兵庫県の120mに越す高標高が75年前後ともに出. の分散傾向は76年後の立地条件の厳しさが値として読み. 現している。以上75年後の60km圏までの3圏の広い分布. 取れる。最大利用レベル差は首都圏が20m未満に75年前. と、中京の低標高、東京都と兵庫県の高標高がうかがわ. 55%で76年後73%で、中京圏も60%が70%、近畿圏で63%が. れる。. 73%、全体で58%が64%で、更に40m未満では全体で90%が. 3)地形的特徴. 96%と高い集中が見られる。この集中の理由の一つに体育. ①高低差 敷地レベル差は75年前 100mを越える例が. 館ならびにグランドの計画的対応が一般教室などと同等. 1件、76年後3件で,ほとんどが100m内に幅広く分布す る。利用レベル差について、建物間レベル差は首都圏が. 程度にあつかわれていることが考えられる。 ②勾配. 境内との共通性とキャンパスの特質を考慮.

(3) 満の中勾配、30%を越える急勾配)に分類し考察する。敷 地平均勾配は首都圏では75年前低勾配39%、中勾配52%、 急勾配9%が76年後それぞれ18%、76%、6%と中勾配キャン パスが76年後多く出現。中京圏は前後とも急勾配はなく 前後とも同じような傾向。近畿圏は前後で低勾配が22%が 31%、中勾配が63%が50%、急勾配が15%が19%で特に76年 後の急勾配の高値による分布がうかがわれた。建物敷地 平均勾配は首都圏、近畿圏とも中勾配未満に前後とも集 中。近畿圏でも75年前中勾配未満は93%で76年後は85%と. 首都圏 80 70 60. %. 敷地平均勾配. し、勾配を三段階(10%未満の低勾配、10%を超え30%未. 私立 国立 公立. 50 サンプル数. 66. 40 30 20 10 0. 年. 集中傾向にあるが、京都府、兵庫県での急勾配での高値 ③地形形状 4つの基本型「斜面」16件が18件「山」9. 中京圏 80. 件が13件「半島」18件が9件「盆地」8件が6件「重複」5. 70. 件が4件「複合型」11件4件である。特に「斜面」で甲南. 60. 女子(村野籐吾設計)「半島」で南山(レーモンド設. 50. 計)の好例が抽出された。75年後では指名コンペによる. 40. 東京造形(磯崎新設計)の「複合型」で入れ子型の案が. 30. 選ばれたが、全体的に好事例が少ない。これは周辺道路. 20. の制約・理想的土地の未確保や環境等による法の制限な. 10. ど様々な理由が考えられる。 4. 敷地平均勾配によるキャンパス出現と史的分析 4.敷地平均勾配によるキャンパス出現と史的分析. 敷地平均勾配. がうかがえる。. 年. 近畿圏. は、60年代をピークに出現が減じ、すべての年代で30%. 70. 以下の中勾配キャンパスである。近畿圏は60年代をピー. 60. クに、70年代に急落し、その後暫時増加傾向にある。ま. 50. た60年代の高勾配キャンパスの出現と、70年代以降の兵. 40. 庫県の高勾配キャンパスが目立つ。以上全体で、50年代. 30. 敷地平均勾配. 80. 徴されるように、わが国高等教育の量的拡大時期で、都. %. 私立 国立 公立 サンプル数. 10 0. 年. 1950. る。大学の量的拡大と相俟ってキャンパスが郊外に転出 万人. 校. ンパスによってとらえることができた(図−4)。. 1990. 2000年 大学・短大への入学者数. 大学の学校数 大学・短大への進学率. 600. %. 100. 400. 50 40. 300 200. 30 20. 100. 10. 以上、都市近郊における戦後の丘陵地開発の状況をキャ. 1980. 500. 減少と石油ショックの時代、80年代のバブルの時代で第. 学部新設が進み、丘陵地キャンパスの出現と連動した。. 1970. 200. パスが出現したことが読み取れる。70年代は18歳人口の. ズに対応した「情報」「環境」が「福祉」「看護」等の. 1960. 18歳人口. し丘陵地キャンパスが相次ぎ、さらに高い勾配のキャン. だ。90年代バブル崩壊の中にあっても社会の新たなニー. 66. 20. 市的拡大を制限した工業等制限区域の指定時期に一致す. 2次ベビーブームを控え丘陵地キャンパスの増加が進ん. 30. 0. し70年代の東京都の高勾配キャンパスが目立つ。中京. に伴う大学設立の影響である。60年代はベビーブーム象. 私立 国立 公立 サンプル数. 首都圏は60年代をピークにその後コンスタントに出現. に対する40年代の出現のピークは戦後の新制大学の発足. %. 図−4. 年代・敷地平均勾配別キャンパスの出現.

