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交通流シミュレーションの意義

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Academic year: 2022

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(1)鉄道高架化に伴う道路政策評価における 交通流シミュレーションの活用 前川 1. 拓也1・井上 博司2. 兵庫県立大学大学院環境人間学研究科(〒670-0092 兵庫県姫路市新在家本町 1 丁目 1-12) [email protected] 2. 兵庫県立大学環境人間学部教授(〒670-0092 兵庫県姫路市新在家本町 1 丁目 1-12) [email protected]. 道路政策評価においては,プロジェクトの影響と効果をわかりやすく表現し,また関係者とさまざまな 情報を共有することが重要である.このことから,交通流シミュレーションは道路政策評価において重要 な役割を果す.本文においては,交通流シミュレーションを如何に取扱うかを説明し,その応用の一例と して,鉄道高架化にともなう道路政策評価への適用を示す.最後に,道路政策評価における交通流シミュ レーションの今後の可能性を示す.. Key Words : traffic simulation, road, road traffic, traffic flow, road policy, road policy assessment, railway elevation. 1. 交通流シミュレーションの意義. 現性に寄与し,交通流シミュレーションによる局部的な 検討に至るまでに混雑度や交差点需要率による周辺道路 への影響を交通量配分により検討していることが多い. 上位の交通量配分結果と整合性を確保するために,経路 選択について交通量配分を実施した際のルートおよび選 択確率を記憶し,経路選択モデルに反映させている. 交通流シミュレータに,ノードとリンク 3)から構成さ れる道路ネットワークデータとゾーン別の交通需要(動 的 OD 表)をインプットすることにより,交通流シミュ レータを実行することができる. 交通流シミュレーション結果であるアウトプットとし ては,視覚的に判断が可能となる交通流動態(アニメー ション)および定量的な車線別の交通量や渋滞長,旅行 速度,排気ガスの発生量があげられる.これらの視覚的 なアウトプットと定量的なアウトプットを併用し活用す ることにより,理解しやすい説明が可能となる.. 交通流シミュレーションは,コンピュータを用いて都 市の道路ネットワークにおける交通流動を擬似的に再現 し,都市部の道路整備や都市開発が道路交通に及ぼす影 響を,事前に予測するものである.結果は時系列的に, また視覚的な情報として表現される. 近年,道路政策を進める上で,民主性・透明性確保の 視点から,パブリック・インボルブメント(Public Involvement)の手法が活用されているが,時々刻々変 化する混雑や渋滞長などの情報を視覚的に示す方が,住 民も含めた計画関係者相互の理解が得やすいという利点 があり,道路政策を進める上での合意形成のツールとし て,交通流シミュレーションの意義は大きい. 本研究においては,交通流シミュレーションを用いて, 姫路駅周辺における鉄道高架事業の効果について検証し てみた.. 2. 交通流シミュレーションの概要 交通流シミュレータ VISION は車両モデル(移動モデ ル),経路選択モデル 1)から構成されている.車両モデ ル(移動モデル)は,従来の交通流シミュレーションの 分類では,交通流特性タイプと追従タイプ 2)に大別され るが,交通流シミュレータ VISION においては追従タイ プを採用している.また車線変更を可能としている. 経路選択モデルは,特に交通流シミュレーションの再. 図-1 交通流シミュレータ VISION の入出力 1.

(2) 3. 交通流シミュレーションを用いた鉄道高架化に 伴う道路整備の影響評価. 3.2 交通流シミュレーションを用いた検討の流れ 交通流シミュレーションについては,追従タイプ+車 線変更あり+経路選択ありのオリジナル交通流シミュレ 3.1 姫路駅周辺における鉄道高架事業の概要 ータ VISION に経路選択モデルをプログラムに組込むと 現在,姫路駅周辺においては,JR 山陽本線,播但線, ともに,シミュレーション対象範囲である姫路都心部の 姫新線を高架化とする,JR 山陽本線等立体交差事業が 交通実態を把握するために交通実態調査結果の整理を行 展開され,平成 20 年 12 月に高架切替工事が完了してい い,交通実態調査結果からシミュレーション対象OD表 る.関連事業として高架化に伴う道路整備も推進してお を作成,シミュレーション対象ネットワークを作成した. り,南北市街地の一体化と交通の円滑化を図っている. それらを活用して現況再現シミュレーションを実施し, これらの道路整備前を現況ケース(平成 20 年),道 現況再現性の確認後,将来シミュレーションを実施し, 路整備後を将来ケース(平成 28 年頃)として交通流シ 高架後の将来道路ネットワークにおける整備効果の検討 ミュレーションを用いて,姫路駅周辺における鉄道高架 を行った. 事業等の効果検証を行った.特に(都)船場川線,(都) 内々環状西線においては,踏切が撤去され,踏切におけ る渋滞が緩和されることからその効果は大きいことが想 定される.. 図-5 交通流シミュレーション検討フロー. 3.3 現況再現シミュレーションの実施 現況シミュレーションについては再現性の検証 4)を行 うために,姫路駅周辺の主要交差点の方向別交通量につ いて,実測値とシミュレーション値の比較を行った.相 関係数は 0.97 であることから方向別交通量については 概ね再現できていると考えられる. また,主要交差点のおける渋滞長や区間の走行速度に ついても,実態調査結果との比較を行い,現況再現性に ついて確認を行っている.特に,踏切部においては,踏 切の遮断時間やそのときの渋滞長について再現を行って いる.. 2. 3 2. 2. 2. 2. 4. 4 下寺町線. 4. 2. 1. 1. 1. 2. 4. 4. 4. 国道2 号. 4. 2. 4. 駅前幹線. 2. 図-2 姫路駅周辺の道路網. 2. 2. 4. 2. 4. 4. 2. 2. 4. 4. 内環状東線. 内々環状西線. 1. 3. 2. 2. 船場川線. 2. 2. 2. 2 高尾線. 3. 4. 3 2 1. 2. 3. 3 十二所前線. 2. 3. 2. 3. 2. 1. 4. 2. 魚町線. 4 凡 例. 2. 4. 4. 2. 1. 4. 現道 一方通行. 6. 2. 踏切. 4. 4. 2. 4. 2. 車線数 現道 対面通行. 1. 2. 2. 6. 1. 2. 1. 1. 1. 2. 2. 2. 2. 3. 4. 4. 2. 4. 下寺町線. 1. 4. 4. 2. 国道 2 号. 2. 4. 4. 4. 駅前幹線. 2. 4. 図-3 現況における道路ネットワーク条件(平成 20 年). 2. 4. 2. 4. 2. 4 4. 4. 2. 2. 2. 2. 4. 4. 凡 例 2. 2. 1 1. 新規整備. 4. 2. 現道 対面通行. 4. 4. 車線数. 4. 6. 1 2. 6. 2. 4. 2. 2. 2. 2. 内環状東線. 2 内々環状東線. 2. 4. 1. 2. 4. 内々環状西線. 船場川線. 2. 4. 高尾線. 3 2. 2. 2. 2. 3. 4. 2. 4. 十二所前線. 2 2. 2. 3. 4. 3. 2. 1. 4. 魚町線. 3. 現道 一方通行. 図-4 将来における道路ネットワーク条件(平成 28 年頃を想 図-6 現況再現シミュレーションの状況 午前 8 時. 定) 2.

(3) 3.5 整備効果の計量 (1) 整備効果の概要 現況シミュレーションと将来シミュレーション結果の 視覚的な比較を定性的な整備効果として整理すると, (都)船場川線北区間における南行きや,仮朝日橋周辺 の渋滞解消,大将軍踏切の除去により,都市内交通の整 流化が図られている状況が分かる.特に,シミュレーシ ョン計算過程をアニメーションで表現したアウトプット はプレゼンテーションに大きく発揮できるところである. (2) 整備効果の計量 現況シミュレーションと将来シミュレーション結果 から定量的な整備効果を示すために以下の項目について 集計を行った. ① 総走行台時間短縮効果 図-10は総走行台時間の比較を示したものであり,ピ ーク時の1時間で144台時間の短縮効果がある. ※ピーク時:7:30~8:30を示す.総走行台時間=Σ (リンク交通量×リンク所要時間). 南行きの渋滞 170m. 北行きの渋滞 180m. 図-7 現況再現シミュレーション 踏切部における渋滞状況. (台/1h) 1,750. 相関係数=0.97. 1,500 1,250 観 測 交 通 1,000 量 750. (台・時間). 500. 1000. 909. 250. 765. 800 0 0. 250. 500. 750. 1,000. 1,250. シミュレーション結果. 1,500. 600. 1,750. (台/1h). 400. 図-8 交差点方向別交通量の相関. 200 0 現況. 将来. 3.4 将来シミュレーションの実施 図-10 総走行台時間の比較 図-9は高架後の道路ネットワークにおける将来シミ ュレーション状況の午前 8 時を示したものであり,現況 ② 時間短縮便益効果 シミュレーションと比較すると,道路整備により道路密 図-11は時間便益額の比較を示したものであり,昼間 度が高くなり,交通の集中は分散化されることにより, 都市内交通においては整流化が図られている状況にある. 一年間で約25億円の便益が発生する. ※昼間時間短縮便益額(年間)=リンク交通量×リ また踏切部における渋滞も解消されている. ンク所要時間×車種別時間価値原単位×60(分)/ピーク 率0.09×365(日) 〔時間価値原単位:平成15年道路政策評価通達集5)〕 昼間とは,7時~19時までの12時間を示す.夜間につい ては走行速度が大きく相違することから,昼間での算出 を行った. (台・キロ) 20000 16466 15273. 15000. 10000. 5000. 0. 現況. 将来. 図-11 昼間時間短縮便益の比較. 図-9 将来シミュレーション状況 午前 8 時. 3.