(4) 5.京都境内との比較. 20. 件. 20. 東京都. 埼玉県. 千葉県. 神奈川県. 境内との比較上、境内の敷地レベル差で4m以下を除い. 18. てキャンパスとの比較をする。高低差は建物間レベル差. 16. の20m以内に境内が72%と75年前の90%、後の95%となる。. 14. 14. 12. 12. 10. 10. 8. 8. アプローチレベル差の20m以内に80%と75年前の90%、後 の86%。最大利用レベル差40m以内に86%と75年前の90%、 後の96%となる。勾配は建物敷地平均勾配で30 %以下に. サンプル数. サンプル数. 4. 4. も高い値である。地形形状は基本型の高勾配における好. 2. 2. 例のほか、更に「複合型」の好例を加えることで、各型. 0 20m. 40m. 60m. 4m. 首都圏(1975年まで). 40m. 60m. 首都圏(1976‑2000年). 件. 件. サンプル数 16. 上限られた値に集中する。これは配置計画における人間. 14. 的スケールでの計画的集中である。更に丘陵地独自の魅. 12. 力的な空間を創出する地形形状の分析が重要な視点であ. 10. ることが確認できた。また戦後の都市近郊の丘陵地空間 利用に伴う開発がキャンパスの史的考察から、バブル崩 壊や少子化にもかかわらず続いていることが明らかと なった。また歴史的・現代的空間の相違については、利 用空間での高低差、勾配の値は同じような集中傾向が. 20. 愛知県 18. 20. サンプル数. 14 12 10 8. 6. 6. 4. 4. 2. 2. 0. 0 4m. 20m. 40m. 60m. 4m. 中京圏(1975年まで) 20. 20. 兵庫県. 大阪府. 参考文献 1、伊澤岬「丘陵地に建つキャンパスの計画的研究」 (学位論文)1980 2、樋口忠彦「日本の景観」春秋社 1981 3、不破一郎「丘陵地に立地するキャンパスの分布に関する研 究」(卒業論文) 2001. 勾配. キャンパス 高低差. 大阪府. 40. 京都府. サンプル数 16. 14. 14. 12. 12. 10. 10. 8. 8. 6. 6. 4. 4. 2. 2. 26. 0 4m. 20m. 40m. 60m. 4m. 近畿圏(1975年まで). 図−6. 73. 急勾配. 兵庫県. 16. 0. 60m. 18. サンプル数. す。. 40m. 件. 京都府. 18. デザイン研究室4年萩原麻衣子さんの協力に感謝しま. 20m. 中京圏(1976‑2000年). 件. における人間的スケールを越える神的スケールの存在が 認められた。. 10. 16. 8. キャンパスにおいてよりシビアに伺えるとともに、境内. 境内. 20m. 18. 高低差・勾配は値の高い敷地でも利用空間では、計画. 33. 0 4m. 愛知県. 6.おわりに. 神奈川県. 33. 6. 20. 埼玉県. 千葉県 16. 6. 5)。. 東京都 18. 86%に対し、キャンパスは75年前の95%後の94%といずれ. の空間的特質をより明らかとすることが出来た(図−. 件. 40m. 地形形状分類表 基本型. 丘陵地. 斜面型. 60m. 建物間レベル差ヒストグラム. 表−2. 急勾配. 20m. 近畿圏(1976‑2000年). 半島型. 山型. 小計. 盆地型. 計. 1975以前 1976以降 1975以前 1976以降 1975以前 1976以降 1975以前 1976以降 1975以前 1976以降. 30 中勾配. 中勾配 10 緩勾配 (%). 図−5. 低勾配 平坦地 (調査外). 4 平坦地 (m). 勾配・高低差による境内・キャンパスの分類. 首都圏. 1. 6. 4. 10. 5. 6. 2. 4. 12. 基本型 中京圏. 1. 3. 1. 2. 5. 0. 2. 2. 9. 7. 近畿圏. 14. 9. 4. 1. 8. 3. 4. 0. 30. 13. 26. 首都圏. 1. 0. 2. 0. 1. 2. 4. 2. 重複型 中京圏. 0. 0. 1. 0. 0. 0. 1. 0. 近畿圏. 0. 0. 0. 1. 0. 1. 0. 2. 97. 9. 首都圏. 5. 1. 複合型 中京圏. 4. 0. 15. 近畿圏. 2 67. 3 54. 121. 合計.

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