(4) 4. 今後の交通流シミュレーションの可能性. ③ 総走行台キロ削減効果 図-12は総走行台キロの比較を示したものであり,ピ ーク時の1時間で1,193台キロの削減効果がある. ※ピーク時:7:30~8:30を示す.総走行台キロ=Σ (リンク交通量×リンク延長). 道路事業整備効果の評価は,一般的には交通量配分 等のマクロな推計を用いて,費用便益分析を行っている. 交通量配分のマクロな推計では,同じ道路区間(リン ク)において,車両による走行時間の変化はなく,均一 (リンク所要時間が同じ)となっている.実際には,停 留所に停まりながら走るバス,急勾配における大型車, (t) 5 車線変更時の速度変化等,車両によって走行時間が異な る.交通量配分は,これら個別の車両情報は考慮されて 4 3.52 3.07 おらず,推計の限界が生じている. 3 一方,交通流シミュレーションにおいては,車両一 2 台一台について,個別の車両情報を持っており,各車両 1 情報を考慮したアウトプットが可能であり,より信頼性 0 の高い整備効果を算出することが可能となる. 現況 将来 本研究の交通流シミュレーションは,朝ピーク時1 図-12 総走行台キロの比較 時間を対象としており,1時間あたりの効果を示してい るが,日あたりの交通流シミュレーションが可能となれ ④CO2 発生量削減効果 図-13は二酸化炭素発生量の比較を示したものであり, ば,交通流シミュレーション結果に基づいて,費用便益 分析も可能であると考えられる. ピーク時の1時間においてCO2は0.45tの発生量削減効果 また,交通流シミュレーションは,視覚的な整備効 がある. 果の把握も可能であることから,今後表示をよりリアル ※ピーク時:7:30~8:30を示す.大気汚染物質発生量 にするための3次元CGの活用や,VR(バーチャルリアリ (g)=リンク交通量×リンク 延長×排出原単位〔排出 ティ)との互換性確保により,視覚的また定量的な効果 原単位:平成15年道路政策評価通達集〕 を一体的に示すことにより,信頼性の高い評価システム を構築できると考えている. (km/h). 20. 参考文献 1) 赤松 隆:交通流の予測・誘導・制御と動的なネッ トワーク配分理論, 土木計画学研究論文集 No18, pp.23-39, 1995年12月. 2) 堀口良太:交通運用策評価のための街路網交通シミ ュレーションモデルの開発,東京大学論文集, pp.18-21, 1996 年 9 月. 3) 馬場美也子,棚橋巌,北岡広宣,森博子,寺本英 二:交通シミュレータ NETSTREAM,情報処理学会論 文,pp.227, 2005 年 1 月. 4) 堀口良太:動的交通シミュレーションの再現性指標 に関する適正性の考察,土木計画学研究発表論文集, pp.1-2,2002年6月. 5) 道路広報センター:平成15年道路政策評価通達集, 2003年.. 18 16. 10. 0 現況. 将来. 図-13 二酸化炭素発生量の比較. ⑤平均走行速度向上効果 図-14は(都)船場川線の区間平均走行速度の比較を 示したものであり,ピーク時1時間の区間平均走行速度 は2km/h向上する.※ピーク時:7:30~8:30を示す. (百万円/年). 3000 2,486 2000. 1000. 0. 0 現況. 図-14. 将来. 平均走行速度(船場川線)の比較. 4.

(5) Application of Traffic Simulation in Road Policy Assessment Accompanied by Railway Elevation Takuya MAEKAWA, Hiroshi INOUYE In road policy assessment, it is very important to present the influence and effect of the project simply, and to hold information in common with relatives. Thus, traffic simulation plays an important part in road policy assessment. In this paper, we present how to deal with traffic simulation and introduce an example of the application, in Road Policy Assessment accompanied by Railway Elevation. Lastly, we show possibility of traffic simulation in Road Policy Assessment.. 5.

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参照

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